(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158493
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】電気自動車
(51)【国際特許分類】
B60L 3/00 20190101AFI20241031BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20241031BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20241031BHJP
B60L 58/10 20190101ALI20241031BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B60L3/00 S
B60L50/60
B60L53/14
B60L58/10
H02J7/00 P
H02J7/00 S
H02J7/00 302B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073731
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊地 拓也
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503BA02
5G503BB01
5G503CC02
5G503DA17
5G503FA06
5G503FA16
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC23
5H125BA00
5H125BC05
5H125CC01
5H125CC07
5H125CD04
5H125DD02
5H125DD10
5H125EE48
(57)【要約】
【課題】安全性を向上することが可能な電気自動車を提供する。
【解決手段】電力によって動作する架装物と、架装物を搭載する車体とを有する電気自動車であって、車体の稼働のための電動機に電力を供給するバッテリと、バッテリから架装物に電力を供給する第1電力供給ラインと、急速充電器からバッテリに電力を供給する第3電力供給ラインと、第1電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第1保護回路、第3電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第3保護回路と、キーオフ操作が行われた場合、かつ、第1保護回路および第3保護回路のそれぞれが溶着故障しているか否かを判定し、第1保護回路および第3保護回路の少なくとも一方が溶着故障であると判定した場合、溶着故障を示す情報を記憶し、次に車体が稼働された場合、溶着故障を示す情報を、CANバス上に送信する制御を実行する制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力によって動作する架装物と、前記架装物を搭載する車体とを有する電気自動車であって、
前記車体の稼働のための電動機に電力を供給するバッテリと、
前記バッテリから前記架装物に電力を供給する第1電力供給ラインと、
急速充電器から前記バッテリに電力を供給する第3電力供給ラインと、
前記第1電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第1保護回路、
前記第3電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第3保護回路と、
キーオフ操作が行われた場合、かつ、前記第1保護回路および前記第3保護回路のそれぞれが溶着故障しているか否かを判定し、前記第1保護回路および前記第3保護回路の少なくとも一方が溶着故障であると判定した場合、前記溶着故障を示す情報を記憶し、次に前記車体が稼働された場合、前記溶着故障を示す情報を、CANバス上に送信する制御を実行する制御部と、
を備える、
電気自動車。
【請求項2】
前記制御部は、前記溶着故障を示す情報を、通信ネットワークを介して車体外部に設けられた端末装置に送信する制御を実行する、
請求項1に記載の電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電気自動車は、バッテリと、バッテリの電力により駆動する走行用電動機とを搭載する車両である。
【0003】
また、近年、環境負荷低減の観点から、所定の作業を行う架装物が搭載された作業車両においても、架装物がバッテリの電力によって動作する電気自動車が知られている。
【0004】
バッテリは、車両の外部に設置された急速充電器によって高電圧で充電される場合がある。この場合、車両には急速充電器を接続するための充電用のコネクタと、充電用のコネクタからバッテリに電力を供給するための電力供給ラインとが設けられている。
【0005】
例えば、特許文献1には、充電器が接続される充電プラグ(コネクタ)と、充電プラグからバッテリに電力を供給する電力供給ラインと、電力供給ライン上に配置されたリレー回路と、バッテリの充電を制御する充電制御装置とを備えた制御装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、たとえば、急速充電用の電力供給ライン上に配置されるリレー回路が溶着故障している場合、充電プラグ(コネクタ)には高電圧が露出し、使用者がコネクタに触れて感電するリスクがあることから、安全性を向上する必要性がある。
【0008】
本開示の目的は、安全性を向上することが可能な電気自動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本開示における電気自動車は、
電力によって動作する架装物と、前記架装物を搭載する車体とを有する電気自動車であって、
前記車体の稼働のための電動機に電力を供給するバッテリと、
前記バッテリから前記架装物に電力を供給する第1電力供給ラインと、
急速充電器から前記バッテリに電力を供給する第3電力供給ラインと、
前記第1電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第1保護回路、
前記第3電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第3保護回路と、
キーオフ操作が行われた場合、かつ、前記第1保護回路および前記第3保護回路のそれぞれが溶着故障しているか否かを判定し、前記第1保護回路および前記第3保護回路の少なくとも一方が溶着故障であると判定した場合、前記溶着故障を示す情報を記憶し、次に前記車体が稼働された場合、前記溶着故障を示す情報を、CANバス上に送信する制御を実行する制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は本開示の実施の形態における電気自動車の電力システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は急速充電用リレー回路の一例を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は本開示の実施の形態における電気自動車の電力システムの一例を示す構成ブロック図である。
【
図4】
図4は本開示の実施の形態における電力システムの制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の実施の形態における電気自動車の電力システムの一例を示す図である。本実施の形態における電気自動車100(Electric Vehicle:EV)は、バッテリ111と、バッテリ111の電力により駆動する走行用の電動機112と、バッテリ111の電力により所定の作業を行う架装物150とを搭載する車体110を有する電動作業車両である。なお、本実施の形態における電気自動車100は、電動機112や、架装物150の他に、例えば、ヒータなどの負荷(不図示)を有しているが、実施の形態を簡単に説明するため、それらの負荷の説明を省略する。
【0013】
(バッテリ111)
バッテリ111は、外部電源により充電される二次電池である。バッテリ111は、一または複数のバッテリパックBPを有している。複数のバッテリパックBPのそれぞれは、同じ構成をしているため、複数のバッテリパックBPの中の1つのバッテリパックBPを代表して説明する。バッテリパックBPは、複数のセル111a、バッテリリレー(+)111b、バッテリリレー(-)111c、および、バッテリパック管理システム117P(PBMS)を有している。なお、バッテリリレー(+)111bおよびバッテリリレー(-)111cを「バッテリリレー回路116B」と総称する。バッテリリレー回路116Bを「第4保護回路」という場合がある。
【0014】
バッテリリレー(+)111bの一端子は、高電圧ライン111L(+)を介してセル111aのプラス端子に接続されている。バッテリリレー(+)111bの他端子は、高電圧ライン122L(+)に接続されている。バッテリリレー(-)111cの一端子は、高電圧ライン111L(-)を介してセル111aのマイナス端子に接続されている。バッテリリレー(-)111cの他端子は、高電圧ライン122L(-)に接続されている。
【0015】
セル111aは、温度センサ111eおよび電圧センサ111fを有している。温度センサ111eは、セル温度を検出する。温度センサ111eは、検出結果(セル温度)をバッテリパック管理システム117Pに出力する。電圧センサ111fは、セル電圧を検出する。電圧センサ111fは、検出結果(セル電圧)をバッテリパック管理システム117Pに出力する。電圧センサ111fを「第4検出部」という場合がある。
【0016】
バッテリパック管理システム117Pは、入力されたセル温度およびセル電圧のそれぞれに基づいて、高電圧ライン111L(+)と高電圧ライン122L(+)との間の接続/切断を行うようにバッテリリレー(+)111bを制御するとともに、高電圧ライン111L(-)と高電圧ライン122L(-)との間の接続/切断を行うようにバッテリリレー(-)111cを制御する。
【0017】
(ジャンクションボックスJB)
車体110は、ジャンクションボックスJBを有している。ジャンクションボックスJBは、バッテリパックBPと電動機112および急速充電器130Qとの間に配置されている。ジャンクションボックスJBは、急速充電用リレー回路116Q、電力取出用リレー回路116T、および、バッテリ管理システム117J(MBMS)を有している。なお、バッテリパック管理システム117Pおよびバッテリ管理システム117Jを「バッテリ管理部117」と総称する。電力取出用リレー回路116Tを「第1保護回路」という場合がある。
【0018】
急速充電用リレー回路116Qの一端子(+)は高電圧ライン122L(+)に接続されている。急速充電用リレー回路116Qの他端子(+)は、高電圧ライン121LQ(+)を介してコネクタ121CQに接続されている。急速充電用リレー回路116Qの一端子(-)は高電圧ライン122L(-)に接続されている。急速充電用リレー回路116Qの他端子(-)は高電圧ライン121LQ(-)を介してコネクタ121CQに接続されている。バッテリ管理システム117Jは、車両制御部118(Vehicle Control Unit:VCU)の指示に基づいて、高電圧ライン122L(+)と高電圧ライン121LQ(+)との間の接続/切断、並びに、高電圧ライン122L(-)と高電圧ライン121LQ(-)との間の接続/切断、を行うように急速充電用リレー回路116Qを制御する。以下の説明で、高電圧ライン121LQ(+)および高電圧ライン121LQ(-)を「電力供給ライン121LQ」と総称する。また、高電圧ライン122L(+)および高電圧ライン122L(-)を「電力供給ライン122L」と総称する。電力供給ライン121LQおよび電力供給ライン122Lを「第3電力供給ライン」という場合がある。
【0019】
(コネクタ121CQ)
(車体110)
車体110は、コネクタ121CQを有している。コネクタ121CQは、充電口またはポートとも呼ばれる。コネクタ121CQは、コネクタ131CQが電気的に接続可能な急速充電用のコネクタである。
【0020】
(急速充電器130Q)
急速充電器130Qは、車体110の外部に設けられている。急速充電器130Qは、その本体から延ばされた充電ケーブル131Qと、充電ケーブル131Qの先端に設けられたコネクタ131CQを有している。急速充電器130Qは、コネクタ131CQがコネクタ121CQに電気的に接続されることによって、バッテリ111を高電圧で充電することが可能となる。
【0021】
車体110は、スターターリレー(不図示)をオン/オフ操作するスイッチであるイグニッションスイッチ(不図示)を有している。例えば、スターターリレーをオン操作(キーオン操作)した場合、バッテリ111からバッテリリレー回路116Bのコイル(不図示)へ電力が送られる。これにより、バッテリリレー回路116Bがオンになるため、バッテリ111からバッテリリレー回路116Bを介して電動機112に電力が供給される(電動機の稼働)。スターターリレーをオフ操作(キーオフ操作)した場合、バッテリリレー回路116Bがオフになるため、バッテリ111から電動機112への電力が遮断される(電動機の停止)。
【0022】
(電力供給ライン121LQ、電力供給ライン122L、急速充電用リレー回路116Q)
図1に示すように、電力供給ライン121LQ,122L上には、急速充電用リレー回路116Qが設けられている。電力供給ライン121LQは、コネクタ121CQと急速充電用リレー回路116Qとを電気的に接続する。電力供給ライン121LQは、高電圧ライン121LQ(+)と高電圧ライン121LQ(-)とを有している。電力供給ライン122Lは、バッテリ111と急速充電用リレー回路116Qとを電気的に接続する。電力供給ライン122Lは、高電圧ライン122L(+)と高電圧ライン122L(-)とを有している。なお、急速充電用リレー回路116Qを「第3保護回路」という場合がある。
【0023】
図2は、急速充電用リレー回路の一例を示す図である。急速充電用リレー回路116Qは、リレー(+)とリレー(-)とを有している。リレー(+)は、コイル(不図示)、一端子(+)、他端子(+)、可動接点MC、一端子(+)側に設けられる一側の固定接点FC、および、他端子(+)側に設けられる他側の固定接点FCを有している。リレー(+)の一端子(+)には高電圧ライン121LQ(+)が接続されている。リレー(+)の他端子(+)には高電圧ライン122L(+)が接続されている。リレー(-)は、コイル(不図示)、一端子(-)、他端子(-)、可動接点MC、一端子(-)側に設けられる一側の固定接点FCおよび他端子(-)側に設けられる他側の固定接点FCを有している。リレー(-)の一端子(-)には高電圧ライン121LQ(-)が接続されている。リレー(-)の他端子(-)には高電圧ライン122L(-)が接続されている。
【0024】
リレー(+)およびリレー(-)のそれぞれにおいて、コイルに電流が流れると、電磁力によって可動接点MCが引き寄せられ、可動接点MCが一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCに電気的に接触する。コイルに電流が流れないと、可動接点MCが元の位置に戻って、一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCのそれぞれから離間する。リレー(+)の可動接点MCがリレー(+)の一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCから離間することにより、または、リレー(-)の可動接点MCがリレー(-)の一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCから離間することにより、電力供給ライン121LQ、122Lが電気的に切断される。これにより、急速充電器130Qからバッテリ111に供給される電力を遮断することが可能となる。
【0025】
急速充電用リレー回路116Qのリレー(+)またはリレー(-)のいずれかにおいて、可動接点MCが一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCのそれぞれに溶着して、離間することができない状態を「リレーの溶着故障」、「リレーの一重溶着故障」または単に「一重溶着故障」という。また、リレー(+)およびリレー(-)のそれぞれにおいて、可動点MCが一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCのそれぞれに溶着して、離間することができない状態を「リレーの二重溶着故障」または単に「二重溶着故障」という。また、一重溶着故障および二重溶着故障のいずれか一方又は両方を、「溶着故障」と総称する。
【0026】
(電力供給ライン122L、電力供給ライン123L、電力取出用リレー回路116T)
図1に示すように、電力供給ライン122L,123Lには、電力取出用リレー回路116Tが設けられている。電力供給ライン122Lは、バッテリ111と電力取出用リレー回路116Tとを電気的に接続する。電力供給ライン123Lは、電力取出用リレー回路116Tとコネクタ123Cとを電気的に接続する。電力供給ライン123Lは、高電圧ライン123L(+)と高電圧ライン123L(-)とを有している。電力供給ライン122Lおよび電力供給ライン123Lを「第1電力供給ライン」という場合がある。
【0027】
電力取出用リレー回路116Tは、リレー(+)とリレー(-)とを有している。なお、リレー(+)およびリレー(-)は、急速充電用リレー回路116Qにおけるリレー(+)およびリレー(-)と同じ構成をしているため、同じ構成に同じ符号を付してその説明を省略する。リレー(+)の一端子(+)には、高電圧ライン122L(+)が接続されている。リレー(+)の他端子(+)には、高電圧ライン123L(+)が接続されている。リレー(-)の一端子(-)には、高電圧ライン122L(-)が接続されている。リレー(-)の他端子(-)には、高電圧ライン123L(-)が接続されている。
【0028】
リレー(+)の可動接点MCがリレー(+)の一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCから離間することにより、または、リレー(-)の可動接点MCがリレー(-)の一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCから離間することにより、バッテリ111から架装物150(架装用リレー回路156)側へ供給される電力を遮断することが可能である。
【0029】
電力取出用リレー回路116Tのリレー(+)またはリレー(-)のいずれかにおいて、可動接点MCが一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCのそれぞれに溶着して、離間することができない状態を「リレーの溶着故障」、「リレーの一重溶着故障」または単に「一重溶着故障」という。また、リレー(+)およびリレー(-)のそれぞれにおいて、可動接点MCが一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCのそれぞれに溶着して、離間することができない状態を「リレーの二重溶着故障」または単に「二重溶着故障」という。また、一重溶着故障および二重溶着故障のいずれか一方又は両方を、「溶着故障」と総称する。
【0030】
(コネクタ123C)
コネクタ123Cは、架装物150に設けられたコネクタ153Cに電気的に接続する。
【0031】
(架装物150)
架装物150は、
図3に示すように、コネクタ153Cの他に、負荷(不図示)、電力供給ライン153L、通信部155、架装用リレー回路156、検出部157、および、制御部158を有している。架装用リレー回路156を「第2保護回路」という場合がある。
【0032】
(電力供給ライン153L、架装用リレー回路156)
高電圧ライン153Lは、コネクタ153Cと架装用リレー回路156とを電気的に接続する。電力供給ライン153Lは、高電圧ライン153L(+)および高電圧ライン153L(-)を有している。架装用リレー回路156は、リレー(+)とリレー(-)とを有している。なお、リレー(+)およびリレー(-)は、急速充電用リレー回路116Qにおけるリレー(+)およびリレー(-)と同じ構成をしているため、同じ構成に同じ符号を付してその説明を省略する。リレー(+)の一端子(+)には、高電圧ライン153L(+)が接続されている。リレー(-)の一端子(-)には、高電圧ライン153L(-)が接続されている。
【0033】
(架装物150の負荷)
負荷(不図示)は、例えば電動モータである。負荷は、架装用リレー回路156と電力供給ライン(不図示)を介して電気的に接続されている。つまり、負荷(電動モータ)は、バッテリ111から電力供給ライン122L、電力取出用リレー回路116T、電力供給ライン123L、電力供給ライン153L、架装用リレー回路156、および、電力供給ライン(不図示)介して受け取った電力により動作する。不図示の電力供給ラインは、高電圧ライン(+)および高電圧ライン(-)を有している。高電圧ライン(+)はリレー(+)の他端子(+)に接続されている。高電圧ライン(-)がリレー(-)の他端子(-)に接続されている。電力供給ライン153Lおよび不図示の電力供給ラインを「第2電力供給ライン」という場合がある。なお、制御部158が架装用リレー回路156をクローズ/オープン制御することにより、第2電力供給ラインは電気的に接続/切断される。
【0034】
架装用リレー回路156におけるリレー(+)およびリレー(-)は、急速充電用リレー回路116Qにおけるリレー(+)およびリレー(-)と同じ構成をしているため、同じ構成に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0035】
リレー(+)の可動接点MCがリレー(+)の一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCから離間することにより、または、リレー(-)の可動接点MCがリレー(-)の一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCから離間することにより、バッテリ111から電力供給ライン153Lおよび電力供給ライン(不図示)を介して負荷(不図示)に供給される電力を遮断することが可能である。架装用リレー回路156のリレー(+)またはリレー(-)のいずれかにおいて、可動接点MCが一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCのそれぞれに溶着して、離間することができない状態を「リレーの溶着故障」、「リレーの一重溶着故障」または単に「一重溶着故障」という。また、リレー(+)およびリレー(-)のそれぞれにおいて、動接点MCが一側の固定接点FCおよび他側の固定接点FCのそれぞれに溶着して、離間することができない状態を「リレーの二重溶着故障」または単に「二重溶着故障」という。また、一重溶着故障および二重溶着故障のいずれか一方又は両方を、「溶着故障」と総称する。
【0036】
(検出部157)
検出部157は、架装用リレー回路156のオープン、クローズ、オープン故障、および、溶着故障(クローズ故障)のそれぞれの状態を検出する。また、検出部157は、架装用リレー回路156の状態を検出できないことを示すエラー信号を出力する。検出部157を「第2検出部」という場合がある。また、オープン故障および溶着故障のそれぞれの検出信号、並びに、エラー信号を「架装物側からの異常時信号」または単に「異常時信号」という場合がある。
【0037】
(制御部158)
制御部158は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶装置(不図示)に記憶されたプログラムを実行することによって、架装物150を構成する複数のデバイスを一元的に制御する。また、制御部158は、異常時信号を取得し、取得した異常時信号を通信部115に送信するように、通信部155を制御する。
【0038】
(通信部155)
通信部155,115間の情報の授受は、任意の手段を介して行われる。例えば、通信部155と通信部115とは、無線でインターネット通信ができる機能を有する通信ネットワークNWで接続されている。これにより、通信部155は、異常時信号を架装物150側から車体110側に送信することが可能となる。
【0039】
(通信部115)
通信部115は、通信部155との間で情報の送受信を行う。通信部115を「受信部」という場合がある。通信部155を「送信部」という場合がある。
【0040】
(記憶部113)
記憶部113は、制御部119を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や制御装置20の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。
【0041】
(制御部119)
次に、制御部119について
図1および
図3を参照して説明する。
図3は、本開示の実施の形態における電気自動車の電力システムの一例を示す機能ブロック図である。
【0042】
制御部119は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部113に記憶されたプログラムを実行することによって各種の機能を有している。
【0043】
制御部119は、安全性の向上およびバッテリ111を保護する観点から、急速充電用リレー回路116Q、電力取出用リレー回路116T、および、架装用リレー回路156のそれぞれの状態に応じた制御を実行する。
【0044】
制御部119は、記憶部113に所定の情報を記憶する。また、制御部119は、表示部140に所定の情報を表示させる。なお、記憶部113に記憶される所定の情報としては、例えば、急速充電用リレー回路116Qおよび電力取出用リレー回路116Tのそれぞれの溶着故障(一重溶着故障、二重溶着故障)を示す情報である。
【0045】
制御部119は、例えば、複数のプロセッサやメモリ等の計算リソースによって実現される。この場合、制御部119を構成する各部品は、複数の異なるプロセッサの中の少なくともいずれかのプロセッサがプログラムを実行することによって実現される。なお、制御部119が単一の装置で構成されてもよい。この場合、例えば、制御部119は、
図3に示すバッテリ管理部117および車両制御部118の全部により構成されてもよい。また、制御部119は、複数の装置で構成されてもよい。この場合、例えば、制御部119は、バッテリ管理部117および車両制御部118のそれぞれで構成されてもよく、また、それぞれを組み合わせたものと、他の一つの装置で構成されてもよい。
【0046】
前述するように、バッテリパック管理システム117Pおよびバッテリ管理システム117Jを「バッテリ管理部117」と総称する。本実施の形態において、バッテリ管理部117および車両制御部118は、制御部119に含まれているものとする。なお、バッテリ管理部117は、車両制御部118と別の装置として車体110に設けられていてもよい。
【0047】
(バッテリ管理部117)
バッテリ管理部117は、バッテリ111の状態(例えば、セル温度、セル電圧)に基づいて、高電圧ライン111Lと電力供給ライン122L間の接続/切断を行うように、バッテリリレー116Bをクローズ/オープン制御する。
【0048】
また、バッテリ管理部117は、バッテリ111の状態(例えば、State Of Charge:SOC)に基づいて、電力供給ライン12lLQと電力供給ライン122Lの間の接続/切断を行うように、急速充電用リレー回路116Qをクローズ/オープン制御する。
【0049】
また、バッテリ管理部117は、急速充電用リレー回路116Qのオープン、クローズ、オープン故障、および、溶着故障(クローズ故障)のそれぞれの状態を検出する第3検出部(不図示)を有する。第3検出部は、検出結果として、急速充電用リレー回路116Qの状態を示すリレー状態信号を出力する。また、第3検出部は、急速充電用リレー回路116Qの状態を検出できないことを示すエラー信号を出力する。
【0050】
また、バッテリ管理部117は、第3検出部の検出結果に基づいて、急速充電用リレー回路116Qに溶着故障(一重溶着故障、二重溶着故障)が生じたか否かを判定する(溶着診断)。バッテリ管理部117は、所定のタイミングで溶着診断を行ってその情報(急速充電用リレー回路116Qに対する判定結果)を車両制御部118にCAN(Control Area Network)送信する。例えば、バッテリ管理部117は、キーオフ時に溶着診断を行ってその情報を例えば内部メモリに保存しておき、次回のキーオン時(起動時)に車両制御部118にCAN送信する。ここで、「情報をCAN送信」とは、情報をCANバス上に送信することをいう。
【0051】
また、バッテリ管理部117は、急速充電用リレー回路116Qが二重溶着故障である場合、バッテリリレー回路116Bをオープン制御する。
【0052】
また、バッテリ管理部117は、電力取出用リレー回路116T(第1保護回路)の状態がクローズ故障である場合、かつ、検出部157(第2検出部)の検出結果が架装用リレー回路156(第2保護回路)の状態がクローズ、クローズ故障およびオープン故障のいずれかであることを示す場合、バッテリ111から架装物150側に供給する電力を遮断するようにバッテリリレー回路116Bを制御する。
【0053】
また、バッテリ管理部117は、急速充電用リレー回路116Qが一重溶着故障である場合、上位である車両制御部118からクローズの要求があった場合でも、急速充電用リレー回路116Qをオープン制御する。
【0054】
また、バッテリ管理部117は、第3検出部から出力されたエラー信号に基づいて第3検出部が故障しているか否かを判定する。バッテリ管理部117は、第3検出部に対する判定結果を車両制御部118にCAN送信する。
【0055】
また、バッテリ管理部117は、車両制御部118から異常時信号(架装物からの異常時信号)を受信した場合、バッテリ管理部117としての保護動作、例えば、電力取出用リレー回路116Tをオープン制御する。
【0056】
また、バッテリ管理部117は、電力取出用リレー回路116Tのオープン、クローズ、オープン故障、および、溶着故障(クローズ故障)のそれぞれの状態を検出する第1検出部(不図示)を有する。第1検出部は、検出結果として、電力取出用リレー回路116Tの状態を示すリレー状態信号を出力する。また、第1検出部は、電力取出用リレー回路116Tの状態を検出できないことを示すエラー信号を出力する。
【0057】
また、バッテリ管理部117は、第1検出部の検出結果に基づいて、電力取出用リレー回路116Tに溶着故障(一重溶着故障、二重溶着故障)が生じたか否かを判定する(溶着診断)。バッテリ管理部117は、所定のタイミングで溶着診断を行ってその情報(電力取出用リレー回路116Tに対する判定結果)を車両制御部118にCAN送信する。例えば、バッテリ管理部117は、キーオフ時に溶着診断を行ってその情報を例えば内部メモリに保存しておき、次回のキーオン時 (起動時)に車両制御部118にCAN送信する。
【0058】
また、バッテリ管理部117は、第1検出部から出力されたエラー信号に基づいて、第1検出部が故障しているか否かを判定する。バッテリ管理部117は、第1検出部に対する判定結果を車両制御部118にCAN送信する。
【0059】
(車両制御部118)
車両制御部118(VCU)は、電気自動車100の状態を判断し、電気自動車100を最適な状態に維持する制御を実行する。具体的には、車両制御部118は、電気自動車100の異常を検知した場合、電気自動車100を停止するように電動機112を制御する。また、車両制御部118は、バッテリ111と電動機112との間の電圧を変化させることで、バッテリ111から電動機112への供給電力を制御する。また、車両制御部118は、バッテリ111とヒータ(不図示)との間の電圧を変化させることで、バッテリ111からヒータ(不図示)への供給電力を制御する。また、車両制御部118は、例えば、バッテリ111を充電するときの充電電力が充電可能電力を超過しないように急速充電器130Qを制御する。
【0060】
また、車両制御部118は、電力取出用リレー回路116T(第1保護回路)の状態がクローズ故障である場合、かつ、検出部157(第2検出部)の検出結果が初期値を示し、または、架装用リレー回路156(第2保護回路)の状態がオープンであることを示す場合、バッテリ111から架装物150側に電力を供給しない制御を実行する。具体的には、架装物150を使用禁止にする。また、架装物150に対して動作停止の指示をする。
【0061】
また、車両制御部118は、電力取出用リレー回路116T(第1保護回路)の状態を検出する第1検出部がエラー信号を出力している場合(故障している場合)、エラー信号が出力されたときの電力取出用リレー回路116Tの状態等に応じてエラー信号に対処する制御を実行する。または、急速充電用リレー回路116Q(第3保護回路)の状態を検出する第3検出部がエラー信号を出力している場合(故障している場合)、エラー信号が出力されたときの急速充電用リレー回路116Qの状態等に応じてエラー信号に対処する制御を実行する。
【0062】
次に、本実施の形態における制御部119の動作の一例について
図4を参照して説明する。
図4は、本実施の形態における制御部119の動作の一例を示すフローチャートである。本フローは、電気自動車100が起動された場合又はモードが変更された場合に開始される。なお、バッテリ管理部117は、上位である車両制御部118から受信した情報に基づいて、キーオフ操作がされか否かを判定する。また、バッテリ管理部117は、上位である車両制御部118から受信した情報に基づいて、車体が稼働(キーオン操作)されか否かを判定する。
【0063】
先ず、ステップS110において、バッテリ管理部117は、キーオフ操作がされたか否かを判定する。キーオフ操作がされた場合(ステップS110:YES)、処理は、ステップS120に遷移する。キーオフ操作がされない場合(ステップS110:NO)、処理は、ステップS110の前に戻る。
【0064】
次に、ステップS120において、バッテリ管理部117は、電力取出用リレー回路116Tの状態を検出した検出結果に基づいて、電力取出用リレー回路116Tが溶着故障している否かを判定する。電力取出用リレー回路116Tが溶着故障している場合(ステップS120:YES)、処理はステップS130に遷移する。電力取出用リレー回路116Tが溶着故障していない場合(ステップS120:NO)、処理はステップS140に遷移する。
【0065】
ステップS130において、バッテリ管理部117は、電力取出用リレー回路116Tの溶着故障を例えば内部メモリに記憶する。
【0066】
次に、ステップS140において、バッテリ管理部117は、急速充電用リレー回路116Qの状態を検出した検出結果に基づいて、急速充電用リレー回路116Qが溶着故障しているか否かを判定する。急速充電用リレー回路116Qが溶着故障している場合(ステップS140:YES)、処理は、ステップS150に遷移する。急速充電用リレー回路116Qが溶着故障していない場合(ステップS140:NO)、処理は、ステップS160に遷移する。
【0067】
ステップS150において、バッテリ管理部117は、急速充電用リレー回路116Qの溶着故障を例えば内部メモリに記憶する。
【0068】
次に、ステップS160において、バッテリ管理部117は、車体110が稼働(キーオン操作)されたか否かについて判定する。車体110が稼働された場合(ステップS160:YES)、処理は、ステップS170に遷移する。車体110が稼働されない場合(ステップS160:NO)、処理は、ステップS160の前に戻る。
【0069】
ステップS170において、バッテリ管理部117は、内部メモリに溶着故障情報が記憶されたか否かを判定する。溶着故障情報が記憶された場合(ステップS170:YES)、処理は、ステップS180に遷移する。溶着故障情報が記憶されなかった場合(ステップS170:NO)、その後、本フローは終了する。
【0070】
ステップS180において、制御部119は、溶着故障情報をCAN送信する制御を実行する。その後、本フローは終了する。
【0071】
また、上記実施の形態における電気自動車100は、電力によって動作する架装物150と、架装物150を搭載する車体110とを有する電気自動車であって、車体110の稼働のための電動機112に電力を供給するバッテリ111と、バッテリ111から架装物150に電力を供給する電力供給ライン122L,123Lと、急速充電器130Qからバッテリ111に電力を供給する電力供給ライン121LQ,122Lと、電力供給ライン122L,123L上に設けられ、電力を遮断することが可能な電力取出用リレー回路116Tと、電力供給ライン121LQ,122L上に設けられ、電力を遮断することが可能な急速充電用リレー回路116Qと、電力取出用リレー回路116Tおよび急速充電用リレー回路116Qのそれぞれが溶着故障しているか否かを判定し、判定した判定結果を、車体110が次に稼働された場合にCANバス上に送信する制御を実行する制御部119と、を備える。これにより、架装物150および急速充電器130Qの動作の可否を判断することが可能となる。その結果、使用者が感電するリスクを解消できるため、安全性を向上することが可能となる。
【0072】
なお、上記実施の形態における電気自動車では、車両制御部118は、電力取出用リレー回路116Tの溶着故障を示す情報や、急速充電用リレー回路116Qのそやの溶着故障を示す情報を、通信ネットワークを介して車体外部に設けられた端末装置(例えば、使用者のタブレット端末や、スマートフォンなどの端末装置)に送信する制御を実行してもよい。これにより、使用者の保護することができるため、安全性をさらに、向上することが可能となる。
【0073】
また、上記実施の形態における電気自動車では、例えば、電力取出用リレー回路116T、急速充電用リレー回路116Qおよび架装用リレー回路156のそれぞれの状態を判定した判定結果を、表示や音声やでユーザ等に報知してもよい。
【0074】
また、本実施の形態において、バッテリ111は商用交流電源(不図示)で充電されてもよい。この場合、車体110内部に設けられた充電器(不図示)とバッテリ111とが電気的に接続されている。商用交流電源から延ばされた充電ケーブルが充電器に電気的に接続されることで、充電可能となる。
【0075】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本開示は、安全性を向上することが要求される電力供給装置を備えた電気自動車に好適に利用される。
【符号の説明】
【0077】
100 電気自動車
110 車体
111 バッテリ
112 電動機
115 通信部
116Q 急速充電用リレー回路
116T 電力取出用リレー回路
117 バッテリ管理部
118 車両制御部
119 制御部
121LQ 電力供給ライン
121C コネクタ
121CQ コネクタ
122L 電力供給ライン
122LQ 電力供給ライン
123L 電力供給ライン
123C コネクタ
130Q 急速充電器
131Q 充電ケーブル
131C コネクタ
131CQ コネクタ
150 架装物
153C コネクタ
153L 電力供給ライン
155 通信部
156 架装用リレー回路
157 検出部
158 制御部
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力によって動作する架装物と、前記架装物を搭載する車体とを有する電気自動車であって、
前記車体の稼働のための電動機に電力を供給するバッテリと、
前記車体側に配置され、前記バッテリから前記架装物に電力を供給するための第1電力供給ラインと、
前記架装物側に配置され、前記バッテリから前記架装物に電力を供給するための第2電力供給ラインと、
前記第1電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第1保護回路と、
前記第2電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第2保護回路と、
前記バッテリと前記第1電力供給ラインとの間に配置され、前記バッテリから前記架装物に供給される電力を遮断することが可能なバッテリリレーと、
前記第1保護回路が溶着故障である場合、かつ、第2保護回路の状態が溶着故障である場合、前記バッテリから前記架装物に供給する電力を遮断するようにバッテリリレー回路を制御する制御部と、
を備える、
電気自動車。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記の目的を達成するため、本開示における電気自動車は、
電力によって動作する架装物と、前記架装物を搭載する車体とを有する電気自動車であって、
前記車体の稼働のための電動機に電力を供給するバッテリと、
前記車体側に配置され、前記バッテリから前記架装物に電力を供給するための第1電力供給ラインと、
前記架装物側に配置され、前記バッテリから前記架装物に電力を供給するための第2電力供給ラインと、
前記第1電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第1保護回路と、
前記第2電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第2保護回路と、
前記バッテリと前記第1電力供給ラインとの間に配置され、前記バッテリから前記架装物に供給される電力を遮断することが可能なバッテリリレーと、
前記第1保護回路が溶着故障である場合、かつ、第2保護回路の状態が溶着故障である場合、前記バッテリから前記架装物に供給する電力を遮断するようにバッテリリレー回路を制御する制御部と、
を備える。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力によって動作する架装物と、前記架装物を搭載する車体とを有する電気自動車であって、
前記車体の稼働のための電動機に電力を供給するバッテリと、
前記車体側に配置され、前記バッテリから前記架装物に電力を供給するための第1電力供給ラインと、
前記架装物側に配置され、前記バッテリから前記架装物に電力を供給するための第2電力供給ラインと、
急速充電器から前記バッテリに電力を供給する第3電力供給ラインと、
前記第1電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第1保護回路と、
前記第2電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第2保護回路と、
前記第3電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第3保護回路と、
前記バッテリと前記第1電力供給ラインとの間に配置され、前記バッテリから前記架装物に供給される電力を遮断することが可能なバッテリリレー回路と、
前記第1保護回路が溶着故障である場合、かつ、第2保護回路の状態が溶着故障である場合、前記バッテリから前記架装物に供給する電力を遮断するようにバッテリリレー回路を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、キーオフ操作が行われた場合、かつ、前記第1保護回路および前記第3保護回路のそれぞれが溶着故障しているか否かを判定し、前記第1保護回路および前記第3保護回路の少なくとも一方が溶着故障であると判定した場合、前記溶着故障を示す情報を記憶し、次に前記車体が稼働された場合、前記溶着故障を示す情報を、CANバス上に送信する制御を実行する、
電気自動車。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記の目的を達成するため、本開示における電気自動車は、
電力によって動作する架装物と、前記架装物を搭載する車体とを有する電気自動車であって、
前記車体の稼働のための電動機に電力を供給するバッテリと、
前記車体側に配置され、前記バッテリから前記架装物に電力を供給するための第1電力供給ラインと、
前記架装物側に配置され、前記バッテリから前記架装物に電力を供給するための第2電力供給ラインと、
急速充電器から前記バッテリに電力を供給する第3電力供給ラインと、
前記第1電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第1保護回路と、
前記第2電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第2保護回路と、
前記第3電力供給ライン上に設けられ、電力を遮断することが可能な第3保護回路と、
前記バッテリと前記第1電力供給ラインとの間に配置され、前記バッテリから前記架装物に供給される電力を遮断することが可能なバッテリリレー回路と、
前記第1保護回路が溶着故障である場合、かつ、第2保護回路の状態が溶着故障である場合、前記バッテリから前記架装物に供給する電力を遮断するようにバッテリリレー回路を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、キーオフ操作が行われた場合、かつ、前記第1保護回路および前記第3保護回路のそれぞれが溶着故障しているか否かを判定し、前記第1保護回路および前記第3保護回路の少なくとも一方が溶着故障であると判定した場合、前記溶着故障を示す情報を記憶し、次に前記車体が稼働された場合、前記溶着故障を示す情報を、CANバス上に送信する制御を実行する。