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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015861
(43)【公開日】2024-02-06
(54)【発明の名称】回転式粉体圧縮成形機の制御装置
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/08 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
B30B11/08 C
B30B11/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118207
(22)【出願日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000141543
【氏名又は名称】株式会社菊水製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(74)【代理人】
【識別番号】100148910
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 岳志
(72)【発明者】
【氏名】島田 理史
(57)【要約】
【課題】回転式粉体圧縮成形機の下流側に周辺装置を配置した連続処理システムにおける、地震等非常時の成形品の溢出を抑制する。
【解決手段】回転式粉体圧縮成形機Aの下流側にあって同成形機Aが製造した成形品に所定の後処理を施す周辺装置Bに向けて成形品を排出する当該成形機Aにおける出口部18を流れる成形品の有無若しくは流量を検出する手段18S、並びに前記周辺装置Bにおける前記成形機Aの出口部18に接続して成形品の供給を受ける入口部B1を流れる成形品の有無若しくは流量を検出する手段B1Sをそれぞれ個別に設け、前記出口部18を流れる成形品の有無若しくは流量とその直後の前記入口部B1を流れる成形品の有無若しくは流量との差が閾値を超えた場合に、前記成形機Aの回転盤及び杵の回転を停止させる回転式粉体圧縮成形機の制御装置を構成した。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臼孔を設けたテーブル、及び臼孔の上下に配置される杵を上下摺動可能に保持する杵保持部を備えた回転盤を杵と共に回転させることで、臼孔内に充填された粉体を杵により圧縮し成形品を成形する回転式の粉体圧縮成形機を制御する制御装置であって、
前記成形機の下流側にあって同成形機が製造した成形品に所定の後処理を施す周辺装置に向けて成形品を排出する当該成形機における出口部を流れる成形品の有無若しくは流量を検出する手段、並びに前記周辺装置における前記成形機の出口部に接続して成形品の供給を受ける入口部を流れる成形品の有無若しくは流量を検出する手段をそれぞれ個別に設け、
前記出口部を流れる成形品の有無若しくは流量とその直後の前記入口部を流れる成形品の有無若しくは流量との差が閾値を超えた場合に、前記成形機の回転盤及び杵の回転を停止させる回転式粉体圧縮成形機の制御装置。
【請求項2】
臼孔を設けたテーブル、及び臼孔の上下に配置される杵を上下摺動可能に保持する杵保持部を備えた回転盤を杵と共に回転させることで、臼孔内に充填された粉体を杵により圧縮し成形品を成形する回転式の粉体圧縮成形機を制御する制御装置であって、
前記成形機の下流側にあって同成形機が製造した成形品に所定の後処理を施す周辺装置が当該後処理を終えた成形品を排出する出口部を流れる成形品の有無若しくは流量を検出する手段、並びにその成形品に所定の後処理を施す次の周辺装置における前記周辺装置の出口部に接続して成形品の供給を受ける入口部を流れる成形品の有無若しくは流量を検出する手段をそれぞれ個別に設け、
前記出口部を流れる成形品の有無若しくは流量とその直後の前記入口部を流れる成形品の有無若しくは流量との差が閾値を超えた場合に、前記成形機の回転盤及び杵の回転を停止させる回転式粉体圧縮成形機の制御装置。
【請求項3】
前記成形機の下流側にあって同成形機が製造した成形品に所定の後処理を施す周辺装置が当該後処理を終えた成形品を排出する出口部を流れる成形品の有無若しくは流量を検出する手段、並びにその成形品に所定の後処理を施す次の周辺装置における前記周辺装置の出口部に接続して成形品の供給を受ける入口部を流れる成形品の有無若しくは流量を検出する手段をそれぞれ個別に設け、
前記出口部を流れる成形品の有無若しくは流量とその直後の前記入口部を流れる成形品の有無若しくは流量との差が閾値を超えた場合に、前記成形機の回転盤及び杵の回転を停止させる請求項1記載の回転式粉体圧縮成形機の制御装置。
【請求項4】
前記周辺装置が三基以上存在し、それら周辺装置における前の周辺装置の出口部、及びその次に連続する周辺装置の入口部の双方に前記検出手段を設けており、
前記出口部を流れる成形品の有無若しくは流量とその直後の前記入口部を流れる成形品の有無若しくは流量との差が閾値を超えた場合に、前記成形機の回転盤及び杵の回転を停止させる請求項2または3記載の回転式粉体圧縮成形機の制御装置。
【請求項5】
前記周辺装置には、成形品の表面に付着している粉体の除去を行うもの、成形品の表面への印刷又は刻印を行うもの、成形品に混入した金属片を検出するもののうち少なくとも一つが含まれる請求項4記載の回転式粉体圧縮成形機の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体を圧縮して医薬品の錠剤、食品、電子部品等を成形する回転式の粉体圧縮成形機を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転盤のテーブルに臼孔を設けると共に、各臼孔の上下に上杵及び下杵をそれぞれ摺動可能に保持させておき、臼孔及び杵を共に水平回転させて、上杵及び下杵の対が上ロール及び下ロールの間を通過する際に臼孔内に充填された粉体を圧縮成形する回転式粉体圧縮成形機(例えば、下記特許文献1を参照)が公知である。
【0003】
粉体圧縮成形機により成形した成形品に対しては、その表面に付着している粉体の除去や、表面への印刷又は刻印、あるいは成形品に金属片が混入した場合における金属片の検出等といった後処理を施すことがある。そのような後処理を行うための周辺装置として、ブラシ式(例えば、下記特許文献2を参照)やエアジェット式(例えば、下記特許文献3を参照)の粉体除去機、印刷機(例えば、下記特許文献4を参照)、金属検出器(例えば、下記非特許文献1を参照)等が用いられる。
【0004】
成形品の成形から後処理までを一貫して連続的に実行するべく、粉体圧縮成形機の下流側に後処理を担う一又は複数の周辺装置を配置することが考えられる。だが、成形機が成形品を排出する速度と、周辺装置が成形品を処理する速度との間に齟齬が生じると、成形品の供給を受ける周辺装置の入口部において成形品が滞留し、そこから成形品が溢れ出してしまうおそれがある。
【0005】
他方、成形機が成形する成形品の品質は、成形機の回転盤及び杵の回転速度の影響を受ける。回転盤及び杵の回転速度が速いほど、成形機における打錠速度(粉体を圧縮成形する速度)が速くなる。打錠速度が速すぎると、成形品の上下が剥がれるキャッピングや、成形品の中間部が層状に剥離するラミネーションが起こりやすくなる。逆に、打錠速度が遅すぎると、臼孔の内周面との摩擦に起因して成形品の側面に傷が入るバインディングや、成形品を構成する粉体の一部が剥がれて杵の端面に付着するスティッキングが起こりやすくなる。
【0006】
そこで、本願の出願人は、周辺装置における、成形品の供給を受ける入口部又は後処理を終えた成形品を排出する出口部の成形品の滞留量又は流量をセンサを介して検出し、その検出した滞留量又は流量に応じて、成形機の回転盤及び杵の回転速度を調節するシステムを構築した(例えば、下記特許文献5を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012-110961号公報
【特許文献2】特開2006-298526号公報
【特許文献3】特開2011-245107号公報
【特許文献4】特開2016-010437号公報
【特許文献5】特許第6681756号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】株式会社アキュレックス、“錠剤・カプセル金属検出器”、[online]、平成22年、株式会社アキュレックス、[令和4年7月20日検索]、インターネット<URL:http://www.acuraks.com/products/safeline/safeline#tablex#pro.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
粉体圧縮成形機の下流側に後処理を担う周辺装置を配列したシステムの自動運転中に、大きな地震が発生し、成形機と周辺装置との間の接続が分断された。にもかかわらず、粉体圧縮成形機による成形品の打錠が継続されたために、製造された多量の成形品が成形機から零れ落ち、室内の床一面に広がるという事象が現に発生した。
【0010】
このような事象を回避する手立てとして、地震を検知する機構をシステムに実装し、地震の発生とともにシステムを緊急停止させることが考えられる。しかしながら、このような機構を実装することは技術的に必ずしも容易でなく、費用対効果も悪い。地震が生じたからといって、小規模であれば直ちに成形機と周辺装置との間の接続や周辺装置間の接続が外れるわけではない。そうであれば、システムの運転を継続することが好ましい。一旦停止したシステムを再起動することは手間である上、再起動直後に粉体圧縮成形機が圧縮打錠する成形品には不良のものが多く、まとめて廃棄せざるを得ないことも一因である。
【0011】
本発明は、以上の問題に着目してなされたものであって、回転式粉体圧縮成形機の下流側に周辺装置を配置した連続処理システムにおける、地震等非常時の成形品の溢出を抑制することを所期の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では、臼孔を設けたテーブル、及び臼孔の上下に配置される杵を上下摺動可能に保持する杵保持部を備えた回転盤を杵と共に回転させることで、臼孔内に充填された粉体を杵により圧縮し成形品を成形する回転式の粉体圧縮成形機を制御する制御装置であって、前記成形機の下流側にあって同成形機が製造した成形品に所定の後処理を施す周辺装置に向けて成形品を排出する当該成形機における出口部を流れる成形品の有無若しくは流量を検出する手段、並びに前記周辺装置における前記成形機の出口部に接続して成形品の供給を受ける入口部を流れる成形品の有無若しくは流量を検出する手段をそれぞれ個別に設け、前記出口部を流れる成形品の有無若しくは流量とその直後の前記入口部を流れる成形品の有無若しくは流量との差が閾値を超えた場合に、前記成形機の回転盤及び杵の回転を停止させる回転式粉体圧縮成形機の制御装置を構成した。このようなものであれば、大きな地震等により成形機とこれに連なる周辺装置との間が切断されたときに、その事実を速やかに感知して成形機の運転を停止し、成形機の出口部から成形品が多量に零れ落ちる問題を回避できる。
【0013】
また、本発明では、臼孔を設けたテーブル、及び臼孔の上下に配置される杵を上下摺動可能に保持する杵保持部を備えた回転盤を杵と共に回転させることで、臼孔内に充填された粉体を杵により圧縮し成形品を成形する回転式の粉体圧縮成形機を制御する制御装置であって、前記成形機の下流側にあって同成形機が製造した成形品に所定の後処理を施す周辺装置が当該後処理を終えた成形品を排出する出口部を流れる成形品の有無若しくは流量を検出する手段、並びにその成形品に所定の後処理を施す次の周辺装置における前記周辺装置の出口部に接続して成形品の供給を受ける入口部を流れる成形品の有無若しくは流量を検出する手段をそれぞれ個別に設け、前記出口部を流れる成形品の有無若しくは流量とその直後の前記入口部を流れる成形品の有無若しくは流量との差が閾値を超えた場合に、前記成形機の回転盤及び杵の回転を停止させる回転式粉体圧縮成形機の制御装置を構成した。このようなものであれば、大きな地震等によりある周辺装置とこれに連なる周辺装置との間が切断されたときに、その事実を速やかに感知して成形機の運転を停止し、前者の周辺装置の出口部から成形品が多量に零れ落ちる問題を回避できる。
【0014】
前記周辺装置は、三基以上存在することがある。そして、それら周辺装置における前の周辺装置の出口部、及びその次に連続する周辺装置の入口部の双方に前記センサを設けて、前記出口部を流れる成形品の有無若しくは流量と前記入口部を流れる成形品の有無若しくは流量との差が閾値を超えた場合に、前記成形機の回転盤及び杵の回転を停止させることが考えられる。
【0015】
前記周辺装置には、成形品の表面に付着している粉体の除去を行うもの、成形品の表面への印刷又は刻印を行うもの、成形品に混入した金属片を検出するもののうち少なくとも一つが含まれる。
【0016】
なお、粉体とは、微小個体の集合体であり、いわゆる顆粒などの粒体の集合体と、粒体より小なる形状の粉末の集合体とを含む概念である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、回転式粉体圧縮成形機の下流側に周辺装置を配置した連続処理システムにおける、地震等非常時の成形品の溢出を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態における回転式粉体圧縮成形機の側断面図。
図2】同実施形態の回転式粉体圧縮成形機の回転盤を示す上面図。
図3】同実施形態の回転式粉体圧縮成形機による成形品の成形工程の流れ、及び回転盤の回転に追随する杵の上下動を示す展開図。
図4】同実施形態の回転式粉体圧縮成形機及び周辺装置からなる連続処理システムを模式的に示す側面図。
図5】同実施形態の回転式粉体圧縮成形機のロール及びロードセルの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。はじめに、本実施形態の回転式粉体圧縮成形機(以下「成形機」という)Aの全体概要を述べる。図1に示すように、本成形機Aのフレーム1内には、回転軸となる立シャフト2を設立し、その立シャフト2の上部に接続部21を介して回転盤3を取り付けている。
【0020】
回転盤3は、立シャフト2の軸回りに水平回転、即ち自転する。回転盤3は、テーブル(臼ディスク)31と、上杵保持部32と、下杵保持部33とからなる。図2に示すように、テーブル31は略円板状をなしており、その外周部に回転方向に沿って所定間隔で複数の臼孔4を設けてある。臼孔4は、テーブル31を上下方向に貫通している。テーブル31は、複数のプレートに分割するものでもよい。また、テーブル31自体に直接臼孔4を穿ち形成するのではなく、テーブル31とは別体をなしテーブル31に対して着脱可能な複数個の臼部材をテーブル31に装着し、それら臼部材の各々に上下方向に貫通した臼孔を穿っている構成としてもよい。
【0021】
各臼孔4の上下には、上杵5及び下杵6を配置する。上杵5及び下杵6は、上杵保持部32及び下杵保持部33により、それぞれが個別に臼孔4に対して上下方向に摺動可能であるように保持させる。上杵5の杵先53は、臼孔4に対して出入りする。下杵6の杵先63は、常時臼孔4に挿入してある。上杵5及び下杵6は、回転盤3及び臼孔4と共に立シャフト2の軸回りに水平回転、即ち公転する。
【0022】
立シャフト2の下端側には、ウォームホイール7を取り付けている。ウォームホイール7には、ウォームギア10が噛合する。ウォームギア10は、モータ8により駆動されるギア軸9に固定している。モータ8が出力する駆動力は、ベルト11によってギア軸9に伝わり、ウォームギア10、ウォームホイール7を介して立シャフト2ひいては回転盤3及び杵5、6を回転駆動する。
【0023】
圧縮成形品、例えば医薬品の錠剤等の原材料となる粉体は、粉体供給装置(図示せず)からホッパ19に供給され、ホッパ19からフィードシューXに供給される。ホッパ19は、成形機Aに対して着脱可能である。そして、フィードシューXから臼孔4に充填する。フィードシューXの種類には、攪拌フィードシューとオープンフィードシューがあり、そのうちの何れを採用しても構わない。
【0024】
図2及び図3に示しているように、杵5、6の立シャフト2の軸回りの公転軌道上には、杵5、6を挟むようにして上下に対をなす予圧上ロール12及び予圧下ロール13、本圧上ロール14及び本圧下ロール15がある。予圧上ロール12及び予圧下ロール13、並びに本圧上ロール14及び本圧下ロール15は、臼孔4内に充填された粉体を杵先53、63の先端面により上下から圧縮するべく、上下両杵5、6を互いに接近させる方向に付勢する。
【0025】
上杵5、下杵6はそれぞれ、ロール12、13、14、15によって押圧される頭部51、61と、この頭部51、61よりも細径な胴部52、62とを有する。回転盤3の上杵保持部32は、上杵5の胴部52を上下に摺動可能に保持し、下杵保持部33は、下杵6の胴部62を上下に摺動可能に保持する。胴部52、62の先端部位53、63は、臼孔4内に挿入可能であるように、それ以外の部位と比べて一層細く、臼孔4の内径に略等しい直径である。杵5、6の公転により、ロール12、13、14、15は杵5、6の頭部51、61に接近し、頭部51、61に乗り上げるようにして接触する。さらに、ロール12、13、14、15は上杵5を下方に押し下げ、下杵6を上方に押し上げる。ロール12、13、14、15が杵5、6上の平坦面に接している期間は、杵5、6が臼孔4内の粉体に対して一定の圧力を加え続ける。
【0026】
本圧上ロール14及び本圧下ロール15による加圧位置から、回転盤3及び杵5、6の回転方向に沿って先に進んだ位置には、製品排出部16を構成する。製品排出部16では、下杵6の杵先63の上端面が臼孔4の上端即ちテーブル31の上面と略同じ高さとなるまで下杵6が上昇し、臼孔4内にある成形品を臼孔4から押し出す。この製品排出部16は、臼孔4から押し出された成形品を案内するダンパ17を備える。臼孔4から押し出された成形品は、回転盤3の回転によりダンパ17に接触し、ダンパ17に沿って成形品回収位置18に向けて移動する。
【0027】
図4に示すように、本実施形態では、成形機Aの下流側に、成形品に対して後処理を施すための一又は複数の周辺装置B、C、D、E、Fを配置することで、成形機Aによる成形品の製造と周辺装置B、C、D、E、Fによる後処理とを一貫して連続的に実行するようにしている。後処理の具体例としては、成形品の表面に付着している粉体の除去や、成形品に金属片が混交した場合の当該金属片の検知、成形品の表面への印刷又は刻印、成形品の重量、厚み寸法、密度、硬度、外観及び組成等の特性のうち少なくとも一つの検査、等を挙げることができる。そして、そのような後処理を行うための周辺装置B、C、D、E、Fとして、粉体除去機、金属検出器、印刷機、刻印機、成形品の特性の検査機等を、成形品を製造する成形機Aの下流に設置する。
【0028】
図4に示している例では、成形品の下流側に、粉体除去機B、金属検出器C、リフト装置D、印刷機E及び検査機Fをこの順に配列している。これら周辺装置B、C、D、E、Fは、何れも既知のものである。粉体除去機Bは、成形機Aが成形品を排出する出口部に該当する成形品回収位置18から落下する成形品を入口部B1から受け入れ、その受け入れた成形品の表面に付着している粉体を除去した後、出口部B2から排出する。粉体除去機Bは、内蔵のブラシにより成形品の表面の粉体を掻き取り、又はエアを吹き付けることで成形品の表面の粉体を剥落させる。
【0029】
金属検出器Cは、粉体除去機Bの出口部B2から落下する成形品を入口部C1から受け入れ、その受け入れた成形品に金属片が混交している場合にその金属片を検出するとともに、金属片の混交していない成形品を出口部C2から排出する。
【0030】
リフト装置Dは、金属検出器Cの出口部C2から落下する成形品を入口部D1から受け入れ、その受け入れた成形品を持ち上げて、入口部D1よりも高位置にある出口部D2から排出する。リフト装置Dは、エアにより成形品を入口部D1から出口部D2まで吹き上げるものであってもよいし、バケット式リフタ、ベルト式コンベア又は通路内を往復動する部材によって成形品を入口部D1から出口部D2に向けて送る機械式搬送機構を包有するものであってもよい。
【0031】
印刷機Eは、リフト装置Dの出口部D2から落下する成形品を入口部E1から受け入れ、その受け入れた成形品の表面に印刷又は刻印を施した上で、出口部E2から排出する。印刷機Eは、成形品の表面にレーザ光その他を照射することにより当該成形品の表面を呈色させ又はその表面を切削成形するものであってもよく、成形品の表面に顔料を塗布するインクジェット方式のものであってもよい。
【0032】
検査機Fは、印刷機Eの出口部E2から排出される成形品を入口部F1から受け入れ、その受け入れた成形品の重量、厚み寸法、密度、硬度、外観及び組成等の特性のうち少なくとも一つの検査を行った上で、出口部F2から排出する。検査機Fによる成形品の特性の具体的な検査方法は任意であり、既知の様々な態様のものを採用することが許される。
【0033】
しかして、本実施形態では、上掲の周辺装置B、C、D、E、Fの入口部B1、C1、D1、E1、F1に、当該入口部B1、C1、D1、E1、F1を通過する成形品の有無若しくは流量(即ち、単位時間あたりの成形品の数量)を検出する手段としてのセンサB1S、C1S、D1S、E1S、F1Sを設置する。並びに、成形機A及び周辺装置B、C、D、E、Fの出口部18、B2、C2、D2、E2、F2にも、当該出口部18、B2、C2、D2、E2を通過する成形品の有無若しくは流量を検出する手段としてのセンサ18S、B2S、C2S、D2S、E2Sを設置する。センサ18S、B1S、B2S、C1S、C2S、D1S、D2S、E1S、E2S、F1Sはそれぞれ、成形品と接触することで成形品の存在や数量を検知する接触式のものであることもあれば、赤外線その他の光波又は電磁波を照射して成形品の存在や数量を検知する非接触式のものであることもある。あるいは、入口部B1、C1、D1、E1、F1や出口部18、B2、C2、D2、E2、E2を流れ又は滞留する成形品の重量を計測することを通じて成形品の有無若しくは流量を検出する重量センサのようなものであることもあり得る。センサ18S、B1S、B2S、C1S、C2S、D1S、D2S、E1S、E2S、F1Sが、入口部B1、C1、D1、E1、F1や出口部18、B2、C2、D2、E2、E2を流れ又は滞留する成形品を撮影するカメラセンサであっても構わない。
【0034】
本実施形態における成形機Aの運転制御を司る制御装置0は、プロセッサ、メモリ、補助記憶デバイス(フラッシュメモリであることがある)、入出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステム、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等、あるいはプログラマブルコントローラである。この制御装置0は、予め補助記憶デバイスに格納されているプログラムをメモリを介してプロセッサに読み込み、プロセッサにおいて解読して、成形機Aの制御を実行する。
【0035】
制御装置0は、上記の18S、B1S、B2S、C1S、C2S、D1S、D2S、E1S、E2S、F1Sを介して検出される、成形機A及び周辺装置B、C、D、E、Fの入口部B1、C1、D1、E1、F1及び/又は出口部18、B2、C2、D2、E2、F2のうち何れか少なくとも一つにおける成形品の滞留量を参照して、その滞留量が多いほど成形機Aの回転盤3及び杵5、6の回転速度即ちモータ8の回転速度を低下させる。又は、成形品の滞留量が所定量を上回った場合に、そうでない場合と比較して成形機Aの回転盤3及び杵5、6の回転速度を低下させる。システムに18S、B1S、B2S、C1S、C2S、D1S、D2S、E1S、E2S、F1Sが複数存在するのであれば、それら各センサ18S、B1S、B2S、C1S、C2S、D1S、D2S、E1S、E2S、F1Sが検出する滞留量のうち最も多いものを参照することが好ましい。
【0036】
言うまでもなく、成形機Aの回転盤3及び杵5、6の回転速度が遅くなるほど、成形機Aから周辺装置B、C、D、E、Fに向けて供給される成形品の流量即ち単位時間あたりの成形品の数量が減少する。逆に、回転盤3及び杵5、6の回転速度が速くなるほど、成形機Aから周辺装置B、C、D、E、Fに向けて供給される成形品の単位時間あたりの成形品の数量が増加する。
【0037】
このような制御により、何れかの周辺装置B、C、D、E、Fにおいて後処理が滞り、又は何れかの周辺装置B、C、D、E、Fによる後処理の能力若しくは速度を超越した量の成形品が当該周辺装置B、C、D、E、Fに供給されて、成形機A又は周辺装置B、C、D、E、Fの入口部B1、C1、D1、E1、F1又は出口部18、B2、C2、D2、E2、F2に成形品が滞留したときに、成形品を吐出する成形機Aの回転速度を低下させることができる。これにより、周辺装置B、C、D、E、Fに供給される成形品の単位時間あたりの数量を減少させることが可能となる。
【0038】
制御装置0は、原則として、成形機Aや何れかの周辺装置B、C、D、E、Fの入口部B1、C1、D1、E1、F1又は出口部18、B2、C2、D2、E2、F2に成形品が滞留していることを18S、B1S、B2S、C1S、C2S、D1S、D2S、E1S、E2S、F1Sを介して感知したとしても、成形機Aの回転盤3及び杵5、6の回転を停止させることはしない。あくまでも、回転盤3及び杵5、6の回転速度を遅くする(但し、後述するが、地震等非常時に、例外的に成形機Aの回転盤3及び杵5、6の回転を停止させることはある)。何故ならば、一旦成形機Aの回転を停止させると、その後成形機Aを再起動して暫くの期間、製造される成形品の重量や硬度、厚み寸法等が所要の特性値を満たさなくなり、そのような成形品は廃棄せざるを得ないからである。とりわけ、臼孔4及び杵5、6の数が多い大型の成形機Aや、回転盤3の回転速度が速い高速の成形機Aでは、ロスとなる成形品の数量も増大する。
【0039】
制御装置0は、成形品の滞留に対応して成形機Aの回転盤3及び杵5、6の回転速度を平常の又は標準の速度よりも低下させた場合において、その速度低下から所定時間が経過するまでに18S、B1S、B2S、C1S、C2S、D1S、D2S、E1S、E2S、F1Sにより検出される成形品の滞留量が所定量以下となったならば、回転盤3及び杵5、6の回転速度を平常の又は標準の速度まで回復させる。一方で、回転盤3及び杵5、6の回転速度を低下させた後所定時間が経過してもなお、18S、B1S、B2S、C1S、C2S、D1S、D2S、E1S、E2S、F1Sにより検出される成形品の滞留量が所定量以下に減少しないならば、例外的な非常措置として、回転盤3及び杵5、6の回転を停止させる、即ち成形機Aの稼働を停止させることがあり得る。
【0040】
翻って、18S、B1S、B2S、C1S、C2S、D1S、D2S、E1S、E2S、F1Sにより検出される成形品の滞留量がある量よりも少なく、成形機Aや周辺装置B、C、D、E、Fの入口部B1、C1、D1、E1、F1又は出口部18、B2、C2、D2、E2、F2における成形品の滞留が殆ど又は全く発生していない(つまりは、周辺装置B、C、D、E、Fによる後処理の能力に余裕がある)ときに、成形機Aの回転盤3及び杵5、6の回転速度を平常の又は標準の速度よりも上昇させることも考えられる。あるいは、18S、B1S、B2S、C1S、C2S、D1S、D2S、E1S、E2S、F1Sにより検出される成形品の滞留量が少ないほど、回転盤3及び杵5、6の回転速度を上昇させても構わない。このような制御により、成形品の生産量をより多く確保することができる。
【0041】
また、制御装置0は、成形機Aから排出される成形品の品質に応じて、回転盤3及び杵5、6の回転速度を調節することが可能である。
【0042】
制御装置0は、成形機Aから排出される成形品の品質に問題があることを知得した場合に、その問題が回転盤3及び杵5、6の回転速度、換言すれば成形機Aにおける打錠速度が速いことに起因して生じる(そして、打錠速度を遅くすることで改善を見込める)種類のものであるならば、成形機Aのモータ8の回転速度の低下を通じて回転盤3及び杵5、6の回転速度を低下させる制御を実施する。例えば、成形機Aから排出される成形品の密度又は硬度又が基準値よりも大きいことや、成形品にキャッピング又はラミネーションが生じていることが検査機Fにおいて検出され、そのような問題が生起していることを示す信号が検査機Fから制御装置0にもたらされたとき、制御装置0がそれまでと比較して回転盤3及び杵5、6の回転速度を低下させることにより、杵5、6が臼孔4内で粉体を押圧している期間の長さを延長し、成形品の密度又は硬度の補正、あるいはキャッピングやラミネーションの防止を図る。
【0043】
逆に、成形品の品質の問題が成形機Aにおける打錠速度が遅いことに起因して生じる(そして、打錠速度を速くすることで改善を見込める)種類のものであるならば、成形機Aのモータ8の回転速度の上昇を通じて回転盤3及び杵5、6の回転速度を上昇させる制御を実施する。例えば、成形機Aから排出される成形品の密度又は硬度又が基準値よりも小さいことや、成形品にバインディング又はスティッキングが生じていることが検査機Fにおいて検出され、そのような問題が生起していることを示す信号が検査機Fから制御装置0にもたらされたとき、制御装置0がそれまでと比較して回転盤3及び杵5、6の回転速度を上昇させることにより、杵5、6が臼孔4内で粉体を押圧している期間の長さを短縮し、成形品の密度又は硬度の補正、あるいはバインディングやスティッキングの防止を図る。
【0044】
制御装置0は、成形品の品質の問題に対応して成形機Aの回転盤3及び杵5、6の回転速度を平常の又は標準の速度よりも低下させた場合において、その速度低下から所定時間が経過するまでに成形品の品質の問題が解消されたならば、回転盤3及び杵5、6の回転速度を平常の又は標準の速度まで回復させる。同様に、回転盤3及び杵5、6の回転速度を平常の又は標準の速度よりも上昇させた場合であっても、その速度上昇から所定時間が経過するまでに成形品の品質の問題が解消されたならば、回転盤3及び杵5、6の回転速度を平常の又は標準の速度まで低減する。一方で、回転盤3及び杵5、6の回転速度を低下又は上昇させた後所定時間が経過してもなお、成形品の品質の問題が改善しないならば、例外的な非常措置として、回転盤3及び杵5、6の回転を停止させる、即ち成形機Aの稼働を停止させることがあり得る。
【0045】
因みに、成形品の品質に問題が生じない限りにおいて成形機Aの回転盤3及び杵5、6の回転速度を上昇させ、成形品の品質に問題が生じたことを感知したならば回転盤3及び杵5、6の回転速度を低下させる、という制御を行うことも考えられる。
【0046】
成形品の品質の問題を、検査機F以外の装置、特に成形機A自体によって検出することも考えられる。例えば、成形機Aにおける製品排出部16とフィードシューXとの間の領域に、臼孔4の内周面、杵5の下端面又は杵6の上端面の状態を検出するためのカメラセンサ等を設置しておく。当該カメラセンサが撮影した臼孔4の内周面又は杵5、6の端面の画像を、制御装置0により解析することで、臼孔4の内周面又は杵5、6の端面に粉体が付着していないかどうか、つまりは成形品が一部欠けるバインディングやスティッキングが発生していないかどうかを確認することができる。このような方法でバインディングやスティッキングの発生を感知した制御装置0は、それまでと比較して回転盤3及び杵5、6の回転速度を増速し、以てバインディングやスティッキングの発生を抑制する。
【0047】
臼孔4に粉体を充填するフィードシューXが、粉体を攪拌するための攪拌羽根を備えているならば、回転盤3及び杵5、6の回転速度の制御とともに、その攪拌羽根の回転速度を制御するようにしても構わない。この場合の制御装置0は、回転盤3及び杵5、6の回転速度が高くなるほど攪拌フィードシューXの攪拌羽根(を駆動するモータ)の回転速度を上昇させる。又は、回転盤3及び杵5、6の回転速度が高い場合に、回転盤3及び杵5、6の回転速度がより低い場合と比較して攪拌羽根の回転速度を上昇させる。
【0048】
制御装置0が、成形機Aの回転盤3及び杵5、6の回転速度の制御とともに、周辺装置B、C、D、E、F(特に、成形品の滞留を起こしやすい印刷機E)の処理速度の制御を実施することもある。即ち、回転盤3及び杵5、6の回転速度が高くなるほど周辺装置B、C、D、E、Fによる後処理の速度を上昇させる。又は、回転盤3及び杵5、6の回転速度が高い場合に、回転盤3及び杵5、6の回転速度がより低い場合と比較して周辺装置B、C、D、E、Fの処理速度を上昇させる。
【0049】
但し、本実施形態の制御装置0は、大きな地震やその他の要因により、成形機Aとこれに続く周辺装置Bとの間、又は周辺装置B、C、D、Eとこれに続く周辺装置C、D、E、Fとの間の接続が切断されたことを感知した場合に、その切断箇所から成形品が大量に零れ落ちて床の上に溢れるような事象を回避するべく、例外的に成形機Aの回転盤3及び杵5、6の回転を停止させ、以て成形品の製造を強制的に中止させる。
【0050】
具体的には、
・センサ18Sを介して検出される成形機Aの出口部18から排出される成形品の流量AEと、センサB1Sを介して検出される後続の周辺装置Bの入口部B1に流入する成形品の流量BIとの差分|AE-BI|が閾値ΔAよりも大きくなった(出口部18では成形品が流れている(流量AEが0でない)が入口部B1では成形品が流れていない(流量BIが0である)場合を含む。これは、成形機Aと周辺装置Bとの間の接続が切断した可能性を示唆する)
・センサB2Sを介して検出される周辺装置Bの出口部B2から排出される成形品の流量BEと、センサC1Sを介して検出される後続の周辺装置Cの入口部C1に流入する成形品の流量CIとの差分|BE-CI|が閾値ΔBよりも大きくなった(出口部B2では成形品が流れている(流量BEが0でない)が入口部C1では成形品が流れていない(流量CIが0である)場合を含む。これは、周辺装置Bと周辺装置Cとの間の接続が切断した可能性を示唆する)
・センサC2Sを介して検出される周辺装置Cの出口部C2から排出される成形品の流量CEと、センサD1Sを介して検出される後続の周辺装置Dの入口部D1に流入する成形品の流量DIとの差分|CE-DI|が閾値ΔCよりも大きくなった(出口部C2では成形品が流れている(流量CEが0でない)が入口部D1では成形品が流れていない(流量DIが0である)場合を含む。これは、周辺装置Cと周辺装置Dとの間の接続が切断した可能性を示唆する)
・センサD2Sを介して検出される周辺装置Dの出口部D2から排出される成形品の流量DEと、センサE1Sを介して検出される後続の周辺装置Eの入口部E1に流入する成形品の流量EIとの差分|DE-EI|が閾値ΔDよりも大きくなった(出口部D2では成形品が流れている(流量DEが0でない)が入口部E1では成形品が流れていない(流量EIが0である)場合を含む。これは、周辺装置Dと周辺装置Eとの間の接続が切断した可能性を示唆する)
・センサE2Sを介して検出される周辺装置Eの出口部E2から排出される成形品の流量EEと、センサF1Sを介して検出される後続の周辺装置Fの入口部F1に流入する成形品の流量FIとの差分|EE-FI|が閾値ΔEよりも大きくなった(出口部E2では成形品が流れている(流量EEが0でない)が入口部F1では成形品が流れていない(流量FIが0である)場合を含む。これは、周辺装置Eと周辺装置Fとの間の接続が切断した可能性を示唆する)
の何れかの条件が成立した場合に、成形機Aの稼働運転を停止する。成形機Aの回転盤3及び杵5、6の回転を停止するのと時期を同じくして、周辺装置B、C、D、E、Fの運転を停止することも当然にあり得るし、成形機Aのホッパ19に対して粉体を供給する粉体供給装置による当該粉体の供給を停止することも当然にあり得る。上記の閾値ΔA、ΔB、ΔC、ΔD、ΔEは、互いに同一値に設定してもよいし、異なる値に設定してもよい。
【0051】
なお、成形機Aから排出される成形品の流量を検出する手段として、センサ18Sに代えて、成形機A内のロードセル20を援用することも可能である。図5に示すように、成形機Aの上ロール12、14には、ロール12、13、14、15が杵5、6を介して臼孔4内の粉体を圧縮する際の圧力を検出するためのロードセル20を付設してある。制御装置0は、ロール12、13、14、15に付帯するロードセル20が出力する信号を受信することで、予圧ロール12、13が粉体を圧縮する圧力(予圧圧力)の大きさや、本圧ロール14、15が粉体を圧縮する圧力(本圧圧力)の大きさを知得することができる。ロードセル20からもたらされる信号は、一組の杵5、6が一つの臼孔4の粉体を圧縮する圧力が最大となる時点でピークを迎えるようなパルス信号列の形をとる。故に、制御装置0は、そのパルス列の数を計数することを通じて、成形機Aにおける単位時間あたりの成形品の製造数量、換言すれば成形機Aの出口部18から排出される成形品の単位時間あたりの流量を知得できる。
【0052】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。特に、回転式粉体圧縮成形機Aの下流側に配置する周辺装置B、C、D、E、Fの種類や数は、図4に示した態様に限定されることはない。例えば、リフト装置が成形品の表面に付着している粉体を成形品から払い落とす機能を備えている場合には、システムから粉体除去機を削除できる。また、成形機Aの杵による成形品の圧縮成形時に成形品の表面に必要な刻印が付され、成形機Aから排出された成形品に後から印刷や刻印等を施す必要がないのであれば、システムから印刷機を削除できる。成形品の特性を検査するための検査機F等を、成形機Aの下流側から排することもあり得る。
【0053】
その他、各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0054】
A…回転式粉体圧縮成形機
0…制御装置
3…回転盤
31…テーブル
32、33…杵保持部
4…臼孔
5、6…杵
B、C、D、E、F…周辺装置
18、B1、C1、D1、E1、F1…入口部
B2、C2、D2、E2…出口部
18S、B1S、B2S、C1S、C2S、D1S、D2S、E1S、E2S、F1S…成形品の流量を検出する手段(センサ)
図1
図2
図3
図4
図5