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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158518
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】電圧検出回路
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/165 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
G01R19/165 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073775
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大竹 久雄
【テーマコード(参考)】
2G035
【Fターム(参考)】
2G035AA17
2G035AB01
2G035AC01
2G035AC16
2G035AD03
2G035AD08
2G035AD56
(57)【要約】
【課題】高耐圧素子の数を減らすように構成された電圧検出回路を提供する。
【解決手段】電圧検出回路11は、入力電圧を受けるように構成される入力ライン13、並びに入力ライン13と第1電源ライン16との間に接続された第1電流路17及び入力ライン13と第2電源ライン21との間に接続された第2電流路19を含む伝達回路15を備え、第1電流路17は、第1電流源31、電圧差生成回路33、及び入力側回路部25を含み、電圧差生成回路33は、一端33b及び他端33cの一方から他方への電流経路に抵抗性の素子を有し、第2電流路19は、分流回路43、第2電流源41、及び出力側回路部27を含み、分流回路43は、一端43b及び他端43cの一方から他方への電流経路に抵抗性の素子を有し、出力側回路部27は、共有ノード45において第2電流源41及び分流回路43に接続され、共有ノード45は電圧検出回路11の出力OUTに接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧検出回路であって、
入力電圧を受けるように構成される入力ラインと、
前記入力ラインと第1電源ラインとの間に接続された第1電流路、及び前記入力ラインと第2電源ラインとの間に接続された第2電流路を含む伝達回路と、
を備え、
前記伝達回路は、前記第1電流路の電流を流す入力側回路部及び前記第2電流路の電流を流す出力側回路部を含む電流ミラー回路を含み、
前記第1電流路は、第1電流源、電圧差生成回路、及び前記入力側回路部を含み、前記第1電流源、前記電圧差生成回路、及び前記入力側回路部は、前記入力ラインと前記第1電源ラインとの間に直列に接続され、
前記電圧差生成回路は、一端、他端、並びに前記一端及び前記他端の一方から他方への電流経路に抵抗性の素子を有し、
前記第2電流路は、分流回路、第2電流源、及び前記出力側回路部を含み、前記第2電流源及び前記出力側回路部は、前記入力ラインと前記第2電源ラインとの間に直列に接続され、前記分流回路は、前記第2電流源に並列に接続され、
前記分流回路は、一端、他端、並びに前記一端及び前記他端の一方から他方への電流経路に抵抗性の素子を有し、
前記出力側回路部は、共有ノードにおいて前記第2電流源及び前記分流回路に接続され、前記共有ノードは、前記電圧検出回路の出力に接続される、
電圧検出回路。
【請求項2】
前記出力側回路部の流す電流は、前記第2電流源の定電流より大きい、
請求項1に記載された電圧検出回路。
【請求項3】
前記電流ミラー回路は、カスコード型を有する、
請求項1又は請求項2に記載された電圧検出回路。
【請求項4】
前記電圧差生成回路の前記素子は、非線形な又は線形な電流電圧特性を有する、
請求項1又は請求項2に記載された電圧検出回路。
【請求項5】
前記電圧差生成回路は、1又は複数のツェナーダイオードを含み、前記電流電圧特性は、前記ツェナーダイオードの逆方向特性である、
請求項4に記載された電圧検出回路。
【請求項6】
前記電圧差生成回路は、ダイオード接続されたトランジスタを含む、
請求項4に記載された電圧検出回路。
【請求項7】
前記分流回路の前記素子は、前記一端及び前記他端の一方から他方への電流経路に非線形な又は線形な電流電圧特性を有する、
請求項1又は請求項2に記載された電圧検出回路。
【請求項8】
前記分流回路は、1又は複数のツェナーダイオードを含み、前記電流電圧特性は、前記ツェナーダイオードの逆方向特性である、
請求項7に記載された電圧検出回路。
【請求項9】
前記分流回路は、ダイオード接続されたトランジスタを含む、
請求項7に記載された電圧検出回路。
【請求項10】
前記第1電源ライン及び前記第2電源ラインは、同電位である、
請求項1又は請求項2に記載された電圧検出回路。
【請求項11】
前記伝達回路は、前記入力ラインと前記第1電源ラインとの間に接続された第3電流路を含み、
前記電流ミラー回路は、前記第1電流路の電流を前記第3電流路の電流に関連付ける第1電流ミラー回路、及び前記第3電流路の電流を前記第2電流路の電流に関連付ける第2電流ミラー回路を含み、
前記第1電源ライン及び前記第2電源ラインは、異電位である、
請求項1又は請求項2に記載された電圧検出回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電源投入時に誤動作しないコンパレータ及び検出回路を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-153974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の検出回路はコンパレータを有し、当該コンパレータは入力電圧と基準電圧との差分電圧に基づき、ハイまたはローの出力電圧を出力する。このようなコンパレータにおいて、入力電圧の電圧範囲が高電圧(例えば20V程度)であるような場合や、基準電圧の電圧値を高電圧としたい場合には、高耐圧素子を複数用いる必要がある。
【0005】
高耐圧素子は、一般的に大きな電位差に耐えるため大きな素子分離領域及び素子サイズを有する。そのため、高耐圧素子を複数用いることにより、検出回路の面積が大きくなり、製造コスト等が増大してしまう。求められていることは、電圧検出回路における高耐圧素子の数を減らすことである。
【0006】
本発明は、高耐圧素子の数を減らすように構成された電圧検出回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る電圧検出回路は、入力電圧を受けるように構成される入力ラインと、前記入力ラインと第1電源ラインとの間に接続された第1電流路、及び前記入力ラインと第2電源ラインとの間に接続された第2電流路を含む伝達回路と、を備え、前記伝達回路は、前記第1電流路の電流を流す入力側回路部及び前記第2電流路の電流を流す出力側回路部を含む電流ミラー回路を含み、前記第1電流路は、第1電流源、電圧差生成回路、及び前記入力側回路部を含み、前記第1電流源、前記電圧差生成回路、及び前記入力側回路部は、前記入力ラインと前記第1電源ラインとの間に直列に接続され、前記電圧差生成回路は、一端、他端、並びに前記一端及び前記他端の一方から他方への電流経路に抵抗性の素子を有し、前記第2電流路は、分流回路、第2電流源、及び前記出力側回路部を含み、前記第2電流源及び前記出力側回路部は、前記入力ラインと前記第2電源ラインとの間に直列に接続され、前記分流回路は、前記第2電流源に並列に接続され、前記分流回路は、一端、他端、並びに前記一端及び前記他端の一方から他方への電流経路に抵抗性の素子を有し、前記出力側回路部は、共有ノードにおいて前記第2電流源及び前記分流回路に接続され、前記共有ノードは、前記電圧検出回路の出力に接続される。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様によれば、高耐圧素子の数を減らすように構成された電圧検出回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る電圧検出回路を概略的に示す図面である。
図2図2は、本実施形態に係る例示的な電圧検出回路を概略的に示す図面である。
図3図3は、本実施形態に係る例示的な電圧検出回路を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態について説明する。引き続く説明において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付して、繰り返しの説明を省略する。また、MOSトランジスタが例示として示される。MOSトランジスタのソース、ドレイン及びゲートは、それぞれ、「S」、「D」及び「G」として参照される。
【0011】
図1は、本実施形態に係る電圧検出回路を概略的に示す図面である。
【0012】
電圧検出回路11は、入力ライン13、及び伝達回路15を含む。入力ライン13は、入力INに入力電圧Vinを受けるように構成される。伝達回路15は、第1電流路17及び第2電流路19を含む。第1電流路17は、入力ライン13と第1電源ライン16との間に接続される。第2電流路19は、入力ライン13と第2電源ライン21との間に接続される。
【0013】
伝達回路15は、電流ミラー回路23を含み、電流ミラー回路23は、第1電流路17の電流を流す入力側回路部25及び第2電流路19の電流を流す出力側回路部27を含む。電流ミラー回路23は、入力側回路部25から出力側回路部27に伝わる電気信号SCMによって出力側回路部27にミラー電流を生成し、或いは出力側回路部27にミラー電流を生成しない。
【0014】
第1電流路17は、入力側回路部25、第1電流源31、及び電圧差生成回路33を含み、第1電流源31、電圧差生成回路33、及び入力側回路部25は、入力ライン13と第1電源ライン16との間に直列に接続される。第2電流路19は、第2電流源41、分流回路43、及び出力側回路部27を含み、第2電流源41及び出力側回路部27は、入力ライン13と第2電源ライン21との間に直列に接続され、分流回路43は、第2電流源41に並列に接続される。
【0015】
電圧差生成回路33は、一端33b、他端33c、並びに一端33b及び他端33cの一方から他方への電流経路に抵抗性の素子を有する。
【0016】
出力側回路部27は、共有ノード45において第2電流源41及び分流回路43に接続され、共有ノード45は、電圧検出回路11の出力OUTに接続される。分流回路43は、一端43b、他端43c、並びに一端43b及び他端43cの一方から他方への電流経路に抵抗性の素子を有する。
【0017】
この電圧検出回路11によれば、伝達回路15の電流ミラー回路23及び電圧差生成回路33の両方が電流を流せるような電圧(「最低動作電圧」として参照する)を入力ライン13が受けると、第1電流源31の電流が電流ミラー回路23の入力側回路部25に流れる。電流ミラー回路23の出力側回路部27は、入力側回路部25に関連付けられた電流(ミラー電流)を流す。出力側回路部27に流れる電流は、分流回路43及び第2電流源41を流れて、共有ノード45の電圧は、分流回路43の一端43bと他端43cとの間の電流経路に抵抗性の素子によって生成される。この電圧は、第2電流源41及び出力側回路部27に加わる。この値が電圧検出回路11の出力OUTに提供される。
【0018】
伝達回路15の電流ミラー回路23及び第1電流源31が動作可能でなく電流を流せないような電圧を入力ライン13が受けると、電流ミラー回路23の入力側回路部25及び出力側回路部27は、電流を流さない。これ故に、共有ノード45の電圧は、第2電流源41が電流を流さないように特定される。具体的には、第2電流源41の端子間電圧が0ボルトである。例示的には、出力電圧VOUTは、例えば0ボルトであることができる。
【0019】
多くの場合、電圧差生成回路33の端子間電圧は、電圧差生成回路33を含まない第1電流路17における最低動作電圧を増加させるように働く。また、電圧差生成回路33は、伝達回路15の電流ミラー回路23の入力側回路部25の電圧がそのまま第1電流源31に加わることを妨げる。
【0020】
電圧検出回路11、例えば第1電流源31の電流値、電流ミラー回路23のミラー比、及び第2電流源41は、出力側回路部27の流す電流が第2電流源41の定電流より大きくなるように構成される。
【0021】
この電圧検出回路11によれば、出力側回路部27の流す電流が第2電流源41の定電流より大きいと、共有ノード45の電圧は分流回路43の(端子間電圧)出力電圧まで変化する。出力側回路部27の流す電流は、第2電流源41の定電流だけでなく分流回路43の分流電流として流れる。共有ノード45の電圧は、出力OUTに提供される。
【0022】
最低動作電圧は、第1電流路17の回路素子によって規定される。第1電流路17は、直列に接続された第1電流源31、電圧差生成回路33、及び入力側回路部25を含む。入力側回路部25の最低動作電圧は、電流ミラー回路23の回路構成によって規定される。最低動作電圧は、具体的には、第1電流路17の電流を流す入力側回路部25の電位差、第1電流路17の電流を流す電圧差生成回路33の端子間の電位差、及び第1電流源31の定電流性を保つ端子間の電位差の和である。
【0023】
電流ミラー回路23は、様々な回路構成を有することができる。例示的な電流ミラー回路23では、入力側回路部25と出力側回路部27とのミラー比が、出力側回路部27の流す電流が第2電流源41の定電流より大きくなるように構成される。
【0024】
電流ミラー回路23は、例えばカスコード型を有することができる。この電圧検出回路11によれば、最低動作電圧は、電流ミラー回路23の入力側回路部25における縦続接続の段数に応じて変更される。
【0025】
電圧差生成回路33の素子は、非線形な又は線形な電流電圧特性を有することができる。分流回路43の素子は、非線形な又は線形な電流電圧特性を有することができる。
【0026】
入力INへの入力電圧Vinが最低動作電圧を越えるとき、電圧検出回路11の出力OUTは、出力側回路部27の流す電流と第2電流源41の定電流との差分電流を受ける分流回路43の端子間電圧を出力する。
【0027】
入力INへの入力電圧Vinが最低動作電圧を越えないとき、電圧検出回路11の出力OUTは、第2電流源41が電流を生成しない電圧、つまり第2電源ライン21の電位(例えば0ボルト)を出力する。
【0028】
半導体装置10は、第2電源ライン21と第3電源ライン20との間に接続される入力回路47を含むことができる。入力回路47は、電圧検出回路11の出力OUTからの判定信号を受けて、この判定信号を第2電源ライン21と第3電源ライン20との間の電圧範囲の電圧信号VDETに変換する。
【0029】
図2は、本実施形態に係る例示的な電圧検出回路を概略的に示す図面である。図2を参照すると、電圧検出回路11aが示される。電圧検出回路11aでは、第1電源ライン16及び第2電源ライン21は、同電位であって、図2では、第1電源ライン16が参照符号として使用される。
【0030】
伝達回路15は、電流ミラー回路23を含み、電流ミラー回路23は、カスコード型電流ミラー回路を有することができる。
【0031】
入力側回路部25は、第1MOSトランジスタ(M1)及び第2MOSトランジスタ(M2)を有する。第1MOSトランジスタ(M1)のソース(S)は、入力ライン13に接続される。第1MOSトランジスタ(M1)のゲート(G)及びドレイン(D)は、互いに接続されて、ダイオード接続されたMOSトランジスタを形成する。第1MOSトランジスタ(M1)のゲート(G)及びドレイン(D)は、第2MOSトランジスタ(M3)のソース(S)に接続される。第2MOSトランジスタ(M3)のゲート(G)及びドレイン(D)は、互いに接続されて、ダイオード接続されたMOSトランジスタを形成する。第2MOSトランジスタ(M3)のゲート(G)及びドレイン(D)は、電圧差生成回路33の一端33bに接続される。電圧差生成回路33は、例えばツェナーダイオード(D1)を含むことができる。電圧差生成回路33、具体的にはツェナーダイオード(D1)のカソード端子は、入力側回路部25に接続され、またツェナーダイオード(D1)のアノード端子は、電流I1を生成する第1電流源31の一端31bに接続される。第1電流源31の他端31cは、第1電源ライン16(GND)に接続される。ツェナーダイオード(D1)は、第1電流源31に直列に接続される。
【0032】
出力側回路部27は、第3MOSトランジスタ(M2)及び第4MOSトランジスタ(M4)を有する。第3MOSトランジスタ(M2)のソース(S)は、入力ライン13に接続される。第3MOSトランジスタ(M2)のゲート(G)は、第1MOSトランジスタ(M1)のゲート(G)及びドレイン(D)に接続される。第4MOSトランジスタ(M4)のゲート(G)は、第2MOSトランジスタ(M3)のゲート(G)及びドレイン(D)に接続される。第3MOSトランジスタ(M2)及び第4MOSトランジスタ(M4)は、入力ライン13と出力OUTとの間に縦積みに接続される。第3MOSトランジスタ(M2)のドレイン(D)は、第4MOSトランジスタ(M4)のソース(S)に接続される。第4MOSトランジスタ(M4)のドレイン(D)は、出力OUTに接続される。
【0033】
第4MOSトランジスタ(M4)のドレイン(D)は、第2電流源41の一端41bに接続される。第2電流源41の他端41cは、第1電源ライン16(GND)に接続される。
【0034】
分流回路43は、ツェナーダイオード(D2)を含むことができる。分流回路43は、定電流I2を生成する第2電流源41に並列に接続される。第2電流源41の一端41b及び分流回路43の一端43bは、出力OUTに接続される。第1電流源31の他端31c及び第2電流源41の他端41cは、第1電源ライン16(GND)に接続される。分流回路43のツェナーダイオード(D2)のアノード端子(43c)は、第1電源ライン16(例えばGND)に接続される。カソード端子(43b)は、出力側回路部27及び出力OUTに接続される。
【0035】
最低動作電圧は、第1MOSトランジスタ(M1)の閾値電圧Vt1、第2MOSトランジスタ(M3)の閾値電圧Vt3、及びツェナーダイオード(D1)のツェナー電圧Vz1の和として規定される。
【0036】
入力電圧Vinが最低動作電圧を越えて第1電流路17に電流が流れると、電流ミラー回路23は、第2電流路19にミラー電流を生成する。第2電流源41の定電流は、ミラー電流より小さいので、ミラー電流は、第2電流源41及び分流回路43の両方に流れる。具体的には、第2電流源41はミラー電流の一部の定電流I2を流し、ミラー電流の残りは分流回路43に流れる。分流回路43は、ツェナーダイオード(D2)が残りの電流を流す端子電圧を生成する。この端子電圧が、出力電圧Voutになる。
【0037】
入力電圧Vinが最低動作電圧を越えてないと、第1電流路17に電流が流れない。ミラー電流が生成されずに、出力電圧Voutは、第2電流源41の電流がゼロになるように規定されて、第1電源ライン16の電位に等しくなる。
【0038】
電流ミラー回路23の入力側回路部25は、1又は複数のダイオード接続されたMOSトランジスタを含む。これらのダイオード接続されたMOSトランジスタには、入力INに大きい入力電圧Vinが加わるとき、耐圧違反となるような電圧は加わらない。電流ミラー回路23の出力側回路部27では、入力INに大きい入力電圧Vinが加わるとき、MOSトランジスタ(M4)のドレイン(D)には、分流回路43の出力電圧が加わる。これ故に、第4MOSトランジスタ(M4)には、高耐圧構造を提供する。
【0039】
引き続き、例示的な電圧検出回路を説明する。
【0040】
既に説明したように、MOSトランジスタ(M1~M4)は、カスコード電流ミラー回路を構成する。電圧差生成回路33の素子は、ツェナーダイオード(D1)であり、分流回路43の素子は、ツェナーダイオード(D2)である。電圧差生成回路33及び分流回路43の各々は、ツェナーダイオードに限定されることなく、ダイオード、ダイオード接続のMOS、バイポーラトランジスタ、抵抗といった素子、及びこれらの任意の複数の組み合わせであることができる。第1電流源31は、定電流I1を流し、第2電流源41は、定電流I2を流す。ツェナーダイオードは、電流の変化に対する電圧の変化が微小であるという特長を有する。降伏状態における電圧はツェナー電圧(Vz)として参照され、降伏状態における電流はツェナー電流(Iz)として参照される。MOSトランジスタ(M1)及びMOSトランジスタ(M2)を含む電流ミラー回路は、MOSトランジスタ(M2)がMOSトランジスタ(M1)の電流の、例えば2倍の電流を流すミラー比を構成する。第1電流源31の電流I1と第2電流源I2の電流I2は、例えば1マイクロアンペアに設定される。
【0041】
十分に大きい電圧がIN端子に加わるとき、第1電流源31の電流I1はトランジスタ(M1)に流れ、トランジスタ(M2)は、電流ミラー比2倍の電流を流す。トランジスタ(M2)は、2マイクロアンペアの電流を流す。
【0042】
一方、第2電流源41の電流I2は1マイクロアンペアであるので、分流回路43のツェナーダイオード(D2)は、1マイクロアンペアの電流を流す。ツェナーダイオード(D2)が1マイクロアンペアの電流を流すと、出力OUTには、例えばツェナー電圧Vz2、例えば5ボルトが出力される。
【0043】
次いで、IN端子が十分に小さい電圧を受けるとき、ツェナーダイオード(D1)のアノードとカソードとの間の電位差が小さく、ツェナーダイオード(D1)に流れる電流は、ほぼ0マイクロアンペアとなる。これに従って、トランジスタ(M1)に流れる電流も、ほぼ0マイクロアンペアとなる。トランジスタ(M2)に流れる電流は、電流ミラー比2倍に関係無く、ほぼ0マイクロアンペアである。第2電流源41は、出力OUTの電圧を0ボルトまで引き下げる。ツェナーダイオード(D2)のツェナー電流は、ほぼ0マイクロアンペアである。
【0044】
出力OUTの電圧Voutが5V又は0Vのいずれかであるかについては、以下の式によって表される。
Vin>Vt1+Vt3+Vz1の時に出力OUTの電圧は、Vout=5V、である。
Vin<Vt1+Vt3+Vz1の時に出力OUTの電圧は、Vout=0V、である。
「Vt1」及び「Vt3」は、トランジスタ(M1)及びトランジスタ(M3)の閾値を表す。「Vz1」は、ツェナーダイオード(D1)のツェナー電圧を表す。
例示的な電圧検出回路では、第1電流源31の出力素子及びトランジスタ(M4)を高耐圧素子にすれば、入力INの入力電圧Vinが高電圧でも対応可能である。
【0045】
また、電圧差生成回路33、具体的にはツェナーダイオードは、入力ライン13と電流ミラー回路23との間に接続されることができる。或いは、例示的な電圧検出回路は、第1電流源31と電流ミラー回路23との間のツェナーダイオード(D1)に加えて、入力ライン13と電流ミラー回路23との間に接続される追加のツェナーダイオードを含むことができる。
【0046】
MOSトランジスタ(M4)を高耐圧素子として構成することによって、入力INからの外部電圧を検出することができる。また、電圧差生成回路33の電位差に応じて、第1電流源31の出力素子を高耐圧素子として構成することによって、入力INからの外部電圧を検出することができる。例えば、コンパレータ及び基準電圧発生回路を用いて外部電圧を検出する回路に比べて、高耐圧素子の個数を低減できる。
【0047】
例示的な電圧検出回路では、入力INと第1電源線(GND)との間に第1電流源31、電圧差生成回路33、電流ミラー回路23が配置される。電流ミラー回路23の出力に第2電流源41と分流回路43を接続する。入力電圧Vinが、この電圧検出回路の検出電圧値より大きい場合に、電流ミラー回路23の出力電流が第2電流源の電流より大きくなるように、電流ミラー回路23のミラー比、第1電流源31の電流値及び第2電流源の電流値を設定する。
【0048】
図3は、本実施形態に係る例示的な電圧検出回路を概略的に示す図面である。
【0049】
図3を参照すると、電圧検出回路11b(11)が示される。第1電源ライン16及び第2電源ライン21は異電位である。
【0050】
伝達回路15は、入力ライン13と第1電源ライン16(例えばVDD)との間に接続された第3電流路18を含む。電流ミラー回路23は、第1電流路17の電流を第3電流路18の電流に関連付ける第1電流ミラー回路22、及び第3電流路18の電流を第2電流路19の電流に関連付ける第2電流ミラー回路24を含む。
【0051】
この電圧検出回路11b(11)によれば、電流ミラー回路23の電流路の数が奇数であるとき、この入力電圧Vinと第1電源ライン16との間の電圧差が大きくなるように、電圧検出回路11b(11)の入力への入力電圧Vinを変化させることができる。第2電源ライン21が、内部回路(例えば図1の入力回路47)の電源ラインと共用である。
【0052】
また、電流ミラー回路23の電流路の数が偶数であるとき、この入力電圧Vinと第1電源ライン16又は第2電源ライン21の電位との間の電圧差が大きくなるように、電圧検出回路11b(11)の入力INへの入力電圧Vinを変化させることができる。第1電源ライン16及び第2電源ラインが、内部回路(例えば図1の入力回路47)の電源ラインと共用である。
【0053】
第1電流ミラー回路22は、カスコード型を有することができる。この電圧検出回路11b(11)によれば、最低動作電圧は、第1電流ミラー回路22の入力側回路部25における縦続接続の段数に応じて変更される。第1電流ミラー回路22は、第1導電型のトランジスタを含み、第2電流ミラー回路24は、第1導電型と異なる第2導電型のトランジスタを含むことができる。
【0054】
第1電流ミラー回路22は入力側回路部25を含み、第2電流ミラー回路24は出力側回路部27を含む。第3電流路18が、第1電流ミラー回路22及び第2電流ミラー回路24を互いに繋ぐ。
【0055】
第1電流ミラー回路22は、第5MOSトランジスタ(M21)、第6MOSトランジスタ(M22)、第7MOSトランジスタ(M23)、及び第8MOSトランジスタ(M24)の電流ミラー回路を含む。これらのトランジスタ(M21、M22、M23、M24)は、図2の電流ミラー回路23のトランジスタ(M1、M2、M3、及びM4)と同様に、カスコード型電流ミラー回路を構成するように接続される。
【0056】
第2電流ミラー回路24は、第9MOSトランジスタ(M25)、第10MOSトランジスタ(M26)、第11MOSトランジスタ(M27)、及び第12MOSトランジスタ(M28)の電流ミラー回路を含む。これらのトランジスタ(M25、M26、M27、M28)は、図2の電流ミラー回路23のトランジスタ(M1、M2、M3、及びM4)と同様に、カスコード型電流ミラー回路を構成するように接続される。
【0057】
第1電流路17においては、第1電流源31の他端31cは、第1電源ライン16(VDD)に接続される。第1電流源31の一端31bは、電圧差生成回路33の他端33cに接続される。電圧差生成回路33の一端33bは、入力側回路部25に接続される。入力側回路部25は、入力ライン13に接続される。具体的には、電圧差生成回路33は、ツェナーダイオード(D21)を含み、ツェナーダイオード(D21)のアノード端子(33b)は入力側回路部25に接続され、カソード端子(33c)は第1電流源31に接続される。
【0058】
第2電流路19においては、第2電流源41の他端41cは、第2電源ライン21(GND)に接続される。出力側回路部27は、第2電流源41の一端41b及び分流回路43の一端43bに共有ノード45において接続される。具体的には、分流回路43は、ツェナーダイオード(D22)を含み、ツェナーダイオード(D22)のカソード端子(43b)は出力側回路部27に接続され、アノード端子(43c)は、第2電源ライン21に接続される。
【0059】
最低動作電圧は、第5MOSトランジスタ(M21)の閾値電圧Vt21、第7MOSトランジスタ(M23)の閾値電圧Vt23、及びツェナーダイオード(D21)のツェナー電圧Vz21の和として規定される。
【0060】
入力電圧Vinが最低動作電圧を越えて第1電流路17に電流が流れると、電流ミラー回路23は、第3電流路18を介して第2電流路19にミラー電流を生成する。第2電流源41の定電流は、ミラー電流より小さいので、ミラー電流は、第2電流源41及び分流回路43の両方に流れる。具体的には、第2電流源41はミラー電流の一部として定電流I22を流し、ミラー電流の残りは分流回路43に流れる。分流回路43は、ツェナーダイオード(D22)が残りの電流を流す端子電圧を生成する。この端子電圧が、出力電圧Voutになる。
【0061】
入力電圧Vinが最低動作電圧を越えてないと、第1電流路17に電流が流れない。ミラー電流が生成されずに、出力電圧Voutは、第2電流源41の電流がゼロになるように規定されて、第2電源ライン21の電位に等しくなる。
【0062】
第1電流路17では、電流ミラー回路23の入力側回路部25は、1又は複数のダイオード接続されたMOSトランジスタ(M21、M23)を含む。これらのダイオード接続されたMOSトランジスタ(M21、M23)には、第1電源ライン16の電位に対して大きな電位差を生成する入力電圧Vinが入力INに加わるとき、耐圧違反となるような電圧は素子に加わらない。また、電圧差生成回路33の電位差に応じて、第1電流源31の出力素子を高耐圧素子として構成することによって、入力INからの外部電圧を検出することができる。
【0063】
第3電流路18では、入力INに大きい入力電圧Vinが加わるとき、MOSトランジスタ(M24)のドレイン(D)には、第1電源ライン16からトランジスタの2段の閾値電圧だけ低い電圧が加わる。このMOSトランジスタ(M24)には、高耐圧構造を提供する。
【0064】
第2電流路19では、第1電源ライン16に大きい電源電圧VDDが加わるとき、MOSトランジスタ(M28)のゲート(G)には、トランジスタ(M27)のゲート(G)の電圧が加わり、MOSトランジスタ(M28)のドレイン(D)には、分流回路43からの電圧VOUTが加わる。このMOSトランジスタ(M28)に、高耐圧構造を提供する。
【0065】
引き続き、例示的な電圧検出回路を説明する。
【0066】
既に説明したように、MOSトランジスタ(M21~M24)及びMOSトランジスタ(M25~M28)の各々は、カスコード電流ミラー回路を構成する。
【0067】
電圧差生成回路33の素子は、ツェナーダイオード(D21)であり、分流回路43の素子は、ツェナーダイオード(D22)である。電圧差生成回路33及び分流回路43の各々は、ツェナーダイオードに限定されることなく、ダイオード、ダイオード接続のMOS、バイポーラトランジスタ、抵抗といった素子、及びこれらの任意の複数の組み合わせであることができる。第1電流源31は、定電流I21を流し、第2電流源41は、定電流I22を流す。例示的な電流ミラー回路23では、MOSトランジスタ(M21)及びMOSトランジスタ(M22)を含む電流ミラー回路は、MOSトランジスタ(M21)がMOSトランジスタ(M22)の電流の、例えば1倍の電流を流すミラー比を構成する。MOSトランジスタ(M25)及びMOSトランジスタ(M26)を含む電流ミラー回路は、MOSトランジスタ(M26)がMOSトランジスタ(M25)の電流の、例えば2倍の電流を流すミラー比を構成する。例えば、定電流I21は定電流I22と同じ値であることができ、この値は、例えば1マイクロアンペアであることができる。
【0068】
入力INと第1電源ライン16(VDD)との電位差が十分に大きいとき、第1電流源31の電流I21の電流は、MOSトランジスタ(M21)に流れ、電流ミラー回路を構成するMOSトランジスタ(M22)に流れる。次いで、MOSトランジスタ(M22)の電流はMOSトランジスタ(M25)に流れる。MOSトランジスタ(M25)は、電流ミラー回路を構成するMOSトランジスタ(M26)にミラーされて、MOSトランジスタ(M26)は、MOSトランジスタ(M25)の2倍の電流を流す。
【0069】
第1電流源31の電流が1マイクロアンペアに設定されているので、MOSトランジスタ(M21)及びMOSトランジスタ(M22)の電流は、1マイクロアンペアである。MOSトランジスタ(M26)の電流は、2マイクロアンペアである。第2電流源41の電流I22が1マイクロアンペアに設定されているので、分流回路43のツェナーダイオード(D22)は、1マイクロアンペアの電流を流す。1マイクロアンペアの電流を流すツェナーダイオード(D22)は、分流回路43の出力にツェナー電圧Vz22として例えば5Vを発生する。
【0070】
入力INと第1電源ライン16(VDD)との電位差が十分に小さいとき、電圧差生成回路33のツェナーダイオード(D21)のアノードとカソードとの間の電位差が小さくなり、D21のツェナー電流は、ほぼ0マイクロアンペアとなる。MOSトランジスタ(M22)、MOSトランジスタ(M25)、及びMOSトランジスタ(M26)に流れる電流も、ほぼ0マイクロアンペアとなる。第2電流源41の働きによって出力OUTの電圧はほぼ0Vとなる。分流回路43のツェナーダイオード(D22)は、0マイクロアンペアの電流を流す。
【0071】
出力OUTの電圧Voutが5V又は0Vのいずれかであるかについては、以下の式によって表される。
VDD-Vin>Vt21+Vt23+Vz21の時に出力OUTの電圧は、Vout=5V、である。
VDD-Vin<Vt21+Vt23+Vz21の時に出力OUTの電圧は、Vout=0V、である。
「Vt21」及び「Vt23」は、トランジスタ(M21)及びトランジスタ(M23)の閾値を表す。「Vz21」は、ツェナーダイオード(D21)のツェナー電圧を表す。
例示的な電圧検出回路では、第1電流源31の出力素子、MOSトランジスタ(M24)、及びMOSトランジスタ(M28)に高耐圧素子を提供すれば、入力INの電圧Vinと電源VDDとの間の電位差が高電圧でも対応可能である。
【0072】
例示的な電圧検出回路では、入力INと第1電源線(GND)との間に第1電流源31、電圧差生成回路33、第1電流ミラー回路22が配置される。第1電流ミラー回路22の出力は、第2電流ミラー回路24の入力に接続される。第2電流ミラー回路24の出力は、第2電流源41及び分流回路43に接続される。入力電圧Vinが例示的な電圧検出回路の検出電圧値より大きい場合に、電流ミラー回路23の出力電流が第2電流源41の電流より大きくなるように、電流ミラー回路23のミラー比、第1電流源31の電流値及び第2電流源の電流値を設定する。
【0073】
図2及び図3に示された本実施形態に係る例示的な電圧検出回路から理解されるように、電圧差生成回路33及び分流回路43の各々は、非線形な又は線形な電流電圧特性を有することができる。
【0074】
電圧差生成回路33の非線形な電流電圧特性の素子は、例えばダイオード、ゲート及びドレインを互いに接続したMOSトランジスタ(以下「ダイオード接続されたMOSトランジスタ」として参照する)といった2端子又は3端子の素子を包含する。電圧差生成回路33の線形な電流電圧特性の素子は、例えば抵抗体を包含する。第1電流源31の定電流が抵抗体に流れるので、抵抗体の両端の電位差は、抵抗体の抵抗値に比例して大きくなる。
【0075】
電圧差生成回路33の素子は、1又は複数のダイオードを含むことができる。具体的には、電圧差生成回路33の素子は、ツェナーダイオードを含み、電流電圧特性は、ツェナーダイオードの逆方向特性である。この電圧検出回路11によれば、電圧差生成回路33の端子間電圧は、ツェナーダイオードの逆方向特性に従って変化する。
【0076】
電圧差生成回路33の素子は、1又は複数のダイオード接続されたトランジスタを包含することができる。この電圧検出回路11によれば、電圧差生成回路33の端子間電圧は、ダイオード接続されたトランジスタの順方向特性に従って変化する。
【0077】
電圧差生成回路33は、電圧差生成回路33の一端33bと他端33cとの電位差が閾値(例えば、ツェナーダイオードの逆方向耐圧)を越えると電流を流す非線形な電流電圧特性を示す。この電圧検出回路11によれば、電圧差生成回路33の閾値は、電圧差生成回路33が電流を流す端子間電圧の最小値であって、最低動作電圧を調整(増加又は低減)するように働く。
【0078】
分流回路43の非線形な電流電圧特性の素子は、例えばダイオード、ダイオード接続されたMOSトランジスタといった2端子又は3端子の素子を包含する。分流回路43の線形な電流電圧特性の素子は、例えば抵抗体を包含する。電流ミラー回路23の出力側回路部27の定電流の一部が抵抗体に流れるので、抵抗体の両端の電位差は、抵抗体の抵抗値に比例して大きくなる。
【0079】
分流回路43の素子は、1又は複数のダイオードを含むことができる。具体的には、分流回路43の素子は、ツェナーダイオードを含み、電流電圧特性は、ツェナーダイオードの逆方向特性である。この電圧検出回路11によれば、分流回路43の端子間電圧は、ツェナーダイオードの逆方向特性に従って変化する。
【0080】
分流回路43の素子は、1又は複数のダイオード接続されたトランジスタを包含することができる。この電圧検出回路11によれば、分流回路43の端子間電圧は、ダイオード接続されたトランジスタの順方向特性に従って変化する。
【0081】
分流回路43は、分流回路43の一端43bと他端43cとの電位差が閾値(例えば、ツェナーダイオードの逆方向耐圧)より大きいときに電流を流す非線形な電流電圧特性を示す。この電圧検出回路11によれば、分流回路43の閾値は、出力OUTの電圧を変更するように働く。
【0082】
分流回路43の素子は、線形な電流電圧特性を有することができる。具体的には、分流回路43の素子は、抵抗体を含むことができる。電流ミラー回路23の出力電流の一部は第2電流源41に流し、分流回路43にミラー電流の残りを流す。分流回路43の抵抗体は、ミラー電流の残りの電流に応じた電位差を生成し、この電圧差が出力OUTに提供される。
【0083】
本実施形態では、入力ライン13に加わる電圧と半導体装置の内部の電源線の電位との電位差が大きいときにも、コンパレータを用いて電圧検出を行う回路に比べて高耐圧素子の数を減らせる。
【0084】
しかしながら、検出する電圧は、このように大きな電位差に限定されることない。具体的には、本実施形態の電圧検出回路11では、最低動作電圧を調整することによって、様々な検出電圧を設定できる。
【0085】
本実施形態は、様々な側面を有することができる。
【0086】
本実施形態に係る一側面の電圧検出回路は、入力電圧を受けるように構成される入力ラインと、前記入力ラインと第1電源ラインとの間に接続された第1電流路、及び前記入力ラインと第2電源ラインとの間に接続された第2電流路を含む伝達回路と、を備え、前記伝達回路は、前記第1電流路の電流を流す入力側回路部及び前記第2電流路の電流を流す出力側回路部を含む電流ミラー回路を含み、前記第1電流路は、第1電流源、電圧差生成回路、及び前記入力側回路部を含み、前記第1電流源、前記電圧差生成回路、及び前記入力側回路部は、前記入力ラインと前記第1電源ラインとの間に直列に接続され、前記電圧差生成回路は、一端、他端、並びに前記一端及び前記他端の一方から他方への電流経路に抵抗性の素子を有し、前記第2電流路は、分流回路、第2電流源、及び前記出力側回路部を含み、前記第2電流源及び前記出力側回路部は、前記入力ラインと前記第2電源ラインとの間に直列に接続され、前記分流回路は、前記第2電流源に並列に接続され、前記分流回路は、一端、他端、並びに前記一端及び前記他端の一方から他方への電流経路に抵抗性の素子を有し、前記出力側回路部は、共有ノードにおいて前記第2電流源及び前記分流回路に接続され、前記共有ノードは、前記電圧検出回路の出力に接続される。
【0087】
本実施形態に係る第1側面に従う第2側面の電圧検出回路では、前記出力側回路部の流す電流は、前記第2電流源の定電流より大きい。
【0088】
本実施形態に係る第1側面又は第2側面に従う第3側面の電圧検出回路では、前記電流ミラー回路は、カスコード型を有することができる。
【0089】
本実施形態に係る第1側面から第3側面のいずれか一側面に従う第4側面の電圧検出回路では、前記電圧差生成回路の前記素子は、非線形な又は線形な電流電圧特性を有することができる。
【0090】
本実施形態に係る第4側面に従う第5側面の電圧検出回路では、前記電圧差生成回路は、1又は複数のツェナーダイオードを含み、前記電流電圧特性は、前記ツェナーダイオードの逆方向特性であることができる。
【0091】
本実施形態に係る第4側面に従う第5側面の電圧検出回路では、前記電圧差生成回路は、ダイオード接続されたトランジスタを含むことができる。
【0092】
本実施形態に係る第1側面から第6側面のいずれか一側面に従う第7側面の電圧検出回路では、前記分流回路の前記素子は、前記一端及び前記他端の一方から他方への電流経路に非線形な又は線形な電流電圧特性を有することができる。
【0093】
本実施形態に係る第7側面に従う第8側面の電圧検出回路では、前記分流回路は、1又は複数のツェナーダイオードを含み、前記電流電圧特性は、前記ツェナーダイオードの逆方向特性であることができる。
【0094】
本実施形態に係る第7側面に従う第9側面の電圧検出回路では、前記分流回路は、ダイオード接続されたトランジスタを含むことができる。
【0095】
本実施形態に係る第1側面から第9側面のいずれか一側面に従う第10側面の電圧検出回路では、前記第1電源ライン及び前記第2電源ラインは、同電位であることができる。
【0096】
本実施形態に係る第1側面から第9側面のいずれか一側面に従う第11側面の電圧検出回路では、前記伝達回路は、前記入力ラインと前記第1電源ラインとの間に接続された第3電流路を含み、前記電流ミラー回路は、前記第1電流路の電流を前記第3電流路の電流に関連付ける第1電流ミラー回路、及び前記第3電流路の電流を前記第2電流路の電流に関連付ける第2電流ミラー回路を含み、前記第1電源ライン及び前記第2電源ラインは、異電位であることができる。
【0097】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0098】
10・・・半導体装置、11、11a、11b・・・電圧検出回路、13・・・入力ライン、15・・・伝達回路、16・・・第1電源ライン、17・・・第1電流路、18・・・第3電流路、19・・・第2電流路、20・・・第3電源ライン、21・・・第2電源ライン、22・・・第1電流ミラー回路、23・・・電流ミラー回路、24・・・第2電流ミラー回路、25・・・入力側回路部、27・・・出力側回路部、31・・・第1電流源、33・・・電圧差生成回路、41・・・第2電流源、43・・・分流回路、45・・・共有ノード、47・・・入力回路、I1、I2、I22・・・定電流、IN・・・入力、OUT・・・出力、SCM・・・電気信号、VDET・・・電圧信号、VOUT・・・出力電圧、Vin・・・入力電圧、Vout・・・出力電圧、Vt1、Vt3、Vt21、Vt23・・・閾値電圧、Vz1、Vz21・・・ツェナー電圧(逆方向電圧)。
図1
図2
図3