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特開2024-158474蓄電装置、診断装置、診断方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158474
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】蓄電装置、診断装置、診断方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
G01R31/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073705
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】上田 裕樹
【テーマコード(参考)】
2G036
【Fターム(参考)】
2G036AA14
2G036AA18
2G036BA04
(57)【要約】
【課題】蓄電装置、診断装置、診断方法、及びコンピュータプログラムの提供。
【解決手段】蓄電素子と、蓄電素子と蓄電素子を外部に接続するための接続端子との間の電流経路を遮断する遮断器と、遮断器の故障を診断する診断装置とを備え、診断装置は、遮断器の温度を計測する計測部と、計測部により計測される温度に基づき、遮断器の故障を診断する診断部とを備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子と、
前記蓄電素子と、前記蓄電素子を外部に接続するための接続端子との間の電流経路を遮断する遮断器と、
前記遮断器の故障を診断する診断装置と
を備え、
前記診断装置は、
前記遮断器の温度を計測する計測部と、
前記計測部により計測される温度に基づき、前記遮断器の故障を診断する診断部と
を備える、蓄電装置。
【請求項2】
前記遮断器は、複数のスイッチ素子を備え、
前記計測部は、前記複数のスイッチ素子の夫々の温度を計測する複数の温度センサを備え、
前記診断部は、前記複数の温度センサにより計測される各スイッチ素子の温度に基づき、前記遮断器の故障を診断する
請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記複数の温度センサは、各スイッチ素子の対向位置に空間を隔てて配置してある
請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記各スイッチ素子と、前記各スイッチ素子の対向位置に配置された温度センサとを熱結合する結合材を備える
請求項3に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記診断部は、前記遮断器へ電流を流した際の各スイッチ素子の温度の上昇度合いに基づき、前記遮断器の故障を診断する
請求項2から請求項4の何れか1つに記載の蓄電装置。
【請求項6】
電流経路を遮断する遮断器の故障を診断する診断装置であって、
前記遮断器の温度を計測する計測部と、
前記計測部により計測される温度に基づき、前記遮断器の故障を診断する診断部と
を備える、診断装置。
【請求項7】
電流経路を遮断する遮断器の故障を診断する診断方法であって、
前記遮断器の温度を計測し、
計測した温度に基づき、前記遮断器の故障を診断する
処理をコンピュータにより実行する診断方法。
【請求項8】
電流経路を遮断する遮断器の故障を診断するコンピュータプログラムであって、
前記遮断器の温度を計測し、
計測した温度に基づき、前記遮断器の故障を診断する
処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置、診断装置、診断方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電素子と、蓄電素子に流れる電流の電流経路を遮断する遮断器とを備えた蓄電装置が開発されている。遮断器として、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、バイポーラトランジスタなどの半導体によるスイッチ素子が用いられることがある。半導体によるスイッチ素子は、電気的ストレス又は熱的ストレスによって半導体内部のボンディングワイヤやゲート酸化膜等が破損した場合、導通状態・非導通状態を制御できない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-118571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遮断器がスイッチ素子により構成されている場合、スイッチ素子を開閉制御し、実際に開閉したか否かを判断することによって、故障の有無を判断できる。しかしながら、コストダウン又は配線の簡素化などを目的として、ゲートラインが一本化されており、かつ、ソース端子やドレイン端子が他のスイッチ素子と同電位である場合、個別の故障診断はできない。
【0005】
本発明は、スイッチ素子を個別に開閉制御することなく故障の有無を判断できる蓄電装置、診断装置、診断方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子と、前記蓄電素子を外部に接続するための接続端子との間の電流経路を遮断する遮断器と、前記遮断器の故障を診断する診断装置とを備え、前記診断装置は、前記遮断器の温度を計測する計測部と、前記計測部により計測される温度に基づき、前記遮断器の故障を診断する診断部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
上記態様によれば、スイッチ素子を個別に開閉制御することなく故障の有無を判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る蓄電装置の構成例を示す斜視図である。
図2】蓄電装置の分解斜視図である。
図3】遮断器の回路構成を示す模式図である。
図4】オープン故障が発生した場合の発熱状況を説明する説明図である。
図5】クローズ故障が発生した場合の発熱状況を説明する説明図である。
図6】温度センサの第1の実装例を説明する説明図である。
図7】温度センサの第2の実装例を説明する説明図である。
図8】制御装置の内部構成を示すブロック図である。
図9】オープン故障を診断する際に制御部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図10】クローズ故障を診断する際に制御部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)本開示の蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子と、前記蓄電素子を外部に接続するための接続端子との間の電流経路を遮断する遮断器と、前記遮断器の故障を診断する診断装置とを備え、前記診断装置は、前記遮断器の温度を計測する計測部と、前記計測部により計測される温度に基づき、前記遮断器の故障を診断する診断部とを備える。
【0010】
遮断器がクローズしている場合、遮断器に電流が流れることで遮断器の温度は上昇し、遮断器がオープンしている場合、遮断器に電流は流れないので遮断器の温度は上昇しない。上記(1)の蓄電装置によれば、遮断器の温度を計測するので、例えば遮断器へ電流を流した際の温度上昇の有無を検知することにより、遮断器をクローズするように制御したにも関わらず、クローズできていない状態(オープン故障)と、遮断器をオープンするように制御したにも関わらず、オープンできていない状態(クローズ故障)とを区別して検出できる。上記蓄電装置によれば、遮断器の開閉制御を実行することなく、温度計測のみで遮断器の故障を診断できる。
【0011】
(2)上記(1)に記載の蓄電装置において、前記遮断器は、複数のスイッチ素子を備え、前記計測部は、前記複数のスイッチ素子の夫々の温度を計測する複数の温度センサを備え、前記診断部は、前記複数の温度センサにより計測される各スイッチ素子の温度に基づき、前記遮断器の故障を診断してもよい。
【0012】
上記(2)の蓄電装置によれば、遮断器が備える複数のスイッチ素子の夫々の温度を計測するので、各スイッチ素子の温度の上昇度合いを基に、遮断器の故障(オープン故障及びクローズ故障)を診断できる。
【0013】
(3)上記(2)に記載の蓄電装置において、前記複数の温度センサは、各スイッチ素子の対向位置に空間を隔てて配置してもよい。
【0014】
上記(3)の蓄電装置によれば、温度センサを各スイッチの対向位置に空間を隔てて配置しているので、スイッチ素子以外の発熱部品からの熱の影響を低減できる。
【0015】
(4)上記(3)に記載の蓄電装置において、前記各スイッチ素子と、前記各スイッチ素子の対向位置に配置された温度センサとを熱結合する結合材を備えてもよい。
【0016】
上記(4)の蓄電装置によれば、スイッチ素子と温度センサとは熱結合しているので、スイッチ素子で発生した熱は温度センサに速やかに伝わり、温度計測に要する時間や診断時間を短縮できる。
【0017】
(5)上記(2)から(4)の何れか1つに記載の蓄電装置において、前記診断部は、前記遮断器へ電流を流した際の各スイッチ素子の温度の上昇度合いに基づき、前記遮断器の故障を診断してもよい。
【0018】
上記(5)の蓄電装置によれば、各スイッチ素子の温度の上昇度合いを基に、遮断器の故障(オープン故障及びクローズ故障)を診断できる。
【0019】
(6)本開示の診断装置は、電流経路を遮断する遮断器の故障を診断する診断装置であって、前記遮断器の温度を計測する計測部と、前記計測部により計測される温度に基づき、前記遮断器の故障を診断する診断部とを備える。
【0020】
上記(6)の診断装置によれば、遮断器の温度を計測するので、例えば遮断器へ電流を流した際の温度上昇の有無を検知することにより、オープン故障とクローズ故障とを区別して検出できる。上記診断装置によれば、遮断器の開閉制御を実行することなく、温度計測のみで遮断器の故障を診断できる。
【0021】
(7)本開示の診断方法は、電流経路を遮断する遮断器の故障を診断する診断方法であって、前記遮断器の温度を計測し、計測した温度に基づき、前記遮断器の故障を診断する処理をコンピュータにより実行する。
【0022】
上記(7)の診断方法によれば、遮断器の温度を計測するので、例えば遮断器へ電流を流した際の温度上昇の有無を検知することにより、オープン故障とクローズ故障とを区別して検出できる。上記診断方法によれば、遮断器の開閉制御を実行することなく、温度計測のみで遮断器の故障を診断できる。
【0023】
(8)本開示のコンピュータプログラムは、電流経路を遮断する遮断器の故障を診断するコンピュータプログラムであって、前記遮断器の温度を計測し、計測した温度に基づき、前記遮断器の故障を診断する処理をコンピュータに実行させる。
【0024】
上記(8)のコンピュータプログラムによれば、遮断器の温度を計測するので、例えば遮断器へ電流を流した際の温度上昇の有無を検知することにより、オープン故障とクローズ故障とを区別して検出できる。上記コンピュータプログラムによれば、遮断器の開閉制御を実行することなく、温度計測のみで遮断器の故障を診断できる。
【0025】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1は実施の形態に係る蓄電装置1の構成例を示す斜視図、図2は蓄電装置1の分解斜視図である。以下では、図中に示す「前後」、「左右」、及び「上下」の各方向を参照しながら、蓄電装置1の構成例について説明する。
【0026】
蓄電装置1は、例えば、エンジン車両、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)等の車両や、その他の移動体に好適に搭載されるバッテリーである。
【0027】
蓄電装置1は、蓄電素子2、バスバーユニット4、及び回路基板6を備える。蓄電素子2、バスバーユニット4、及び回路基板6は、収容ケース10の内部に収容される。収容ケース10は合成樹脂製である。収容ケース10は、上面が開口したケース本体11と、ケース本体11の開口を覆うカバー12とを備える。ケース本体11及びカバー12の寸法は、内部に収容される蓄電素子2の寸法や個数に応じて設計される。ケース本体11及びカバー12は、蓄電素子2、バスバーユニット4、及び回路基板6を収容した状態にて、ネジ等の連結具、接着剤又は溶着等により液密に固着される。
【0028】
蓄電素子2は、例えばリチウムイオン二次電池による電池セルである。蓄電素子2は、中空直方体状のケース21を備える。ケース21の上面には蓄電素子2の正端子22及び負端子23が設けられている。ケース21の内部には電極体や電解液などが収容される。
【0029】
電極体は、詳細は図示しないが、シート状の正極と、負極とを、2枚のシート状のセパレータを介して重ね合わせ、これらを巻回(縦巻き又は横巻き)することにより構成される。セパレータは、多孔性の樹脂フィルムにより形成される。多孔性の樹脂フィルムとして、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂からなる多孔性樹脂フィルムを使用できる。
【0030】
正極は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金等からなる長尺帯状の正極基材の表面に、正極活物質層が形成された電極板である。正極活物質層は、正極活物質を含む。正極活物質層に用いられる正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を使用できる。正極活物質としては、例えばLiFePO4 が挙げられる。正極活物質層は、導電助剤、バインダ等を更に含んでもよい。
【0031】
負極は、例えば銅又は銅合金等からなる長尺帯状の負極基材の表面に、負極活物質層が形成された電極板である。負極活物質層は、負極活物質を含む。負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を使用できる。負極活物質としては、例えば黒鉛(グラファイト)、ハードカーボン、ソフトカーボン等が挙げられる。負極活物質層は、バインダ、増粘剤等を更に含んでもよい。
【0032】
電解質には、従来のリチウムイオン二次電池と同様のものを使用できる。例えば、電解質として、有機溶媒中に支持塩を含有させた電解質を使用できる。有機溶媒として、例えば、カーボネート類、エステル類、エーテル類等の非プロトン性溶媒が用いられる。支持塩として、例えば、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 等のリチウム塩が好適に用いられる。電解質は、例えば、ガス発生剤、被膜形成剤、分散剤、増粘剤等の各種添加剤を含んでもよい。
【0033】
実施の形態において、蓄電素子2は、リチウムイオン二次電池による電池セルである。代替的に、蓄電素子2は、全固体電池、鉛電池、レドックスフロー電池、亜鉛空気電池、アルカリマンガン電池、リチウム硫黄電池、ナトリウム硫黄電池、酸化銀亜鉛電池、ニッケル水素電池、溶融塩熱電池などによる電池セルであってもよいし、キャパシタであってもよい。
【0034】
実施の形態において、蓄電素子2は、巻回型の電極体を備えた角型の電池セルである。代替的に、蓄電素子2は、円筒型の電池セル、又はラミネート型(パウチ型)の電池セルであってもよく、積層型の電極体を備えた電池セルであってもよい。
【0035】
実施の形態において、ケース本体11に収容されている蓄電素子2の数は4個である。代替的に、ケース本体11に収容される蓄電素子2の数は、1個以上4個未満であってもよく、4個超であってもよい。
【0036】
以下の説明において、蓄電素子2は、ケース本体11の前側から順に、第1蓄電素子2A、第2蓄電素子2B、第3蓄電素子2C、第4蓄電素子2Dとも記載される。すなわち、第1蓄電素子2Aの後面に隣接して第2蓄電素子2Bが配置され、第2蓄電素子2Bの後面に隣接して第3蓄電素子2Cが配置され、第3蓄電素子2Cの後面に隣接して第4蓄電素子2Dが配置されている。図2の例では、第1蓄電素子2A及び第3蓄電素子2Cは、正端子22が左、負端子23が右となる向きにケース本体11に収容され、第2蓄電素子2B及び第4蓄電素子2Dは、正端子22が右、負端子23が左となる向きにケース本体11に収容されている。
【0037】
蓄電装置1には、ケース本体11に収容されている蓄電素子2と、外部端子13A,13Bとを電気的に接続する充放電経路が設けられている。充放電経路の一部は図に示していないバスバーにより構成される。例えば、第1蓄電素子2Aの負端子23は、バスバーを介して外部端子13Aに接続される。第1蓄電素子2Aの正端子22及び第2蓄電素子2Bの負端子23は、バスバーを介して互いに接続される。第2蓄電素子2Bの正端子22及び第3蓄電素子2Cの負端子23は、バスバーを介して互いに接続される。第3蓄電素子2Cの正端子22及び第4蓄電素子2Dの負端子23は、バスバーを介して互いに接続される。第4蓄電素子2Dの正端子22は、バスバーを介して外部端子13Bに接続される。この例では、蓄電素子2A~2Dはバスバーによって直列に接続される。代替的に、蓄電素子2A~2Dの一部又は全部は並列に接続されてもよい。
【0038】
蓄電素子2の端子面上にはバスバーユニット4が配置される。バスバーユニット4は、上述したバスバーと、これらのバスバーを保持する樹脂製のバスバーフレーム40とを備える。バスバーフレーム40は、複数の蓄電素子2の上側を覆って、複数の蓄電素子2から発せられる輻射熱を遮る。バスバーフレーム40の上面には回路基板6が配置される。回路基板6は、バスバーフレーム40の上面から離隔した状態にて、スペーサ41を介してバスバーフレーム40に固定される。回路基板6と蓄電素子2との間にはバスバーフレーム40や空気等の断熱層が存在するため、回路基板6は、蓄電素子2から熱的に離隔して配置されている。
【0039】
回路基板6は、第4蓄電素子2Dの正端子22と、外部端子13Bとの間の充放電経路(電流経路)を接続又は遮断するための遮断器60を備える。
【0040】
図3は遮断器60の回路構成を示す模式図である。遮断器60は、例えば、充電遮断用のスイッチ素子61A~63Aと、放電遮断用のスイッチ素子61B~63Bとを備える。スイッチ素子61A~63A,61B~63Bは、例えば、Nチャネル型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、それぞれ寄生ダイオードを有する。代替的に、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bは、Pチャネル型MOSFETであってもよい。
【0041】
スイッチ素子61A,61Bは、互いのドレイン同士が配線パターンを介して接続される。スイッチ素子61Aのソースは、配線パターンやバスバーを介して蓄電素子2Dの正端子22に接続される。スイッチ素子61Bのソースは、配線パターンやバスバーを介して外部端子13Bに接続される。スイッチ素子61A,61Bのゲートは、配線パターンを介して制御装置100(図8を参照)に接続される。スイッチ素子61A,61Bは、制御装置100から送出される制御信号(開閉信号)に応じて、開閉するよう構成される。
【0042】
同様に、スイッチ素子62A,62Bは、互いのドレイン同士が配線パターンを介して接続される。スイッチ素子62Aのソースは、配線パターンやバスバーを介して蓄電素子2Dの正端子22に接続される。スイッチ素子62Bのソースは、配線パターンやバスバーを介して外部端子13Bに接続される。スイッチ素子62A,62Bのゲートは、配線パターンを介して制御装置100に接続される。スイッチ素子62A,62Bは、制御装置100から送出される制御信号(開閉信号)に応じて、開閉するよう構成される。
【0043】
同様に、スイッチ素子63A,63Bは、互いのドレイン同士が配線パターンを介して接続される。スイッチ素子63Aのソースは、配線パターンやバスバーを介して蓄電素子2Dの正端子22に接続される。スイッチ素子63Bのソースは、配線パターンやバスバーを介して外部端子13Bに接続される。スイッチ素子63A,63Bのゲートは、配線パターンを介して制御装置100に接続される。スイッチ素子63A,63Bは、制御装置100から送出される制御信号(開閉信号)に応じて、開閉するよう構成される。
【0044】
遮断器60は、制御装置100からの制御により、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bをオン/オフする。遮断器60は、充電遮断用のスイッチ素子61A~63Aをオンすることにより、蓄電素子2への充電経路を接続し、スイッチ素子61A~63Aをオフすることにより、蓄電素子2への充電経路を遮断する。遮断器60は、放電遮断用のスイッチ素子61B~63Bをオンすることにより、蓄電素子2の放電経路(負荷への給電経路)を接続し、スイッチ素子61B~63Bをオフすることにより、蓄電素子2の放電経路を遮断する。
【0045】
実施の形態では、蓄電素子2の正極側(ハイサイド)に遮断器60を配置した。代替的に、遮断器60は、蓄電素子2の負極側(ロウサイド)に配置されてもよい。
【0046】
実施の形態では、遮断器60は3組(合計6個)のスイッチ素子を備える構成とした。代替的に、遮断器60は、1組(合計2個)若しくは2組(合計4個)、若しくは4組(合計8個)以上のスイッチ素子を備えてもよい。
【0047】
実施の形態では、2つのMOSFETをドレイン同士で接続したコモンドレインの回路構成とした。代替的に、遮断器60は、2つのMOSFETをソース同士で接続したコモンソースの回路構成としてもよい。
【0048】
図3の例では、説明の都合上、スイッチ素子61A,61Bを1本の配線パターンで接続し、スイッチ素子62A,62Bを別の配線パターンで接続し、スイッチ素子63A,63Bを更に別の配線パターンで接続する回路構成とした。代替的に、スイッチ素子61A~63Aと、スイッチ素子61B~63Bとを面状のパターンで接続した回路構成であってもよい。すなわち、スイッチ素子61Aのドレインは、面状のパターンによってスイッチ素子61B~63Bの各ドレインに接続されてもよい。スイッチ素子62A,63Aのドレインについても同様である。
【0049】
以下では、スイッチ素子61A~63Aは、それぞれ3つのスイッチ素子61B~63Bに接続されており、故障がなければ、1つのスイッチ素子61A(又は62A,63A)に流れる電流は3つのスイッチ素子61B~63Bに分散して流れるものとして説明する。
【0050】
以下、遮断器60に電流が流れた場合の発熱状況について説明する。
図4はオープン故障が発生した場合の発熱状況を説明する説明図である。遮断器60が備えるスイッチ素子61A~63A,61B~63Bをクローズした場合、これらに故障がなければ、電流は各スイッチ素子61A~63A,61B~63Bに分散して流れる。この結果、各素子の個体差を考慮しなければ、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bの温度は一様に上昇する。
【0051】
これに対し、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bの一部にオープン故障が発生した場合(クローズすべきところ、何らかの原因でクローズできない場合)、電流が流れない経路が発生して、電流の分散経路が減るため、残りの経路に電流が集中する。例えば、スイッチ素子62Aにオープン故障が発生した場合、このスイッチ素子62Aを含む電流経路には電流は流れないので、その分、スイッチ素子61A,63Aを含む電流経路に電流が集中する。一方、スイッチ素子61B~63Bは、それぞれ3つのスイッチ素子61A~63Aに接続されているため、スイッチ素子61B~63Bを含む電流経路には分散して電流が流れる。この結果、電流が流れないスイッチ素子62Aに温度上昇はなく、電流が集中するスイッチ素子61A,63Aの温度の上昇度合いは、電流が分散するスイッチ素子61B~63Bの温度の上昇度合いよりも高くなる。
【0052】
図5はクローズ故障が発生した場合の発熱状況を説明する説明図である。遮断器60が備えるスイッチ素子61A~63A,61B~63Bをオープンした場合、これらに故障がなければ、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bには電流は流れない。この結果、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bは温度上昇しない。
【0053】
これに対し、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bの一部にクローズ故障が発生した場合(オープンすべきところ、何らかの原因でオープンできない場合)、クローズ故障が発生したスイッチ素子を含む電流経路に電流が集中する。例えば、スイッチ素子62Aにクローズ故障が発生した場合、このスイッチ素子62Aに電流が集中し、その他のスイッチ素子61A,63A,61B~63Bには電流は流れない。この結果、電流が集中するスイッチ素子62Aの温度の上昇度合いは高く、電流が流れないスイッチ素子61A,63A,61B~63Bは温度上昇しない。
【0054】
実施の形態に係る制御装置100は、各スイッチ素子61A~63A,61B~63Bの温度を個別に計測し、計測した温度に基づき、遮断器60の故障を診断する。
【0055】
図6は温度センサの第1の実装例を説明する説明図である。実施の形態に係る蓄電装置1は、温度センサ71A~73A,71B~73Bが実装された回路基板7を備える。回路基板7は、各温度センサ71A~73A,71B~73Bと各スイッチ素子61A~63A,61B~63Bとがそれぞれ対向し、かつ、両者の間に空間が生じるように配置される。一例では、回路基板7は、回路基板6上にスペーサ(不図示)を介して固定される。代替的に、回路基板7は、バスバーフレーム40などの他の構造物に固定されてもよい。
【0056】
温度センサ71Aは、スイッチ素子61Aの対向位置に配置され、スイッチ素子61Aの温度を計測する。温度センサ71Aは、例えば、サーミスタや熱電対などである。温度センサ71Aは、スイッチ素子61Aの温度を計測し、計測結果として得られる温度データを制御装置100へ出力する。制御装置100が回路基板6に実装されている場合、温度センサ71Aを制御装置100に接続するためのコネクタ75が設けられてもよい。
【0057】
温度センサ72A,73A,71B~73Bについても同様であり、それぞれの対向位置に配置されたスイッチ素子62A,63A,61B~63Bの温度を計測し、計測結果として得られる温度データを制御装置100へ出力する。
【0058】
実施の形態では、温度センサ71A~73A,71B~73Bは、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bの対向位置に空間を隔てて配置されるので、スイッチ素子61A~63A,61B~63B以外の発熱部品からの熱の影響を低減できる。
【0059】
図7は温度センサの第2の実装例を説明する説明図である。第2の実装例では、各スイッチ素子61A~63A,61B~63Bと、各温度センサ71A~73A,71B~73Bとの間に熱結合材76が介装される。熱結合材76には、例えば、シリコーンなどの絶縁性を有し、熱伝導率が大きい材料が用いられる。なお、各温度センサ71A~73A,71B~73Bの配置は第1の実装例と同様である。
【0060】
第2の実装例では、熱結合材76を用いて、各スイッチ素子61A~63A,61B~63Bと、各温度センサ71A~73A,71B~73Bとを熱結合しているので、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bで発生した熱は、対向する温度センサ71A~73A,71B~73Bに速やかに伝達する。この結果、温度計測に要する時間や故障診断に要する時間を短縮できる。
【0061】
制御装置100は、温度センサ71A~73A,71B~73Bより出力される温度データに基づき、遮断器60を故障診断する。図8は制御装置100の内部構成を示すブロック図である。制御装置100は、例えば、蓄電装置1の状態を管理するBMU(Battery Management Unit)である。一例では、制御装置100は回路基板6に実装される。代替的に、制御装置100は回路基板6とは別の基板(例えば回路基板7)に実装される。更に、制御装置100は、蓄電装置1の外部に接続される端末装置やサーバ装置などのコンピュータであってもよい。
【0062】
制御装置100は、制御部101、記憶部102、通信部103、操作部104、表示部105などを備える。
【0063】
制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えた演算回路である。制御部101が備えるCPUは、ROMや記憶部102に格納されている各種コンピュータプログラムを読み込んで実行し、遮断器60の故障を診断する診断装置として機能させる。実施の形態において、制御部101は、温度センサ71A~73A,71B~73Bにより計測される温度に基づき、遮断器60の故障を診断する。
【0064】
代替的に、制御部101は、複数のCPU、マルチコアCPU、GPU(Graphics Processing Unit)、マイコン、揮発性又は不揮発性のメモリ等を備えた任意の演算回路であってもよい。制御部101は、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ、日時情報を出力するクロック等の機能を備えてもよい。
【0065】
記憶部102は、フラッシュメモリ、ハードディスクなどの記憶装置を備える。記憶部102には、各種のコンピュータプログラム及びデータが記憶される。記憶部102に記憶されるコンピュータプログラムは、温度センサ71A~73A,71B~73Bにより計測される温度に基づき、遮断器60の故障を診断する処理をコンピュータに実行させるための診断プログラムPGを含む。記憶部102に記憶されるデータは、診断プログラムPGにおいて用いられるパラメータや制御部101により生成されるデータなどを含む。
【0066】
診断プログラムPGを含むコンピュータプログラムは、当該コンピュータプログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体RMにより提供される。記録媒体RMは、CD-ROM、USBメモリ、SD(Secure Digital)カードなどの可搬型メモリである。制御部101は、図に示していない読取装置を用いて、記録媒体RMから所望のコンピュータプログラムを読み取り、読み取ったコンピュータプログラムを記憶部102に記憶させる。代替的に、診断プログラムPGを含むコンピュータプログラムは通信により提供されてもよい。
【0067】
通信部103は、各種の信号やデータを送受信する通信インタフェースを備える。通信部103は、例えば、制御部101からの指示により、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bを開閉する制御信号を回路基板6へ送信すると共に、温度センサ71A~73A,71B~73Bより出力される温度データを受信する。通信部103は、蓄電装置1が搭載される車両内のコンポーネント(例えば車載ECU)等の外部機器と通信してもよい。
【0068】
操作部104は、各種のスイッチやボタンなどの入力装置を備えており、ユーザによる操作を受付ける。表示部105は、液晶ディスプレイ装置などの表示装置を備えており、ユーザに対して報知すべき情報を表示する。代替的に、制御装置100は、外部コンピュータを通じて必要な操作を受付け、ユーザに通知すべき情報を外部コンピュータへ送信する構成であってもよい。この場合、操作部104及び表示部105は制御装置100に搭載されていなくてもよい。
【0069】
以下、制御装置100の動作について説明する。
図9はオープン故障を診断する際に制御部101が実行する処理の手順を示すフローチャートである。制御部101は、記憶部102から診断プログラムPGを読み出して実行することにより、以下の処理を行う。制御部101は、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bをクローズする制御信号を通信部103より回路基板6へ送信し、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bをクローズする(ステップS101)。制御部101は、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bを通電できる状態に遷移させた後、短時間(例えば1秒間)の電流を流す(ステップS102)。オープン故障の診断を開始する時点で、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bがクローズしている場合、ステップS101の処理を省略してもよい。
【0070】
制御部101は、通信部103を通じて、温度センサ71A~73A,71B~73Bより出力される温度データを取得する(ステップS103)。
【0071】
制御部101は、取得した温度データに基づき、遮断器60の故障を診断する(ステップS104)。遮断器60が備えるスイッチ素子61A~63A,61B~63Bの一部にオープン故障が発生した場合、電流が流れない経路、電流が集中する経路、電流が分散される経路の3種類の状態が生じる。スイッチ素子61A~63A,61B~63Bの温度の上昇度合いには、電流が流れない経路に配置されているか、電流が集中する経路に配置されているか、又は電流が分散される経路に配置されているかに応じて差異が現れる。制御部101は、各スイッチ素子61A~63A,61B~63Bの温度を計測し、その上昇度合いを素子間で比較することによって、オープン故障の有無を判断する。更に、制御部101は、温度の上昇度合いが最も低いスイッチ素子をオープン故障したスイッチ素子として特定してもよい。
【0072】
制御部101は、オープン故障を検出したか否かを判断し(ステップS105)、オープン故障を検出していないと判断した場合(S105:NO)、その旨の情報を出力する(ステップS106)。一方、オープン故障を検出したと判断した場合(S105:YES)、制御部101は、その旨の情報を出力する(ステップS107)。例えば、制御部101は、オープン故障を検出した旨(オープン故障を検出していない旨)の文字情報を表示部105に表示させる。代替的に、制御部101は、オープン故障を検出した旨(オープン故障を検出していない旨)の情報を通信部103よりユーザ端末に通知してもよい。制御部101は、オープン故障したスイッチ素子を特定した場合、オープン故障したスイッチ素子の情報(例えば、接続位置の情報)を併せて出力してもよい。
【0073】
オープン故障の診断を終えた後、制御部101は、各スイッチ素子61A~63A,61B~63Bをオープンする制御信号を通信部103より回路基板6へ送信し、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bをオープンしてもよい。
【0074】
図10はクローズ故障を診断する際に制御部101が実行する処理の手順を示すフローチャートである。制御部101は、制御部101は、記憶部102から診断プログラムPGを読み出して実行することにより、以下の処理を行う。制御部101は、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bをオープンしても良いか否かを判断する(ステップS121)。例えば、制御部101は、通信部103を通じて車載ECUと通信し、蓄電装置1から電力供給を受けて作動している機器が存在するか否かを判断し、作動している機器が存在しない場合、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bをオープンしてもよいと判断する。オープンして良いと判断した場合(S121:YES)、制御部101は、ステップS122以降の処理を実行する。オープンできないと判断した場合(S121:NO)、制御部101は、本フローチャートによる処理を終了する。
【0075】
制御部101は、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bをオープンする制御信号を通信部103より回路基板6へ送信し、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bをオープンする(ステップS122)。制御部101は、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bに短時間(例えば1秒間)の電流を流す(ステップS123)。
【0076】
制御部101は、通信部103を通じて、温度センサ71A~73A,71B~73Bより出力される温度データを取得する(ステップS124)。
【0077】
制御部101は、取得した温度データに基づき、遮断器60の故障を診断する(ステップS125)。具体的には、遮断器60が備えるスイッチ素子61A~63A,61B~63Bの一部にオープン故障が発生した場合、電流が流れない経路と、電流が集中する経路との2種類の状態が生じ、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bの温度の上昇度合いに差異が現れるので、制御部101は、その上昇度合いの差異を検出することによって、クローズ故障の有無を判断する。更に、制御部101は、温度の上昇度合いが最も高いスイッチ素子をクローズ故障したスイッチ素子として特定してもよい。
【0078】
制御部101は、クローズ故障を検出したか否かを判断し(ステップS126)、クローズ故障を検出していないと判断した場合(S126:NO)、その旨の情報を出力する(ステップS127)。一方、クローズ故障を検出したと判断した場合(S126:YES)、制御部101は、その旨の情報を出力する(ステップS128)。例えば、制御部101は、クローズ故障を検出した旨(クローズ故障を検出していない旨)の文字情報を表示部105に表示させる。代替的に、制御部101は、オープン故障を検出した旨(クローズ故障を検出していない旨)の情報を通信部103よりユーザ端末に通知してもよい。制御部101は、クローズ故障したスイッチ素子を特定した場合、クローズ故障したスイッチ素子の情報(例えば、接続位置の情報)を併せて出力してもよい。
【0079】
以上のように、実施の形態では、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bを個別に開閉制御することなく故障の有無を判断できる。
【0080】
開示された実施形態は、全ての点において例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0081】
例えば、実施の形態では、蓄電装置1における適用例を説明したが、電源装置、変圧器、電気機器、電子機器に搭載される遮断器についても、実施の形態で説明した診断手法を適用できる。
【0082】
制御装置100は、上述した故障診断を随時実行することによって、遮断器60の故障の予兆を検出してもよい。例えば、制御装置100は、計測した温度の上昇度合いに所定割合以上の差異を検出した場合、故障の予兆を検出したと判断してもよい。制御装置100は、故障の予兆を検出したと判断した場合、該当するスイッチ素子を実際に開閉制御し、故障の有無を診断してもよい。
【0083】
実施の形態では、遮断器60の故障診断を短時間の通電により判断を行った場合について説明した。本願発明の概念は、スイッチ素子の故障判断は、想定の動作時(通電時)にスイッチ素子が想定内の温度範囲であるか否かで判断を行うことである。したがって、遮断器60の故障診断時に短時間の通電を行う場合以外に、各スイッチ素子61A~63A,61B~63Bの温度を取得し、取得した温度が想定の範囲内であるか否かで故障診断することも可能である。例えば、制御装置100は、通電履歴からスイッチ素子61A~63A,61B~63Bの温度を想定し、当該スイッチ素子61A~63A,61B~63Bの温度が想定の温度範囲であるか否かを確認してスイッチ素子61A~63A,61B~63Bの故障診断を行ってもよい。
【0084】
実施の形態では、通電に伴うスイッチ素子61A~63A,61B~63Bの発熱現象でスイッチ素子61A~63A,61B~63Bの故障判断を行うため、例えば、長時間放置などで、各スイッチ素子61A~63A,61B~63Bの温度変化が取得できず、或いは誤差の範囲内の変化しか取得できない場合は、図9又は図10に示す手順でスイッチ素子61A~63A,61B~63Bの故障検知を行ってもよい。長時間運転後など、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bがある一定以上温度に発熱する場合、各スイッチ素子61A~63A,61B~63Bの温度差が取得できにくいことも考えられる。その場合は、スイッチ素子61A~63A,61B~63Bを冷却させる時間を設けてから診断させる等、温度差が生じやすい状態でスイッチ素子61A~63A,61B~63Bの故障診断をしてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 蓄電装置
2 蓄電素子
6 回路基板
60 遮断器
61A~63A,61B~63B スイッチ素子
71A~73A,71B~73B 温度センサ
100 制御装置
101 演算部
102 記憶部
103 通信部
104 操作部
105 表示部
PG 診断プログラム
RM 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10