特開 2024-15847 基板付きコネクタ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024015847

(43)【公開日】2024-02-06

(54)【発明の名称】基板付きコネクタ

(51)【国際特許分類】

   H01R 13/631 20060101AFI20240130BHJP

   H01R 12/75 20110101ALI20240130BHJP

【ＦＩ】

H01R13/631

H01R12/75

【審査請求】未請求

【請求項の数】7

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022118181

(22)【出願日】2022-07-25

(71)【出願人】

【識別番号】000231073

【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110003742

【氏名又は名称】弁理士法人海田国際特許事務所

(74)【代理人】

【識別番号】100128749

【弁理士】

【氏名又は名称】海田 浩明

(72)【発明者】

【氏名】佐藤 裕希子

(72)【発明者】

【氏名】田中 幸貴

(72)【発明者】

【氏名】亀山 豪太

【テーマコード（参考）】

5E021

5E223

【Ｆターム（参考）】

5E021FA05

5E021FA11

5E021FA14

5E021FA16

5E021FB01

5E021FB07

5E021FC21

5E021FC31

5E021FC36

5E021HA01

5E021HB11

5E021HC14

5E223AB59

5E223AC23

5E223AC25

5E223BA06

5E223BA07

5E223BB01

5E223BB21

5E223CB22

5E223CB31

5E223CB38

5E223CD01

5E223DA33

5E223DB09

5E223DB33

5E223EA03

5E223EB04

5E223EB12

5E223EC02

(57)【要約】

【課題】基板に対するコンプレッションコネクタの取り付け（固定）の作業性を向上させつつ確実な取り付けを行う。
【解決手段】基板付きコネクタ１０は、接続対象物に押し付けて接続するコンプレッションタイプのコネクタ３１と基板１１とをケージ２１を介して取り付けるものであって、基板１１と接触するコンタクト３２と、コンタクト３２が固定されたハウジング３３と、ハウジング３３の上面部を覆うカバーシェル３４と、を有するコンプレッションコネクタ３１を有している。そして、コンプレッションコネクタ３１は、基板１１に固定されたケージ２１に挿入されるものであり、ケージ２１又はコンプレッションコネクタ３１のいずれか一方には、ケージ２１に対してコンプレッションコネクタ３１を固定するための弾性力を及ぼす弾性体２１ｇが形成されている。
【選択図】図１９

【特許請求の範囲】

【請求項1】

接続対象物に押し付けて接続するコンプレッションタイプのコネクタと基板とをケージを介して取り付ける基板付きコネクタであって、
前記基板と接触するコンタクトと、前記コンタクトが固定されたハウジングと、前記ハウジングの上面部を覆うカバーシェルと、を有するコンプレッションコネクタを有し、
前記コンプレッションコネクタは、前記基板に固定された前記ケージに挿入されるものであり、
前記ケージ又は前記コンプレッションコネクタのいずれか一方には、前記ケージに対して前記コンプレッションコネクタを固定するための弾性力を及ぼす弾性体が形成されていることを特徴とする基板付きコネクタ。

【請求項2】

請求項１に記載の基板付きコネクタであって、
前記ケージには、前記コンプレッションコネクタを前記ケージの押し当て部に押し付けるばね片があり、
前記ばね片は、前記ケージのコネクタ挿入側に形成された突出部に形成されていることを特徴とする基板付きコネクタ。

【請求項3】

請求項２に記載の基板付きコネクタであって、
前記ばね片は、前記コンプレッションコネクタが前記ケージに斜めに挿入できる様に、前記ばね片の根元から先端に掛けて斜めに形成されていることを特徴とする基板付きコネクタ。

【請求項4】

請求項２に記載の基板付きコネクタであって、
前記基板には、前記ばね片の先端が入り込めるように穴が形成されていることを特徴とする基板付きコネクタ。

【請求項5】

請求項１に記載の基板付きコネクタであって、
前記コンプレッションコネクタには、前記ケージへの挿入方向に回転可能なロックレバーが形成されており、
前記ケージには、前記ロックレバーのロック部が入り込む、ロック孔が形成されていることを特徴とする基板付きコネクタ。

【請求項6】

請求項５に記載の基板付きコネクタであって、
前記ケージには、前記コンプレッションコネクタのコンタクト反力を受ける天面があり、天面から垂直に曲げられた垂直面にロック孔が形成されていることを特徴とする基板付きコネクタ。

【請求項7】

請求項１～６のいずれか１項に記載の基板付きコネクタであって、
前記コンプレッションコネクタは、前記ハウジングの下面部を覆うボトムシェルを含むことを特徴とする基板付きコネクタ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、基板付きコネクタに関するものである。

【背景技術】

【0002】

従来から、基板等の接続対象物に押し付けて接続するコンプレッションタイプのコネクタが公知である。この種のコネクタの構造が、例えば、下記特許文献１等に開示されている。下記特許文献１に開示された従来のコンプレッションタイプのコネクタは、図３６に示されるように、弾性スプリング部（23）を有するコンタクト（20）を備えた電気コネクタ（1）として構成されている。この電気コネクタ（1）には、複数のコンタクト（20）が整列した状態で配置されている。

【0003】

コンタクト（20）は、第１の回路基板（30）に半田接続される基板接続部（22）と、第２の回路基板（40）に接触する接触部（24）とを有する。基板接続部（22）と接触部（24）との間には、バネ性を有する弾性スプリング部（23）が設けられている。第１の回路基板（30）の上に半田接続によって取り付けられたコンタクト（20）の上方側から第２の回路基板（40）を押し付けることで、コンタクト（20）の弾性スプリング部（23）がバネ性を発揮し、第２の回路基板（40）とコンタクト（20）との間に接触圧力を生じさせる。なお、先行技術文献の説明に関する符号については、括弧を付けることで本願発明の実施形態と区別した。

【0004】

そして、従来のコンプレッションコネクタにおいて、基板との取り付け（固定）には、ねじ留めを用いることが行われていた。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【特許文献1】特開２０００－１２１２３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

しかしながら、コンプレッションコネクタを基板に対してねじ留めで固定する際、一般的には、コネクタが搭載されるコネクタ搭載面側とは反対側の基板面からナットを取り付け、コネクタ搭載面側からねじを締める方法が取られる。このような従来技術の場合において、作業者は、ねじを締めている間に手などでコネクタやナットを押さえておく必要があり、コネクタの取り付け（固定）作業がやりづらいという課題が存在していた。すなわち、従来のねじ留めによるコンプレッションコネクタと基板の固定構造には、ねじの他に別部品のナットが必要となるため、ナットが紛失してしまう可能性や作業工数が掛かる等の問題が存在していた。

【0007】

つまり、従来のコンプレッションコネクタにおいては、基板との取り付け（固定）に際して取り付けの作業性を向上させつつ確実な取り付けを行う構成を実現することが求められていた。

【0008】

よって本発明は、コンプレッションコネクタと基板を固定する際に、コネクタの取り付け（固定）作業が簡単であり、少ない動作でコンプレッションコネクタを基板に固定することができる構成を実現することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0009】

本発明に係る基板付きコネクタは、接続対象物に押し付けて接続するコンプレッションタイプのコネクタと基板とをケージを介して取り付ける基板付きコネクタであって、前記基板と接触するコンタクトと、前記コンタクトが固定されたハウジングと、前記ハウジングの上面部を覆うカバーシェルと、を有するコンプレッションコネクタを有し、前記コンプレッションコネクタは、前記基板に固定された前記ケージに挿入されるものであり、前記ケージ又は前記コンプレッションコネクタのいずれか一方には、前記ケージに対して前記コンプレッションコネクタを固定するための弾性力を及ぼす弾性体が形成されていることを特徴とするものである。

【0010】

すなわち、本発明に係る基板付きコネクタは、コンプレッションタイプのコネクタと基板とをケージを介して取り付ける機構を備えるものであり、ケージ又はコネクタに形成された弾性力を及ぼす弾性体を用いることで、簡単かつ確実な固定状態が得られる。また、弾性力を及ぼす弾性体は、ケージ又はコネクタに形成された部材であるため、従来のねじやナットのように落下したり紛失したりすることがない。さらに、弾性体の発揮する弾性力により固定する機構のため、取り付けに関する作業工数が低減されるとともに、従来のようにねじのトルク管理が不要である。

【0011】

また、本発明に係る基板付きコネクタにおいて、前記ケージには、前記コンプレッションコネクタを前記ケージの押し当て部に押し付けるばね片があり、前記ばね片は、前記ケージのコネクタ挿入側に形成された突出部に形成されていることとすることができる。

【0012】

また、本発明に係る基板付きコネクタにおいて、前記ばね片は、前記コンプレッションコネクタが前記ケージに斜めに挿入できる様に、前記ばね片の根元から先端に掛けて斜めに形成されていることとすることができる。

【0013】

また、本発明に係る基板付きコネクタにおいて、前記基板には、前記ばね片の先端が入り込めるように穴を形成することができる。

【0014】

さらに、本発明に係る基板付きコネクタにおいて、前記コンプレッションコネクタには、前記ケージへの挿入方向に回転可能なロックレバーが形成されており、前記ケージには、前記ロックレバーのロック部が入り込む、ロック孔が形成されていることとすることができる。

【0015】

また、本発明に係る基板付きコネクタにおいて、前記ケージには、前記コンプレッションコネクタのコンタクト反力を受ける天面があり、天面から垂直に曲げられた垂直面にロック孔が形成されていることとすることができる。

【0016】

さらに、本発明に係る基板付きコネクタにおいて、前記コンプレッションコネクタは、前記ハウジングの下面部を覆うボトムシェルを含むことができる。

【発明の効果】

【0017】

本発明によれば、コンプレッションコネクタと基板を固定する際に、コネクタの取り付け（固定）作業が簡単であり、少ない動作でコンプレッションコネクタを基板に固定することができる構成を実現することができる。特に、本発明では、あらかじめ基板に形成されたケージに対してコンプレッションコネクタを設置すればよく、位置決めや固定が簡単である。そのため、本発明によれば、基板に対するコンプレッションコネクタの取り付け（固定）の作業性を向上させつつ確実な取り付けを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【0018】

【図1】第１の実施形態に係る基板付きコネクタを前方右上から見た場合の外観斜視図である。

【図2】第１の実施形態に係る基板付きコネクタを後方左上から見た場合の外観斜視図である。

【図3】第１の実施形態に係る基板付きコネクタを前方右下から見た場合の外観斜視図である。

【図4】第１の実施形態に係る基板付きコネクタにおいて、ケージ付きの基板からコンプレッションコネクタが取り外された状態を前方右上から見た場合の外観斜視図である。

【図5】第１の実施形態に係る基板付きコネクタにおいて、ケージ付きの基板からコンプレッションコネクタが取り外された状態を後方左上から見た場合の外観斜視図である。

【図6】第１の実施形態に係るコンプレッションコネクタを前方右上から見た場合の外観斜視図である。

【図7】第１の実施形態に係るコンプレッションコネクタを後方左下から見た場合の外観斜視図である。

【図8】第１の実施形態に係るコンプレッションコネクタの正面図である。

【図9】第１の実施形態に係るコンプレッションコネクタの右側面図である。

【図10】図８におけるＡ－Ａ線断面を示す縦断面図である。

【図11】第１の実施形態に係る基板付きコネクタにおいて、基板からケージが取り外された状態を前方右上から見た場合の外観斜視図である。

【図12】第１の実施形態に係る基板付きコネクタにおいて、基板からケージが取り外された状態を前方右下から見た場合の外観斜視図である。

【図13】第１の実施形態に係る基板付きコネクタが有するケージを前方右上から見た場合の外観斜視図である。

【図14】第１の実施形態に係る基板付きコネクタが有するケージを後方左下から見た場合の外観斜視図である。

【図15】第１の実施形態に係る基板付きコネクタが有するケージの正面図である。

【図16】第１の実施形態に係る基板付きコネクタが有するケージの上面図である。

【図17】図１５におけるＢ－Ｂ線断面を示す縦断面図である。

【図18】第１の実施形態に係る基板付きコネクタが有するケージに対してコンプレッションコネクタを挿入する際の姿勢状態を示した右側面図である。

【図19】第１の実施形態に係る基板付きコネクタの縦断面を示す参考図であり、ケージ付きの基板に対してコンプレッションコネクタが挿入設置された状態が示されている。

【図20】第２の実施形態に係る基板付きコネクタを前方右上から見た場合の外観斜視図である。

【図21】第２の実施形態に係る基板付きコネクタを後方左上から見た場合の外観斜視図である。

【図22】第２の実施形態に係る基板付きコネクタを前方右下から見た場合の外観斜視図である。

【図23】第２の実施形態に係る基板付きコネクタにおいて、ケージ付きの基板からコンプレッションコネクタが取り外された状態を前方右上から見た場合の外観斜視図である。

【図24】第２の実施形態に係る基板付きコネクタにおいて、ケージ付きの基板からコンプレッションコネクタが取り外された状態を後方左上から見た場合の外観斜視図である。

【図25】第２の実施形態に係るコンプレッションコネクタを前方右上から見た場合の外観斜視図である。

【図26】第２の実施形態に係るコンプレッションコネクタを後方左下から見た場合の外観斜視図である。

【図27】第２の実施形態に係るコンプレッションコネクタの正面図である。

【図28】第２の実施形態に係るコンプレッションコネクタの上面図である。

【図29】第２の実施形態に係るコンプレッションコネクタの右側面図であり、コンプレッションコネクタが備えるロックレバーの動作例を説明するための図である。

【図30】図２７におけるＣ－Ｃ線断面を示す縦断面図である。

【図31】第２の実施形態に係る基板付きコネクタが有するケージ付きの基板を前方右上から見た場合の外観斜視図である。

【図32】第２の実施形態に係る基板付きコネクタが有するケージ付きの基板の正面図である。

【図33】第２の実施形態に係る基板付きコネクタが有するケージ付きの基板の背面図である。

【図34】第２の実施形態に係る基板付きコネクタが有するケージ付きの基板の右側面図である。

【図35】図３２におけるＤ－Ｄ線断面を示す縦断面図である。

【図36】従来のコンプレッションタイプのコネクタが回路基板間に配置された状態を示す断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0019】

以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、図では、説明の便宜のために第１方向、第２方向、第３方向を定義した。本明細書において、第１方向は、前後方向である。図において、前後方向はＸ方向として示される。特に、前方を＋Ｘ方向、後方を－Ｘ方向とする。また、本明細書において、第２方向は、左右方向である。図において、左右方向はＹ方向として示される。特に、右方を＋Ｙ方向、左方を－Ｙ方向とする。さらに、本明細書において、第３方向は、上下方向である。図において、上下方向はＺ方向として示される。特に、上方を＋Ｚ方向、下方を－Ｚ方向とする。ただし、本明細書で定義された第１方向であるＸ方向、第２方向であるＹ方向、第３方向であるＺ方向は、各実施形態の基板付きコネクタの使用時の方向を限定するものではない。各実施形態の基板付きコネクタは、あらゆる方向で使用することができる。

【0020】

また、以下の各実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、各実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。

【0021】

［第１の実施形態］
図１～図１９を参照して、第１の実施形態に係る基板付きコネクタ１０の構成を説明する。第１の実施形態に係る基板付きコネクタ１０は、図１～図３に示されるように、基板１１と、基板１１の上面に設置されるケージ２１と、ケージ２１を介して基板１１に取り付けられるコンプレッションコネクタ３１と、を有している。

【0022】

基板１１には、不図示のプリント回路等が含まれており、基板１１の上面に取り付けられたケージ２１を介して基板１１とコンプレッションコネクタ３１とが電気的に接続することで、電気信号や電源電力等を受け渡すことができるように構成されている。

【0023】

また、基板１１には、複数の取付孔（不図示）や、本発明の穴としての開口部１３が形成されている（図３参照）。複数（第１の実施形態では１３個を想定している）の取付孔（不図示）には、後述するケージ２１が有する複数の脚部２２が挿し込まれることで、基板１１に対するケージ２１の固定が行われる。また、複数（第１の実施形態では２個）の開口部１３は、後述するケージ２１が有する本発明の弾性体としてのばね片２１ｇが、コンプレッションコネクタ３１を挿入する際に上方から下方に向けて押されたときに、当該ばね片２１ｇの先端が開口部１３に入り込むことで、ばね片２１ｇが弾性力を常時発揮できるように形成されている。つまり、第１の実施形態に係る基板付きコネクタ１０では、開口部１３の存在によって、ケージ２１付きの基板１１とコンプレッションコネクタ３１との固定接続が阻害されることが無いようになっている。

【0024】

ケージ２１は、図１３～図１７に示すように、平板状の金属板材を折り曲げることで形成された部材であり、上面を形成する天面２１ａと、天面２１ａの前方と左右側面から垂直に曲げられることで本発明の垂直面として形成された垂直前面２１ｂ、垂直右側面２１ｃおよび垂直左側面２１ｄを有している。これら天面２１ａ、垂直前面２１ｂ、垂直右側面２１ｃ、垂直左側面２１ｄと、基板１１の上面によって囲まれた領域が、コンプレッションコネクタ３１を収納設置する領域となっている。

【0025】

垂直前面２１ｂ、垂直右側面２１ｃ、垂直左側面２１ｄの下方端面には、複数（第２の実施形態では１３個）の脚部２２が形成されている。この脚部２２は、下方に延びる軸状の部材となっており、基板１１に形成された複数の取付孔（不図示）に挿し込まれることで、基板１１とケージ２１との確実な固定が実施されている。なお、脚部２２と複数の取付孔（不図示）との固定方法については、半田や接着剤などを用いて固定したり、脚部２２を取付孔（不図示）に挿し込んだ後に折り曲げたりすることで、確実な固定を行ってもよい。

【0026】

また、垂直右側面２１ｃおよび垂直左側面２１ｄの後方端面には、ケージ２１にとってコネクタ挿入側となる後方に向けて延びて形成された突出部２１ｅが形成されており、さらに、突出部２１ｅの後方端部には略Ｌ字形をした立設部２１ｆが形成され、またさらに、略Ｌ字形をした立設部２１ｆの上方端部には、基板１１の上面に対して斜め方向に形成されたばね片２１ｇが形成されている。

【0027】

ばね片２１ｇは、当該ばね片２１ｇの根元である立設部２１ｆとの接続側から前方に向けて延びて形成されており、前方端部である先端が後方側にある根元よりも基板１１に近い位置となるように、根元から先端に掛けて前下がりになるように斜めに形成されている。このばね片２１ｇは、コンプレッションコネクタ３１を収納設置する領域である天面２１ａ、垂直前面２１ｂ、垂直右側面２１ｃ、垂直左側面２１ｄと、基板１１の上面によって囲まれた領域に向けてコンプレッションコネクタ３１を誘導することで、コンプレッションコネクタ３１をケージ２１に対して斜め方向にスムースに挿入できる様に構成されている。

【0028】

さらにまた、コンプレッションコネクタ３１をケージ２１に対して斜めに挿入する際には、ばね片２１ｇに対して下方に向けて押し付ける外力が加わることになるが、この様な外力が加わった場合にばね片２１ｇが下方に向けて撓んだ場合にも、基板１１には開口部１３が形成されているので、ばね片２１ｇの先端は開口部１３の内部に入り込むことができる。したがって、第１の実施形態に係る基板付きコネクタ１０では、コンプレッションコネクタ３１の挿入動作が阻害されることが無い。また、コンプレッションコネクタ３１がケージ２１に対して完全に挿入されたときには、ばね片２１ｇに対するコンプレッションコネクタ３１からの外力は解除されるので、ばね片２１ｇの先端は開口部１３から抜け出して上方位置に移動する。外力を受けていないばね片２１ｇの先端の位置は、図１９に示すように、ケージ２１に対して完全に挿入設置されたコンプレッションコネクタ３１の背面中央の位置に相当するので、ばね片２１ｇは、ケージ２１に対してコンプレッションコネクタ３１が後方側に抜け出す方向に移動することを阻害する機能を発揮することになる。つまり、第１の実施形態に係るばね片２１ｇは、コンプレッションコネクタ３１をケージ２１に対して斜めに挿入する際の誘導案内の機能だけでなく、抜け止めとしての機能も発揮できる部材となっている。

【0029】

コンプレッションコネクタ３１は、図６～図１０に示すように、基板１１と接触するコンタクト３２と、コンタクト３２が固定されたハウジング３３と、ハウジング３３の上面部を覆うカバーシェル３４と、ハウジング３３の下面部を覆うボトムシェル３５を有する。

【0030】

コンタクト３２は、特に図７や図８に示すように、左右方向で横並びになるように複数個配置されている。

【0031】

また、複数のコンタクト３２のそれぞれは、図１０に示すように、ハウジング３３に固定された状態となっており、コンタクト３２の前方端部３２ａは湾曲することでバネ弾性を有する形状となっている。つまり、コンタクト３２の前方端部３２ａは、コンプレッションコネクタ３１が基板１１と接触していないときには、ボトムシェル３５の底面から下方に向けて突出するように配置されている（図１０で示す状態）。そのため、コンプレッションコネクタ３１を構成するボトムシェル３５の底面を基板１１の上面に対して－Ｚ方向に向けて押し付けると、ボトムシェル３５の底面から下方に向けて突出していた複数のコンタクト３２の前方端部３２ａは、基板１１の上面に対してバネ弾性による力を及ぼしながらボトムシェル３５の底面の位置まで押し込まれた状態となる。つまり、複数のコンタクト３２の前方端部３２ａは、＋Ｚ方向の力を受けることになる。したがって、基板１１に対してコンプレッションコネクタ３１が取り付けられた際には、バネ弾性による力によって複数のコンタクト３２のそれぞれが基板１１の上面に対して押し付けられるので、例えば、基板１１の上面に配置された不図示のプリント回路等と複数のコンタクト３２とが安定かつ確実な接続状態を維持できることとなる。

【0032】

一方、コンタクト３２の後方端部３２ｂは真っ直ぐ延びた直線形状となっている。そして、図１０に示すように、コンタクト３２の後方端部３２ｂには、電気ケーブル３６が半田等で接続される。したがって、外部からの電気信号や電源電力等が、電気ケーブル３６とコンタクト３２を介して基板１１側に伝達されることとなる。

【0033】

なお、第１の実施形態のコンプレッションコネクタ３１を構成する部材について、複数のコンタクト３２は導電性の金属材料によって構成されており、複数のコンタクト３２を固定するハウジング３３は非導電性の樹脂材料等で構成されている。また、ハウジング３３の上面部を覆うカバーシェル３４と、ハウジング３３の下面部を覆うボトムシェル３５は、互いの間にハウジング３３を内包した状態で上下方向に組み合わせられることで、コンプレッションコネクタ３１の外郭形状を形成する。カバーシェル３４とボトムシェル３５は、複数のコンタクト３２が埋め込まれたハウジング３３の外周を包むように配置されることで、電気ケーブル３６からの通電を受ける複数のコンタクト３２が埋め込まれたハウジング３３を保護している。この保護には、外部環境からの物理的な保護に加えて、電磁シールドなどの電気的および磁気的な保護も含まれる。

【0034】

以上、第１の実施形態に係る基板付きコネクタ１０の構成を説明した。次に、第１の実施形態に係る基板付きコネクタ１０を構成するケージ２１付きの基板１１に対するコンプレッションコネクタ３１の取り付け方法と取り外し方法を説明する。

【0035】

図１８に示すように、ケージ２１付きの基板１１に対してコンプレッションコネクタ３１の取り付けを行う場合には、ケージ２１が有するばね片２１ｇの前下がりの角度に合わせてコンプレッションコネクタ３１を斜め方向に誘導する。そして、コンプレッションコネクタ３１をケージ２１に向けて挿し込むと、コンプレッションコネクタ３１はばね片２１ｇが発揮する弾性力に抗した下向きの外力をばね片２１ｇに対して加えることになる。下向きの外力が加わったばね片２１ｇは、下方に向けて撓むことになるが、ばね片２１ｇの先端の下方の基板１１の位置には、開口部１３が形成されているので、ばね片２１ｇの先端は開口部１３の内部に入り込むことになる。したがって、ばね片２１ｇは、外力を及ぼすコンプレッションコネクタ３１に対して常に上向きの弾性力を反力として及ぼした状態となっている。さらに、コンプレッションコネクタ３１をケージ２１に向けて挿し込み、最終的に、ケージ２１における天面２１ａ、垂直前面２１ｂ、垂直右側面２１ｃ、垂直左側面２１ｄと、基板１１の上面によって囲まれた領域に対して完全にコンプレッションコネクタ３１が収納されると、ばね片２１ｇはコンプレッションコネクタ３１から及ぼされる外力から解放されて、ばね片２１ｇの先端は開口部１３から抜け出して上方位置に移動する。この状態が、図１９に示されている。図１９で示す状態のとき、ばね片２１ｇの先端は、ケージ２１に対して完全に挿入設置されたコンプレッションコネクタ３１の背面中央の位置にあるので、ばね片２１ｇは、ケージ２１に対してコンプレッションコネクタ３１が後方側に抜け出す方向に移動することを阻害する機能を発揮することになる。つまり、第１の実施形態に係るばね片２１ｇは、コンプレッションコネクタ３１をケージ２１に対して斜めに挿入する際の誘導案内の機能と、抜け止めとしての機能を発揮する。

【0036】

ケージ２１付きの基板１１に対して挿入固定されたコンプレッションコネクタ３１は、コンプレッションコネクタ３１が有する複数のコンタクト３２が及ぼす垂直方向のコンタクト反力を基板１１に対して及ぼすことになる。しかし、複数のコンタクト３２が及ぼす垂直方向のコンタクト反力は、コンプレッションコネクタ３１を収納するケージ２１において、特に、ケージ２１の上面を構成する天面２１ａが受け止めることになる。さらには、ばね片２１ｇがコンプレッションコネクタ３１の抜け止めとしての機能を発揮するので、基板１１に対するコンプレッションコネクタ３１の安定した固定状態が維持されることとなる。

【0037】

一方、図１９で示す状態のケージ２１付きの基板１１からコンプレッションコネクタ３１を取り外す際には、使用者がばね片２１ｇを下方に向けて押し込んでコンプレッションコネクタ３１の抜け止め機能を解除し、その状態からコンプレッションコネクタ３１を後方に向けてケージ２１から後方斜め上方に向けて引き抜くことで、ケージ２１付きの基板１１からコンプレッションコネクタ３１を取り外すことができる。

【0038】

上述のように、第１の実施形態に係る基板付きコネクタ１０では、ケージ２１に形成された弾性力を及ぼす弾性体としてのばね片２１ｇを用いることで、ケージ２１付きの基板１１に対するコンプレッションコネクタ３１の簡単かつ確実な固定状態を得ることができる。また、弾性力を及ぼす弾性体としてのばね片２１ｇは、ケージ２１に形成された部材であるため、従来のねじやナットのように落下したり紛失したりすることがない。さらに、ばね片２１ｇの発揮する弾性力により固定する機構のため、取り付けに関する作業工数が低減されるとともに、従来のようにねじのトルク管理が不要である。つまり、第１の実施形態に係る基板付きコネクタ１０によれば、基板１１に対するコンプレッションコネクタ３１の取り付け（固定）の作業性を向上させつつ確実な取り付けを行うことができる。

【0039】

以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記した第１の実施形態に記載の範囲には限定されない。上記第１の実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。

【0040】

例えば、上述した第１の実施形態では、弾性力を及ぼす弾性体としてのばね片２１ｇをケージ２１に対して形成した場合の例を示したが、弾性力を及ぼす弾性体については、コンプレッションコネクタに対して形成してもよい。

【0041】

以上、図１～図１９を参照して、第１の実施形態に係る基板付きコネクタ１０の構成を説明した。次に、本発明に係る基板付きコネクタが取り得る別の形態例である第２の実施形態に係る基板付きコネクタ１００について、図２０～図３５を用いて説明を行う。なお、以下の説明では、上述した第１の実施形態で説明した部材と同一又は類似する部材について、同一符号を付して説明を省略する場合がある。

【0042】

［第２の実施形態］
図２０～図３５を参照して、第２の実施形態に係る基板付きコネクタ１００の構成を説明する。第２の実施形態に係る基板付きコネクタ１００は、図２０～図２２に示されるように、基板１１と、基板１１の上面に設置されるケージ２１と、ケージ２１を介して基板１１に取り付けられるコンプレッションコネクタ３１と、を有している。

【0043】

基板１１には、不図示のプリント回路等が含まれており、基板１１の上面に取り付けられたケージ２１を介して基板１１とコンプレッションコネクタ３１とが電気的に接続することで、電気信号や電源電力等を受け渡すことができるように構成されている。

【0044】

また、基板１１には、複数の取付孔（不図示）が形成されている（図２２参照）。複数（第２の実施形態では１３個を想定している）の取付孔（不図示）には、後述するケージ２１が有する複数の脚部２２が挿し込まれることで、基板１１に対するケージ２１の固定が行われる。

【0045】

ケージ２１は、図３１～図３５に示すように、平板状の金属板材を折り曲げることで形成された部材であり、上面を形成する天面２１ａと、天面２１ａの前方と左右側面から垂直に曲げられることで本発明の垂直面として形成された垂直前面２１ｂ、垂直右側面２１ｃおよび垂直左側面２１ｄを有している。これら天面２１ａ、垂直前面２１ｂ、垂直右側面２１ｃ、垂直左側面２１ｄと、基板１１の上面によって囲まれた領域が、コンプレッションコネクタ３１を収納設置する領域となっている。

【0046】

垂直前面２１ｂ、垂直右側面２１ｃ、垂直左側面２１ｄの下方端面には、複数（第２の実施形態では１３個）の脚部２２が形成されている。この脚部２２は、下方に延びる軸状の部材となっており、基板１１に形成された複数の取付孔（不図示）に挿し込まれることで、基板１１とケージ２１との確実な固定が実施されている。なお、脚部２２と複数の取付孔（不図示）との固定方法については、半田や接着剤などを用いて固定したり、脚部２２を取付孔（不図示）に挿し込んだ後に折り曲げたりすることで、確実な固定を行ってもよい。

【0047】

また、垂直前面２１ｂの中央位置には、後述するコンプレッションコネクタ３１が備えるロックレバー３７のロック部３７ａが入り込む、ロック孔２３が形成されている。ロック孔２３は、ケージ２１付きの基板１１に対してコンプレッションコネクタ３１の取り付けを行う際の固定手段として機能する。

【0048】

コンプレッションコネクタ３１は、図２５～図３０に示すように、基板１１と接触するコンタクト３２と、コンタクト３２が固定されたハウジング３３と、ハウジング３３の上面部を覆うカバーシェル３４と、ハウジング３３の下面部を覆うボトムシェル３５と、ケージ２１への挿入方向に回転可能な本発明の弾性体としてのロックレバー３７と、を有する。

【0049】

コンタクト３２は、特に図２６や図２７に示すように、左右方向で横並びになるように複数個配置されている。

【0050】

また、複数のコンタクト３２のそれぞれは、図３０に示すように、ハウジング３３に固定された状態となっており、コンタクト３２の前方端部３２ａは湾曲することでバネ弾性を有する形状となっている。つまり、コンタクト３２の前方端部３２ａは、コンプレッションコネクタ３１が基板１１と接触していないときには、ボトムシェル３５の底面から下方に向けて突出するように配置されている（図３０で示す状態）。そのため、コンプレッションコネクタ３１を構成するボトムシェル３５の底面を基板１１の上面に対して－Ｚ方向に向けて押し付けると、ボトムシェル３５の底面から下方に向けて突出していた複数のコンタクト３２の前方端部３２ａは、基板１１の上面に対してバネ弾性による力を及ぼしながらボトムシェル３５の底面の位置まで押し込まれた状態となる。つまり、複数のコンタクト３２の前方端部３２ａは、＋Ｚ方向の力を受けることになる。したがって、基板１１に対してコンプレッションコネクタ３１が取り付けられた際には、バネ弾性による力によって複数のコンタクト３２のそれぞれが基板１１の上面に対して押し付けられるので、例えば、基板１１の上面に配置された不図示のプリント回路等と複数のコンタクト３２とが安定かつ確実な接続状態を維持できることとなる。

【0051】

一方、コンタクト３２の後方端部３２ｂは真っ直ぐ延びた直線形状となっている。そして、図３０に示すように、コンタクト３２の後方端部３２ｂには、電気ケーブル３６が半田等で接続される。したがって、外部からの電気信号や電源電力等が、電気ケーブル３６とコンタクト３２を介して基板１１側に伝達されることとなる。

【0052】

ロックレバー３７は、棒状の金属線材を折り曲げ加工して形成された部材である。ロックレバー３７は、概略Ｃ字形をした部材であり、ロックレバー３７の両端部は、回転自在な状態でハウジング３３の左右側面後方寄りに取り付けされている。また、図２８等で示すように、ロックレバー３７をコンプレッションコネクタ３１の前方に倒した際の前方中央部の位置が、内側（コネクタ側）に向けて湾曲して凹んだロック部３７ａとなっている。このロック部３７ａは、コンプレッションコネクタ３１をケージ２１に挿入した状態でロックレバー３７を前方に倒した状態のときに、ケージ２１を構成する垂直前面２１ｂの中央位置に形成されたロック孔２３に入り込むように形成されており、ロックレバー３７のロック部３７ａと、ケージ２１のロック孔２３が協働することで、ケージ２１に対するコンプレッションコネクタ３１の固定手段として機能するように構成されている。

【0053】

なお、第２の実施形態のコンプレッションコネクタ３１を構成する部材について、複数のコンタクト３２は導電性の金属材料によって構成されており、複数のコンタクト３２を固定するハウジング３３は非導電性の樹脂材料等で構成されている。また、ハウジング３３の上面部を覆うカバーシェル３４と、ハウジング３３の下面部を覆うボトムシェル３５は、互いの間にハウジング３３を内包した状態で上下方向に組み合わせられることで、コンプレッションコネクタ３１の外郭形状を形成する。カバーシェル３４とボトムシェル３５は、複数のコンタクト３２が埋め込まれたハウジング３３の外周を包むように配置されることで、電気ケーブル３６からの通電を受ける複数のコンタクト３２が埋め込まれたハウジング３３を保護している。この保護には、外部環境からの物理的な保護に加えて、電磁シールドなどの電気的および磁気的な保護も含まれる。

【0054】

以上、第２の実施形態に係る基板付きコネクタ１００の構成を説明した。次に、第２の実施形態に係る基板付きコネクタ１００を構成するケージ２１付きの基板１１に対するコンプレッションコネクタ３１の取り付け方法と取り外し方法を説明する。

【0055】

ケージ２１付きの基板１１に対してコンプレッションコネクタ３１の取り付けを行う場合には、図２３および図２４に示すように、ケージ２１の後方から水平方向にコンプレッションコネクタ３１を移動させて挿し込むことになる。このとき、コンプレッションコネクタ３１が有するロックレバー３７については、図２９中の破線で示すように、上方に向けて回転させて立った状態にしておく。

【0056】

この状態から、コンプレッションコネクタ３１を水平移動させて、ケージ２１における天面２１ａ、垂直前面２１ｂ、垂直右側面２１ｃ、垂直左側面２１ｄと、基板１１の上面によって囲まれた領域に対してコンプレッションコネクタ３１を挿し込んで収納する。さらに、ロックレバー３７をケージ２１の前方に向けて回転させて、ロックレバー３７のロック部３７ａをケージ２１のロック孔２３に嵌め込む。このとき、ロックレバー３７は、棒状の金属線材を折り曲げ加工して形成された部材であるので、本発明の弾性体としての弾性力を有している。そのため、ロック部３７ａとロック孔２３との嵌め込み状態を解除するためにロックレバー３７を回転させようとした場合には、金属材料が有する弾性体としての弾性力が機能して、嵌め込み状態を維持しようとする力が働くことになる。また、ロック部３７ａがロック孔２３に嵌め込まれた状態で、ケージ２１からコンプレッションコネクタ３１を引き抜こうとすると、ロックレバー３７がケージ２１に引っ掛かってコンプレッションコネクタ３１を引き抜くことを阻害することになる。つまり、ロックレバー３７のロック部３７ａをケージ２１のロック孔２３に嵌め込むことで、ケージ２１付きの基板１１に対してコンプレッションコネクタ３１の固定状態が適切に維持されることとなる。

【0057】

ケージ２１付きの基板１１に対して挿入固定されたコンプレッションコネクタ３１は、コンプレッションコネクタ３１が有する複数のコンタクト３２が及ぼす垂直方向のコンタクト反力を基板１１に対して及ぼすことになる。しかし、複数のコンタクト３２が及ぼす垂直方向のコンタクト反力は、コンプレッションコネクタ３１を収納するケージ２１において、特に、ケージ２１の上面を構成する天面２１ａが受け止めることになる。さらには、ロックレバー３７のロック部３７ａとケージ２１のロック孔２３とが協働してコンプレッションコネクタ３１の抜け止めとしての機能を発揮するので、基板１１に対するコンプレッションコネクタ３１の安定した固定状態が維持されることとなる。

【0058】

一方、図２０および図２１で示す状態のケージ２１付きの基板１１からコンプレッションコネクタ３１を取り外す際には、使用者がロックレバー３７を回転させることでロック部３７ａとロック孔２３との嵌め込み状態を解除し、その状態からコンプレッションコネクタ３１を後方に向けてケージ２１から水平に引き抜くことで、ケージ２１付きの基板１１からコンプレッションコネクタ３１を取り外すことができる。

【0059】

上述のように、第２の実施形態に係る基板付きコネクタ１００では、コンプレッションコネクタ３１に形成された弾性力を及ぼす弾性体としてのロックレバー３７を用いることで、ケージ２１付きの基板１１に対するコンプレッションコネクタ３１の簡単かつ確実な固定状態を得ることができる。また、弾性力を及ぼす弾性体としてのロックレバー３７は、コンプレッションコネクタ３１に形成された部材であるため、従来のねじやナットのように落下したり紛失したりすることがない。さらに、ロックレバー３７の発揮する弾性力により固定する機構のため、取り付けに関する作業工数が低減されるとともに、従来のようにねじのトルク管理が不要である。つまり、第２の実施形態に係る基板付きコネクタ１００によれば、基板１１に対するコンプレッションコネクタ３１の取り付け（固定）の作業性を向上させつつ確実な取り付けを行うことができる。

【0060】

以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記した第２の実施形態に記載の範囲には限定されない。上記第２の実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。

【0061】

例えば、上述した第２の実施形態では、弾性力を及ぼす弾性体としてのロックレバー３７をコンプレッションコネクタ３１に対して形成した場合の例を示したが、弾性力を及ぼす弾性体については、ケージ２１に対して形成してもよい。その場合には、ロックレバーのロック部が嵌め込まれるロック孔を、コンプレッションコネクタに対して形成すればよい。

【0062】

その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

【符号の説明】

【0063】

１０ （第１の実施形態の）基板付きコネクタ
１００ （第２の実施形態の）基板付きコネクタ
１１ 基板
１３ 開口部（穴）
２１ ケージ
２１ａ 天面
２１ｂ 垂直前面（垂直面）
２１ｃ 垂直右側面（垂直面）
２１ｄ 垂直左側面（垂直面）
２１ｅ 突出部
２１ｆ 立設部
２１ｇ ばね片（弾性体）
２２ 脚部
２３ ロック孔
３１ コンプレッションコネクタ
３２ コンタクト
３２ａ 前方端部
３２ｂ 後方端部
３３ ハウジング
３４ カバーシェル
３５ ボトムシェル
３６ 電気ケーブル
３７ ロックレバー（弾性体）
３７ａ ロック部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】

【図36】