IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社寺岡精工の特許一覧

<>
  • 特開-物品処理装置 図1
  • 特開-物品処理装置 図2
  • 特開-物品処理装置 図3
  • 特開-物品処理装置 図4
  • 特開-物品処理装置 図5
  • 特開-物品処理装置 図6
  • 特開-物品処理装置 図7
  • 特開-物品処理装置 図8
  • 特開-物品処理装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158530
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】物品処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/40 20060101AFI20241031BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20241031BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20241031BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B65C9/40
B41J5/30 B
B41J29/42 F
B65B57/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073792
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】上杉 誠
(72)【発明者】
【氏名】細谷 暢
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
3E095
【Fターム(参考)】
2C061AP10
2C061AQ04
2C061AS08
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061CQ41
2C187AC05
2C187AD05
2C187AE01
2C187AG08
2C187BG37
2C187BG40
2C187CD14
3E095BA02
3E095CA01
3E095CA02
3E095DA32
3E095DA42
3E095DA62
3E095DA82
3E095EA24
3E095EA34
3E095EA40
3E095FA03
3E095FA06
3E095FA25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エラーから効率よく復帰できる物品処理装置を提供する。
【解決手段】自装置より上流側にある包装装置と生産ラインを構成し、包装装置から搬送される物品にラベルを貼付するラベル貼付装置であって、自装置又は包装装置にエラーが発生したことを検知するエラー検知部36と、エラーが解除された場合に、生産ラインの停止時に包装装置と自装置の間にある物品に対して、通常とは異なるモードでラベルを発行するための制御を行う発行制御部32と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置より上流側にある外部装置と生産ラインを構成し、当該外部装置から搬送される物品に対して所定の処理を実行する装置であって、
自装置又は前記外部装置にエラーが発生したことを検知するエラー検知手段と、
前記エラーが解除された場合に、前記生産ラインの停止時に前記外部装置と前記自装置の間にある物品に対して、通常とは異なるモードで前記所定の処理を実行するための制御を行う制御手段と、を備える、
ことを特徴とする物品処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記エラーが解除された場合に、前記外部装置と前記自装置の間にある物品に対して前記ラベルを貼付するための制御を行う、
ことを特徴とする物品処理装置。
【請求項3】
表示手段、をさらに備え、
前記制御手段は、前記生産ラインの停止時に、前記外部装置と前記自装置の間にある物品の数量に応じて、手投入による物品の投入数量を設定する設定画面を表示させる、
請求項1又は2記載の物品処理装置。
【請求項4】
前記生産ラインの停止時に前記外部装置と前記自装置の間にある物品の数量を推定する手段と、
推定した前記外部装置と前記自装置の間にある物品の数量を前記設定画面に表示させる、
請求項3記載の物品処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生鮮食品、総菜食品を取り扱う現場では、商品の搬送過程において、商品の名称や製造日、価格といった商品情報を印字したラベルが商品に貼付される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-326943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この点、商品を搬送するライン上では、ラベル貼付装置を含む複数の装置が連携しており、いずれかの装置でエラーが発生すると、一旦ラインを停止して、復帰作業を行う必要がある。
【0005】
そこで本発明は、エラーから効率よく復帰できる物品処理装置を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る物品処理装置は、自装置より上流側にある外部装置と生産ラインを構成し、当該外部装置から搬送される物品に対して所定の処理を実行する装置であって、自装置又は前記外部装置にエラーが発生したことを検知するエラー検知手段と、前記エラーが解除された場合に、前記生産ラインの停止時に前記外部装置と前記自装置の間にある物品に対して、通常とは異なるモードで前記所定の処理を実行するための制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係るラベル貼付装置を備えた生産ラインの概要を模式的に示した図である。
図2】上記生産ラインを構成する外部装置の一例に係る包装装置の外観を示した図である。
図3】上記ラベル貼付装置の外観の一例を示した図である。
図4】上記ラベル貼付装置が備えるハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
図5】上記ラベル貼付装置が備えるソフトウェア構成の一例を示したブロック図である。
図6】上記ラベル貼付装置において、正常動作時に実行される処理の流れの一例を示した処理フロー図である。
図7】上記ラベル貼付装置に表示される、ラベルの発行・操作画面の一例を示した図である。
図8】上記ラベル貼付装置において、エラーが検知された際に実行される処理の流れの一例を示した処理フロー図である。
図9】上記ラベル貼付装置に表示される設定画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
●ラベル貼付装置を備えた生産ラインの概要
以下、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置について、図を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るラベル貼付装置1が配設された商品の生産ラインを模式的に示している。この生産ラインには、相互に連携する複数の装置がコンベア11の搬送方向に沿って配設されており、各装置が所定の機能を実行することにより、コンベア11上を搬送される物品Wに順次、加工が施されて商品が生産される。包装装置4及び本実施形態に係るラベル貼付装置1はそのような装置の一つを構成し、包装装置4は物品Wの包装処理を実行し、ラベル貼付装置1は、包装された物品Wに対してラベルを発行・貼付する。
【0009】
なお、生産ラインを構成する複数の装置のうち、ラベル貼付装置1以外の装置は特許請求の範囲における外部装置を構成する。外部装置は、ラベル貼付装置1によってラベルの貼付作業が実行可能な状態となるまでに必要な作業を行う装置であり、その一例が包装装置4である。外部装置は包装装置4に限られず、他の例では、食品等の内容物が盛り付けられたトレイ(物品)に蓋をする蓋閉め装置によって構成される。
【0010】
また、ラベル貼付装置1は、特許請求の範囲における物品処理装置の一例を構成する。物品処理装置は他に、産業用インクジェットプリンタ、レーザーマーカー、RFIDプリンタ、印字検査機、ウェイトチェッカーなどであってもよい。これらの装置は、いずれも生産ラインの上流側に設けられた装置と連携し、搬送される物品に対して所定の処理を実行するものである。即ち、産業用インクジェットプリンタやレーザーマーカー、RFIDプリンタは物品の情報を書き込む処理を実行し、印字検査機やウェイトチェッカーは物品の情報に基づき適正か否かを判別する処理を実行する。
【0011】
また、本実施形態では、生産ライン上に配設された装置によって加工が施される対象を「物品W」と称し、ラベル貼付装置1によりラベルが貼付されて「加工が完了した(生産された)物品W」を「商品」と称することがある。また、「物品W」について、包装装置4(外部装置)による処理が実行される前のものを「物品W1」、包装装置4(外部装置)を経てラベル貼付装置1によるラベルの発行・貼付処理が施される前のものを「物品W2」と称して区別することがある。
また、この生産ラインにおいて生産される商品は例えば、食品等の内容物がトレイ上に盛り付けられ、プラスチックフィルム又はプラスチックケース等に封入されてなる品物である。
【0012】
図1の例では、コンベア11の上流側に、物品Wの包装処理を実行する包装装置4が配設されている。包装装置4の下流には、包装処理が行われた物品W2の通過を検出する通過検出センサ5が配設されている。さらに、通過検出センサ5の下流にはラベル貼付装置1が配設されており、ラベル貼付装置1において、物品W2に対してラベルの発行・貼付処理が実行される。
【0013】
本実施形態に係るラベル貼付装置1は、このような生産ラインにおいて、正常動作時には通過検出センサ5によって物品W2が検出されるのに応じて、当該物品W2に対してラベルの発行・貼付処理を行う。一方、包装装置4やラベル貼付装置1など、生産ラインを構成するいずれかの装置にエラーが発生して生産ラインが停止した場合、ラベル貼付装置1は、生産ライン停止時に包装装置4(外部装置)とラベル貼付装置1の間に滞留していた物品W2については手投入による処理要求を受け付ける。そして、エラー解除後、通常とは異なる手投入のモードにより、手投入された物品W2にラベルの発行・貼付処理を行う。
なお、「手投入」とは、人手で生産ライン(コンベア11上)に物品W2を投入することを意味している。一方で、正常動作時には自動で生産ライン(コンベア11上)に物品W2が投入される。また、「生産ライン停止時」とは、生産ライン上にある装置が処理の実行を停止すると共に、物品Wの搬送が停止した時を意味し、生産ライン停止時及び生産ラインの停止状態においては必ずしも生産ライン上にある装置がオフラインになるわけではない。
【0014】
●包装装置4(外部装置の一例)
図2は、外部装置の一例に係る包装装置4の外観を示している。
包装装置4は、被包装物をフィルムで包むことで包装を行う。包装装置4の手前側には、被包装物、即ち包装処理前の物品W1を装置本体部40に設けられたフィルム包装部へ搬送する搬入コンベア11aが備えられている。搬入コンベア11aの下流には、フィルムに包まれた被包装物を搬送方向に搬送する耐熱コンベア11bが備えられている。搬入コンベア11aと耐熱コンベア11bからなるコンベア11-1は、所定の駆動部の制御に従って駆動し、物品Wを所定の搬送方向(図示では左から右)に搬送する。なお、搬入コンベア11aと耐熱コンベア11bからなるコンベア11-1は、コンベア11の全長のうち包装装置4が関与する部分である。コンベア11はコンベア11-1のさらに下流方向に長さを有し、下流に連設するコンベア11-2にはラベル貼付装置1が配設されている(図3参照)。
【0015】
フィルム包装部では、搬入コンベア11aによって物品W1が搬送されてくると、張架したフィルムに対して物品W1をエレベータにより下方から突き上げると共に、物品W1の上面をフィルムで包み、そのフィルムの周縁を被包装物の底面側(下面側)に折り込む。フィルムで包まれた物品W1はそのまま耐熱コンベア11bへ搬送される。
【0016】
耐熱コンベア11bの搬送路には、複数の熱源41(ヒータ)が搬送方向上流から下流に向かって所定間隔で配置され、物品W1を包むフィルムの折込部を溶着する。熱源41の上方には、フィルムに包まれた物品W1を熱源41側へ押圧する押圧部42が設けられている。押圧部42は、各熱源41に対応して設けられていてもよいし、必要に応じて所定箇所の熱源41に対応して設けられる構成であってもよい。
物品W1を包むフィルムの折込部が溶着されると包装処理が完了し、物品W1は物品W2としてさらに下流へ搬送される。
【0017】
このような包装装置4は、ラベル貼付装置1に対して処理状況に応じた信号を送信する。この信号には、例えば正常信号、通過処理信号、通常エラー信号、即時エラー信号が含まれ、物品W1の処理ごとに状況に応じた信号がラベル貼付装置1に対して送信される。
【0018】
正常処理信号は、物品W1に対する包装処理が正常に実行されたことを示す信号である。包装処理が正常に実行された物品W2に対しては、通過検出センサ5を通過した後、ラベル貼付装置1により商品ごとに設定されたタイミングでラベルの発行・貼付処理が施される。
【0019】
通過処理信号は、包装装置4を通過したものの、包装が出荷できる品質ではないなど、何かしらの理由によってラベル貼付装置1によるラベルの発行・貼付処理の対象としない物品W2が発生したことを示す信号である。この通過処理信号が包装装置4から送信された場合、生産ラインを停止することはないが、当該通過処理信号を受信したラベル貼付装置1は該当する物品W2に対してラベルの発行・貼付処理を実行せず、当該物品W2をそのまま下流に通過させる。このようにラベル貼付装置1を通過した物品W2は、例えばラベル貼付装置1の下流において自動で仕分けられたり、生産ラインから排除されたりする。なお、通過処理信号を受信したラベル貼付装置1は、エラー表示は行わない一方、当該物品W2の通過に合わせて当該物品W2が通過する旨の表示を行ってもよい。
【0020】
通常エラー信号は、物品W2がラベル貼付装置1に到達した際、ラベル貼付装置1にエラーを表示させると同時に、生産ラインを停止させる信号である。物品W2がラベル貼付装置1に到達したことは、ラベル貼付装置1に設けられたセンサ13等によって判別される。
【0021】
即時エラー信号は、ラベル貼付装置1が受信した時点で、即座にエラー表示させると共に生産ラインを停止させる信号である。
【0022】
●通過検出センサ5
通過検出センサ5は、包装装置4の下流、且つラベル貼付装置1の上流に設けられている。この通過検出センサ5は、包装装置4によって包装処理を受けた物品W2の通過を検出すると、検出したこと示す信号をラベル貼付装置1に対して送信する。
【0023】
通過検出センサ5は例えば、コンベア11の幅方向に対向して設けられた投光器と受光器からなる光学センサによって構成され、投光器から受光器によって照射された赤外線の遮断によって物品W2の通過を検出する。
なお、通過検出センサ5をCCDカメラ等によって構成し、撮像画像中に映る移動物を識別し、物品W2と識別した場合に当該物品W2が通過したことを示す信号をラベル貼付装置1に対して送信するようにしてもよい。
【0024】
また、通過検出センサ5は、包装装置4とラベル貼付装置1の間において、ラベル貼付装置1に搬送される物品W2の通過を検出し、これによりラベル貼付装置1に搬送される物品W2が発生したことを当該ラベル貼付装置1に通知するための手段の一例である。したがって、同様の通知が行えれば他の例に置き換えることもできる。例えば、包装装置4において包装処理が完了したことを判別する手段を当該包装装置4に設け、判別結果をラベル貼付装置1に送信するように構成してもよい。具体的な一例は、熱源41の下流にCCDカメラ等の撮像手段を設け、画像認識により物品Wを検出すると共に包装処理の完了を判別し、判別結果をラベル貼付装置1に送信すればよい。
【0025】
●ラベル貼付装置1の外観構成
図3は、ラベル貼付装置1の外観構成の一例を示している。
ラベル貼付装置1は、自装置より上流側にある包装装置4と接続され、包装装置4で包装処理が施された物品W2に対し、商品情報が印字されたラベルを発行し、貼付する。
なお、本実施形態に係るラベル貼付装置1は、計量機能を備え、計量結果に基づいて商品の価格を決定するが、本発明の実施上、ラベル貼付装置1は必ずしも計量機能を備えなくてもよい。また、計量や価格の算出、その他ラベルに印字する情報を保持する機能部は、一のハードウェア構成に含まれていてもよいし、一部又は全部が異なるハードウェア構成により実現されていてもよい。
【0026】
同図に示すように、ラベル貼付装置1は、コンベア11-2、ディスプレイ12、センサ13、ラベラー14、パワーシリンダ15、ラベラー昇降調整スイッチ16、ラベラー前後調整スイッチ17、スイッチ群18を備える。
【0027】
コンベア11-2は、物品W(物品W2)を搬送する搬送手段の一例である。コンベア11-2は、図中左(上流)から右(下流)に向かって物品Wを搬送する。コンベア11-2は、インフィードコンベア11c、スケールコンベア11d及びラベラーコンベア11eが搬送方向に沿ってこの順で並んで構成されている。
インフィードコンベア11cは、上流のコンベア11-1に連設し、物品W2を下流へ搬送する。スケールコンベア11dは、ロードセル25a(図4参照)の上部に配設されており、ロードセル25a上の物品Wを搬送する。物品W2は、当該スケールコンベア11d上で重量を測定される。ラベラーコンベア11eは、ラベラー14の下方に配設されており、物品W2は当該ラベラーコンベア11e上でラベルを貼付される。
なお、コンベア11-2は、コンベア11の全長のうち、ラベル貼付装置1が関与する部分であり、コンベア11-2は当該部分のさらに上流方向に長さを有し、上流に連設するコンベア11-1には包装装置4が配設されている(図2参照)。
【0028】
ディスプレイ12は液晶表示器12aにタッチパネル12bが積層された構造(図4参照)となっており、同一面でデータの表示と入力を行える。操作者は、このディスプレイ12上で情報の確認や操作を実行できる。
【0029】
センサ13は、コンベア11-2上の物品W(物品W2)を検出する。センサ13は、例えば第1センサ13aと、第1センサ13aよりも下流に配設される第2センサ13bで構成される。本実施形態においては、第1センサ13aはインフィードコンベア11cの側方に配設され、インフィードコンベア11c上の物品Wを検出する。第2センサ13bは、スケールコンベア11dの側方に配設され、スケールコンベア11d上の物品Wを検出する。
【0030】
ラベラー14は、物品W(物品W2)に貼付するラベルを印字すると共に、印字したラベルを当該物品Wに貼付する機構である。ラベラー14はパワーシリンダ15により吊架され、支持されている。ラベラー昇降調整スイッチ16及びラベラー前後調整スイッチ17は、押下に応じてパワーシリンダ15を動作させ、ラベラー14のラベラーコンベア11eに対する高さ及び搬送方向前後の位置を調整することができる。また、ラベラー14は、物品W2がラベラーコンベア11e上に搬送されてくると、印字されたラベルを吸持する適宜の吸着ユニットを上下動させ、物品W2の上面にラベルを貼付する。
【0031】
なお、ラベル貼付装置1は、ラベラー14を複数有していてもよい。例えば、ラベル貼付装置1は、ラベラー14を3個有し、コンベア11の上方に2個、下方に1個配設されていてもよい。この場合、上方のラベラー14は物品W2の上面にラベルを貼付し、下方のラベラー14は物品W2の下面にラベルを貼付する。
また、本実施形態においては、ラベルの内容は特に限定されるものではないが、ラベルには例えば、商品名の他、100g等の単位量当たりの値段、当該商品における内容物の重量、単位量当たりの値段と内容物の重量とを乗算して求められる当該商品の値段などが表示される。また、ラベルには、読取装置により読取可能なバーコード、賞味期限又は消費期限、生産者に関する情報、及び販売者に関する情報等が合わせて印字されていてもよい。
【0032】
スイッチ群18は、主として、ラベル貼付装置1の主電源スイッチ18a、運転ランプ18b、非常停止スイッチ18c、コンベア運転スイッチ18d及びコンベア停止スイッチ18eを有する。なお、スイッチ群18はこれに限らず、種々の命令を入力可能なスイッチを有していてよい。
【0033】
●ラベル貼付装置1のハードウェア構成
図4は、ラベル貼付装置1のハードウェア構成を示す。ラベル貼付装置1の制御装置10は、CPU21(Central Processing Unit)、ROM22(Read Only Memory)、RAM23(Random Access Memory)、入出力部24、及びインターフェース回路を備える。また、制御装置10は、インターフェース回路を介して計量部25、発行部26、及び貼付部27に接続されている。また、ラベル貼付装置1は、有線又は無線のLANや専用回線等の通信回線を介して包装装置4や通過検出センサ5とデータ通信可能に構成されている。
【0034】
CPU21は、ROM22が記憶する制御プログラムとRAM23が記憶する各種情報を読み出し、読み出した制御プログラムと各種情報とに基づいて各部の制御を行う。このCPU21はバスを介して制御装置10が備える各部と相互に接続されている。また、CPU21は、必要な情報をRAM23に記憶させる。
なお、ROM22は、例えば、CPU21において実行される各種プログラム等の各種情報を記憶している。また、RAM23は、CPU21が用いる情報を記憶する一時記憶領域である。またRAM23は、各種ファイルを記憶する記憶手段である。
【0035】
入出力部24は、ディスプレイ12とスイッチ群18とを備える。ディスプレイ12は液晶表示器12aにタッチパネル12bが積層された構造となっており、液晶表示器12aは各種データの表示を行う表示手段の一例である。タッチパネル12bは操作者の指が触れると、触れた位置を検出し、検出した位置に応じた入力を受け付ける。
液晶表示器12aは、表示手段を構成する。
【0036】
計量部25はロードセル25aを備え、スケールコンベア11d上の物品W2の重量を計量する。即ち、スケールコンベア11d上が計量部25の計量領域となっている。
【0037】
発行部26は印字部26aを有している。印字部26aは例えば、サーマルヘッドやプラテンローラ等で構成され、ラベルロールから繰り出されたラベル用紙に印字を行い、これによりラベルが発行される。
【0038】
貼付部27は貼付機構部27aを有している。貼付機構部27aは、印字されたラベルを、ラベラーコンベア11e上の物品W2に貼付する。
なお、印字部26aと貼付機構部27aは、ラベラー14に含まれている。
【0039】
●ラベル貼付装置1のソフトウェア構成
図5に示されるように、ラベル貼付装置1は、制御装置10が備えるCPU21、ROM22、RAM23などによりソフトウェア資源として少なくとも、情報記憶部3A、ロードセル制御部31、発行制御部32、貼付制御部33、表示制御部34、操作制御部35、エラー検知部36、計数部37、設定処理部38、及び通信処理部39を備える。
なお、制御装置10はラベル貼付装置1を制御するコンピュータプログラムを実行する。このコンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
【0040】
情報記憶部3Aは、ラベルの発行及び貼付に必要となる商品情報や印刷情報等の情報を記憶する。
商品情報には例えば、JANコード等で構成される商品コード、商品名、計量区分、単価、単位重量などの情報が含まれる。印刷情報には例えば、品番(商品番号)、単価/値段、日時、広告文、産地名称(原産地等)、イメージ、内容量・内容量単位、上下限重量、コメント、保存温度、個体識別番号/ロット番号、添加物、バーコード、店名、製造者、風袋、品名、加工日時、賞味期限(消費期限)などの情報が含まれる。このほか、印刷情報には、ラベルフォーマットのほか、包装条件や包装の設定に関する情報などが含まれていてもよい。
なお、この情報記憶部3Aに記憶される情報は、ラベル貼付装置1があらかじめ記憶する構成であってもよいし、当該情報を保持する上位サーバと通信を行い、当該上位サーバから所定の情報を取得し、一時的に記憶する構成であってもよい。
【0041】
ロードセル制御部31は、計量部25が備えるロードセル25aを制御し、物品W2の重量を計測させる。
【0042】
発行制御部32は、発行部26の制御を行う。この発行制御部32は、情報記憶部3Aを参照してラベルに印字する印字データを生成する。そして、貼付制御部33により直前に発行したラベルの貼付が完了したタイミング等の所定のタイミングで、発行部26によりラベルに印字データを印字させてラベルを発行する。
【0043】
なお、発行制御部32は、正常動作時においては、計数部37によって計数される物品W2の処理残数に基づき、処理残数が加算されるたびに印字データを生成する。
また、エラー検知部36によってエラーが検知され、生産ラインが停止した場合には、所定の設定画面上から、生産ライン停止時に包装装置4とラベル貼付装置1の間にある物品W2の数量に応じて、手投入による物品W2の処理残数が設定される。これに応じてエラーが発生するまでに計数部37によって計数されていた処理残数に係る情報がリセットされ、さらにエラーが解除されると、発行制御部32は設定された処理残数分の印字データを生成する。これにより、生産ライン停止時に包装装置4とラベル貼付装置1の間にあった物品W2が手投入されると、手投入された物品W2に対してラベルが発行される。
【0044】
貼付制御部33は、貼付部27が備える貼付機構部27aを制御し、発行部26によって発行されたラベルを物品W2に貼付させる。ラベルを貼付するタイミングは例えば、センサ13が設けられている位置と貼付を実行する位置の間の距離やコンベア11の搬送速度に基づき、センサ13によって物品W2が検出されたタイミングから算出される。なお、本実施形態にかかわらず、センサ13に代えて通過検出センサ5を用い、同様に通過検出センサ5からラベルの貼付位置までの距離とコンベア11の搬送速度に用いてタイミングを算出することもできる。
【0045】
上述した発行制御部32と貼付制御部33は、通常のモード(正常動作時)においては、通過検出センサ5から送信された検出信号の受信に応じて処理残数を計数し、当該処理残数に応じてラベルの発行・貼付を実行し、生産ラインの停止時には通常とは異なる手投入のモードにより、所定の設定画面から入力された、生産ライン停止時に包装装置4とラベル貼付装置1の間にある物品W2の数量を処理残数としてラベルの発行・貼付を実行する。
【0046】
なお、発行制御部32と貼付制御部33により物品W2に対してラベルを発行、貼付する処理は、所定の物品W2について、包装装置4から正常処理信号を受信すると共に、通過検出センサ5から通過を検出したことを示す信号を受信することを条件として実行されるようになっていてもよい。
【0047】
表示制御部34は、液晶表示器12aの制御を行う。これにより、例えば動作の開始や終了、停止などの操作を受け付ける画面を表示したり、ラベルに印字する商品の情報を表示したりする。また、エラー検知又は生産ラインの停止に応じて、生産ライン停止時に包装装置4とラベル貼付装置1の間にある物品W2の数量を、手投入による物品W2の投入数量として設定する設定画面を表示する。なお、即時エラー信号が送信される場合には、生産ラインの停止とエラー検知のタイミングは同じものとなる。
【0048】
操作制御部35は、タッチパネル12b及びスイッチ群18の制御を行う。これにより、例えば動作の開始や終了、停止などの操作を受け付けたり、生産ライン停止時に所定の設定画面から、手投入による物品W2の投入数量の入力を受け付けたりする。
【0049】
エラー検知部36は、生産ライン上の装置、本実施形態においては外部装置たる包装装置4又はラベル貼付装置1においてエラーが発生したことを検知する。ここにいうエラーは、広く生産ラインにおいて生産に関わる処理を停止する状態の発生を意味する。
【0050】
包装装置4におけるエラーは例えば、包装エラーやフィルムの溶着エラーなどである。このようなエラーが包装装置4の所定の機能部によって検知されると、当該エラーを示すエラー信号がラベル貼付装置1に対して送信され、エラー検知部36は当該エラー信号の受信に応じてエラーを検知する。なお、ここにいうエラー信号は、上述した通常エラー信号又は即時エラー信号である。
【0051】
また、ラベル貼付装置1、即ち自装置において発生するエラーは例えばラベル切れ(ラベルエンド)などである。エラーの発生によりロードセル制御部31、発行制御部32、貼付制御部33などの各制御部が処理を中断すると、各制御部からエラー信号がエラー検知部36に送信され、エラー検知部36は当該エラー信号の受信に応じてエラーを検知する。なお、これらの制御部における処理に基づいた自装置のエラーの検知は一例であり、他の例では別途設けたラベルの検出センサや、ラベルの発行可能枚数と発行済枚数をカウントする機能部からラベル切れ等のエラー信号を受けてエラーを検知することもできる。また、包装装置4やラベル貼付装置1を含む生産ライン上で手動入力等された緊急停止操作に基づくエラー信号についても同様に、エラー検知部36はエラーの発生と捉えてエラーを検知する。
【0052】
計数部37は、通過検出センサ5から受信した検出信号とラベルの発行・貼付処理を完了した物品W2の数量に基づき、ラベルの発行・貼付処理を実行する物品W2の処理残数を計数する。即ち、処理残数は、通過検出センサ5から送信された検出信号の受信に応じて加算され、ラベルの発行・貼付処理の完了に応じて減算される。
なお、ラベルの発行・貼付処理の完了は例えば、ラベルの貼付処理を実行した貼付制御部33から処理ごとに完了信号を受信し、これにより判断される。また、他の例においては、ラベルの発行・貼付処理が実行された物品Wを撮像するCCDカメラ等の撮像手段を別途設け、ラベルが貼付された物品Wが当該撮像手段により検出、識別するのに応じて処理の完了を判断することもできる。
【0053】
設定処理部38は、入出力部24を介して受け付けた各種の情報の設定を行う。例えば、ラベルの包装に関する設定を行う。また、エラー検知部36によってエラーが検知され、所定の設定画面から手投入による物品W2の投入数量が受け付けられると、それまでに計数されていた物品W2の処理残数をリセットし、当該投入数量を物品W2の処理残数に設定する。手投入による物品W2の投入数量が処理残数として設定されると、ラベル貼付装置1は、当該設定された分量については手投入による動作モードとしてラベルの発行・貼付処理を実行する。
【0054】
通信処理部39は、包装装置4や通過検出センサ5と所定の通信回線を介したデータの送受信を実行する。この通信処理部39により、例えば包装装置4や通過検出センサ5からエラー信号や検出信号を受信できる。
【0055】
●処理フロー(通常動作)
続いて、ラベル貼付装置1において実行される処理の流れの一例について説明する。
図6は、正常動作時の処理の流れを示している。
包装装置4において、コンベア11上を搬送されてくる物品W1の包装が実行され、通過検出センサ5によって物品W2が検出されると、ラベル貼付装置1は通過検出センサ5から検出信号を受信する(S101)。
【0056】
計数部37は、検出信号の受信に応じて、ラベル貼付装置1においてラベルの発行・貼付処理を行う物品W2の処理残数を計数する(S102)。ここでは、検出信号の受信に応じて物品W2の処理残数が加算される。
【0057】
ラベル貼付装置1は、検出信号を受信可能に動作しながら、これと並行して物品W2の処理残数に基づき(S103)、搬送されてきた物品W2に対してラベルを発行、貼付する(S104)。ラベルの発行、貼付が行われると、計数部37は物品W2の数量を計数する(S105)。ここでは、ラベルの発行・貼付処理の実行に応じて物品W2の処理残数が減算される。
【0058】
動作中に生産ラインにおいてエラーが発生すると(S106)、エラーの検知に応じて又は所定のタイミングで動作を停止し(S107)、後述する手投入による動作設定へ移行する(S108)。
ラベル貼付装置1に対して終了操作が行われるまで以上の処理の実行が継続される(S109)。
【0059】
ここで、正常動作時において、ラベルの発行時及び発行中にディスプレイ12上に表示されるラベルの発行・操作画面の一例を図7に示す。
画面上には、主に情報表示欄G11、設定入力欄G12、操作ボタン表示欄G13が設けられている。情報表示欄G11には、商品の名称、消費期限、製造日、バーコード、値段など、ラベルに印字する商品情報が表示される。設定入力欄G12では、発行可能なラベルの残枚数や商品情報の設定入力を行うことができる。操作ボタン表示欄G13には、ラベル貼付装置1に対してラベルの発行要求や動作の停止要求などを行うためのボタンが表示されており、操作者は各ボタンの押下によってラベルの発行動作や動作の停止などをラベル貼付装置1に対して要求できる。
【0060】
情報表示欄G11には、商品名称を表示するエリアには処理残数表示欄G111が設けられており、当該処理残数表示欄G111には物品W2の処理残数が表示されている。この処理残数表示欄G111に表示される処理残数は、計数部37の処理に応じて更新される。図示の例では、処理残数が「3」となっており、包装装置4により包装処理が実行されて通過検出センサ5を通過した物品W2であって、ラベル貼付装置1によるラベルの貼付・発行処理が未だ実行されていない物品W2が3つあることが把握される。生産ライン停止時に、手投入による物品W2の投入数量が設定された場合には、当該投入数量が処理算数と処理残数表示欄G111に表示されることになる。
【0061】
また、設定入力欄G12には、発行するラベルの枚数が設定可能な残枚数入力欄G121が設けられている。この残枚数入力欄G121では、一度の処理で発行するラベルの枚数を発行予定数として設定できる。ラベル貼付装置1は設定された発行予定数を参照し、設定された枚数分、ラベルを発行するまでラベルの発行を継続して実行する。なお、エラー検知によって手投入によるラベルの発行が行われた場合でも、設定された発行予定数は有効であり、手投入による物品W2の数量が当該発行予定数を上回る場合には、発行予定数分だけラベルを発行したところで処理を終了する。
【0062】
●処理フロー(手投入による動作)
図8は、生産ラインにおいてエラーが検知されてからエラー解除後の動作に移るまでの処理の流れを示している。
生産ライン上の包装装置4又はラベル貼付装置1においてエラーが発生すると、エラー検知部36はこれを検知する(S201)。また、エラーの発生に応じて生産ラインは停止する。
エラーの検知又は生産ラインの停止に応じて、表示制御部34は、手入力による物品W2の投入数量を設定する所定の設定画面をディスプレイ12上に表示させる(S202)
【0063】
別途、エラーが発生していた装置においてエラー状態が解除された後、所定の設定画面において手投入による物品W2の投入数量が入力されると共に、動作の開始要求が受け付けられると(S203)、設定処理部38は、それまでに計数されていた物品W2の処理残数をリセットし、入力された投入数量を物品W2の処理残数に設定する(S204)。そして、生産ラインがエラーから復帰し、操作者が処理の滞っていた物品W2を手投入すると、当該物品W2に対してラベルの貼付・発行処理が実行される。手投入された物品W2に対するラベルの貼付・発行処理が終わると、ラベル貼付装置1はこのまま正常動作に移行し、引き続き包装装置4によって包装処理が施された物品W2に対してラベルの発行・貼付処理を実行する。
【0064】
ここで、手投入による物品W2の設定画面の一例を図9に示す。
画面上には、手投入による物品W2の投入数量の設定を促す「エラー後に手投入するパック数を入力してください」というメッセージと共に、数量入力欄G21、確認ボタンG22、クリアボタンG23、中止ボタンG24が設けられている。
【0065】
操作者は、包装装置4とラベル貼付装置1の間にある物品W2の数量に応じて、手投入による物品W2の投入数量を数量入力欄G21に入力する。操作者は、入力した内容に問題がなければ、確認ボタンG22を押下し、これにより数量入力欄G21に入力された投入数量が物品W2の処理残数として設定される。一方、操作者は、入力した内容が間違っていればクリアボタンG23を押下することによって入力内容をクリアでき、操作を中止する場合には中止ボタンG24を押下することによって操作を中止できる。
【0066】
なお、生産ライン停止時に包装装置4とラベル貼付装置1の間にある物品W2の数量を推定する推定手段を設け、設定画面を表示した際、当該推定した数量をデフォルト値として数量入力欄G21に表示するようにしてもよい。操作者は物品W2の数量や状態を確認した上、デフォルト値で問題なければ確認ボタンG22を押下するだけで処理を進められる。なお、デフォルト値と生産ライン停止時に包装装置4とラベル貼付装置1の間に滞留していた物品W2の数量が異なる場合には、操作者はデフォルト値をキャンセルして適切な数量を入力し直せばよい。
【0067】
なお、生産ライン停止時に包装装置4とラベル貼付装置1の間にある物品W2の数量は、以下の例のように推定し得る。
第1の例では、通常であれば生産ライン停止時に包装装置4とラベル貼付装置1の間に滞留していた物品W2の数量と処理残数は一致していることから、生産ライン停止時までに計数されていた物品W2の処理残数を、生産ライン停止時に包装装置4とラベル貼付装置1の間にある物品W2の数量と推定できる。
第2の例では、包装装置4による処理数又は通過検出センサ5による検出数と、ラベル貼付装置1による処理数の差分を算出し、当該算出した数量を、生産ライン停止時に包装装置4とラベル貼付装置1の間にある物品W2の数量と推定できる。
第3の例では、物品認識カメラをコンベア11上に設け、包装装置4とラベル貼付装置1の間にある物品W2を認識してその数量を算出し、当該算出した数量を生産ライン停止時に包装装置4とラベル貼付装置1の間にある物品W2の数量と推定できる。
第4の例では、コンベア11(包装装置4とラベル貼付装置1の間にあたる部分)に計量機能をもたせた上、検出した重量と商品の単位重量から物品W2の数量を算出し、当該算出した数量を生産ライン停止時に包装装置4とラベル貼付装置1の間にある物品W2の数量と推定できる。
【0068】
また、設定画面上、例えば数量入力欄G21において、ラベルの発行・貼付処理が実行されていない物品W2について、上述した正常処理信号、通過処理信号、通常エラー処理信号、即時エラー処理信号のいずれの対象であるかをその内訳と共に表示するようにしてもよい。これにより、エラーから復帰するための状況が把握しやすくなる。
【0069】
以上の本実施形態に係るラベル貼付装置1によれば、エラーが検知されて生産ラインが停止したときに包装装置4(外部装置)とラベル貼付装置1の間に物品W2が残っていても、当該物品W2を手投入により受け付けてラベルの発行・貼付処理を実行し、エラーから効率よく復帰できる。
また、生産ライン停止時において、エラーに起因して包装装置4(外部装置)とラベル貼付装置1の間に滞留する物品W2に問題が生じていた場合、例えば包装が適切に行われていなかった場合でも、エラーからの復帰時には当該物品W2は手投入される。そのため、そのような問題があった物品W2を操作者が生産ライン上から除いて手投入を行うこともできるし、包装を適切に行うなど、問題のない状態にした上で手投入することもできる。
さらに、生産ライン停止時においては、オフライン、即ちラベル貼付装置1と他の装置との連携を切断した上で、操作者が包装装置4(外部装置)とラベル貼付装置1の間に滞留する物品W2を手投入してラベルを発行し、その後にオンラインにして正常動作に移行させることも考えられる。しかし、この場合にはオフラインにする操作等、操作者にかかる手間が大きいし、オフラインのまま動作を継続させてしまい、また異なる問題を生じさせてしまうおそれがある。これに対して、本実施形態に係るラベル貼付装置1であれば、手投入による物品W2の投入数量を入力するだけで、スムーズに正常動作に移行できるので操作者にかかる負担が少ないし、オンラインのまま処理を継続できるのでオフラインからオンラインへの接続操作を忘れてしまうといったおそれもない。
【0070】
なお、以上の本実施形態に係るラベル貼付装置1において、正常に動作しているときには、物品W2ごとに検出信号を受信してからラベルの発行・貼付処理が完了するまでのタイムを計測し、当該タイムが所定時間を超える場合にはタイムアウトと判定してエラーを表示又は通知等してもよい。そして、このような判定を行う場合でも、手投入による物品W2の設定が行われたときには、手投入による投入数量分についてはタイムアウトの判定を行わないように設定されるようになっていてもよい。
【0071】
●実施形態総括
本発明は、物品処理装置に関する。
【0072】
生鮮食品、総菜食品を取り扱う現場では、商品の搬送過程において、商品の名称や製造日、価格といった商品情報を印字したラベルが商品に貼付される(特開2000-326943号公報参照)。
【0073】
この点、商品を搬送するライン上では、ラベル貼付装置を含む複数の装置が連携しており、いずれかの装置でエラーが発生すると、一旦ラインを停止して、復帰作業を行う必要がある。
【0074】
そこで本発明は、エラーから効率よく復帰できる物品処理装置を得ることを目的の一つとする。
【0075】
本発明に係る物品処理装置は、自装置より上流側にある外部装置と生産ラインを構成し、当該外部装置から搬送される物品に対して所定の処理を実行する装置であって、自装置又は前記外部装置にエラーが発生したことを検知するエラー検知手段と、前記エラーが解除された場合に、前記生産ラインの停止時に前記外部装置と前記自装置の間にある物品に対して、通常とは異なるモードで前記所定の処理を実行するための制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0076】
前記制御手段は、前記エラーが解除された場合に、前記外部装置と前記自装置の間にある物品に対して前記ラベルを貼付するための制御を行うものとしてもよい。
【0077】
表示手段、をさらに備え、前記制御手段は、前記生産ラインの停止時に、前記外部装置と前記自装置の間にある物品の数量に応じて、手投入による物品の投入数量を設定する設定画面を表示させるものとしてもよい。
【0078】
前記生産ラインの停止時に前記外部装置と前記自装置の間にある物品の数量を推定する手段と、推定した前記外部装置と前記自装置の間にある物品の数量を前記設定画面に表示させるものとしてもよい。
【0079】
本発明によれば、エラーが検知されて生産ラインが停止したときに外部装置と自装置の間に物品が残っていても、当該物品を手投入により受け付けてラベルの発行・貼付処理等の処理を実行でき、エラーから効率よく復帰できる。
【符号の説明】
【0080】
1 :ラベル貼付装置(物品処理装置)
10 :制御装置(制御手段)
11 :コンベア
12 :ディスプレイ(表示手段)
12a :液晶表示器
13 :センサ
14 :ラベラー
24 :入出力部
25 :計量部
26 :発行部
27 :貼付部
3A :情報記憶部
31 :ロードセル制御部
32 :発行制御部
33 :貼付制御部
34 :表示制御部
35 :操作制御部
36 :エラー検知部(エラー検出手段)
37 :計数部
38 :設定処理部
39 :通信処理部
4 :包装装置
5 :通過検出センサ
W :物品
W1 :物品
W2 :物品

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9