(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158582
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】機器管理支援装置、機器管理支援システム、機器管理支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/07 20060101AFI20241031BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20241031BHJP
【FI】
G06F11/07 166
H04L67/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073897
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】上野 弘
(72)【発明者】
【氏名】中島 晶子
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042JJ02
(57)【要約】
【課題】機器に異常が発生した場合に利用者が当該異常の内容を迅速に把握することができる機器管理支援装置、機器管理支援システム、機器管理支援方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】クラウドサーバ1は、機器管理サーバ2から送信されるエラー通知情報を取得するエラー通知取得部111と、エラーコード情報が利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であるか否かを判定するエラー判定部112と、メッセージ記憶部132が記憶するメッセージ情報の中から取得されたエラーコード情報に対応するメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を端末装置3へ送信するメッセージ通知部113と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の状態を管理する機器管理サーバから前記機器に異常が発生した場合に送信される前記機器に発生した異常の内容を識別するエラーコード情報を含むエラー通知情報を取得するエラー通知取得部と、
取得された前記エラー通知情報に含まれる前記エラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であるか否かを判定するエラー判定部と、
利用者に通知すべき異常が発生した場合に利用者に通知する前記機器に発生した異常の内容を表す少なくとも1つのメッセージ情報を、対応するエラーコード情報に対応づけて記憶するメッセージ記憶部と、
取得された前記エラー通知情報に含まれるエラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定されると、前記メッセージ記憶部が記憶する前記少なくとも1つのメッセージ情報の中から取得された前記エラーコード情報に対応するメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を利用者が所持する端末装置へ送信するメッセージ通知部と、を備える、
機器管理支援装置。
【請求項2】
前記機器管理サーバが管理する前記機器の状態を示す機器状態情報の中から、前記機器の状態を表す機器状態表示グラフを生成するための機器状態情報を検索する際の検索条件を示す検索条件情報を含むグラフ要求情報を取得するグラフ要求取得部と、
前記機器管理サーバへ前記検索条件情報を送信することにより、前記機器管理サーバから前記検索条件情報に基づいて検索して選出された機器状態情報を含む機器情報を取得する機器情報取得部と、
取得された前記機器情報に含まれる前記機器状態情報を用いて前記機器状態表示グラフを生成するグラフ生成部と、を更に備える、
請求項1に記載の機器管理支援装置。
【請求項3】
機器の状態を管理する機器管理サーバから前記機器管理サーバが管理する前記機器の状態を示す機器状態情報を含む機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記機器状態情報から前記機器の異常発生有無と前記機器に異常が発生した場合の発生した異常の内容を識別するエラーコード情報とを推定するためのエラー発生状況推定モデルを用いて、取得された前記機器情報に含まれる前記機器状態情報から前記機器の異常発生有無と前記機器に異常が発生する場合の発生する異常の前記エラーコード情報とを推定するエラー発生状況推定部と、
利用者に通知すべき異常が発生した場合に利用者に通知する前記機器に発生した異常の内容を表す少なくとも1つのメッセージ情報を、対応するエラーコード情報に対応づけて記憶するメッセージ記憶部と、
前記機器に異常が発生すると推定され且つ推定されたエラーコード情報が利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定されると、前記メッセージ記憶部が記憶する前記少なくとも1つのメッセージ情報の中から取得された前記エラーコード情報に対応するメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を利用者が所持する端末装置へ送信するメッセージ通知部と、を備える、
機器管理支援装置。
【請求項4】
前記エラー発生状況推定モデルを示すエラー発生状況推定モデル情報を記憶するモデル記憶部と、
前記機器管理サーバから前記機器に異常が発生した場合に送信される、前記エラーコード情報を含むエラー通知情報を取得するエラー通知取得部と、
前記エラー通知情報が取得されると、取得された前記エラー通知情報に含まれる前記エラーコード情報に基づいて、前記エラー発生状況推定モデルを示すエラー発生状況推定モデル情報を生成し、生成したエラー発生状況推定モデル情報で前記モデル記憶部が記憶するエラー発生状況推定モデル情報を更新するモデル生成部と、を更に備え、
前記エラー発生状況推定部は、前記モデル記憶部が記憶する更新後のエラー発生状況推定モデル情報が示すエラー発生状況推定モデルを用いて、取得された前記機器情報に含まれる前記機器状態情報から前記機器の異常発生有無と前記機器に異常が発生する場合の発生する異常の前記エラーコード情報とを推定する、
請求項3に記載の機器管理支援装置。
【請求項5】
端末装置から送信される、前記機器の状態に基づいて前記機器に異常が発生したと認定され、発生したと認定された異常を識別するエラーコード情報を含むエラー認定情報を取得するエラー認定情報取得部を更に備え、
前記モデル生成部は、前記エラー認定情報が取得されると、取得されたエラー認定情報に含まれる前記エラーコード情報に基づいて、前記エラー発生状況推定モデルを示すエラー発生状況推定モデル情報を生成する、
請求項4に記載の機器管理支援装置。
【請求項6】
利用者が所持する第1端末装置と、
機器の状態を管理する機器管理サーバから前記機器に異常が発生した場合に送信される前記機器に発生した異常の内容を識別するエラーコード情報を含むエラー通知情報を取得するエラー通知取得部と、
取得された前記エラー通知情報に含まれる前記エラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であるか否かを判定するエラー判定部と、
利用者に通知すべき異常が発生した場合に利用者に通知する前記機器に発生した異常の内容を表す少なくとも1つのメッセージ情報を、対応するエラーコード情報に対応づけて記憶するメッセージ記憶部と、
取得された前記エラー通知情報に含まれるエラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定されると、前記メッセージ記憶部が記憶する前記少なくとも1つのメッセージ情報の中から取得された前記エラーコード情報に対応するメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を前記第1端末装置へ送信するメッセージ通知部と、を備える、
機器管理支援システム。
【請求項7】
サービス業者が所持する第2端末装置と、
前記第2端末装置から送信される、前記機器管理サーバが管理する前記機器の状態を示す機器状態情報の中から、前記機器の状態を表す機器状態表示グラフを生成するための機器状態情報を検索する際の検索条件を示す検索条件情報を含むグラフ要求情報を取得するグラフ要求取得部と、
前記グラフ要求情報に含まれる前記検索条件情報を含む機器情報要求情報を生成して前記機器管理サーバへ送信することにより、前記機器管理サーバから送信される、前記検索条件情報に基づいて検索して選出された前記機器状態情報を含む機器情報を取得する機器情報取得部と、
取得した前記機器情報に含まれる前記機器状態情報を用いて前記機器状態表示グラフを生成するグラフ生成部と、
生成された前記機器状態表示グラフを示すグラフ情報を前記第2端末装置へ送信するグラフ通知部と、を更に備える、
請求項6に記載の機器管理支援システム。
【請求項8】
機器管理支援装置が、機器の状態を管理する機器管理サーバから前記機器に異常が発生した場合に送信される前記機器に発生した異常の内容を識別するエラーコード情報を含むエラー通知情報を取得するステップと、
前記機器管理支援装置が、取得された前記エラー通知情報に含まれる前記エラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であるか否かを判定するステップと、
機器管理支援装置が、取得された前記エラー通知情報に含まれるエラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定されると、利用者に通知すべき異常が発生した場合に利用者に通知する前記機器に発生した異常の内容を表す少なくとも1つのメッセージ情報を、対応するエラーコード情報に対応づけて記憶するメッセージ記憶部が記憶する前記少なくとも1つのメッセージ情報の中から取得された前記エラーコード情報に対応するメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を利用者が所持する第1端末装置へ送信するステップと、を含む、
機器管理支援方法。
【請求項9】
サービス業者が所持する第2端末装置から送信される、前記機器管理サーバが管理する前記機器の状態を示す機器状態情報の中から、前記機器の状態を表す機器状態表示グラフを生成するための機器状態情報を検索する際の検索条件を示す検索条件情報を含むグラフ要求情報を取得するステップと、
前記グラフ要求情報に含まれる前記検索条件情報を含む機器情報要求情報を生成して前記機器管理サーバへ送信することにより、前記機器管理サーバから送信される、前記検索条件情報に基づいて検索して選出された前記機器状態情報を含む機器情報を取得するステップと、
取得した前記機器情報に含まれる前記機器状態情報を用いて前記機器状態表示グラフを生成するステップと、
生成された前記機器状態表示グラフを示すグラフ情報を前記第2端末装置へ送信するステップと、を更に含む、
請求項8に記載の機器管理支援方法。
【請求項10】
コンピュータを、
機器の状態を管理する機器管理サーバから前記機器に異常が発生した場合に送信される前記機器に発生した異常の内容を識別するエラーコード情報を含むエラー通知情報を取得するエラー通知取得部、
取得された前記エラー通知情報に含まれる前記エラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であるか否かを判定するエラー判定部、
取得された前記エラー通知情報に含まれるエラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定されると、利用者に通知すべき異常が発生した場合に利用者に通知する前記機器に発生した異常の内容を表す少なくとも1つのメッセージ情報を、対応するエラーコード情報に対応づけて記憶するメッセージ記憶部が記憶する前記少なくとも1つのメッセージ情報の中から取得された前記エラーコード情報に対応するメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を利用者が所持する端末装置へ送信するメッセージ通知部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機器管理支援装置、機器管理支援システム、機器管理支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ローカルエリアネットワーク内の機器を遠隔管理し当該機器からのデータを取得する管理装置と、管理装置が取得したデータを、提供するサービス内容に応じたデータに変換して記憶し、データ活用装置毎に利用契約された特定のAPIを用いて、記憶しているデータをデータ活用装置へ送信するデータ処理装置と、を備えるサービス支援システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種のサービス支援システムとして、遠隔管理する機器において異常が発生した場合、発生した異常の種別を判別し、異常が発生したことをその異常の内容とともに、機器の利用者に迅速に把握させるサービスを提供するためのシステムが要請されている。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされたものであり、機器に異常が発生した場合に利用者が当該異常の内容を迅速に把握することができる機器管理支援装置、機器管理支援システム、機器管理支援方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る機器管理支援装置は、
機器の状態を管理する機器管理サーバから前記機器に異常が発生した場合に送信される前記機器に発生した異常の内容を識別するエラーコード情報を含むエラー通知情報を取得するエラー通知取得部と、
取得された前記エラー通知情報に含まれる前記エラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であるか否かを判定するエラー判定部と、
利用者に通知すべき異常が発生した場合に利用者に通知する前記機器に発生した異常の内容を表す少なくとも1つのメッセージ情報を、対応するエラーコード情報に対応づけて記憶するメッセージ記憶部と、
取得された前記エラー通知情報に含まれるエラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定されると、前記メッセージ記憶部が記憶する前記少なくとも1つのメッセージ情報の中から取得された前記エラーコード情報に対応するメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を利用者が所持する端末装置へ送信するメッセージ通知部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、メッセージ通知部が、機器管理サーバから送信されるエラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定されると、メッセージ記憶部が記憶する機器に発生した異常の内容を表す少なくとも1つのメッセージ情報の中から取得されたエラーコード情報に対応するメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を利用者が所持する端末装置へ送信する。これにより、機器において異常が発生した場合、機器に発生した異常の内容を表すメッセージ情報が、利用者が所持する端末装置へ送信される。従って、例えば単にエラーコード情報が利用者に通知される場合に比べて、利用者が機器に発生した異常の内容を迅速に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る機器管理支援システムの概略構成図
【
図2】実施の形態1に係る機器管理支援システムのハードウェア構成を示すブロック図
【
図3】実施の形態1に係る機器管理支援システムの一部の機能構成を示すブロック図
【
図4】実施の形態1に係る機器状態記憶部231が記憶する情報の一例を示す図
【
図5】(A)は実施の形態1に係るエラーコード記憶部が記憶する情報の一例を示す図、(B)は実施の形態1に係るメッセージ記憶部が記憶する情報の一例を示す図
【
図6】実施の形態1に係る機器管理支援システムの動作を示すシーケンス図
【
図7】実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示されるエラー通知画像の一例を示す図
【
図8】実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示されるグラフ表示操作用画面画像の一例を示す図
【
図9】実施の形態1に係る機器管理支援システムの動作を示すシーケンス図
【
図10】実施の形態1に係るクラウドサーバが実行する機器管理支援処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図11】実施の形態2に係る機器管理支援システムの機能構成を示すブロック図
【
図12】実施の形態2に係るエラー発生状況推定部の動作を説明するための図
【
図13】実施の形態2に係る機器管理支援システムの動作を示すシーケンス図
【
図14】実施の形態2に係る機器管理支援システムの動作を示すシーケンス図
【
図15】実施の形態2に係るクラウドサーバが実行する機器管理支援処理の流れの一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下、本開示の実施の形態に係る機器管理支援装置について、図面を参照しながら説明する。例えば
図3に示すように、本実施の形態に係る機器管理支援装置V1は、例えばクラウドサーバ1において実現されており、機器4の状態を管理する機器管理サーバから機器に異常が発生した場合に送信される機器に発生した異常の内容を識別するエラーコード情報を含むエラー通知情報を取得するエラー通知取得部111と、取得されたエラー通知情報に含まれるエラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であるか否かを判定するエラー判定部112と、利用者に通知すべき異常が発生した場合に利用者に通知する機器に発生した異常の内容を表す少なくとも1つのメッセージ情報を、対応するエラーコード情報に対応づけて記憶するメッセージ記憶部132と、取得されたエラー通知情報に含まれるエラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定されると、メッセージ記憶部132が記憶する少なくとも1つのメッセージ情報の中から取得されたエラーコード情報に対応するメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を利用者が所持する端末装置へ送信するメッセージ通知部113と、を備える。
【0010】
本実施の形態に係る機器管理支援システムは、
図1に示すように、クラウドサーバ1と、機器4の状態を管理する機器管理サーバ2と、機器4の利用者が所持する端末装置3と、機器4のメインテナンスサービスを提供するサービス業者が所持する端末装置5と、を備える。機器4は、利用者が生活する建物に構築された局所ネットワークNW2に接続されている。局所ネットワークNW2は、例えば有線LAN(Local Area Network)または無線LANであり、ルータ82およびデータ回線終端装置81を介して広域ネットワークNW1に接続されている。データ回線終端装置81は、モデム、ゲートウェイ等である。これにより、機器4は、局所ネットワークNW2、ルータ82、データ回線終端装置81および広域ネットワークNW1を介して機器管理サーバ2と通信可能となっている。また、クラウドサーバ1は、広域ネットワークNW1を介して機器管理サーバ2と通信可能であり、端末装置3、5およびクラウドサーバ1は、広域ネットワークNW1を介して互いに通信可能となっている。
【0011】
機器4は、例えば、給湯機、空気調和機等であり、局所ネットワークNW2に接続されている。機器4は、定期的に機器4の状態を示す機器状態情報を生成して、局所ネットワークNW2および広域ネットワークNW1を介して機器管理サーバ2へ送信する。
【0012】
機器管理サーバ2は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)201と、主記憶部202と、補助記憶部203と、通信部206と、計時部208と、これらを相互に接続するバス209と、を備える。CPU201は、例えばマルチコアプロセッサである。主記憶部202は、揮発性メモリを有し、CPU201の作業領域として使用される。補助記憶部203は、大容量の不揮発性メモリから構成され、機器管理サーバ2の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部206は、広域ネットワークNW1に接続されている。計時部208は、例えばリアルタイムクロックを有する。
【0013】
CPU201は、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み出して実行することにより、
図3に示すように、機器状態取得部211、エラー検知部212、エラー通知部213および機器情報通知部214として機能する。また、
図2に示す補助記憶部203は、
図3に示すように、機器4の状態を示す機器状態情報を記憶する機器状態記憶部231を有する。機器状態記憶部231は、例えば
図4に示すように、機器4それぞれについて機器4から取得した複数種類の機器状態情報を、機器状態情報を取得した日時を示す日時情報、機器4を識別する機器識別情報および機器4の機種を示す機種情報に対応づけて記憶している。
図4に示す例では、機器識別情報「IDE[0]」で識別される機器4の機種が「CL[0]」であり、「2023/1/1」に取得された機器状態情報が示すパラメータ「dataA1」、「dataA2」、・・・、「dataA5」、・・・対応する値が「FALSE」、「18」、「-18」、「24.5」、「143748」、・・・であったことを示している。ここで、「FALSE」は、例えば取得した状態が無効であること、または、機器4において計測できていないことを示している。
【0014】
図3に戻って、機器状態取得部211は、機器4から定期的に送信されてくる機器状態情報を取得すると、取得した機器状態情報を、計時部208が計時する当該機器状態情報を取得した日時を示す日時情報、機器4の機器識別情報および機種情報に対応づけて機器状態記憶部231に記憶させる。エラー検知部212は、機器状態記憶部231が記憶する機器状態情報を参照して、機器状態情報が示すパラメータのうちのいずれかが予め設定された許容範囲を超えているか否かを判定する。そして、エラー検知部212は、機器状態情報が示すパラメータのうちのいずれかが前述の許容範囲を超えていると判定すると、機器4において異常が発生したと判定し、発生した異常の内容を識別するエラーコードを特定する。エラー通知部213は、特定されたエラーコードを示すエラーコード情報を含むエラー通知情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する。機器情報通知部214は、クラウドサーバ1から送信される機器情報要求情報を取得すると、取得したグラフ要求情報に含まれる検索条件情報に基づいて、機器状態記憶部231が記憶する機器状態情報の中から、検索条件情報が示す検索条件に適合した機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を特定する。そして、機器情報通知部214は、特定した機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を含む機器情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する。
【0015】
端末装置3は、例えばスマートフォンであり、
図2に示すように、CPU301と、主記憶部302と、補助記憶部303と、表示部304と、入力部305と、通信部306と、これらを互いに接続するバス309と、を備える。主記憶部302は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを有し、CPU301の作業領域として使用される。補助記憶部303は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリであり、CPU301が各種処理を実行するためのプログラムを記憶する。表示部304は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。入力部305は、例えば表示部204に重ねて配置される透明なタッチパッドである。通信部306は、広域ネットワークNW1に接続され、CPU301から転送される情報を、広域ネットワークNW1を介して端末装置5へ送信したり、クラウドサーバ1から広域ネットワークNW1を介して取得した情報をCPU301へ転送したりする。
【0016】
CPU301は、補助記憶部303が記憶するプログラムを主記憶部302に読み出して実行することにより、
図3に示すように、メッセージ取得部311、表示制御部312およびエラー情報通知部313として機能する。メッセージ取得部311は、クラウドサーバ1から送信される、利用者に通知すべき異常が発生した場合に利用者に通知する機器に発生した異常の内容を表すメッセージを示すメッセージ情報を取得すると、取得したメッセージ情報を表示制御部312およびエラー情報通知部313に通知する。表示制御部312は、メッセージ取得部311からメッセージ情報が通知されると、通知されたメッセージ情報に基づいて、利用者に対して機器4で異常が発生したことを通知するためのエラー通知画像を形成して表示部304に表示させる。エラー情報通知部313は、利用者が入力部305に対して、例えば機器4で異常が発生したことを前述のサービス業者に通知するためのエラー通知操作を行うと、これに応じて、前述のメッセージ情報に含まれる後述のエラーコード情報を含むエラー通知情報を生成して端末装置5へ送信する。
【0017】
端末装置5は、例えばパーソナルコンピュータであり、
図2に示すように、CPU501と、主記憶部502と、補助記憶部503と、表示部504と、入力部505と、通信部506と、これらを互いに接続するバス509と、を備える。主記憶部502は、揮発性メモリを有し、CPU501の作業領域として使用される。補助記憶部503は、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性メモリから構成され、CPU501が各種処理を実行するためのプログラムを記憶する。表示部504は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置である。入力部505は、例えばキーボードのようなキー入力装置である。通信部506は、広域ネットワークNW1に接続され、CPU501から転送される情報を、広域ネットワークNW1を介してクラウドサーバ1へ送信したり、クラウドサーバ1、端末装置3から広域ネットワークNW1を介して取得した情報をCPU501へ転送したりする。
【0018】
CPU501は、補助記憶部503が記憶するプログラムを主記憶部502に読み出して実行することにより、
図3に示すように、エラー情報取得部511、表示制御部512、グラフ要求部513およびグラフ取得部514として機能する。エラー情報取得部511は、端末装置3から送信されるエラー通知情報を取得すると、取得したエラー通知情報に含まれるエラーコード情報を表示制御部512に通知する。表示制御部512は、エラー情報取得部511からエラーコード情報が通知されると、通知されたエラーコード情報に基づいて、サービス業者に対して利用者が利用する機器4において異常が発生したことを通知するためのエラー通知画像を形成して表示部504に表示させる。グラフ要求部513は、クラウドサーバ1に対して、利用者が利用する機器4の状態を表す機器状態表示グラフを端末装置5の表示部504に表示させるためのグラフ表示操作を行うと、これに応じて、グラフ要求情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する。ここで、グラフ要求情報は、機器管理サーバ2が管理する機器4の状態を示す機器状態情報の中から、前述の機器状態表示グラフを生成するための機器状態情報を検索する際の検索条件を示す検索条件情報を含む。サービス業者は、グラフ表示操作において、例えば利用者が利用する機器4の機器識別情報、グラフに表示させる過去の機器4の状態に対応する期間を示す期間情報、機器4の機種情報等を入力部505に対して入力する。そうすると、グラフ要求部513は、入力部505を介して入力された機器識別情報、期間情報、機種情報等の検索条件情報を含むグラフ要求情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する。グラフ取得部514は、前述のグラフ要求情報をクラウドサーバ1へ送信されることにより、クラウドサーバ1から送信されるグラフ情報を取得し、取得したグラフ情報を表示制御部512に通知する。そして、表示制御部512は、グラフ取得部514から通知されるグラフ情報に基づいて、機器4の状態推移を表すグラフ画像を含む状態通知画像を形成して表示部504に表示させる。
【0019】
図2に戻って、クラウドサーバ1は、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、通信部106と、これらを相互に接続するバス109と、を備える。CPU101は、例えばマルチコアプロセッサである。主記憶部102は、揮発性メモリを有し、CPU101の作業領域として使用される。補助記憶部103は、大容量の不揮発性メモリから構成され、クラウドサーバ1の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部106は、広域ネットワークNW1に接続されている。
【0020】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、
図3に示すように、エラー通知取得部111、エラー判定部112、メッセージ通知部113、グラフ要求取得部114、機器情報取得部115、グラフ生成部116およびグラフ通知部117として機能する機器管理支援装置V1を実現している。また、
図2に示す補助記憶部103は、
図3に示すように、エラーコード記憶部131と、メッセージ記憶部132と、機器状態記憶部133と、を有する。エラーコード記憶部131は、例えば
図5(A)に示すように、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報と、機器4で異常が発生したことを通知するためのメッセージ情報の、利用者が所持する端末装置3への送信要否を指定する通知要否情報と、を、互いに対応づけて記憶する。
図5(A)に示す例では、機器管理サーバ2から取得したエラー通知情報に含まれるエラーコード情報が、「E01」、「E02」、「E04」を示す場合、メッセージ情報を端末装置3へ送信し、エラーコード情報が、「E03」を示す場合、メッセージ情報を端末装置3へ送信しないことを示している。
【0021】
メッセージ記憶部132は、例えば
図5(B)に示すように、機器4において、利用者に通知すべき異常が発生した場合に利用者に通知する機器4に発生した異常の内容を表す複数のメッセージ情報を、対応するエラーコード情報に対応づけて記憶する。また、メッセージ記憶部132は、メッセージ情報を、端末装置5が属するドメイン名を含むURL(Uniform Resource Locator)を示すURL情報と、に対応づけて記憶している。機器状態記憶部133は、機器管理サーバ2から送信された機器情報に含まれる機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を抽出し、抽出した機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を互いに対応づけて記憶している。
【0022】
図3に戻って、エラー通知取得部111は、機器管理サーバ2から送信されるエラー通知情報を取得すると、取得したエラー通知情報に含まれるエラーコード情報を抽出してエラー判定部112に通知する。エラー判定部112は、エラー通知取得部111からエラーコード情報が通知されると、エラーコード記憶部131が記憶するエラーコード情報の中に、通知されたエラーコード情報と一致するエラーコード情報が存在するか否かを判定し、エラーコード情報が存在すると判定すると、当該エラーコード情報に対応する通知要否情報を参照して、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であるか否かを判定する。そして、エラー判定部112は、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定すると、エラーコード情報をメッセージ通知部113に通知する。
【0023】
メッセージ通知部113は、エラー判定部112からエラーコード情報が通知されると、メッセージ記憶部132が記憶するメッセージ情報の中から、通知されたエラーコード情報に対応するメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を端末装置3へ送信する。
【0024】
グラフ要求取得部114は、前述のグラフ要求情報を取得すると、取得したグラフ要求情報に含まれる検索条件情報を機器情報取得部に通知する。機器情報取得部115は、検索条件情報が通知されると、通知された検索条件情報を含む機器情報要求情報を生成して機器管理サーバ2へ送信する。これにより、機器情報取得部115は、機器管理サーバ2から送信される、検索条件情報に基づいて検索して選出された機器状態情報を含む機器情報を取得する。機器情報取得部115は、機器情報を取得すると、取得した機器情報に含まれる機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を抽出し、抽出した機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を互いに対応づけて機器状態記憶部133に記憶させる。
【0025】
グラフ生成部116は、機器状態記憶部133が記憶する機器状態情報を用いて機器状態表示グラフを生成する。そして、グラフ生成部116は、生成した機器状態表示グラフを示すグラフ情報をグラフ通知部117に通知する。グラフ通知部117は、通知されたグラフ情報を端末装置5へ送信する。
【0026】
次に、本実施の形態に係る機器監視支援システムの動作について
図6から
図9を参照しながら説明する。ここで、機器管理サーバ2は、機器4から定期的に送信される機器状態情報を取得する毎に、取得した機器状態情報を、機器状態情報を取得した日時を示す日時情報に対応づけて機器状態記憶部231に記憶させていく処理を並行して実行しているものとする。まず、機器4において異常が発生し、機器管理サーバ2が、機器状態記憶部231が記憶する機器状態情報に基づいて、機器4に異常が発生していると判定したとする(ステップS1)。この場合、機器管理サーバ2は、発生した異常を識別するエラーコードを特定し(ステップS2)、特定したエラーコードを示すエラーコード情報を含むエラー通知情報を生成する(ステップS3)。次に、生成されたエラー通知情報が、機器管理サーバ2からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS4)。一方、クラウドサーバ1は、エラー通知情報を取得すると、エラーコード記憶部131が記憶する、取得したエラー通知情報に含まれるエラーコード情報に対応する通知要否情報を参照して、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定したとする(ステップS5)。この場合、クラウドサーバ1は、メッセージ記憶部132が記憶するメッセージ情報の中から、当該エラーコード情報に対応するメッセージ情報を選出する(ステップS6)。続いて、選出されたメッセージ情報が、クラウドサーバ1から端末装置3へ送信される(ステップS7)。
【0027】
一方、端末装置3は、クラウドサーバ1から送信されるメッセージ情報を取得すると、取得したメッセージ情報に基づいて、利用者に対して機器4で異常が発生したことを通知するためのエラー通知画像を形成して表示部304に表示させる(ステップS8)。ここで、端末装置3は、例えば
図7に示すようなエラー通知画像GA1を表示部304に表示させる。エラー通知画像GA1は、利用者に対して機器4でエラーが発生していることを通知するメッセージ画像M11と、URLにリンクするURL表示画像BU11と、を含む。そして、端末装置3が、例えば
図7に示すようなエラー通知画像GA1を表示部304に表示させている状態で、利用者が、タッチパッドである入力部305におけるURL表示画像BU11に対応する部分をタッチするエラー通知操作を行ったとする。この場合、
図6に示すように、端末装置3が、エラーコード情報を含むエラー通知情報を生成し(ステップS9)、生成されたエラー通知情報が、端末装置3から端末装置5へ送信される(ステップS10)。
【0028】
一方、端末装置5は、端末装置3から送信されるエラー通知情報を取得すると、取得したエラー通知情報に含まれるエラーコード情報に基づいて、サービス業者に対して機器4で異常が発生したことを通知するためのエラー通知画像を形成して表示部504に表示させる(ステップS11)。ここで、サービス業者が、表示部504に表示されたエラー通知画像を確認して、例えば機器4の直近の状態の履歴を表すグラフを表示部504に表示させるためのグラフ表示操作を行ったとする。ここで、端末装置5は、例えば
図8に示すようなグラフ表示操作用画像GA2を表示部504に表示させる。このグラフ表示操作用画像GA2は、例えば利用者が利用する機器4の機器識別情報を入力するための入力欄B21と、グラフに表示させる過去の機器4の状態に対応する期間を入力する入力欄B22、B23と、を含む。また、グラフ表示操作用画像GA2は、機器4の機器識別情報および前述の期間の入力が完了した場合に選択される釦画像BU21を含む。この場合、
図6に示すように、端末装置5は、サービス業者が入力部505を介して入力した機器識別情報、期間情報等の検索条件情報を含むグラフ要求情報を生成し(ステップS12)、生成されたグラフ要求情報が、端末装置5からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS13)。
【0029】
一方、クラウドサーバ1は、グラフ要求情報を取得すると、取得したグラフ要求情報に含まれる検索条件情報を含む機器情報要求情報を生成する(ステップS14)。その後、
図9に示すように、生成された機器情報要求情報が、クラウドサーバ1から機器管理サーバ2へ送信される(ステップS15)。一方、機器管理サーバ2は、クラウドサーバ1から送信される機器情報要求情報を取得すると、取得した機器情報要求情報に含まれる検索条件情報に基づいて、機器状態記憶部231が記憶する機器状態情報の中から、検索条件情報が示す検索条件に適合した機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を特定する(ステップS16)。次に、クラウドサーバ1が、特定した機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を含む機器情報を生成し(ステップS17)、生成された機器情報が、機器管理サーバ2からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS18)。
【0030】
一方、クラウドサーバ1は、機器管理サーバ2から送信される機器情報を取得すると、取得した機器情報に含まれる機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を抽出し、抽出した機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を互いに対応づけて機器状態記憶部133に記憶させる。そして、クラウドサーバ1は、機器状態記憶部133が記憶する機器状態情報を用いて機器状態表示グラフを生成する(ステップS19)。続いて、生成された機器状態表示グラフを示すグラフ情報が、クラウドサーバ1から端末装置5へ送信される(ステップS20)。一方、端末装置5は、クラウドサーバ1から送信されるグラフ情報を取得すると、取得したグラフ情報に基づいて、機器4の状態推移を表すグラフ画像を含む状態通知画像を形成して表示部504に表示させる(ステップS21)。
【0031】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ1が実行する機器管理支援処理について
図10を参照しながら説明する。この機器管理支援処理は、例えばクラウドサーバ1において機器管理支援処理を実行するためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、エラー通知取得部111は、機器管理サーバ2から送信されるエラー通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、エラー通知取得部111が、エラー通知情報を取得していないと判定すると(ステップS101:No)、後述のステップS105の処理が実行される。一方、エラー通知取得部111が、エラー通知情報を取得したと判定すると(ステップS101:Yes)、取得したエラー通知情報に含まれるエラーコード情報を抽出してエラー判定部112に通知する。そして、エラー判定部112は、エラー通知取得部111からエラーコード情報が通知されると、エラーコード記憶部131が記憶するエラーコード情報の中に、通知されたエラーコード情報と一致するエラーコード情報が存在するか否かを判定する(ステップS102)。ここで、エラー判定部112が、通知されたエラーコード情報と一致するエラーコード情報が存在しないと判定すると(ステップS102:No)、後述のステップS105の処理が実行される。一方、エラー判定部112は、通知されたエラーコード情報と一致するエラーコード情報が存在すると判定すると(ステップS102:Yes)、当該エラーコード情報に対応する通知要否情報を参照して、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であるか否かを判定する(ステップS103)。ここで、エラー判定部112が、エラーコード情報の通知が不要であると判定すると(ステップS103:No)、後述のステップS105の処理が実行される。一方、エラー判定部112が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定したとする(ステップS103:Yes)。この場合、メッセージ通知部113は、メッセージ記憶部132が記憶するメッセージ情報の中から、取得したエラー通知情報に含まれるエラーコード情報に対応するメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を端末装置3へ送信する(ステップS104)。
【0032】
次に、グラフ要求取得部114は、端末装置5から送信されるグラフ要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS105)。ここで、グラフ要求取得部114が、グラフ要求情報を取得していないと判定すると(ステップS105:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、グラフ要求取得部114は、グラフ要求情報を取得したと判定すると(ステップS105:Yes)、取得したグラフ要求情報に含まれる検索条件情報を機器情報取得部に通知する。そして、機器情報取得部115は、通知された検索条件情報を含む機器情報要求情報を生成して機器管理サーバ2へ送信する(ステップS106)。続いて、機器情報取得部115は、機器管理サーバ2から送信される、検索条件情報に基づいて検索して選出された機器状態情報を含む機器情報を取得する。そして、機器情報取得部115は、機器情報を取得すると、取得した機器情報に含まれる機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を抽出し、抽出した機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を互いに対応づけて機器状態記憶部133に記憶させる(ステップS107)。
【0033】
その後、グラフ生成部116は、機器状態記憶部133が記憶する機器状態情報を用いて機器状態表示グラフを生成し、生成した機器状態表示グラフを示すグラフ情報をグラフ通知部117に通知する。そして、グラフ通知部117は、通知されたグラフ情報を端末装置5へ送信する(ステップS108)。次に、再びステップS101の処理が実行される。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態に係るクラウドサーバ1では、メッセージ通知部113が、機器管理サーバ2から送信されるエラーコード情報が、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定されると、メッセージ記憶部132が記憶する機器に発生した異常の内容を表すメッセージ情報の中から取得されたエラーコード情報に対応するメッセージ情報を選出する。そして、メッセージ通知部113は、選出したメッセージ情報を利用者が所持する端末装置3へ送信する。これにより、機器4において異常が発生した場合、機器4に発生した異常の内容を表すメッセージ情報が、利用者が所持する端末装置3へ送信されるので、例えば単にエラーコード情報が利用者に通知される場合に比べて、利用者が機器4に発生した異常の内容を迅速に把握することができる。
【0035】
また、本実施の形態によれば、機器4にメインテナンスが必要な異常が発生した場合、エラーコード情報がリアルタイムで利用者に通知されるので、機器4を利用する利用者は、機器4の異常を早期に把握することができる。
【0036】
更に、本実施の形態によれば、エラー判定部112が、エラーコード記憶部131が記憶する通知要否情報を適宜設定することにより、エラーコード情報毎に機器4を利用する利用者へのメッセージ情報の通知要否を設定できる。従って、利用者にとって必要なメッセージ情報のみを端末装置3へ送信することができる。そして、サービス業者の利用者の元への不要な訪問の回数を低減できる。
【0037】
また、本実施の形態に係るクラウドサーバ1では、機器情報取得部115が、機器管理サーバ2へ検索条件情報を送信することにより、機器管理サーバ2から検索条件情報に基づいて検索して選出された機器状態情報を含む機器情報を取得する。そして、グラフ生成部116が、取得された機器情報に含まれる機器状態情報を用いて機器状態表示グラフを生成する。これにより、機器4にメインテナンスが必要な異常が発生した場合、サービス業者は、機器4を利用する利用者の元へ訪問する前に機器状態表示グラフを確認して、事前に異常発生日時、異常発生状態、異常の内容等を確認若しくは予想することができるので、利用者の元への訪問回数、訪問時間を低減することができる。従って、メインテナンス作業の効率化を図ることができる。
【0038】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る機器管理支援装置は、機器4の機器状態情報から機器4の異常発生有無と機器4に異常が発生した場合の発生した異常の内容を識別するエラーコード情報とを推定するためのエラー発生状況推定モデルを用いて、取得された機器情報に含まれる機器状態情報から機器4の異常発生有無と機器4に異常が発生する場合の発生する異常のエラーコード情報とを推定するエラー発生状況推定部を備える点で実施の形態1に係る機器管理支援装置と相違する。
【0039】
本実施の形態に係る機器管理支援システムは、実施の形態1で説明した機器管理支援システムと同様の構成を有し、
図11に示すように、クラウドサーバ2001と、機器管理サーバ2と、端末装置3、2005と、を備える。クラウドサーバ2001および端末装置2005のハードウェア構成は、実施の形態1で説明したクラウドサーバ1および端末装置5と同様である。そこで、以下の説明では、クラウドサーバ2001および端末装置2005のハードウェア構成については
図2に示す符号を用いて説明する。
【0040】
端末装置2005では、CPU501が、補助記憶部503が記憶するプログラムを主記憶部502に読み出して実行することにより、エラー情報取得部511、表示制御部512、グラフ要求部513、グラフ取得部514およびエラー認定情報通知部2515として機能する。エラー認定情報通知部2515は、サービス業者が利用者により利用される機器4の実際の状態を確認したところ、機器4に異常が発生していると判断し、機器4に異常が発生していることを認定したことを通知するためのエラー認定操作を行うと、これに応じて、サービス業者が機器4に発生していると認定した異常を識別するエラーコード情報を含むエラー認定情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する。
【0041】
クラウドサーバ2001では、CPU101が、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、エラー通知取得部111、エラー判定部112、メッセージ通知部113、グラフ要求取得部114、機器情報取得部2115、グラフ生成部116、グラフ通知部117、エラー発生状況推定部2118、エラー認定情報取得部2119およびモデル生成部2120として機能する機器管理支援装置V2を実現している。また、補助記憶部103は、エラーコード記憶部131と、メッセージ記憶部132と、機器状態記憶部2133と、モデル記憶部2134と、を有する。
【0042】
モデル記憶部2134は、機器4の機器状態情報から機器4の異常発生有無と機器4に異常が発生した場合の発生した異常の内容を識別するエラーコード情報とを推定するためのエラー発生状況推定モデルを示すエラー発生状況推定モデル情報を記憶する。エラー発生状況推定モデルは、例えば順伝播型のニューラルネットワークである。この場合、モデル記憶部2134は、ニューラルネットワークの構造を示す情報と、そのニューラルネットワークにおける重み係数を示す情報と、を記憶する。ここで、ニューラルネットワークの構造を示す情報には、ニューラルネットワークのノード数、層数、各ノードに対応する重み係数および活性化関数それぞれを示す情報が含まれる。状態推定モデルは、例えば
図12に示すように、機器状態情報が示す機器4の状態を示すパラメータdataA1(IN[0])、detaA2(IN[1])、・・・。dataAk(IN[k])(kは正の整数)等を要素とする機器状態ベクトルVinが入力されると、予め設定された複数種類のエラーの発生状況それぞれの期待値を要素とする期待値ベクトルVoutを算出する。
図12に示す例では、エラーの発生状況として、「エラー無し」、エラーコード「E01」の異常、エラーコード「E02」の異常等の複数種類の状況に分類される場合を示している。
【0043】
図11に戻って、エラー通知取得部111は、機器管理サーバ2から送信されるエラー通知情報を取得すると、取得したエラー通知情報に含まれるエラーコード情報を抽出してモデル生成部2120に通知する。エラー判定部112は、エラー発生状況推定部2118からエラーコード情報が通知されると、エラーコード記憶部131が記憶するエラーコード情報の中に、通知されたエラーコード情報と一致するエラーコード情報が存在するか否かを判定し、エラーコード情報が存在すると判定すると、当該エラーコード情報に対応する通知要否情報を参照して、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であるか否かを判定する。そして、エラー判定部112は、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定すると、エラーコード情報をメッセージ通知部113に通知する。
【0044】
機器情報取得部2115は、予め設定された機器情報取得時期が到来すると、利用者が利用する機器4全てについての予め設定された推定対象時点における機器状態情報を検索するための検索条件情報を含む機器情報要求情報を生成して機器管理サーバ2へ送信する。ここで、機器情報取得時期は、例えば数分から数時間毎に定期的に到来するように設定することができる。また、推定対象時点としては、機器管理サーバ2の機器状態記憶部231が記憶する日時情報のうちの最も直近の日時に設定することができる。これにより、機器情報取得部2115は、機器管理サーバ2から送信される、利用者が利用する機器4の全てについての推定対象時点における機器状態情報を含む機器情報を取得する。機器情報取得部2115は、機器情報を取得すると、取得した機器情報に含まれる機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を抽出し、抽出した機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を互いに対応づけて機器状態記憶部2133に記憶させる。
【0045】
エラー発生状況推定部2118は、モデル記憶部2134が記憶するエラー発生状況推定モデル情報が示すエラー発生状況推定モデルを用いて、機器状態記憶部2133が記憶する機器状態情報から機器4の異常発生有無と機器4に異常が発生する場合の発生する異常のエラーコード情報とを推定する。具体的には、エラー発生状況推定部2118は、まず、機器状態記憶部2133が記憶する機器状態情報が示す少なくとも1つのパラメータから
図12に示すような、少なくとも1つのパラメータそれぞれを要素とする機器状態ベクトルVinを生成する。そして、エラー発生状況推定部2118は、機器状態ベクトルVinを前述のエラー発生状況推定モデルへ入力して、異常が発生しない期待値、並びに、予め設定された複数種類のエラーコード情報で識別される異常が発生する期待値を要素とする前述の期待値ベクトルVoutを算出する。そして、エラー発生状況推定部2118は、算出した期待値ベクトルVoutの複数の要素のうち、期待値が最も高くなる要素に対応するエラー発生状況を特定する。
図12に示す例では、異常が発生しない場合、期待値ベクトルVoutの要素Q[0]の値が最も高くなる。一方、エラーコード「E01」、「E02」、「E03」、「E04」の異常が発生する場合、それぞれ、要素Q[1]、Q[2]、Q[3]、Q[4]の値が最も高くなる。また、エラー発生状況推定部2118は、機器4に異常が発生すると推定すると、期待値が最も高い異常のエラーコード情報をエラー判定部112に通知する。
【0046】
エラー認定情報取得部2119は、端末装置5から送信されるエラー認定情報を取得すると、取得したエラー認定情報に含まれるエラーコード情報を抽出してモデル生成部2120に通知する。モデル生成部2120は、エラー通知取得部111から通知されるエラーコード情報、または、エラー認定情報取得部2119から通知されるエラーコード情報に基づいて、エラー発生状況推定モデルを示すエラー発生状況推定モデル情報を生成する。ここで、モデル生成部2120は、エラーコード情報を取得した時点の直近の前述の推定対象期間内における、機器状態記憶部2133が記憶する機器状態情報を特定する。そして、モデル生成部2120は、通知されたエラーコード情報と、特定した機器状態情報と、を用いて、新たにエラー発生状況推定モデルを生成し、生成したエラー発生状況推定モデルを示すエラー発生状況推定モデル情報で、モデル記憶部2134が記憶するエラー発生状況推定モデル情報を更新する。具体的には、モデル生成部2120は、まず、前述の期待値ベクトルの各要素を構成する期待値のうち、通知されたエラーコード情報に対応する期待値が他のラベルに対応する期待値に比べて高くなるように期待値を設定する。例えば、モデル生成部2120は、通知されたエラーコード情報の異常が発生する期待値を0よりも大きい数に設定し、他のエラーコード情報の異常が発生する期待値並びに異常が発生しない期待値を「0」に設定する。そして、モデル生成部2120は、エラー発生状況推定部2118が算出した期待値ベクトルと、設定した期待値ベクトルとの誤差を算出する。そして、モデル生成部2120は、算出された誤差に基づく誤差伝播法(バックプロパゲーション)法によりエラー発生状況推定モデルの重み係数を決定する。そして、モデル生成部2120は、決定した重み係数を示すエラー発生状況推定モデル情報で、モデル記憶部2134が記憶するエラー発生状況推定モデル情報を更新する。
【0047】
次に、本実施の形態に係る機器監視支援システムの動作について
図13および
図14を参照しながら説明する。なお、
図13および
図14において、実施の形態1と同様の処理については
図6および
図9と同一の符号を付している。まず、前述の機器情報取得時期が到来すると、クラウドサーバ2001が、利用者が利用する機器4全てについての直近の予め設定された推定対象期間内における機器状態情報を検索するための検索条件情報を含む機器情報要求情報を生成し(ステップS2001)、生成された機器情報要求情報が、クラウドサーバ2001から機器管理サーバ2へ送信される(ステップS2002)。一方、機器管理サーバ2は、クラウドサーバ2001から送信される機器状態要求情報を取得すると、取得した機器情報要求情報に含まれる利用者が利用する機器4の機器識別情報に基づいて、機器状態記憶部231が記憶する機器状態情報の中から、検索条件情報が示す検索条件に適合した機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を特定する(ステップS2003)。次に、クラウドサーバ2001が、特定した機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を含む機器情報を生成し(ステップS2004)、生成された機器情報が、機器管理サーバ2からクラウドサーバ2001へ送信される(ステップS2005)。
【0048】
一方、クラウドサーバ2001は、機器管理サーバ2から送信される機器情報を取得すると、取得した機器情報に含まれる機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を抽出し、抽出した機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を互いに対応づけて機器状態記憶部2133に記憶させる。続いて、クラウドサーバ2001が、モデル記憶部2134が記憶するエラー発生状況推定モデル情報が示すエラー発生状況推定モデルを用いて、機器状態記憶部2133が記憶する機器状態情報から機器4の異常が発生すると推定したとする(ステップS2006)。この場合、発生有無と機器4に異常が発生する場合の発生する異常のエラーコード情報とを推定する。そして、クラウドサーバ2001は、エラーコード記憶部131が記憶する、取得したエラー通知情報に含まれるエラーコード情報に対応する通知要否情報を参照して、利用者に通知すべき異常の内容を識別するエラーコード情報であると判定したとする(ステップS5)。この場合、ステップS7以降の一連の処理が実行される。
【0049】
また、
図14に示すように、機器4において異常が発生し、ステップS1からS4までの一連の処理が実行されたとする。この場合、クラウドサーバ2001は、機器管理サーバ2から送信されたエラー通知情報を取得すると、取得したエラー通知情報に含まれるエラーコード情報に基づいて、エラー発生状況推定モデルを示すエラー発生状況推定モデル情報を生成する。そして、クラウドサーバ2001は、生成したエラー発生状況推定モデル情報で、モデル記憶部2134が記憶するエラー発生状況推定モデル情報を更新する(ステップS2007)。
【0050】
また、サービス業者が利用者により利用される機器4の実際の状態を確認したところ、機器4に異常が発生していると判断し、機器4に異常が発生していることを認定したことを通知するためのエラー認定操作を行ったとする。この場合、端末装置2005が、サービス業者が機器4に発生していると認定した異常を識別するエラーコード情報を含むエラー認定情報を生成し(ステップS2008)、生成されたエラー認定情報が、端末装置2005からクラウドサーバ2001へ送信される(ステップS2009)。一方、クラウドサーバ2001は、端末装置2005から送信されるエラー認定情報を取得すると、取得したエラー認定情報に含まれるエラーコード情報を抽出する(ステップS2010)。続いて、クラウドサーバ2001は、抽出したエラーコード情報に基づいて、エラー発生状況推定モデルを示すエラー発生状況推定モデル情報を生成する。そして、クラウドサーバ2001は、生成したエラー発生状況推定モデル情報で、モデル記憶部2134が記憶するエラー発生状況推定モデル情報を更新する(ステップS2011)。
【0051】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ2001が実行する機器管理支援処理について
図15を参照しながら説明する。なお、
図15において、実施の形態1と同様の処理については
図10と同一の符号を付している。まず、機器情報取得部2115は、予め設定された機器情報取得時期が到来したか否かを判定する(ステップS2101)。ここで、機器情報取得部2115が、未だ機器情報取得時期が到来していないと判定すると(ステップS2101:No)、ステップS105の処理が実行される。一方、機器情報取得部2115は、機器情報取得時期が到来したと判定すると(ステップS2101:Yes)、利用者が利用する機器4全てについての直近の予め設定された推定対象期間内における機器状態情報を検索するための検索条件情報を含む機器情報要求情報を生成して機器管理サーバ2へ送信する(ステップS2102)。次に、機器情報取得部115は、機器管理サーバ2から送信される、検索条件情報に基づいて検索して選出された機器状態情報を含む機器情報を取得する。そして、機器情報取得部115は、機器情報を取得すると、取得した機器情報に含まれる機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を抽出し、抽出した機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を互いに対応づけて機器状態記憶部2133に記憶させる(ステップS2103)。
【0052】
その後、エラー発生状況推定部2118は、モデル記憶部2134が記憶するエラー発生状況推定モデル情報が示すエラー発生状況推定モデルを用いて、機器状態記憶部2133が記憶する機器状態情報から機器4に異常が発生すると推定したか否かを判定する(ステップS2104)。ここで、エラー発生状況推定部2118が、機器4が正常であると推定したと判定すると(ステップS2104:No)、後述のステップS105以降の処理が実行される。一方、エラー発生状況推定部2118が、機器4に異常が発生すると推定したと判定すると(ステップS2104:Yes)、発生すると推定した異常を識別するエラーコード情報をエラー判定部112に通知する。そして、ステップS102からS108までの一連の処理が実行される。
【0053】
次に、エラー通知取得部111は、機器管理サーバ2から送信されるエラー通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS2105)。ここで、エラー通知取得部111が、エラー通知情報を取得したと判定すると(ステップS2105:Yes)、後述のステップS2108の処理が実行される。一方、エラー通知取得部111が、エラー通知情報を取得していないと判定すると(ステップS2105:No)、エラー認定情報取得部2119は、端末装置2005から送信されるエラー認定情報を取得したか否かを判定する(ステップS2106)。ここで、エラー認定情報取得部2119が、エラー認定情報を取得していないと判定すると(ステップS2106:No)、再びステップS2101の処理が実行される。一方、エラー認定情報取得部2119は、エラー認定情報を取得したと判定すると(ステップS2106:Yes)、取得したエラー認定情報に含まれるエラーコード情報を抽出する(ステップS2107)。続いて、モデル生成部2120は、エラー通知取得部111から通知されるエラーコード情報、または、抽出されたエラーコード情報に基づいて、エラー発生状況推定モデルを示すエラー発生状況推定モデル情報を生成する。そして、モデル生成部2120は、生成したエラー発生状況推定モデル情報で、モデル記憶部2134が記憶するエラー発生状況推定モデル情報を更新する(ステップS2108)。その後、再びステップS2101の処理が実行される。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態に係るクラウドサーバ2001では、エラー発生状況推定部2118は、モデル記憶部2134が記憶するエラー発生状況推定モデル情報が示すエラー発生状況推定モデルを用いて、機器状態記憶部2133が記憶する機器状態情報から機器4の異常発生有無と機器4に異常が発生する場合の発生する異常のエラーコード情報とを推定する。これにより、機器管理サーバ2において検知されなかった機器4での異常発生を推定することができるので、利用者が機器4に発生した異常の内容を迅速に把握することができる。
【0055】
また、本実施の形態によれば機器4に対してメインテナンスが必要な異常が発生する前に、その予兆を検知することができるので、機器4が完全に停止する前に利用者に対して機器4にとって必要な処置を案内することができる。
【0056】
更に、本実施の形態に係るモデル生成部2120は、エラー認定情報取得部2119によりエラー認定情報が取得されると、取得されたエラー認定情報に含まれるエラーコード情報に基づいて、エラー発生状況推定モデルを示すエラー発生状況推定モデル情報を生成する。これにより、サービス業者により機器4に異常が発生していると判断された場合の機器4に対するサービス業者による異常判断の基準を、エラー発生状況推定モデルを用いた機器4の異常発生有無の推定に反映させることができるので、機器4の異常発生有無の推定精度を向上させることができる。
【0057】
以上、本開示の各実施の形態について説明したが、本開示は前述の各実施の形態によって限定されるものではない。例えば実施の形態2において、モデル記憶部2134が、機器4の機器状態情報が示すパラメータの過去の予め設定された推定対象期間内における推移に基づいて、機器4の異常発生有無と機器4に異常が発生した場合の発生した異常の無内容を識別するエラーコード情報とを推定するためのエラー発生状況推定モデルを示すエラー発生状況推定モデル情報を記憶するものであってもよい。この場合、エラー発生推定モデルとして、再帰型ニューラルネットワークを用いることができる。また、機器情報取得部2115は、前述の機器情報取得時期が到来すると、利用者が利用する機器4全てについての直近の予め設定された推定対象期間内における機器状態情報を検索するための検索条件情報を含む機器情報要求情報を生成して機器管理サーバ2へ送信する。ここで、推定対象期間としては、例えば直近の1ヶ月に設定される。これにより、機器情報取得部2115は、機器管理サーバ2から送信される、利用者が利用する機器4の全てについての推定対象期間内における機器状態情報を含む機器情報を取得し、取得した機器情報に含まれる機器状態情報、機器識別情報、機種情報および日時情報を抽出して互いに対応づけて機器状態記憶部2133に記憶させるようにすればよい。
【0058】
本構成によれば、直近の推定対象期間内における機器4の状態の推移の傾向に基づいて、機器4における異常発生を推定することができるので、機器4の異常発生の推定精度を高めることができる。
【0059】
また、本開示に係るクラウドサーバ1、2001および端末装置3、5、2005の各種機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。この場合、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、プログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)およびMO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、前述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合等には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
【0060】
更に、搬送波に各プログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(BBS,Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前述の処理を実行できるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本開示は、利用者が機器を遠隔で管理するためのシステムとして好適である。
【符号の説明】
【0062】
1,2001 クラウドサーバ、2 機器管理サーバ、3,5,2005 端末装置、4 機器、81 データ回線終端装置、82 ルータ、101,201,301,501 CPU、102,202,302,502 主記憶部、103,203,303,503 補助記憶部、106,206,306,506 通信部、108,208,310 計時部、109,209,309 バス、111 エラー通知取得部、112 エラー判定部、113 メッセージ通知部、114 グラフ要求取得部、115,2115 機器情報取得部、116,2116 グラフ生成部、117 グラフ通知部、131 エラーコード記憶部、132 メッセージ記憶部、133,2133 機器状態記憶部、211 機器状態取得部、212 エラー検知部、213 エラー通知部、214 機器状態通知部、304,504 表示部、305,505 入力部、311 メッセージ取得部、312,512 表示制御部、313 エラー情報通知部、511 エラー情報取得部、513 グラフ要求部、514 グラフ取得部、2118 エラー発生状況推定部、2119 エラー認定通知情報取得部、2120 モデル生成部、2134 モデル記憶部、2515 エラー認定情報通知部、B21,B22,B23 入力欄画像、BU11 URL表示画像、BU21 釦画像、GA1 エラー通知画像、GA2 グラフ表示操作用画面画像、M11 メッセージ画像、NW1 広域ネットワーク、NW2 局所ネットワーク、V1,V2 機器管理支援装置