(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158477
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】搬送システム及び搬送制御方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20241031BHJP
【FI】
G05D1/02 Z
G05D1/02 Y
G05D1/02 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073708
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島田 英明
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB05
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD01
5H301DD06
5H301DD07
5H301DD15
5H301KK06
5H301KK07
5H301KK08
5H301KK18
5H301KK19
5H301MM04
(57)【要約】
【課題】搬送ロボットの走行状態が異常状態であるか否かを判定可能な搬送システム及び搬送制御方法を提供する。
【解決手段】搬送システム1は、トルク設定部21と、制御部22と、異常判定部23と、を備える。トルク設定部21は、被搬送物200(
図2及び
図3参照)を搬送可能な搬送ロボット2が備える走行モータ31のトルクの目標値を設定する。制御部22は、搬送ロボット2の搬送動作を制御する。異常判定部23は、制御部22が走行モータ31のトルクを目標値に保つように制御している状態で、搬送ロボット2が移動しているか否かに基づいて、異常状態が発生しているか否かを判定する。異常状態とは、搬送ロボット2の走行が制限されている状態である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物を搬送可能な搬送ロボットが備える走行モータのトルクの目標値を設定するトルク設定部と、
前記搬送ロボットの搬送動作を制御する制御部と、
前記制御部が前記走行モータのトルクを前記目標値に保つように制御している状態で、前記搬送ロボットが移動しているか否かに基づいて、前記搬送ロボットの走行が制限されている異常状態が発生しているか否かを判定する異常判定部と、を備える、
搬送システム。
【請求項2】
前記トルク設定部は、前記搬送ロボットに関する第1情報と、前記搬送ロボットが搬送する前記被搬送物に関する第2情報とに基づいて、前記被搬送物ごとに前記目標値を設定する、
請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記第1情報は、前記搬送ロボットの重量に関する第1重量情報を少なくとも含み、
前記第2情報は、前記搬送ロボットが搬送する前記被搬送物の重量に関する第2重量情報を少なくとも含み、
前記トルク設定部は、少なくとも前記第1重量情報と前記第2重量情報とに基づいて前記被搬送物ごとに前記目標値を設定する、
請求項2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記搬送ロボットが、前記トルク設定部を備える、
請求項1に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記異常状態が発生していると前記異常判定部が判定した場合に、前記異常判定部の判定結果を報知する報知部を更に備える、
請求項1に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記搬送ロボットを管理する上位システムに、前記異常判定部の判定結果を出力する出力部を更に備える、
請求項1に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記被搬送物は、
基板に実装される部品と、
前記基板に前記部品を実装する製造装置に対して前記部品を供給する部品供給モジュールと、の少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の搬送システム。
【請求項8】
前記異常状態が発生していると前記異常判定部が判定した場合に、前記制御部は、前記被搬送物の搬送を中止する、
請求項1に記載の搬送システム。
【請求項9】
前記被搬送物が第1の被搬送物であり、
前記搬送ロボットが前記第1の被搬送物を搬送中に前記異常状態が発生していると前記異常判定部が判定した場合に、前記制御部は、前記搬送ロボットに前記第1の被搬送物の搬送を中止させ、前記搬送ロボットに前記第1の被搬送物とは別の第2の被搬送物を搬送させる、
請求項1に記載の搬送システム。
【請求項10】
前記搬送ロボットと、
前記搬送ロボットを管理する上位システムと、を更に備える、
請求項1に記載の搬送システム。
【請求項11】
被搬送物を搬送可能な搬送ロボットが備える走行モータのトルクの目標値を設定するトルク設定処理と、
前記搬送ロボットの搬送動作を制御する制御処理と、
前記制御処理において、前記走行モータのトルクを前記目標値に保つように制御している状態で、前記搬送ロボットが走行しているか否かに基づいて、前記搬送ロボットの走行が制限されている異常状態が発生しているか否かを判定する異常判定処理と、を含む、
搬送制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送システム及び搬送制御方法に関する。より詳細には、本開示は、搬送ロボットに被搬送物を搬送させる搬送システム及び搬送制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、人を乗せて移動する自律移動装置(搬送ロボット)を開示する。この自律移動装置は、外部からの力により操作部が操作されるときに車輪のロックを解除する車輪ロック解除部を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、搬送ロボットが車輪を有する被搬送物をけん引する場合に、被搬送物の車輪がロック機構でロックされていると、搬送ロボットが被搬送物を引きずりながら走行する異常状態が発生する可能性がある。
【0005】
本開示の目的は、搬送ロボットの走行状態が異常状態であるか否かを判定可能な搬送システム及び搬送制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の搬送システムは、トルク設定部と、制御部と、異常判定部と、を備える。前記トルク設定部は、被搬送物を搬送可能な搬送ロボットが備える走行モータのトルクの目標値を設定する。前記制御部は、前記搬送ロボットの搬送動作を制御する。前記異常判定部は、前記制御部が前記走行モータのトルクを前記目標値に保つように制御している状態で、前記搬送ロボットが移動しているか否かに基づいて、前記搬送ロボットの走行が制限されている異常状態が発生しているか否かを判定する。
【0007】
本開示の一態様の搬送制御方法は、トルク設定処理と、制御処理と、異常判定処理と、を含む。前記トルク設定処理では、被搬送物を搬送可能な搬送ロボットが備える走行モータのトルクの目標値を設定する。前記制御処理では、前記搬送ロボットの搬送動作を制御する。前記異常判定処理では、前記制御処理において、前記走行モータのトルクを前記目標値に保つように制御している状態で、前記搬送ロボットが走行しているか否かに基づいて、前記搬送ロボットの走行が制限されている異常状態が発生しているか否かを判定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、搬送ロボットの走行状態が異常状態であるか否かを判定可能な搬送システム及び搬送制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る搬送システムの概略的なシステム構成図である。
【
図2】
図2は、同上の搬送システムが備える搬送ロボットが被搬送物を搬送している状態の平面図である。
【
図3】
図3は、同上の搬送システムが備える搬送ロボットが被搬送物を搬送している状態の側面図である。
【
図4】
図4は、同上の搬送システムが適用される部品実装システムの概略的な説明図である。
【
図5】
図5は、同上の搬送システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る搬送システムについて、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ等の寸法比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例に過ぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(実施形態)
(1)概要
図1は、本実施形態の搬送システム1の概略的なシステム構成図である。
【0012】
本実施形態の搬送システム1は、トルク設定部21と、制御部22と、異常判定部23と、を備える。
【0013】
トルク設定部21は、被搬送物200(
図2及び
図3参照)を搬送可能な搬送ロボット2が備える走行モータ31のトルクの目標値を設定する。
【0014】
制御部22は、搬送ロボット2の搬送動作を制御する。
【0015】
異常判定部23は、制御部22が走行モータ31のトルクを目標値に保つように制御している状態で、搬送ロボット2が移動しているか否かに基づいて、搬送ロボット2の走行が制限されている異常状態が発生しているか否かを判定する。
【0016】
以下では、搬送ロボット2が被搬送物200を搬送する際に、制御部22が走行モータ31のトルクを目標値に保つようにトルク制御を行っている状態を、定トルク制御状態と言う場合もある。また、本開示において、搬送ロボット2の異常状態とは、搬送ロボット2の走行が制限されている状態であり、定トルク制御状態において搬送ロボット2が動くことができないような状態である。搬送ロボット2の異常状態は、例えば、搬送ロボット2が搬送している被搬送物200の車輪210がストッパ220でロックされているために、搬送ロボット2の車輪210が回転できず、それによって搬送ロボット2が動けない状態にあることを含み得る。また、搬送ロボット2の異常状態は、例えば、搬送ロボット2の車輪110,120、又は、本体100が障害物に当たるなどして、前進できない状態にあることを含み得る。
【0017】
上述のように、異常判定部23は、定トルク制御状態で搬送ロボット2が移動しているか否かに基づいて、異常状態が発生しているか否かを判定する。したがって、走行モータ31のトルクが目標値に制御されている状態でも、搬送ロボット2が移動できないことから、異常判定部23は異常状態が発生していると判定することができる。また、異常状態が発生していると異常判定部23が判定した場合、走行モータ31のトルクが目標値に制御された状態で搬送ロボット2は停止しており、搬送ロボット2は、被搬送物200を移動させるために走行モータ31のトルクを増加させるような動作を行わない。したがって、搬送ロボット2が被搬送物200を引きずって移動することがなく、搬送ロボット2及び被搬送物200が移動する移動面G1に傷が付いたり、被搬送物200の車輪210をロックするストッパ220にダメージが加わったりする可能性を低減できる。
【0018】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る搬送システム1について
図1~
図5を参照して詳しく説明する。
【0019】
(2.1)構成
搬送システム1は、被搬送物200を搬送する搬送ロボット2を含む。さらに言えば、本実施形態の搬送システム1は、搬送ロボット2と、搬送ロボット2を管理する上位システム3と、を備える。ここにおいて、搬送ロボット2の「管理」とは、搬送ロボット2の動作状態の監視と、搬送ロボット2に対する制御命令の出力と、の少なくとも一方を行うことを言う。搬送ロボット2は、上位システム3から入力される制御命令に基づいて自律的に動作し、被搬送物200を搬送する作業を行う。なお、本実施形態では、上位システム3は、搬送ロボット2を制御する群制御システム4と、被搬送物200を搬送する搬送作業を管理する統合システム5とで構成されている。搬送作業の「管理」とは、搬送作業の実行を指示したり、搬送作業の進捗状況を監視したりすることを言う。
【0020】
搬送ロボット2は、例えば工場、物流センター(配送センターを含む)、オフィス、店舗、学校、及び病院等の施設において、被搬送物200を搬送する搬送作業に利用される。本実施形態の搬送ロボット2は、例えば、基板に部品600を実装する部品実装機400(
図4参照)が製造装置として設置された工場において、製造装置である部品実装機400に部品600を供給する部品供給モジュール200Aを搬送する搬送作業に利用される。つまり、搬送ロボット2が搬送する被搬送物200は、部品供給モジュール200Aを含み得る。なお、部品実装機400を含む部品実装システム500(
図4参照)については「(2.1.4)部品実装システム」において説明する。なお、搬送システム1は部品実装システム500に適用されるものに限定されず、その適用用途は適宜変更可能である。
【0021】
搬送ロボット2は、複数の車輪110,120(
図2及び
図3参照)で移動面G1の上を走行することによって移動する。移動面G1は、その上を搬送ロボット2が移動する面であり、搬送ロボット2が施設内を移動する場合は施設の床面等が移動面G1となり、搬送ロボット2が屋外を移動する場合は地面等が移動面G1となる。なお、
図1では搬送ロボット2の台数が1台であるが、搬送ロボット2の台数は複数台でもよい。
【0022】
以下、搬送システム1を構成する個々の構成について図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、
図2及び
図3等において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」の矢印で示す通りに各方向を規定する。ただし、これらの方向は搬送ロボット2の使用時の向きを規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0023】
(2.1.1)統合システム
統合システム5は、例えば、コンピュータシステムにより実現されている。統合システム5は、
図1に示すように、制御部50と、通信部51と、記憶部52と、を備える。なお、統合システム5は、搬送ロボット2が搬送作業を行う施設の内部にあってもよいし、施設の外部にあってもよい。
【0024】
通信部51は、例えばインターネット等のネットワークNT1を介して群制御システム4と通信可能に構成されている。通信部51の通信方式としては、無線通信又は有線通信の適宜の通信方式が採用される。本開示において、2つの機器が互いに通信可能であるとは、2つの機器が、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワークNT1等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。なお、ネットワークNT1は、インターネットに限らず、例えば、搬送ロボット2を運用するエリア内又はこのエリアの運営会社内のローカルな通信ネットワークが適用されてもよい。
【0025】
記憶部52は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ、及び、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の外部記憶装置を含む。記憶部52は、搬送ロボット2によって搬送される複数種類の被搬送物200に関する搬送物情報と、被搬送物200を搬送する搬送作業に関する作業情報とを記憶する。
【0026】
搬送物情報は、例えば、被搬送物200を特定するための第1識別情報(例えば、物品名、個別のシリアル番号等)と、被搬送物200の重量に関する第2重量情報と、を少なくとも含む。被搬送物200が、部品600を部品実装機400に供給する部品供給モジュール200Aである場合、被搬送物200の重量は、部品供給モジュール200A自体の重量と、部品供給モジュール200Aに搭載された部品600の重量とを合計した重量となる。また、部品供給モジュール200Aには、製造装置に部品をそれぞれ供給する複数のテープフィーダを一括して交換する一括交換台車、部品600が取り付けられたリール状のテープを製造装置に供給するテープ供給ユニット、部品600を載せたトレイを製造装置に供給するトレイ供給ユニット、等がある。このように、被搬送物200としての部品供給モジュール200Aの種類は複数あり、複数種類の被搬送物200の各々で、部品供給モジュール200Aの重量や、部品供給モジュール200Aに搭載される部品600の重量が変わり得る。被搬送物200が部品供給モジュール200Aである場合、第2重量情報は、例えば、部品供給モジュール200A自体の重量と、部品供給モジュール200Aに搭載された物品の重量とを合計した重量に関する情報を含む。第2重量情報は、重量そのものの情報でもよいし、部品供給モジュール200Aの種類、並びに部品供給モジュール200Aに搭載された物品の種類及び数量を示す情報でもよい。
【0027】
作業情報は、例えば、施設内で被搬送物200を移動させる個々の搬送作業の作業内容に関する情報である。作業情報は、搬送対象の被搬送物200を特定するための第1識別情報と、被搬送物200の搬送元の第1位置に関する第1位置情報と、被搬送物200の搬送先の第2位置に関する第2位置情報と、を少なくとも含む。
【0028】
制御部50は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部50の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0029】
制御部50は、記憶部52に記憶された作業情報に基づいて、被搬送物200を搬送する搬送作業を実行させるための搬送指示情報を生成し、この搬送指示情報を通信部51から群制御システム4に送信させる。搬送指示情報は、例えば、搬送対象の被搬送物200を特定するための第1識別情報と、被搬送物200の重量に関する第2重量情報と、搬送元の第1位置及び搬送先の第2位置に関する第1位置情報及び第2位置情報と、を少なくとも含む。
【0030】
(2.1.2)群制御システム
群制御システム4は、例えば、コンピュータシステムにより実現されている。群制御システム4は、1又は複数台の搬送ロボット2の動作を管理する。群制御システム4は、搬送ロボット2の動作状態の監視と、搬送ロボット2への制御命令の出力との少なくとも一方を行う。なお、群制御システム4は、搬送ロボット2が搬送作業を行う施設の内部にあってもよいし、施設の外部にあってもよい。また、群制御システム4及び統合システム5は、同じ場所に設置されていてもよいし、別々の場所に設置されていてもよい。
【0031】
群制御システム4は、
図1に示すように、制御部40と、通信部41と、操作受付部42と、表示部43と、記憶部44と、を備える。
【0032】
通信部41は、ネットワークNT1を介して、統合システム5と通信可能に構成されている。また、通信部41は、ネットワークNT1及び中継装置6を介して、搬送ロボット2と通信可能に構成されている。通信部41の通信方式としては、無線通信又は有線通信の適宜の通信方式が採用される。
【0033】
操作受付部42は、群制御システム4を利用するユーザの操作を受け付ける機能を有している。本実施形態では、操作受付部42は、例えば、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、又はこれらの組み合わせにて実現される。また、操作受付部42は、ユーザが発する音声で操作を受け付ける音声認識部にて実現されてもよい。なお、操作受付部42は、ユーザが使用するタブレット端末等の端末に入力した情報を、通信部41を介して受け付けてもよい。
【0034】
表示部43は、群制御システム4を利用するユーザに対して情報を提示するために用いられる。表示部43は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置にて実現される。なお、群制御システム4がタッチパネルディスプレイを有している場合、タッチパネルディスプレイが操作受付部42及び表示部43として機能してもよい。
【0035】
記憶部44は、例えば、RAM、ROM等のメモリ、及び、ハードディスク、SSD等の外部記憶装置を含む。記憶部44は、例えば、搬送ロボット2が走行する施設内部の電子的な地図情報、制御対象の搬送ロボット2に関する搬送ロボット情報、及び、統合システム5から入力された搬送指示情報等を記憶する。ここにおいて、搬送ロボット情報は、搬送ロボット2を特定するための第2識別情報(例えば、個々の搬送ロボット2に割り当てられた名称又は識別ID等)と、搬送ロボット2の現在位置を示す位置情報と、搬送ロボット2の動作状態を示す状態情報と、を少なくとも含む。搬送ロボット2の動作状態は、例えば、搬送ロボット2が被搬送物200の搬送作業を実行中である搬送状態、搬送ロボット2が充電中である充電状態、搬送ロボット2が搬送作業を行っていない休止状態の3つの状態を少なくとも含む。
【0036】
制御部40は、例えば、メモリ及びプロセッサを含むコンピュータシステムを主構成とする。すなわち、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、プロセッサが実行することにより、制御部40の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0037】
制御部40は、統合システム5から通信部41を介して搬送指示情報が入力されると、搬送指示情報と、記憶部44に記憶されている搬送ロボット情報とに基づいて、搬送作業を割り当てる搬送ロボット2を決定する。例えば、制御部40は、休止状態にある搬送ロボット2の中から搬送作業を割り当てる搬送ロボット2を決定する。そして、制御部40は、通信部41を介して、搬送作業を割り当てた搬送ロボット2に、被搬送物200の搬送を指示するための制御命令を出力する。ここにおいて、制御部40が搬送ロボット2に出力する制御命令は、搬送対象の被搬送物200の重量に関する第2重量情報と、搬送元の第1位置及び搬送先の第2位置に関する第1位置情報及び第2位置情報と、を少なくとも含む。なお、制御命令は、搬送対象の被搬送物200を特定するための第1識別情報を更に含んでもよい。
【0038】
(2.1.3)搬送ロボット
搬送ロボット2は、例えば施設の床面等からなる平坦な移動面G1(
図2及び
図3参照)の上を自律走行する。搬送ロボット2は、例えばリチウムイオン電池又はニッケル水素電池等の蓄電池を備え、蓄電池に蓄積された電気エネルギを利用して動作する。
【0039】
搬送ロボット2は、
図2及び
図3に示すように、本体100と、各一対の車輪110,120と、一対の把持部130と、を備える。
【0040】
また、搬送ロボット2は、
図1に示すように、処理部20と、第1駆動部30と、走行モータ31と、第2駆動部32と、記憶部33と、通信部34と、検知部35と、を備える。なお、搬送ロボット2は、上記以外の構成、例えば、搬送ロボット2の電源である蓄電池、及び、蓄電池を充電する充電回路等を適宜備えてもよい。
【0041】
本体100は箱形に形成されており、本体100の底面には各一対の車輪110,120が設けられている。本体100の後面には一対の把持部130が設けられている。本体100は、上述した処理部20、第1駆動部30、走行モータ31、第2駆動部32、記憶部33、通信部34、検知部35等の構成を収容している。
【0042】
本体100は、底面に設けられた各一対の車輪110,120により、移動面G1の上を走行する。一対の車輪110は、走行モータ31によって回転させられる駆動輪であり、本体100の左右に1つずつ設けられている。一対の車輪110は、所望の方向に、所望の回転速度で回転可能なように構成されている。また、一対の車輪120は、搬送ロボット2の移動方向に追従して向きが変わる従動輪であり、本体100の左右方向中央部において前後に1つずつ設けられている。
【0043】
第1駆動部30は、制御部22からの走行指令に基づいて走行モータ31を駆動し、駆動輪である一対の車輪110を回転させる。第1駆動部30は、一対の車輪110の回転方向及び回転速度を個別に制御することによって、搬送ロボット2を所望の方向に移動させる。
【0044】
本体100には一対の把持部130が設けられている。一対の把持部130は、本体100の後面に、被搬送物200が備える一対の被把持部230と各々対応して設けられている。一対の被把持部230の各々は、平面視の形状がL形に形成されており、被搬送物200の前面から前方へ突出する。
【0045】
一対の把持部130は、本体100において被搬送物200と対向する後面に設けられている。一対の把持部130は、それぞれ、本体100に対して左右方向にスライド移動自在に設けられており、一対の把持部130の間隔が変更可能に構成されている。
【0046】
第2駆動部32は、制御部22からの把持指令に基づいて一対の把持部130を駆動する。第2駆動部32は、例えば、本体100の左右方向に沿って配置された送りねじ、送りねじを回転させるモータ、及び、モータの回転を送りねじに伝達する減速機等を備えている。第2駆動部32は、モータの回転方向及び回転量を制御することによって、一対の把持部130をそれぞれ左右方向においてスライド移動させる。より詳細には、第2駆動部32は、一対の把持部130を把持位置と非把持位置との間でスライド移動させる。把持位置は、一対の把持部130の各々が対応する被把持部230に接触する位置である。一対の把持部130が把持位置に移動し、一対の被把持部230の各々が対応する被把持部230に接触すると、搬送ロボット2が被搬送物200を把持した把持状態となるので、搬送ロボット2が、被搬送物200と共に移動することによって被搬送物200を搬送する。非把持位置は、一対の把持部130の各々が、前後方向において、対応する被把持部230と重ならない位置である。一対の把持部130が非把持位置に移動すると、一対の被把持部230の各々が、前後方向において、対応する被把持部230と重ならない位置に存在するので、搬送ロボット2が被搬送物200を把持していない非把持状態となり、搬送ロボット2は単独で走行する。
【0047】
記憶部33は、例えば、RAM、ROM等のメモリを含む。記憶部33は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory)又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含んでもよい。記憶部33は、例えば、搬送ロボット2が走行する施設内部の電子的な地図情報、及び、搬送ロボット2に関する第1情報を記憶する。第1情報は、例えば、搬送ロボット2の重量に関する第1重量情報を少なくとも含む。第1情報は、搬送ロボット2に割り当てられた識別IDを更に含んでもよい。また、記憶部33は、搬送ロボット2が搬送する被搬送物200の種類とその重量に関する情報を記憶していてもよい。例えば、記憶部33は、被搬送物200である部品供給モジュール200Aの種類とその重量に関する情報、部品供給モジュール200Aに搭載される部品600の種類とその重量に関する情報を記憶していてもよい。
【0048】
通信部34は、群制御システム4と通信可能に構成されている。本実施形態では、通信部34は、搬送ロボット2を運用する施設内に設置された1以上の中継装置6のいずれかと、電波を媒体とする無線通信によって通信を行う。そのため、通信部34と群制御システム4とは、少なくともネットワークNT1及び中継装置6を介して、間接的に通信を行うことになる。中継装置6は、通信部34と群制御システム4との間の通信を中継する機器(アクセスポイント)である。中継装置6は、ネットワークNT1を介して、群制御システム4と通信する。本実施形態では一例として、中継装置6と通信部34との間の通信には、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した、無線通信を採用する。
【0049】
検知部35は、例えば、本体100の周辺状況及び本体100の走行状態等を検出する。検知部35は、例えば、測域センサ36、エンコーダ37、カメラ38等を有している。
【0050】
測域センサ36は、本体100の周囲に存在する物体を検出する。測域センサ36は、例えばLiDAR(Light Detection and Ranging )等のセンサを備える。測域センサ36は、本体100の周囲の検知エリアにおいて物体の存否を検出し、物体が存在する場合は物体までの距離及び物体が存在する方向を検出する。なお、測域センサ36は、本体100の全周方向で物体を検出できるように、本体100の適宜の位置に取り付けられた複数のLiDARを備えることが好ましい。
【0051】
検知部35は、例えば、測域センサ36が検出した周囲の物体の検出情報と、記憶部33に記憶されている移動面G1の電子的な地図情報とを照合することによって、移動面G1における本体100の現在位置を推定する。なお、検知部35は、電波ビーコンを用いたLPS(Local Positioning System)を利用して、移動面G1における本体100の現在位置を検出してもよい。すなわち、検知部35は、施設内に設置された複数の送信機からそれぞれ送信されるビーコン信号を、搬送ロボット2に設けられた受信機で受信したときの電波強度と、各送信機の設置位置とに基づいて現在位置を推定してもよい。また、検知部35は、例えばGPS(Global Positioning System)等の全球衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して、本体100の現在位置を推定する機能を備えていてもよい。なお、検知部35の測位機能によって測位される本体100の位置座標は、移動面G1に設定された二次元直交座標系での位置座標でもよいし、三次元直交座標系での位置座標でもよい。
【0052】
エンコーダ37は、車輪110の回転角度を検出する。検知部35は、エンコーダ37の検出結果に基づいて、車輪110の回転方向、回転速度及び回転量等を検出する。
【0053】
カメラ38は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の画像センサを備え、本体100の周囲の可視光画像を撮影する。
【0054】
処理部20は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、処理部20の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0055】
処理部20は、
図1に示すように、上述したトルク設定部21、制御部22、及び異常判定部23の機能を有している。つまり、本実施形態では、搬送ロボット2がトルク設定部21を備えている。また、処理部20は、報知部24及び出力部25の機能を更に備えている。本開示において、処理部20が報知部24及び出力部25の両方の機能を備えることは必須ではなく、処理部20は、報知部24及び出力部25のいずれかの機能を備えていてもよい。なお、トルク設定部21、制御部22、異常判定部23、報知部24、及び出力部25は、処理部20によって実現される機能を示しているに過ぎず、必ずしも実体のある構成を示しているわけではない。
【0056】
トルク設定部21は、搬送ロボット2が被搬送物200を搬送する際に、搬送ロボット2が備える走行モータ31のトルクの目標値を設定する。より詳細には、トルク設定部21は、搬送ロボット2に関する第1情報と、搬送ロボット2が搬送する被搬送物200に関する第2情報とに基づいて、被搬送物200ごとにトルクの目標値を設定する。つまり、トルク設定部21は、記憶部33に記憶されている第1情報と、群制御システム4からの制御命令に含まれる第2情報とに基づいてトルクの目標値を設定する。被搬送物200が部品供給モジュール200Aである場合、部品供給モジュール200Aの種類、並びに部品供給モジュール200Aに搭載される部品600の種類及び数量によって、部品供給モジュール200Aの重量は様々に変化する。トルク設定部21は、搬送ロボット2に関する第1情報と、搬送ロボット2が搬送する被搬送物200に関する第2情報とに基づいて、被搬送物200ごとにトルクの目標値を設定するので、被搬送物200ごとに最適な目標値を設定することができる。
【0057】
なお、第2情報は、搬送ロボット2が搬送する被搬送物200の重量に関する第2重量情報を少なくとも含むことが好ましい。被搬送物200が部品供給モジュール200Aである場合、第2重量情報は、例えば、部品供給モジュール200Aそのもの重量に関する情報と、部品供給モジュール200Aに搭載される部品600の重量に関する情報とを含むことが好ましい。部品600の重量に関する情報は、部品供給モジュール200Aに搭載される部品600の重量そのものを示す情報でもよいし、部品供給モジュール200Aに搭載される部品600の種類及び数量を示す情報でもよい。トルク設定部21は、記憶部33に記憶されている第1情報に含まれる第1重量情報と、制御命令に含まれる第2重量情報とに基づいて、搬送ロボット2と被搬送物200とを含めた総重量を算出し、搬送ロボット2及び被搬送物200の総重量から走行に必要なトルクの目標値を算出する。つまり、トルク設定部21は、少なくとも第1重量情報と第2重量情報とに基づいて被搬送物200ごとにトルクの目標値を設定する。なお、トルク設定部21は、移動面G1の傾斜、凹凸、又は摩擦係数等を考慮して、総重量から算出したトルク値に所定の余裕係数を乗算してトルクの目標値を算出してもよい。
【0058】
制御部22は、搬送ロボット2の搬送動作を制御する。制御部22は、第1駆動部30に走行指令を出力し、第1駆動部30により走行指令に応じた回転速度及び回転方向で走行モータ31を回転させることによって、搬送ロボット2を走行させる。また、制御部22は、第2駆動部32に把持指令を出力し、第2駆動部32により一対の把持部130をそれぞれスライド移動させることによって、被搬送物200を把持する把持状態又は非把持状態に切り替える。
【0059】
異常判定部23は、制御部22が走行モータ31のトルクを目標値に制御している状態(定トルク制御状態)で、搬送ロボット2が移動しているか否かに基づいて、搬送ロボット2の走行が制限されている異常状態が発生しているか否かを判定する。例えば、異常判定部23は、定トルク制御状態で、エンコーダ37の検出結果から、搬送ロボット2が移動しているか否かを判定する。異常判定部23は、定トルク制御状態で搬送ロボット2が移動していれば、異常状態が発生していないと判定する。異常判定部23は、定トルク制御状態で搬送ロボット2が移動していなければ、異常状態が発生していると判定する。
【0060】
報知部24は、異常状態が発生していると異常判定部23が判定した場合に、異常判定部23の判定結果を報知する。例えば、報知部24は、異常状態の発生を通知するための報知情報を、通信部34から中継装置6又はネットワークNT1を介して情報端末7に送信させる。情報端末7は、搬送システム1のユーザが携帯するコンピュータ端末であり、例えばスマートフォン、タブレット型のコンピュータ端末等である。情報端末7は、報知部24からの報知情報を受信すると、表示画面に報知情報を表示させたり、音声等で報知情報を出力させたりすることによって、搬送システム1のユーザに対して異常状態の発生を報知する。搬送システム1のユーザが情報端末7の表示画面を見て異常状態の発生を確認した場合、ユーザは、被搬送物200の状態を確認することができ、被搬送物200のストッパ220を操作して車輪210のロックを解除する等の対応をとることができる。なお、報知部24は、例えば、搬送ロボット2が備える表示用のLED又はスピーカ等から、光又は音等で異常状態の発生を報知してもよい。
【0061】
出力部25は、搬送ロボット2を管理する上位システム3に、異常判定部23の判定結果を出力する。出力部25は、異常状態が発生していると異常判定部23が判定した場合、異常判定部23の判定結果を含む通知情報を、通信部34から中継装置6又はネットワークNT1を介して上位システム3(例えば群制御システム4)に送信させる。群制御システム4の通信部41が搬送ロボット2から通知情報を受信すると、制御部40が、通知情報に含まれる異常判定部23の判定結果、つまり異常状態が発生したことを例えば表示部43に表示させる。群制御システム4のユーザは、表示部43の表示内容を確認することによって、異常状態が発生したことを把握することができる。なお、制御部40は、例えば施設内に設置されたディスプレイ装置の画面に異常状態が発生したとの情報を文字等で表示させたり、施設内に設置されたスピーカから異常状態が発生したとの情報を音声等で出力させたりしてもよい。また、制御部40は、異常状態が発生しているとの通知情報を受信すると、搬送ロボット2に対して被搬送物200の搬送作業を中止するように指示してもよい。また、制御部40は、異常状態が発生しているとの通知情報を受信すると、搬送ロボット2に対して、現在搬送中の被搬送物(第1の被搬送物)200の搬送を中止して、別の被搬送物(第2の被搬送物)200の搬送を行うように指示してもよい。
【0062】
なお、出力部25は、異常状態が発生していると異常判定部23が判定した場合、異常判定部23の判定結果を含む通知情報を、通信部34から中継装置6又はネットワークNT1を介して統合システム5に出力してもよい。この場合、統合システム5において異常状態の発生を報知する処理、搬送作業を中止させる処理、現在搬送中の被搬送物200の搬送を中止して別の被搬送物200の搬送を指示する処理等を行うことができる。
【0063】
(2.1.4)部品実装システム
本実施形態の搬送ロボット2は、
図4に示すように、基板に部品を実装する少なくとも1つの部品実装機400を含む部品実装システム500において、部品供給モジュール200Aを搬送する作業に用いられる。
【0064】
部品実装システム500は、部品600を供給する部品供給モジュール200Aと、部品供給モジュール200Aから供給される部品を基板に実装する部品実装機400と、を有する。ここにおいて、部品供給モジュール200Aが、搬送ロボット2によって搬送される被搬送物である。
【0065】
部品供給モジュール200Aは、例えば、製造装置である部品実装機400に対して部品をそれぞれ供給する複数のテープフィーダを一括して交換する一括交換台車である。なお、部品実装機400は、例えば基板等の対象物に部品を実装する機械(いわゆるマウンタ)である。部品実装機400は、部品を基板に実装する実装ヘッドを含んでいる。
【0066】
搬送ロボット2が、例えば群制御システム4からの搬送指示を受けて、被搬送物である部品供給モジュール200Aを、部品実装機400に接続される位置まで移動させる。搬送ロボット2が、部品実装機400の側面に設けられた凹所内に部品供給モジュール200Aを移動させると、部品実装機400に対して部品を供給可能な状態に部品実装機400と部品供給モジュール200Aとが接続された状態となる。ここにおいて、部品実装機400に対して部品を供給可能な状態に接続された部品供給モジュール200Aと、部品実装機400とで部品実装システム500が構築される。
【0067】
ここにおいて、本実施形態では、被搬送物200が部品供給モジュール200Aであるが、被搬送物200は、部品実装機400に供給される部品600そのものであってもよい。すなわち、被搬送物200は、基板に実装される部品600と、部品供給モジュール200Aと、の少なくとも一方を含むことが好ましい。部品供給モジュール200Aは、基板に部品600を実装する製造装置(例えば部品実装機400)に対して部品600を供給する。
【0068】
(2.2)動作説明
以下、本実施形態の搬送システム1において上位システム3からの指令を受けて搬送ロボット2が被搬送物200を搬送する動作を
図5等に基づいて説明する。なお、
図5に示すフローチャートは、本実施形態に係る搬送システム1の動作の一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
【0069】
まず、統合システム5の制御部50が、被搬送物200を搬送する搬送作業を実行させるための搬送指示情報を生成し、この搬送指示情報を通信部51から群制御システム4に送信させる(ステップST1)。
【0070】
群制御システム4の通信部41が統合システム5から搬送指示情報を受信すると、制御部40は、搬送指示情報により指示された被搬送物200の搬送作業を割り当てる搬送ロボット2を決定する。そして、制御部40は、通信部41から、搬送作業を割り当てた搬送ロボット2に対して、被搬送物200の搬送を指示するための制御命令を送信させる(ステップST2)。ここで、群制御システム4から搬送ロボット2に送信される制御命令は、搬送対象の被搬送物200の重量に関する第2重量情報と、搬送元の第1位置及び搬送先の第2位置に関する第1位置情報及び第2位置情報と、を少なくとも含んでいる。
【0071】
搬送ロボット2の通信部34が群制御システム4からの制御命令を受信すると、制御部22は、第1駆動部30を制御して、搬送ロボット2を第1位置に移動させる。搬送ロボット2が第1位置まで移動すると、制御部22は、第2駆動部32を制御して一対の把持部130を移動させ、一対の把持部130の各々を対応する被把持部230に接触させることによって、搬送ロボット2に被搬送物200を把持させる(ステップST3)。
【0072】
また、搬送ロボット2のトルク設定部21が、制御命令に含まれる第2重量情報と、記憶部33に記憶されている第1重量情報とに基づいて、搬送ロボット2と被搬送物200とを含めた総重量を算出する(ステップST4)。第2重量情報が、被搬送物200の重量を示す情報である場合、トルク設定部21は、搬送ロボット2の重量と被搬送物200の重量とを合計して総重量を求める。第2重量情報が、例えば部品供給モジュール200Aの種類、部品供給モジュール200Aに搭載された部品600の種類及び数量に関する情報である場合、トルク設定部21は、記憶部33に記憶されている部品供給モジュール200A及び部品600の1個あたりの重量の情報をもとに、部品供給モジュール200Aと部品供給モジュール200Aに搭載されている部品600の全重量を算出する。そして、トルク設定部21は、搬送ロボット2の重量と、部品供給モジュール200A及び部品600の重量とを合計して総重量を求めればよい。そして、トルク設定部21は、搬送ロボット2及び被搬送物200の総重量に基づいて、搬送ロボット2が走行するのに必要な走行モータ31のトルクの目標値を設定する(ステップST5)。
【0073】
走行モータ31のトルクの目標値が設定されると、制御部22は、第1駆動部30を制御して、走行モータ31のトルクを目標値に制御する定トルク制御を実行する(ステップST6)。
【0074】
ここで、異常判定部23は、定トルク制御状態で、搬送ロボット2が移動しているか否かに基づいて、搬送ロボット2の走行が制限されている異常状態であるか否かを判定する(ステップST7)。異常判定部23は、例えばエンコーダ37の検出結果に基づいて車輪110が回転しているか否か、すなわち搬送ロボット2が移動しているか否かを判定する。
【0075】
ステップST7の判定処理で、異常状態が発生していないと異常判定部23が判定した場合(ステップST7:No)、制御部22は、第1駆動部30を制御して搬送ロボット2を第2位置まで移動させる(ステップST14)。これにより、搬送ロボット2は被搬送物200を第2位置まで搬送することができる。
【0076】
一方、ステップST7の判定処理で、異常状態が発生していると異常判定部23が判定した場合(ステップST7:Yes)、制御部22が第1駆動部30を制御して走行モータ31を停止させる(ステップST8)。また、報知部24が通信部34から情報端末7に異常状態の発生を報知する報知情報を送信させ(ステップST9)、出力部25が通信部34から群制御システム4に異常状態の発生を通知する通知情報を送信させる(ステップST10)。
【0077】
情報端末7が搬送ロボット2から報知情報を受信すると、情報端末7は、異常状態の発生を報知する報知内容を表示画面に表示する。これにより、情報端末7を所持する搬送システム1のユーザは、異常状態の発生を把握し、被搬送物200の異常を解消するための処理を行うことができる。
【0078】
情報端末7が搬送ロボット2からの報知情報を受信すると、情報端末7は、異常状態の発生を報知する報知内容(例えば異常状態が発生したときの搬送ロボット2の位置と異常の内容とを含む情報)を表示画面に表示する。これにより、情報端末7を所持する搬送システム1のユーザは、情報端末7の表示画面に表示された報知内容に基づいて、異常状態の発生を把握し、被搬送物200の異常を解消するための処理を行うことができる。例えば、搬送システム1のユーザは、異常状態が発生したときの搬送ロボット2の位置まで移動して、被搬送物200の状態を確認することができる。被搬送物200の車輪210がストッパ220によってロックされている場合、ユーザはストッパ220を操作して車輪210のロックを解除し、被搬送物200の移動が規制された状態を解除することができる。
【0079】
また、群制御システム4の通信部41が搬送ロボット2から通知情報を受信すると、制御部40は、通信部41から搬送ロボット2へ、現在搬送中の被搬送物(第1の被搬送物)200の搬送作業を中止させる制御命令を送信させる。そして、制御部40は、通信部41から搬送ロボット2に現在搬送中の被搬送物(第1の被搬送物)200とは別の被搬送物(第2の被搬送物)200を搬送させる制御命令を送信させる(ステップST11)。これにより、搬送ロボット2は、異常状態が発生して搬送不能になった被搬送物(第1の被搬送物)200の搬送を中止し(ステップST12)、第1の被搬送物とは別の被搬送物(第2の被搬送物)200の搬送作業を行う(ステップST13)。
【0080】
このように、異常状態が発生していると異常判定部23が判定した場合に、制御部22は、被搬送物200の搬送を中止する。異常状態が発生した場合に被搬送物200の搬送を中止することによって、搬送ロボット2が、より高いトルクを発生させて被搬送物200を無理に搬送するのを回避することができ、移動面G1又は被搬送物200にダメージが発生する可能性を低減できる。
【0081】
また、搬送ロボット2が第1の被搬送物を搬送中に異常状態が発生していると異常判定部23が判定した場合に、制御部22は、搬送ロボット2に第1の被搬送物の搬送を中止させ、搬送ロボット2に第1の被搬送物とは別の第2の被搬送物を搬送させる。これにより、搬送システム1のユーザが被搬送物200の異常状態を解消するための処理を行うまで、搬送ロボット2がその場で待機する必要がなく、搬送ロボット2が行う搬送作業の効率が向上するという利点がある。
【0082】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、搬送システム1と同様の機能は、搬送システム1の搬送制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る搬送制御方法は、トルク設定処理と、制御処理と、異常判定処理と、を含む。トルク設定処理では、被搬送物200を搬送可能な搬送ロボット2が備える走行モータ31のトルクの目標値を設定する。制御処理では、搬送ロボット2の搬送動作を制御する。異常判定処理では、制御処理において、走行モータ31のトルクをトルク設定処理で設定したトルクの目標値に制御している状態で、搬送ロボット2が走行しているか否かに基づいて、異常状態が発生しているか否かを判定する。異常状態は、搬送ロボット2の走行が制限されている状態である。一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムに、搬送制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0083】
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0084】
本開示における搬送システム1又は搬送制御方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における搬送システム1又は搬送制御方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(VeryLargeScaleIntegration)、又はULSI(UltraLargeScaleIntegration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-ProgrammableGateArray)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1又は複数の電子回路で構成される。
【0085】
上記実施形態では、搬送ロボット2のトルク設定部21が、搬送ロボット2及び被搬送物200の総重量を算出する処理を行っているが、搬送ロボット2及び被搬送物200の総重量を算出する処理の一部又は全部を上位システム3で行ってもよい。
【0086】
例えば、上位システム3が、被搬送物200である部品供給モジュール200Aの重量と、部品供給モジュール200Aに搭載されている部品600の重量とに基づいて被搬送物200の重量を算出し、算出結果を搬送ロボット2に送信してもよい。この場合、搬送ロボット2のトルク設定部21は、上位システム3から受信した被搬送物200の重量と、搬送ロボット2の重量とを合計して搬送ロボット2及び被搬送物200の総重量を算出し、走行に必要なトルクの目標値を算出すればよい。
【0087】
また、上位システム3が、被搬送物200である部品供給モジュール200Aの重量と、部品供給モジュール200Aに搭載されている部品600の重量と、搬送ロボット2の重量とを合計して、搬送ロボット2及び被搬送物200の総重量を算出し、算出結果を搬送ロボット2に送信してもよい。この場合、搬送ロボット2のトルク設定部21は、上位システム3から受信した搬送ロボット2及び被搬送物200の総重量に基づいて、走行に必要なトルクの目標値を算出すればよい。
【0088】
また、上記実施形態では、搬送ロボット2がトルク設定部21の機能を備えているが、上位システム3がトルク設定部21の機能を備えていてもよい。例えば、群制御システム4の制御部40がトルク設定部21の機能を備えている場合、群制御システム4の制御部40が、搬送ロボット2及び被搬送物200の総重量を算出し、総重量に基づいて走行に必要なトルクの目標値を算出し、トルクの目標値を搬送ロボット2に送信すればよい。
【0089】
上記の実施形態では、異常判定部23は、定トルク制御状態でエンコーダ37の出力から搬送ロボット2が移動しているか否かを判断し、移動していない場合は異常状態であると判定しているが、判定方法はこれに限定されない。異常判定部23は、定トルク制御状態で、エンコーダ37以外のセンサの検知情報に基づいて、搬送ロボット2が移動しているか否かを判断し、移動していない場合は異常状態であると判定してもよい。例えば、異常判定部23は、定トルク制御状態で、測位センサが求めた測位情報に基づいて、搬送ロボット2が移動しているか否かを判断し、移動していない場合は異常状態であると判定してもよい。また、異常判定部23は、定トルク制御状態で、カメラ38が連続的に撮影した複数枚の画像に基づいて車輪110が回転しているか否かを判定し、車輪110が回転していない場合は異常状態であると判定してもよい。また、異常判定部23は、定トルク制御状態でエンコーダ37の出力等から求めた搬送ロボット2の速度と所定の閾値との高低を比較することによって、搬送ロボット2が移動しているか否かを判断し、移動していない場合は異常状態であると判定してもよい。
【0090】
なお、上記の実施形態において、複数の装置に分散されている搬送システム1の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、上位システム3は、統合システム5と群制御システム4とで構成されているが、統合システム5の機能と群制御システム4の機能とは、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0091】
また、搬送システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは搬送システム1に必須の構成ではなく、搬送システム1の構成要素(例えば搬送ロボット2の一部の機能)は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。また、搬送ロボット2の一部の機能(例えばトルク設定部21等)がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0092】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0093】
第1の態様の搬送システム(1)は、トルク設定部(21)と、制御部(22)と、異常判定部(23)と、を備える。トルク設定部(21)は、被搬送物(200)を搬送可能な搬送ロボット(2)が備える走行モータ(31)のトルクの目標値を設定する。制御部(22)は、搬送ロボット(2)の搬送動作を制御する。異常判定部(23)は、制御部(22)が走行モータ(31)のトルクを目標値に保つように制御している状態で、搬送ロボット(2)が移動しているか否かに基づいて、搬送ロボット(2)の走行が制限されている異常状態が発生しているか否かを判定する。
【0094】
この態様によれば、搬送ロボット(2)の走行状態が異常状態であるか否かを判定することができる。
【0095】
第2の態様の搬送システム(1)では、第1の態様において、トルク設定部(21)は、搬送ロボット(2)に関する第1情報と、搬送ロボット(2)が搬送する被搬送物(200)に関する第2情報とに基づいて、被搬送物(200)ごとに目標値を設定する。
【0096】
この態様によれば、搬送ロボット(2)及び被搬送物(200)の種類等が変化した場合でも、トルク設定部(21)は、第1情報及び第2情報に基づいて、被搬送物(200)ごとに目標値を設定することができる。
【0097】
第3の態様の搬送システム(1)では、第2の態様において、第1情報は、搬送ロボット(2)の重量に関する第1重量情報を少なくとも含み、第2情報は、搬送ロボット(2)が搬送する被搬送物(200)の重量に関する第2重量情報を少なくとも含む。トルク設定部(21)は、少なくとも第1重量情報と第2重量情報とに基づいて被搬送物(200)ごとに目標値を設定する。
【0098】
この態様によれば、搬送ロボット(2)及び被搬送物(200)の種類等が変化した場合でも、トルク設定部(21)は、第1重量情報及び第2重量情報に基づいて、被搬送物(200)ごとに目標値を設定することができる。
【0099】
第4の態様の搬送システム(1)では、第1~第3のいずれかの態様において、搬送ロボット(2)が、トルク設定部(21)を備える。
【0100】
この態様によれば、搬送ロボット(2)においてトルクの目標値を設定することができる。
【0101】
第5の態様の搬送システム(1)は、第1~第4のいずれかの態様において、異常状態が発生していると異常判定部(23)が判定した場合に、異常判定部(23)の判定結果を報知する報知部(24)を更に備える。
【0102】
この態様によれば、報知部(24)によって異常判定部(23)の判定結果を報知することができる。
【0103】
第6の態様の搬送システム(1)は、第1~第5のいずれかの態様において、搬送ロボット(2)を管理する上位システム(3)に、異常判定部(23)の判定結果を出力する出力部(25)を更に備える。
【0104】
この態様によれば、上位システム(3)が、異常判定部(23)の判定結果に応じた処理を実行することが可能になる。
【0105】
第7の態様の搬送システム(1)では、第1~第6のいずれかの態様において、被搬送物(200)は、基板に実装される部品(600)と、部品供給モジュール(200A)と、の少なくとも一方を含む。部品供給モジュール(200A)は、基板に部品(600)を実装する製造装置(400)に対して部品(600)を供給する。
【0106】
この態様によれば、搬送ロボット(2)が、部品(600)又は部品供給モジュール(200A)を搬送する際に異常状態が発生しているか否かを判定することができる。
【0107】
第8の態様の搬送システム(1)では、第1~第7のいずれかの態様において、異常状態が発生していると異常判定部(23)が判定した場合に、制御部(22)は、被搬送物(200)の搬送を中止する。
【0108】
この態様によれば、異常状態が発生した場合に被搬送物(200)の搬送を中止することによって、搬送ロボット(2)に別の作業を実行させることができる。
【0109】
第9の態様の搬送システム(1)では、第1~第8のいずれかの態様において、被搬送物(200)が第1の被搬送物(200)である。搬送ロボット(2)が第1の被搬送物(200)を搬送中に異常状態が発生していると異常判定部(23)が判定した場合に、制御部(22)は、搬送ロボット(2)に第1の被搬送物(200)の搬送を中止させ、搬送ロボット(2)に第1の被搬送物(200)とは別の第2の被搬送物(200)を搬送させる。
【0110】
この態様によれば、搬送ロボット(2)が第1の被搬送物(200)を搬送する際に異常状態が発生した場合には、搬送ロボット(2)に第2の被搬送物(200)を搬送させることができ、搬送作業の効率が向上するという利点がある。
【0111】
第10の態様の搬送システム(1)は、第1~第9のいずれかの態様において、搬送ロボット(2)と、搬送ロボット(2)を管理する上位システム(3)と、を更に備える。
【0112】
この態様によれば、搬送ロボット(2)の走行状態が異常状態であるか否かを判定することができる。
【0113】
第11の態様の搬送制御方法は、トルク設定処理と、制御処理と、異常判定処理と、を含む。トルク設定処理では、被搬送物(200)を搬送可能な搬送ロボット(2)が備える走行モータ(31)のトルクの目標値を設定する。制御処理では、搬送ロボット(2)の搬送動作を制御する。異常判定処理では、制御処理において、走行モータ(31)のトルクを目標値に保つように制御している状態で、搬送ロボット(2)が走行しているか否かに基づいて、搬送ロボット(2)の走行が制限されている異常状態が発生しているか否かを判定する。
【0114】
この態様によれば、搬送ロボット(2)の走行状態が異常状態であるか否かを判定することができる。
【0115】
上記態様に限らず、上記実施形態に係る搬送システム(1)の種々の構成(変形例を含む)は、搬送システム(1)が実行する搬送制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化可能である。
【0116】
第2~第10の態様に係る構成については、搬送システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0117】
1 搬送システム
2 搬送ロボット
3 上位システム
21 トルク設定部
22 制御部
23 異常判定部
24 報知部
25 出力部
31 走行モータ
200 被搬送物
200A 部品供給モジュール
400 製造装置