(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158479
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20241031BHJP
【FI】
F21S2/00 483
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073711
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久米 嶺
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 秀昌
(72)【発明者】
【氏名】江口 菜々子
(72)【発明者】
【氏名】雀部 啓太
(72)【発明者】
【氏名】亀井 律雄
【テーマコード(参考)】
3K011
3K244
【Fターム(参考)】
3K011BA01
3K011BA07
3K244AA05
3K244BA27
3K244BA50
3K244CA02
3K244DA01
3K244KA02
3K244KA11
3K244KA18
3K244MA02
3K244MA12
3K244MA17
(57)【要約】
【課題】部品点数の増加を抑制しつつ放熱部材の落下を抑制する。
【解決手段】照明器具は、基板101と、ベース部材120と、放熱部材121と、を備える。基板101は、複数の発光素子100が実装されている。ベース部材120は、第1面1201及び第2面1202を有する板状であって、第1面1201に基板101が取り付けられる。放熱部材121は、ベース部材120の第2面1202に取り付けられる。ベース部材120は、第1方向に沿って第2面1202から突出する凸部18を有する。放熱部材121は、凸部18に引掛可能な引掛部195を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子が実装されている基板と、
第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有する板状であって、前記第1面に前記基板が取り付けられるベース部材と、
前記ベース部材の前記第2面に取り付けられる放熱部材と、を備え、
前記ベース部材は、前記ベース部材の法線方向である第1方向に沿って前記第2面から突出する凸部を有し、
前記放熱部材は、前記凸部に引掛可能な引掛部を有する、
照明器具。
【請求項2】
前記凸部は、
第1部分と、
前記第1部分と前記ベース部材の前記第2面との間をつなぐ第2部分と、を含み、
前記第1方向と直交する第2方向からの平面視において、前記第1方向及び前記第2方向の両方と直交する第3方向における前記第2部分の長さは、前記第3方向における前記第1部分の長さよりも短くなっており、
前記引掛部は、前記第1部分と前記第2部分との間の段差に引っ掛かる、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記凸部は、前記第2方向からの平面視において、T字状である、
請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記凸部の前記第1部分は、前記第2方向からの平面視において、多角形状である、
請求項2に記載の照明器具。
【請求項5】
前記凸部は、前記第2方向からの平面視において、L字状である、
請求項2に記載の照明器具。
【請求項6】
前記引掛部は、前記第3方向に沿って突出する突片を含み、
前記第3方向における前記突片の長さは、前記第3方向における前記段差の長さよりも長い、
請求項2~5のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記放熱部材は、前記引掛部を複数有し、
前記複数の引掛部は、前記放熱部材が前記ベース部材に取り付けられている状態で、前記第3方向における前記凸部の両側に位置している、
請求項2~5のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記ベース部材は、前記基板を含む光源モジュールを支持する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に照明器具に関し、より詳細には、放熱部材を備える照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、特許文献1に記載の照明器具を例示する。特許文献1に記載の照明器具(以下、「従来例」という。)は、野球場や競技場等のスタジアムで使用される投光器である。従来例は、器具本体として機能する複数の投光ユニットと、各投光ユニットの前面に設けられる前面カバーと、複数の投光ユニットを支持するアームと、を備える。各投光ユニットは、ダイカスト成形によって形成されているケースを有する。ケースの背面には、多数の放熱フィンからなる放熱部が一体に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来例のような照明器具では、ベース部材(ケース)と放熱部材(放熱部)とを別部材とする場合がある。この場合、部品点数の増加を抑制しつつ放熱部材の落下を抑制することが望まれている。
【0005】
本開示の目的は、部品点数の増加を抑制しつつ放熱部材の落下を抑制することが可能な照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る照明器具は、基板と、ベース部材と、放熱部材と、を備える。前記基板は、複数の発光素子が実装されている。前記ベース部材は、第1面及び第2面を有する板状であって、前記第1面に前記基板が取り付けられる。前記第2面は、前記第1面とは反対側の面である。前記放熱部材は、前記ベース部材の前記第2面に取り付けられる。前記ベース部材は、凸部を有する。前記凸部は、第1方向に沿って前記第2面から突出する。前記第1方向は、前記ベース部材の法線方向である。前記放熱部材は、前記凸部に引掛可能な引掛部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様に係る照明器具によれば、部品点数の増加を抑制しつつ放熱部材の落下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る照明器具の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の照明器具の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の照明器具における光源ユニットの分解斜視図である。
【
図6】
図6は、同上の光源ユニットの縦断面図である。
【
図7】
図7は、同上の照明器具の要部拡大図である。
【
図8】
図8は、同上の照明器具の要部の模式図である。
【
図9】
図9Aは、同上の照明器具における放熱部材の正面図である。
図9Bは、同上の放熱部材の側面図である。
図9Cは、同上の放熱部材の底面図である。
【
図10】
図10は、実施形態の変形例1に係る照明器具の要部の模式図である。
【
図11】
図11は、実施形態の変形例2に係る照明器具の要部の模式図である。
【
図12】
図12は、実施形態の変形例3に係る照明器具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る照明器具について、図面を参照して説明する。下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、下記の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、下記の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0010】
(実施形態)
(1)概要
まず、実施形態に係る照明器具A1の概要について、
図1~
図6を参照して説明する。
【0011】
実施形態に係る照明器具A1は、
図1~
図6に示すように、基板101と、ベース部材120と、複数の放熱部材121と、を備える。基板101は、複数の発光素子100が実装されている。ベース部材120は、第1面1201及び第2面1202を有する板状である。第2面1202は、第1面1201とは反対側の面である。ベース部材120は、第1面1201に基板101が取り付けられる。各放熱部材121は、ベース部材120の第2面1202に取り付けられる。ベース部材120は、第2凸部182を有する。第2凸部182は、第1方向D1に沿って第2面1202から突出する。第1方向D1は、ベース部材120の法線方向である。第2凸部182は、第1部分1821(
図8参照)と、第2部分1822(
図8参照)と、を含む。第2部分1822は、第1部分1821とベース部材120の第2面1202との間をつなぐ。第2方向D2からの平面視において、第3方向D3における第2部分1822の長さL2(
図8参照)は、第3方向D3における第1部分1821の長さL1(
図8参照)よりも短くなっている。第2方向D2は、第1方向D1と直交する方向である。第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2の両方と直交する方向である。各放熱部材121は、第2凸部182に引掛可能な引掛部195を有する。
【0012】
実施形態に係る照明器具A1によれば、放熱部材121の引掛部195がベース部材120の第2凸部182に引っ掛かることで、放熱部材121の落下を抑制することが可能となる。また、実施形態に係る照明器具A1によれば、放熱部材121の落下を抑制するための別部品を設けなくてもよく、部品点数の増加を抑制することが可能となる。すなわち、実施形態に係る照明器具A1によれば、部品点数の増加を抑制しつつ放熱部材121の落下を抑制することが可能となる。
【0013】
(2)詳細
実施形態に係る照明器具A1(以下、「照明器具A1」と略す。)は、主に、サッカースタジアムや各種の競技場、学校の運動場等を照明(投光照明)する用途に用いられる投光器である。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、
図1に矢印で示す上下、前後、左右の各方向を照明器具A1の上下、前後、左右の各方向と規定する。ただし、これらの方向は照明器具A1の使用時の方向を限定する趣旨ではない。また、図面中の「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」を示す矢印は、説明のために表記しているに過ぎず、いずれも実体を伴わない。
【0014】
さらに、本実施形態では、ベース部材120の第1面1201(又は第2面1202)の法線方向である第1方向D1が前後方向であり、複数の放熱部材121が並ぶ方向である第2方向D2が左右方向であり、第1方向D1及び第2方向D2の両方と直交する方向である第3方向D3が上下方向である。また、図面中の「D1」、「D2」、「D3」を示す矢印についても、説明のために表記しているに過ぎず、いずれも実体を伴わない。
【0015】
照明器具A1は、
図1~
図4に示すように、2台の光源ユニット1と、2台の光源ユニット1を支持する支持部材3と、を備える。また、照明器具A1は、2台の光源ユニット1を連結する一対の連結部材4と、2台の光源ユニット1に点灯用の電力を供給する電源ユニット2と、を更に備える。ただし、照明器具A1が備える光源ユニット1の台数は2台に限定されず、1台又は3台以上であっても構わない。
【0016】
(2.1)光源ユニット
2台の光源ユニット1は同一の構成を有している。各光源ユニット1は、
図5及び
図6に示すように、光源モジュール10と、カバー11と、放熱ブロック12と、枠体13と、シール部材14と、を有する。
【0017】
(2.1.1)光源モジュール
光源モジュール10は、平板状の基板101の前面に複数の発光素子100を実装したLEDモジュールである(
図5参照)。すなわち、基板101には、複数の発光素子100が実装されている。各発光素子100は、例えば、パッケージ型の照明用白色LEDである。ただし、発光素子100はLEDに限定されず、有機エレクトロルミネッセンス素子、半導体レーザ素子等でも構わない。基板101は、例えば、アルミ板をベースとする金属ベース基板である。複数の発光素子100は、基板101の前面において、縦横(上下左右)に間隔を空けて並ぶように実装されている(
図5参照)。
【0018】
(2.1.2)放熱ブロック
放熱ブロック12は、ベース部材120と、複数の放熱部材121と、を有する(
図5参照)。ベース部材120は、例えば、アルミ合金によって長方形の平板状に形成されている。ベース部材120は、
図6に示すように、第1面1201及び第2面1202を有する。第1面1201は、例えば、ベース部材120の前面である。第2面1202は、第1面1201とは反対側の面であって、例えば、ベース部材120の後面である。ベース部材120の第1面(前面)1201に、複数本のねじ122を用いて光源モジュール10が取り付けられることにより、光源モジュール10の基板101とベース部材120が機械的及び熱的に接続される。具体的には、ベース部材120の第1面1201には、
図6に示すように、基板101が取り付けられる。
【0019】
また、ベース部材120の第2面(後面)1202には、
図4、
図6及び
図7に示すように、複数(図示例では2つ)の凸部18が設けられている。複数の凸部18は、第3方向D3において間隔を空けて並んでいる。各凸部18は、第2方向D2におけるベース部材120の全長にわたって設けられている。各凸部18は、
図8に示すように、ベース部材120の法線方向である第1方向D1に沿ってベース部材120の第2面1202から後方に突出している。各凸部18は、複数(図示例では2つ)の第1凸部181と、第2凸部182と、を含む。複数の第1凸部181の各々は、左右方向における両端部に設けられている。第2凸部182は、左右方向において、複数の第1凸部181間に設けられている。
【0020】
複数の第1凸部181の各々の先端部は、第2方向D2からの平面視において、多角形状(例えば、六角形状)である(
図8参照)。このように、各第1凸部181の先端部の形状を多角形状にすることで、連結部材4を取り付けるための締結部品46がねじ込まれるねじ穴1206を形成することが可能となる。一方、第2凸部182は、第2方向D2からの平面視において、T字状である(
図8参照)。このように、第2凸部182の形状をT字状にすることで、ベース部材120の軽量化を図ることが可能となる。本実施形態では、第2凸部182が、後述の引掛部195が引っ掛かる凸部(以下、「凸部182」ともいう。)に相当する。
【0021】
凸部182は、上述したように、第2方向D2からの平面視において、T字状である。より詳細には、凸部182は、
図8に示すように、第1部分1821と、第2部分1822と、を含む。第1部分1821は、第2部分1822よりも後方(
図8の左側)に位置しており、第2部分1822を介してベース部材120と一体である。つまり、第2部分1822は、第1部分1821とベース部材120の第2面1202との間をつなぐ部分である。第1部分1821は、第2方向D2からの平面視において、第1方向D1よりも第3方向D3に長い矩形状である。また、第2部分1822は、第2方向D2からの平面視において、第3方向D3よりも第1方向D1に長い矩形状である。さらに、第2方向D2からの平面視において、第3方向D3における第2部分1822の長さL2は、第3方向D3における第1部分1821の長さL1よりも短い。これにより、第1部分1821と第2部分1822との間に段差1823が形成される(
図8参照)。
【0022】
また、ベース部材120の第2面(後面)1202における四隅には、角柱状の突部1203が設けられている(
図5参照)。4つの突部1203の左右方向の外側面には、2つのねじ穴1206、1207が設けられている。さらに、複数の凸部18の左右両側面には、それぞれ一対のねじ穴1206が設けられている(
図5参照)。
【0023】
複数の放熱部材121の各々は、例えば、アルミ合金によって形成されている。各放熱部材121は、
図9A~
図9Cに示すように、一対の放熱板191と、一対の放熱板191を連結する連結板192と、を有する。各放熱部材121は、一対の放熱板191と連結板192とで、第3方向D3からの平面視においてU字状に形成されている(
図9C参照)。一対の放熱板191の各々は、
図9Bに示すように、第1方向D1よりも第3方向D3に長い矩形の板状であって、後方に位置する2つの角部が面取りされている。各放熱板191は、複数(図示例では2つ)の溝193を有する。複数の溝193は、放熱板191の厚さ方向(左右方向)に貫通している。複数の溝193は、第3方向D3において間隔を空けて設けられている。より詳細には、複数の溝193は、ベース部材120の複数の凸部18と一対一に対応する位置に設けられている。各溝193は、対応する凸部18が挿入可能な大きさである。より詳細には、各溝193は、対応する凸部18のうち第2凸部182が挿入可能な大きさである。
【0024】
連結板192は、
図9Aに示すように、第2方向D2よりも第3方向D3に長い矩形の板状である。連結板192は、複数(図示例では5つ)のかしめ穴194を有する。複数のかしめ穴194は、連結板192の厚さ方向(前後方向)に貫通している。複数のかしめ穴194は、第3方向D3に沿って間隔を空けて設けられている。より詳細には、複数のかしめ穴194は、ベース部材120の第2面1202に設けられている複数の突起1208(
図7参照)と一対一に対応する位置に設けられている。
【0025】
また、連結板129は、
図9Aに示すように、複数(図示例では4つ)の引掛部195を有する。複数の引掛部195は、2個1組であって、各組の2つの引掛部195は、互いに対向する向きに突出している。すなわち、各引掛部195は、第3方向D3に沿って突出する突片1951を含む。ここで、
図8に示すように、第3方向D3における各突片1951の長さL3は、第3方向D3における段差1823の長さL4よりも長い。これにより、各突片1951の長さL3が段差1823の長さL4よりも短い場合に比べて、各突片1951が対応する凸部182に引っ掛かりやすいという利点がある。すなわち、放熱部材121は、凸部182に引掛可能な引掛部195を有する。そして、引掛部195は、凸部182の第1部分1821と第2部分1822との間の段差1823に引っ掛かる。また、各組の2つの引掛部195は、放熱部材121がベース部材120に取り付けられている状態で、2つの凸部182のうち対応する凸部182の第3方向D3の両側に位置している(
図8参照)。そして、第3方向D3における2つの引掛部195間の距離L5は、
図8に示すように、第3方向D3における凸部182の第1部分1821の長さL1よりも短い。
【0026】
ところで、各引掛部195は、
図8に示すように、放熱部材121がベース部材120に取り付けられている状態では、対応する凸部182に接触しておらず、対応する凸部182に引っ掛かっていない。つまり、各引掛部195の長さL3は、放熱部材121がベース部材120から外れて落下する際に、対応する凸部182に引っ掛かる長さである。
【0027】
複数の放熱部材121は、
図4に示すように、一定の間隔を空けて、ベース部材120の第2面(後面)1202に取り付けられる。放熱ブロック12は、点灯中の複数の発光素子100で発生する熱を効率的に放熱することにより、光源モジュール10の温度上昇を抑制して発光効率の向上等を図ることができる。
【0028】
(2.1.3)カバー
カバー11は、
図5及び
図6に示すように、カバー本体110と、複数のレンズ部111と、周縁部112と、を有する。カバー本体110、複数のレンズ部111及び周縁部112は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂等の透光性を有する合成樹脂によって一体に形成されている。
【0029】
カバー本体110は、長方形の平板状に形成された前板部1100と、前板部1100の周囲から後方に立ち上がる側板部1101と、を有する。前板部1100の後面には、複数のレンズ部111が設けられている。また、前板部1100の中央には、ボス1102が設けられている(
図6参照)。ボス1102は、円すい台状に形成されて前板部1100の後面から後方に突出しており、その底面にねじ挿通穴1103が貫通している(
図6参照)。
【0030】
側板部1101の後端に周縁部112が設けられている。周縁部112は、側板部1101の後端から全周にわたって外向きに突出している(
図5及び
図6参照)。周縁部112は、前板部1100とほぼ平行である。
【0031】
複数のレンズ部111は、円すい台状に形成されて前板部1100の後面から後方に突出している(
図6参照)。各レンズ部111は、光源モジュール10の複数個の発光素子100と一対一に対応する位置に設けられている(
図6参照)。
【0032】
カバー本体110及び周縁部112は、複数の凹部113を有する(
図5参照)。複数の凹部113は、カバー本体110及び周縁部112の上部及び下部にそれぞれ2つずつ設けられるとともに、カバー本体110及び周縁部112の左右両端部にそれぞれ1つずつ設けられている。
【0033】
(2.1.4)枠体
枠体13は、
図5に示すように、長方形の筒状に形成された周壁131と、周壁131の内周面から全周にわたって内向きに突出するフランジ部132と、フランジ部132に設けられた複数の固定部133と、フランジ部132の前端に設けられた突壁135と、を有する。周壁131、フランジ部132、複数の固定部133及び突壁135は、アルミダイカスト等で一体に形成されている。また、フランジ部132の四隅には、貫通穴136が設けられている(
図5参照)。
【0034】
複数の固定部133は、前後方向において、複数の凹部113と対向する位置に設けられている。各固定部133は、台形状に形成されている(
図5参照)。各固定部133には、前後方向に貫通する貫通穴134が設けられている(
図5参照)。
【0035】
突壁135は、周壁131の四隅を除いた前端から前方へ突出している(
図5及び
図6参照)。突壁135の外周面と周壁131の外周面とは面一である。
【0036】
(2.1.5)シール部材
シール部材14は、
図5に示すように、長方形の筒状に形成された本体140と、本体140の外周面に設けられた複数の突部142と、本体140の内周面に設けられた複数の固定片143と、を有する。本体140、複数の突部142及び複数の固定片143は、例えば、シリコーンゴムによって一体に形成されている。ただし、シール部材14は、シリコーンゴム以外の弾性材料で形成されても構わない。
【0037】
本体140の四隅は面取りされている。本体140の内周面には、内向きに開口する溝141が全周にわたって形成されている(
図5及び
図6参照)。また、本体140の前面と後面及び溝141の前方と後方の内側面のそれぞれに、全周にわたるリブが形成されている。
【0038】
複数の固定片143は、前後方向において、カバー11の複数の凹部113と対向する位置に設けられている。各固定片143は、台形状に形成されている(
図5参照)。各固定片143は、前後方向に貫通する貫通穴144が設けられている(
図5参照)。
【0039】
複数の突部142は、三角柱状に形成されている。ただし、各突部142の上下両側の底面は、外に向かって互いに近付く向きに傾斜している。また、各突部142の先端は、外に向かって膨らむ曲面形状に形成されている。
【0040】
(2.1.6)放熱ブロックの組立手順
次に、放熱ブロック12の組立手順を説明する。ただし、以下に説明する組立手順は一例であり、幾つかの手順の順番を入れ替えても構わない。
【0041】
組立作業を行う作業者は、複数の放熱部材121をベース部材120に取り付ける。ここで、本実施形態では、上述したように、各凸部182に対して2個1組の引掛部195が対応する。そして、各組における2つの引掛部195間の距離L5は、凸部182の第1部分1821の長さL1よりも短い(
図8参照)。このため、ベース部材120に対して後方から各放熱部材121を取り付けることができず、ベース部材120に対して左右方向から各放熱部材121をスライドさせることで、各放熱部材121をベース部材120に取り付けることになる。
【0042】
それから、作業者は、各放熱部材121における5つのかしめ穴194に、ベース部材120における対応する5つの突起1208を挿通させた後、5つの突起1208を塑性変形させる。これにより、各放熱部材121がベース部材120にかしめ固定される。各放熱部材121がベース部材120にかしめ固定された状態では、凸部182は、
図8に示すように、溝193と2つの引掛部195とで囲まれる空間S1内に配置される。すべての放熱部材121をベース部材120に取り付けることで、放熱ブロック12の組立が完了する。
【0043】
(2.1.7)光源ユニットの組立手順
次に、光源ユニット1の組立手順を説明する。ただし、以下に説明する組立手順は一例であり、幾つかの手順の順番を入れ替えても構わない。
【0044】
まず、組立作業を行う作業者は、放熱ブロック12のベース部材120の第1面(前面)1201に光源モジュール10を取り付ける。光源モジュール10は、複数本のねじ122でベース部材120にねじ止めされる。すなわち、ベース部材120は、基板101を含む光源モジュール10を支持する。
【0045】
続いて、作業者は、カバー11の外側にシール部材14を被せ、シール部材14の本体140の溝141にカバー11の周縁部112を挿入することでカバー11にシール部材14を装着する(
図6参照)。このとき、カバー11の複数の凹部113とシール部材14の複数の固定片143が一対一で重なる。
【0046】
それから、作業者は、シール部材14を装着したカバー11に、前方から枠体13を被せ、枠体13の複数の固定部133をシール部材14の複数の固定片143と前後方向に重ねるようにして、ベース部材120の第1面(前面)1201にカバー11、シール部材14及び枠体13を配置する。
【0047】
続いて、作業者は、カバー本体110の中央に設けられたボス1102の底面のねじ挿通穴1103に、座金付きの段付ねじ16を挿入する。段付ねじ16の雄ねじ部は、基板101の中央を貫通する貫通穴を通過して、ベース部材120の中央に設けられたねじ穴1205にねじ込まれる(
図6参照)。ボス1102の底面と段付ねじ16の座金の間にはOリング17が配置されており、段付ねじ16とねじ挿通穴1103の間の隙間がOリング17でシールされる(
図6参照)。
【0048】
それから、作業者は、各固定部133の貫通穴134から各固定片143の貫通穴144にねじ15を挿通し、ベース部材120に設けられた複数のねじ穴1204にねじ15を1本ずつねじ込む。その結果、枠体13とベース部材120の間でシール部材14とカバー11を挟み込むようにしてカバー11及びシール部材14がベース部材120に取り付けられる(
図6参照)。
【0049】
以上の手順で光源ユニット1の組立が完了する。
【0050】
(2.2)連結部材
一対の連結部材4は同一の構成を有している。各連結部材4は、
図1~
図4に示すように、主片40と、前側片41と、後側片42と、を有する。主片40は、長方形の平板状に形成されている。前側片41は、平板状に形成されており、主片40の長手方向に沿った一端(前端)から主片40の厚さ方向に突出している。後側片42は、台形の平板状に形成されており、主片40の長手方向に沿った他端(後端)から主片40の厚さ方向に突出している(
図4参照)。主片40と前側片41と後側片42は、1枚の金属板が曲げ加工されることで一体に形成されている。
【0051】
主片40は、円形の第1穴401、長円形の第2穴402、及び長円形の挿通穴403を、それぞれ2つずつ有している(
図3参照)。2つの第1穴401は、主片40の長手方向の中央において、主片40の長手方向に沿って並ぶように設けられている。2つの第2穴402は、主片40の長手方向の両端に1つずつ設けられている。2つの挿通穴403は、主片40の長手方向において、第1穴401と第2穴402の間の位置に1つずつ設けられている。
【0052】
前側片41は、長手方向の中央部分が台形状に形成されている(
図1参照)。後側片42は、2つの嵌合部420を有している(
図4参照)。2つの嵌合部420は、それぞれ長円形の貫通穴で構成される。2つの嵌合部420は、後側片42の長手方向に沿って並んでいる。
【0053】
一方の連結部材4は、上下に並べた2台の光源ユニット1のそれぞれのベース部材120の左側面に、各々2本(合計4本)の締結部品(六角ボルト)46で締結される。4本の締結部品46は、主片40の2つの第1穴401と2つの第2穴402にそれぞれ1本ずつ挿通される。長手方向の一方側(上側)の第1穴401と第2穴402にそれぞれ1本ずつ挿通された2本の締結部品46は、上側の光源ユニット1のベース部材120に設けられた2つのねじ穴1206、1207に1本ずつねじ込まれる。同様に、長手方向の他方側(下側)の第1穴401と第2穴402にそれぞれ1本ずつ挿通された2本の締結部品46は、下側の光源ユニット1のベース部材120に設けられた2つのねじ穴1206、1207に1本ずつねじ込まれる。残りの連結部材4についても同様に、上下に並べた2台の光源ユニット1のそれぞれのベース部材120の右側面に、各々2本(合計4本)の締結部品(六角ボルト)46で締結される。なお、後側片42に設けられた2つの嵌合部420は、2台の光源ユニット1のそれぞれのベース部材120に設けられた突部1203と嵌合する(
図4参照)。
【0054】
また、各連結部材4の2つの挿通穴403に固定部品47が1本ずつ挿通される。固定部品47は、いわゆる段付ねじである。固定部品47は、主片40の各挿通穴403に挿通され、ベース部材120において2つのねじ穴1206、1207の間に設けられたねじ穴にねじ込まれる。
【0055】
2台の光源ユニット1は、上下2段に並んだ状態で、一対の連結部材4によって連結される(
図1参照)。
【0056】
(2.3)電源ユニット
電源ユニット2は、電源装置(不図示)と、電源装置を収容する電源ケース20と、を備える。
【0057】
電源装置は、商用の電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換するとともに、光源ユニット1の光源モジュール10に供給する直流電流を目標値(例えば、光源モジュール10の定格電流値)に一致させるように動作する。ただし、電源装置は、光源モジュール10に供給する直流電流の目標値を定格電流値よりも低い値に調整する機能(調光機能)を有しても構わない。
【0058】
電源ケース20は、一面(後面)が開口した箱状のケース本体21と、ケース本体21の開口面(後面)を塞ぐケース蓋22と、を有する。ケース本体21及びケース蓋22は、いずれもアルミ合金で形成されている。
【0059】
ケース本体21の左右両側面には、ケース側取付部23が1つずつ設けられている(
図2及び
図4参照)。各ケース側取付部23は、円柱状に形成されており、ケース本体21の左右両側面における上下方向のほぼ中央から左右方向に突出するようにケース本体21と一体に形成されている。
【0060】
各ケース側取付部23の底面の中心には、ねじ穴230が設けられている(
図2参照)。また、片方(左側)のケース側取付部23の底面において、ねじ穴230の周囲には、3つの突部231が設けられている。3つの突部231は、いずれも円柱状に形成されており、ねじ穴230を中心とする同心円上に等間隔に並ぶように配置されている。また、片方(左側)のケース側取付部23の底面において、2つの突部231の間には、めねじ部234が設けられている(
図2参照)。
【0061】
電源ケース20の底面からは、2本の給電線P2が導出されている(
図4参照)。1本の給電線P2は、下側の光源ユニット1と電気的に接続されて電源装置から出力する直流電流を下側の光源ユニット1に供給する。もう1本の給電線P2は、上側の光源ユニット1と電気的に接続されて電源装置から出力する直流電流を上側の光源ユニット1に供給する。
【0062】
ケース蓋22は、長方形の平板状に形成されている(
図4参照)。ケース蓋22は、ケース本体21の後端面と重ねてケース本体21の開口面に被せられ、複数のねじ221でケース本体21にねじ止めされる(
図4参照)。ケース本体21の開口面とケース蓋22の間の隙間は、シール部材でシールされる。
【0063】
電源ユニット2は、一対の固定台6によって2台の光源ユニット1に固定される(
図1~
図4参照)。各固定台6は、固定板60と、一対の側板61と、を有する。固定板60は、おおよそ四角形の平板状に形成されている(
図4参照)。固定板60には、複数(図示例では4つ)の通気穴600が設けられている(
図3参照)。固定板60は、その後端部を複数本(図示例では4本)のねじ601でケース本体21にねじ止めすることで電源ユニット2と機械的に接続される(
図4参照)。
【0064】
一対の側板61は、それぞれ固定板60の上端縁及び下端縁から左右方向に突出するように固定板60と一体に形成されている。各側板61は、その前端部を複数本(図示例では2本)のねじ602で放熱ブロック12のベース部材120にねじ止めすることで光源ユニット1と機械的に接続される(
図4参照)。このように、電源ユニット2は、一対の固定台6によって下側の光源ユニット1(の放熱ブロック12)に固定される。
【0065】
(2.4)表示部材
表示部材5は、金属板によって円板状に形成されている(
図2参照)。表示部材5の中央には、円筒状の凹所53が設けられている。凹所53は、表示部材5の表面(表示面50)から裏面に向かって凹んでいる。凹所53の底面における円の中心には、円形の挿通穴530が貫通している。また、凹所53の底面における挿通穴530の周囲には、3つの位置決め穴531が等間隔に並ぶように貫通している。さらに、凹所53の底面における2つの位置決め穴531の間には、円形の取付穴532が貫通している。
【0066】
表示部材5の表示面50には、複数の第1目盛り51と複数の第2目盛り52が印されている。複数の第1目盛り51及び複数の第2目盛り52は、表示面50の径方向に沿った線分で表され、例えば、表示面50に刻印されている。ただし、表示部材5は、複数の第1目盛り51及び複数の第2目盛り52を表示面50に印刷しても構わない。あるいは、表示部材5は、複数の第1目盛り51と複数の第2目盛り52が印刷されたシールを表示面50に貼付しても構わない。
【0067】
また、表示部材5の周縁部分には、ストッパ54が設けられている(
図2参照)。ストッパ54は、表示部材5の表示面50から裏面に向かって突出するように切り起こされている。
【0068】
(2.5)支持部材
支持部材3は、アームとも呼ばれ、固定部30と、固定部30の左右両端から斜め上向きに立ち上がる一対の腕部31と、一対の腕部31の先端(上端)に設けられた取付部32と、左側の腕部31に設けられた指示部33と、を有する(
図2参照)。支持部材3は、金属板を加工することによって、固定部30、一対の腕部31、一対の取付部32、及び指示部33を一体に形成している。
【0069】
固定部30は、第1挿通穴301、第2挿通穴302、複数の第3目盛り303、及び複数の第4目盛り304を有する(
図2参照)。第1挿通穴301は、固定部30のほぼ中心を、固定部30の厚さ方向(上下方向)に貫通する円形の穴である。第2挿通穴302は、第1挿通穴301を中心とし、固定部30の厚さ方向に貫通する半円弧状の長穴である。第2挿通穴302は、その両端を除く部分が第1挿通穴301の後方に位置している(
図2参照)。固定部30は、第1挿通穴301に挿通されるボルト及び第2挿通穴302に挿通されるボルトを用いて、被固定面である架台Z1(
図1参照)に固定される。また、固定部30は、各ボルトに締め付けるナットをそれぞれ緩めた状態で、第1挿通穴301に挿通されたボルトを支点(回転軸)として回転可能である。
【0070】
固定部30の表示面(
図2の上面)300には、複数の第3目盛り303及び複数の第4目盛り304が印されている。複数の第3目盛り303及び複数の第4目盛り304は、表示面300における回転軸(第1挿通穴301に挿通されたボルト)の径方向に沿った線分で表され、例えば、表示面300に刻印されている。ただし、固定部30は、複数の第3目盛り303及び複数の第4目盛り304を表示面300に印刷しても構わない。あるいは、固定部30は、複数の第3目盛り303及び複数の第4目盛り304が印刷されたシールを表示面300に貼付しても構わない。複数の第3目盛り303及び複数の第4目盛り304は、固定部30の回転方向(第1挿通穴301の周方向)に沿って表示面300に等間隔に印されている。
【0071】
一対の腕部31は、固定部30の左右両端から、前方かつ斜め上向きに立ち上がっている(
図3参照)。各腕部31の先端に取付部32が一体に設けられている。各取付部32は、半円形状であり、その中心に丸穴320が貫通している(
図2参照)。
【0072】
指示部33は、左右方向から見て略台形状に形成されており、左側の腕部31の先端(左側の取付部32の下方)における後端縁から後方に突出している(
図3参照)。指示部33の上端縁は、左方向からの平面視で表示部材5の表示面50と重なる(
図3参照)。つまり、指示部33は、支持部材3に対して光源ユニット1が回転した角度を、指示部33の上端縁と重なる表示部材5の目盛り(第1目盛り51及び第2目盛り52)によって指示できる。
図3の例では、指示部33は、表示部材5の目盛り(第1目盛り51及び第2目盛り52)と合わすべき上端縁を明示するため、その表面に目印330を印している。
【0073】
ところで、支持部材3は、表示部材5の回転をロックするためのロック機構34を有する。ロック機構34は、ハンドル340及び固定金具341を有する(
図4参照)。ハンドル340は、金属棒をL字状に折り曲げて形成されている。ハンドル340の先端部分に雄ねじ342が一体に形成されている(
図4参照)。
【0074】
固定金具341は、金属板によって角とい状に形成されている(
図4参照)。また、固定金具341は、底面における長手方向の一端に貫通穴を有し、長手方向の他端に回り止め用の突起3410を有する。
【0075】
ロック機構34は、固定金具341の内側にナットを収容し、指示部33に設けられた穴331に突起3410を挿入して引っ掛けた後、ハンドル340の雄ねじ342を、指示部33に設けられた穴を通して固定金具341の貫通穴に挿通する。そして、ロック機構34は、固定金具341の内側に突出する雄ねじ342にナットを締め付けて指示部33(支持部材3)に取り付けられる。なお、ナットは、固定金具341の内側面に当たることで回り止めされている。また、固定金具341と指示部33の間の隙間には、表示部材5が挿入される(
図4参照)。
【0076】
このように、ロック機構34は、ハンドル340が時計回り(右回り)に回転すると、ナット及び固定金具341を回り止めしているために固定金具341が指示部33に近付く向きに移動し、固定金具341と指示部33とで表示部材5を挟んで固定する。これにより、ロック機構34は、表示部材5の回転、すなわち、電源ケース20及び光源ユニット1の回転をロックできる。一方、ロック機構34は、ハンドル340が反時計回り(左回り)に回転すると、固定金具341が指示部33から離れる向きに移動するので、表示部材5(電源ケース20及び光源ユニット1)が回転可能となる。
【0077】
(2.6)照明器具の組立手順
次に、照明器具A1の組立手順を説明する。ただし、以下に説明する組立手順は一例であり、幾つかの手順の順番を入れ替えても構わない。
【0078】
まず、組立作業を行う作業者は、2台の光源ユニット1を上下方向に並べ、2つの連結部材4を用いて連結する。それから、作業者は、下側の光源ユニット1の背面に、一対の固定台6によって電源ユニット2を取り付ける。
【0079】
続いて、作業者は、凹所53の底面に貫通する3つの位置決め穴531に、片方(左側)のケース側取付部23に設けられた三つの突部231を1つずつ挿入して表示部材5をケース側取付部23に位置決めする。それから、作業者は、表示部材5の取付穴532に挿通したねじ55を、ケース側取付部23のめねじ部234にねじ込むことにより、表示部材5を電源ケース20のケース側取付部23に取り付ける。
【0080】
次に、作業者は、円筒形のスペーサ232(
図2参照)に挿通した取付ねじ233を、支持部材3の一対の取付部32の丸穴320に挿通し、電源ケース20のケース側取付部23に設けられているねじ穴230にねじ込む。このように、支持部材3は、取付ねじ233の頭部とケース側取付部23の底面の間にスペーサ232を挟み込むことで、電源ケース20及び一対の固定台6を介して、2台の光源ユニット1を回転可能に支持できる。
【0081】
以上の手順で照明器具A1の組立が完了する。
【0082】
(2.7)照明器具の施工
次に、照明器具A1の施工手順を説明する。ただし、以下に説明する施工手順は一例であり、幾つかの手順の順番を入れ替えても構わない。
【0083】
照明器具A1は、例えば、コンクリート製の支柱の先端部分に設置された架台Z1に取り付けられる。照明器具A1は、支持部材3の固定部30を架台Z1にねじ締結することで架台Z1に固定される(
図1参照)。ただし、
図1では、固定部30を架台Z1に固定するためのねじの図示を省略している。
【0084】
また、照明器具A1は、
図1に示すように、落下防止用のワイヤ70及び落下防止金具71を有する。落下防止金具71は、架台Z1にねじ締結される。ワイヤ70は、落下防止金具71のリングに挿通される。ワイヤ70の両端は、各固定板60の通気穴600に挿通された後、下側の電源ケース20の左右の側壁にそれぞれ設けられているワイヤ固定部218に固定される。各ワイヤ固定部218には、ワイヤ70の両端に形成されている2つのループが1つずつ固定される。例えば、支持部材3の固定部30が架台Z1から外れた場合、あるいは、支持部材3の取付部32が電源ケース20のケース側取付部23から外れた場合、ワイヤ70が電源ケース20を支持することで照明器具A1の落下が防止される。また、固定台6が光源ユニット1とともに電源ケース20から外れた場合、ワイヤ70が固定台6を支持することで光源ユニット1の落下が防止される。
【0085】
照明器具A1は、ロック機構34のロックを解除した状態において、取付ねじ233を支点(回転軸)として表示部材5(光源ユニット1及び電源ユニット2)を支持部材3に対して回転可能である。施工作業を行う作業者は、所望の角度の第1目盛り51又は第2目盛り52を指示部33の上端縁に重ねるように表示部材5を回転させる(
図3参照)。これにより、作業者は、照明器具A1の鉛直方向の角度、すなわち、照明器具A1から放射される照明光の鉛直方向における向きを調整できる。ただし、照明器具A1において、表示部材5(光源ユニット1及び電源ユニット2)を時計回りに回転させる場合、表示部材5に設けたストッパ54がロック機構34の固定金具341に当たることで表示部材5の回転角度が規制される。
【0086】
(2.8)実施形態の利点
実施形態に係る照明器具A1では、上述したように、放熱部材121がベース部材120から外れた際に、放熱部材121の引掛部195がベース部材120の凸部182に引っ掛かるので、放熱部材121の落下を抑制することが可能となる。また、実施形態に係る照明器具A1では、ベース部材120の凸部182に引っ掛かる引掛部195が放熱部材121に設けられているので、放熱部材121の落下を抑制するための別部品を設けなくてもよく、部品点数の増加を抑制することが可能となる。すなわち、実施形態に係る照明器具A1によれば、部品点数の増加を抑制しつつ放熱部材121の落下を抑制することが可能となる。
【0087】
また、実施形態に係る照明器具A1では、凸部182は、第2方向D2からの平面視において、T字状である。これにより、簡単な構成で放熱部材121の落下を抑制することが可能となる。
【0088】
また、実施形態に係る照明器具A1では、第3方向D3における突片1951の長さL3は、第3方向D3における第1部分1821と第2部分1822との間の段差1823の長さL4よりも長い。これにより、放熱部材121の落下を更に抑制することが可能となる。
【0089】
また、実施形態に係る照明器具A1では、ベース部材120は、基板101を含む光源モジュール10を支持している。これにより、光源モジュール10で発生する熱を、ベース部材120及び放熱部材121を介して放熱することが可能となる。
【0090】
また、実施形態に係る照明器具A1では、複数の引掛部195は、放熱部材121がベース部材120に取り付けられている状態で、第3方向D3における凸部182の両側に位置している。これにより、放熱部材121の落下を更に抑制することが可能となる。
【0091】
(3)実施形態の変形例
次に、実施形態に係る照明器具A1の変形例を説明する。ただし、以下に説明する変形例の照明器具A1の基本構成は、実施形態に係る照明器具A1の基本構成と共通である。したがって、実施形態に係る照明器具A1の基本構成と共通する構成及び実質的に共通する構成については、同一の符号を付して図示及び説明を適宜省略する。なお、以下の説明において「実質的に共通する構成」とは、形状・大きさ等は多少相違しているが機能は共通している構成を意味する。
【0092】
(3.1)変形例1
変形例1に係る照明器具A1について、
図10を参照して説明する。
【0093】
変形例1に係る照明器具A1は、凸部183が第2方向D2におけるベース部材120の全長にわたってT字状である点で、上述の実施形態に係る照明器具A1と相違する。
【0094】
ベース部材120は、複数の凸部183を有する。複数の凸部183は、第3方向D3に沿って間隔を空けて配置されている。各凸部183は、第2方向D2におけるベース部材120の全長にわたってT字状に形成されている。各凸部183は、
図10に示すように、第1部分1831と、第2部分1832と、を含む。第1部分1831は、第1方向D1よりも第3方向D3に長い矩形状である。また、第2部分1832は、第3方向D3よりも第1方向D1に長い矩形状である。第1部分1831は、第2部分1832の先端において第2部分1832とつながっている。第1部分1831は、第2部分1832の上端よりも上方に突出し、かつ第2部分1832の下端よりも下方に突出している。すなわち、凸部183は、第2方向D2からの平面視において、T字状である。
【0095】
変形例1に係る照明器具A1においても、上述の実施形態に係る照明器具A1と同様、部品点数の増加を抑制しつつ放熱部材121の落下を抑制することが可能となる。
【0096】
(3.2)変形例2
変形例2に係る照明器具A1について、
図11を参照して説明する。
【0097】
変形例2に係る照明器具A1は、第2方向D2からの平面視において、凸部184がL字状である点で、上述の実施形態に係る照明器具A1と相違する。
【0098】
ベース部材120は、複数の凸部184を有する。複数の凸部184は、第3方向D3に沿って間隔を空けて配置されている。各凸部184は、第2方向D2におけるベース部材120の全長にわたってL字状に形成されている。各凸部184は、
図11に示すように、第1部分1841と、第2部分1842と、を含む。第1部分1841は、第1方向D1よりも第3方向D3に長い矩形状である。また、第2部分1842は、第3方向D3よりも第1方向D1に長い矩形状である。第1部分1841は、第2部分1842の先端において第2部分1842とつながっている。第1部分1841は、第2部分1842の上端よりも上方に突出し、第2部分1842の下端と面一である。すなわち、凸部184は、第2方向D2からの平面視において、L字状である。
【0099】
変形例2に係る照明器具A1においても、上述の実施形態に係る照明器具A1と同様、部品点数の増加を抑制しつつ放熱部材121の落下を抑制することが可能となる。
【0100】
(3.3)変形例3
変形例3に係る照明器具A1について、
図12を参照して説明する。
【0101】
変形例3に係る照明器具A1は、光源ユニット1が1台である点で、上述の実施形態に係る照明器具A1と相違する。
【0102】
つまり、変形例3に係る照明器具A1は、上述の実施形態に係る照明器具A1から一対の連結部材4と、一対の連結部材4によって下側の光源ユニット1と連結される上側の光源ユニット1と、を取り除いた構成を有する(
図12参照)。
【0103】
変形例3に係る照明器具A1においても、上述の実施形態に係る照明器具A1と同様、部品点数の増加を抑制しつつ放熱部材121の落下を抑制することが可能となる。
【0104】
(3.4)その他の変形例
上述の実施形態、変形例1及び変形例2では、第3方向D3における凸部182,183,184の両側に複数(2つ)の引掛部195が設けられているが、放熱部材121がベース部材120から外れた際に、凸部182,183,184に引っ掛かるようになっていれば一方の引掛部195は省略されていてもよい。例えば、
図8及び
図10の例では、上側の引掛部195又は下側の引掛部195が省略されていてもよい。また、
図11の例では、下側の引掛部195が省略されていてもよい。これらの場合には、第3方向D3における各放熱部材121の一端側がベース部材120に近づくように各放熱部材121を傾けることで、各放熱部材121をベース部材120に取り付けることが可能となる。上述したように、引掛部195は、少なくとも第3方向D3における凸部182,183,184の片側に設けられていればよい。
【0105】
また、変形例2では、第1部分1841は、第2部分1842の上端よりも上方に突出し、かつ第2部分1842の下端と面一であるが、第1部分1841は、第2部分1842の下端よりも下方に突出し、かつ第2部分1842の上端と面一であってもよい。この場合、
図11における上側の引掛部195は省略されていてもよい。
【0106】
上述の実施形態では、第2方向D2におけるベース部材120の両端部に、多角形状(六角形状)に突出する先端部を有する第1凸部181が設けられているが、第2方向D2におけるベース部材120の全長にわたって第1凸部181が設けられていてもよい。すなわち、第1凸部181が、引掛部195が引っ掛かる凸部であってもよい。第1凸部181の先端部(第1部分)は、第2方向D2からの平面視において、多角形状である。また、第1部分の形状は、六角形状に限らず、例えば、三角形状、四角形状又は五角形状であってもよい。
【0107】
上述の実施形態、変形例1及び変形例2における凸部182~184及び引掛部195の形状は一例であって、放熱部材121がベース部材120から外れた際に引掛部が凸部に引っ掛かるようになっていれば他の形状であってもよい。
【0108】
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0109】
第1の態様に係る照明器具(A1)は、基板(101)と、ベース部材(120)と、放熱部材(121)と、を備える。基板(101)は、複数の発光素子(100)が実装されている。ベース部材(120)は、第1面(1201)及び第2面(1202)を有する板状である。第2面(1202)は、第1面(1201)とは反対側の面である。ベース部材(120)は、第1面(1201)に基板(101)が取り付けられる。放熱部材(121)は、ベース部材(120)の第2面(1202)に取り付けられる。ベース部材(120)は、凸部(182,183,184)を有する。凸部(182,183,184)は、第1方向(D1)に沿って第2面(1202)から突出する。第1方向(D1)は、ベース部材(120)の法線方向である。放熱部材(121)は、凸部(182,183,184)に引掛可能な引掛部(195)を有する。
【0110】
この態様によれば、放熱部材(121)の引掛部(195)がベース部材(120)の凸部(182,183,184)に引っ掛かることで、放熱部材(121)の落下を抑制することが可能となる。また、この態様によれば、放熱部材(121)の落下を抑制するための別部品を設けなくてもよく、部品点数の増加を抑制することが可能となる。すなわち、この態様によれば、部品点数の増加を抑制しつつ放熱部材(121)の落下を抑制することが可能となる。
【0111】
第2の態様に係る照明器具(A1)では、第1の態様において、凸部(182,183,184)は、第1部分(1821,1831,1841)と、第2部分(1822,1832,1842)と、を含む。第2部分(1822,1832,1842)は、第1部分(1821,1831,1841)とベース部材(120)の第2面(1202)との間をつなぐ。第2方向(D2)からの平面視において、第3方向(D3)における第2部分(1822,1832,1842)の長さ(L2)は、第3方向(D3)における第1部分(1821,1831,1841)の長さ(L1)よりも短くなっている。第2方向(D2)は、第1方向(D1)と直交する方向である。第3方向(D3)は、第1方向(D1)及び第2方向(D2)の両方と直交する方向である。引掛部(195)は、第1部分(1821,1831,1841)と第2部分(1822,1832,1842)との間の段差(1823,1833,1843)に引っ掛かる。
【0112】
この態様によれば、引掛部(195)が段差(1823,1833,1843)に引っ掛かることで、放熱部材(121)の落下を抑制することが可能となる。
【0113】
第3の態様に係る照明器具(A1)では、第2の態様において、凸部(182,183)は、第2方向(D2)からの平面視において、T字状である。
【0114】
この態様によれば、簡単な構成で放熱部材(121)の落下を抑制することが可能となる。
【0115】
第4の態様に係る照明器具(A1)では、第2の態様において、凸部(181)の第1部分は、第2方向(D2)からの平面視において、多角形状である。
【0116】
この態様によれば、簡単な構成で放熱部材(121)の落下を抑制することが可能となる。
【0117】
第5の態様に係る照明器具(A1)では、第2の態様において、凸部(184)は、第2方向(D2)からの平面視において、L字状である。
【0118】
この態様によれば、簡単な構成で放熱部材(121)の落下を抑制することが可能となる。
【0119】
第6の態様に係る照明器具(A1)では、第2~第5の態様のいずれか1つにおいて、引掛部(195)は、第3方向(D3)に沿って突出する突片(1951)を含む。第3方向(D3)における突片(1951)の長さ(L3)は、第3方向(D3)における段差(1823,1833,1843)の長さ(L4)よりも長い。
【0120】
この態様によれば、放熱部材(121)の落下を更に抑制することが可能となる。
【0121】
第7の態様に係る照明器具(A1)では、第2~第6の態様のいずれか1つにおいて、放熱部材(121)は、引掛部(195)を複数有する。複数の引掛部(195)は、放熱部材(121)がベース部材(120)に取り付けられている状態で、第3方向(D3)における凸部(182,183,184)の両側に位置している。
【0122】
この態様によれば、放熱部材(121)の落下を更に抑制することが可能となる。
【0123】
第8の態様に係る照明器具(A1)では、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、ベース部材(120)は、基板(101)を含む光源モジュール(10)を支持する。
【0124】
この態様によれば、光源モジュール(10)で発生する熱を、ベース部材(120)及び放熱部材(121)を介して放熱することが可能となる。
【0125】
第2~第8の態様に係る構成については、照明器具(A1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0126】
10 光源モジュール
100 発光素子
101 基板
120 ベース部材
121 放熱部材
181 第1凸部(凸部)
182 第2凸部(凸部)
183,184 凸部
195 引掛部
1201 第1面
1202 第2面
1821,1831,1841 第1部分
1822,1832,1842 第2部分
1823,1833,1843 段差
1951 突片
A1 照明器具
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
L1,L2,L3,L4 長さ