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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158591
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ガス絶縁開閉装置
(51)【国際特許分類】
   H02B 13/035 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
H02B13/035 301H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073914
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120444
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】田中 克征
(72)【発明者】
【氏名】小薗 秀明
(72)【発明者】
【氏名】立川 裕之
【テーマコード(参考)】
5G017
【Fターム(参考)】
5G017AA23
5G017BB02
5G017FF01
(57)【要約】
【課題】部品点数、組立工数を削減すること。
【解決手段】開閉装置(1)は、上下方向に隣り合って配置される第1接地開閉器付断路器(11)及び第2接地開閉器付断路器(12)を備えている。各接地開閉器付断路器は、上下方向に交差する前後方向に延出する絶縁フレーム(11a、12a)と、フレームに設けられる第1内部端子(11b、12b)とをそれぞれ備えている。フレームにて、第1内部端子に導体(11e、12e)を接続可能な上下方向の一方の形成面を接続面(11f、12f)、上下方向の他方の形成面を非接続面(11g、12g)とする。開閉装置は、各接地開閉器付断路器におけるフレームの非接続面を向かい合わせて配置している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる系統それぞれの母線に接続されるガス絶縁開閉装置であって、
所定の配置方向に隣り合って配置される2台の接地開閉器付断路器を備え、
前記2台の接地開閉器付断路器は、前記配置方向に交差する方向に延出するフレームと、前記フレームに設けられる内部端子とをそれぞれ備え、
前記フレームにて、前記内部端子に所定の導体を接続可能な前記配置方向の一方の形成面を接続面、前記配置方向の他方の形成面を非接続面とし、
前記2台の接地開閉器付断路器における前記フレームの前記非接続面を向かい合わせて配置していることを特徴とするガス絶縁開閉装置。
【請求項2】
前記2台の接地開閉器付断路器それぞれの前記フレームは同一構造とされ、前記配置方向にて対称に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のガス絶縁開閉装置。
【請求項3】
前記2台の接地開閉器付断路器は同一構造とされ、前記配置方向にて対称に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のガス絶縁開閉装置。
【請求項4】
前記非接続面は平滑に形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のガス絶縁開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス絶縁開閉装置に関し、特に、受配電設備用に用いられるガス絶縁開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タンク内に、真空遮断器や、複数の断路器兼接地開閉器、避雷器を収容したガス絶縁開閉装置が開示されている。特許文献1にて、タンクの上部に3相分の第1の母線が配置され、タンクの後部に3相分の第2の母線が配置されている。また、第1の母線及び第2の母線に対応し、2台の断路器兼接地開閉器が上下に並んで配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5602976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の断路器兼接地開閉器は、タンクに片持ち支持されて上方からの導体を挿通する穴を有する絶縁フレームと、絶縁フレームの下方に2つ並んで設けられる端子とを備え、上下に並ぶ2台が同一構成とされる。下方の断路器兼接地開閉器にあっては、絶縁フレームの穴に導体を挿通せずに用いられるだけでなく、該穴に対し、絶縁用の遮蔽部材を設ける必要があり、部品点数、組立工数が増大する、という問題がある。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、2台の接地開閉器付断路器を並べて配置する構成にて、部品点数、組立工数を削減することができるガス絶縁開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における一態様のガス絶縁開閉装置は、異なる系統それぞれの母線に接続されるガス絶縁開閉装置であって、所定の配置方向に隣り合って配置される2台の接地開閉器付断路器を備え、前記2台の接地開閉器付断路器は、前記配置方向に交差する方向に延出するフレームと、前記フレームに設けられる内部端子とをそれぞれ備え、前記フレームにて、前記内部端子に所定の導体を接続可能な前記配置方向の一方の形成面を接続面、前記配置方向の他方の形成面を非接続面とし、前記2台の接地開閉器付断路器における前記フレームの前記非接続面を向かい合わせて配置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、2台の接地開閉器付断路器を上述のように配置しているので、両方の接地開閉器付断路器のフレームに対し、内部端子に導体を接続するための穴を非形成とすることができる。これにより、かかる穴を使用しない方の接地開閉器付断路器にて、遮蔽部材で穴を塞ぐ必要がなくなり、部品点数、組立工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係るガス絶縁開閉装置の内部構成を示す部分概略断面図である。
図2】前記ガス絶縁開閉装置の内部構成を後方から見た図である。
図3】前記ガス絶縁開閉装置の内部構成を前方から見た図である。
図4図4Aは、図1の部分拡大図であり、図4Bは、従来構造に係るガス絶縁開閉装置の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係るガス絶縁開閉装置(以下、単に「開閉装置」という)について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。
【0010】
本発明は、例えば、三相のキュービクル形ガス絶縁開閉装置(以下、単に「開閉装置」という)に適用される。しかしながら、本発明が適用される開閉装置については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、単相の開閉装置にも適用することができる。
【0011】
図1は、実施の形態に係るガス絶縁開閉装置の内部構成を示す部分概略断面図である。図1に示すように、開閉装置1は、密閉した内部空間を形成し、六フッ化硫黄(SF6)、や乾燥空気等の絶縁性ガス(消弧性ガス)が充填される金属製のタンク2を備えている。ここで、本明細書及び特許請求の範囲において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」は各図に矢印を用いて図示した方向を基準として用いる。
【0012】
開閉装置1は、タンク2を収容する外部筐体3を備え、外部筐体3は、前後に配置される扉3a、3bを備えている。なお、開閉装置1の以下に述べる各構成においては、タンク2及び外部筐体3を除き、三相分に応じて3体ずつ設けられ、図面によっては重なって配置されて1体分だけ図示される場合があり、また、図面の各構成に対しては3体のうちの1体にだけ符号を付する。
【0013】
開閉装置1は、タンク2より上方に設けられる第1母線5(母線、図2、3参照)と、タンク2より後方の上部領域に設けられる第2母線6(母線、図2参照)とに接続される。第1母線5及び第2母線6は、種々の電力供給源となる異なる系統にそれぞれ接続される。各母線5、6は、固体絶縁物により絶縁された固体絶縁母線とされ、外部筐体3の内部にて接続される。
【0014】
開閉装置1において、タンク2の後方には電力ケーブル7(図2参照)が設けられる。開閉装置1は、電力ケーブル7を介して、開閉装置1外部の電気設備Eとの間に配電用電流経路を形成するように構成されている。
【0015】
本実施の形態の開閉装置1は、第1母線5及び電気設備Eの間の配電用電流経路、第2母線6及び電気設備Eの間の配電用電流経路の両方を開閉可能に設けられる。更に述べると、開閉装置1は、電気設備Eに対して第1母線5及び第2母線6を選択して接続可能に構成されている。
【0016】
開閉装置1は、タンク2内に配設される機器として、上方から下方に向かって順に、第1接地開閉器付断路器11、第2接地開閉器付断路器12、真空遮断器14、第3接地開閉器付断路器16及び避雷器18を備えている。各接地開閉器付断路器11、12、16、真空遮断器14及び避雷器18は、上述の各配電用電流経路を開閉する開閉器として構成される。
【0017】
開閉装置1は、タンク2の頂壁2aを貫通する第1母線接続ブッシング21と、第1母線5を第1母線接続ブッシング21に接続する第1母線コネクタ22とを備えている。第1母線コネクタ22と第1接地開閉器付断路器11とは、第1分岐用主回路導体23で接続されている。また、開閉装置1は、タンク2の後壁2bを貫通する第2母線接続ブッシング25と、第2母線6を第2母線接続ブッシング25に接続する第2母線コネクタ26とを備えている。第2母線コネクタ26と、第1接地開閉器付断路器11及び第2接地開閉器付断路器12は、第2分岐用主回路導体27で接続されている。
【0018】
図4Aは、図1の部分拡大図である。図4Aに示すように、第1接地開閉器付断路器11と第2接地開閉器付断路器12とは、上下方向に隣り合って設けられている。言い換えると、第1接地開閉器付断路器11及び第2接地開閉器付断路器12が隣り合う配置方向が上下方向となる。
【0019】
第1接地開閉器付断路器11は、絶縁フレーム(フレーム)11aと、絶縁フレーム11a内に設けられる第1内部端子(内部端子)11b、第2内部端子11c及び可動端子11dとを備えている。絶縁フレーム11aは、前後方向に延出し、第1接地開閉器付断路器11及び第2接地開閉器付断路器12の配置方向となる上下方向に対し、直交(交差)する方向の延出している。絶縁フレーム11aは、例えば絶縁性能を有する樹脂材により構成され、前端側を基端部、後端側を先端部としてタンク2の前壁2cに片持ち支持されている。絶縁フレーム11aは、延出方向(前後方向)中間部の上面側に傾斜面を備え、該傾斜縁を挟んで後方の上部領域が窪むように形成されて上下幅が小さくなっている。
【0020】
第1内部端子11b及び第2内部端子11cは、絶縁フレーム11aに収容または内蔵するように設けられる。第1内部端子11bは、絶縁フレーム11aの延出方向中間部に配置され、第2内部端子11cは、絶縁フレーム11aの後端部に配置される。
【0021】
第1内部端子11bは、絶縁フレーム11aの上面側から導体11eを介して第1分岐用主回路導体23と接続されている。従って、第1接地開閉器付断路器11は、絶縁フレーム11aの上面(前記配置方向の一方の形成面)を接続面11fとして導体11eを接続可能となり、絶縁フレーム11aの下面(前記配置方向の他方の形成面)を非接続面11gとする。接続面11fから第1内部端子11bが上方に露出するように設けられている。非接続面11gは、開口や穴が形成されずに平滑に形成され、コネクタを含む導体が接続不能な面として形成される。
【0022】
第2内部端子11cは、絶縁フレーム11aの後方にて上下方向に延出する接続導体29に接続される。接続導体29は、コネクタ30を介して第2分岐用主回路導体27に接続される。
【0023】
可動端子11dは、タンク2における前壁2cの外側に設けられる操作機構32によって前後方向に駆動操作される。第1接地開閉器付断路器11は、可動端子11dの駆動によって第1内部端子11b及び第2内部端子11cの接続、断路、接地が切り替え可能となる。
【0024】
第1接地開閉器付断路器11及び第2接地開閉器付断路器12は、共通パーツを用いて同一構造とされ、上下方向の向きが逆になって対称に配設されている。以下、上記の第1接地開閉器付断路器11の説明と重複、類似する部分もあるが、第2接地開閉器付断路器12について説明する。
【0025】
第2接地開閉器付断路器12は、絶縁フレーム(フレーム)12aと、絶縁フレーム12a内に設けられる第1内部端子(内部端子)12b、第2内部端子12c及び可動端子12dとを備えている。絶縁フレーム12aは、前後方向に延出し、前記配置方向(上下方向)に対して直交(交差)する方向の延出している。絶縁フレーム12aは、第1接地開閉器付断路器11の絶縁フレーム11aと同一構造とされ、前端側を基端部、後端側を先端部としてタンク2の前壁2cに片持ち支持されている。絶縁フレーム12aは、第1接地開閉器付断路器11の絶縁フレーム11aと上下方向にて対称に配設されている。絶縁フレーム12aは、延出方向(前後方向)中間部の下面側に傾斜面を備え、該傾斜縁を挟んで後方の下部領域が窪むように形成されて上下幅が小さくなっている。
【0026】
第1内部端子12b及び第2内部端子12cは、絶縁フレーム12aに収容または内蔵するように設けられる。第1内部端子12bは、絶縁フレーム12aの延出方向中間部に配置され、第2内部端子12cは、絶縁フレーム12aの後端部に配置される。
【0027】
第1内部端子12bは、絶縁フレーム12aの下面側から導体12eを介して主回路導体36と接続されている。従って、第2接地開閉器付断路器12は、絶縁フレーム12aの下面(前記配置方向の一方の形成面)を接続面12fとして導体12eを接続可能となり、絶縁フレーム12aの上面(前記配置方向の他方の形成面)を非接続面12gとする。接続面12fから第1内部端子12bが下方に露出するように設けられている。非接続面12gは、開口や穴が形成されずに平滑に形成され、コネクタを含む導体が接続不能な面として形成される。各絶縁フレーム11a、12aが上下方向にて対称に配設されるので、第1接地開閉器付断路器11の非接続面11gと第2接地開閉器付断路器12の非接続面12gとが向かい合わせて配置される。
【0028】
第2接地開閉器付断路器12における絶縁フレーム12aの後方にも接続導体29が上下方向に延出して配設される。第2内部端子12cは、絶縁フレーム12aの後方にて接続導体29に接続される。
【0029】
可動端子12dは、タンク2における前壁2cの外側に設けられる操作機構33によって前後方向に駆動操作される。第2接地開閉器付断路器12は、可動端子12dの駆動によって第1内部端子12b及び第2内部端子12cの接続、断路、接地が切り替え可能となる。
【0030】
図1に戻り、第2接地開閉器付断路器12の下方には、タンク2内の空間を上下に分割する仕切壁2dが設けられる。仕切壁2dには、絶縁スペーサ34が貫通して設けられ、絶縁スペーサ34における中心導体34aは、主回路導体36及び導体12e(図4A参照)を介して第2接地開閉器付断路器12の第1内部端子12b(図4A参照)に接続されている。
【0031】
第2接地開閉器付断路器12及び仕切壁2dの下方位置に、真空遮断器14が設けられる。真空遮断器14は、容器14aと、容器14a内に配置される不図示の可動接触子及び固定接触子と、第1接続端子14bと、第2接続端子14cとを備えている。真空遮断器14は、第1接続端子14b及び第2接続端子14cの間での電流経路を遮断する機能と、接続して投入する機能とを備えている。
【0032】
真空遮断器14の可動接触子は、操作機構35によって駆動操作されて固定接触子と接離することで遮断、投入が切り替えられる。操作機構35は、タンク2における前壁2cの外側に設けられる。第1接続端子14bは、容器14aの上端側に設けられ、絶縁スペーサ34の中心導体34aに接続されている。第2接続端子14cは、容器14aの後端側に設けられ、第3接地開閉器付断路器16に主回路導体38を介して接続されている。
【0033】
真空遮断器14の下方位置に、第3接地開閉器付断路器16が設けられる。第3接地開閉器付断路器16は、第1接地開閉器付断路器11と類似する構成とされる。第3接地開閉器付断路器16は、絶縁フレーム16a内に設けられる第1内部端子16b及び可動端子16dと、絶縁フレーム16aの後端に設けられる第2内部端子16cとを備えている。絶縁フレーム16aは、前端側を基端部、後端側を先端部として前後方向に延出し、タンク2の前壁2cに片持ち支持されている。絶縁フレーム16aは、延出方向(前後方向)中間部の上面側に傾斜面を備え、該傾斜縁を挟んで後方の上部領域が窪むように形成されて上下幅が小さくなっている。
【0034】
第1内部端子16bは、絶縁フレーム16aの延出方向中間部にて絶縁フレーム16aに収容または内蔵するように設けられ、第1内部端子16bは、絶縁フレーム16aの上面側から導体16e及び主回路導体38を介して真空遮断器14の第2接続端子14cに接続されている。第2内部端子16cは、絶縁フレーム16aの後端から後方に突出する部分を備え、後述する主回路導体42と接続されている。
【0035】
可動端子16dは、タンク2における前壁2cの外側に設けられる操作機構39によって前後方向に駆動操作される。第3接地開閉器付断路器16は、可動端子16dの駆動によって第1内部端子16b及び第2内部端子16cの接続、断路、接地が切り替え可能となる。
【0036】
第3接地開閉器付断路器16の下方位置に、避雷器18が設けられる。避雷器18及び第3接地開閉器付断路器16の第2内部端子16cは、主回路導体42の一端側に接続される。主回路導体42の他端側は、タンク2の後壁2bを貫通するケーブル接続用ブッシング43及びケーブルヘッド44を介して上述した電力ケーブル7に接続される。
【0037】
ここで、以下において、上述の特許文献1に開示される従来構造を説明し、特許文献1の構成と対比して本実施の形態の構成について説明する。
【0038】
特許文献1においては、第2のタンク100内にて、第3の断路器兼接地開閉器103が第2の断路器兼接地開閉器102の上方に並んで設けられる。各断路器兼接地開閉器102、103は、同一構成とされ、設置する向きも同一に設定されている。
【0039】
各断路器兼接地開閉器102、103は、水平方向に延出するフレーム102a、103aと、フレーム102a、103aの下方に2つ並んで設けられる端子102b、102c、103b、103cとをそれぞれ備えて同一構成とされる。端子102b、102c、103b、103cは、フレーム102a、103aの下方に露出するように設けられている。第3の断路器兼接地開閉器103の一方の端子103bは、フレーム103aの上方に位置する主回路導体105にコネクタ106及び導体107を介して接続されている。
【0040】
第3の断路器兼接地開閉器103のフレーム103aには、導体107を挿通する穴103dが形成されている。言い換えると、第3の断路器兼接地開閉器103では、主回路導体105に電気的に接続するために、フレーム103aに穴103dを形成することが不可欠となる。更には、各断路器兼接地開閉器102、103が同一構成とされるので、第2の断路器兼接地開閉器102のフレーム102aにも穴102dが形成される。
【0041】
このため、第2の断路器兼接地開閉器102の穴102dにて絶縁性能が低下することを防止すべく、穴102dを塞ぐ遮蔽板を設けることが必要になる。これにより、従来構造にあっては、部品点数が増加するばかりでなく、組立工数も増加する、という問題がある。
【0042】
一方、上記実施の形態は、第1接地開閉器付断路器11の絶縁フレーム11aの上面を接続面11fとし、上方の導体11eを接続可能としている。また、第2接地開閉器付断路器12の絶縁フレーム12aの下面を接続面12fとし、下方の導体12eを接続可能としている。これにより、各接地開閉器付断路器11、12においては、従来構造における穴102d、103dの形成を不要にでき、かかる穴102d、103dを塞ぐ遮蔽板を設けることなく絶縁性能を良好に保つことができる。これにより、上記実施の形態は、従来構造に比べて部品点数、組立工数の削減を図ることができる。
【0043】
しかも、各接地開閉器付断路器11、12の絶縁フレーム11a、12aを同一構造にできるばかりでなく、各接地開閉器付断路器11、12全体を同一構造とすることができるので、開閉装置1を構成する構造物の種類を少なくすることができる。これにより、組立作業やメンテナンス等の負担軽減を図ることができる。
【0044】
更に、従来構造では第3の断路器兼接地開閉器103にてフレーム103aが一方の端子103bを上方から覆うように設けられるのに対し、実施の形態の第1接地開閉器付断路器11は接続面11fにて第1内部端子11bが上方に露出して設けられる。これにより、導体11eの上下寸法を小さくでき、開閉装置1全体の小型化に寄与することが可能となる。
【0045】
また、各接地開閉器付断路器11、12にて絶縁フレーム11a、12aの非接続面11g、12gを平滑に形成した向かい合わせとしたので、各接地開閉器付断路器11、12を上下に接近して配置でき、設置スペースを小さくすることができる。
【0046】
更に、上下に並ぶ第1内部端子11b、12bの間に2つの絶縁フレーム11a、12aが配置されるので、第1内部端子11b、12bの間での絶縁性能を高めることができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、向きなどについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0048】
上記実施の形態における各接地開閉器付断路器11、12の絶縁フレーム11a、12aの形状や、各内部端子11b、11c、12b、12cの形状、配置は、上記実施の形態と同様の作用が得られる限りにおいて、変更してもよい。例えば、第1接地開閉器付断路器11の各内部端子11b、11cを絶縁フレーム11aの接続面11fから上方に突出するように設けたり、第2接地開閉器付断路器12の各内部端子12b、12cを絶縁フレーム12aの接続面12fから下方に突出するように設けたりしてもよい。
【0049】
また、各接地開閉器付断路器11、12が隣り合う配置方向は、上下方向に限定されるものでなく、上下方向に対して角度変位した方向としてもよい。また、絶縁フレーム11a、12aの延出方向は、配置方向に交差する方向となるが、かかる方向は前後方向に限定されず、配置方向に直交する方向や直交する方向から所定角度変位した方向としてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 :開閉装置(ガス絶縁開閉装置)
5 :第1母線(母線)
6 :第2母線(母線)
11 :第1接地開閉器付断路器(接地開閉器付断路器)
11a :絶縁フレーム(フレーム)
11b :第1内部端子(内部端子)
11f :接続面
11g :非接続面
11e :導体
12 :第2接地開閉器付断路器(接地開閉器付断路器)
12a :絶縁フレーム(フレーム)
12b :第1内部端子(内部端子)
12f :接続面
12g :非接続面
12e :導体
図1
図2
図3
図4