(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158562
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
G08G1/09 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073863
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(72)【発明者】
【氏名】新田 真大
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB12
5H181BB13
5H181CC02
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】移動体による交通の安全性を高め得る情報処理装置を提供する。
【解決手段】移動体に用いられる情報処理装置は、取得部と、制御部と、を備える。取得部は、第1移動体、第2移動体、及び第3移動体に関する情報を取得する。制御部は、第1移動体及び第2移動体の時間的変位を示す情報に基づいて、第1移動体と、第1移動体の進路を妨げ得る第3移動体との間に、第2移動体が位置すると予測されると、第3移動体に所定の通知を送信するように制御する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に用いられる情報処理装置であって、
第1移動体、第2移動体、及び第3移動体に関する情報を取得する取得部と、
前記第1移動体及び前記第2移動体の時間的変位を示す情報に基づいて、前記第1移動体と、当該第1移動体の進路を妨げ得る前記第3移動体との間に、前記第2移動体が位置すると予測されると、前記第3移動体に所定の通知を送信するように制御する制御部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記第1移動体及び前記第2移動体は、互いに隣接する進路を同じ方向に走行し、
前記第3移動体は、前記第1移動体及び前記第2移動体に対向する進路に存在し、交差点を右折又は左折することで前記第1移動体及び前記第2移動体の進路を妨げる移動体である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1移動体に関する情報に含まれる前記第1移動体の鉛直方向の高さを示す値が、前記第2移動体に関する情報に含まれる前記第2移動体の鉛直方向の高さを示す値よりも小さい場合に、前記所定の通知を送信するように制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1移動体に関する情報に含まれる前記第1移動体の進行方向に対する長さを示す値が、前記第2移動体に関する情報に含まれる前記第2移動体の進行方向に対する長さを示す値よりも小さい場合に、前記所定の通知を送信するように制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1移動体との距離が所定の距離以内になる移動体であって、前記第1移動体の進行方向から所定の角度範囲内に存在する移動体を、前記第3移動体と判定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1移動体の進行方向に対向する方向から所定の角度範囲内の進行方向を有する移動体を、前記第3移動体と判定する、請求項1又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1移動体と前記第3移動体との距離が、前記第2移動体と前記第3移動体との距離よりも長くなる場合に、前記第1移動体と前記第3移動体との間に前記第2移動体が位置すると予測する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、他の移動体と通信を行う通信部からの入力に基づいて、前記第1移動体と前記第3移動体との間に前記第2移動体が位置すると予測されると、前記通信部を介して当該第3移動体に前記所定の通知が送信されるように制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、路側機と通信を行う通信部からの入力に基づいて、前記第1移動体と前記第3移動体との間に前記第2移動体が位置すると予測されると、前記路側機を介して当該第3移動体に前記所定の通知が送信されるように制御する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記移動体として、前記第1移動体、前記第2移動体、又は、前記第1移動体及び前記第2移動体の周囲の第4移動体に用いられる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
第1路側機及び第2路側機を含むシステムであって、
前記第1路側機は、
第1移動体、第2移動体、及び第3移動体に関する情報を取得し、
前記第1移動体及び前記第2移動体の時間的変位を示す情報に基づいて、前記第1移動体と、当該第1移動体の進路を妨げ得る前記第3移動体との間に、前記第2移動体が位置すると予測されると、前記第1移動体及び前記第2移動体の時間的変位を示す情報、並びに前記第3移動体に関する情報を前記第2路側機に送信して、
前記第2路側機は、前記第1路側機から受信した前記第1移動体及び前記第2移動体の時間的変位を示す情報に基づいて、前記第3移動体に所定の通知を送信する、システム。
【請求項12】
移動体に用いられる情報処理装置に、
第1移動体、第2移動体、及び第3移動体に関する情報を取得するステップと、
前記第1移動体及び前記第2移動体の時間的変位を示す情報に基づいて、前記第1移動体と、当該第1移動体の進路を妨げ得る前記第3移動体との間に、前記第2移動体が位置すると予測されると、前記第3移動体に所定の通知を送信するように制御するステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば道路の上方などに設置され、車両及び/又は通行人などの物体を検出し、周辺の車両等に検出した物体を通知する路側機が知られている。また、路側機に設置されたセンサを用いて、例えば交差点などの監視領域に存在する車両の位置を特定することにより、交差点において右折する車両の死角に対向車が存在する旨を通知する技術がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば自動車などを中心とした移動体による交通の安全性を高めることが望ましい。
【0005】
本開示の目的は、移動体による交通の安全性を高め得る情報処理装置、システム、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る情報処理装置は、移動体に用いられ、
第1移動体、第2移動体、及び第3移動体に関する情報を取得する取得部と、
前記第1移動体及び前記第2移動体の時間的変位を示す情報に基づいて、前記第1移動体と、当該第1移動体の進路を妨げ得る前記第3移動体との間に、前記第2移動体が位置すると予測されると、前記第3移動体に所定の通知を送信するように制御する制御部と、
を備える。
【0007】
一実施形態に係るシステムは、第1路側機及び第2路側機を含み、
前記第1路側機は、
第1移動体、第2移動体、及び第3移動体に関する情報を取得し、
前記第1移動体及び前記第2移動体の時間的変位を示す情報に基づいて、前記第1移動体と、当該第1移動体の進路を妨げ得る前記第3移動体との間に、前記第2移動体が位置すると予測されると、前記第1移動体及び前記第2移動体の時間的変位を示す情報、並びに前記第3移動体に関する情報を前記第2路側機に送信する。
前記第2路側機は、前記第1路側機から受信した前記第1移動体及び前記第2移動体の時間的変位を示す情報に基づいて、前記第3移動体に所定の通知を送信する。
【0008】
一実施形態に係るプログラムは、
移動体に用いられる情報処理装置に、
第1移動体、第2移動体、及び第3移動体に関する情報を取得するステップと、
前記第1移動体及び前記第2移動体の時間的変位を示す情報に基づいて、前記第1移動体と、当該第1移動体の進路を妨げ得る前記第3移動体との間に、前記第2移動体が位置すると予測されると、前記第3移動体に所定の通知を送信するように制御するステップと、
を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
一実施形態によれば、移動体による交通の安全性を高め得る情報処理装置、システム、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る路側機を含むシステムの構成例を示す図である。
【
図2】
図1に示す路側機の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す移動体の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3に示す情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】一実施形態に係るシステムの動作例を説明する図である。
【
図6】一実施形態に係るシステムの動作例を説明する図である。
【
図7】一実施形態に係るシステムの動作例を説明する図である。
【
図8】一実施形態に係るシステムの動作例を説明する図である。
【
図9】一実施形態に係るシステムにおいて通信される情報の例を示す図である。
【
図10】一実施形態に係るシステムにおける判定処理の例を説明する図である。
【
図11】一実施形態に係るシステムにおける判定処理の例を説明する図である。
【
図12】一実施形態に係るシステムにおける判定処理の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施形態に係る情報処理装置及びシステムの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、一実施形態に係る路側機12を含むシステム11の構成例を示す。一実施形態に係るシステム11は、例えば、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)の安全運転支援通信システムのような、システム11としてよい。安全運転支援通信システムは、安全運転支援システムと呼ばれたり、安全運転支援無線システムと呼ばれたりする。
【0013】
システム11は、少なくとも1つの路側機12を含んで構成される。システム11は、複数の路側機12を含んで構成されてもよい。また、システム11は、少なくとも1つの移動体10を含んで構成されてもよい。
図1に示すように、システム11は、複数の移動体10を含んで構成されてもよい。
図1において、移動体10は、自動車のような車両として示してある。
【0014】
路側機12は、所定の領域における路上の例えば車両のような移動体、物体、及び/又は、人等の観察対象を観察してよい。路側機12は、複数の道路13(車道)が交差する交差点の近くに配置されて、路面を観察してよい。路側機12は、交差点以外の路側に配置されてもよい。なお、
図1においては、交差点には1つの路側機12が配置されている。しかしながら、これに限らず、複数の路側機12が配置されてもよい。例えば、交差点で交差する道路13の数に対応する数の路側機12が配置され、各路側機12は、設置者に予め対応づけられた少なくとも1つの道路13が検出範囲に含まれるように配置されてもよい。
【0015】
システム11において、路側機12と、道路13を走る移動体10とは、互いに無線通信を行ってよい。また、複数の移動体10は、互いに無線通信を行ってよい。
【0016】
路側機12は、後述する、多様な情報を移動体10に通知する。移動体10は、後述する、それぞれの移動体において取得する多様な情報を路側機12に通知する。移動体10は、後述する、それぞれの移動体において取得する多様な情報を他の移動体10に通知してよい。移動体10では、少なくとも路側機12から取得する多様な情報が、当該移動体10の運転者の安全運転を支援するために用いられてよい。
【0017】
上記のように、システム11は、移動体10の運転者の安全運転を支援してよい。また、システム11は、移動体10が少なくとも部分的に自動運転される場合に、当該自動運転の安全性を向上させるものであってもよい。移動体10は、例えば、自動車のような車両としてよいが、自動車に限定されず、自動二輪車、バス、路面電車、自転車、又は電動キックボード等であってよい。また、移動体10は、必ずしも地上を走行するものに限定されない。移動体10は、例えば各種ドローンのように、道路13の上を飛行するものであってもよい。移動体10は、必ずしも完全に人間によって運転されるものにも限定されない。すなわち、移動体10は、一部又は全部が自動で運転されるものであってもよい。移動体10は、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers) Internationalによって定義されるレベル1~5の自動運転を行うものであってもよい。
【0018】
以下に、システム11を構成する路側機12、及び、システム11に含まれ得る移動体10の詳細について、説明する。
【0019】
図2に示すように、路側機12は、センサ部14、通信部15、及び制御部(第1の制御部)16を含んで構成されてよい。路側機12は、例えば、道路13が交差する交差点付近の信号装置、電柱、及び/又は街灯等の、屋外において道路13を含む光景を撮像可能な高さを有する構造物に固定されてよい。
【0020】
センサ部14は、センサ部14の周辺の物体に関する情報を検出する。センサ部14によって検出される物体は、路上の移動体10、物体、及び/又は人等の個々の移動体10の運転において考慮すべき対象であってよい。センサ部14によって検出される物体に関する情報は、当該物体の位置、当該物体の存否、存在する当該物体の種類、速度、及び/又は進行方向などであってよい。センサ部14が検出する物体に関する情報は、当該物体の位置、当該物体の存否、存在する当該物体の種類、速度、及び/又は進行方向を生成し得る元情報であってもよい。センサ部14は、所定の時間間隔で周囲の物体に関する情報を検出してよい。
【0021】
センサ部14は、例えば、可視光カメラ、FIR(Far Infrared Rays)カメラ、及びステレオカメラ等の撮像装置、並びに及び赤外線レーダ、ミリ波レーダ、Lidar等の測距装置を含んでよい。撮像装置が検出する画像の画像解析に基づいて、物体の位置、物体の存否、物体の種類、及び/又は、物体の進行方向が生成され得る。異なる時点で連続的に検出された画像の画像解析により、物体の速度及び加速度が生成され得る。測距装置が検出する物点の距離に基づいて、物体の位置、物体の存否、存在する物体の種類が生成され得る。異なる時点で連続的に検出された距離に基づいて、物体の速度及び加速度が生成され得る。
【0022】
センサ部14は、検出軸を中心とする検出範囲を有する。道路13における所望の領域が検出範囲に含まれるように設置されてよく、設置状況におけるセンサ部14の姿勢、言い換えると検出軸の地上を基準とした方角及び傾斜は予め測定されていてよい。
【0023】
通信部15は、制御部16によって制御されて移動体10と無線通信を行ってよい。通信部15は、通信回路及びアンテナにより構成されてよい。アンテナは、例えば無指向性のアンテナとしてよい。通信部15は、例えば、ITSに割り当てられている700MHz帯を使用して無線通信を行う。また、通信部15は、例えば、無線LAN(Local Area Network)を用いて無線通信を行う。
【0024】
通信部15は、アンテナで受信した信号に対して増幅処理などの各種処理を行い、処理後の受信信号を制御部16に出力してよい。制御部16は、入力される受信信号に対して各種処理を行って、当該受信信号に含まれる情報を取得してよい。通信部15は、制御部16から取得する情報に対して増幅処理などの各種処理を行って、処理後の送信信号をアンテナから無線送信してよい。
【0025】
制御部16は、1以上のプロセッサ及びメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。制御部16は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、及びSiP(System In a Package)のいずれかであってもよい。
【0026】
制御部16は、センサ部14が検出した周辺の物体に関する情報を、必要に応じて加工してもよい。制御部16は、物体に関する情報に時刻情報を付加してよい。時刻情報は、制御部16が内蔵するタイマ、又は路側機12が有するタイマから取得するものとしてよい。
【0027】
例えば、制御部16は、前述のように、センサ部14が撮像装置を含む構成において検出される画像に対して、パターンマッチング又は機械学習により構築された判別モデルにより、物体の存否を判別してよい。また、制御部16は、物体が存在すると判別される場合、物体の種類を推定してよい。さらに、制御部16は、物体が存在すると判別される場合、画像内における物体の位置及びセンサ部14の姿勢に基づいて、地上における物体の位置を算出してよい。さらに、制御部16は、物体が存在すると判別される場合、物体の向きを推定することにより、物体の進行方向を推定してよい。さらに、制御部16は、時間的に連続するフレームの画像において同一の物体の地上における位置の差と、フレームの周期とに基づいて、当該物体の速度を算出してよい。さらに、制御部16は、時間的に連続する時点で算出した速度の差及びフレームの周期に基づいて、当該物体の加速度を算出してよい。制御部16は、上述のように加工した情報を物体に関する情報と認定してよい。また、制御部16は、上述のように加工した情報を、周囲の他の路側機12及び/又は周辺の移動体10などに、通信部15を介して送信するように制御してよい。
【0028】
また、例えば、制御部16は、前述のように、センサ部14が測距装置を含む構成において検出される検出軸に対してそれぞれ異なる傾斜方向の物点の距離と道路13までの距離とを比較することにより、当該傾斜方向における物体の存否を判別してよい。さらに、制御部16は、物体が存在すると判定される場合、物体の距離及びセンサ部14の姿勢に基づいて、地上における物体の位置を算出してよい。さらに、制御部16は、物体が存在すると判定される場合、同一とみなせる距離における複数の傾斜方向に対応する物点の集合体の大きさに基づいて、物体の種類を推定してよい。さらに、制御部16は、時間的に連続する測距の検出結果において同一の物体の地上における位置の差と、測距の周期とに基づいて、物体の速度を算出してよい。さらに、制御部16は、時間的に連続する時点で算出した速度の差及び測距の周期に基づいて、物体の加速度を算出してよい。制御部16は、上述のように加工した情報を物体に関する情報と認定してよい。また、制御部16は、上述のように加工した情報を、周囲の路側機12及び/又は周辺の移動体10などに、通信部15を介して送信するように制御してよい。
【0029】
制御部16は、すでに検出された物体が、センサ部14によって新たに検出された周辺の物体と同一であるか否かを判別してよい。制御部16は、すでに検出された物体の位置と、センサ部14によって新たに検出された周辺の物体との位置の間隔が所定の閾値以下であるか否かに基づいて、当該物体の同一性を判別してよい。制御部16は、すでに検出された物体の速度及び/又は加速度に基づいて、当該物体の位置を修正してもよい。
【0030】
制御部16は、内蔵するメモリに検出範囲を示す情報が格納される構成においては、メモリから読出す当該情報を、周囲の路側機12及び/又は周辺の移動体10などに、通信部15を介して送信してよい。制御部16は、内蔵するメモリに検出範囲を推定させ得る情報が格納される構成においては、メモリから読出す当該情報を、路側機12の識別情報と共に、周囲の路側機12及び/又は周辺の移動体10などに、通信部15を介して送信してよい。また、制御部16は、内蔵するメモリに検出範囲を推定させ得る情報が格納される構成においては、メモリから読出す当該情報に基づいて検出範囲を算出し、且つ当該検出範囲を示す情報を、通信部15を介して送信してよい。制御部16は、上述のような情報を周期的に送信するように、通信部15を制御してよい。
【0031】
図3に示すように、移動体10は、情報処理装置17を搭載する。情報処理装置17は、例えば自動車のような移動体に用いられるものとしてよい。移動体10は、更に、センサ部18及びECU(Electronic Control Unit)19を搭載してよい。移動体10は、情報処理装置17が無線通信部を備えない構成においては、車載無線装置20を搭載してよい。以下の説明において、情報処理装置17は、無線通信部を備えない構成であるが、無線通信部を備える構成においては車載無線装置20と類似した機能を有するものとしてよい。
【0032】
センサ部18は、多様なセンサを含んでよい。多様なセンサは、移動体10の周囲の状況を検出するセンサ、移動体10の状態を検出するセンサ等を含んでよい。移動体10の周囲の状況を検出するセンサは、自機の周辺の物体に関する情報を検出するセンサを含んでよい。物体に関する情報は、路側機12のセンサ部14が検出する物体に関する情報と類似してよい。言い換えると、物体に関する情報は、物体の位置、物体の存否、存在する物体の種類、速度、及び進行方向などとしてよい。移動体10の状態を検出するセンサは、自機の速度を検出する速度センサ、自機の実空間における空間位置を検出するGNSS(Global Navigation Satellite System)等の測位装置を含んでよい。
【0033】
ECU19は、センサ部18が検出する情報及び後述する情報処理装置17から取得する情報に基づいて、移動体10の運転を支援してよい。ECU19は、移動体10が運転者により操縦可能な構成においては、取得する情報又は当該情報を加工した情報を運転者に報知してよい。ECU19は、移動体10の加減速及び操舵等の操縦を自動又は半自動で行う構成においては、当該操縦の判断のために取得する情報を用いてよい。
【0034】
車載無線装置20は、周辺の路側機12及び他の移動体10と無線通信を行ってよい。車載無線装置20は、通信回路及びアンテナにより構成されてよい。アンテナは、例えば無指向性のアンテナとしてよい。車載無線装置20は、例えば、ITSに割り当てられている700MHz帯を使用して無線通信を行う。また、車載無線装置20は、例えば、無線LAN(Local Area Network)を用いて無線通信を行う。車載無線装置20は、周辺の路側機12及び移動体10から取得する情報を情報処理装置17に出力してよい。車載無線装置20は、情報処理装置17から取得する情報を路側機12及び移動体10等の外部機器に出力してよい。
【0035】
図4に示すように、情報処理装置17は、取得部21及び制御部22を含んで構成される。
【0036】
取得部21は、情報処理装置17以外の電子機器との情報のインタフェースである。
【0037】
取得部21は、周辺の路側機12から当該路側機12についての情報を取得してよい。取得部21は、情報処理装置17とは別に車載無線装置20が移動体10に搭載される構成において、当該車載無線装置20を介して、周辺の路側機12から情報を取得してもよい。
【0038】
取得部21は、搭載される移動体10の周辺における物体に関する情報を取得してよい。物体に関する情報は、路側機12のセンサ部14が検出する物体に関する情報と類似してよい。言い換えると、物体に関する情報は、物体の位置、物体の存否、存在する物体の種類、速度、及び進行方向であってよい。また、物体に関する情報は、物体の鉛直方向の高さ(例えば車高)を示す値、及び/又は、物体の進行方向における長さを示す値などをさらに含んでいてもよい。取得部21は、物体に関する情報を、センサ部18から取得してよい。取得部21は、物体に関する情報を、情報処理装置17が搭載される移動体10とは別の周囲の移動体10から取得してよい。また、情報処理装置17が搭載される移動体10は、当該移動体10で取得された物体に関する情報を、当該移動体10とは別の周囲の移動体10及び/又は周辺の路側機12に送信してもよい。
【0039】
取得部21は、情報を外部機器に出力する機能も有してよい。以後の説明において、取得部21は、情報を外部機器に出力する機能を有するものとする。取得部21は、制御部22が生成する情報を、車載無線装置20に出力してよい。取得部21は、情報処理装置17が搭載される移動体10の周辺の物体に関する情報を、ECU19に出力してよい。
【0040】
制御部22は、1以上のプロセッサ及びメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでよい。PLDは、FPGAを含んでよい。制御部22は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC、及びSiPのいずれかであってもよい。
【0041】
制御部22は、センサ部18が検出した周辺の物体に関する情報を、必要に応じて加工してよい。制御部22は、物体に関する情報に時刻情報を付加してよい。時刻情報は、制御部22が内蔵するタイマ、又は情報処理装置17が有するタイマから取得するものとしてよい。
【0042】
次に、一実施形態に係るシステム11のより具体的な動作について説明する。
【0043】
例えば、日本国のように左側通行が定められた国において、道路を走行している自動車(車両)が交差点で右折しようとする場面を想定する。この場合、右折しようとする車両は、対向車(優先車)の進路を妨げないように、対向車が接近していないことを十分に確認する必要がある。対向車が接近している場合、右折しようとする車両は、当該対向車が対向車線を通り過ぎるまで待ってから(日本国におけるいわゆる右折待ち)、右折するのが安全である。
【0044】
しかしながら、右折待ちをしている車両からは、対向車が原因となって、当該対向車の後方に存在する他の自動車又は二輪車などが目視できなくなる、あるいは目視しにくくなることがある。すなわち、右折待ちをしている車両の死角を対向車が作り出し、当該死角に他の自動車又は二輪車などが入りこむことがある。例えば、ある車両が交差点において右折待ちをしている状況で、対向車も右折待ちをしているような場合、当該対向車によって他の移動体が隠れてしまうことがある。このような場合、右折待ちをしている車両は、同様に右折待ちをしている対向車が接近していないことを確認してから右折を開始しても、対向車によって隠れていた他の移動体が突然現れることになり、危険である。一実施形態に係る情報処理装置及びシステムは、前述のような状況に対処することにより、移動体による交通の安全性を高めようとするものである。
【0045】
以上の例においては、例えば日本国のように左側通行が定められた国の場合を想定した。しかしながら、例えば米国のように右側通行が定められた国において、道路を走行している自動車(車両)が交差点で左折しようとする場面においても、同様のリスクがある。一実施形態に係る情報処理装置及びシステムによれば、左右の関係を逆に解釈することにより、前述のようなリスクに同様に対処し、移動体による交通の安全性を高めることができる。
【0046】
図5乃至
図8は、一実施形態に係るシステム11の具体的な動作の例を説明する図である。
図5乃至
図8は、同じ環境において、時間の経過とともに移動体(自動車)による交通の状況が変化する様子の例を順番に示している。すなわち、
図6は、
図5に示した状況の僅かに後の状況を示している。
図7は、
図6に示した状況の僅かに後の状況を示している。
図8は、
図7に示した状況の僅かに後の状況を示している。
【0047】
まず、
図5乃至
図8において共通する事項について説明する。以下、一例として、
図5乃至
図8に示すように、路側機12A及び路側機12Bを含む状況を想定して説明する。すなわち、
図5乃至
図8は、路側機12A及び路側機12Bを含むシステムを示すものとしてよい。しかしながら、一実施形態に係るシステムは、状況に応じて、任意の数の路側機12を含むものとしてもよい。路側機12Aは、物体を検出可能な範囲RAを有するものとする。また、路側機12Aは、範囲RA内において、移動体10と通信可能であるものとする。以下、物体検出可能範囲RAは、通信可能範囲RAとも記す。路側機12Bは、物体を検出可能な範囲RBを有するものとする。また、路側機12Bは、範囲RB内において、移動体10と通信可能であるものとする。以下、物体検出可能範囲RBは、通信可能範囲RBとも記す。
図5乃至
図8に示すように、路側機12Aと路側機12Bとは、物体を検出可能な範囲として、それぞれ互いに重複しない範囲を有するものとしてよい。また、路側機12Aと路側機12Bとは、物体を検出可能な範囲として、それぞれ互いに重複する範囲を部分的に有してもよい。
【0048】
図5に示すように、一例として、移動体10Cが直近の交差点で右折しようとしている状況を想定する。例えば、
図5に示す破線の矢印(移動体10Cに付した矢印)は、これから進むべき進路を示すものとしてよい。すなわち、移動体10Cは、右折をしようとしている状況であって、右折待ちのために停車している状況としてよい。また、移動体10Cと同じ方向の隣接する進路(車線)には、移動体10D及び移動体10Eが走行している状況を想定する。
図5に示す実線の矢印(移動体10A、移動体10B、移動体10D、及び移動体10Eに付した矢印)は、現在進行中の進路を示すものとしてよい。すなわち、移動体10C及び移動体10Eは、現在、移動体10Cと同じ方向の隣接する車線を、それぞれ前進している状況としてよい。また、
図5に示すように、移動体10Cの対向車線を、移動体10A及び移動体10Bがそれぞれ走行している状況としてよい。
【0049】
図5に示す時点から少し時間が経過して、
図6に示すような状況になったとする。
図6に示すように、移動体10Cは、依然として右折待ちのために停車している状況としてよい。また、
図6に示すように、移動体10A、移動体10B、移動体10D、及び移動体10Eは、それぞれの方向に僅かに進んでいる状況としてよい。
【0050】
図6に示す時点から少し時間が経過して、
図7に示すような状況になったとする。
図7に示すように、移動体10Cは、依然として右折待ちのために停車している状況としてよい。また、この時点で、
図7に示すように、移動体10Bも、右折待ちのために停車する状況になったものとしてよい。また、
図7に示すように、移動体10A、移動体10D、及び移動体10Eは、それぞれの方向に僅かに進んでいる状況としてよい。
【0051】
図7に示す時点から少し時間が経過して、
図8に示すような状況になったとする。
図8に示すように、移動体10C及び移動体10Bは、それぞれ右折待ちのために停車している状況としてよい。また、
図8に示すように、移動体10A及び移動体10Dは、それぞれの方向に僅かに進んでいる状況としてよい。
【0052】
図8に示す状況において、右折待ちをしている移動体10Cからは、移動体10Cの対向車である移動体10Bが原因となって、当該移動体10Bの後方に存在する移動体10Aが目視できなくなる、あるいは目視しにくくなることがある。すなわち、右折待ちをしている移動体10Cの死角を移動体10Bが作り出し、その死角に移動体10Aが入りこむことがある。このような状況において、移動体10Cは、移動体10Bが接近していないことを確認してから右折を開始しても、移動体10Bによって隠れていた移動体10Aが突然現れることになり、危険である。したがって、一実施形態に係る情報処理装置及びシステムは、このような状況において移動体10Cに移動体10Aの存在を知らせることにより、交通の安全性を高めることができる。すなわち、一実施形態に係る情報処理装置及びシステムは、右折待ちをしている移動体10Cに対し、このまま右折をすると移動体10Bに隠れた移動体10Aの存在によるリスクがある旨を通知する。
【0053】
以下、一実施形態に係るシステム11に含まれる路側機12A及び路側機12Bは、周辺に存在する移動体10と路車間通信が可能であるものとする。また、一実施形態に係るシステム11に含まれる路側機12A及び路側機12Bは、互いに路路間通信が可能であるものとする。また、一実施形態に係るシステム11に含まれる複数の移動体10は、互いに車車間通信が可能であるものとする。ここで、一実施形態に係るシステム11に含まれる複数の移動体10の少なくともいずれかとして、車車間通信ができないものを含んでもよい。
【0054】
図9は、一実施形態に係るシステム11において通信される情報の例を示す図である。以下、
図9を参照して、
図5乃至
図8に示した状況において通信される情報について説明する。
図9においては、一例として、移動体10A、路側機12A、路側機12B、及び移動体10Cの間で通信される情報について主として説明してある。また、
図9においては、移動体10Dも含めて通信される情報について説明してある。
図9において、上から下に向けて、通信される情報の時間的な流れを示してある。
【0055】
図5に示す状況において、移動体10Aが搭載する情報処理装置17が備える取得部21は、移動体10A及び移動体10Aの周囲の他の移動体10に関する情報を取得する。ここで、移動体10Aが搭載する情報処理装置17が備える制御部22は、移動体10Aの周囲の他の移動体10のうち、所定の移動体10に関する情報が取得部21によって取得されるように制御してよい。例えば、移動体10Aの制御部22は、移動体10Aの進路を妨げ得る他の移動体10に関する情報が取得部21によって取得されるように制御してよい。この場合、移動体10Aの制御部22は、移動体10Aとの距離が所定の距離以内になる移動体10であって、移動体10Aの進行方向から所定の角度範囲内に存在する移動体10を、移動体10Aの進路を妨げ得る他の移動体10と判定してもよい。
【0056】
例えば、
図10に示すように、移動体10Aとの距離が所定の距離R以内になる移動体10のうち、移動体10Aの進行方向DAから所定の角度範囲(例えば10°)内に存在する移動体10は、移動体10Aの進路を妨げ得る他の移動体10と判定されてよい。
図10においては、上述の条件を満たす移動体10は、移動体10F、移動体10G、及び移動体10Hのうち、移動体10F及び移動体10Hである。この場合、移動体10Aの制御部22は、移動体10F及び移動体10Hが、移動体10Aの進路を妨げ得る他の移動体10であると判定してもよい。ここで、所定の距離R及び進行方向DAから所定の角度範囲(例えば10°)は、移動体10Aの進路を妨げる可能性が低くなるような条件を適宜設定してよい。また、所定の距離R及び進行方向DAから所定の角度範囲(例えば10°)は、移動体10Aが備えるセンサ部18の機能及び/又は性能、移動体10Aの周囲の交通状況、並びに交通安全上考慮すべき事項などに基づいて、適宜決定されてよい。
【0057】
また、移動体10Aの制御部22は、上述の条件に加えて、さらに、移動体10Aの進行方向DAに対向する方向から所定の角度範囲(例えば10°)内の進行方向を有する移動体10を、移動体10Aの進路を妨げ得る他の移動体10と判定してもよい。例えば、
図10に示す移動体10Fは、移動体10Aの進行方向DAに対向する方向(DAの反対方向)から所定の角度範囲(例えば10°)内の進行方向を有するため、移動体10Aの進路を妨げ得る他の移動体10と判定とされてよい。一方、例えば、
図10に示す移動体10Hは、移動体10Aの進行方向DAに対向する方向(DAの反対方向)から所定の角度範囲(例えば10°)外の進行方向を有するため、移動体10Aの進路を妨げ得る他の移動体10ではないと判定とされてもよい。ここで、移動体10Aの進行方向DAに対向する方向(DAの反対方向)から所定の角度範囲(例えば10°)は、移動体10Aの進路を妨げる可能性が低い他の移動体10の進行方向の角度範囲として、適宜設定されてよい。
【0058】
図5に示す状況において、移動体10Aの制御部22は、移動体10B、移動体10C、移動体10D、及び移動体10Eを、移動体10Aの進路を妨げ得る他の移動体10と判定したとする。すなわち、
図5に示す状況において、移動体10Aの制御部22は、移動体10B、移動体10C、移動体10D、及び移動体10Eが、上述した条件を満たすと判定したとする。この場合、
図9の移動体10Aの欄(時刻α)に示すように、移動体10A(の取得部21)は、移動体10B、移動体10C、移動体10D、及び移動体10Eに関する情報を取得する。移動体10B、移動体10C、移動体10D、及び移動体10Eに関する情報とは、例えば、これらの移動体10を特定する情報、これらの移動体10の位置情報、及び/又は、当該位置情報が検出された時刻に関する情報等としてよい。ここで、移動体10Aの取得部21は、移動体10Aのセンサ部18が検出した他の移動体10に関する情報を取得してよい。また、移動体10Aの取得部21は、車載無線装置20が例えば車車間通信により受信した他の移動体10に関する情報を取得してもよい。
【0059】
また、
図5に示す状況において、移動体10A及び移動体10Bは、路側機12Aの通信可能範囲RA内に存在する。したがって、路側機12Aは、
図9の路側機12Aの欄(時刻α)に示すように、移動体10A及び移動体10Bの位置情報を取得してよい。また、路側機12Aは、移動体10A及び移動体10Bの位置情報を追跡してよい。さらに、路側機12Aは、移動体10A及び移動体10Bの位置情報を追跡することにより、現時点までの位置の履歴に基づいて、将来の時点の移動体10A及び移動体10Bの位置を推定できるものとする。ここで、路側機12Aは、移動体10A及び移動体10Bの現時点までの速度及び/又は加速度に基づいて、将来の時点の移動体10A及び移動体10Bの位置を推定できるものとしてよい。例えば、路側機12Aは、
図9の路側機12Aの欄(時刻αの後)に示すように、移動体10A及び移動体10BのΔ1後の時点における位置を推定してよい。
【0060】
次に、
図6に示す状況において、移動体10Aの制御部22は、移動体10B、移動体10C、及び移動体10Dを、移動体10Aの進路を妨げ得る他の移動体10と判定したとする。すなわち、
図6に示す状況において、移動体10Aの制御部22は、移動体10B、移動体10C、及び移動体10Dが、上述した条件を満たすと判定したとする。この場合、
図9の移動体10Aの欄(時刻β)に示すように、移動体10A(の取得部21)は、移動体10B、移動体10C、及び移動体10Dに関する情報を取得する。
【0061】
次に、
図7に示す状況において、移動体10Aの制御部22は、移動体10C及び移動体10Dを、移動体10Aの進路を妨げ得る他の移動体10と判定したとする。すなわち、
図7に示す状況において、移動体10Aの制御部22は、移動体10C及び移動体10Dが、上述した条件を満たすと判定したとする。この場合、
図9の移動体10Aの欄(時刻γ)に示すように、移動体10A(の取得部21)は、移動体10C及び移動体10Dに関する情報を取得する。また、
図7に示す状況において、移動体10C及び移動体10Dは、路側機12Bの通信可能範囲RB内に存在するものとする。
【0062】
時刻γの時点において、移動体10A及び/又は移動体10Bが路側機12Aの通信可能範囲RA内に存在する場合、路側機12Aは、移動体10A及び/又は移動体10Bの位置情報を追跡し続けてよい。また、路側機12Aは、移動体10A及び/又は移動体10Bが走行する進路の先に存在する路側機12Bに、移動体10A及び/又は移動体10Bに関する情報を送信してよい(
図9の移動体10A及び路側機12Bの欄(時刻γ))。一方、時刻γの時点において、移動体10A及び/又は移動体10Bが路側機12Bの通信可能範囲RB内に存在する場合、路側機12Bは、移動体10A及び/又は移動体10Bの位置情報を追跡し続けてよい。
【0063】
さらに、時刻γの時点において、移動体10Aが移動体10C及び移動体10Dに関する情報を取得している場合、移動体10Aは、これらの情報を路側機12Aに送信してもよい(
図9の移動体10A及び路側機12Aの欄(時刻γ))。また、時刻γの時点において、移動体10Aが移動体10C及び移動体10Dに関する情報を取得している場合、路側機12Aは、これらの情報を移動体10Aから受信してもよい。さらに、時刻γの時点において、移動体10Aが移動体10C及び移動体10Dに関する情報を取得している場合、路側機12Aは、これらの情報を路側機12Bに送信してもよい(
図9の路側機12A及び路側機12Bの欄(時刻γ))。この時点において、上述のように、移動体10C及び移動体10Dは、路側機12Bの通信可能範囲RB内に存在する。
【0064】
したがって、
図7に示す状況において、移動体10C及び移動体10Dは、移動体10A及び移動体10Bの存在を示す情報を取得することができる(
図9の移動体10C及び移動体10Dの欄(時刻γ))。また、この場合、移動体10C及び移動体10Dは、移動体10A及び移動体10BのΔ1後の時点における位置を示す情報を取得することができる(
図9の移動体10C及び移動体10Dの欄(時刻γ))。この場合、路側機12Bが、移動体10A及び移動体10Bの存在を示す情報を、移動体10C及び移動体10Dに送信してもよい。
【0065】
このようにして、
図7に示す状況において、移動体10C及び移動体10Dは、たとえ移動体10Bが存在したとしても、移動体10Aの存在を認識することができる。例えば、移動体10C又は移動体10Dの制御部22は、移動体10C又は移動体10Dの運転者などに、移動体10Aの存在を知らせてもよい。この場合、移動体10C又は移動体10Dの制御部22は、例えば、所定の音若しくは音声、及び/又は所定の表示などを発することにより、移動体10C又は移動体10Dの運転者などに注意を促してもよい。例えば、移動体10C又は移動体10Dの制御部22は、「対向車が来ています」又は「対向車に注意」などのような音声又は表示などを出力してもよい。また、移動体10C又は移動体10Dの制御部22は、例えば、移動体10C又は移動体10Dの運転者などに接する箇所において振動のなどの所定の触感を呈示することにより、注意を促してもよい。
【0066】
ここで、移動体10C又は移動体10Dが自動運転されている場合、移動体10Aの存在を、自動運転が実行される際の道路状況を示すデータに反映させてもよい。この場合、自動運転されている移動体10C又は移動体10Dは、移動体10Aが存在する限り、交差点において右折を開始せずに、例えば右折待ちの状態を維持するようにしてもよい。この場合、移動体10C又は移動体10Dは、移動体10C又は移動体10Dの乗員に、移動体10Aの存在を知らせなくてもよい。
【0067】
図7に示す状況において、移動体10Cの制御部22は、移動体10A及び移動体10Bの時間的変位を示す情報に基づいて、移動体10Aと、移動体10Cとの間に、移動体10Bが位置するか否かを予測してもよい。移動体10Cの制御部22は、移動体10Aと移動体10Cとの間に移動体10Bが位置すると予測される場合に、移動体10Cの運転者などに移動体10Aの存在を知らせる所定の通知を発してもよい。同様に、
図7に示す状況において、移動体10Dの制御部22は、移動体10A及び移動体10Bの時間的変位を示す情報に基づいて、移動体10Aと、移動体10Dとの間に、移動体10Bが位置するか否かを予測してもよい。移動体10Dの制御部22は、移動体10Aと移動体10Dとの間に移動体10Bが位置すると予測される場合に、移動体10Dの運転者などに移動体10Aの存在を知らせる所定の通知を発してもよい。
【0068】
また、
図7に示す状況において、移動体10Cの制御部22は、移動体10A、移動体10B、及び移動体10Cの位置関係に基づいて、移動体10Aと移動体10Cとの間に移動体10Bが位置するか否かを予測してもよい。
【0069】
例えば
図11に示すように、移動体10Aと移動体10Cとの間の距離ACが、移動体10Aと移動体10Bとの間の距離ABよりも大きいとする。この場合、移動体10Cの制御部22は、移動体10Aと移動体10Cとの間に移動体10Bが位置すると予測してもよい。このように、
図11に示すような状況においては、移動体10Cから見ると、移動体10Aは移動体10Bの斜め後方に隠れてしまい、移動体10Cから移動体10Aが見えない、又は見えにくい状況が想定される。このような場合、移動体10Cにおいて、対向車である移動体10Aの存在が通知されることによる、安全面の意義は大きい。
【0070】
一方、例えば
図12に示すように、移動体10Aと移動体10Cとの間の距離ACが、移動体10Aと移動体10Bとの間の距離ABよりも小さいとする。この場合、移動体10Cの制御部22は、移動体10Aと移動体10Cとの間に移動体10Bが位置しないと予測してもよい。このように、
図12に示すような状況においては、移動体10Cから見ると、移動体10Aは移動体10Bよりも前に位置するため、移動体10Cから移動体10Aが見える、又は見え易い状況が想定される。このような場合、移動体10Cにおいて、対向車である移動体10Aの存在は通知されなくても、危険性は少ない。
【0071】
図11及び
図12においては、移動体10Aと移動体10Cとの間の距離ACと、移動体10Aと移動体10Bとの間の距離ABとは、それぞれの移動体10同士の直接の距離により示した。一方、移動体10Aと移動体10Cとの間の距離ACと、移動体10Aと移動体10Bとの間の距離ABとは、それぞれの移動体10同士の直接の距離の進行方向に平行な成分で比較してもよい。すなわち、移動体10Aと移動体10Bとの間の距離ABの代わりに、当該距離ABの
図11に示す中央線(センターライン)に平行な成分を用いてもよい。同様に、移動体10Aと移動体10Cとの間の距離ACの代わりに、当該距離ACの
図11に示す中央線(センターライン)に平行な成分を用いてもよい。
【0072】
このように、移動体10Cの制御部22は、移動体10Aと移動体10Cとの距離が、移動体10Bと移動体10Cとの距離よりも長くなる場合に、移動体10Aと移動体10Cとの間に移動体10Bが位置すると予測してもよい。
【0073】
同様に、
図7に示す状況において、移動体10Dの制御部22は、移動体10A、移動体10B、及び移動体10Dの位置関係に基づいて、移動体10Aと移動体10Dとの間に移動体10Bが位置するか否かを予測してもよい。
【0074】
次に、
図8に示す状況において、移動体10Aの制御部22は、移動体10Cのみを、移動体10Aの進路を妨げ得る他の移動体10と判定したとする。すなわち、
図8に示す状況において、移動体10Aの制御部22は、移動体10Cのみが、上述した条件を満たすと判定したとする。この場合、
図9の移動体10Aの欄(時刻δ)に示すように、移動体10A(の取得部21)は、移動体10Cに関する情報を取得する。
【0075】
時刻δの時点において、移動体10A及び/又は移動体10Bが路側機12Aの通信可能範囲RA内に存在する場合、路側機12Aは、移動体10A及び/又は移動体10Bの位置情報を追跡し続けてよい。また、路側機12Aは、移動体10A及び/又は移動体10Bが走行する進路の先に存在する路側機12Bに、移動体10A及び/又は移動体10Bに関する情報を送信してよい。一方、移動体10A及び/又は移動体10Bが路側機12Bの通信可能範囲RB内に存在する場合、路側機12Bは、移動体10A及び/又は移動体10Bの位置情報を追跡し続けてよい。
【0076】
上述のように、時刻γの時点において、移動体10A及び移動体10BのΔ1後の時点における推定された位置を取得している。また、上述のように、時刻γの時点において、路側機12Aは、移動体10C及び移動体10Dに関する情報を取得している。したがって、
図9に示すように、路側機12Aは、移動体10A及び移動体10BのΔ1後の時点における推定された位置の情報、及び、移動体10C及び移動体10Dに関する情報を、路側機12Bに送信することができる。また、路側機12Bは、移動体10A及び移動体10BのΔ1後の時点における推定された位置の情報、及び、移動体10C及び移動体10Dに関する情報を、路側機12Aから受信することができる。
【0077】
その後、時刻γの時点から時刻δの時点まで、時間Δ2が経過したとする。路側機12Bは、路側機12Aと同様に、移動体10A及び移動体10Bの位置情報を追跡してよい。さらに、路側機12Bは、路側機12Aと同様に、移動体10A及び移動体10Bの位置情報を追跡することにより、現時点までの位置の履歴に基づいて、将来の時点の移動体10A及び移動体10Bの位置を推定できるものとする。ここで、路側機12Bは、路側機12Aと同様に、移動体10A及び移動体10Bの現時点までの速度及び/又は加速度に基づいて、将来の時点の移動体10A及び移動体10Bの位置を推定できるものとしてよい。例えば、路側機12Bは、
図9の路側機12Bの欄(時刻γの後)に示すように、移動体10A及び移動体10BのΔ2後の時点における位置を推定してよい。
【0078】
さらに、時刻δの時点において、移動体10Aが移動体10Cに関する情報を取得している場合、移動体10Aは、この情報を路側機12Bに送信してもよい(
図9の移動体10A及び路側機12Bの欄(時刻δ))。この場合、移動体10Aは、上述の情報を、路側機12Bに直接送信してもよいし、路側機12Aを介して、路側機12Bに送信してもよい。時刻δの時点において、移動体10Aが移動体10Cに関する情報を取得している場合、路側機12Aは、これらの情報を路側機12Bに送信してもよい。また、時刻δの時点において、移動体10Aが移動体10Cに関する情報を取得している場合、路側機12Bは、これらの情報を移動体10Aから受信してもよい。
【0079】
したがって、
図8に示す状況において、移動体10Cは、移動体10A及び移動体10Bの存在を示す情報を取得することができる(
図9の移動体10Cの欄(時刻δ))。また、この場合、移動体10Cは、移動体10A及び移動体10BのΔ2後の時点における位置を示す情報を取得することができる(
図9の移動体10Cの欄(時刻δ))。この場合、路側機12Bが、移動体10A及び移動体10Bの存在を示す情報を、移動体10Cに送信してもよい。
【0080】
このようにして、
図8に示す状況において、移動体10Cは、たとえ移動体10Bが存在したとしても、移動体10Aの存在を認識することができる。例えば、移動体10Cの制御部22は、移動体10Cの運転者などに、移動体10Aの存在を知らせてもよい。この場合、移動体10Cの制御部22は、例えば、所定の音若しくは音声、所定の表示、及び/又は所定の振動などを発することにより、移動体10Cの運転者などに注意を促してもよい。また、移動体10Cが自動運転されている場合、移動体10Aの存在を、自動運転が実行される際の道路状況を示すデータに反映させてもよい。
【0081】
図8に示す状況においても、
図7に示した状況と同様に、移動体10Cの制御部22は、移動体10A及び移動体10Bの時間的変位を示す情報に基づいて、移動体10Aと、移動体10Cとの間に、移動体10Bが位置するか否かを予測してもよい。また、
図8に示す状況においても、
図7に示した状況と同様に、移動体10Cの制御部22は、移動体10A、移動体10B、及び移動体10Cの位置関係に基づいて、移動体10Aと移動体10Cとの間に移動体10Bが位置するか否かを予測してもよい(
図11及び
図12参照)。
【0082】
このように、一実施形態に係る情報処理装置17及びシステム11は、右折待ちをしている移動体10Cに対し、このまま右折をすると移動体10Bに隠れた移動体10Aの存在によるリスクがある旨を通知することができる。したがって、一実施形態に係る情報処理装置17及びシステム11によれば、移動体による交通の安全性を高めることができる。
【0083】
路側機12に搭載される各種センサは、当該センサの種類、個々の性能、及び/又は周辺環境などによって検出精度が左右される。また、路側機12が配置される位置及び/又は角度などによっても、周辺に存在する物体の検出精度は左右され得る。このため、例えば路側機12A又は路側機12Bによっては、例えば右折待ちをしている移動体10Bに、直進してくる対向車である移動体10Aの存在を適切に通知できないことも想定される。しかしながら、一実施形態によれば、いずれかの移動体10によって、例えば右折待ちをしている移動体10Cのような、移動体10Aの進路を妨げ得る移動体10が検出される。そして、検出された移動体10は、車車間通信及び/又は路車間通信を介して他者に配信される。このため、一実施形態によれば、右折待ちをしている移動体がリスクを検知する精度を向上させ、交通の安全をより高めることができる。
【0084】
以上説明したように、一実施形態に係る情報処理装置17は、第3移動体(移動体10C)などに用いられてよい。また、情報処理装置17が備える制御部22は、第1移動体(移動体10A)及び第2移動体(移動体10B)の時間的変位を示す情報に基づいて、移動体10Aと、移動体10Cとの間に、移動体10Bが位置するか否か予測してよい。ここで、移動体10Cとは、移動体10Aの進路を妨げ得る移動体としてよい。そして、制御部22は、移動体10Aと、移動体10Cとの間に、移動体10Bが位置すると予測されると、移動体10Cに所定の通知を送信するように制御する。
【0085】
上述のような制御において、例えば、移動体10A及び移動体10Bは、互いに隣接する進路(車線)を同じ方向に走行する移動体10としてもよい。また、例えば、移動体10Cは、移動体10A及び移動体10Bに対向する進路(車線)に存在する移動体10としてもよい。
【0086】
さらに、制御部22は、他の移動体10と通信を行う通信部(例えば車載無線装置20)からの入力に基づく制御を行ってもよい。例えば、制御部22は、移動体10Aと移動体10Cとの間に移動体10Bが位置すると予測されると、通信部を介して移動体10Cに所定の通知が送信されるように制御してもよい。
【0087】
また、制御部22は、路側機12と通信を行う通信部(例えば車載無線装置20)からの入力に基づく制御を行ってもよい。例えば、制御部22は、移動体10Aと移動体10Cとの間に移動体10Bが位置すると予測されると、路側機12を介して移動体10Cに所定の通知が送信されるように制御してもよい。
【0088】
以上説明した実施形態においては、移動体10Cの制御部22が、移動体10Cに所定の通知を送信するように制御することを想定して説明した。また、上述した実施形態においては、移動体10Aの制御部22が、移動体10Aの進路を妨げ得る他の移動体10を検出又は判定することを想定して説明した。しかしながら、これらの動作は、移動体10の情報処理装置17(制御部22)が車車間通信及び/又は路車間通信に対応していれば、いずれの移動体10によって実行されてもよい。すなわち、前述の制御及び/又は動作を行う移動体10は、例えば、移動体10Aとしてもよいし、移動体10Bとしてもよいし、移動体10A及び移動体10Bの周囲の第4移動体(例えば移動体10D)などとしてもよい。
【0089】
また、前述の制御及び/又は動作を行う移動体10が、例えば、移動体10Aである場合、移動体10Aの取得部21が取得した物体に関する情報に含まれる、物体の鉛直方向の高さを示す値に基づいて、所定の通知が送信されるように制御してもよい。例えば、移動体10Aと移動体10Cとの間に移動体10Bが位置すると予測されるが、移動体10Aの車高を示す数値Aが移動体10Bの車高を示す数値Bよりも低い場合、又は、数値Aが数値Bよりも一定値以上低い場合を想定する。このような場合、移動体10Aの制御部22は、移動体10Cから見て、移動体10Aが移動体10Bによって隠れる可能性が高いと判断し、所定の通知を送信するように制御してもよい。
【0090】
また、前述の制御及び/又は動作を行う移動体10が、例えば、移動体10Aである場合、移動体10Aの取得部21が取得した物体に関する情報に含まれる、物体の進行方向における長さを示す値に基づいて、所定の通知が送信されるように制御してもよい。例えば、移動体10Aと移動体10Cとの間に移動体10Bが位置すると予測されるが、移動体10Aの長さを示す数値A´が移動体10Bの長さを示す数値B´よりも短い場合、又は、数値Aが数値Bよりも一定値以上短い場合を想定する。このような場合、移動体10Aの制御部22は、移動体10Cから見て、移動体10Aが移動体10Bによって隠れる可能性が高いと判断し、所定の通知を送信するように制御してもよい。
【0091】
さらに、前述の制御及び/又は動作を行う移動体10の制御部22が所定の通知を送信するように制御するのは、次のような場合としてもよい。すなわち、移動体10が現在位置から最も早く通過することになる交差点ではなく、その先の交差点において、移動体10Aと移動体10Cとの間に移動体10Bが位置すると予測される場合に、所定の通知を送信するように制御してもよい。
【0092】
また、一実施形態に係るシステム11は、第1路側機(路側機12A)及び第2路側機(路側機12B)を含んでよい。上述した移動体10に用いられる情報処理装置17が実行する動作の少なくとも一部は、システム11に含まれる路側機12A及び/又は路側機12Bが担うようにしてもよい。
【0093】
例えば、路側機12Aは、路側機12Aの周囲の移動体10の少なくともいずれかに関する情報を取得してよい。また、路側機12Aは、移動体10Aと、移動体10Aの進路を妨げ得る移動体10Cとの間に、移動体10Bが位置すると予測される旨の情報を、移動体10のいずれかから受信してよい。ここで、前述の予測される旨の情報は、移動体10A及び移動体10Bの時間的変位を示す情報に基づくもの(例えば移動体10のいずれかによって予測された情報)としてよい。そして、路側機12Aは、移動体10A及び移動体10Bの時間的変位を示す情報、並びに移動体10Cに関する情報を、路側機12Bに送信してよい。
【0094】
また、例えば、路側機12Bは、路側機12Aから受信した移動体10A及び移動体10Bの時間的変位を示す情報に基づいて、移動体10Cに所定の通知を送信してよい。
【0095】
また、路側機12Aは、移動体10Aと移動体10Cとの間に移動体10Bが位置すると予測される旨の情報を、移動体10Aから受信してもよいし、移動体10Bから受信してもよい。また、路側機12Aは、前述の予測される旨の情報を、移動体10A、移動体10B、及び移動体10Cのいずれとも異なる例えば第4移動体(例えば移動体10D)などから受信してもよい。ここで、前述の予測される旨の情報は、移動体10A及び移動体10Bの時間的変位を示す情報に基づくものとしてよい。
【0096】
また、路側機12A及び/又は路側機12Bは、例えば、受信した情報及び/又は取得した情報を、他に送信するように制御してもよい。また、路側機12A及び/又は路側機12Bは、例えば、周囲の移動体10の位置、速度、及び加速度などの少なくともいずれかを検出するように制御してもよい。
【0097】
また、上述した実施形態においては、移動体10Cに対して、移動体10Aの存在を知らせる所定の通知を送信する態様について説明した。しかしながら、移動体10Cに対する通知に代えて、又は移動体10Cに対する通知とともに、移動体10Bに対して所定の通知が送信されるようにしてもよい。このような通知により、移動体10Bの運転者などは、自車である移動体10Bが原因となって、他の車両(移動体10C)を隠してしまっている、又は他の車両(移動体10A)の死角を産み出していることを認識することができる。
【0098】
また、一実施形態において、移動体10Cに対する通知に代えて、又は移動体10Cに対する通知とともに、移動体10Aに対して所定の通知が送信されるようにしてもよい。このような通知により、(本来は優先車である直進車の)移動体10Aの運転者などは、交差点を直進する際に、右折待ちをしている移動体10Cが存在することを認識することができる。
【0099】
以上、情報処理装置17及び路側機12の実施形態を説明してきたが、本開示の実施形態としては、装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ハードディスク、又はメモリカード等)としての実施態様をとることも可能である。
【0100】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であってもよい。さらに、プログラムは、制御基板上のCPUにおいてのみ全ての処理が実施されるように構成されてもされなくてもよい。プログラムは、必要に応じて基板に付加された拡張ボード又は拡張ユニットに実装された別の処理ユニットによってその一部又は全部が実施されるように構成されてもよい。
【0101】
本開示に係る実施形態について説明する図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。
【0102】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0103】
例えば、本開示に係る実施形態では、移動体10において情報処理装置17と、ECU19とは異なる構成要素として説明される。しかしながら、これに限らず、情報処理装置17がECU19を含み、上述した情報処理装置17としての処理だけでなく、上述したECU19が行う処理も行ってもよい。
【0104】
本開示に記載された構成要件の全て、及び/又は、開示された全ての方法、又は、処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。また、本開示に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、又は類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一、又は、均等となる特徴の一例にすぎない。
【0105】
さらに、本開示に係る実施形態は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本開示に係る実施形態は、本開示に記載された全ての新規な特徴、又は、それらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法、又は、処理のステップ、又は、それらの組合せに拡張することができる。
【0106】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1情報は、第2情報と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【符号の説明】
【0107】
10 移動体
10A 第1移動体
10B 第2移動体
10C 第3移動体
11 システム
12 路側機
13 道路
14 センサ部
15 通信部
16 制御部
17 情報処理装置
18 センサ部
19 ECU(Electronic Control Unit)
20 車載無線装置
21 取得部
22 制御部