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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158561
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20241031BHJP
   A01K 85/16 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A01K85/00 G
A01K85/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073862
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】中道 理介
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA42
2B307BA46
(57)【要約】
【課題】錘体が前後方向に繰り返し移動する際に錘体を安定的に動作させることができるルアーが、提供される。
【解決手段】ルアー1は、ボディ本体11と、錘体5と、支持部13と、ガイド部6と、当接部材7と、を備える。ボディ本体11は、前部のヘッド11a、および、後部のテール11bを有する。錘体5は、ボディ本体11の内部に配置される。支持部13は、ボディ本体11の内面上で前後方向と交差する交差方向に延びる。ガイド部6は、支持部13に支持され、錘体5を前後方向に案内する。当接部材7には錘体5が当接し、当接部材7はボディ本体11に接触する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部のヘッド、および、後部のテールを有するボディ本体と、
前記ボディ本体の内部に配置される錘体と、
前記ボディ本体の内面上で前後方向と交差する交差方向に延びる支持部と、
前記支持部に支持され、前記錘体を前記前後方向に案内するガイド部と、
前記錘体が当接し前記ボディ本体に接触する当接部材と、
を備えるルアー。
【請求項2】
前記ボディ本体は、前記当接部材に接触する接触部を含む壁面、を有する、
請求項1に記載のルアー。
【請求項3】
前記当接部材は、前記支持部に係合する溝部、を有する、
請求項1に記載のルアー。
【請求項4】
前記交差方向は、前記前後方向に対して垂直であり、
前記支持部において前記錘体側に設けられる側面と前記側面に対向する前記溝部の壁面との間には、隙間が設けられる、
請求項3に記載のルアー。
【請求項5】
前記ボディ本体は、第1接合面を含む第1本体と、前記第1接合面に接合される第2接合面を含む第2本体と、を有し、
前記壁面は、前記第1本体に設けられた第1接触部と、前記第2本体に設けられた第2接触部と、前記第1接触部と前記第2接触部との間に設けられた第1面と、を有し、
前記当接部材は、前記第1面と対向する第2面を有し、
前記第2面は前記第1面と間隔を隔てて配置される、
請求項2に記載のルアー。
【請求項6】
前記錘体を前記前後方向のいずれか一方に向けて付勢する付勢部材、
をさらに備える請求項1に記載のルアー。
【請求項7】
前記支持部、および、前記当接部材は、前記錘体の後方に配置される、
請求項1に記載のルアー
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルアーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されたルアーは、ボディと、ガイド軸と、錘体と、を有する。ボディが、ボディ本体と、前リブと、後リブと、を有する。前リブはボディ本体の内面に固定される。後リブは前リブの後方においてボディ本体の内面に固定される。
【0003】
ガイド軸は、前リブ、および、後リブの間に配置される。ガイド軸の両端部は、前リブ、および、後リブに各別に支持される。錘体は、ガイド軸に沿って移動可能にガイド軸に配置される。錘体は、前リブと後リブの間に配置される。
【0004】
このタイプのルアーでは、前リブ、後リブ、ガイド軸、および、錘体によって、重心移動構造が構成される。重心移動構造では、錘体がガイド軸上で前後方向に移動し、錘体リブに直接的に繰り返し当接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4969297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のルアーでは、錘体がリブに繰り返し当接することによって、リブが変形するおそれがある。この場合、リブに支持されるガイド軸に沿って、錘体を安定的に動作させることが難しい。また、これを避けるためにリブの幅(厚み)を増加させると、ボディ本体の外観にヒケが生じたり、ボディ本体に衝突力が直接的に作用してボディ本体の耐久性に影響を及ぼしたりするおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、錘体が前後方向に繰り返し移動する際に錘体を安定的に動作させることができるルアーを、提供することにある。本発明の別の目的は、外観を均一に成型でき、ボディ本体の耐久性を保つことができるルアーを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面に関して、ルアーは、ボディ本体と、錘体と、支持部と、ガイド部と、当接部材と、を備える。ボディ本体は、前部のヘッド、および、後部のテールを有する。錘体は、ボディ本体の内部に配置される。支持部は、ボディ本体の内面上で前後方向と交差する交差方向に延びる。ガイド部は、支持部に支持され、錘体を前後方向に案内する。当接部材には錘体が当接し、当接部材はボディ本体に接触する。
【0009】
本発明のルアーでは、錘体がガイド部に案内され前後方向に繰り返し移動する際に、錘体は、ガイド軸を支持する支持部に当接することなく、当接部材に当接する。このため、ガイド軸の姿勢を安定的に維持することができる。すなわち、錘体が前後方向に繰り返し移動する際に、錘体を安定的に動作させることができる。
【0010】
また、本発明のルアーでは、錘体の衝突力は、従来技術のように支持部を介してボディ本体に伝達されるのではなく、当接部材を介してボディ本体に伝達される。これにより、支持部の幅(厚み)を増加させる必要がなくなり、ボディ本体の外観にヒケ等の不都合を生じさせることなく外観を均一に成型でき、ボディ本体の耐久性を保つことができる。
【0011】
本発明の第2の側面に関して、第1の側面に係るルアーは、以下のように構成される。ボディ本体は、当接部材に接触する接触部を含む壁面、を有する。
【0012】
本発明の第3の側面に関して、第1または第2の側面に係るルアーは、以下のように構成される。当接部材は、支持部に係合する溝部、を有する。
【0013】
本発明の第4の側面に関して、第3の側面に係るルアーは、以下のように構成される。交差方向は、前後方向に対して垂直である。支持部において錘体側に設けられる側面と支持部の側面に対向する溝部の壁面との間には、隙間が設けられる。
【0014】
本発明の第5の側面に関して、第2から第4の側面のいずれか1つに係るルアーは、以下のように構成される。ボディ本体は、第1接合面を含む第1本体と、第1接合面に接合される第2接合面を含む第2本体と、を有する。壁面は、第1本体に設けられた第1接触部と、第2本体に設けられた第2接触部と、第1接触部と第2接触部との間に設けられた第1面と、を有する。当接部材は、第1面と対向する第2面を有する。第2面は第1面と間隔を隔てて配置される。
【0015】
本発明の第6の側面に関して、第1から第5の側面のいずれか1つに係るルアーは、付勢部材をさらに備える。付勢部材は、錘体を前後方向のいずれか一方に向けて付勢する。
【0016】
本発明の第7の側面に関して、第1から第6の側面のいずれか1つに係るルアーは、以下のように構成される。支持部、および、当接部材は、錘体の後方に配置される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ルアーにおいて、錘体が前後方向に繰り返し移動する際に、錘体を安定的に動作させることができる。また、ルアーにおいて、ボディ本体の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態によるルアーの内部構造を説明するための側面図。
図2】ルアーの上面図。
図3】ルアーを水平に切断した場合の断面図
図4】ルアーの内部構造を説明するための部分拡大側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るルアー1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、ルアー1は、ボディ3と、錘体5と、ガイド部6と、当接部材7と、付勢部材9と、を備える。ボディ3は、ボディ本体11と、支持部13と、を有する。ボディ本体11は、前部のヘッド11a、および、後部のテール11bを有する。ボディ本体11の外形は、前部から後部に向けて一方向に長い流線形に形成される。
【0020】
図2に示すように、ボディ本体11は、第1本体15と、第2本体17と、を含む。第1本体15は、第1接合面15aを含む。第1接合面15aは、前後方向に延びる。第2本体17は、第2接合面17aを含む。第2接合面17aは、前後方向に延びる。第2接合面17aは、第1接合面15aに接合される。この状態において、第1本体15、および、第2本体17の間には、図1に示す内部空間Sが形成される。
【0021】
図1に示すように、ボディ本体11は、当接部材7の後方に配置される後壁面19、を有する。第1本体15、および、第2本体17が接合された状態において、後壁面19は形成される。図3に示すように、後壁面19は、接触部21と、第1面23と、を有する。接触部21は当接部材7に接触する。接触部21は、第1接触部21aと、第2接触部21bと、を有する。
【0022】
図3に示すように、第1接触部21aは、第1本体15の後壁面19に設けられる。第1接触部21aは、第1本体15の第1接合面15aとは異なる位置において、第1本体15の後壁面19に設けられる。第2接触部21bは、第2本体17の後壁面19に設けられる。第2接触部21bは、第2本体17の第2接合面17aとは異なる位置において、第2本体17の後壁面19に設けられる。
【0023】
第1接合面15a、および、第2接合面17aが接合された状態において、第1接触部21a、および、第2接触部21bの間には、第1接合面15a、および、第2接合面17aが配置される。
【0024】
図3に示すように、第1面23は、第1接触部21aと第2接触部21bとの間に設けられる。具体的には、第1本体15、および、第2本体17が接合された状態において、第1面23は、第1接触部21aと第2接触部21bとの間に設けられる。第1接触部21a、および、第2接触部21bが当接部材7の後面7aに接触した状態で、第1面23は、第1接触部21aと第2接触部21bとの間に形成される。
【0025】
図1に示すように、ボディ本体11には、第1アイ12a、第2アイ12b、および、第3アイ12cが設けられる。第1アイ12aは、ボディ本体11の前部に設けられる。第1アイ12aには、釣り糸が接続される。第2アイ12bは、ボディ本体11の後部に設けられる。第3アイ12cは、ボディ本体11の下部に設けられる。第2アイ12b、および、第3アイ12cには、釣り針が接続される。
【0026】
図1に示す支持部13は、第1本体15、および、第2本体17が接合された状態において、ボディ本体11の内面上に形成される。支持部13は、ボディ本体11の内面上で前後方向と交差する交差方向に延びる。
【0027】
図1に示すように、支持部13は、第1支持部25と、第2支持部27と、を有する。第1支持部25は、錘体5の前方に配置される。第1支持部25は、内部空間Sの前方において、ボディ本体11の内面の上部、および、ボディ本体11の内面の下部の間に設けられる。第2支持部27は、錘体5の後方に配置される。第2支持部27は、内部空間Sの後方において、ボディ本体11の内面から突出する。
【0028】
本実施形態では、第1支持部25、および、第2支持部27は、ボディ本体11と一体に形成される。第1支持部25、および、第2支持部27は、ボディ本体11とは別部材として形成され、ボディ本体11に取り付けられてもよい。
【0029】
図1に示すように、錘体5は、ボディ本体11の内部に配置される。具体的には、錘体5は、内部空間Sに配置される。錘体5は、ガイド部6に対して前後方向に移動可能に支持される。例えば、錘体5は、錘本体29と、1対の取付部31a,31bと、を有する。錘本体29は、ガイド部6の下方に配置される。1対の取付部31a,31bは、錘本体29の上部に設けられる。1対の取付部31a,31bは、ガイド部6に対して前後方向に摺動可能に取り付けられる。
【0030】
図1に示すように、ガイド部6は錘体5を前後方向に案内する。ガイド部6は、第1支持部25、および、第2支持部27に支持される。具体的には、ガイド部6は、内部空間Sにおいて前後方向に延びる。ガイド部6材の両端部は、第1支持部25、および、第2支持部27に各別に支持される。
【0031】
図1、および、図4に示すように、当接部材7は、ボディ本体11の内部において錘体5の後方に配置される。具体的には、当接部材7は、内部空間Sにおいて、錘体5の錘本体29の後方に配置され、第2支持部27に係合する。錘体5の錘本体29が当接部材7に当接した場合、当接部材7はボディ本体11の後壁面19に接触する。
【0032】
図3、および、図4に示すように、当接部材7は、本体部33と、溝部35と、第2面37と、を有する。本体部33の前面には、錘体5の錘本体29の後面が当接する。本体部33の後面7aには、ボディ本体11の後壁面19の第1接触部21a、および、ボディ本体11の後壁面19の第2接触部21bが接触する。
【0033】
溝部35は、本体部33に設けられる。溝部35は、第2支持部27に係合する。詳細には、溝部35は、本体部33の外周面に設けられ、第2支持部27の先端部に係合する。この係合によって、当接部材7は、ボディ本体11に対して前後方向に位置決めされる。
【0034】
溝部35の前壁面35aは、錘体5側に設けられる第2支持部27の前面27aに対向して配置される。溝部35の前壁面35a、および、第2支持部27の前面27aの間には、第1隙間D1が設けられる。
【0035】
具体的には、本体部33の後面7aが、ボディ本体11の後壁面19の第1接触部21a、および、ボディ本体11の後壁面19の第2接触部21bが接触した状態で、溝部35の前壁面35a、および、第2支持部27の前面27aの間には、第1隙間D1が設けられる。
【0036】
図3、および、図4に示すように、第2面37は、本体部33の後面7aの一部を形成する。ボディ本体11の第1接触部21a、および、ボディ本体11の第2接触部21bが本体部33の後面7aに接触した状態で、第2面37は、本体部33の後面7aにおいて第1接触部21a、および、第2接触部21bの間に形成される。
【0037】
第2面37は、ボディ本体11の第1面23と対向する。第2面37は、第1面23と間隔を隔てて配置される。具体的には、本体部33の後面7aが、ボディ本体11の第1接触部21a、および、ボディ本体11の第2接触部21bに接触した状態で、第1面23、および、第2面37の間には、第2隙間D2が設けられる。
【0038】
第1面23、および、第2面37の間に第2隙間D2が設けることができれば、第1面23の形状、および、第2面37の形状は、どのように形成されてもよい。本実施形態では、図3に示すように、ボディ本体11の上方視において、第1面23は実質的に凹状に形成され、第2面37は実質的に平面状に形成される。
【0039】
付勢部材9は、錘体5を前後方向のいずれか一方に向けて付勢する。本実施形態では、図1に示すように、付勢部材9はコイルスプリングである。付勢部材9は、錘体5の後方の取付部31b、および、第2支持部27の間において圧縮された状態で、ガイド部6に沿って配置される。これにより、付勢部材9は錘体5を前方に付勢する。
【0040】
上記の構成を有するルアー1では、図3、および、図4の二点破線によって示すように、錘体5がガイド部6に沿って後方に移動し、錘体5が当接部材7の前面に当接した場合、当接部材7の後面7aは、ボディ本体11の後壁面19の第1及び第2接触部21a,21bに接触する。
【0041】
この状態において、当接部材7の溝部35の前壁面35a、および、第2支持部27の前面27aの間には、第1隙間D1が設けられる。これにより、錘体5が当接部材7に当接したとしても、第2支持部27の変形を防ぐことができる。すなわち、ガイド軸の姿勢を安定的に維持することができ、錘体5をガイド部6に沿って安定的に動作させることができる。
【0042】
また、錘体5の衝突力は、従来技術のように支持部13を介してボディ本体11に直接的に伝達されるのではなく、当接部材7を介してボディ本体11に伝達される。これにより、支持部13の幅(厚み)を増加させる必要がなくなり、ボディ本体11の外観にヒケ等の不都合を生じさせることなく外観を成型でき、ボディ本体11の耐久性を保つことができる。
【0043】
また、当接部材7の溝部35をボディ3の第2支持部27に係合させることによって、当接部材7をボディ3に対して容易に位置決めすることができる。また、ボディ本体11を、第1本体15、および、第2本体17によって構成することによって、錘体5、および、ガイド部6をボディ3の内部空間Sに容易に組み付けることができる。
【0044】
さらに、当接部材7の後面7aがボディ本体11の後壁面19の第1及び第2接触部21a,21bに接触した状態において、ボディ本体11の第1面23、および、当接部材7の第2面37の間には、第2隙間D2が設けられる。
【0045】
これにより、第1本体15、および、第2本体17を接合したとしても、第1本体15の第1接合面15a、および、第2本体17の第2接合面17aに対する当接部材7の当接が制限される。これにより、第1本体15の第1接合面15a、および、第2本体17の第2接合面17aの接合状態を安定的に維持することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 ルアー
3 ボディ
11a ヘッド
11b テール
5 錘体
6 ガイド部
7 当接部材
9 付勢部材
11 ボディ本体
13 支持部
15 第1本体
17 第2本体
19 後壁面
21 接触部
21a 第1接触部
21b 第2接触部
23 第1面
27 第2支持部
35 溝部
37 第2面
D1 第1隙間
D2 第2隙間
図1
図2
図3
図4