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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158585
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20241031BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20241031BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20241031BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20241031BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20241031BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241031BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20241031BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21S8/04 130
F21V23/00 120
F21V23/04 500
F21V23/00 140
F21V17/00 150
F21V3/00 320
F21Y115:10 500
F21Y115:15
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073902
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】上路 啓倫
(72)【発明者】
【氏名】高土 秀和
【テーマコード(参考)】
3K011
3K014
【Fターム(参考)】
3K011AA08
3K011BA02
3K011BA05
3K011BA08
3K011GA02
3K014AA01
3K014GA03
(57)【要約】
【課題】 本発明は、光拡散性及び防眩性を向上させるとともに構成が簡素化された照明器具を提供する。
【解決手段】
中央に開口13を有する本体10と、前記開口13に設置され配線器具3と機械的及び電気的に接続されるアダプタ90と、前記本体10の前記開口13の周囲に配置された照明ユニット20を備え、前記照明ユニット20はカバー部材50と、前記カバー部材50に表面が包含される光源部30とを有し、前記カバー部材50は前記本体10の前面側に配置され中央に前記アダプタ90を嵌入するための開口部85と前記光源部30を収納するための凹部16を有し、前記光源部30は光源31と電源40とを備え、前記光源31は複数の発光素子33が表面実装された基板32からなり、前記電源40は前記光源31の外側に配置され、前記光源31のON/OFF及び調光を行う。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に開口を有する本体と、
前記開口に設置され配線器具と機械的及び電気的に接続されるアダプタと、
前記本体の前記開口の周囲に配置された照明ユニットを備え、
前記照明ユニットはカバー部材と、前記カバー部材に表面が包含される光源部とを有し、
前記カバー部材は前記本体の前面側に配置され中央に前記アダプタを嵌入するための開口部と前記光源部を収納するための凹部を有し、
前記光源部は光源と電源とを備え、
前記光源は複数の発光素子が表面実装された基板からなり、
前記電源は前記光源の外側に配置され、前記光源のON/OFF及び調光を行うことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
さらに、前記電源は前記光源の調色を行う、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記カバー部材は前記開口部の周囲に前面側に凸となる環状部を有し、前記環状部は前記光源から発出された光を前記カバー部材の外側に拡散させる、請求項1に記載の照明器具。
【請求項4】
前記環状部は前記光源から発出された光を前記カバー部材の中央方向と外周方向に均一に拡散させる、請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記カバー部材は一体的に形成された光源カバー部と電源カバー部からなり、前記光源カバー部は前記光源を前面から覆い、前記電源カバー部は前記電源を前面から覆う、請求項1に記載の照明器具。
【請求項6】
前記基板は前記開口部の周囲に前記光源カバー部の底部を塞ぐように配設されている、請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
前記電源は前記電源カバー部の凹部内に配置され、前記電源に取り付けられた底蓋が、前記電源カバー部の底部を塞ぐように配置されている、請求項5に記載の照明器具。
【請求項8】
前記カバー部材は周縁の底部付近に配設された係止部により、前記本体に固定される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項9】
前記環状部は前記開口部側に内側テーパ部と、前記内側テーパ部の外側に外側テーパ部を備えている、請求項3に記載の照明器具。
【請求項10】
前記内側テーパ部から出射される照射光と前記外側テーパ部から出射される照射光はそれぞれ照射方向が異なる、請求項9に記載の照明器具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED等の発光素子を用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDを用いた照明器具が複数提案されている。例えば、特許文献1には、天井面に取り付けるタイプの照明器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-45630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の照明器具は、輝度むらの防止を目的としたものであるが、照明器具の部品点数が多く、照明装置の構成が複雑になるという欠点があった。
【0005】
そこで、本発明は、照明器具の輝度むらがなく防眩性のある快適な明かりを確保するとともに、構成が簡素化された照明器具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の照明器具は、
中央に開口を有する本体と、
前記開口に設置され配線器具と機械的及び電気的に接続されるアダプタと、
前記本体の前記開口の周囲に配置された照明ユニットを備え、
前記照明ユニットはカバー部材と、前記カバー部材に表面が包含される光源部とを有し、
前記カバー部材は前記本体の前面側に配置され中央に前記アダプタを嵌入するための開口部と前記光源部を収納するための凹部を有し、
前記光源部は光源と電源とを備え、
前記光源は複数の発光素子が表面実装された基板からなり、
前記電源は前記光源の外側に配置され、前記光源のON/OFF及び調光を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、LED等の発光素子を有する照明器具において、簡略化された構成により、輝度むら、防眩性及び光拡散性等の視覚効果が優れるとともに薄型で構成がシンプルな照明器具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は実施例の照明器具の全体斜視図である。
図2図2は実施例の照明器具の全体を示す分解斜視図である。
図3図3は実施例の照明器具の側面図及び正面図である。
図4A図4A図3に示す実施例の照明器具のA-A線の概略断面図である。
図4B図4B図3に示す実施例の照明器具のB-B線の概略断面図である。
図5図5は実施例の照明ユニットの背面図である。
図6A図6A図5に示す実施例の照明ユニットのA-A線の概略断面図である。
図6B図6B図5に示す実施例の照明ユニットのB-B線の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例には限定されない。また、以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。本発明の照明器具は、天井面に配置された引掛シーリングローゼット等の配線器具に取り付けられるタイプのシーリングライトや天井面から吊り下げられるタイプのペンダントをはじめ各種照明器具に適用することができる。
【0010】
一般家庭用の住宅では、天井面に、シーリングライト等を取り付けるための引掛シーリングローゼット、引掛シーリングボディ、引掛シーリング、引掛ローゼットなどと呼称される配線器具が取り付けられている。照明器具は、住宅内の天井面に設置された配線器具にアダプタを介して取り付けられるのが普通である。
【0011】
また、一般家庭用の住宅には、配線器具に商用電源が供給されている。天井面に設置された配線器具に照明器具用のアダプタが取り付けられることで、配線器具とアダプタとが機械的及び電気的に接続され、住宅内電力線から配線器具を通してアダプタから照明器具に交流電源が供給される。
【0012】
ここで、本発明の実施例に係る照明器具を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の一具体例を示すものであるから、実施例に記載されている構成部品の配置、機能、数値などは、あくまで一例であって、これらによって本発明の範囲が限定解釈されるものではない。また、図面において、基本的に、配線、ネジ、コネクタなどの構成要素は省略している。
【実施例0013】
以下、実施例に係る照明器具1について説明する。
【0014】
図1は実施例の照明器具1の全体斜視図である。照明器具1は、本体10と照明ユニット20とから構成されている。本体10は略円形の平板であり、円環状の凹部16と凹部16の周縁に同心円状に形成された平板部11、平板部11の外周に沿って本体10の外縁を形成する縁部12とから構成されている。本体10の凹部16には照明ユニット20が配置される。照明ユニット20はその周縁の下部に形成された略三角形状の係止部70により本体10の凹部16にネジ留め等の係止手段により固定される。なお、図1の照明器具1において、照明ユニット20から光が発出され室内を明るく照らす側を前面側又は床面側といい、照明器具1の裏側を裏面側又は天井面側という。
【0015】
図1に示すように、本体10の中央付近には、照明器具1を天井面2(図2参照)に固定するためのアダプタ90が取り付けられている。アダプタ90から導出するコード95の先端に設けられたコネクタ96は、照明ユニット20の前面の内側に設けられた差込口72と接続して照明ユニット20に送電する。
【0016】
また、照明器具1には付属のリモートコントローラ100が備えられている。リモートコントローラ100は操作スイッチ101と表示パネル102を有する。表示パネル102は液晶パネルを用いており、照明器具1の点灯/消灯等の状態、現在の時刻等が表示される。利用者は表示パネル102で確認しながら、リモートコントローラ100の操作スイッチ101を操作することにより、照明器具1の点灯/消灯及び調光/調色等の切替操作を行う。また、リモートコントローラ100は、照明器具1の点灯/消灯、調光/調色等を指示する操作スイッチ101を備えている。
【0017】
図2は、本発明の実施例の照明器具1の全体を示す分解斜視図である。同図に示すように、実施例の照明器具1は、本体10と照明ユニット20を備えている、照明ユニット20は光源部30とカバー部材50とから構成される。光源部30は発光素子33が実装された複数の基板32からなる光源31と、光源31の周囲に配置された電源40とから構成されている。
【0018】
照明器具1は、アダプタ90により、天井面2に配置された配線器具3に着脱自在に固定される。図2に示すように、配線器具3は、略直方体形状をなしており、アダプタ90に設けられた一対の引掛刃92(図3参照)が嵌入して回転することにより係止される一対の引掛刃係合孔93が穿設されている。アダプタ90はカバー部材50の(同図の上方の)開口部85から差し込まれ、本体10の開口13の周囲にある凸部14の裏側に、アタプタ90に設けられている爪部94により係止される。アダプタ90が配線器具3に係止されることによって、アダプタ90及び照明器具1は、配線器具3と機械的及び電気的に接続される。
【0019】
本体10は、別称「シャーシ」ともいわれる部材であり、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に成形され、中央に、円形の開口13が形成されている。また、開口13の周囲には円周に沿って円錐台状に隆起した凸部14が設けられている。
【0020】
カバー部材50は一体的に成形された光源カバー部52と電源カバー部54とからなる。カバー部材50は前面(床面)側に凸となる内部に空隙部を有する形状であり、その空隙部の内側には光源31と電源40が収納される。
【0021】
照明ユニット20を構成するカバー部材50は、その周縁の底部付近に形成された略三角形状の係止部70により本体10の凹部16に係止される。係止部70は照明ユニット20の周縁に3箇所配置されているが(図3参照)、3箇所に限らず、2カ所など複数箇所に設ければよい。
【0022】
図2に示すように、光源31と電源40からなる光源部30は、開口部85を囲むように略同一水平面状に配置されている。光源31を構成する基板32は、4枚の扇形(1/4円弧状)の基板32からなり、開口部85を中心としてその周囲に環状に配置され、基板32は互いに電気的に接続されている。それぞれの基板32には、複数の発光素子33が所定間隔をあけて複数個が実装されている。実施例では、発光素子33は、直方体形状の表面実装型のLEDモジュールであり、基板32の表面において、直方体形状の長手方向を円周方向として、基板32の円周方向に沿って3列が平行するように実装されている。ここで、発光素子33は、3列に限らず1列以上であればよく、また発光素子33の長手方向が円の中心方向に向かっていてもよい。なお、発光素子33の配列は、照射効率等の照明効果が向上するように並べられたものであれば、マトリックス状、放射状など、種々の配列を採用してもよい。また、発光素子33は、発光ダイオード(LED)に限らず有機EL素子等、他の発光素子を用いてもよい。
【0023】
基板32の表面には、電源40から直流電力を発光素子33に給電するコネクタ(図示省略)が配置されている。また、実施例として、4枚の扇形の基板32を円環状に連結したものを示したが、これに限らず、1枚の円環状の平板、開口部85を有する矩形や三角形状の平板などであってもよい。
【0024】
発光素子33は、発光色が昼白色のものと電球色のものを用い、これらを交互に並べて、各列の隣接する発光素子33間に所定間隔をあけて配置してもよい。昼白色と電球色の発光素子33を流れる電流等を調整することにより、調色が可能となる。また、発光素子33は発光色が昼白色、電球色以外の発光色を有する発光素子33を用いてもよい。
【0025】
発光素子33は、基板32上に実装された発光素子33全体を減光することにより、常夜灯として機能させることができる。発光素子33の1つまたは複数の発光素子33を常夜灯用の発光素子とし、輝度調整をすることにより、一般家庭において夜間安心して睡眠できる環境を形成することができる。この場合、発光素子33は電球色が望ましい。
【0026】
電源40は、全体として円環状をなす基板32の外側に配置されている。電源40は、外部の交流電源と接続する天井面2に設置された配線器具3からアダプタ90を通して受電する。また、電源40には、外部電源から供給された電力を整流する整流回路、整流された電圧を所定の電圧に変換するトランス、一定電流を基板32に供給する定電流供給回路、リモートコントローラ100から送信された赤外線の受光回路、発光素子33の点灯制御回路等が備えられている。電源40は、基板32と電気的に接続し、発光素子33の点灯/消灯、調光/調色等を制御する。
【0027】
光源31及び電源40が内部の空隙部に収納されたカバー部材50は、照明ユニット20として、本体10の表面に形成された凸部14と凹部16上に設置される。
【0028】
基板32は、絶縁材であるガラスエポキシ樹脂(FR-4)の平板からなり、発光素子33が実装された表面側に銀箔によって配線パターンが形成されたものを用いる。なお、配線パターンはこれに限らず、基板32の裏面や内部に形成されていてもよい。また、配線パターンの上部、すなわち、基板32の表面には、反射層として作用する白色のレジスト層が施されている。基板32の材料としては、絶縁材とする場合には、ガラスエポキシ樹脂(FR-4)以外に、セラミックス材料、合成樹脂材料等を適用できる。また、基板32を金属製とする場合には、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたベース板の一面に絶縁層が積層されたベース基板等を適用することができる。
【0029】
照明器具1を天井面2に取り付ける方法は、次のとおりである。まずアダプタ90の引掛刃92(図3参照)を配線器具3の引掛刃係合孔93に係合させ、アダプタ90を配線器具3に固定する。次に、照明器具1を持ち上げ、カバー部材50の中央の開口部85にアダプタ90を通し、アダプタ90の一対の爪部94が本体10の開口13を乗り越えるまで押し上げる。
【0030】
アダプタ90の一対の爪部94は外側の両方向にバネで付勢されているので、照明器具1を、爪部94を乗り越えるように持ち上げると、爪部94が本体10の開口13の裏側に乗り上げることで、照明器具1が配線器具3が設置された天井面2に固定される。照明器具1はアダプタ90の爪部94よりも天井面2側に本体10が配置されることで、爪部94から垂下する形で天井面2に固定される。
【0031】
図3は実施例の照明器具1の側面図及び正面図である。上記したように、照明器具1は、本体10と照明ユニット20とから構成されている。本体10には照明ユニット20が取り付けられ、本体10の中央付近には、照明器具1を天井等に固定するためのアダプタ90が取り付けられている。照明ユニット20の表面には、アダプタ90からコード95の先端に設けられたコネクタ96と接続して電源供給を受けるための差込口72が設けられている。また、照明ユニット20に設けられた3カ所の係止部70を本体10にネジ留めすることにより、照明ユニット20は本体10に固定される。
【0032】
同図の側面図に示すように、アダプタ90の下面には、図2に示す配線器具3の引掛刃係合孔93に嵌入して固定される逆L字形の一対の引掛刃92が照明ユニット20の下面から突設して設けられている。引掛刃92は配線器具3から受電して電源40に給電する。照明器具1は引掛刃92により配線器具3に着脱自在に固定される。
【0033】
図4A図3に示す実施例の照明器具1のA-A線の概略断面図である。同図に示すように、照明ユニット20のカバー部材50は本体10の凹部16内に配置される。カバー部材50の開口部85の内周に沿って円筒状の筒部78が形成され、開口部85の周囲に沿って前面(床面)側に山形(凸)となる環状部56が形成されている。環状部56は光源31から発出された光をカバー部材50の外側に拡散させる。例えば、環状部56は光源31から発出された光をカバー部材50の中央方向と外周方向に均一に拡散させるようにしてもよい。
【0034】
また、環状部56の内側の底部付近には、光源31が底部を塞ぐように配置されている。カバー部材50は、開口部85の周囲に形成された凸状部60と、本体10の凸部14とが固定ネジ67により固着される。
【0035】
カバー部材50の中央付近の開口部85の周縁に沿って、略円筒状の筒部78が形成されている。筒部78はアダプタ90を挿通するためのガイドの役割を果たしている。
【0036】
図4B図3に示す実施例の照明器具1のB-B線の概略断面図である。同図に示すように、照明ユニット20のカバー部材50に形成された環状部56は図4Aと同様に開口部85の周縁に沿って形成されているが、電源40が内蔵される付近の形状が異なっている。カバー部材50の内部の空隙部には、発光素子33が表面実装された基板32からなる光源31が収納されている。
【0037】
カバー部材50は、光源31から出射される光の照射面を隈なく覆うように配置され、出射光を拡散して外側、例えば前面(床面)側に均一に照射する。カバー部材50は乳白色の材料を用いるが、カバー部材50の表面を凹凸面やレンズ面とすることにより、防眩性と光拡散効果を付与するようにしてもよい。また、カバー部材50の表面を、磨りガラス状やスリット状の模様等に加工することで、防眩性や光拡散性等を付与してもよい。
【0038】
カバー部材50は、光拡散性を有する透明の樹脂から形成される。例えば、ポリカーボネート(PC)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)等のアクリル、PS(ポリスチレン)などが用いられる。
【0039】
なお、カバー部材50の表面を覆うように、グローブ(図示省略)を設けてもよい。グローブはカバー部材50の表面を覆う形状であればいかなる形状でもよいが透光性を有する材料で形成され、光拡散性と防眩性を付与するため乳白色の材料を用いてもよい。また、カバー部材にはPMMA(ポリメタクリル酸メチル)等のアクリル樹脂が用いられるが、これに限定されず、ポリカーボネート、ポリスチレン等の合成樹脂でもよい。なお、カバー部材の表面を磨りガラス状やスリット状の模様に加工することで、光拡散性や防眩性等を付与してもよい。
【0040】
図5は実施例の照明ユニット20の背面図である。カバー部材50の裏面には4枚の扇形の基板32が中央の開口部85の周囲に沿って光源カバー部52の底部を塞ぐように取り付けられている。基板32の裏側はカバー部材50の周縁と面一になるように配設される。電源部40の底蓋80についてもカバー部材50の周縁と面一となるように配置されている。また、基板32と底蓋80のカバー部材50への取付はネジ73等の固着手段により固着される。差込口72は底蓋80のスリット81から導入されるコードの先端部に配置されたコネクタと導通して、電源40に給電するコネクタである。なお、コードとコネクタは図示省略してある。
【0041】
次に、照明器具1の組立工程について説明する。まず、電源40をカバー部材50の電源カバー部54の内部の空隙部に収納して、円弧状の底蓋80を、電源40の底部の方から電源カバー部54の底部を塞ぐようにその周縁に被せた後、底蓋80の上下の2カ所を電源カバー部54にネジ73により留め、底蓋80をカバー部材50に固定する。次に、光源カバー部54内の空隙部に、4枚の1/4円弧状の基板32を開口部85の周囲の周縁に配置してネジ留めすることで照明ユニット20が組み立てられる。次に、基板32と電源等の部品が組み付けられた照明ユニット20を本体10にネジ留めすることで照明器具1が組み立てられる。
【0042】
本発明は、照明ユニット20と本体10を組み合わせることで、従来行っていた電源、基板等の部品を本体10に順番に取り付けていく工程よりも、照明器具1の製造工程の簡略化が図られることにより、コストと製造に要する時間の大幅な削減を図ることができるという効果がある。
【0043】
図6A図5に示す実施例の照明ユニット20のA-A線の概略断面図である。照明ユニット20は、光源カバー部52と電源カバー部54からなるカバー部材50と、それぞれ光源カバー部52と電源カバー部54の内部の空隙部の底部付近に固定された基板32と電源40を備えている。カバー部材50の環状部56は、開口部85の周縁に沿って断面略三角形状の山形に形成されており、環状部56の山形の頂点の外側に位置する外側テーパ部59は外周方向に向かって下降するテーパ状となっている。また、環状部56の山形の頂点の内側に位置する内側テーパ部58は開口部85に向かって傾斜するテーパ状となっている。実施例では、内側テーパ部58と外側テーパ部59の水平面に対する角度は、外側テーパ部59の方が大きくなっているが、これに限られるものではなく、内側テーパ部58の角度が外側テーパ部59の角度よりも大きくてもよいし、両者ともに同じ角度であってもよい。内側テーパ部58から出射される照射光と外側テーパ部59から出射される照射光はそれぞれ照射方向が異なっていてもよい。また、開口部85の周縁に沿って山形に形成された環状部56の形状は、山形であればよく、断面形状が略三角形のほか、半円形、楕円形、ハート型等の形状を用いてもよい。
【0044】
カバー部材50の開口部85の周囲に沿って円環状をなしている凸状部60は、全体として台錐状であり、開口部85の周囲の2カ所に、本体10に固定するための固定ネジ67を通すための溝部66が設けられている。凸状部60において、開口部85の内側には開口部85の円周方向に円筒状の円環部62が立設し、その内部に筒部78が設けられている。筒部78には、アダプタ90が挿通しやすくするためのスリット状のリブ79が開口部85を囲むように、かつ円周方向に対して垂直方向に複数個設けられている。また、円環部62の外側には溝部66の外側に周方向に沿って開口部85側に傾斜する傾斜部63が設けられている。傾斜部63と環状部56の内側テーパ部58との間には周方向に環状の平面部64が設けられている。
【0045】
また、基板32の内側には開口部85の周囲に亘って垂直の壁状の脚部65が設けられている。脚部65は内側テーパ部58、外側テーパ部59及び平面部64とともに基板32の周囲を包囲している。脚部65は、基板32から発出された照射光が開口部85側に漏れるのを防止するとともに、照射光を内側テーパ部58、外側テーパ部59及び平面部64の方向に反射する作用をする。また、内側テーパ部58、外側テーパ部59及び平面部64は基板32から発出された照射光を床面側に広く散乱し室内を明るく照らすとともに、防眩性を付与する。
【0046】
図6B図5に示す実施例の照明ユニット20のB-B線の概略断面図である。同図に示すように、カバー部材50に形成された環状部56は図6Aと同様であり、開口部85の周縁に沿って形成されているが、電源40が内蔵される付近の形状が異なっている。カバー部材50のうち、光源カバー部52の内部の空隙部には、発光素子33が表面実装された基板32からなる光源31が収納され、電源カバー部54の内部の空隙部には電源40が内蔵されている。壁部68は、電源40と環状部56とを隔てる仕切りである。なお、壁部68は、図4Bに示すように用いなくてもよい。
【0047】
以上、実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明によれば、照明器具において、光拡散性及び防眩性を向上させるとともに構成を簡素化することができ、天井面に配置された引掛シーリングローゼット等の配線器具に取り付けられるタイプのシーリングライトや天井面から吊り下げられるタイプのペンダントのほか、誘導灯、防災灯、街路灯等など各種照明器具に適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 照明器具
2 天井面
3 配線器具
10 本体
11 平板部
12 縁部
13 開口
14 凸部
16 凹部
20 照明ユニット
30 光源部
31 光源
32 基板
33 発光素子
40 電源
50 カバー部材
52 光源カバー部
54 電源カバー部
56 環状部
58 内側テーパ部
59 外側テーパ部
60 凸状部
62 円環部
63 傾斜部
64 平面部
65 脚部
66 溝部
67 固定ネジ
68 壁部
70 係止部
72 差込口
73 ネジ
78 筒部
79 リブ
80 底蓋
81 スリット
85 開口部
90 アダプタ
92 引掛刃
93 引掛刃係合孔
94 爪部
95 コード
96 コネクタ
100 リモートコントローラ
101 操作スイッチ
102 表示パネル

図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B