(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158571
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】保険提案システム、保険提案方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20241031BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073874
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】514235307
【氏名又は名称】アニコム ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100169236
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 貴史
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 祐幸
(72)【発明者】
【氏名】石塚 遥奈
(72)【発明者】
【氏名】大内 麻美
(72)【発明者】
【氏名】飯野 茉由子
(72)【発明者】
【氏名】和手 迪子
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB61
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】簡易な方法で、愛玩動物に適したペット保険を提案することのできるペット保険提案システムや方法を提供する。
【解決手段】愛玩動物の識別情報に基づいて患者データベースから登録情報を検索する検索部と、前記登録情報に基づいて保険商品を提案する提案部と、を備える、保険提案システムであって、前記識別情報が、愛玩動物のマイクロチップの識別番号、愛玩動物の虹彩画像又は愛玩動物の顔画像を含み、前記登録情報が、既往歴、品種及び年齢からなる群から選ばれる1つ以上を含む、保険提案システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
愛玩動物の識別情報に基づいて患者データベースから登録情報を検索する検索部と、
前記登録情報に基づいて保険商品を提案する提案部と、
を備える、保険提案システムであって、
前記識別情報が、愛玩動物のマイクロチップの識別番号、愛玩動物の虹彩画像又は愛玩動物の顔画像を含み、
前記登録情報が、既往歴、品種及び年齢からなる群から選ばれる1つ以上を含む、
保険提案システム。
【請求項2】
前記識別情報が、ユーザがマイクロチップリーダーを用いて取得したマイクロチップの識別番号である請求項1記載の保険提案システム。
【請求項3】
前記ユーザが、愛玩動物の飼い主又はペット保険の保険代理店の従業員である請求項2記載の保険提案システム。
【請求項4】
前記登録情報が、さらに、予防接種の有無及び予防接種の種類、或いは、避妊又は去勢手術の有無を含む請求項1記載の保険提案システム。
【請求項5】
前記登録情報が、さらに、多頭飼いか否かについての情報を含む請求項1記載の保険提案システム。
【請求項6】
前記患者データベースが、獣医師が、愛玩動物の診察記録をアップロード可能となっている請求項1記載の保険提案システム。
【請求項7】
コンピュータを用いて愛玩動物の識別情報に基づいて患者データベースから登録情報を検索する検索ステップと、
コンピュータを用いて前記登録情報に基づいて保険商品を提案する提案ステップと、
を備える保険提案方法であって、
前記識別情報が、愛玩動物のマイクロチップの識別番号、愛玩動物の虹彩画像又は愛玩動物の顔画像を含み、
前記登録情報が、既往歴、品種及び年齢からなる群から選ばれる1つ以上を含む、
保険提案方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保険提案システム及び保険提案方法に関し、詳しくは、ペット保険の保険提案システム及び保険提案方法に関する。
【背景技術】
【0002】
犬や猫、ウサギを始めとする愛玩動物、牛や豚を始めとする家畜は、人間にとってかけがえのない存在である。近年、人間が飼育する動物の平均寿命が大幅に伸びた一方で、動物がその一生の中で何らかの疾患に罹患することが多くなり、飼育者が負担する医療費の増大が問題となっている。動物の医療費の増大に対応するために、様々な企業からペット保険が提供されている。
【0003】
ペット保険の種類や数が増大し、ペット保険が多様化したことにより、飼い主が、どのペット保険に加入すればよいのか判断することが困難になっている。一方、ペット保険の代理店や営業担当者からすると、飼い主に対するペット保険の説明負担が増している。
【0004】
また、ペット保険は、人間を対象とする保険と同様に、飼い主に愛玩動物の所定の情報を告知する義務が課されることがあるが、飼い主による告知義務違反や申告漏れが問題となることがあった。
【0005】
そのため、上記問題を解決することのできるペット保険の提案システムや提案方法が求められている。
【0006】
特許文献1には、保険に加入しているペットの病院での診療に係る支払処理を支援するためのシステムであって、撮影機能を備える携帯端末であって、ペットの虹彩を含む画像データを取得するとともに、取得した前記画像データをホストコンピュータへ送信する携帯端末と、前記携帯端末から前記画像データを受けて、これに含まれる虹彩データを予め登録された顧客のペットの虹彩データと比較することで保険の適用の可否を決定するホストコンピュータと、を備えるペット用保険の支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1には、保険に加入しているペットの病院での診療に係る支払処理を支援するためのシステムが開示されているのであって、これから加入を検討するペット保険の提案システムや提案方法は開示されていない。
【0009】
そこで、本発明は、簡易な方法で、愛玩動物に適したペット保険を提案することのできるペット保険提案システムや方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、愛玩動物の識別情報、及び、ペット保険の選定に必要な登録情報を利用することで上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は以下の[1]~[7]である。
[1]愛玩動物の識別情報に基づいて患者データベースから登録情報を検索する検索部と、前記登録情報に基づいて保険商品を提案する提案部と、を備える、保険提案システムであって、前記識別情報が、愛玩動物のマイクロチップの識別番号、愛玩動物の虹彩画像又は愛玩動物の顔画像を含み、前記登録情報が、既往歴、品種及び年齢からなる群から選ばれる1つ以上を含む、
保険提案システム。
[2]前記識別情報が、ユーザがマイクロチップリーダーを用いて取得したマイクロチップの識別番号である[1]の保険提案システム。
[3]前記ユーザが、愛玩動物の飼い主又はペット保険の保険代理店の従業員である[2]の保険提案システム。
[4]前記登録情報が、さらに、予防接種の有無及び予防接種の種類、或いは、避妊又は去勢手術の有無を含む[1]の保険提案システム。
[5]前記登録情報が、さらに、多頭飼いか否かについての情報を含む[1]の保険提案システム。
[6]前記患者データベースが、獣医師が、愛玩動物の診察記録をアップロード可能となっている[1]の保険提案システム。
[7]コンピュータを用いて愛玩動物の識別情報に基づいて患者データベースから登録情報を検索する検索ステップと、コンピュータを用いて前記登録情報に基づいて保険商品を提案する提案ステップと、を備える保険提案方法であって、前記識別情報が、愛玩動物のマイクロチップの識別番号、愛玩動物の虹彩画像又は愛玩動物の顔画像を含み、前記登録情報が、既往歴、品種及び年齢からなる群から選ばれる1つ以上を含む、保険提案方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、簡易な方法で、愛玩動物に適したペット保険を提案することのできるペット保険提案システムや方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の保険提案システムを用いた保険提案の概要を示す模式図である。
【
図2】本発明の保険提案システムの一実施形態を示すブロック図である。
【
図3】本発明の保険提案方法の流れの一例を表すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<保険提案システム>
本発明の保険提案システムは、ペット保険の提案システムであり、詳しくは、愛玩動物の識別情報に基づいて患者データベースから登録情報を検索する検索部と、前記登録情報に基づいて保険商品を提案する提案部と、を備える、保険提案システムであって、前記識別情報が、愛玩動物のマイクロチップの識別番号、愛玩動物の虹彩画像又は愛玩動物の顔画像を含み、前記登録情報が、既往歴、品種及び年齢からなる群から選ばれる1つ以上を含むものである。これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または記憶媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または記憶媒体の任意の組み合わせで実現されてもよい。
【0015】
[識別情報]
識別情報とは、愛玩動物を識別するための情報である。各愛玩動物にユニークな情報であることが好ましく、愛玩動物に付された情報がさらに好ましい。具体的には、愛玩動物の個体に固有な情報又は後天的に付与された情報、例えば、愛玩動物に装着されたマイクロチップの識別番号、虹彩、顔画像、鼻紋等が挙げられる。本発明において、愛玩動物の識別情報は、愛玩動物のマイクロチップの識別番号、愛玩動物の虹彩画像又は愛玩動物の顔画像を含む。識別情報としては、マイクロチップの識別番号が好ましい。
【0016】
愛玩動物としては、犬、猫、ウサギなどの哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類が挙げられるが、犬及び猫が好ましい。
【0017】
保険提案システムが、ユーザ端末とネットワークなどを介して接続される場合、ユーザ端末は、識別情報を読み取れる機能を有している又はそのような機能を有する装置と接続されているもの或いは一体となっているものであれば特に限定されず、例えば、カメラ、カメラ付き端末、マイクロチップリーダー、マイクロチップリーダーと接続された端末などが挙げられる。マイクロチップについては、マイクロチップリーダーが挙げられる。マイクロチップリーダーは本発明専用の装置でもよく、市販の装置でもよい。虹彩、顔画像、鼻紋についてはそれらの画像を撮影し、予め登録されている画像と比較できるような装置が挙げられる。
【0018】
また、マイクロチップリーダーなどのユーザ端末は、保険代理店などのユーザに固有の識別符号や患者データベースのアクセス権限が付与されていることが好ましい。ユーザ端末に固有の識別符号やアクセス権限が付与されていることで、患者データベースにアクセス権限が必要な場合に、当該ユーザ端末の識別符号やアクセス権限と、患者データベースのアクセス権限が紐付けられることで、当該ユーザ端末を使用して愛玩動物の識別情報を得た場合には、逐次パスワードなどの入力などをせずとも患者データベースへのアクセスが可能となる。
【0019】
獣医が使用するマイクロチップリーダーに固有の識別符号が付されていると、そのマイクロチップリーダーによって読み込んだ愛玩動物の識別情報に紐付けて、診察情報などを含む登録情報を患者データベースにアップロードした場合、後日、当該愛玩動物が、本発明のシステムを通して紹介されたペット保険に加入した場合などに、獣医に特典を付与するという構成を取ることができる。また、同じ獣医にかかり続けることで、飼い主に対して、保険料の割引きや保険金の支払いの割増などの特典を付与することで、同じ獣医にかかることをプロモートすることもできる。このようにして、獣医に、患者データベースへの情報のアップロードに対する特典を付与することで、獣医を通した患者データベースの情報の豊富化を図ることができる。
【0020】
[患者データベース]
本発明の患者データベースは、愛玩動物の識別情報と紐付けられた愛玩動物の登録情報が記憶されているデータベースである。
【0021】
患者データベースは、動物病院間で共有できる形態であってもよく、動物病院と保険会社とで共有できる形態であってもよい。例えば、患者データベースは、動物病院が保有するカルテ格納システムなどと接続され、動物病院での診察を受けた愛玩動物の登録情報が適宜アップロードされ、愛玩動物の登録情報を蓄積していく構成が好ましい。このような構成とすることで、例えば、愛玩動物が、後日別の動物病院での診察を受けた場合に、その動物病院において識別情報を取得し、本発明のシステムにアクセスし、診察情報をアップロードすることで、本発明の患者データベースの登録情報が更新される。患者データベースは、本発明のシステムの他の構成と同じサーバーないしコンピュータ内等に備えられていてもよく、別途異なるサーバーに格納され、ネットワークで接続されていてもよい。
【0022】
[登録情報]
登録情報は、愛玩動物の個体ごとに登録された当該個体に関する情報であり、愛玩動物の既往歴、品種及び年齢からなる群から選ばれる1つ以上を含む。その他、登録情報として、動物の保険加入状況(加入の有無、保険商品のプラン、保険金請求歴、有効期限)等のデータや、作成済みのカルテ等が格納されてよく、愛玩動物を診療した際に得られた愛玩動物の問診情報、身体所見情報、検査履歴情報、診断履歴情報、処置履歴情報、投薬歴情報又は処方履歴情報等のデータが含まれていてもよい。登録情報は、さらに、予防接種の有無及び予防接種の種類、或いは、避妊又は去勢手術の有無を含むことが好ましい。また、登録情報は、さらに、多頭飼いか否かについての情報を含むことが好ましい。
【0023】
[検索部]
本発明の検索部は、愛玩動物の識別情報に基づいて患者データベースから登録情報を検索するものである。検索部は、例えば、演算装置から構成され、ソフトウェア、アプリケーション、数値モデル、アルゴリズム等を呼び出して検索を行う。
検索の方法は特に限定されない。例えば、プロセッサが、予め設定されたプログラムを用いて、患者データベースから、対象となっている愛玩動物の識別情報に基づいて、当該識別情報と紐付けられた登録情報を検索する。
【0024】
[提案部]
本発明の提案部は、登録情報に基づいて保険商品を提案するものである。提案部は、例えば、演算装置から構成され、ソフトウェア、アプリケーション、数値モデル、アルゴリズム等を呼び出して提案を行う。「提案」とは、例えば、複数の保険商品の中から、一つ或いは複数の保険商品を選び出し、提示することをいう。
提案の方法は特に限定されない。例えば、プロセッサが、予め設定されたプログラムを用いて、対象となっている愛玩動物の登録情報に基づいて、当該愛玩動物に適した保険商品を提案する。
【0025】
提案の具体例として、登録情報のうち、年齢に応じて、幼齢用、壮齢用、高齢用の年齢別に分けられた保険商品を提案することが挙げられる。愛玩動物が、ペット保険に加入する時点で、例えば8歳以上の高齢の場合、疾病やケガのリスクが高くなっているため、保険商品によっては、年齢制限により加入できないことがある。
【0026】
年齢については、愛玩動物の年齢に応じたランク付けに関する情報を、保険商品の選定、提案に用いてもよい。この場合、登録情報として年齢とそれに応じたランク付けに関する情報を含むことができる。年齢ごとに設定されたランクに関する情報とは、例えば、0歳~3歳未満をランクA(クラスA)、3歳~5歳未満をランクB(クラスB)、5歳~8歳未満をランクC(クラスC)、8歳以上をランクD(クラスD)といった例が挙げられる。また、ランク(クラス)分けではなく、年齢ごとにスコアを設定しておき、その年齢ごとのスコアを、ランク付けに関する情報としてもよい。例えば、疾患リスクが高い年齢については低いスコアを設定し、疾患リスクが低い年齢については高いスコアを設定する。そして、品種など他の登録情報に応じたランク付けに関する情報など他の情報を加味して、スコアが高い場合に、或いは、スコアが閾値を超えた場合に加入可能な保険商品の提案をするといったことが挙げられる。
【0027】
また、提案の具体例として、登録情報のうち、品種に応じて、当該品種がかかりやすい疾病をカバーする保険商品や当該疾病についての特約が付いた保険商品を提案することが挙げられる。一般的に、愛玩動物は種や品種ごとに疾患への罹患しやすさ、寿命、疾患の治療に要する費用などが異なる傾向がある。例えば、犬の場合、進行性網膜萎縮症(PRA)という疾患は、ダックスフント、プードル、シーズー、ミニチュアシュナウザーなどといった品種(犬種)が発症しやすいことが知られている。このように、特定の疾患に罹患する可能性が高い犬種は「好発犬種」と言われており、疾患ごとに異なる好発犬種が存在する。そのため、保険商品によっては、好発犬種については保険料が高く設定されていたり、加入に厳しい条件が付けられていることがある。品種は、疾患リスクなどに応じて分類したランク分け(クラス分け)をした情報であってもよい。例えば、アーフェンピンシャー、日本スピッツ、チワワなどをランクA(クラスA)、ケリー・ブルー・テリア、柴犬などをランクB(クラスB)、サルーキ、シェットランド・シープドッグなどをランクC(クラスC)、ラブラドール・レトリーバー、ボクサーなどをランクD(クラスD)、フレンチ・ブルドッグ、ブル・テリアなどをランクE(クラスE)というように分類することが挙げられる。また、ランク(クラス)分けではなく、品種ごとにスコアを設定しておき、その品種ごとのスコアを、ランク付けに関する情報としてもよい。例えば、疾患リスクが高い品種については低いスコアを設定し、疾患リスクが低い品種については高いスコアを設定する。そして、年齢に応じたランク付けに関する情報など他の情報を加味して、スコアが高い場合に、或いは、スコアが閾値を超えた場合にのみ加入可能な保険商品を提案するという構成であってもよい。混血(雑種)についても、クラス分けをすることが可能である。混血の場合、その両親や血縁の品種に応じたクラス分けをしたり、混血の中でさらに年齢や体重等に応じてクラス分けをするといったことが可能である。例えば、混血犬のうち、体重が10kg未満のものはランクA(クラスA)、10kg以上30kg未満のものはランクC(クラスC)、30kg以上45kg未満のものはランクD(クラスD)、45kg以上のものはランクE(クラスE)といった具合である。
【0028】
また、提案の具体例として、登録情報のうち、既往歴に応じて、既往歴があっても加入できる保険商品を提案することが挙げられる。
【0029】
また、提案の具体例として、登録情報のうち、他の保険商品の加入の有無に応じて、既に他の保険商品に加入していても、加入することが可能な保険商品を提案することが挙げられる。
【0030】
また、提案の具体例として、登録情報のうち、飼い主が、多頭飼育をしているか否かに応じて、多頭割引がある保険商品を提案することが挙げられる。
【0031】
登録情報に基づいて保険商品を提案するに際して、年齢、既往歴及び品種を組み合わせるなど、複数の登録情報を組み合わせて、それに合わせた保険商品を提案するという構成であってもよい。
【0032】
患者データベースに、対象の愛玩動物の登録情報がない場合、その場で入力された基礎情報、例えば、年齢、品種、性別、既往歴などに基づいて提案部が、対象の愛玩動物に適した保険商品を提案するという構成であってもよい。
【0033】
[保険商品]
保険商品とは、愛玩動物向けの保険であり、いわゆるペット保険である。
本発明のシステムは、様々な保険商品を記憶した保険商品データベースを備えていてもよい。保険商品データベースを備えることで、提案部が、登録情報に基づいて保険商品データベースを検索し、条件に合致した保険商品を選択し、提案することができる。保険商品データベースは、本発明のシステムの他の構成と同じサーバーないしコンピュータ内等に備えられていてもよく、別途異なるサーバーに格納され、ネットワークで接続されていてもよい。
【0034】
(取得部)
本発明の保険提案システムは、愛玩動物の識別情報を取得する取得部を備えていてもよい。識別情報を取得する方法は特に限定されない。ユーザが本発明の取得部に直接入力してもよく、ユーザ端末から送信された識別情報を自動的に取得(受信)してもよい。また、ユーザが用いる識別情報読み取り装置とネットワーク接続され、ユーザが識別情報読み取り装置により識別情報を読み取ると自動的に識別情報がネットワークを通じて取得部に送信されるという構成であってもよい。識別情報として虹彩、鼻紋を含む顔画像を取得する場合は、画像から人工知能を用いて個体を判定できるような構成(個体判定部)を有していてもよい。
【0035】
(出力部)
本発明の保険提案システムは、出力部を備えていてもよい。出力部は提案部によって提案された保険商品に関する情報を出力する。
【0036】
<保険提案方法>
本発明の保険提案方法は、コンピュータによって実行され、コンピュータを用いて愛玩動物の識別情報に基づいて患者データベースから登録情報を検索する検索ステップと、コンピュータを用いて前記登録情報に基づいて保険商品を提案する提案ステップと、
を備える保険提案方法であって、前記識別情報が、愛玩動物のマイクロチップの識別番号、愛玩動物の虹彩画像又は愛玩動物の顔画像を含み、前記登録情報が、既往歴、品種及び年齢からなる群から選ばれる1つ以上を含む、保険提案方法である。
前記愛玩動物の識別情報に基づいて患者データベースから登録情報を検索するステップ及びそのための構成、前記登録情報に基づいて保険商品を提案する提案ステップ及びそのための構成については、上記の保険提案システムにおいて説明したものと同様である。
【0037】
<実施形態>
本発明の保険提案システムの実施形態の一例を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の保険提案システム及びそれを用いたペット保険提案方法の実施形態を示す図であるが、本発明は
図1で示される実施形態に限られるものではない。
図1で示される実施形態では、本発明の保険提案システム1は、一つの装置又はサーバにおいて構成され、外部サーバに患者データベースが構築され、ネットワークを介して接続されている。また、ユーザ端末2が、ネットワークを介して、保険提案システム1及び患者データベース2と接続されている。ネットワークとは、例えば、公衆電話回線網、携帯電話回線網、無線通信網、イーサネット(登録商標)、インターネット、イントラネットなどにより構築される。本構成は一例であり、ある構成が他の構成を兼ね備えていたり、他の構成が含まれていたりしてもよい。患者データベース2は、ネットワークを介さず、保険提案システムと同一のコンピュータ又はサーバ内に設置されているような形態でもよい。サーバは、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよく、クラウドコンピューティングによって構成されていてもよい。また、検索部や提案部を含むコンピュータ、患者データベース2及びユーザ端末3をネットワークシステム全体で、保険提案システムと称してもよい。獣医師が使用する電子カルテと患者データベースが接続されていてもよい。
【0038】
患者データベース2は、愛玩動物の識別情報に紐付けられた登録情報が格納されたデータベースであり、データベースサーバの形で管理してよく、クラウドサーバ上で管理してもよく、分散データベースとしてもよい。また、データベースに情報を書き込む方法には特に限定はなく、取得部を介して情報を書き込む方法、記憶媒体を用いてデータベースに情報を書き込む方法等を適宜選択することができる。
【0039】
ユーザ端末3は、ユーザが愛玩動物の識別情報を読み取るための装置、当該装置と接続されたコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの端末又は当該装置と端末とが一体となった装置である。ユーザ端末3は識別情報を読み取ることができる機能を有している又はそのような機能を有する装置と接続されているもの或いは一体となっているものであれば特に限定されず、カメラ、カメラ付き端末、マイクロチップリーダー、マイクロチップリーダーと接続された端末などが挙げられる。また適宜、保険提案システムの取得部に識別情報を送信する機能を有していてもよい。ユーザとしては、例えば、飼い主、ペット保険の代理店及びその従業員、獣医師、愛玩動物看護士等の獣医療従事者、事務員等の動物病院に務める作業者が挙げられる。
【0040】
図1で示される実施形態では、愛玩動物が動物病院において獣医師の診療を受ける際に、獣医師がマイクロチップリーダーを用いて愛玩動物の識別情報として、識別番号を取得し、愛玩動物の名前、体重、品種、既往歴、年齢、診察内容などの情報とともに、患者データベースに識別番号を登録する。この際に、獣医師のマイクロチップリーダーに固有の識別符号が付されており、この識別符号に関する情報をともに登録しておくと、後に、当該愛玩動物が本発明の保険提案システムを通じて提案された保険商品に加入した際に、獣医師や飼い主に特典を付与することができる。
【0041】
後日、飼い主が、ペット保険の代理店を訪れ、代理店においてマイクロチップリーダを用いて愛玩動物のマイクロチップの識別番号を読み取る。そうすると、マイクロチップリーダに接続されたユーザ端末3から、識別番号が保険提案システム1に入力される。
【0042】
保険提案システム1では、検索部が、当該愛玩動物の識別番号を用いて患者データベースの検索を行う。患者データベース内に当該愛玩動物の識別番号とそれに紐付けられた登録情報が記録されている場合、提案部が、当該登録情報を用いて、保険商品データベースから、当該愛玩動物に適した保険商品を検索、提案し、ユーザ端末3に出力する。
【0043】
ユーザは、提案された保険商品の中から保険商品を選択し、加入する。
【0044】
図2は、本発明の保険提案システムの一例を示す構成図である。この例にかかる保険提案システムは、患者データベース及び保険商品データベースを外部サーバに備える。
【0045】
記憶部10は、保険提案システムの各部を動作させるための情報処理プログラムなどが記憶され、この実施形態の例では、検索部(検索用プログラム)11、提案部(保険商品提案用プログラム)12の機能を実行するためのソフトウェア等が記憶される。記憶部は例えば、ROM、RAMあるいはハードディスク等から構成される。
【0046】
処理演算部(CPU)16は、記憶部に格納された検索部(検索用プログラム)11、提案部(保険商品提案用プログラム)12を実行する。
【0047】
インターフェース部13は、取得部14と出力部15を備える。取得部は、ユーザ端末又はユーザからの入力によって、愛玩動物の識別情報を取得し、出力部は、ユーザに対して検索部による結果、動物患者の症状や、その診療方法等を入力する画面を出力又は獣医師が別途所有する電子カルテシステム等に送信する。
【0048】
図3は、本発明の保険提案システムの一実施形態に基づく保険提案のフローチャートである。まず、保険提案システムの取得部が、ユーザ端末が読み取った識別情報を取得する(ステップS1)。次に処理演算部が検索部を実行し、当該識別番号に基づいて患者データベースから登録情報を検索する(ステップS2)。患者データベースに当該登録情報が格納されている場合には、登録情報に基づいて提案部が当該愛玩動物に適した保険商品を検索し、提案する(ステップS3)。提案された保険商品をユーザ端末等に出力する(ステップS4)。