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  • 特開-自動車販売店の音響システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158574
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】自動車販売店の音響システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20241031BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073879
(22)【出願日】2023-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】510053950
【氏名又は名称】株式会社ウエストプランニング
(74)【代理人】
【識別番号】100081949
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 欣正
(72)【発明者】
【氏名】西澤 健
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】 自動車販売店における販売促進やアフターサービス、従業員教育を実現できる従来になかった音響システムを実現する。
【解決手段】 来店者と従業員に音楽を聴取させる音響システムを有する自動車販売店において、楽曲と楽曲の間に音声情報を織りまぜ、この音声情報は来店者向けの広告情報、従業員向けのビジネス情報に切り換えることにより来店者向けの広告情報と従業員向けのビジネス情報を両立することを可能とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
来店者と従業員に音楽を聴取させる音響システムを有する自動車販売店において、楽曲と楽曲の間に音声情報を織りまぜ、この音声情報は来店者向けの広告情報、従業員向けのビジネス情報に切り換えることにより来店者向けの広告情報と従業員向けのビジネス情報を両立することを可能とした自動車販売店の音響システム。
【請求項2】
販売店の接客用領域では来店者が存在する営業時間内には音声情報は来店者向けの広告情報とし、来店者が存在しない営業時間外には音声情報は従業員向けのビジネス情報とする請求項1記載の自動車販売店の音響システム。
【請求項3】
来店者が存在しない販売店の業務用領域では音声情報は従業員向けのビジネス情報とする請求項1または2記載の自動車販売店の音響システム。
【請求項4】
従業員向けのビジネス情報は従業員に対する業務上の指示、伝達、教育を内容とする請求項1から3のいずれかに記載の自動車販売店の音響システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は自動車販売店の音響システムに関し、より詳細には来店者に対する広告、従業員に対する業務上の指示、伝達、教育を一石二鳥で届けられる従来なかった音響システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車販売店は自動車の展示、商談、整備の複合的機能を持つ他、近年では来店者の休憩所的な機能を持つところも現れている。
【0003】
ところで、小売り店舗、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、百貨店、飲食店、ショッピングモールなどの商業店舗は店舗内で音楽を流すことが一般化している。また、事務所においても音楽を流す場合が多い。そのために、施設内には音楽を再生するための音響装置を備え、また、音楽ソースに関し自店内でなく有線放送やインターネットなどのネットワークを利用して外部の配信業者から配信を受けることも一般化している(特許文献1)。
【0004】
すなわち、現代の業務施設はネットワークを介して任意の音楽の配信を受け、それを施設内に流すことができるインフラを備えており、自動車販売店も例外ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-247105
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自動車販売店においては、音楽を流す目的は居心地が良いような雰囲気作りのためのBGMとしてであり、そのための音響システムを備えている。
【0007】
しかしながら、音楽はあくまでも来店者に対するものであり、従業員はたまたまそれを耳にするだけだった。
【0008】
本願発明者は前記のインフラに着目し、それを活用して自動車販売店における販売促進やアフターサービス、従業員教育を実現できる音響システムを提供することを目的として本願発明を創作した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本願発明の自動車販売店の音響システムは、来店者と従業員に音楽を聴取させる音響システムを有する自動車販売店において、楽曲と楽曲の間に音声情報を織りまぜ、この音声情報は来店者向けの広告情報、従業員向けのビジネス情報に切り換えることにより来店者向けの広告情報と従業員向けのビジネス情報を両立することを可能としたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、前記の発明において、販売店の接客用領域では来店者が存在する営業時間内には音声情報は来店者向けの広告情報とし、来店者が存在しない営業時間外には音声情報は従業員向けのビジネス情報とすることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、前記の発明において、来店者が存在しない販売店の業務用領域では音声情報は従業員向けのビジネス情報とすることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、前記の発明において、従業員向けのビジネス情報は従業員に対する業務上の指示、伝達、教育を内容とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上の構成よりなる本願発明の自動車販売店の音響システムによれば、来店者や従業員に対し楽曲と楽曲の間に音声情報を織りまぜるので来店者や従業員はそれに対しごく自然に耳を傾けることが期待できる。
【0014】
自動車販売店の目的は自店舗における販売促進であり、これに関してはマスメデイアでの広告の他に来店した来店者に対する広告の露出がある。この場合、店内に置いたり掲示した印刷媒体やディスプレイによるものは来店者が注意を傾けてくれないと効果がなく、一方販売員による口頭でのセールスは購入目的で来た来店者には効果があっても、単に車を見に来た来店者にはうるさく思われて敬遠されてしまう。
【0015】
これに対し、本願発明の自動車販売店の音響システムの場合は、広告は楽曲と楽曲の間に織りまぜる音声情報として露出されるので来店者はそれに対しごく自然に耳を傾ける、あるいは無意識に頭に記憶されるので、効果的な広告効果を得ることができる。
【0016】
一方、自動車販売店は営業スタッフ、管理スタッフ、整備スタッフなどの従業員を抱えており、通常これらの従業員への業務上の指示、伝達、教育はそれぞれ別個の場面で個別に行なわれていた。そのため、指示、伝達に関しては時と場所が変わると失念しやすく、教育に関しては従業員をそのための場所や時間で拘束しなければならなかった。
【0017】
これに対し、本願発明の自動車販売店の音響システムの場合は、これらは楽曲と楽曲の間に織りまぜる従業員向けの音声情報として発信されるので従業員はそれに対しごく自然に耳を傾ける、あるいは無意識に頭に記憶されるので、指示、伝達に関しては失念することがなく、教育に関しては従業員をそのための場所や時間で拘束ことなく効果的に行なうことができる。
【0018】
通常、従業者の教育や情報伝達は紙媒体や電子媒体を使って行われるが、その場合、従業者にはそれを読むという能動作業が強いられる。しかしながら、多忙な業務の合間にその作業を行うことは難しく、そのために本来の業務がおろそかになったり、あるいは教育や情報伝達が十分行われない問題を生じた。また、例えば店舗における新商品やキャンペーンに関する資料は供給元から販売店宛に配布されるが、内容が専門的で分かりにくく、その内容を従業者が十分咀嚼しないと来店者にうまく伝えられないという問題があった。
【0019】
これに対し、本願発明の場合は従業者は業務中ではあっても、快いBGMの合間に前記の情報伝達が耳を通して行われるので情報が頭に入りやすく、耳から覚えた言葉を使って内容を来店者にわかりやすく伝えることができる。
【0020】
前記において請求項2記載の発明は、販売店の接客用領域では来店者が存在する営業時間内には音声情報は来店者向けの広告とし、来店者が存在しない営業時間外には音声情報は従業員向けのビジネス情報とするので来店者が従業員向けの音声情報に触れてしまうことがない。
【0021】
また、請求項3記載の発明は、前記の発明において、来店者が存在しない販売店の業務用領域では音声情報は従業員向けのビジネス情報とするので来店者が従業員向けの音声情報に触れてしまうことがない。
【0022】
通常、従業者の教育や情報伝達は紙媒体や電子媒体を使って行われるが、その場合、従業者にはそれを読むという能動作業が強いられる。しかしながら、多忙な業務の合間にその作業を行うことは難しく、そのために本来の業務がおろそかになったり、あるいは教育や情報伝達が十分行われない問題を生じた。また、例えば店舗における新商品やキャンペーンに関する資料は供給元から販売店宛に配布されるが、内容が専門的で分かりにくく、その内容を従業者が十分咀嚼しないと来店者にうまく伝えられないという問題があった。
【0023】
これに対し、本願発明の場合は従業者は業務中ではあっても、快いBGMの合間に前記の情報伝達が耳を通して行われるので情報が頭に入りやすく、耳から覚えた言葉を使って内容を来店者にわかりやすく伝えることができる。これは従来になかった発想である。
【0024】
さらに、本願発明の場合は施設内の現況に応じて配信する音声情報の種類を変化させることができるので、例えば請求項2記載の発明のように業務施設の営業時間帯に応じて、来店者向け広告情報と社内向けビジネス情報の配信を切り替えれば、適切かつ効果的な情報伝達を行うことができる。すなわち、営業時間外の場合には従業者向けに特化した業務上の指示や教育を内容とする音声情報を流し、営業時間内の場合には来店者向けの例えば前記の新商品やキャンペーンに関する音声情報を流すことが想定できる。
【0025】
前記の場合、同じ新商品やキャンペーンに関する音声情報であっても、従業者のみが聴取する営業時間外の場合には例えば値引き範囲などの来店者には知らせたくない事項や、より専門的な事項を盛り込んだ情報とし、来店者が聴取する営業時間内の場合はそれらを除き、より分かりやすくした内容の情報とすることが想定できる。この場合、従業者は営業時間外と営業時間内に同じ新商品やキャンペーンに関し異なる切り口の音声情報に接するので、情報が効果的に伝達、記憶されることが期待できる。また、営業時間内には従業者は来店者と共通の音声情報を聴取して情報が伝達されるので、来店者から伝達された情報に関する質問を受けてもまごつくことがない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本願発明の自動車販売店の音響システムの全体のブロック図。
図2】同上、第1実施例の概念図。
図3】同上、第2実施例の概念図。
図4】同上、第2実施例のフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本願発明の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。図1は本願発明の自動車販売店の音響システムの構成を示す全体のブロック図であり、ここでは接客用領域Aとしてショールームを兼ねた打ち合わせスペース10A、業務用領域Bとして事務室10B、業務用領域Cとして整備工場10Cを備えた自動車販売店10を例にとっている。
【0028】
ここにおいて、BGMの配信自体は公知の配信システムを利用している。すなわち、配信事業者はインターネットなどのネットワーク上に配された音楽を収録した楽曲サーバから配信する楽曲を採取して、自身の管理サーバからユーザーである店舗内の端末にネットワークを介して配信する。図中符号Nはネットワーク、1は前記管理サーバ、2は配信事業者の操作端末、10はインターネットなどのネットワーク、10は店舗、11は店舗内に配される店舗端末である。4は楽曲サーバである。ここでは外部の事業者の楽曲サーバを想定し、そこから本願発明のシステムの事業者が必要に応じて楽曲を取得して自身の管理サーバ1を介してユーザーに配信しているが、事業者が自身の管理サーバ内に楽曲データベースを持ってもよいことは勿論である。店舗10内においてはBGMは店舗端末11に接続したアンプ12により増幅されスピーカーにより再生される。
【0029】
図中符号3は本願発明の自動車販売店の音響システムの稼働に際し、事業者と交信したり、配信を希望する音声情報を送信するためのユーザー端末である。
【0030】
本願発明の自動車販売店の音響システムにおいては、楽曲間に音声情報を挿入して配信するが、ここではその手段として以下の2種類を開示することとする。
【0031】
図2は前記手段の第1実施例を示すものであり、ここでは音楽および音声情報は自動車販売店10の業務用領域Bである事務室10Bのスピーカー13A、業務用領域Cであるのスピーカー13Cから再生され、接客用領域Aであるショールームを兼ねた打ち合わせスペース10Aのスピーカー13Aからは再生されない。音楽および音声情報は楽曲と楽曲間に挿入される音声情報を再生する順番をリスト化したプレイリストとして配信するが、音声情報は従業員向けのものとなり、
【0032】
図3は前記手段の第2実施例を示すものであり、ここでは音楽および音声情報は自動車販売店10の接客用領域Aであるショールームを兼ねた打ち合わせスペース10Aのスピーカー13Aから再生される。音楽および音声情報は。楽曲と楽曲間に挿入される音声情報を再生する順番をリスト化したプレイリストとして配信するが、前記プレイリストにはタイムコードを付加し、現実の配信開始時分とタイムコードの始点を同期させ、店舗の営業時間帯をタイムコードにより判断し、開店時間帯には来店者向け音声情報を、閉店時間帯には従業員向け音声情報を配信するようにしている。
【0033】
以上の実施例において、来店者向け広告情報は自動車販売店における販売促進やアフターサービスに関するもの、すなわちお客様向けの新車や新商品、キャンペーン情報であり、来店者向けゆえに誰に聞かれてもよい前提のものである
【0034】
一方、従業員向けビジネス情報は指示、伝達の他、他社の新車やキャンペーン、従業員の接客やセールススキルアップにつながるような、内部向けの情報であり、来店者には聞かせたくないものである。
【0035】
前記の来店者向け広告情報、従業員向けビジネス情報ともに、告知性の高いものだけでは店舗や事務所でも長時間流すことはできない。飽きてしまうし、そのバリエーションも多くは作れない。そこで店舗内での居心地の良さを提供する意味でも耳なじみの良いヒット曲と、例えば夏には夏の曲、クリスマスにはクリスマスの曲をかけるなど、季節に配慮した音楽を選びそこに季節も考慮した商品情報(冬には4輪駆動やスタッドレスタイヤ交換)を織り交ぜることにより、より説得性を上げる効果も狙える。営業時間外の掃除の時間や事務所でビジネス情報を流すときも同じで、音楽があるからこそ、店舗でも聞くことになるであろう。音楽がない所謂e-learningよりも接触率が高くなる。
【符号の説明】
【0036】
1 管理サーバ
2 操作端末
3 ユーザー端末
4 楽曲サーバ
10 自動車販売店
10A 接客用領域A
10B 業務用領域B
10C 業務用領域C
12 アンプ
13A スピーカー
13B スピーカー
13C スピーカー
11 店舗端末
図1
図2
図3
図4