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特開2024-15851情報処理システム、情報処理装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015851
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/795 20140101AFI20240130BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240130BHJP
   A63F 13/847 20140101ALI20240130BHJP
【FI】
A63F13/795
A63F13/69
A63F13/847
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118187
(22)【出願日】2022-07-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1):App Store 掲載年月日:令和3年9月14日、令和3年9月15日、令和3年9月30日、令和3年10月20日、令和3年11月24日、令和3年12月9日、令和3年12月24日、令和4年1月17日、令和4年2月1日、令和4年2月24日、令和4年3月17日、令和4年3月30日、令和4年4月11日、令和4年4月15日、令和4年5月19日、令和4年6月3日、令和4年6月29日、令和4年7月1日、令和4年7月21日 掲載アドレス:https://apps.apple.com/jp/app/id901649419 (2):Google Playストア 掲載年月日:令和3年9月14日、令和3年9月15日、令和3年9月30日、令和3年10月20日、令和3年11月5日、令和3年12月9日、令和3年12月24日、令和4年1月17日、令和4年2月1日、令和4年2月24日、令和4年3月17日、令和4年3月30日、令和4年4月11日、令和4年4月28日、令和4年5月19日、令和4年6月3日、令和4年6月29日、令和4年7月1日、令和4年7月21日 掲載アドレス:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.bij.snoopyDrops
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】土井 菜津美
(72)【発明者】
【氏名】苔縄 伸介
(57)【要約】
【課題】協力プレイの雰囲気を出しつつ気楽にプレイさせることのできる技術を提供すること。
【解決手段】本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムにおける構成ステップでは、メインユーザとメインユーザに対してマッチングされた1以上のサブユーザとを含むグループを構成する。グループは第1グループと第2グループを含み、第1グループはメインユーザである第1ユーザと、サブユーザである第2ユーザを含み、第2グループはメインユーザである第2ユーザを含む一方でサブユーザに第1ユーザが含まれておらず、決定ステップでは、グループに含まれる各ユーザが個別に実行したゲームの結果に基づいてグループに関連付けられるグループポイントを決定し、第1ユーザのゲームの結果に基づいて、第1グループに関連付けられる第1グループポイントを決定し、第2ユーザのゲームの結果に基づいて、第1グループポイントと第2グループに関連付けられる第2グループポイントとを決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
構成ステップでは、メインユーザと前記メインユーザに対してマッチングされた1以上のサブユーザとを含むグループを構成し、ここで、前記グループは第1グループと第2グループを含み、前記第1グループは前記メインユーザである第1ユーザと、前記サブユーザである第2ユーザを含み、前記第2グループは前記メインユーザである前記第2ユーザを含む一方で前記サブユーザに前記第1ユーザが含まれておらず、
決定ステップでは、前記グループに含まれる各ユーザが個別に実行したゲームの結果に基づいて前記グループに関連付けられるグループポイントを決定し、前記第1ユーザの前記ゲームの結果に基づいて、前記第1グループに関連付けられる第1グループポイントを決定し、前記第2ユーザの前記ゲームの結果に基づいて、前記第1グループポイントと前記第2グループに関連付けられる第2グループポイントとを決定する、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
第1付与ステップでは、前記グループポイントに応じた報酬を当該グループポイントに関連付けられたグループに含まれる前記メインユーザに付与する一方、前記サブユーザに付与しない、もの。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
第2付与ステップでは、前記グループポイントに応じた報酬を当該グループポイントに関連付けられたグループに含まれる前記メインユーザに付与し、前記サブユーザには、前記サブユーザによる前記ゲームの結果に基づく前記グループポイントに対する貢献度に応じた報酬を付与する、もの。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記決定ステップでは、第1期間と、前記第1期間の後の第2期間における前記ゲームの結果に基づいて前記グループポイントを決定し、前記第1期間における前記ゲームの結果に基づく前記グループポイントを優遇するように前記グループポイントを決定する、もの。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記構成ステップでは、前記メインユーザが前記ゲームを開始したことに基づいて前記サブユーザをマッチングすることによって前記グループを構成し、前記メインユーザが前記ゲームを開始したタイミングに基づいて前記サブユーザをマッチングするルールを決定する、もの。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記構成ステップでは、前記メインユーザが前記ゲームを開始したタイミングにおける前記ゲームの開催期間の残り期間が短いほど前記ゲームの結果が良好なユーザを前記サブユーザに決定する、もの。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
前記決定ステップでは、前記メインユーザが前記ゲームを開始したタイミングより前における前記サブユーザによる前記ゲームの結果と、前記メインユーザが前記ゲームを開始したタイミングより後における前記サブユーザによる前記ゲームの結果と、に基づいて、前記グループポイントを決定する、もの。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
変更ステップでは、前記ゲームが開催される期間の途中において、前記グループポイントに基づいて前記グループに含まれる前記サブユーザを変更する、もの。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理システムにおいて、
前記変更ステップでは、前記グループポイントに対する前記メインユーザの貢献度が高いほど、より前記ゲームの結果が良好なユーザを前記サブユーザに決定する、もの。
【請求項10】
情報処理装置であって、
請求項1~請求項9の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行するように構成される、もの。
【請求項11】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項9の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のユーザでグループを構成する一方、グループに属する他のユーザがゲームを行っていなくとも、自分が操作を行いさえすればゲームを進行することができる非同期型イベントが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-023637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、協力プレイの雰囲気を楽しみたいユーザも多い。
【0005】
本開示では上記事情に鑑み、協力プレイの雰囲気を出しつつ気楽にプレイさせることのできる技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムにおける構成ステップでは、メインユーザとメインユーザに対してマッチングされた1以上のサブユーザとを含むグループを構成する。グループは第1グループと第2グループを含み、第1グループはメインユーザである第1ユーザと、サブユーザである第2ユーザを含み、第2グループはメインユーザである第2ユーザを含む一方でサブユーザに第1ユーザが含まれておらず、決定ステップでは、グループに含まれる各ユーザが個別に実行したゲームの結果に基づいてグループに関連付けられるグループポイントを決定し、第1ユーザのゲームの結果に基づいて、第1グループに関連付けられる第1グループポイントを決定し、第2ユーザのゲームの結果に基づいて、第1グループポイントと第2グループに関連付けられる第2グループポイントとを決定する。
【0007】
本開示によれば、協力プレイの雰囲気を出しつつ気楽にプレイさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】イベント関連処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
図4】表示されたグループ情報の一例を示す図である。
図5】表示されたグループ情報の別の一例を示す図である。
図6】ユーザAとマッチングされるユーザの一例を示す図である。
図7】マッチング候補のユーザに関する情報の一例を示す図である。
図8】ユーザBとマッチングされるユーザの一例を示す図である。
図9】マッチング候補のユーザに関する情報の一例を示す図である。
図10】イベント終了時のグループポイントの一例を示す図である。
図11】ユーザへの報酬の通知の一例を示す図である。
図12】ユーザへの報酬の通知の別の一例を示す図である。
図13】サブユーザの貢献度の一例を示す図である。
図14】情報処理装置2の機能構成の別の一例を示すブロック図である。
図15】サブユーザテーブルの一例を示す図である。
図16】グループの変更の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。
【0014】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを、ノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと対戦させたりする。また、キャラクタは、オブジェクトの一例である。
【0015】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0016】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば後述の情報処理装置2やゲーム装置3単体であっても情報処理システム1の一例となりうる。
【0017】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0018】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0019】
2.1 ハードウェア構成
以下、図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0020】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0021】
通信部21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0022】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データなどが記憶されている。
【0023】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リストなどを記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータに関する情報などが、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータ、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さなどを含む。
【0024】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0025】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理などが挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0026】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0027】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0028】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などが挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0029】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報などが格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0030】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0031】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作などに応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0032】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
【0033】
2.2 機能構成
続いて、図2を参照して、情報処理システム1の情報処理装置2における各機能構成について説明する。
【0034】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示されるように、制御部23は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、表示制御部231と、受付部232と、ゲーム制御部233と、グループ構成部234と、ポイント決定部235と、報酬付与部236として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0035】
表示制御部231は、記憶部22または記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面等を、視認可能な態様でゲーム装置3のディスプレイ4aに表示させる。具体的には、表示制御部231は、画面、画像(例えば、静止画または動画)、アイコン、テキスト等といった、ヒトが視認可能な態様で生成された視覚情報そのものを生成してもよいし、例えばディスプレイ4aに視覚情報を表示させるためのレンダリング情報を生成し、これを送信するようにしてもよい。
【0036】
受付部232は、受付ステップとして、種々のデータを受け付ける。例えば、受付部232は、ユーザのアカウント情報、ゲームデータ、ユーザからの入力等を、情報処理装置2の記憶部22またはゲーム装置3から受け付ける。本実施形態では、受付部232が受け付けた種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとして説明する。ゲーム制御部233は、ゲームの進行を制御する。ゲーム制御部233は、本実施形態では、クリアすることでプレイ内容に応じた得点が獲得可能なクエストを繰り返しプレイするゲームの進行を制御する。
【0037】
ゲーム制御部233が制御するゲームにおいては、イベントが開催されることがある。イベントでは、開催期間と所定の目標とが設定され、イベントの参加者には、例えば、開催期間の終了時における目標の達成度に応じた報酬が提供される。本実施形態では、イベントにおける達成度が、複数のユーザが属するグループごとに評価される。グループ構成部234は、そのような複数のユーザが属するグループを構成する構成部として機能する。グループ構成部234は、メインユーザと、メインユーザに対してマッチングされた1以上のサブユーザとを含むグループを構成する。
【0038】
ポイント決定部235は、グループに関連付けられるグループポイントを決定する決定部として機能する。グループポイントは、本実施形態では、イベントにおいて設定された目標の達成度を表す指標である。ポイント決定部235は、グループに含まれる各ユーザが個別に実行したゲームの結果に基づいてグループポイントを決定する。報酬付与部236は、グループポイントに応じた報酬をそのグループに属するユーザに付与する。
【0039】
3.情報処理システム1の動作の流れ
3.1 情報処理の概要
本節では、前述した情報処理システム1により実行される情報処理の流れについて説明する。以下では、前述したイベントが開催される際に実行されるイベント関連処理について説明する。
【0040】
図3は、イベント関連処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。図3では、情報処理装置2およびゲーム装置3が実行する情報処理が示されている。まず、情報処理装置2が、A10において、ゲーム制御部233により、イベント期間を開始する開始処理を実行する。ゲーム制御部233は、例えば、イベント期間中であることを示すフラグを、イベントの開始日時に対応付けて記憶手段に記憶させる処理を開始処理として実行する。
【0041】
ここで、ゲーム装置3のユーザ、すなわち、ゲームのプレイヤが、イベントの開始後に初めてゲームを開始する操作を行ったとする。ユーザは、ゲームのプレイヤとして情報処理装置2に登録されており、ゲーム装置3は、登録されたユーザIDおよびパスワード等のログイン情報を記憶しているものとする。ゲーム装置3は、A11において、ゲーム開始操作を受け付け、記憶しているログイン情報を情報処理装置2に送信する。
【0042】
情報処理装置2は、A12において、ゲーム制御部233により、送信されてきたログイン情報によりユーザを認証すると、認証したユーザがイベントを既に開始している状態、すなわち、イベントに既に参加している参加状態か否かを判断する。ここでは、ユーザがイベントの開始後に初めてゲームを開始しているので、ゲーム制御部233は、認証したユーザがイベントをまだ参加状態ではないと判断し、そのユーザのイベント開始を受け付ける。ゲーム制御部233は、例えば、ユーザが参加状態であることを示すイベント参加フラグおよび参加の開始日時を認証情報に対応付けて記憶させることでイベント開始を受け付ける。
【0043】
情報処理装置2は、ユーザのイベント開始を受け付けると、グループ構成部234により、そのユーザをメインユーザとするグループを構成する処理を実行する。まず、グループ構成部234は、A13において、イベントの開始日時からユーザのイベントへの参加の開始日時までに経過した経過期間を算出する。続いて、グループ構成部234は、A14において、算出した経過期間に応じたルールで、メインユーザと、そのメインユーザと同じグループに属するサブユーザとのマッチング処理を実行する。経過期間に応じたルールについては後ほど詳しく説明する。
【0044】
グループ構成部234は、A15において、マッチング処理によりマッチングされたメインユーザおよびサブユーザが属するグループを構成する。グループ構成部234は、構成したグループに属する各ユーザを示すグループ情報をゲーム装置3に送信する。ゲーム装置3は、送信されてきたグループ情報を表示する。ユーザは、表示されたグループ情報を見ることで自分が属するグループの他のメンバーを把握することができる。
【0045】
図4は、表示されたグループ情報の一例を示す図である。図4の例では、ユーザAのゲーム装置3が、ゲーム画面G1に、ユーザAをメインユーザとするグループAのメンバーを示すグループ画像C10と、「あなたが所属する「グループA」が決まりました。」および「グループポイントを稼いで報酬を獲得しよう!」という文字列と、イベント開始ボタンB1とを表示している。グループ画像C10には、メインユーザであるユーザAを示すメインユーザ画像C11と、サブユーザであるユーザB、C、Xを示すサブユーザ画面C12とが含まれている。
【0046】
図5は、表示されたグループ情報の別の一例を示す図である。図5の例では、ユーザBのゲーム装置3が、ゲーム画面G2に、ユーザBをメインユーザとするグループBのメンバーを示すグループ画像C20と、「あなたが所属する「グループB」が決まりました。」および「グループポイントを稼いで報酬を獲得しよう!」という文字列と、イベント開始ボタンB1とを表示している。グループ画像C20には、メインユーザであるユーザBを示すメインユーザ画像C21と、サブユーザであるユーザD、X、Yを示すサブユーザ画面C22とが含まれている。
【0047】
上記のとおり、図4図5の例では、ユーザBは、グループAにはサブユーザとして所属し、グループBにはメインユーザとして所属している。ユーザA、Bは、自分のゲーム装置3に表示されたゲーム画面G1、G2をそれぞれ見ることで、自分がメインユーザとして所属するグループのメンバーと、報酬を獲得可能なイベントが開始することを認識することができる。
【0048】
イベント開始ボタンB1を押す操作を行われると、イベントに参加した状態でゲームをプレイする画面に切り替わる。本実施形態では、ユーザは、イベントの参加状態でも、通常時と同様にクエストをクリアするゲームを繰り返しプレイするものとする。
【0049】
ゲーム装置3は、A21において、ゲームのプレイ操作を受け付け、操作内容を示す操作データを情報処理装置2に送信する。情報処理装置2は、A22において、ゲーム制御部233により、送信されてきた操作データが示す操作内容に応じてゲーム処理を実行する。A21およびA22が繰り返し実行されることで、ゲームが進行する。
【0050】
次に、情報処理装置2は、A23において、ゲーム制御部233により、ゲーム結果を蓄積する。ゲーム制御部233は、本実施形態では、クエストがクリアされた場合に、そのクエストのクリア時の得点をゲーム結果としてユーザに対応付けて蓄積する。ゲーム制御部233は、メインユーザだけでなく、サブユーザがイベントに参加してゲームをプレイした場合にもそのサブユーザのゲーム結果を蓄積していく。
【0051】
情報処理装置2は、A24において、ポイント決定部235により、そのようにして蓄積されたグループに属するユーザ、すなわち、メインユーザおよびサブユーザのゲーム結果に基づいて、そのグループのグループポイントを決定する。ポイント決定部235は、決定したグループポイントを、グループ、メインユーザおよびサブユーザに対応付けて記憶する。ポイント決定部235は、例えば、メインユーザがグループポイントを表示させる操作を行った場合に、そのメインユーザに対応付けて記憶しているグループポイントを表示させ、いつでもグループポイントを確認できるようにする。
【0052】
続いて、ゲーム装置3が、A31において、イベントに参加状態となっているユーザによるゲーム開始操作を受け付けたとする。ゲーム装置3は、A11と同様に、ゲーム開始操作を受け付け、記憶しているログイン情報を情報処理装置2に送信する。情報処理装置2は、A32において、ゲーム制御部233により、イベントが継続されているか否かを判断する。ゲーム制御部233は、イベントが継続されていると判断した場合、ユーザによるイベントの再開を受け付ける。ゲーム制御部233は、例えば、イベントの再開日時を、上述したイベント参加フラグおよび認証情報に対応付けて記憶させることでイベント再開を受け付ける。
【0053】
続いて、A41およびA42において、上述したA21およびA22と同様に、ゲーム装置3によるゲームのプレイ操作の受け付けとゲーム制御部233によるゲーム処理とが実行され、ゲームが進行される。そして、A43において、ゲーム制御部233は、A23と同様に、ゲーム結果を蓄積し、A44において、ポイント決定部235は、A24と同様に、グループポイントを決定する。イベントが継続している期間は、A31からA44までの処理が繰り返し実行され、ユーザのプレイ結果に応じてグループポイントが加算されていく。
【0054】
イベント期間が経過すると、A32において、ゲーム制御部233が、イベントが終了したと判断する。その場合、情報処理装置2は、A51において、報酬付与部236により、グループについて決定されたグループポイントに応じて、そのグループに属するメインユーザの報酬を決定する。報酬付与部236は、決定した報酬の内容を通知する通知データをゲーム装置3に送信する。ゲーム装置3は、A52において、送信されてきた通知データが示す報酬内容を表示する。また、報酬付与部236は、A53において、決定した報酬をメインユーザに付与する。報酬付与部236は、例えば、ゲームで利用可能な報酬(ゲーム内の通貨等)をメインユーザが利用するキャラクタに付与する処理を実行することで、メインユーザに報酬を付与する。
【0055】
以上をまとめると、情報処理システム1は、次の各構成要素を備える。グループ構成部234は、メインユーザとメインユーザに対してマッチングされた1以上のサブユーザとを含むグループを構成する。グループ構成部234が構成するグループには、第1グループ(本実施形態では図4に示すグループA)と第2グループ(本実施形態では図5に示すグループB)とが含まれる。第1グループは、メインユーザである第1ユーザ(本実施形態では図4に示すユーザA)と、サブユーザである第2ユーザ(本実施形態では図5に示すユーザB)を含む。第2グループ(グループB)は、メインユーザである第2ユーザ(ユーザB)を含む一方でサブユーザに第1ユーザ(ユーザA)が含まれていない。
【0056】
ポイント決定部235は、グループに含まれる各ユーザが個別に実行したゲームの結果に基づいてグループに関連付けられるグループポイントを決定する。ポイント決定部235は、例えば、第1ユーザ(ユーザA)のゲームの結果に基づいて、第1グループ(グループA)に関連付けられる第1グループポイントを決定する。また、ポイント決定部235は、第2ユーザ(ユーザB)のゲームの結果に基づいて、第2ユーザ(ユーザB)がメインユーザである第2グループ(グループB)に関連付けられる第2グループポイントを決定するとともに、第2ユーザ(ユーザB)がサブユーザである第1グループ(グループA)に関連付けられる第1グループポイントも決定する。
【0057】
このような態様によれば、自分のプレイの結果が自分の所属するグループのグループポイントに影響するので、同じグループに所属する他のユーザとの協力プレイの雰囲気を出すことができる。一方で、自分をメインメンバーとするグループのサブメンバーにはそれぞれ自分をメインメンバーとするグループがあってそちらでグループポイントを稼ぐことができるので、グループポイントを高めることに過度に責任を感じることなく、気楽にプレイさせることができる。
【0058】
3.2 情報処理の詳細
上記概説された情報処理の詳細部分を、図を用いて説明する。
【0059】
<グループの構成>
グループ構成部234が行うマッチング処理のルールについて図6図9を参照して説明する。
図6は、ユーザAとマッチングされるユーザの一例を示す図である。図6の例では、右向きの矢印が時間の流れを表し、イベント自体の開始日時t10と、メインユーザであるユーザAのイベントの開始日時t11と、ユーザAがイベントを開始した時点でユーザX、Y、C、Z、B、Eが最後にログインした日時t12、t13、t14、t15、t16、t17とが示されている。開始日時t11が最も新しく、次いで日時t12、t13と順次古い日時となり、日時t17が最も古い日時である。
【0060】
情報処理システム1が提供するゲームにおいては、ユーザが他のユーザをフォローできるようになっている。ユーザをフォローすると、フォローしたユーザのゲームのプレイ状況等が所定の操作で表示されるようになる。ユーザB、C、Eは、ユーザAがゲーム内でフォローしているフォローユーザである。ユーザX、Y、Zは、ユーザAがゲーム内でフォローしていないその他のユーザである。
【0061】
ユーザAのイベントへの開始日時t11は、イベントの開始日時t10の直後の初期期間T1に含まれる日時である。初期期間T1は、例えば、イベントの初期であることを示す一定の期間である。グループ構成部234は、このように初期期間T1にイベントを開始したユーザについては、以下で説明する第1ルールでマッチング処理を実行する。なお、以下では、メインユーザがイベントを開始した日時を「初参加日時」と言う。
【0062】
<第1ルール>
(1)グループの人数は定員以内(本実施形態では4人以内)
(2)初参加日時から特定期間内T11にログインがあるフォローユーザを選択
(3)(2)が定員より多い場合、ログイン日時が初参加日時により近いユーザを選択
(4)(2)が定員より少ない場合、初参加日時の直近期間T12にログインがある他のユーザのうち、所定の条件(以下「選択条件」と言う)が優位な順にユーザを選択
【0063】
一般的にフォローユーザよりも他のユーザの方が多いため、特定期間内T11よりも直近期間T12の方が短い期間が定められている。また、グループ構成部234は、第1ルールの(4)において、例えば、直近のクエストで獲得した得点が高いほど選択条件が優位であると判断する(これを「条件1」とする)。また、他にも、クリアしたクエストの数等の実績に基づいてユーザがランク付けされる場合に、メインユーザとランクが近く(例えば同じランクのみまたはランクの違いが1つ以下など)であることを選択条件に加えてもよい(これを「条件2」とする)。また、メインユーザとゲームの進捗(例えばクリアしたクエスト数等)が近いことを選択条件に加えてもよい(これを「条件3」とする)。以下では第1ルールの(4)で条件1が選択条件として使われる場合を説明する。
【0064】
図7は、マッチング候補のユーザに関する情報の一例を示す図である。図7の例では、ユーザA、B、C、E、X、Y、Zの各種情報が示されている。各種情報には、直近クエストの得点と、イベント開始時のポイントと、ユーザA参加時のポイントと、ユーザA参加時の直近ログイン時期(図6に示す各ユーザのログイン日時)と、イベント終了時のポイントとが含まれている。
【0065】
ユーザAがメインユーザである場合、グループ構成部234は、まず、第1ルールの(2)により、フォローユーザであるユーザB、C、Eのうち図6に示す特定期間内T11にログインがあるユーザB、Cを選択する。グループ構成部234は、この選択をした時点ではグループのメンバーが3人(ユーザA、B、C)で定員の4人よりも少ないため、定員までの残り1人のユーザを第1ルールの(4)により選択する。具体的には、グループ構成部234は、直近期間T12にログインがある他のユーザ(ユーザX、Y)のうち、直近のクエストで獲得した得点(ユーザXは100、ユーザYは90)が高いユーザXを選択条件と満たすユーザとして選択する。このようにして、グループ構成部234は、メインユーザがユーザAの場合、図4に示すように、ユーザA、B、C、Xを含むグループAを構成する。
【0066】
図8は、ユーザBとマッチングされるユーザの一例を示す図である。図8の例では、イベントの開始日時t10と、メインユーザであるユーザBのイベントの開始日時t21と、ユーザBがイベントを開始した時点でユーザZ、D、X、Y、F、Gが最後にログインした日時t22、t23、t24、t25、t26、t27とが示されている。開始日時t21が最も新しく、次いで日時t22、t23と順次古い日時となり、日時t27が最も古い日時である。
【0067】
ユーザD、F、Gは、ユーザBがゲーム内でフォローしているフォローユーザである。ユーザX、Y、Zは、ユーザBがゲーム内でフォローしていないその他のユーザである。イベント期間は、図6で述べたイベント開始後の初期期間T1と、初期期間T1の後に続く中期期間T2と、中期期間T2の後でイベント終了前の終期期間T3とに分かれている。ユーザBのイベントへの開始日時t21(初参加日時)は、そのうちの終期期間T3に含まれている。グループ構成部234は、中期期間T2および終期期間T3にイベントを開始したユーザについては、それぞれ以下で説明する第2ルールおよび第3ルールでマッチング処理を実行する。
【0068】
<第2ルール>
(1)グループの人数は定員以内(本実施形態では4人以内)
(2)初参加日時から特定期間内T11にログインがあるフォローユーザを選択
(3)(2)が定員より多い場合、ログイン日時が初参加日時により近いユーザを選択
(4)(2)が定員より少ない場合、初参加日時までにイベントにおいて個人で獲得した得点の合計が得点P1以上のユーザから所定の人数のユーザを選出し、選出したユーザのうち、所定の条件が優位な順にユーザを選択
(5)(2)+(4)が定員より少ない場合、初参加日時の直近期間T12にログインがある他のユーザのうち、所定の条件が優位な順にユーザを選択
【0069】
<第3ルール>
(1)グループの人数は定員以内(本実施形態では4人以内)
(2)初参加日時から特定期間内T11にログインがあるフォローユーザを選択
(3)(2)が定員より多い場合、ログイン日時が初参加日時により近いユーザを選択
(4)(2)が定員より少ない場合、初参加日時までにイベントにおいて個人で獲得した得点の合計が得点P2(P2>P1)以上のユーザから所定の人数のユーザを選出し、選出したユーザのうち、所定の条件が優位な順にユーザを選択
(5)(2)+(4)が定員より少ない場合、初参加日時の直近期間T12にログインがある他のユーザのうち、所定の条件が優位な順にユーザを選択
【0070】
図9は、マッチング候補のユーザに関する情報の一例を示す図である。図9の例では、ユーザB、D、F、G、X、Y、Zの各種情報が示されている。各種情報には、直近クエストの得点と、イベント開始時のポイントと、ユーザB参加時のポイントと、ユーザB参加時の直近ログイン時期(図8に示す各ユーザのログイン日時)と、イベント終了時のポイントとが含まれている。
【0071】
ユーザBがメインユーザである場合、グループ構成部234は、まず、第3ルールの(2)により、フォローユーザであるユーザD、F、Gのうち図8に示す特定期間内T11にログインがあるユーザDを選択する。グループ構成部234は、この選択をした時点ではグループのメンバーが2人(ユーザB、D)で定員の4人よりも少ないため、定員までの残り2人のユーザを第3ルールの(4)により選択する。具体的には、グループ構成部234は、ユーザBの初参加日時までにイベントにおいて個人で獲得した得点の合計が得点P2以上のユーザから所定の人数のユーザを選出する。
【0072】
図9の例では、例えば、得点P2を500点とすると、ユーザBがフォローしていないその他のユーザX、Y、Zの個人得点がそれぞれ700点、750点、600点なので、ユーザX、Y、Zが全員選出される。そして、グループ構成部234は、ユーザX、Y、Zのうち、直近のクエストで獲得した得点(ユーザXは120、ユーザYは105、ユーザZは70)が高いユーザX、Yを選択条件と満たすユーザとして選択する。このようにして、グループ構成部234は、メインユーザがユーザBの場合、図5に示すように、ユーザB、D、X、Yを含むグループBを構成する。
【0073】
以上のとおり、グループ構成部234は、第2ルールおよび第3ルールの(4)において、第1ルールとは異なり、直近のログインの時期に関係なく、イベントにおいて個人で獲得した得点の合計が大きいユーザを選択する。このように、グループ構成部234は、メインユーザがゲームを開始したことに基づいてサブユーザをマッチングすることによってグループを構成し、メインユーザがゲームを開始したタイミングに基づいてサブユーザをマッチングするルールを決定する。
【0074】
また、グループ構成部234は、第2ルールで用いる得点P1よりも第3ルールで用いる得点P2の方を大きくすることで、メインユーザがゲームを開始したタイミングにおけるゲームの開催期間の残り期間が短いほどゲームの結果が良好なユーザをサブユーザに決定する。イベントにおいて個人で獲得した得点の合計が大きいユーザ、すなわちイベントに積極的に参加しているヘビーユーザをグループに加えると、残りのイベント期間に獲得が期待できるグループポイントが大きくなる。また、本実施形態の場合、後述するように、グループを構成した時点でのグループポイントも大きくなる。
【0075】
このように、上記の態様によれば、参加時期による有利不利を調整することができ、具体的には、初参加が遅くてもグループポイントを稼ぎやすくすることができる。
【0076】
<グループポイントの決定>
ポイント決定部235は、上記のとおり構成されたグループに所属するメインユーザおよびサブユーザのイベント期間におけるゲームの結果に基づいてグループポイントを決定する。より詳細には、ポイント決定部235は、メインユーザのゲームの結果に加え、本実施形態では、メインユーザがゲームを開始したタイミング(すなわち初参加日時)より前におけるサブユーザによるゲームの結果と、メインユーザがゲームを開始したタイミングより後におけるサブユーザによるゲームの結果と、に基づいて、グループポイントを決定する。
【0077】
図7の例であれば、ポイント決定部235は、グループAのグループポイントを、メインユーザであるユーザAの初参加時におけるサブユーザ(ユーザX)の個人得点(100点)も加えて算出する。また、図9の例であれば、ポイント決定部235は、グループBのグループポイントを、メインユーザであるユーザBの初参加時におけるサブユーザ(ユーザX、Y)の個人得点(700点、750点)も加えて算出する。このように、メインユーザが参加する前のサブユーザのイベントでのゲームの結果に便乗できるようにすることで、イベント期間の終盤でもゲームへの参加を促進させることができる。
【0078】
<報酬の付与>
報酬付与部236は、上記のとおり決定されたグループポイントに応じてメインユーザの報酬を決定する。より詳細には、報酬付与部236は、本実施形態では、グループポイントに応じた報酬をそのグループポイントに関連付けられたグループに含まれるメインユーザに付与する一方、サブユーザには付与しない第1付与部として機能する。
【0079】
図10は、イベント終了時のグループポイントの一例を示す図である。図10の例では、グループA(メインユーザがユーザA、サブユーザがユーザB、C、X)のイベント終了時のポイントが1400点であり、グループB(メインユーザがユーザB、サブユーザがユーザD、X、Y)のイベント終了時のポイントが1950点であることが示されている。報酬付与部236は、本実施形態では、1400点というグループAのグループポイントに応じた報酬をメインユーザであるユーザAに対して付与する一方、サブユーザであるユーザB、C、Xに対しては付与しない。また、報酬付与部236は、本実施形態では、1950点というグループBのグループポイントに応じた報酬をメインユーザであるユーザBに対して付与する一方、サブユーザであるユーザD、X、Yに対しては付与しない。
【0080】
図11は、ユーザへの報酬の通知の一例を示す図である。図11の例では、ゲーム装置3が、グループAのメインユーザであるユーザAへの報酬を通知するゲーム画面G3を表示している。ゲーム画面G3には、「イベントが終了しました!」および「報酬獲得おめでとうございます!」という文字列と、報酬画像C30とが表示されている。報酬画像C30には、メインユーザであるユーザAを示すメインユーザ画像C31と、グループAのグループポイント(1400点)を示すポイント画像C32と、ユーザAへの報酬(ジェム280個)を示す報酬画像C33とが含まれている。
【0081】
図12は、ユーザへの報酬の通知の別の一例を示す図である。図12の例では、ゲーム装置3が、グループBのメインユーザであるユーザBへの報酬を通知するゲーム画面G4を表示している。ゲーム画面G4には、ゲーム画面G3と同じ文字列と、報酬画像C40とが表示されている。報酬画像C40には、メインユーザであるユーザBを示すメインユーザ画像C41と、グループBのグループポイント(1950点)を示すポイント画像C42と、ユーザBへの報酬(ジェム390個)を示す報酬画像C43とが含まれている。
【0082】
図11および図12の例では、報酬付与部236は、グループポイントに対して一定の割合(図11等では5%)を乗じた数のゲーム内通貨(図11等ではジェム)を報酬としてメインユーザに付与している(メインユーザがユーザAの場合は1400点×5%=280個、メインユーザがユーザBの場合は1950点×5%=390個)。
【0083】
イベントに参加するユーザは、グループポイントに自分のゲーム結果が反映されることで、上述したように、他のユーザとの協力プレイの雰囲気を出すことができる。一方で、自分がサブユーザとして所属するグループの報酬は自分には付与されないので、そのグループのグループポイントに貢献することを過度に意識する必要がない。このように、本実施形態によれば、サブユーザにもグループポイントに応じた報酬が付与される場合に比べて、サブユーザはより気楽にプレイすることができる。
【0084】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理方法に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0085】
<報酬の付与>
報酬付与部236は、実施形態では、グループポイントに応じた報酬をサブユーザには付与しなかったが、サブユーザにも報酬を付与する第2付与部として機能してもよい。報酬付与部236は、例えば、メインユーザに付与した報酬と同じ報酬を、そのメインユーザと同じグループに所属するサブユーザにも付与する。また、報酬付与部236は、メインユーザに付与した報酬とは異なる報酬を、そのメインユーザと同じグループに所属するサブユーザにも付与してもよい。
【0086】
例えば、報酬付与部236は、グループポイントに応じた報酬を当該グループポイントに関連付けられたグループに含まれるメインユーザに付与し、サブユーザには、サブユーザによるゲームの結果に基づくグループポイントに対する貢献度に応じた報酬を付与してもよい。
【0087】
図13は、サブユーザの貢献度の一例を示す図である。図13では、グループAの1400点というグループポイントへの各サブユーザ(ユーザB、C、X)の貢献度が示されている。各貢献度は、サブユーザがイベント中に獲得した個人得点のグループポイントに対する割合で示されている。ユーザBは個人得点が50点なので貢献度が50÷1400=3.6%、ユーザCは個人得点が250点なので貢献度が250÷1400=17.9%、ユーザXは個人得点が800点なので貢献度が800÷1400=57.1%となっている。
【0088】
報酬付与部236は、例えば、メインユーザへの報酬である280個のジェムのうち上記割合の分をサブユーザへの報酬として付与する。つまり、報酬付与部236は、ユーザBには280個×3.6%=10個、ユーザCには280個×17.9%=50個、ユーザBには280個×57.1%=160個の報酬を付与する。なお、この方法では、メインユーザの貢献度を除いていないためメインユーザが活躍したグループだとサブユーザの報酬が少なくなる。そこで、報酬付与部236は、メインユーザの貢献度を除いたサブユーザの貢献度だけを比較した割合に応じて報酬を付与することで、サブユーザの報酬の合計がメインユーザの報酬と等しくなるようにしてもよい。
【0089】
なお、貢献度の表し方は上記の割合に限らない。例えば、個人得点の絶対値に応じた表し方(500点未満だと貢献度が「小」、500点以上だと貢献度が「中」、1000点以上だと貢献が「大」など)でもよい。また、ユーザによっては、多数のグループに所属してそれぞれ報酬に貢献する場合がある。そこで、報酬付与部236は、サブユーザとして所属するグループの数を貢献度として、その貢献度に応じた報酬(例えば貢献度に所定の係数を乗じた数のゲーム内通貨等)をそのサブユーザに付与してもよい。また、報酬付与部236は、サブユーザとして所属するグループの数と、各グループにおける貢献度とを組み合わせた全体としての貢献度に応じて報酬を付与してもよい。このような態様によれば、サブユーザとしても報酬を得ることができるので、サブユーザに報酬が付与されない場合に比べて、ポイント(個人得点)を稼ぐ動機を高めることができる。
【0090】
<グループポイントの決定>
ポイント決定部235は、実施形態では、メインユーザの初参加日時より前におけるサブユーザによるゲームの結果にも基づいてグループポイントを決定したが、このゲームの結果には基づかず、メインユーザの初参加日時より後におけるサブユーザによるゲームの結果だけに基づいてグループポイントを決定してもよい。この場合、イベントに初期から参加しているユーザと終盤で参加したユーザとの不公平感をなくすことができる。
【0091】
また、ポイント決定部235は、第1期間と、第1期間の後の第2期間におけるゲームの結果に基づいてグループポイントを決定する場合に、第1期間におけるゲームの結果に基づくグループポイントを優遇するようにグループポイントを決定してもよい。ポイント決定部235は、例えば、図8に示す初期期間T1を第1期間とし、中期期間T2および終期期間T3を第2期間としてグループポイントを決定する。
【0092】
その場合、ポイント決定部235は、例えば、初期期間T1における個人得点をN倍(N>1)にした得点と、中期期間T2および終期期間T3における個人得点とを合計した得点をグループポイントとして決定する。なお、第1期間および第2期間は上記期間に限らない。初期期間T1および中期期間T2を第1期間とし、終期期間T3を第2期間としてもよいし、例えば初期期間T1、中期期間T2および終期期間T3をそれぞれさらに2つの期間に分けて、それらの期間を第1期間およびそれより後の第2期間としてもよい。また、初期期間T1、中期期間T2および終期期間T3とは異なる期間を第1期間および第2期間としてもよい。いずれの場合も、ポイント決定部235は、第2期間よりも第1期間におけるゲームの結果に基づくグループポイントを優遇するようにグループポイントを決定すればよい。
【0093】
また、ゲーム結果の優遇の方法はこれに限らない。ポイント決定部235は、第1期間における個人得点をN1倍(1<N1)して大きな値に補正してもよいし、第2期間における個人得点をN2倍(0<N2<1)して小さな値に補正してもよい。また、ポイント決定部235は、グループポイントとして、報酬が異なる2種類のポイントを決定してもよい。例えば、ポイント決定部235は、第1期間におけるゲームの結果に基づいて第1グループポイントを決定し、第2期間におけるゲームの結果に基づいて第2グループポイントを決定する。例えば、第1グループポイントは、そのポイントの10%のゲーム内仮想通貨が報酬として付与され、第2グループポイントは、そのポイントの5%のゲーム内仮想通貨が報酬として付与されるというように、第1期間のグループポイントの方が、付与される報酬を優遇するようにしてもよい。
【0094】
また、ポイント決定部235は、メインユーザだけの個人得点に基づいて第1ポイントを決定し、グループのユーザ全員の個人得点に基づいて第2ポイントを決定してもよい。その場合、報酬付与部236は、第1ポイントに応じた報酬(個人賞)と、第2ポイントに応じた報酬(グループ賞)とをメインユーザに付与する。この場合、例えば、終期期間T3に初参加したユーザは、サブユーザの個人得点を加算できるので高レベルなグループ賞を狙うことはできるが、自分の個人得点だけだと高レベルな個人賞を狙うのは難しい。従って、高レベルな個人賞を狙うには、イベントの初期から参加することが必要になる。以上で述べたようにポイントを優遇することで、第1期間という特定の期間のプレイを促進することができる。
【0095】
<ユーザの変更>
グループに属するユーザがイベントの途中で変更されてもよい。
図14は、情報処理装置2の機能構成の別の一例を示すブロック図である。図14では、制御部23が、図2に示す各部に加え、ユーザ変更部237を備える。ユーザ変更部237は、ゲームが開催される期間の途中において、グループポイントに基づいてグループに含まれるユーザを変更する変更部として機能する。以下では、ユーザの変更が行われるイベント中のタイミングのことを「変更タイミング」という。変更タイミングは、例えば、イベントが図8に示す終期期間T3にはいったタイミングである。
【0096】
ユーザ変更部237は、例えば、変更タイミングになったときのグループポイントに対するメインユーザの貢献度が高いほど、よりゲームの結果が良好なユーザをサブユーザに決定する。ユーザ変更部237は、例えば、メインユーザの貢献度の範囲とサブユーザの個人得点の範囲とを対応付けたサブユーザテーブルを用いてサブユーザを決定する。
【0097】
図15は、サブユーザテーブルの一例を示す図である。図15では、「Th1未満」、「Th1以上Th2未満」および「Th2以上」(Th1<Th2)というメインユーザの貢献度の範囲と、「PT1以上」、「PT2以上」および「PT3以上」というサブユーザの個人得点の範囲とがそれぞれ対応付けられている。ユーザ変更部237は、例えば、イベントが変更タイミングになったときに、メインユーザのグループポイントに対する貢献度がTh2以上である場合は、個人得点がPT3以上のユーザからサブユーザを選択してグループに加える。これにより、メインユーザの貢献度が高いほど個人得点の高いユーザがサブユーザとして選択されやすくなる。
【0098】
図16は、グループの変更の一例を示す図である。図16では、メインユーザがユーザHであり、サブユーザがユーザJ、K、XであるグループHの個人得点、グループポイントおよび貢献度が示されている。図16(a)では、ユーザHの貢献度が47.3%で、グループポイントが1480点となっている。この場合に、ユーザ変更部237は、例えば、上述した第3ルールの(4)により、変更するサブユーザ(図16の例では個人得点が650点のユーザW)を選択する。
【0099】
ユーザ変更部237は、例えば、図16(a)に示すように、貢献度が最も低いユーザJ(貢献度2.0%)に替えてユーザWをグループHに加える。その場合、図16(a)に示すように、グループポイントは1480点から2100点に増加する。また、ユーザ変更部237は、図16(b)に示すように、グループの定員を1人増やして、ユーザWをグループHに加えてもよい。その場合、図16(b)に示すように、グループポイントは1480点から2130点に増加する。このようにメインユーザの貢献度をサブユーザ変更の条件とすることで、メインユーザは、イベントでゲーム結果が低調なサブユーザが同じグループにいたとしても、個人の頑張りで報酬の期待度を高めることができる。
【0100】
なお、貢献度は、上述した例のように例えば個人得点そのもので表してもよい。また、変更するサブユーザの人数は1人に限らず、2人以上であってもよい。また、ユーザ変更部237は、メインユーザの貢献度ではなく、例えば、メインユーザの個人得点が所定の得点よりも大きい場合またはグループポイントが所定のポイントよりも少ない場合にサブユーザを変更してもよい。また、ユーザ変更部237は、メインユーザが所定の時期(例えば図8に示す初期期間T1)にイベントに初参加したことをサブユーザを変更する条件としてもよい。いずれの場合も、サブユーザを変更することで、ゲーム結果が振るわないグループに属していても報酬の期待度を高めることができる。
【0101】
<マッチングルール>
メインユーザとサブユーザとをマッチングするルールは図6等で説明したものに限らない。例えば、上記ルールとは定員を異ならせてもよいし、参加時期等に応じて定員が変動するようにしてもよい。その場合、グループ構成部234は、例えば、メインユーザが初期期間T1、中期期間T2、終期期間T3に初参加した場合の定員をそれぞれN4人、N5人、N6人(N4<N5<N6)として、イベントが終わりに近づくほど定員が多くてグループポイントが大きくなりやすいグループを構成する。
【0102】
また、グループ構成部234は、特定期間や直近期間に関係なく全てのフォローユーザまたはその他のユーザからサブユーザを選択してもよいし、フォローユーザかその他のユーザかに関係なく同じルールでサブユーザを選択してもよい。また、グループ構成部234は、ログイン日時に関係なく、例えば、メインユーザの初参加時点のゲーム結果(個人得点等)に応じてサブユーザを選択してもよい。また、グループ構成部234は、上述した選択条件(条件1、2、3)を個別に用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。また、グループ構成部234は、条件1、2、3以外の条件として、例えば、ゲームのプレイ時間、プレイ回数、を選択条件として用いてもよい。
【0103】
<その他>
グループは、チーム、パーティ、仲間または部隊等の他の呼び方がされてもよい。また、ゲームは、上述したクエストをクリアする形式のゲームに限らず、対戦形式やストーリーを分岐させる形式などであってもよい。また、ゲームのジャンルも、アクションゲーム、パズルゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、アドベンチャーゲーム、シューティングゲーム、レースゲームまたは音楽ゲーム等であってもよい。また、報酬は、ゲーム内通貨に限らない。例えば、特定のアイテム、特定のキャラクタ、特定のクエストの開放または特定のゲームの進捗等が報酬として付与されてもよい。
【0104】
また、ゲーム結果は、個人得点に限らない。例えば、プレイ時間、プレイ回数またはクリアしたクエストの数等をゲーム結果としてもよい。また、モンスターを倒してアイテムを集めるゲームであれば、倒したモンスターの数、所定レベル以上のモンスターを倒した数または所定のアイテムを集めた数等をゲーム結果としてもよい。要するに、ゲーム結果とは、例えば、ゲームを進捗させている程度が分かる結果やゲームの進捗に関係なくともプレイヤキャラクタの強さを示す結果などであればよい。
【0105】
また、例えば、情報処理装置2は、2台以上の装置に分散されてもよいし、クラウドコンピューティングシステムに代替されてもよい。また、図2および図14に示す機能構成も一例であり、これに限られない。例えば、情報処理装置2の機能が2台以上の装置に分散して実現されてもよい。また、1つの機能が行う動作を2以上の機能が分散して行ってもよいし、2以上の機能が1つの機能に統合されてもよい。要するに、情報処理システム1の全体で図2に示す各機能が実現されていれば、それらの機能を実現する装置はどのような構成であってもよい。
【0106】
上述した実施形態の態様は、情報処理装置2のような情報処理装置や、情報処理装置2を備える情報処理システム1のような情報処理システムであったが、情報処理方法であってもよい。その情報処理方法は、その情報処理システムが実行する各処理のステップを備える。また、上述した実施形態の態様は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、コンピュータに、情報処理システムの各ステップを実行させる。
【0107】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0108】
(1)情報処理システムであって、構成ステップでは、メインユーザと前記メインユーザに対してマッチングされた1以上のサブユーザとを含むグループを構成し、ここで、前記グループは第1グループと第2グループを含み、前記第1グループは前記メインユーザである第1ユーザと、前記サブユーザである第2ユーザを含み、前記第2グループは前記メインユーザである前記第2ユーザを含む一方で前記サブユーザに前記第1ユーザが含まれておらず、決定ステップでは、前記グループに含まれる各ユーザが個別に実行したゲームの結果に基づいて前記グループに関連付けられるグループポイントを決定し、前記第1ユーザの前記ゲームの結果に基づいて、前記第1グループに関連付けられる第1グループポイントを決定し、前記第2ユーザの前記ゲームの結果に基づいて、前記第1グループポイントと前記第2グループに関連付けられる第2グループポイントとを決定する、もの。
【0109】
このような態様によれば、協力プレイの雰囲気を出しつつ気楽にプレイさせることができる。
【0110】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、第1付与ステップでは、前記グループポイントに応じた報酬を当該グループポイントに関連付けられたグループに含まれる前記メインユーザに付与する一方、前記サブユーザに付与しない、もの。
【0111】
このような態様によれば、第2ユーザはより気楽にプレイすることができる。
【0112】
(3)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、第2付与ステップでは、前記グループポイントに応じた報酬を当該グループポイントに関連付けられたグループに含まれる前記メインユーザに付与し、前記サブユーザには、前記サブユーザによる前記ゲームの結果に基づく前記グループポイントに対する貢献度に応じた報酬を付与する、もの。
【0113】
このような態様によれば、ポイントを稼ぐ動機を高めることができる。
【0114】
(4)上記(1)~(3)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記決定ステップでは、第1期間と、前記第1期間の後の第2期間における前記ゲームの結果に基づいて前記グループポイントを決定し、前記第1期間における前記ゲームの結果に基づく前記グループポイントを優遇するように前記グループポイントを決定する、もの。
【0115】
このような態様によれば、特定の期間のプレイを促進することができる。
【0116】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記構成ステップでは、前記メインユーザが前記ゲームを開始したことに基づいて前記サブユーザをマッチングすることによって前記グループを構成し、前記メインユーザが前記ゲームを開始したタイミングに基づいて前記サブユーザをマッチングするルールを決定する、もの。
【0117】
このような態様によれば、参加時期による有利不利を調整することができる。
【0118】
(6)上記(5)に記載の情報処理システムにおいて、前記構成ステップでは、前記メインユーザが前記ゲームを開始したタイミングにおける前記ゲームの開催期間の残り期間が短いほど前記ゲームの結果が良好なユーザを前記サブユーザに決定する、もの。
【0119】
このような態様によれば、初参加が遅くてもグループポイントを稼ぎやすくすることができる。
【0120】
(7)上記(6)に記載の情報処理システムにおいて、前記決定ステップでは、前記メインユーザが前記ゲームを開始したタイミングより前における前記サブユーザによる前記ゲームの結果と、前記メインユーザが前記ゲームを開始したタイミングより後における前記サブユーザによる前記ゲームの結果と、に基づいて、前記グループポイントを決定する、もの。
【0121】
このような態様によれば、所定の期間の終盤でもゲームへの参加を促進させることができる。
【0122】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、変更ステップでは、前記ゲームが開催される期間の途中において、前記グループポイントに基づいて前記グループに含まれる前記サブユーザを変更する、もの。
【0123】
このような態様によれば、ゲーム結果が振るわないグループに属していても報酬の期待度を高めることができる。
【0124】
(9)上記(8)に記載の情報処理システムにおいて、前記変更ステップでは、前記グループポイントに対する前記メインユーザの貢献度が高いほど、より前記ゲームの結果が良好なユーザを前記サブユーザに決定する、もの。
【0125】
このような態様によれば、個人の頑張りで報酬の期待度を高めることができる。
【0126】
(10)情報処理装置であって、上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行するように構成される、もの。
【0127】
(11)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0128】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0129】
1 :情報処理システム
2 :情報処理装置
3 :ゲーム装置
23 :制御部
33 :制御部
231 :表示制御部
232 :受付部
233 :ゲーム制御部
234 :グループ構成部
235 :ポイント決定部
236 :報酬付与部
237 :ユーザ変更部
図1
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