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  • 特開-皿盛り食物の掬い上げ受け体構造 図1
  • 特開-皿盛り食物の掬い上げ受け体構造 図2
  • 特開-皿盛り食物の掬い上げ受け体構造 図3
  • 特開-皿盛り食物の掬い上げ受け体構造 図4
  • 特開-皿盛り食物の掬い上げ受け体構造 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158604
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】皿盛り食物の掬い上げ受け体構造
(51)【国際特許分類】
   A47G 21/04 20060101AFI20241031BHJP
   A47G 21/06 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A47G21/04 Z
A47G21/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073942
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】519212130
【氏名又は名称】日▲高▼ 雄二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 雄二郎
【テーマコード(参考)】
3B115
【Fターム(参考)】
3B115AA17
3B115BA01
(57)【要約】
【課題】皿周縁部の立ち上がり形状に種々変化があると皿盛り食物の掬い上げ装置を皿周縁部に的確に装着していても傾斜した掬い上げプレートの下端縁部を常時皿底面に当接させることができず、皿内底面との間に間隙が生起して掬い上げ飯の一部がこぼれて皿に戻ることになり掬い上げ作業を的確に行えないという欠点があった。
【解決手段】この発明は、横軸3を中心に開閉自在に構成し皿の周縁部Pに挟持可能に付勢した上クランプ体1及び下クランプ体2と、上クランプ体1の下方に形成した皿の周縁部回避用の空間部11と、上クランプ体1の先端縁部13に連設し、下方押圧付勢された平面視半円弧状で縦断面視湾曲状に形成した掬い上げプレート4とにより構成したことを特徴とする皿盛り食物の掬い上げ受け体構造を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横軸を中心に開閉自在に構成し皿縁部に挟持可能に付勢した上クランプ体及び下クランプ体と、
上クランプ体の下方に形成した皿縁部回避用の空間部と、
上クランプ体の先端縁部に連設し下方押圧付勢された平面視半円弧状で縦断面視湾曲状に形成した掬い上げプレートとにより構成したことを特徴とする皿盛り食物の掬い上げ受け体構造。
【請求項2】
下クランプ体は、皿の周縁外側面に可及的に沿うように可撓性素材により構成したことを特徴とする請求項1に記載の皿盛り食物の掬い上げ受け体構造。
【請求項3】
上クランプ体は、皿の周縁外側面の上面に当接することで揺動を規制する揺動規制片を皿縁部回避用の空間部に突設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の皿盛食物の掬い上げ受け体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、皿盛り食物を食する際に少量の残り食物を匙で最後の掬い上げをする際に使用する皿盛り食物の掬い上げ受け体構造に関するものである。
【0002】
従来、皿盛り食物の少量の残りを匙で最後の掬い上げをせんとする場合、どうしても皿の立上がり周縁部からはみ出し、的確に少量の残り食物を掬い上げることができず、強引に掬い上げようとすると残り食物が皿からはみ出してしまう恐れがあった。
【0003】
このように皿に残った少量の残り食物を匙などで掬い上げることができない場合は別途に箸や二本のフォークなどでつまんで食する等の手間をかけることになり煩雑であった。
【0004】
かかる不便を解消すべく本発明者は皿から残り飯等を掬い上げるための器具を考案し意匠登録第1648964号他数件の意匠登録を行った。
【0005】
かかる掬い上げ器具は盛皿の周縁部をクランプする挟持体とその挟持体に連設した傾斜状の掬い上げプレートとの組合せよりなり、しかも、プレート下端縁部を皿の内底面に臨ませてこの傾斜プレートを利用して残った少量の食べ物を匙で掬い上げるように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】意匠登録第1648964号公報
【特許文献2】意匠登録第1704493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、かかる掬い上げ器具は皿の周縁部へ簡便に装着できる構造とされてはいるが基本的に掬い上げプレート先端縁部を皿の内底面に確実に当接させることができない。
【0008】
なぜならば、皿の周縁部の構造や形状が画一的ではなく各種の大きさや変形皿があるため上下クランプ体を皿の周縁部に装着してもそのクランプ姿勢がまちまちとなり掬い上げプレート先端縁部を常時皿内底面に当接させることができないからである。従って、皿内底面との間に隙間が生起して掬い上げ動作時に掬い上げ飯の一部が間隙から皿内底面にこぼれ落ちてしまう恐れがあった。
【0009】
このように、皿周縁部の立ち上がり形状が異なるため皿盛り食物の掬い上げ装置本体を皿周縁部に装着してもそれに連設した傾斜状の掬い上げプレートの下端縁部は常時皿底面に当接することができず、皿内底面との間に間隙を生起して掬い上げ飯の一部がこぼれ落ちて掬い上げ作業が的確に行えないという欠点があった。
【0010】
この発明では、皿の大きさや形状の違いがあっても上下クランプ体を皿の縁部に的確に装着可能とし、しかも、掬い上げプレート下端縁部を下方押圧付勢して皿の底面と当接して隙間を生じることなく残り少ない飯等の掬い上げの動作を確実に行える皿盛り食物の掬い上げ受け体構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、横軸を中心に開閉自在に構成し皿縁部に挟持可能に付勢した上クランプ体及び下クランプ体と、上クランプ体の下方に形成した皿縁部回避用の空間部と、上クランプ体の先端縁部に連設し下方押圧付勢された平面視半円弧状で縦断面視湾曲状に形成した掬い上げプレートとにより構成したことを特徴とする皿盛り食物の掬い上げ受け体構造を提供せんとする。
【0012】
本発明の第2の態様は、下クランプ体は、皿の周縁外側面に可及的に沿うように可撓性素材により構成したことを特徴とする皿盛り食物の掬い上げ受け体構造を提供せんとする。
【0013】
本発明の第3の態様は、上クランプ体は、皿の周縁外側面の上面に当接することで揺動を規制する揺動規制片を皿縁部回避用の空間部に突設したことを特徴とする皿盛食物の掬い上げ受け体構造を提供せんとする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の態様によれば、横軸を中心に開閉自在に構成し皿縁部に挟持可能に付勢した上クランプ体及び下クランプ体と、上クランプ体の下方に形成した皿縁部回避用の空間部と、上クランプ体の先端縁部に連設し下方押圧付勢された平面視半円弧状で縦断面視湾曲状に形成した掬い上げプレートとにより構成したことにより、上下クランプ体を皿周縁部に装着した場合に上クランプ体が皿の周縁部の立ち上がり形状と干渉することなく確実に皿周縁部に挟持固定することができると共に、特に掬い上げプレートを皿の周縁部に沿って確実に装着でき、かつ、皿の底面に残った食物を集中して匙等により掬い上げることができる効果がある。
更には、上クランプ体の先端縁部に連設し下方押圧付勢された掬い上げプレートにより掬い上げプレート先端縁部を確実に皿内底面に当接することができるので皿との間に間隙が形成されることがなく皿に残った最後の少量食物を掬い上げプレートを介して完全にすくい上げることができる効果がある。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、下クランプ体は、皿の周縁外側面に可及的に沿うように可撓性素材により構成したことにより、上下クランプ体で皿の周縁部を挟持した場合に皿周縁下底面の変形に沿って下クランプ体を確実に当接することができいかなる変形皿にも確実なクランプ機能を果たすことができる効果がある。
【0016】
本発明の第3の態様によれば、上クランプ体は、皿の周縁外側面の上面に当接することで揺動を規制する揺動規制片を皿縁部回避用の空間部に突設したことにより、上下クランプ体で皿の周縁部を挟持した場合に皿の周縁部上面に揺動規制片の下面を当接することで掬い上げプレートに沿って皿の底面に残った少量食物を匙で掬い上げた際に上クランプ体が揺動することを規制して完全にすくい上げることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態にかかる掬い上げ受け体構造を示す平面図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3】本発明の実施形態にかかる掬い上げ受け体構造のA-A線断面図における上クランプ体と下クランプ体を開放した状態を示す縦断面図である。
図4】本発明の実施形態にかかる掬い上げ構造体を皿の縁部に装着した状態を示す平面図である。
図5図4のB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明の要旨は、横軸を中心に開閉自在に構成し皿縁部に挟持付勢した上クランプ体及び下クランプ体と、上クランプ体の下方に形成した皿縁部回避用の空間部と、上クランプ体の先端縁部に連設し下方押圧付勢された平面視半円弧状で縦断側面視湾曲状に形成した掬い上げプレートとより構成したことを特徴とする。
【0019】
また、下クランプ体は、皿の周縁外側面に可及的に沿うように可撓性素材により構成したことを特徴とする。
【0020】
また、上クランプ体は、皿の周縁外側面の上面に当接することで揺動を規制する揺動規制片を皿縁部回避用の空間部に突設したことを特徴とする。
【0021】
この発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の皿盛り食物の掬い上げ受け体構造Sの全体を説明する図面である。
【0022】
図1において、上下クランプ体1,2は横軸3を中心に開閉自在に構成され皿の周縁部Pをクランプすることができるようにスプリングにより挟持付勢されている。
【0023】
すなわち、上下クランプ体1,2の後端部には一対の操作片10,20が突設されており、その間にスプリングを介在し、該操作片10、20により上下クランプ体1,2を横軸3を中心に開閉自在に構成していると共に、上下クランプ体1,2は先端部を常時閉塞方向に付勢するように構成している。
【0024】
しかも、上クランプ体1は上方半円弧状に形成し、その下方には皿縁部回避用の空間部11、すなわち、半円弧状の空間部11が形成されている。
【0025】
かかる空間部11は上下クランプ体1,2で皿の周縁部Pをクランプした際に皿の周縁部Pの反りあがりが上クランプ体1と干渉することを回避するためのものである(図5参照)。
【0026】
従って、その形状は干渉を回避するものであればいかなる形状でも支承はなく、本発明ではその一実施例として半円弧状の空間部11とした。
【0027】
この半円弧状の空間部11には、図2図3,および図5に示すように、上クランプ体1の内側面から略方形板状の揺動規制片12を突設している。かかる揺動規制片12は、上下クランプ体1,2で皿の周縁部Pをクランプした際に周縁部Pの上面に当接させることにより、皿に残った少量の残り食物を匙Cで掬い上げる際に生起される掬い上げ受け体構造Sの揺動を規制するためのものである。従って、その形態は、掬い上げ受け体構造Sの揺動を規制できればいかなる形状でも支承はなく、本発明では、その一実施例として略方形板状の揺動規制片12とした。
【0028】
上クランプ体1の先端縁部13には、図2および図4に示すように、平面視半円弧状で縦断面視湾曲状に形成した掬い上げプレート4を連設している。
【0029】
掬い上げプレート4は、下方押圧付勢された平面視半円弧状で縦断側面視湾曲状に形成し、幅員が所定幅、すなわち、残り少ない食物を匙Cなどで掬い上げるのに有効な幅員の曲面板としている。掬い上げプレート4の下方押圧付勢を生起するための構造は上クランプ体1の半円弧状でかつ操作片10を上方に付勢して先端縁部13を下方に向かって付勢するスプリングによる。
【0030】
すなわち、掬い上げプレート4は、図5に示すように、上下クランプ体1,2で皿の周縁部Pを挟持した場合に下方押圧付勢された平面視半円弧状で縦断面視湾曲状に形成しているために皿の周縁部Pに可及的に沿って装着されると共に、下クランプ体2を皿の周縁部Pの外側面に可及的に沿うように可撓性素材で構成しているためにその可撓性機能と下方押圧付勢機能と相俟って掬い上げプレート4の下端縁部40を皿の内底面に密着当接させることができる。従って、下端縁部40と皿との間に間隙を形成することが無く、残り少ない食物を間隙からこぼすことなく確実にすくい上げることができることになる。
【0031】
また、下クランプ体2は、皿の周縁部Pの外側面に可及的に沿うように可撓性素材により構成しており、上下クランプ体1,2を皿の周縁部Pにクランプした場合に皿の周縁部Pの外側面の形状に可及的に沿うようにして上下クランプ体1,2がいかなる皿の形状にも可及的に確実に挟持可能に構成している。
【0032】
なお、本発明は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、公知発明並びに上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組合せを変更したりした構成、等も含まれる。また、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【符号の説明】
【0033】
1 上クランプ体
10 操作片
11 空間部
12 揺動規制片
13 先端縁部
2 下クランプ体
20 操作片
3 横軸
4 掬い上げプレート
P 周縁部
S 掬い上げ受け体構造
C 匙
図1
図2
図3
図4
図5