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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158478
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20241031BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20241031BHJP
   H01H 13/00 20060101ALN20241031BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G01L5/00 Z
H01H13/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073710
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山林 正明
【テーマコード(参考)】
2F051
5E555
5G206
【Fターム(参考)】
2F051AA21
2F051AB06
2F051BA07
5E555BB38
5E555CA17
5E555CB59
5G206AS33H
5G206AS33J
5G206AS33M
5G206CS04F
5G206CS04J
5G206CS04M
5G206DS02J
5G206KS07
5G206KS08
(57)【要約】
【課題】本開示は、操作力の大きさに対する静電容量の変化特性を改善させることを目的とする。
【解決手段】入力装置1は、固定電極ユニットU1と、弾性体5と、絶縁層6と、を備える。固定電極ユニットU1は、第1固定電極74と、第2固定電極84と、を含む。弾性体5は、第1変形部51と、第2変形部52と、を有する。第1変形部51は、弾性体5の下面の中央に配置されている。第2変形部52は、弾性体5の下面において、第1変形部51の周囲に配置されている。第1変形部51は、第1固定電極74に対向する。第2変形部52は、第2固定電極84に、絶縁層6を介して対向する。第1変形部51の形状は、柱状である。第2変形部52の形状は、凹凸状である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1固定電極と、前記第1固定電極の周囲に配置されており前記第1固定電極に対して電気的に絶縁された第2固定電極と、を含む固定電極ユニットと、
前記固定電極ユニットを保持するケースと、
下向きの操作力が加えられる受圧部を含む可動電極と、
導電性を有し、前記可動電極の下面に対向して配置された弾性体と、
電気絶縁性を有し、前記弾性体と前記固定電極ユニットとの間に配置された絶縁層と、を備え、
前記弾性体は、
前記弾性体の下面の中央に配置された第1変形部と、
前記弾性体の前記下面において、前記第1変形部の周囲に配置されており、前記第1変形部に電気的に接続された第2変形部と、を有し、
前記第1変形部は、前記第1固定電極に対向し、
前記第2変形部は、前記第2固定電極に、前記絶縁層を介して対向し、
前記第1変形部の形状は、柱状であり、
前記第2変形部の形状は、凹凸状である、
入力装置。
【請求項2】
前記第2変形部は、前記第1変形部を囲んでいる、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記第1変形部を構成する材料の硬度は、前記第2変形部を構成する材料の硬度よりも大きい、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第1変形部を構成する材料の硬度は、前記第2変形部を構成する材料の硬度の2倍以上である、
請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記第1変形部と前記第2変形部とは、一体に形成されている、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項6】
下から見て、前記第1変形部の形状は、円状である、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項7】
上から見て前記第1変形部と重なる位置であって、前記第1変形部よりも上方に配置された、円柱状の押圧体を更に備える、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項8】
前記固定電極ユニットは、前記第2固定電極を複数含み、
前記複数の第2固定電極は、前記第1固定電極を囲むように並んでいる、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項9】
前記第1変形部の下面は、前記第2変形部の下面よりも下に位置する、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項10】
前記第2変形部は、複数の凸部を含み、
前記複数の凸部は、前記第1変形部を中心として等方的に配置されている、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項11】
前記弾性体の前記下面において、前記第2変形部が占める面積は、前記第1変形部が占める面積よりも大きい、
請求項1に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に入力装置に関し、より詳細には、導電性の弾性体を備える入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の入力装置は、操作部と、静電容量型の複数の圧力センサと、を備える。複数の圧力センサの各々は、電極と、押圧部と、絶縁体と、弾性体と、を含む。絶縁体及び弾性体は、電極と押圧部との間に配置される。弾性体が押圧部で押圧された場合、弾性体の複数の突起がつぶれる。これによって、弾性体と絶縁体との接触面積が増加し、圧力センサの静電容量が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/230517号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の入力装置では、押圧操作の力(操作力)が小さいときに、複数の突起がつぶれることで、圧力センサの静電容量が急激に変化することがある。これにより、特許文献1に記載の入力装置では、操作力に対する静電容量の変化特性が、必要な水準を満たさない場合がある。
【0005】
本開示は、操作力の大きさに対する静電容量の変化特性を改善させることができる入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る入力装置は、固定電極ユニットと、ケースと、可動電極と、弾性体と、絶縁層と、を備える。前記固定電極ユニットは、第1固定電極と、第2固定電極と、を含む。前記第2固定電極は、前記第1固定電極の周囲に配置されており前記第1固定電極に対して電気的に絶縁されている。前記ケースは、前記固定電極ユニットを保持する。前記可動電極は、下向きの操作力が加えられる受圧部を含む。前記弾性体は、導電性を有し、前記可動電極の下面に対向して配置されている。前記絶縁層は、電気絶縁性を有し、前記弾性体と前記固定電極ユニットとの間に配置されている。前記弾性体は、第1変形部と、第2変形部と、を有する。前記第1変形部は、前記弾性体の下面の中央に配置されている。前記第2変形部は、前記弾性体の前記下面において、前記第1変形部の周囲に配置されており、前記第1変形部に電気的に接続されている。前記第1変形部は、前記第1固定電極に対向する。前記第2変形部は、前記第2固定電極に、前記絶縁層を介して対向する。前記第1変形部の形状は、柱状である。前記第2変形部の形状は、凹凸状である。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、操作力の大きさに対する静電容量の変化特性を改善させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1に係る入力装置の斜視図である。
図2図2は、図1のII-II断面に対応する断面図であって、同上の入力装置に操作力が加えられていない状態を示す。
図3図3は、図1のII-II断面に対応する断面図であって、同上の入力装置に操作力が加えられた状態を示す。
図4図4は、同上の入力装置の分解斜視図である。
図5図5は、同上の入力装置の弾性体の斜視図である。
図6図6は、同上の入力装置の弾性体の側面図である。
図7図7は、同上の入力装置の固定電極ユニットの平面図に、弾性体を重ね合わせて表示した図である。
図8図8は、同上の入力装置の固定電極ユニット及びケースの平面図である。
図9図9は、実施形態2に係る入力装置の固定電極ユニット及びケースの平面図である。
図10図10は、実施形態3に係る入力装置の固定電極ユニット及びケースの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
下記の各実施形態においては、本開示の入力装置について、図面を用いて説明する。ただし、下記の各実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の各実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の各実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、下記の各実施形態は、変形例も含めて、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0010】
(実施形態1)
(概要)
図1に示す入力装置1では、入力装置1に加えられた操作力(圧力)の大きさに応じて、後述の弾性体5と固定電極ユニットU1との間の静電容量が変化する。入力装置1は、静電容量の大きさに対応した信号を出力する。言い換えると、入力装置1は、入力装置1に加えられた操作力(圧力)の大きさに対応した信号を出力する。そのため、入力装置1は、例えば、圧力センサとして用いられる。入力装置1から出力された信号は、例えば、電気機器に入力される。電気機器は、上記信号に対応した動作をする。つまり、ユーザは、入力装置1に操作力を加えることで、電気機器を操作することが可能である。
【0011】
入力装置1は、外部から操作力が加えられることで移動又は変形する部材(弾性体5等)を備えている。以下では、特に断りの無い限り、入力装置1に操作力が加えられていない状態(図2に示す状態)を想定して、入力装置1の構成について説明する。
【0012】
図2に示すように、本実施形態の入力装置1は、固定電極ユニットU1と、ケース12と、可動電極4と、弾性体5と、絶縁層6と、を備える。固定電極ユニットU1は、第1固定電極74と、第2固定電極84と、を含む。第2固定電極84は、第1固定電極74の周囲に配置されており第1固定電極74に対して電気的に絶縁されている。ケース12は、固定電極ユニットU1を保持する。可動電極4は、下向きの操作力が加えられる受圧部42を含む。弾性体5は、導電性を有し、可動電極4の下面に対向して配置されている。絶縁層6は、電気絶縁性を有し、弾性体5と固定電極ユニットU1との間に配置されている。弾性体5は、第1変形部51と、第2変形部52と、を有する。第1変形部51は、弾性体5の下面の中央に配置されている。第2変形部52は、弾性体5の下面において、第1変形部51の周囲に配置されており、第1変形部51に電気的に接続されている。第1変形部51は、第1固定電極74に対向する。第2変形部52は、第2固定電極84に、絶縁層6を介して対向する。第1変形部51の形状は、柱状である。第2変形部52の形状は、凹凸状である。
【0013】
本実施形態によれば、受圧部42に下向きの操作力が加えられた場合に、第1変形部51及び第2変形部52は圧縮される(図3参照)。第2変形部52は、圧縮されることで、第2固定電極84との対向面積が大きくなる。よって、第2変形部52と第2固定電極84との間の静電容量が大きくなる。入力装置1は、この静電容量の大きさに応じた信号を出力することができる。この静電容量の大きさは、受圧部42に加えられる操作力の大きさに応じた大きさとなる。よって、入力装置1を、操作力の大きさを検出するための静電容量式の圧力センサとして使用できる。
【0014】
そして、弾性体5において、第1変形部51は柱状に形成されており、第2変形部52は凹凸状に形成されている。これにより、入力装置1の構成を、第1変形部51に一定の荷重が加えられたときの第1変形部51の面積の変化率よりも、第2変形部52に上記一定の荷重が加えられたときの第2変形部52の面積の変化率の方が大きくなる構成としやすい。つまり、入力装置1の構成を、第1変形部51よりも第2変形部52の方が潰れやすい構成としやすい。
【0015】
そして、可動電極4の受圧部42に下向きの操作力が加えられた場合に、比較的潰れにくい第1変形部51が存在することで、可動電極4の下向きの移動が抑制される。よって、第1変形部51が無い場合と比較して、第2変形部52に加わる荷重が抑制される。
【0016】
第1変形部51が無いと、ごく小さい荷重で第2変形部52が潰れきってしまい、それ以上は第2変形部52の面積が大きくならない。よって、それよりも大きい荷重を、入力装置1で検出することができない。これに対して、第1変形部51が存在することで、比較的大きい荷重を、入力装置1で検出することができる。このように、第1変形部51が存在することで、静電容量として検出可能な操作力(荷重)の最大値を大きくすることができる。すなわち、入力装置1のダイナミックレンジを比較的大きくすることができる。また、ごく小さい荷重で第2変形部52が潰れきってしまう場合は、操作力の大きさと静電容量との関係を線形とすることが難しいが、第1変形部51が存在することで、このような課題を解決できる。
【0017】
また、第2変形部52が存在せずに、第2固定電極84と対向する領域まで第1変形部51が存在する場合と比較して、入力装置1では、受圧部42に加えられた操作力の大きさの変化に対する静電容量の変化が大きくなる。これにより、入力装置1の感度を向上させることができる。
【0018】
また、第1変形部51は弾性体5の下面の中央に配置されており、第2変形部52は第1変形部51の周囲に配置されている。そのため、第2変形部52が占める面積を比較的大きくすることができる。よって、第2変形部52と第2固定電極84との間の静電容量を比較的大きくできる。これにより、入力装置1の感度を向上させることができる。
【0019】
以上のように、本実施形態の入力装置1によれば、操作力の大きさに対する静電容量の変化特性を改善させることができる。変化特性を改善させるとは、例えば、線形性、感度、及び、ダイナミックレンジのうち少なくとも1つを改善させることである。
【0020】
(詳細)
(1)全体構成
以下、本実施形態の入力装置1について、より詳細に説明する。
【0021】
図4に示すように、入力装置1は、ハウジング10と、押圧体13と、可動電極4と、弾性体5と、絶縁層6と、固定電極ユニットU1と、を備える。
【0022】
ハウジング10は、カバー11と、ケース12と、を含む。固定電極ユニットU1は、第1導体部7と、第2導体部8と、を含む。
【0023】
以下の説明では、可動電極4から見て弾性体5が配置された側を下とし、弾性体5から見て可動電極4が配置された側を上とする。ただし、この規定は、入力装置1の使用方向を限定する趣旨ではない。
【0024】
押圧体13の下には、カバー11が配置されている。カバー11の下には、可動電極4が配置されている。可動電極4の下には、弾性体5が配置されている。弾性体5の下には、絶縁層6が配置されている。絶縁層6の下には、固定電極ユニットU1が配置されている。固定電極ユニットU1の一部は、ケース12に埋め込まれている。
【0025】
本開示における第1方向D1は、上下方向に一致する。また、本開示における第2方向D2は、第1方向D1と直交する方向である。本開示における第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2の両方と直交する方向である。
【0026】
(2)ハウジング
図1図4に示すように、ハウジング10は、カバー11と、ケース12と、を備えている。カバー11とケース12とが結合されることで、ハウジング10は、収容空間を形成する。ハウジング10は、収容空間に、可動電極4、弾性体5及び絶縁層6を収容する。
【0027】
カバー11及びケース12は、電気絶縁性を有する。カバー11及びケース12は、例えば、合成樹脂を材料として形成されている。
【0028】
ケース12の形状は、直方体状である。ケース12は、一の面(上面)を開口した凹部120を有する。上から見て、凹部120の底面121の形状は、矩形状である。「矩形」とは、正方形と長方形とを含む概念である。
【0029】
ケース12は、電極保持部122を有する。電極保持部122は、凹部120の底面121の中央から突出している。電極保持部122の形状は、円筒状である。電極保持部122の内側には、第1固定電極74が配置されている(図8参照)。
【0030】
カバー11は、可撓性を有する。カバー11の形状は、平面視四角形(例えば矩形)のフィルム状である。カバー11は、ケース12の凹部120の開口を覆うようにしてケース12に取り付けられている。
【0031】
カバー11の上面には、押圧体13が取り付けられている。より詳細には、押圧体13は、カバー11の上面の中央に取り付けられている。
【0032】
ユーザは、指で直接、又は、押圧体13に接触する部材である操作部材を介して、押圧体13を押す。これにより、ユーザは、押圧体13を介してカバー11に操作力を加えることが可能である。操作力の向きは、下向きである。カバー11に操作力が加えられると、図3に示すように、カバー11の中央が下に移動するように、カバー11が変形する。
【0033】
(3)押圧体
押圧体13の形状は、円柱状である。押圧体13は、電気絶縁性を有する。
【0034】
押圧体13は、上から見て(弾性体5の)第1変形部51と重なる位置であって、第1変形部51よりも上方に配置されている。押圧体13は、カバー11及び可動電極4を介して弾性体5に操作力を伝達する。
【0035】
(4)可動電極
図2に示すように、可動電極4は、カバー11と弾性体5との間に配置されている。より詳細には、可動電極4は、カバー11の下方に配置されている。可動電極4は、弾性体5に載せ置かれている。なお、可動電極4が弾性体5と結合していてもよい。
【0036】
押圧体13に加えられた操作力は、可動電極4へ伝達される。可動電極4は、操作力により下方へ移動する(図3参照)。
【0037】
可動電極4は、金属を材料として形成されている。可動電極4は、導電性を有する。
【0038】
可動電極4は、板状部41と、受圧部42と、を有する。
【0039】
板状部41の形状は、矩形状である。受圧部42は、板状部41から上方に突出している。より詳細には、受圧部42は、板状部41の中央から上方に突出している。受圧部42の形状は、上に凸のドーム状である。受圧部42は、カバー11に対向している。また、受圧部42は、カバー11に接している。
【0040】
押圧体13に加えられた操作力は、可動電極4の受圧部42に伝達される。これにより、可動電極4が下方へ移動する。よって、可動電極4は、弾性体5を下方に押す。
【0041】
可動電極4の弾性率は、弾性体5の弾性率よりも大きい。
【0042】
(5)弾性体
弾性体5は、導電性を有するゴムである。より詳細には、弾性体5は、絶縁体であるゴムの中に、カーボン粒子等の導電性粒子が均一に分散されることで形成されている。
【0043】
図4に示すように、弾性体5は、全体として板状に形成されている。弾性体5の厚さ方向から見て、弾性体5の外周縁の形状は、矩形状である。
【0044】
図5図6に示すように、弾性体5は、第1変形部51と、第2変形部52と、ベース部53と、を有する。
【0045】
ベース部53の形状は、板状である。ベース部53の平面視形状は、矩形状である。
【0046】
ベース部53は、上面531と、下面532と、を有する。上面531は、平面状である。上面531は、可動電極4に接触している。下面532には、第1変形部51及び第2変形部52が設けられている。
【0047】
第1変形部51は、ベース部53から下方に突出している。第1変形部51は、ベース部53の下面532の中央に設けられている。
【0048】
下から見て、第1変形部51の形状は、円状である。すなわち、第1変形部51の下面51Lの形状は、円状である。第1変形部51の形状は、柱状である。柱状とは、柱体状、及び、錐台状を含む概念である。第1変形部51の形状は、円柱状又は円錐台状であることが好ましい。本実施形態では、第1変形部51の形状は、円錐台状である。第1変形部51の直径は、上側ほど大きい。
【0049】
第2変形部52の形状は、凹凸状である。言い換えると、第2変形部52は、複数の凹部と、複数の凸部520と、を含む。第2変形部52は、ベース部53の下面532(第1変形部51が存在するところを除いた全体)と、そこに設けられた複数の凸部520と、から構成されている。ベース部53の下面532が、複数の凹部の底面に相当する。複数の凸部520の側面520Sが、複数の凹部の側面を兼ねている。
【0050】
複数の凸部520の各々の形状は、円錐台状である。複数の凸部520は、ベース部53の下面530から下方に突出している。複数の凸部520の相互間には、隙間が設けられている。複数の凸部520の各々の直径は、上側ほど大きい。
【0051】
第2変形部52は、第1変形部51の周囲に配置されている。さらに、第2変形部52は、第1変形部51を囲んでいる。より詳細には、第1変形部51を囲む環状の領域において、凸部520の分布が疎らとなる部分が存在するのではなく、上記環状の領域内の各部分において凸部520の密度が一定の範囲内に収まっている。
【0052】
また、複数の凸部520は、第1変形部51を中心として等方的に配置されている。より詳細には、複数の凸部520は、第1変形部51を囲む複数の同心円に沿って配置されている。更に詳細には、複数(図5では4つ)の同心円は、第1円、第2円、第3円及び第4円を含む。図5では、第1円、第2円、第3円及び第4円のうち、第1円のみを2点鎖線C1で示す。第1円、第2円、第3円及び第4円の中心は、第1変形部51の中心と一致する。第1円、第2円、第3円及び第4円は、半径がそれぞれ異なる。第1円の円周上に、2以上(図5では12個)の凸部520が等間隔に配置されている。同様に、第2円、第3円及び第4円の円周上にそれぞれ、2以上の凸部520が等間隔に配置されている。なお、複数の同心円の個数は、4つに限定されず、1~3つ、又は、5つ以上であってもよい。
【0053】
弾性体5の下面において、第2変形部52が占める面積は、第1変形部51が占める面積よりも大きい。弾性体5の下面において、単一の凸部520が占める面積は、第1変形部51が占める面積よりも小さい。
【0054】
第1変形部51と第2変形部52とは、一体に形成されている。より詳細には、第1変形部51と第2変形部52とは、ベース部53を介してつながって、一体に形成されている。第1変形部51と、第2変形部52と、ベース部53とは、分離不可能な1つの部材からなる。第1変形部51と、第2変形部52と、ベース部53とは、同一材料から形成されている。
【0055】
図6に示すように、第1変形部51の下面51Lは、第2変形部52の下面(すなわち、凸部520の下面520L)よりも下に位置する。
【0056】
第1変形部51は、第1固定電極74に対向している。より詳細には、入力装置1に操作力が加えられる前と後との両方において、第1変形部51は、第1固定電極74に接触している(図2図3参照)。第1変形部51と第1固定電極74との間には、絶縁層6が介在しない。第1変形部51は、第1固定電極74に電気的に接続されている。
【0057】
第2変形部52は、第2固定電極84に、絶縁層6を介して対向している。より詳細には、第2変形部52と第2固定電極84との間に絶縁層6が挟まれている(図2図3参照)。第2変形部52は、第2固定電極84に対して電気的に絶縁されている。
【0058】
可動電極4の受圧部42に操作力が加えられると、弾性体5は、可動電極4から力を受けて、上下方向に圧縮される(図3参照)。操作力が取り除かれると、弾性体5は、操作力が加えられる前の形状に復帰する(図2参照)。
【0059】
(6)絶縁層
図4に示す絶縁層6は、電気絶縁性を有する。絶縁層6は、シート状に形成されている。絶縁層6の概略形状は、矩形板状である。絶縁層6は、その中央に、貫通孔60を有する。貫通孔60の形状は、円状である。上から見て、貫通孔60の内側には、第1固定電極74が配置されている。弾性体5の第1変形部51は、貫通孔60を通して第1固定電極74に接している。
【0060】
(7)固定電極ユニット
図4図7図8に示すように、固定電極ユニットU1は、第1導体部7と、第2導体部8と、を含む。第1導体部7及び第2導体部8はそれぞれ、導電性を有する金属板からなる。第1導体部7及び第2導体部8は、互いに電気的に絶縁されている。
【0061】
固定電極ユニットU1は、インサート成形により、ケース12と一体化されている。すなわち、ケース12は、固定電極ユニットU1をインサート品としてインサート成形されている。
【0062】
第1導体部7は、底壁71と、接続部72と、端子部73と、第1固定電極74と、を有する。
【0063】
底壁71は、ケース12の凹部120の底面121に埋め込まれている。接続部72は、ケース12に埋め込まれている。接続部72は、底壁71と端子部73とを接続している。端子部73は、ケース12の外部に露出している。
【0064】
第1固定電極74は、底壁71の上面から突出している。第1固定電極74の上面は、ケース12の凹部120を構成する空間に露出している。より詳細には、第1固定電極74は、ケース12の底面121から突出した電極保持部122の内側に配置されている。第1固定電極74の形状は、円状である。
【0065】
第2導体部8は、複数(3つ)の端子部81~83と、第2固定電極84と、を有する。
【0066】
第2固定電極84は、ケース12の凹部120の底面121に埋め込まれている。第2固定電極84は、ケース12の電極保持部122の周囲に配置される。第2固定電極84の上面は、ケース12の凹部120を構成する空間に露出している。
【0067】
上から見て、第2固定電極84の形状は、矩形状である。より詳細には、上から見て、第2固定電極84の形状は、正方形状である。第2固定電極84の形状は、ケース12の凹部120の底面121の外縁に沿った形状である。
【0068】
第2固定電極84は、その中央に、貫通孔840を有する。貫通孔840の形状は、円状である。第1固定電極74は、貫通孔840の内側に配置されている。
【0069】
複数の端子部81~83は、第2固定電極84につながっている。複数の端子部81~83は、ケース12の外部に露出している。
【0070】
図7は、固定電極ユニットU1の平面図に、弾性体5を重ね合わせて表示した図である。図7に示すように、第1変形部51と第1固定電極74との対向面積は、第2変形部52と第2固定電極84との対向面積よりも小さい。第1変形部51の面積は、第1固定電極74の面積よりも大きい。第2変形部52の面積は、第2固定電極84の面積よりも小さい。
【0071】
第1固定電極74の上面と、第2固定電極84の上面とは、平面である。第1固定電極74の上面と、第2固定電極84の上面とは、同一平面上に存在する。また、ケース12の電極保持部122の上面も、平面である。電極保持部122の上面と、第1固定電極74の上面と、第2固定電極84の上面とは、同一平面上に存在する。
【0072】
第1導体部7と、第2導体部8と、ケース12と、からなる構成は、弾性体5等を収容する収容部である。収容部の底面は、電極保持部122の上面と、第1固定電極74の上面と、第2固定電極84の上面と、を含む。収容部の底面は、平面である。収容部の底面に、弾性体5が接触する。
【0073】
端子部73、81~83は、例えばプリント基板上の導電部材に対して、はんだ付けにより機械的に結合及び電気的に接続される。
【0074】
端子部73、81~83を介して、静電容量が測定される。すなわち、入力装置1は、弾性体5と第2固定電極84との間の静電容量の変化に応じた電気信号を、端子部73と、3つの端子部81~83のうち1つの端子部と、を介して出力する。なお、第2導体部8が有する端子部の個数は、3つに限定されず、1つ、2つ又は4つ以上であってもよい。
【0075】
(8)動作例
次に、図2図3等を参照して、入力装置1の動作例を説明する。
【0076】
押圧体13に操作力が加えられると、可動電極4の受圧部42に操作力が伝達される。すると、可動電極4は、下方に移動する。また、弾性体5は、可動電極4により下方に押される。弾性体5は、固定電極ユニットU1と可動電極4との間に挟まれ、圧縮される。これにより、弾性体5が弾性変形する。より詳細には、弾性体5において、第1変形部51の上下方向の長さが短くなり、かつ、上下方向と直交する平面上での第1変形部51の面積が大きくなる。また、第2変形部52の複数の凸部520の各々の上下方向の長さが短くなり、かつ、上下方向と直交する平面上での複数の凸部520の各々の面積が大きくなる。
【0077】
複数の凸部520の各々の面積が大きくなると、複数の凸部520と第2固定電極84との対向面積が増加するので、弾性体5と第2固定電極84との間の静電容量(主として、第2変形部52と第2固定電極84との間の静電容量)が増加する。
【0078】
入力装置1に操作力が加えられている状態から、加えられていない状態になると、弾性体5が弾性復帰することにより、入力装置1の各構成が、入力装置1に操作力が加えられていないときと同じ位置及び形状に戻り、静電容量も元に戻る。
【0079】
(9)利点
本実施形態の入力装置1では、弾性体5に第1変形部51と第2変形部52との両方を設けている。第1変形部51よりも、第2変形部52の方が変形しやすい。比較的変形しにくい第1変形部51が存在することにより、第2変形部52の面積の急激な増加を抑制できる。これにより、操作力の大きさと静電容量との線形性を改善させることができる。また、第1変形部51が存在することにより、操作力の大きさに対する第2変形部52の変形量を抑制して、静電容量として検出可能な操作力の最大値を大きくすることができる。すなわち、入力装置1のダイナミックレンジを比較的大きくすることができる。
【0080】
また、第1変形部51のみが設けられている場合と比較して、第2変形部52が設けられていることにより、受圧部42に加えられた操作力の大きさの変化に対する静電容量の変化が大きくなる。すなわち、入力装置1において、操作力に対する感度を向上させることができる。
【0081】
また、弾性体5の下面のうち、中央に第1変形部51を配置している。そのため、第1変形部51の周囲に、第2変形部52を配置する十分大きいスペースを設けられる。すなわち、第2変形部52が占める面積を比較的大きくすることができる。よって、第2変形部52と第2固定電極84との間の静電容量を比較的大きくできる。これにより、入力装置1の感度を向上させることができる。
【0082】
(実施形態1の変形例)
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。以下では、上述した実施形態1の構成を、基本例と呼ぶ。
【0083】
基本例の第1変形部51は、第1固定電極74に対向し、かつ、第1固定電極74に接している。これに対して、第1変形部51は、絶縁層6を介して第1固定電極74に対向していてもよい。つまり、第1変形部51と第1固定電極74との間に絶縁層6が挟まれていてもよい。この場合は、入力装置1で検出される静電容量は、第1変形部51と第1固定電極74との間の静電容量と、第2変形部52と第2固定電極84との間の静電容量と、の合成容量である。
【0084】
基本例の可動電極4は、板状部41から突出した突起を備えており、この突起が、操作力が加えられる受圧部42として機能する。ただし、板状部41から突出した突起を可動電極4が備えることは必須ではない。受圧部42は、板状部41の一部分であってもよい。例えば、可動電極4が、上面が平面状に形成された板状部41のみからなり、板状部41の上面の一部が、操作力が加えられる受圧部42として機能してもよい。
【0085】
基本例では、第1変形部51と第2変形部52とが一体に形成されている。すなわち、弾性体5を構成する1つの部材に、第1変形部51と第2変形部52とが含まれている。これに対して、第1変形部51を構成する部材が、第2変形部52を構成する部材とは別に設けられていてもよい。この場合、例えば、可動電極4に第1変形部51と第2変形部52とが保持されて、可動電極4を介して第1変形部51と第2変形部52とが電気的に接続されていてもよい。
【0086】
基本例では、第1変形部51と第2変形部52とが同一材料から形成されている。これに対して、第1変形部51と第2変形部52とがそれぞれ異なる材料から形成されていてもよい。例えば、第2変形部52とベース部53とを含む部材に、接着、又は、インサート成形により第1変形部51が結合されていてもよい。
【0087】
第1変形部51を構成する材料の硬度は、第2変形部52を構成する材料の硬度よりも大きいことが好ましい。これにより、入力装置1の構成を、第1変形部51よりも第2変形部52の方が潰れやすい構成としやすい。例えば、第2変形部52を構成する材料をシリコンゴムとし、第1変形部51を構成する材料を、より硬度が大きいシリコンゴムとしてもよい。
【0088】
また、第1変形部51を構成する材料の硬度は、第2変形部52を構成する材料の硬度の2倍以上であることが好ましい。
【0089】
第2変形部52の凸部520の形状は、円錐台状に限定されず、例えば、錐台状、錐状、柱体状又は半球状であってもよい。
【0090】
凸部520は、内部に空洞を有していてもよい。これにより、凸部520が圧縮変形されやすくなる。
【0091】
入力装置1はカバー11を備えていなくてもよい。
【0092】
入力装置1は押圧体13を備えていなくてもよい。したがって、受圧部42は、押圧体13を介さずに操作力が加えられてもよい。
【0093】
押圧体13は、カバー11と可動電極4との間に配置されていてもよい。
【0094】
入力装置1は、各種電子機器の操作に用いられることに限定されず、例えば、機器の位置検出に用いられてもよい。機器が所定の位置に移動することで、所定の位置に設置された入力装置1に、機器から操作力が加えられ、入力装置1における静電容量の変化として検出される。
【0095】
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る入力装置1Aについて、図9を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0096】
本実施形態の固定電極ユニットU1は、実施形態1の第2導体部8に代えて、第2導体部8Aを含む。
【0097】
第2導体部8Aは、複数(図9では4つ)の第2固定電極84Aと、複数(図9では4つ)の端子部85Aと、を有する。つまり、固定電極ユニットU1は、第2固定電極84Aを複数含む。
【0098】
複数の第2固定電極84Aは、第1固定電極74を囲むように並んでいる。より詳細には、4つの第2固定電極84Aのうち2つの第2固定電極84Aは、第2方向D2において並んでおり、これらの2つの第2固定電極84Aの間には、第1固定電極74が配置されている。また、4つの第2固定電極84Aのうち残りの2つの第2固定電極84Aは、第3方向D3において並んでおり、これらの2つの第2固定電極84Aの間には、第1固定電極74が配置されている。
【0099】
上から見て、複数の第2固定電極84Aの各々の形状は、台形状である。複数の第2固定電極84Aの各々は、第1固定電極74に隣接する位置から、ケース12の底面121の外縁に隣接する位置までにわたって設けられている。
【0100】
複数の第2固定電極84Aは、面積が互いに等しい。また、複数の第2固定電極84Aは、互いに同じ形状である。
【0101】
複数の端子部85Aは、複数の第2固定電極84Aと一対一で対応している。各端子部85Aは、対応する第2固定電極84Aとつながっている。各端子部85Aは、ケース12の外部に露出している。
【0102】
弾性体5の構成は、実施形態1と同じである。
【0103】
本実施形態の入力装置1Aでは、複数の第2固定電極84Aの各々から、対応する端子部85Aを介して、弾性体5との間の静電容量に応じた信号が出力される。言い換えると、複数の端子部85Aの各々から、対応する第2固定電極84Aと、弾性体5と、の間の静電容量に応じた信号が出力される。操作力が加えられた位置に応じて、複数の端子部85Aのうちいずれの端子部85Aにおいて信号が変化するかが異なる。例えば、図9において第1固定電極74の右方に配置された第2固定電極84Aと重なる位置に操作力が加えられた場合は、当該第2固定電極84Aと弾性体5との間の静電容量が変化し、当該第2固定電極84Aにつながった端子部85Aから、静電容量に応じた信号が出力される。
【0104】
このように、本実施形態の入力装置1Aを用いることで、操作力が加えられた位置を検出することができる。
【0105】
なお、第2固定電極84A及び端子部85Aの各々の個数は、4つに限定されず、2つ、3つ、又は、5つ以上であってもよい。
【0106】
各第2固定電極84Aの形状は、適宜変更が可能である。
【0107】
(実施形態3)
以下、実施形態3に係る入力装置1Bについて、図10を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0108】
本実施形態の固定電極ユニットU1は、実施形態1の第2導体部8に代えて、第2導体部8Bを含む。第2導体部8Bは、第2固定電極84Bと、端子部81と、を有する。
【0109】
上から見て、第2固定電極84Bの形状は、矩形状である。より詳細には、上から見て、第2固定電極84Bの形状は、正方形状である。第2固定電極84Bの形状は、ケース12の凹部120の底面121の外縁に沿った形状である。
【0110】
第2固定電極84Bは、その中央に、貫通孔840を有する。貫通孔840の形状は、円状である。第1固定電極74は、貫通孔840の内側に配置されている。
【0111】
また、第2固定電極84Bは、連通部841を更に有する。連通部841は、第2固定電極84Bの外縁と、貫通孔840と、をつなぐ切欠き部である。よって、貫通孔840は、連通部841を通して第2固定電極84Bの外縁よりも外側の空間につながっている。連通部841の形状は、長方形状である。
【0112】
端子部81は、第2固定電極84Bとつながっている。端子部81は、ケース12の外部に露出している。
【0113】
第1導体部7の接続部72は、第1固定電極74と端子部73とをつなぐ長方形状に形成されている。接続部72は、ケース12に埋め込まれている。接続部72は、上下方向において連通部841と重なる位置に配置されている。接続部72の幅は、連通部841の幅よりも小さい。
【0114】
弾性体5の構成は、実施形態1と同じである。
【0115】
本実施形態の入力装置1Bでは、製造工程において、第1導体部7及び第2導体部8Bを配置しやすい。すなわち、第2導体部8Bを所定の位置に配置した後、接続部72を連通部841に通すことで第1導体部7を配置することができる。なお、第1導体部7を配置した後に第2導体部8Bを配置してもよい。本実施形態の入力装置1Bでは、特に、プレスフォーミングで(自動で)第1導体部7及び第2導体部8Bを配置しやすい。
【0116】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0117】
第1の態様に係る入力装置(1、1A、1B)は、固定電極ユニット(U1)と、ケース(12)と、可動電極(4)と、弾性体(5)と、絶縁層(6)と、を備える。固定電極ユニット(U1)は、第1固定電極(74)と、第2固定電極(84、84A、84B)と、を含む。第2固定電極(84、84A、84B)は、第1固定電極(74)の周囲に配置されており第1固定電極(74)に対して電気的に絶縁されている。ケース(12)は、固定電極ユニット(U1)を保持する。可動電極(4)は、下向きの操作力が加えられる受圧部(42)を含む。弾性体(5)は、導電性を有し、可動電極(4)の下面に対向して配置されている。絶縁層(6)は、電気絶縁性を有し、弾性体(5)と固定電極ユニット(U1)との間に配置されている。弾性体(5)は、第1変形部(51)と、第2変形部(52)と、を有する。第1変形部(51)は、弾性体(5)の下面の中央に配置されている。第2変形部(52)は、弾性体(5)の下面において、第1変形部(51)の周囲に配置されており、第1変形部(51)に電気的に接続されている。第1変形部(51)は、第1固定電極(74)に対向する。第2変形部(52)は、第2固定電極(84、84A、84B)に、絶縁層(6)を介して対向する。第1変形部(51)の形状は、柱状である。第2変形部(52)の形状は、凹凸状である。
【0118】
上記の構成によれば、入力装置(1、1A、1B)を、操作力の大きさを検出するための静電容量式の圧力センサとして使用できる。
【0119】
第1変形部(51)が無いと、ごく小さい荷重(操作力)で第2変形部(52)が潰れきってしまい、それよりも大きい荷重を、入力装置(1、1A、1B)で検出することができない。これに対して、第1変形部(51)が存在することで、比較的大きい荷重を、入力装置(1、1A、1B)で検出することができる。このように、第1変形部(51)が存在することで、入力装置(1、1A、1B)のダイナミックレンジを比較的大きくすることができる。
【0120】
また、第1変形部(51)は弾性体(5)の下面の中央に配置されており、第2変形部(52)は第1変形部(51)の周囲に配置されている。そのため、第2変形部(52)が占める面積を比較的大きくすることができる。よって、第2変形部(52)と第2固定電極(84、84A、84B)との間の静電容量を比較的大きくできる。これにより、入力装置(1、1A、1B)の感度を向上させることができる。
【0121】
以上のように、本実施形態の入力装置(1、1A、1B)によれば、操作力の大きさに対する静電容量の変化特性を改善させることができる。
【0122】
また、第2の態様に係る入力装置(1、1A、1B)では、第1の態様において、第2変形部(52)は、第1変形部(51)を囲んでいる。
【0123】
上記の構成によれば、第2変形部(52)が占める面積を更に大きくすることができる。
【0124】
また、第3の態様に係る入力装置(1、1A、1B)では、第1又は2の態様において、第1変形部(51)を構成する材料の硬度は、第2変形部(52)を構成する材料の硬度よりも大きい。
【0125】
上記の構成によれば、入力装置(1、1A、1B)の構成を、第1変形部(51)に一定の荷重が加えられたときの第1変形部(51)の面積の変化率よりも、第2変形部(52)に上記一定の荷重が加えられたときの第2変形部(52)の面積の変化率の方が大きくなる構成としやすい。つまり、入力装置(1、1A、1B)の構成を、第1変形部(51)よりも第2変形部(52)の方が潰れやすい構成としやすい。
【0126】
また、第4の態様に係る入力装置(1、1A、1B)では、第3の態様において、第1変形部(51)を構成する材料の硬度は、第2変形部(52)を構成する材料の硬度の2倍以上である。
【0127】
上記の構成によれば、入力装置(1、1A、1B)の構成を、第1変形部(51)に一定の荷重が加えられたときの第1変形部(51)の面積の変化率よりも、第2変形部(52)に上記一定の荷重が加えられたときの第2変形部(52)の面積の変化率の方が大きくなる構成としやすい。
【0128】
また、第5の態様に係る入力装置(1、1A、1B)では、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、第1変形部(51)と第2変形部(52)とは、一体に形成されている。
【0129】
上記の構成によれば、第1変形部(51)と第2変形部(52)とが別々の部材である場合と比較して、入力装置(1、1A、1B)の部材点数を削減できる。
【0130】
また、第6の態様に係る入力装置(1、1A、1B)では、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、下から見て、第1変形部(51)の形状は、円状である。
【0131】
上記の構成によれば、第1変形部(51)の周囲に、第2変形部(52)を等方的に配置することができる。これにより、入力装置(1、1A、1B)で検出される静電容量の変化が、操作力が加えられた位置によってばらつくことを抑制できる。
【0132】
また、第7の態様に係る入力装置(1、1A、1B)は、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、円柱状の押圧体(13)を更に備える。押圧体(13)は、上から見て第1変形部(51)と重なる位置であって、第1変形部(51)よりも上方に配置されている。
【0133】
上記の構成によれば、第1変形部(51)に荷重を加えやすい。
【0134】
また、第8の態様に係る入力装置(1A)では、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、固定電極ユニット(U1)は、第2固定電極(84A)を複数含む。複数の第2固定電極(84A)は、第1固定電極(74)を囲むように並んでいる。
【0135】
上記の構成によれば、入力装置(1A)は、複数の第2固定電極(84A)の各々から、荷重に対応した信号を出力できる。すなわち、入力装置(1A)は、操作力が加えられた位置に対応した、複数の信号を出力できる。
【0136】
また、第9の態様に係る入力装置(1、1A、1B)では、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、第1変形部(51)の下面(51L)は、第2変形部(52)の下面(520L)よりも下に位置する。
【0137】
上記の構成によれば、受圧部(42)に下向きの操作力が加えられた場合に、圧縮された第1変形部(51)がある程度潰れて変形してから、第2変形部(52)が第2固定電極(84、84A、84B)に接する。もし、第1変形部(51)が潰れて変形する前に第2変形部(52)が潰れて変形すると、操作力が小さいとき、操作力の大きさと静電容量との関係を線形とすることが難しいが、第1変形部(51)が先に潰れて変形することで、このような課題を解決できる。
【0138】
また、第10の態様に係る入力装置(1、1A、1B)では、第1~9の態様のいずれか1つにおいて、第2変形部(52)は、複数の凸部(520)を含む。複数の凸部(520)は、第1変形部(51)を中心として等方的に配置されている。
【0139】
上記の構成によれば、入力装置(1、1A、1B)で検出される静電容量の変化が、操作力が加えられた位置によってばらつくことを抑制できる。
【0140】
また、第11の態様に係る入力装置(1、1A、1B)では、第1~10の態様のいずれか1つにおいて、弾性体(5)の下面において、第2変形部(52)が占める面積は、第1変形部(51)が占める面積よりも大きい。
【0141】
上記の構成によれば、第2変形部(52)と第2固定電極(84、84A、84B)との間の静電容量を比較的大きくできる。
【0142】
第1の態様以外の構成については、入力装置(1、1A、1B)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0143】
1、1A、1B 入力装置
4 可動電極
5 弾性体
6 絶縁層
12 ケース
13 押圧体
42 受圧部
51 第1変形部
51L 下面
52 第2変形部
74 第1固定電極
84、84A、84B 第2固定電極
520 凸部
520L 下面
U1 固定電極ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10