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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158524
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】車両用ドアミラー及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/06 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B60R1/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073785
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】523099264
【氏名又は名称】美里工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松原 智哉
(72)【発明者】
【氏名】大貫 亮
【テーマコード(参考)】
3D053
【Fターム(参考)】
3D053FF30
3D053FF40
3D053GG06
3D053HH04
3D053HH14
3D053HH49
3D053HH55
3D053HH60
(57)【要約】
【課題】ドアミラー及び/又はその製造方法に関して、コスト増を抑制する態様で異種のランプの組み込みを許容する技術を提供すること。
【解決手段】車両用のドアミラー1は、ランプ取付部8と、ランプ取付部8に対してブラケット15を介して取り付けられた第1ランプ6Bと、第1ランプ6Bからの放射光が透過する光学的開口46が設けられたハウジングカバー31を有する。ランプ取付部8は、第1ランプ6Bの代替として第1ランプ6Bとは照明特性が異なる第2ランプ6Aが取付可能であるように構成される。ブラケット15は、ランプ取付部8に取り付けられた状態の第1ランプ6Bの光軸が、ランプ取付部8に第2ランプ6Aが代替的に取り付けられた場合の第2ランプ6Aの光軸とは異なる方向に傾斜するように構成される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のドアミラーであって、
ランプ取付部と、
前記ランプ取付部に対してブラケットを介して取り付けられた第1ランプと、
前記第1ランプからの放射光が透過する光学的開口が設けられたハウジングカバーを備え、
前記ランプ取付部は、前記第1ランプの代替として前記第1ランプとは照明特性が異なる第2ランプが取付可能であるように構成され、
前記ブラケットは、前記ランプ取付部に取り付けられた状態の前記第1ランプの光軸が、前記ランプ取付部に前記第2ランプが代替的に取り付けられた場合の前記第2ランプの光軸とは異なる方向に傾斜するように構成される、ドアミラー。
【請求項2】
前記ハウジングカバーは、前記光学的開口としての開口を画定する周縁又は周壁を有し、前記ブラケットは、前記周縁又は周壁に向けて突出する少なくとも一つの閉鎖リブを有する、請求項1に記載のドアミラー。
【請求項3】
前記少なくとも一つの閉鎖リブは、前記開口の周方向において連続的又は断続的に変化する高さを有する、請求項2に記載のドアミラー。
【請求項4】
前記少なくとも一つの閉鎖リブの高さは、車幅方向外側よりも車幅方向内側において高く設定される、請求項3に記載のドアミラー。
【請求項5】
前記第1ランプは、光源、ハウジング、及び前記ハウジングにより支持され、かつ前記光源から放射した放射光が透過する少なくとも一つのレンズを含み、
前記少なくとも一つの閉鎖リブは、前記少なくとも一つのレンズの外周に設けられる、請求項2に記載のドアミラー。
【請求項6】
前記少なくとも一つの閉鎖リブは、前記少なくとも一つのレンズの光軸周りの全周を延びる、請求項5に記載のドアミラー。
【請求項7】
前記開口を介して前記少なくとも一つのレンズの外側の凸状のレンズ部が外部から視認可能である、請求項5に記載のドアミラー。
【請求項8】
前記ハウジングカバーが前記周壁を有する請求項2に記載のドアミラーであって、
前記周壁は、前記開口の周方向において連続的又は断続的に変化する高さを有し、前記少なくとも一つの閉鎖リブは、前記周壁の高さ変化とは相補的に変化する高さを有する、ドアミラー。
【請求項9】
前記ブラケットは、前記第1ランプを受容する筒状ハウジングを含み、前記筒状ハウジングは、開口した内端部と、前記内端部の反対側の外端部を有し、当該外端部には、前記少なくとも一つの閉鎖リブが設けられた少なくとも一つのフランジが設けられる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のドアミラー。
【請求項10】
前記ブラケットは、前記ドアミラーが車両に取付られた状態において、前記ランプ取付部に取り付けられた状態の前記第1ランプの光軸が、前記ランプ取付部に前記第2ランプが代替的に取り付けられた場合の前記第2ランプの光軸よりも車幅方向内側に傾斜するように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のドアミラー。
【請求項11】
前記第1ランプは、所定の図柄又はロゴを投影する投影装置である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のドアミラー。
【請求項12】
前記ランプ取付部は、前記ハウジングカバーと共に収容空間を画定するミラーハウジングに設けられる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のドアミラー。
【請求項13】
車両用のドアミラーであって、
ランプ取付部と、
前記ランプ取付部に対してブラケットを介して取り付けられた第1ランプと、
前記第1ランプからの放射光が透過する開口が設けられたハウジングカバーを備え、
前記ブラケットは、前記開口の周囲において前記ハウジングカバーに向けて突出する少なくとも一つの閉鎖リブを有し、前記少なくとも一つの閉鎖リブは、前記開口の周方向において変化する高さを有する、ドアミラー。
【請求項14】
前記ハウジングカバーは、前記開口を画定するように形成された周壁を有し、当該周壁は、前記開口の周方向において連続的又は断続的に変化する高さを有し、前記閉鎖リブの高さ変化と前記周壁の高さ変化が相補的である、請求項13に記載のドアミラー。
【請求項15】
前記少なくとも一つの閉鎖リブの高さは、車幅方向外側よりも車幅方向内側において高く設定される、請求項13に記載のドアミラー。
【請求項16】
車両用ドアミラーの製造方法であって、
所定の金型装置を用いてランプ取付部を有するハウジングパーツを連続成形すること、
第1ランプに対してブラケットに装着してランプユニットを組み立てること、
連続成形された前記ハウジングパーツの群に含まれる第1のハウジングパーツの前記ランプ取付部に対して前記ランプユニットの前記ブラケットを取り付けること、
連続成形された前記ハウジングパーツの群に含まれる第2のハウジングパーツの前記ランプ取付部に対して第2ランプを取り付けることを含む、車両用ドアミラーの製造方法。
【請求項17】
前記ブラケットは、前記ブラケットを介して前記ランプ取付部に取り付けられた状態の前記第1ランプの光軸が、前記ランプ取付部に前記第2ランプが代替的に取り付けられた場合の前記第2ランプの光軸とは異なる方向に傾斜するように構成される、請求項16に記載の車両用ドアミラーの製造方法。
【請求項18】
前記第1及び第2ランプに関して共通に設けられた開口を有するハウジングカバーを所定の金型装置を用いて連続成形することを更に含む、請求項16に記載の車両用ドアミラーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用ドアミラー及びその製造方法に関し、より詳細には少なくとも一つのランプが組み込まれたドアミラー及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両用サイドミラーのハウジング内にカメラとランプを組み付けることが開示されている。同文献の図2に示すようにカメラ50とランプ60が共通のネジBによって固定されている。
【0003】
特許文献2にはドアミラーにランプを組み込んで車両への乗員の乗り降りに際して足下照明を提供することが開示されている。
【0004】
特許文献3には車両の外面に装飾的な光デザインを投影する投影装置を車両に組み込むことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-78559号公報
【特許文献2】特開平11-198717号公報
【特許文献3】米国特許第7175321号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ドアミラーのハウジング内にランプを設置するため、そのランプが取り付けられるランプ取付部をドアミラーの構成パーツ(例えば、ミラーハウジング、ハウジングカバー、又は他のハウジングパーツ)に設ける場合がある。しかしながら、そのようなランプは、必ずしも一種類しかないわけではない。具体例を挙げれば、同一車種向けのドアミラーであっても、足下照明のための照明ランプに代替してロゴの投影のための投影ランプが取り付けられる場合がある。このような状況下において、異なるランプ種毎にドアミラーの構成パーツを成形又は造形するとすれば製造コスト増(例えば、金型コスト増)は避けられない。
【0007】
本願発明者は、上述の非限定の例示の説明から理解できるように、ドアミラー及び/又はその製造方法に関して、コスト増を抑制する態様で異種のランプの組み込みを許容する技術を提供するという新たな課題を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る車両用ドアミラーは、ランプ取付部と、前記ランプ取付部に対してブラケットを介して取り付けられた第1ランプと、前記第1ランプからの放射光が透過する光学的開口が設けられたハウジングカバーを備える。前記ランプ取付部は、前記第1ランプの代替として前記第1ランプとは照明特性が異なる第2ランプが取付可能であるように構成される。前記ブラケットは、前記ランプ取付部に取り付けられた状態の前記第1ランプの光軸が、前記ランプ取付部に前記第2ランプが代替的に取り付けられた場合の前記第2ランプの光軸とは異なる方向に傾斜するように構成される。
【0009】
本開示の別態様に係る車両用のドアミラーは、ランプ取付部と、前記ランプ取付部に対してブラケットを介して取り付けられた第1ランプと、前記第1ランプからの放射光が透過する開口が設けられたハウジングカバーを備える。前記ブラケットは、前記開口の周囲において前記ハウジングカバーに向けて突出する少なくとも一つの閉鎖リブを有し、前記少なくとも一つの閉鎖リブは、前記開口の周方向において変化する高さを有する。
【0010】
幾つかの実施形態においては、前記ハウジングカバーは、前記光学的開口としての開口を画定する周縁又は周壁を有し、前記ブラケットは、前記周縁又は周壁に向けて突出する少なくとも一つの閉鎖リブを有する。
【0011】
幾つかの実施形態においては、前記少なくとも一つの閉鎖リブは、前記開口の周方向において連続的又は断続的に変化する高さを有する。
【0012】
幾つかの実施形態においては、前記少なくとも一つの閉鎖リブの高さは、車幅方向外側よりも車幅方向内側において高く設定される。
【0013】
幾つかの実施形態においては、前記第1ランプは、光源、ハウジング、及び前記ハウジングにより支持され、かつ前記光源から放射した放射光が透過する少なくとも一つのレンズを含み、前記少なくとも一つの閉鎖リブは、前記少なくとも一つのレンズの外周に設けられる。
【0014】
幾つかの実施形態においては、前記少なくとも一つの閉鎖リブは、前記少なくとも一つのレンズの光軸周りの全周を延びる。
【0015】
幾つかの実施形態においては、前記開口を介して前記少なくとも一つのレンズの外側の凸状のレンズ部が外部から視認可能である。
【0016】
幾つかの実施形態においては、前記ハウジングカバーが前記周壁を有し、前記周壁は、前記開口の周方向において連続的又は断続的に変化する高さを有し、前記少なくとも一つの閉鎖リブは、前記周壁の高さ変化とは相補的に変化する高さを有する。
【0017】
幾つかの実施形態においては、前記ブラケットは、前記第1ランプを受容する筒状ハウジングを含み、前記筒状ハウジングは、開口した内端部と、前記内端部の反対側の外端部を有し、当該外端部には、前記少なくとも一つの閉鎖リブが設けられた少なくとも一つのフランジが設けられる。
【0018】
幾つかの実施形態においては、前記ブラケットは、前記ドアミラーが車両に取付られた状態において、前記ランプ取付部に取り付けられた状態の前記第1ランプの光軸が、前記ランプ取付部に前記第2ランプが代替的に取り付けられた場合の前記第2ランプの光軸よりも車幅方向内側に傾斜するように構成される。
【0019】
幾つかの実施形態においては、前記第1ランプは、所定の図柄又はロゴを投影する投影装置である。
【0020】
幾つかの実施形態においては、前記ランプ取付部は、前記ハウジングカバーと共に収容空間を画定するミラーハウジングに設けられる。
【0021】
幾つかの実施形態においては、前記ハウジングカバーは、前記開口を画定するように形成された周壁を有し、当該周壁は、前記開口の周方向において連続的又は断続的に変化する高さを有し、前記閉鎖リブの高さ変化と前記周壁の高さ変化が相補的である。
【0022】
本開示の更なる別態様に係る車両用ドアミラーの製造方法は、所定の金型装置を用いてランプ取付部を有するハウジングパーツを連続成形すること、第1ランプに対してブラケットに装着してランプユニットを組み立てること、連続成形された前記ハウジングパーツの群に含まれる第1のハウジングパーツの前記ランプ取付部に対して前記ランプユニットの前記ブラケットを取り付けること、連続成形された前記ハウジングパーツの群に含まれる第2のハウジングパーツの前記ランプ取付部に対して第2ランプを取り付けることを含む。
【0023】
幾つかの実施形態においては、前記ブラケットは、前記ブラケットを介して前記ランプ取付部に取り付けられた状態の前記第1ランプの光軸が、前記ランプ取付部に前記第2ランプが代替的に取り付けられた場合の前記第2ランプの光軸とは異なる方向に傾斜するように構成される。
【0024】
幾つかの実施形態においては、上述の製法は、前記第1及び第2ランプに関して共通に設けられた開口を有するハウジングカバーを所定の金型装置を用いて連続成形することを更に含む。
【発明の効果】
【0025】
本開示の一態様によれば、コスト増を抑制する態様で異種のランプの組み込みを許容する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本開示の一態様に係るドアミラーの前面図であり、そこに内蔵されたカメラ及びランプを点線にて併せて示す。
図2】ドアミラーの後面図であり、そこに内蔵されたカメラ及びランプを点線にて併せて示す。
図3】ドアミラーの下面図であり、その下部カバーにはカメラ及びランプ用の開口が個別に形成されている。
図4】ミラーハウジングと共に収容空間を画定する下部カバーの概略的な後面図である。
図5】下部カバーの概略的な斜視図である。
図6】下部カバーの概略的な斜視図であり、カメラ取付状態を示す。
図7】ミラーハウジングのランプ取付部への照明ランプの取付状態を示す前面図である。
図8】ミラーハウジングのランプ取付部への投影ランプの取付状態を示す前面図である。
図9】下部カバーの開口に対する照明ランプの位置を主に示す模式図である。
図10】照明ランプの概略的な斜視図である。
図11】下部カバーの開口に対する投影ランプの位置を主に示す模式図である。
図12】投影ランプの概略的な側面図である。
図13】投影ランプの概略的な下面図である。
図14】ドアミラーの製造方法に関する概略的なチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しつつ、本発明の非限定の実施形態及び特徴について説明する。当業者は、過剰説明を要せず、各実施形態及び/又は各特徴を組み合わせることができ、この組み合わせによる相乗効果も理解可能である。実施形態間の重複説明は、原則的に省略する。参照図面は、発明の記述を主たる目的とするものであり、作図の便宜のために簡略化されている。各特徴は、本明細書に開示されたドアミラー及びその製造方法にのみ有効であるものではなく、本明細書に開示されていない他の様々なドアミラー及びその製造方法にも通用する普遍的な特徴として理解される。
【0028】
図1乃至図3を参照して説明する。図1は、ドアミラー1の前面図であり、そこに内蔵されたカメラ5とランプ6を点線にて併せて示す。図2は、ドアミラーの後面図であり、そこに内蔵されたカメラ5とランプ6を点線にて併せて示す。図3は、ドアミラーの下面図であり、その下部カバー31にはカメラ5とランプ6用の開口が個別に形成されている。ドアミラー1に関して、ドアミラー1の外部の任意の第1位置とドアミラー1の内部の任意の第2位置を結ぶ直線に関して、第2位置よりも第1位置に近い位置又はそこに向かう方向を外側と呼び、第1位置よりも第2位置に近い位置又はそこに向かう方向を内側と呼ぶ。上下・左右・前後方向は、車両に対してドアミラー1が取り付けられた状態を前提として用いる。上下・左右・前後方向は、車両に乗車した運転手を基準とする。車幅方向、鉛直方向、及び進行方向は、図1乃至図3等に図示の座標に示す通りである。
【0029】
ドアミラー1は、車両のドアパネルに締結具によって締結され、車両(不図示)の運転手に後方視界(所謂、リアビュー又はバックビュー)を提供する。典型的には、ドアミラー1は、ベース11、ベース11に対して回転軸AX3周りに手動又は電動で回動可能に設けられたミラーアセンブリー12を有する。ベース11は、車両のドアパネルに締結具によって締結される。ベース11は、ベースハウジング、シャフトホルダー、ハーネスガイド等の多数のパーツの組み合わせから成り得る。
【0030】
ミラーアセンブリー12は、典型的には不図示のシャフトを介してベース11に対して回転可能に連結される。ミラーアセンブリー12が展開位置にある時(図1及び図2参照)、ミラー35が後方を臨むように位置付けられる。ミラーアセンブリー12が格納位置にある時(不図示)、ミラー35が車両側面に対向して位置付けられる。シャフトの構造に基づいてミラーアセンブリー12は展開位置と格納位置の間で電動制御可能であり得る。また、ミラー35は、不図示のミラー駆動ユニットの作動に応じて揺動可能であり得る。これらの駆動機構は、本分野において周知であり、説明は省略する。
【0031】
ミラーアセンブリー12は、複数のハウジングパーツから組み立てられ得る。ハウジングパーツは、金属又は樹脂から成り、ダイカスト成形又は射出成形により成形されるが、他の造形方法も採用可能である。幾つかの場合、ミラーアセンブリー12は、ハウジングパーツとして、ミラーハウジング3、ミラーハウジング3と共にドアミラー1の収容空間を画定する下部カバー31、及びミラーハウジング3及び下部カバー31と共にドアミラー1の収容空間を画定する上部カバー32を有する。ミラーハウジング3は、ミラー35のハウジングとして機能し、かつ様々なパーツ、アクチュエータ、ハーネス等の支持部として機能し得る。下部カバー31及び上部カバー32は、ミラーハウジング3よりも軽量であり得る。これらのパーツの外観形状は、デザイン要求などの種々の要求に応じて変更可能である。下部及び上部カバーを区別することなく単にハウジングカバーとも呼ぶ。
【0032】
ミラーアセンブリー12の収容空間、例えば、ミラーハウジング3と下部カバー31により画定される収容空間にカメラ5及びランプ6が配備される。下部カバー31には、カメラ5と外部空間を光学的に連通する開口45と、ランプ6と外部空間を光学的に連通する開口46が形成される。開口45,46は、ドアミラー1が車両に取り付けられた状態で鉛直方向下方を向き、即ち、車両が走行する走行面(例えば、路面)を臨む。開口45,46は、何ら物体により占有されていない無の空間を意味するが、光線の透過を許容する透明な窓材(例えば、ガラス板、透明プラスチック板)が配置された光学的開口として設けることもできる。ランプ用の開口46は、カメラ用の開口45よりも大きく形成されるが、必ずしもこの限りではない。
【0033】
カメラ5は、安全運転の支援のために車両周囲を撮影するモニターとして用いられるが、他の目的(車両周囲の物体検出)のために用いることもできる。ランプ6は、路面及び/又は車両側面を照明する装置であり、典型的には、照明ランプ(例えば、足下照明ランプ)及び投影ランプのいずれかであり得る。照明ランプは、車両のドアの開放又はカメラ5の稼働に同期して点灯し得る。投影ランプは、車両のドアの開放又はロック解除又は他のイベントに同期して点灯し得る。照明ランプは、投影ランプよりも広範囲を照明し、この点から異なる照明特性を持つものと言える。投影ランプは、照明ランプとは異なり、凸レンズを有することがあり、この点から異なる照明特性を持つものと言える。ランプ6として他の様々な種類のランプを採用可能である。投影ランプは、車両のメーカー又は車種に関する又はこれとは無関係のロゴ又は図柄を投影し得る。
【0034】
図1に図示の如く、ミラーアセンブリー12の回転軸AX3に平行な軸線L1に対するカメラ5の光軸AX5の(鋭角の)なす角θ1は、ミラーアセンブリー12の回転軸AX3に平行な軸線L2に対するランプ6の光軸AX6の(鋭角の)なす角θ2よりも大きく、これにより車両から十分に離れた範囲で画像取得することができる。軸線L1,L2を鉛直方向に平行な軸線と読み替えても同様である。
【0035】
図4を参照して説明する。下部カバー31は、開口45を画定する周縁部41を有し、更には、開口46を画定する周壁42を有する。開口45の画定のために周壁を設けることもできる。開口46の画定のために周縁を設けることもできる。周壁42は、ドアミラー1(ミラーアセンブリー12)の内側に向かって延び、好適には窄むように延びる(図5,6も併せて参照)。即ち、開口46の開口幅は、ランプ6の光軸に沿って開口46が外側に延びるに応じて増加し得る。有利には、周壁42の高さは、開口46の周方向において連続的(図示例参照)又は断続的(不図示)に変化する。これにより後述のランプ6Aのために周壁42の形状を最適化することができる。有利には、周壁42は、車幅方向内側よりも車幅方向外側において高く設定される。尚、車幅方向内側は、車両の車幅中心で車両の進行方向に延びる車両の中心線により近い位置又はそこに近づく方向を意味し、車幅方向外側は、その中心線からより離れた位置又はそこから離れる方向を意味する。
【0036】
図4乃至図6に図示の如く、下部カバー31は、カメラ5が取り付けられるカメラ取付部7を有する。カメラ5は、ブラケット9(図6参照)を介してカメラ取付部7に取り付けられる。カメラ取付部7は、ブラケット9の脚部91を保持する保持部71と、ブラケット9の座板92がネジ止めされるボス72から構成される。参考までに図5及び図6にカメラ5の取付前後の下部カバー31の斜視図を示す。カメラ5は省略可能であり、カメラ取付部7についても同様である。
【0037】
図7及び図8を参照して更に説明する。図7は、ミラーハウジング3のランプ取付部8への照明ランプ6A(以下、単にランプ6Aと呼ぶ場合がある)の取付状態を示す前面図である。図8は、ミラーハウジング3のランプ取付部8への投影ランプ6B(以下、単にランプ6Bと呼ぶ場合がある)の取付状態を示す前面図である。ドアミラー1が取り付けられる車両の車種又はそのグレードによって照明ランプ6A及び投影ランプ6Bのいずれかが選択的に採用される。照明ランプ6A及び投影ランプ6Bのいずれが採用される場合においても、照明ランプ6A及び投影ランプ6Bそれぞれが同一構造のミラーハウジング3の同一構造のランプ取付部8に対して取り付けられる。即ち、ランプ6の種類を問わず、共通のミラーハウジング3を利用することができる。これにより製造コスト増(例えば、金型コスト増)を抑制又は回避し、ドアミラー1のコスト増を回避又は抑制できる。
【0038】
ミラーハウジング3は下部カバー31よりもサイズが大きく及び/又は機械的強度も高い。従って、下部カバー31ではなくミラーハウジング3にランプ取付部8を設けることでランプ6をより安定して取付固定することができる。勿論、ランプ取付部8は、ドアミラー1の任意のパーツに設けることができ、下部カバー31に設けることもできる。
【0039】
図7及び図8に示すようにミラーハウジング3の前面34にはランプ取付部8が設けられる。これに限られるべきではないが、ランプ取付部8は、2つのボス81,82から構成され、ミラーハウジング3の前面34から前方に起立している。各ボスには、締結具(例えば、ネジの軸部)が挿入される挿入孔が形成されている。ボス以外の構造も採用可能である。ランプ取付部8の位置及び/又は構造について特に限定はない。ミラーハウジング3に対して取り付けられたミラーハウジング3とは別のパーツにランプ取付部8を設けることも可能である。
【0040】
図7に示す場合、照明ランプ6Aが直にランプ取付部8に対して締結具で取り付けられている(例えば、2個のボス81,82に2本の締結具で個別に締結されている)。他方、図8に示す場合、投影ランプ6Bがブラケット15を介してランプ取付部8に対して締結具で取り付けられている(例えば、2個のボス81,82に2本の締結具で個別に締結されている)。ランプ6A,6Bのためにランプ取付部8を同一構造とすることがブラケット15の使用によって可能になる。有利には、ランプ6Bがブラケット15を介してランプ取付部8に取り付けられ、これと同時にランプ6Bの光軸の最適な設定が達成される。
【0041】
ブラケット15は、ランプ取付部8に取り付けられた状態の投影ランプ6B(第1ランプ)の光軸AX6bが、ランプ取付部8に照明ランプ6A(第2ランプ)が代替的に取り付けられた場合の照明ランプ6Aの光軸AX6aとは異なる方向に傾斜するように構成される(図8参照)。図8に図示した光軸AX6aと光軸AX6bの交差は、例えば、ドアミラー1が車両に取付られた状態において前方又は後方から観察することができる。光軸AX6bは、投影ランプ6Bから照明先(例えば、路面)に向けて延び、照明ランプ6Aの光軸AX6aは、照明ランプ6Aから照明先(例えば、路面)に向けて延びる。光軸AX6a,AX6bの(鋭角の)なす角は、30°以下又は20°以下又は10°以下又は5°以下であり得る。
【0042】
一例の設計手法においては、ブラケット無しでの照明ランプ6Aの取り付けのためにランプ取付部8を設計する。そのランプ取付部8への投影ランプ6Bの取り付けのためにブラケット15を設計する。ここで、ランプ取付部8に対してブラケット15を取り付けた状態における投影ランプ6Bの姿勢は、ランプ取付部8に対するブラケット15の配向に基づいて調整することができる。具体的には、後述のブラケット15の筒状ハウジング16に対する被締結部27’と被締結部28’の位置の調整によりランプ6B(その光軸)の配向を調整することができる。ランプ6Bがブラケット15を介してランプ取付部8に取り付けられ、これと同時にランプ6Bの光軸の最適な設定が達成され、光軸調整に追加作業は不要である。このようにしてランプ取付部8が設けられたパーツ(図示例ではハウジングパーツ)の共通化と各ランプ6A,6Bの光軸の最適設定の両立が図られる。
【0043】
更には、ブラケット無しで照明ランプ6Aをランプ取付部8に取り付けることにより部品点数を削減できる。ランプ6Bではなくランプ6Aのためにブラケットを設計することもできることに留意されたい。但し、代替可能なランプとして照明ランプ6Aと投影ランプ6Bが採用される場合、有利には数量が少ないことが見込まれる投影ランプ6Bのためにブラケットが設計される。更に有利には、ブラケット15は、光軸AX6aよりも光軸AX6bが車幅方向内側に傾斜するように構成される(図8参照)。これにより車両からより近い位置にロゴ又は図柄を投影することができ、車両との一体感又は関連性を高めることができる。他方、ランプ6Aは、車両からより離れた位置で路面を照明することができ、車両の乗員又はカメラ5に対してより効果的な照明を提供することができる。
【0044】
図9及び図10を参照して説明する(図7も併せて参照する)。ランプ6Aは、ランプ6Bよりも広範囲を照明する照明装置であり、光源21が実装された基板22と、基板22を収容するハウジング23を有する。光源21は、LED(Light Emitting Diode)又はLD(Laser Diode)といった半導体発光素子であり、ハーネスを介して供給される電流に応じて発光する。基板22には光源21のみではなくその駆動回路も実装され得る。ハウジング23は、内側パーツ24と外側パーツ25を含む。少なくとも外側パーツ25は透明材料(例えば、可視光線を透過する透明樹脂)から成る。内側パーツ24に基板22が固定される。外側パーツ25が内側パーツ24に組み合わされ、外側パーツ25のレンズ部26が光源21の光軸上にアライメントされる。レンズ部26は、例えば、光源21から放射された光束を屈折させる傾斜面26aを有する。開口46を介して傾斜面26aを外部から視認可能である。傾斜面26aは、下部カバー31の外面に対して周壁42の高さだけ上方にオフセットして位置する。尚、ランプ6Aの光軸AX6aは、光源21又はレンズ部26の光軸に合致し、追加又は代替として放射光束の輝度分布の最大輝度点に対応するものと理解できる。
【0045】
外側パーツ25(例えば、レンズ部26)は、ミラーアセンブリー12の内側から上述の開口46を塞ぐように設けられる。外側パーツ25の外面(レンズ部26の傾斜面26a)は、下部カバー31の開口46を画定する周壁42の頂部又は頂面(周壁の内端と呼んでも良い)に隣接し、好適には、僅かな隙間を空けて隣接し、又は、隙間を空けることなく当接する。これにより車両の走行中の風音が発生することが抑制される。
【0046】
ランプ6Aのハウジング23には、開口46から離れるように延びる平板状の被締結部27,28が一体的に設けられている。これによりランプ取付部8に対してランプ6Aをブラケット無しで取り付けることができる。ランプ6Aのハウジング23がブラケットを兼務しているとも言える。ランプ6Aに対して専用のブラケットを用いないことにより部品点数を削減して低コスト化を促進できる。この目的に関して、ランプ6Aは、ランプ6Bよりも安価であり、ランプ6Bとは異なり、ハウジングと別体のレンズを有しないものであり得る。
【0047】
被締結部27は、内側パーツ24(光源21の設置面とは反対側の面)から上方に延びる。被締結部28は、被締結部27よりも車幅方向内側に位置し、車幅方向内側に向けて右斜め上方に延びる。被締結部27,28それぞれは、締結具の軸部(例えば、ネジ、ボルトの軸部)が挿通される孔と、その孔の周囲で締結具の頭部(ネジ、ボルトの頭部)が座する座面を有する。被締結部の個数、位置、及び形状に関して何ら限定はなく、任意に変更可能である。
【0048】
図11乃至図13を参照して説明する(図8も併せて参照する)。ランプ6Bは、所定の図柄又はロゴを投影する投影装置である。ランプ6Bは、光源21’が実装された基板22’と、ハウジング23’と、ハウジング23’により支持され、光源21’から放射した放射光が透過する少なくとも一つのレンズ29を有する。ロゴ又は図柄の明像又は暗像の形成のためにロゴ又は図柄に対応した光透過パターンが形成された遮光板をハウジング23’内に組み込むことができる。この目的のために他の構成も採用可能である。
【0049】
ハウジング23’は、円筒状パーツであり、内端部(図示の場合、上端部)23aと外端部(図示の場合、下端部)23bを有する。内端部23aは、基板22’を受容するように構成される。外端部23bは、レンズ29を保持するように形状付けられる。レンズ29は、その内側に凸状のレンズ部(レンズ面)29aを有し、その外側により光学的パワーが大きい凸状のレンズ部(レンズ面)29bを有する。開口46を介してレンズ部29bが外部から視認可能であり、有利には、その全体が視認可能である。これは、開口46がレンズ29のために最適化されておらず、ランプ6Aのレンズ部26のために最適化された結果であり得る。尚、ハウジング23’にはランプ取付部8への取付のための被締結部が設けられない。
【0050】
ブラケット15は、ランプ6Bを受容する筒状ハウジング16と、被締結部27’,28’を有する。被締結部27’は、筒状ハウジング16から上方に延びる。被締結部28’は、被締結部27’よりも車幅方向内側に位置し、端的には、筒状ハウジング16の車幅方向内側に位置してそこに連結する。被締結部27’,28’それぞれは、締結具の軸部(例えば、ネジ、ボルトの軸部)が挿通される孔と、その孔の周囲で締結具の頭部(ネジ、ボルトの頭部)が座する座面を有する。被締結部の個数、位置、及び形状に関して何ら限定はなく、任意に変更可能である。
【0051】
筒状ハウジング16は、開口した内端部(図示の場合、上端部)16aと、内端部16aの反対側の外端部(図示の場合、下端部)16bを有する。筒状ハウジング16の内端部16aの開口を介してブラケット15内にランプ6Bを挿入することができる。ブラケット15の外端部16bには、光軸AX6bに関して径方向内側に延びるフランジ17が設けられる。フランジ17によってブラケット15に挿入されたランプ6Bの停止位置が定められ得る(外端部23bがフランジ17の内面に当接し得る)。ランプ6Bとブラケット15の連結のために、圧入、嵌合、接着、溶着といった任意の方法を採用可能である。この意味でブラケット15の具体的な形状は任意である。
【0052】
ブラケット15は、開口46の周囲において下部カバー31に向けて突出する少なくとも一つの閉鎖リブ18を有する。好適には、閉鎖リブ18は、ブラケット15のフランジ17に凸設される。オプションとして、閉鎖リブ18は、開口46の周方向に連続的に延び、即ち、環状に形成される。図示例では、閉鎖リブ18は、開口46を画定する周壁42に向けて突出する。周壁が設けられない場合、閉鎖リブ18は、開口46を画定する周縁に向けて突出する。これにより閉鎖リブ18がない場合に生じ得るブラケット15と下部カバー31の間の隙間が閉鎖される。
【0053】
閉鎖リブ18がない場合、ブラケット15と下部カバー31の間に隙間が生じ、車両走行時に風音が発生するおそれがあるが、ブラケット15に対して閉鎖リブ18を設けることによりこの問題が回避又は抑制される。ランプ6B、即ち、ランプ6Bの光軸の最適な配向を確保しつつブラケット15の形状を合理的なものとする場合には上述の隙間が発生しやすい。
【0054】
閉鎖リブ18は、開口46の周方向において連続的又は断続的に変化する高さを有し得る(換言すれば、レンズ29の光軸AX6b周りに連続的又は断続的に変化する高さを有し得る)。上述のように閉鎖リブ18の高さを開口46の周方向において変えることにより、ランプ6Bの光軸の最適化と隙間の閉鎖を上手く両立することができる。照明ランプ6Aと投影ランプ6Bとの関係において、有利には、閉鎖リブ18の高さは、車幅方向外側よりも車幅方向内側において高く設定される。
【0055】
閉鎖リブ18の高さ変化は、周壁42の高さ変化と相補的であり得る。斯くして、ランプ6Aのために周壁42を最適に形状付けながらランプ6Bに関して風音低減効果も促進できる。尚、閉鎖リブ18の延在方向に直交する平面における閉鎖リブ18の断面形状は、矩形や面取りされた矩形に限らず、三角形又は他の形状であっても良い。閉鎖リブ18の頂面(ミラーアセンブリー12の内外方向に関して、閉鎖リブの最外側の面)は、必ずしも平坦な傾斜面である必要はない。
【0056】
閉鎖リブ18は、レンズ29(特にはレンズ部29b)の外周に設けられる。閉鎖リブ18によりレンズ29を保護することが促進される。追加又は代替として、閉鎖リブ18は、レンズ29よりも低背であり得る。これによりレンズ29が過度に内側に位置付けられることが回避又は抑制される。
【0057】
ランプ6A,6Bの機能について補足的に説明する。ランプ6Aの光源21から放出された光束は、ハウジング23の内部空間を伝搬し、外側パーツ25のレンズ部26にて光学的作用(例えば、屈折)を受け、発散光として開口46を透過し、ドアミラー1の外部空間を伝搬し、最終的に照明先(例えば、路面)に到達する。光束は、その後、路面にて反射されてヒトの目又はカメラに向けて伝搬する。
【0058】
ランプ6Bの光源21’から放出された光束は、遮光板の光透過パターンを透過してパターニングされ、レンズ29にて凸レンズ作用を受け、収束光として開口46を透過し、ドアミラー1の外部空間を伝搬し、最終的に照明先(例えば、路面)に到達する。光束は、その後、路面にて反射されてヒトの目に向けて伝搬する。光束は、その後、路面にて反射されてヒトの目に向けて伝搬する。凸レンズ作用によって光束は発散角が低下し得るが、収束光ではなく発散光として伝搬することも可能である。
【0059】
ランプ取付部8へのランプ6A,6Bの取付方法は上述の説明から明らかである。念のため説明すれば、ランプ6Aは、そのハウジング23の被締結部27,28がボス81,82に位置合わせされ、締結具で締結される。ランプ6Bは、まずブラケット15に収納されて両者のユニットが得られる。続いて、ブラケット15の被締結部27’,28’がボス81,82に位置合わせされ、締結具で締結される。ミラーハウジング3に対して下部カバー31が取り付けられることによりランプ6A,6Bに対して開口46が適切にアライメントされる。
【0060】
図14を参照して車両用ドアミラーの製造方法について説明する。この製造方法は、所定の金型装置を用いてランプ取付部を有するハウジングパーツを連続成形すること(S1)を含む。ハウジングパーツは、例えば、上述のミラーハウジング3であるが、これに限られない。ダイカスト成形又は射出成形を活用することができる。ハウジングパーツは、構造が複雑である。従って、金型装置の構成も複雑であり、非常に高価である。
【0061】
当該製造方法は、更に、ランプ6B(第1ランプ)とブラケット15を組み合わせること(S2)を含み、これによりランプユニットが組み立てられる。ブラケット15の筒状ハウジング16内にランプ6Bを挿入して両者を組み合わせてユニット化する。嵌合による両者の組み合わせのためにロック部と被ロック部を各々に個別に設けることができる。接着又は溶接といった他の手段も採用可能である。S1とS2の順番を逆にすることもできる。
【0062】
当該製造方法は、更に、連続成形されたハウジングパーツの群に含まれる第1のハウジングパーツのランプ取付部に対してランプユニットのブラケット15を取り付けること(S3)を含む。これによりランプ6Bを内蔵するドアミラーの半製品が得られる。
【0063】
当該製造方法は、更に、連続成形されたハウジングパーツの群に含まれる第2のハウジングパーツのランプ取付部に対してランプ6A(第2ランプ)を取り付けること(S4)を含む。これによりランプ6Aを内蔵するドアミラーの半製品が得られる。尚、ここで述べた第2のハウジングパーツは、第1のハウジングパーツと同様、S1により得られたものである。
【0064】
上述の如くS3,S4で得られた半製品は、他のパーツの組み付けといった追加の工程を経て最終的にドアミラー1の製品になる。この点は、本分野において周知であり、詳細な説明は省略する。このように異なる種類のランプ6に関して共通のハウジングパーツ(例えば、ミラーハウジング3)を利用することができる。これにより金型のコスト増を抑制又は回避し、ドアミラー1のコスト増を回避又は抑制することができる。
【0065】
オプションとして、当該製造方法は、ランプ6A,6Bに関して共通に設けられた開口46を有するハウジングカバー(例えば、下部カバー31)を所定の金型装置を用いて連続成形することを更に含むことができる。この特徴は、ランプ取付部がミラーハウジング3以外のハウジングパーツに設けられる形態に関する。
【0066】
ブラケット15について上述した1以上の特徴が製法に関しても適用可能である。例えば、ブラケット15によってランプ6Bの光軸がランプ6Aの光軸とは異なる方向に傾斜する。ランプ取付部へのブラケット15の取付によってランプ6Bの光軸を自動的に設定することができる。ブラケット15が閉鎖リブ18を有することにより風音低減効果が得られる。これ以上の冗長説明は当業者には冗長であり、従って、省略する。
【符号の説明】
【0067】
1 :ドアミラー
3 :ミラーハウジング

6 :ランプ
6A :照明ランプ
6B :投影ランプ
8 :ランプ取付部

15 :ブラケット
16 :筒状ハウジング
16a :内端部
16b :外端部
17 :フランジ
18 :閉鎖リブ
21 :光源
21' :光源
23 :ハウジング
23' :ハウジング
23a :内端部
23b :外端部
26 :レンズ部
29 :レンズ
29b :レンズ部
35 :ミラー
42 :周壁
45 :開口
46 :開口
60 :ランプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14