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  • 特開-フェンス用基礎及びその形成方法 図1
  • 特開-フェンス用基礎及びその形成方法 図2
  • 特開-フェンス用基礎及びその形成方法 図3
  • 特開-フェンス用基礎及びその形成方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158568
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】フェンス用基礎及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/42 20060101AFI20241031BHJP
   E04H 17/22 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
E02D27/42 C
E04H17/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073871
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 拓也
(72)【発明者】
【氏名】中島 俊介
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼下 義博
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 拓海
【テーマコード(参考)】
2D046
2E142
【Fターム(参考)】
2D046DA37
2D046DA38
2E142HH01
2E142HH13
2E142JJ06
(57)【要約】
【課題】狭小なスペースに容易に設けることが可能なフェンス用基礎及びその形成方法を提供することである。
【解決手段】建築物2に隣接して設置されるフェンス3を支持するフェンス用基礎1であって、フェンス3が取り付けられる基礎本体部10と、基礎本体部10に一体に連ねて設けられ、地中において建築物2の基礎2fに一体に連なる連結部11と、を有することを特徴とするフェンス用基礎1及び建築物2の基礎2fを形成する際に、建築物2の基礎2fとともにフェンス用基礎1を形成することを特徴とするフェンス用基礎の形成方法。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物に隣接して設置されるフェンスを支持するフェンス用基礎であって、
前記フェンスが取り付けられる基礎本体部と、
前記基礎本体部に一体に連ねて設けられ、地中において前記建築物の基礎に一体に連なる連結部と、を有することを特徴とするフェンス用基礎。
【請求項2】
請求項1に記載の前記フェンス用基礎を形成するフェンス用基礎の形成方法であって、
前記建築物の基礎を形成する際に、前記建築物の基礎とともに前記フェンス用基礎を形成することを特徴とするフェンス用基礎の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物に隣接して設置されるフェンスを支持するフェンス用基礎及びその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅、学生寮、オフィスビル、商業ビルなどの建築物の外構を構成するフェンスを隣接地との境界部分に設置する場合、建築物を建築した後、建築物に隣接する地面にフェンス用基礎を形成し、このフェンス用基礎にフェンスを取り付けるようにするのが一般的である(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-61851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、例えば壁を共有した構成の長屋の一部を解体し、その解体後のスペースに新たな建築物を建設する際など、建築スペースが狭小な場合には、建築物を建設した後、建築物に隣接する狭小なスペースにフェンス用基礎を形成する工事を行うことが困難である、という問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、狭小なスペースに容易に設けることが可能なフェンス用基礎及びその形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフェンス用基礎は、建築物に隣接して設置されるフェンスを支持するフェンス用基礎であって、前記フェンスが取り付けられる基礎本体部と、前記基礎本体部に一体に連ねて設けられ、地中において前記建築物の基礎に一体に連なる連結部と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明のフェンス用基礎の形成方法は、上記の前記フェンス用基礎を形成するフェンス用基礎の形成方法であって、前記建築物の基礎を形成する際に、前記建築物の基礎とともに前記フェンス用基礎を形成することを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、狭小なスペースに容易に設けることが可能なフェンス用基礎及びその形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るフェンス用基礎の概略図である。
図2図1に示すフェンス用基礎の一部の平面図である。
図3図2に示すフェンス用基礎のA-A線に沿う断面図である。
図4図2に示すフェンス用基礎のB-B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係るフェンス用基礎及びその形成方法について詳細に例示説明する。
【0011】
図1に示す本実施形態に係るフェンス用基礎1は、建築物2に隣接して設置されるフェンス3を支持するものである。
【0012】
本実施形態では、建築物2は、例えば住宅、学生寮、オフィスビル、商業ビルなどとして利用することができる鉄筋コンクリート造のものであり、複数の階層2a~2d及び吹抜け部分2eを有している。
【0013】
なお、建築物2は、鉄筋コンクリート造に限らず、例えば木造などの他の構造であってもよい。また、建築物2の階層数、吹抜け部分2eの有無、全体の形状などは種々変更可能である。
【0014】
建築物2は、鉄筋コンクリート製の基礎2fを有している。本実施形態では、基礎2fは、べた基礎(マットスラブ)に構成されているが、例えば布基礎等の他の構成であってもよい。基礎2fの外側面は、建築物2の外壁2gの外側面に同一面状に連なっている。
【0015】
図1図2に示すように、フェンス3は、建築物2が建築される土地とこの土地に隣接する隣接地との境界部分に、建築物2の外壁2gに対して一定の間隔を空けて設置されている。フェンス3は、フェンス用基礎1に間隔を空けて並べて支持された複数本(図1図2においては1本のみを示す)の支柱3aと、一対の支柱3aに支持された複数のフェンス本体部3bとを備えている。フェンス本体部3bは、例えば格子状、板状など、種々の形状であってよい。
【0016】
図1図3に示すように、フェンス用基礎1は、基礎本体部10と連結部11とを有している。
【0017】
図2図3に示すように、基礎本体部10は、断面が矩形形状であり、建築物2の外壁2gに対して一定の間隔を空けて外壁2gに沿って延びている。基礎本体部10は、その一部が地面4の下方すなわち地中に配置され、残りの部分が地面4から上方に突出している。
【0018】
基礎本体部10には、フェンス3の支柱3aが取り付けられている。より具体的には、支柱3aは、基礎本体部10の地面4から上方に突出した部分の上面に取り付けられている。詳細は図示しないが、支柱3aは、例えば、基礎本体部10に埋設されたアンカーボルトを用いて基礎本体部10に固定して取り付けられる。なお、基礎本体部10に対する支柱3aの取り付け構造は種々変更可能である。
【0019】
図2図4に示すように、フェンス用基礎1は、基礎本体部10の支柱3aが取り付けられる部分の側部に、凸部12が一体に設けられた構成とすることもできる。凸部12は、平面視で矩形形状を有し、基礎本体部10の上端から下端にまで延びている。基礎本体部10の支柱3aが取り付けられる部分の側部に凸部12を一体に設けた構成とすることで、基礎本体部10の支柱3aが取り付けられる部分の強度を高めて、フェンス用基礎1によって、より確実に支柱3aを支持することが可能となる。
【0020】
なお、フェンス用基礎1は、凸部12が設けられない構成であってもよい。
【0021】
連結部11は、地面4の下すなわち地中において基礎本体部10と建築物2の基礎2fとの間に設けられている。連結部11の基礎本体部10に沿う方向の長さは基礎本体部10の長さと同一である。連結部11は、その一方の側部が基礎本体部10に一体に連なるとともに他方の側部が地中において建築物2の基礎2fに一体に連なっている。
【0022】
このように、本実施形態に係るフェンス用基礎1は、連結部11において建築物2の基礎2fに一体に連ねて設けられている。
【0023】
フェンス用基礎1は鉄筋コンクリート製である。本実施形態では、フェンス用基礎1は、コンクリート部1aの内部に、主筋1bと帯筋1cとが配筋された構成となっている。
【0024】
より具体的には、図3に示すように、基礎本体部10及び連結部11を構成する断面L字形状のコンクリート部1aの内部には、L字に曲がる主筋1bが基礎本体部10と連結部11とに亘って配筋されている。また、基礎本体部10の部分においては、主筋1bに隣接して複数本(図3においては便宜上1本のみに符号を付している。)の帯筋1cが配筋されている。なお、主筋1bは、フェンス用基礎1の長手方向に向けて間隔を空けて複数本配筋され、これら複数本の主筋1bに亘って帯筋1cが配筋されている。
【0025】
図4に示すように、凸部12が設けられた部分においては、コンクリート部1aの内部には、L字に曲がる主筋1bが、基礎本体部10と連結部11とに亘って配筋されるとともに凸部12と連結部11とに亘って配筋されている。また、凸部12が設けられた部分においては、2本の主筋1bを囲むように複数本(図4においては便宜上1本のみに符号を付している。)のあばら筋1dが配筋されている。
【0026】
なお、連結部11と建築物2の基礎2fとの間に亘って延びる鉄筋を配筋するようにしてもよい。この構成によれば、連結部11と基礎2fとの連結強度を高めることができる。
【0027】
上記構成のフェンス用基礎1は、本実施形態に係るフェンス用基礎の形成方法により形成されている。すなわち、フェンス用基礎1は、建築物2の基礎2fを形成する際に、建築物2の基礎2fとともに形成される。すなわち、本実施形態に係るフェンス用基礎1は、建築物2が建築された後、建築物2の基礎2fとは別に形成されるのではなく、建築物2の基礎2fを形成する際に、当該基礎2fとともに当該基礎2fと一体に形成されている。
【0028】
したがって、本実施形態に係るフェンス用基礎1ないしフェンス用基礎の形成方法によれば、建築物2の建築スペースが狭小な場合であっても、建築物2が建築される前の建設スペースが開けた状態において、建築物2の基礎2fとともにフェンス用基礎1を予め形成することで、建築物2に隣接する狭小なスペースにフェンス用基礎1を容易に設けることができる。
【0029】
また、本実施形態のフェンス用基礎1は、連結部11において建築物2の基礎2fに一体に連ねて設けられているので、建築物2に隣接する狭小なスペースに設けられるフェンス用基礎1が建築物2の基礎2fに支持されるようにして、フェンス用基礎1の強度を高めることができる。したがって、狭小なスペースに応じてフェンス用基礎1をより幅の細いものとしつつ、フェンス3を支持可能な強度を有するものとすることができる。
【0030】
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 フェンス用基礎
1a コンクリート部
1b 主筋
1c 帯筋
1d あばら筋
2 建築物
2a 階層
2b 階層
2c 階層
2d 階層
2e 吹抜け部分
2f 基礎
3 フェンス
3a 支柱
3b フェンス本体部
4 地面
10 基礎本体部
11 連結部
12 凸部
図1
図2
図3
図4