(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158649
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06N 3/008 20230101AFI20241031BHJP
【FI】
G06N3/008
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074011
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
(72)【発明者】
【氏名】蓮実 一隆
(57)【要約】 (修正有)
【課題】人ではない対象物の感情を特定する情報処理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】サーバ100と、ロボット200と、を備える情報処理システム10において、サーバは、人ではない対象物(ペットや物体)の要素の状態と前記対象物の感情を示す対象物感情値とを対応付けたベース感情情報を複数記憶するベース感情情報記憶部と、人ではない対象物を観察することによって認識された前記対象物の複数の要素の状態のうちのいずれかが、前記ベース感情情報記憶部に記憶されている複数の前記ベース感情情報のうちのいずれかの前記要素の状態と一致した場合に、前記要素の状態が一致した前記ベース感情情報を、前記複数の要素の状態のうちの一致していない要素の状態のうちの少なくともいずれかによって更新する情報更新部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人ではない対象物の要素の状態と前記対象物の感情を示す対象物感情値とを対応付けたベース感情情報を複数記憶するベース感情情報記憶部と、
人ではない対象物を観察することによって認識された前記対象物の複数の要素の状態のうちのいずれかが、前記ベース感情情報記憶部に記憶されている複数の前記ベース感情情報のうちのいずれかの前記要素の状態と一致した場合に、前記要素の状態が一致した前記ベース感情情報を、前記複数の要素の状態のうちの一致していない要素の状態のうちの少なくともいずれかによって更新する情報更新部と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記対象物がペットである場合、前記対象物の要素は、鳴き声、目の動き、身体の動き、及び体勢の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記対象物が犬である場合、前記ベース感情情報記憶部は、しっぽが振られている状態と嬉しい感情を示す感情値とを対応付けた前記ベース感情情報を記憶し、
前記情報更新部は、犬を観察した観察結果が、しっぽが振られていることを含む場合に、しっぽが振られていることと嬉しい感情を示す感情値とを対応付けた前記ベース感情情報を、前記観察結果に含まれる鳴き声、目の動き、及び体勢の少なくともいずれかによって更新する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記対象物が花である場合、前記ベース感情情報記憶部は、前記花が咲くことと嬉しいという感情を示す感情値とを対応付けた前記ベース感情情報を記憶し、
前記情報更新部は、花を観察した観察結果が、花が咲くことを含む場合に、花が咲くことと嬉しいという感情を示す感情値とを対応付けた前記ベース感情情報を、前記観察結果に含まれる、花が咲くこと以外の要素の少なくともいずれかによって更新する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
対象物を観察することによって認識された前記対象物の複数の要素の状態のうちのいずれかが、前記ベース感情情報記憶部に記憶されている複数の前記ベース感情情報のうちのいずれかの前記要素の状態と一致した場合に、当該要素の状態に対応付けられた前記対象物感情値を、前記対象物の感情を示す対象物感情値として決定する感情決定部
を更に備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
人が他の間とコミュニケーションをしたときの感情の遷移を示す人間感情遷移パターンを記憶する人間感情遷移パターン記憶部
を更に備え、
前記感情決定部は、人が前記対象物に対してアクションした場合に、前記人間感情遷移パターンを用いて、前記対象物の対象物感情値を決定する、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記人間感情遷移パターン記憶部は、複数の人のそれぞれに対応する前記人間感情遷移パターンを記憶し、
前記感情決定部は、前記人間感情遷移パターン記憶部に記憶されている複数の前記人間感情遷移パターンのうち、前記対象物に関連する人の前記人間感情遷移パターンを用いて、前記対象物の感情を示す感情値を決定する、請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロボットの感情を特定する感情特定システムについて記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2017-199319号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、情報処理システムが提供される。前記情報処理システムは、人ではない対象物の要素の状態と前記対象物の感情を示す感情値とを対応付けたベース感情情報を記憶するベース感情情報記憶部を備えてよい。前記情報処理システムは、人ではない対象物を観察することによって認識された前記対象物の複数の要素の状態のうちのいずれかが、前記ベース感情情報記憶部に記憶されている複数の前記ベース感情情報のうちのいずれかの前記要素の状態と一致した場合に、前記要素の状態が一致した前記ベース感情情報を、前記複数の要素の状態のうちの一致していない要素の状態のうちの少なくともいずれかによって更新する情報更新部を備えてよい。
【0004】
前記情報処理システムにおいて、前記対象物がペットである場合、前記対象物の要素は、鳴き声、目の動き、身体の動き、及び体勢の少なくともいずれかを含んでよい。前記対象物が犬である場合、前記ベース感情情報記憶部は、しっぽが振られている状態と嬉しい感情を示す感情値とを対応付けた前記ベース感情情報を記憶してよく、前記情報更新部は、犬を観察した観察結果が、しっぽが振られていることを含む場合に、しっぽが振られていることと嬉しい感情を示す感情値とを対応付けた前記ベース感情情報を、前記観察結果に含まれる鳴き声、目の動き、及び体勢の少なくともいずれかによって更新してよい。
【0005】
前記いずれかの前記情報処理システムにおいて、前記対象物が花である場合、前記ベース感情情報記憶部は、前記花が咲くことと嬉しいという感情を示す感情値とを対応付けた前記ベース感情情報を記憶してよく、前記情報更新部は、花を観察した観察結果が、花が咲くことを含む場合に、花が咲くことと嬉しいという感情を示す感情値とを対応付けた前記ベース感情情報を、前記観察結果に含まれる、花が咲くこと以外の要素の少なくともいずれかによって更新してよい。
【0006】
前記いずれかの情報処理システムは、対象物を観察することによって認識された前記対象物の複数の要素の状態のうちのいずれかが、前記ベース感情情報記憶部に記憶されている複数の前記ベース感情情報のうちのいずれかの前記要素の状態と一致した場合に、当該要素の状態に対応付けられた前記対象物感情値を、前記対象物の感情を示す対象物感情値として決定する感情決定部を更に備えてよい。前記情報処理システムは、人が他の間とコミュニケーションをしたときの感情の遷移を示す人間感情遷移パターンを記憶する人間感情遷移パターン記憶部を更に備えてよく、前記感情決定部は、人間が前記対象物に対してアクションした場合に、前記人間感情遷移パターンを用いて、前記対象物の感情を示す感情値を決定してよい。前記人間感情遷移パターン記憶部は、複数の人のそれぞれに対応する前記人間感情遷移パターンを記憶してよく、前記感情決定部は、前記人間感情遷移パターン記憶部に記憶されている複数の前記人間感情遷移パターンのうち、前記対象物に関連する人間の前記人間感情遷移パターンを用いて、前記対象物の感情を示す感情値を決定してよい。
【0007】
前記いずれかの情報処理システムは、前記感情決定部によって決定された感情を用いて、前記対象物の所有者とコミュニケーションを行う電子機器を更に備えてよい。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記情報処理システムとして機能させるためのプログラムが提供される。
【0009】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るシステム10の全体構成の一例を概略的に示す。
【
図2】ロボット200及びサーバ100の機能ブロック構成を概略的に示す。
【
図3】サーバ100、又はロボット200の一部として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、本実施形態に係るシステム10の全体構成の一例を概略的に示す。システム10は、サーバ100と、ロボット200とを備える。システム10は、複数のロボット200を備えてよい。ロボット200は、人型ロボットであってよい。ロボット200は、人型以外のロボットであってもよい。ロボット200は、電子機器の一例であってよい。なお、サーバ100は、情報処理システムとして機能し得る。ロボット200は、情報処理システムの対象オブジェクトの一例であってよい。システム10は、情報処理システムの一例であってもよい。
【0013】
ロボット200は、任意の場所に配置される。ユーザ20は、ロボット200を利用する利用者である。
【0014】
ロボット200は、例えば、家庭に配置される。ユーザ20は、ロボット200が配置された家庭の家族や、その家庭を訪れた他人であってよい。ロボット200は、例えば、店舗や事務所の受付等に配置される。ユーザ20は、店舗や事務所に来訪した顧客であってよい。ロボット200の利用形態は、これらの利用形態に限られない。
【0015】
サーバ100は、ロボット200とは遠隔に設けられる。サーバ100は、通信ネットワーク50を通じてロボット200を制御することができる。例えば、サーバ100は、ロボット200で検出されたセンサ情報を、通信ネットワーク50を通じて取得して、取得したセンサ情報に基づいて、ロボット200に行わせる動作を決定して、通信ネットワーク50を通じて制御情報を送信してロボット200に指示する。
【0016】
例えば、ロボット200は、ユーザ20の音声及び画像や、ロボット200が受けた外力の情報等、センサで検出した各種の情報を取得して、サーバ100に送信する。サーバ100は、ロボット200から取得した情報に基づいて、ロボット200を制御するための制御情報を生成する。サーバ100は、例えば、ロボット200から取得した情報に基づいて、ニューラルネットワーク(NN)を用いて、ロボット200を制御するための制御情報を生成する。
【0017】
システム10では、ロボット200の行動を決定すべく各種情報を処理したり、各種情報を処理した結果に基づいてロボット200の行動を決定したりする処理を、サーバ100が実行してよい。なお、それらの処理の一部又は全てを、ロボット200が実行してもよい。この場合、ロボット200の一部が、情報処理システムとして機能する。
【0018】
本実施形態に係るシステム10は、現在、対象が主に人である感情認識を、人ではない対象物(ペットや物体)を擬人化して感情を解釈できるようにする。本実施形態において、対象物とは、人以外のすべてのものを含んでよい。対象物は、動物を含んでよい。対象物は、ペットを含んでよい。対象物は、植物を含んでよい。対象物は、無機物を含んでよい。対象物は、機械を含んでよい。対象物は、パソコン、スマートフォン、自動販売機、及び自動車等を含んでよい。対象物は、本、書籍、及び漫画等を含んでよい。対象物は、レコード、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びBD(Blu-ray(登録商標) Disc)等を含んでよい。対象物は、服、財布、手袋、マフラー、及び帽子等の、人が身につけるものを含んでよい。これらはほんの一例であり、対象物は、人以外のあらゆるものを含んでよい。
【0019】
システム10は、人ではない対象物の感情を示す感情値を特定して、それらの所有者であるユーザ20との共感を深められるようにする。ペットや所有物への愛着を深めたり、モノを大切にするサステナビリティへの貢献も期待できる。
【0020】
システム10においては、対象物を特徴づける要素を予め定義する。例えば、システム10においては、ペットや物体を特徴づける要素をあらかじめ定義する。犬や猫であれば鳴き声や目やしっぽ、耳の動き、体勢からベースとなる感情を定義する。例えば、犬がしっぽを振れば「嬉しい」とし、その状態における鳴き声や目の動きなど蓄積し、感情の遷移/組み合わせパターンを蓄積する。物体であれば色や形、音(音がある場合)、あるいは物体を定義する情報(制作者や素材など)や履歴(制作日や所有開始日など)からベースとなる感情を定義する。例えば、花が咲けば「最高に嬉しい」とし、色や形、苗からの経過日数、育てた人の情報や感情を蓄積し、感情の遷移/組み合わせパターンを作る。
【0021】
また、システム10においては、人間生活の遷移パターンを蓄積しておき、ペットや物体の遷移パターンと類似するパターンをマッチングすることで擬人化した感情を生成する。この場合、人間全体のパターンだけでなく、家族など対象のペットや物体に近い人間関係のパターンを利用することもできる。
【0022】
生成した感情は、ロボットを通じて解釈(翻訳/通訳)して表現することもできるし、その他のデバイス(スピーカ、ディスプレイがあるもの、スマホアプリも可)を通じて表現することもできる。
【0023】
人間とのインタラクティブなやりとりも可能で、擬人化した感情の遷移/組み合わせパターンを人間同士のコミュニケーションで発生するパターンにマッチングさせることで実現する。例えば、花に「きれいだね」と声をかけると花はさらに嬉しくなる(人間でも「きれい」と言われると嬉しさが増すが、このような人間のパターンを参照/応用する。)。
【0024】
図2は、ロボット200及びサーバ100の機能ブロック構成の一例を概略的に示す。まず、ロボット200の機能ブロック構成について説明する。ロボット200は、センサ部210と、情報処理部220と、制御対象230と、通信部240とを有する。情報処理部220は、MPU等のプロセッサであってよい。通信部240は、サーバ100との通信を担う。通信部240は、ネットワークIF等の通信デバイスであってよい。
【0025】
制御対象230は、スピーカを含む。制御対象230は、表示部を含む。表示部は、ロボット200の胸部等、ロボット200の任意の位置に配置されてよい。制御対象230は、目部等に設置されたLEDを含む。制御対象230は、ロボット200の肢部や頭部等の可動部を駆動するモータ等を含む。
【0026】
センサ部210は、マイク211、ジャイロセンサ212、モータセンサ213、カメラ214、赤外線センサ215、電池残量センサ216等の各種のセンサを有する。センサ部210がこれらの全てを有することは必須とは限らず、また、センサ部210はこれら以外を有してもよい。
【0027】
マイク211は、周囲の音声を取得する。例えば、マイク211は、ユーザ20の音声を取得する。マイク211は、例えば、対象物の音を取得する。ジャイロセンサ212は、ロボット200全体及びロボット200の各部の角速度を検出する。モータセンサ213は、ロボット200の可動部を駆動するモータの駆動軸の回転角度を検出する。カメラ214は、可視光によって撮影して動画や静止画の画像情報を生成する。赤外線センサ215は、赤外線により周囲の物体等を検出する。電池残量センサ216は、ロボット200が備える電池の残存容量を検出する。
【0028】
センサ部210は、マイク211で取得された音声データ、カメラ214で撮影された画像、ジャイロセンサ212で検出された角速度、モータセンサ213で検出された回転角度、電池残量センサ216で検出した残存容量、赤外線センサ215で検出した物体情報等の各種のセンサデータを、情報処理部220に出力する。情報処理部220は、取得したセンサ信号を通信部240に供給して、サーバ100へ送信させる。また、情報処理部220は、サーバ100から取得した制御情報に基づいて、ロボット200のスピーカから発話させたり、ロボット200のLEDを発光させたり、ロボット200の肢部等を動作させたりする。
【0029】
次に、サーバ100の機能ブロック構成について説明する。サーバ100は、処理部110と、通信部120と、記憶部130とを有する。処理部110は、制御部111と、状態認識部112と、感情決定部113と、情報更新部114とを備える。通信部120は、情報取得部122を有する。
【0030】
通信部120は、ロボット200との通信を担う。通信部120は、ネットワークIF等の通信デバイスであってよい。情報取得部122は、各種情報を取得する。例えば、情報取得部122は、ロボット200のセンサ部210で検出された情報を、通信ネットワーク50を通じて取得する。
【0031】
記憶部130は、ハードディスク装置、フラッシュメモリ等の記憶媒体を有する。また、記憶部130は、RAM等の揮発性記憶装置を有する。記憶部130は、処理部110が実行時に読み出すプログラムコードや各種の一時データの他、処理部110の処理の実行に必要な情報等を格納する。記憶部130は、いわゆる大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)を記憶してよい。記憶部130は、通信部120がロボット200から取得した情報を記憶する。
【0032】
記憶部130は、例えば、対象物の要素の状態と、対象物の感情を示す感情値とを対応付けたベース感情情報を記憶する。記憶部130は、ベース感情情報記憶部の一例であってよい。
【0033】
ベース感情情報には、例えば、対象物の要素の状態に対応する対象物の感情が既知のものが登録される。例えば、対象物が犬である場合、しっぽが振られている状態に対して「嬉しい」感情を示す対象物感情値が対応付けられたベース感情情報が、記憶部130に記憶される。例えば、対象物が犬である場合、牙をむき出している状態に対して、「怒り」の感情を示す対象物感情値が対応付けられたベース感情情報が、記憶部130に記憶される。
【0034】
対象物が、実際に感情を有しているか否かが明確になっていないものである場合、システム10の管理者等の任意の人が、対象物の要素の状態に対して、それにふさわしい対象物の感情を対応付けて、ベース感情情報に登録し得る。例えば、対象物が花の場合、花が咲くことに対して「嬉しい」感情を示す対象物感情値が対応付けられたベース感情情報が、記憶部130に記憶される。例えば、対象物が花の場合、花が枯れている状態に対して「悲しい」感情を示す対象物感情値が対応付けられたベース感情情報が、記憶部130に記憶される。
【0035】
対象物が、実際には感情を有していないものである場合、システム10の管理者等の任意の人が、対象物の要素の状態に対して、それにふさわしい対象物の感情を対応付けて、ベース感情情報に登録し得る。例えば、対象物が財布である場合、財布内の金額が多い状態に対して「嬉しい」感情を示す対象物感情値が対応付けられたベース感情情報が、記憶部130に記憶される。例えば、対象物がバッテリーによって動作する機会である場合、バッテリー残量が少ない状態に対して「おなかすいた」感情を示す対象物感情値が対応付けられたベース感情情報が、記憶部130に記憶される。例えば、対象物が、本、書籍、漫画、レコード、CD、DVD、及びBD等である場合、対象物に対する所有者の接触回数が多い状態に対して、所有者の感情と同じ感情であってより強い度合の感情を示す対象物感情値が、記憶部130に記憶される。
【0036】
記憶部130は、人が他の人とコミュニケーションをしたときの感情の遷移を示す人間感情遷移パターンを記憶してもよい。人間感情遷移パターンの例として、人が他の人に「きれい」と言われたときに、嬉しさの感情が増加するパターンが挙げられる。記憶部130は、あらゆる種類の人間感情遷移パターンを記憶してよい。記憶部130は、複数の人のそれぞれに対応する人間感情遷移パターンを記憶してよい。
【0037】
制御部111は、記憶部130に記憶されている情報と、情報取得部122が取得した情報とを用いて、ロボット200の行動を決定し、決定した行動を実行させるための制御情報を、通信部120を介してロボット200に送信する。制御部111は、例えば、ロボット200に、ユーザ20とのコミュニケーションを実行させる。
【0038】
状態認識部112は、情報取得部122が取得した情報に基づいて、ユーザ20の状態と、ユーザ20に対応する対象物の状態とを認識する。ユーザ20に対応する対象物とは、ユーザ20とともにカメラ214によって撮像されているものであってよい。ユーザ20に対応する対象物とは、ユーザ20の所有物であってもよい。
【0039】
状態認識部112は、カメラ214によって撮像された撮像画像を解析して、ユーザ20の顔を認識してよい。例えば、記憶部130が、複数の人物の顔画像を記憶しておき、状態認識部112は、撮像画像と、記憶された顔画像とをマッチングすることによって、ユーザ20の顔を認識する。状態認識部112は、カメラ214によって撮像された撮像画像を解析して、ユーザ20の表情を認識してよい。状態認識部112は、マイク211によって検出されたユーザ20の音声を解析して、ユーザ20の発声内容を認識してよい。状態認識部112は、マイク211によって検出されたユーザ20の音声を解析することにより、音声感情認識を実行してもよい。例えば、状態認識部112は、音声の周波数成分等の特徴量を抽出して、抽出した特徴量に基づいて、ユーザ20の感情を認識する。
【0040】
状態認識部112は、情報取得部122が取得した情報に基づいて、ユーザ20の行動を認識してよい。例えば、状態認識部112は、情報取得部122が取得した情報と、情報取得部122が当該情報を取得したときの実際のユーザ20の行動とを訓練データとして学習された、情報取得部122が取得した情報から、ユーザ20の行動を出力するニューラルネットワークを予め記憶しておき、情報取得部122が取得した情報を、当該ニューラルネットワークに入力することによって、ユーザの行動を特定する。当該ニューラルネットワークは、状態認識部112によって認識されたユーザ20の表情及びユーザ20の発声内容を受け付けるように構成されてもよい。ユーザの行動を認識する方法は、これに限られず、公知の他の方法を用いてもよい。
【0041】
状態認識部112は、カメラ214によって撮像された撮像画像を解析して、対象物を認識してよい。ユーザ状態認識部112は、対象物が何であるかを認識する。例えば、記憶部130が、複数の対象物の画像を記憶しておき、状態認識部112は、撮像画像と、記憶された画像とをマッチングすることによって、対象物を認識する。
【0042】
対象物が音を発するものである場合、状態認識部112は、マイク211によって検出された対象物の音を解析して、対象物が発した音が何の音であるかを認識してよい。対象物が行動をするものである場合、状態認識部112は、情報取得部122が取得した情報に基づいて、対象物の行動を認識してよい。例えば、状態認識部112は、情報取得部122が取得した情報と、情報取得部122が当該情報を取得したときの実際の対象物の行動とを訓練データとして学習された、情報取得部122が取得した情報から、対象物の行動を出力するニューラルネットワークを予め記憶しておき、情報取得部122が取得した情報を、当該ニューラルネットワークに入力することによって、対象物の行動を取得する。対象物の行動を認識する方法は、これに限られず、他の方法を用いてもよい。
【0043】
状態認識部112は、対象物の複数の要素の状態を認識する。例えば、対象物が犬や猫等のペットである場合、状態認識部112は、対象物の鳴き声、目の動き、身体の動き、及び体勢等を認識する。例えば、対象物が花である場合、状態認識部112は、対象物の色、形、及び花の咲き具合等を認識する。
【0044】
制御部111が、ロボット200によるユーザ20との会話によって、対象物の情報を聞き出した場合、状態認識部112は、聞き出した内容によって、対象物の要素の状態を認識してもよい。例えば、対象物がペットである場合、状態認識部112は、対象物の年齢、対象物のどのくらいの期間飼っているのか、等を認識する。例えば、対象物が花である場合、状態認識部112は、対象物の育成履歴(入手してからの期間、苗からの経過日数)等を認識する。
【0045】
感情決定部113は、ロボット200と会話しているユーザ20の感情を示すユーザ感情値を決定する。感情決定部113は、情報取得部122が取得した情報を用いて、ユーザ20のユーザ感情値を決定してよい。感情決定部113は、ユーザ状態認識部112によって認識されたユーザ状態を用いて、ユーザ20のユーザ感情値を決定してよい。
【0046】
ユーザ感情値は、ユーザ20の感情の種類と、ユーザ20の感情の正負と感情の度合を示す値とを含んでよい。ユーザ20の感情の種類として、「喜」、「楽」、「快」、「安心」、「興奮」、「安堵」、「充実感」、「怒」、「哀」、「不快」、「不安」、「悲しみ」、「心配」、及び「虚無感」等が挙げられる。なお、これらは例示であって、これらに限られない。ユーザ20の感情の正負を示す値は、例えば、ユーザ20の感情が、「喜」、「楽」、「快」、「安心」、「興奮」、「安堵」、及び「充実感」のように、快感や安らぎを伴う明るい感情であれば、正の値を示し、明るい感情であるほど、大きい値となる。ユーザの感情が、「怒」、「哀」、「不快」、「不安」、「悲しみ」、「心配」、及び「虚無感」のように、嫌な気持ちになってしまう感情であれば、負の値を示し、嫌な気持ちであるほど、負の値の絶対値が大きくなる。ユーザの感情が、上記の何れでもない場合(「普通」)、0の値を示す。
【0047】
例えば、感情決定部113は、情報取得部122が取得した情報と、情報取得部122が当該情報を取得したときの実際のユーザ20の感情を示すユーザ感情値とを訓練データとして学習された、情報取得部122が取得した情報から、ユーザ20のユーザ感情値を出力するニューラルネットワークを予め記憶しておき、情報取得部122が取得した情報を、当該ニューラルネットワークに入力することによって、ユーザ感情値を取得する。当該ニューラルネットワークは、ユーザ状態認識部112によって認識されたユーザ20の表情及びユーザ20の発声内容を受け付けるように構成されてもよい。ユーザ感情値を決定する方法は、これに限られず、公知の他の方法を用いてもよい。
【0048】
感情決定部113は、ロボット200と会話しているユーザ20に対応する対象物の感情を示す対象物感情値を決定する。感情決定部113は、ロボット200によって対象物を観察することによって状態認識部112によって認識された対象物の複数の要素の状態のうちのいずれかが、記憶部130に記憶されているベース感情情報のうちのいずれかの要素の状態と一致した場合に、当該要素の状態に対応付けられた感情値を、対象物の感情を示す対象物感情値として決定する。例えば、対象物が犬である場合において、状態認識部112によってしっぽが振られている状態であると認識された場合、感情決定部113によって、記憶部130に記憶されている、しっぽが振られている状態と「嬉しい」感情とが対応付けられたベース感情情報が特定され、対象物感情値が、「嬉しい」感情に決定される。
【0049】
情報更新部114は、対象物を観察することによって状態認識部112によって認識された対象物の複数の要素の状態のうちのいずれかが、記憶部130に記憶されているベース感情情報のうちのいずれかの要素の状態と一致した場合に、当該ベース感情情報を、当該複数の要素の状態のうちの一致していない要素の状態のうちの少なくともいずれかによって更新する。情報更新部114は、例えば、対象物を観察することによって状態認識部112によって認識された対象物の複数の要素の状態のうちのいずれかが、記憶部130に記憶されているベース感情情報のうちのいずれかの要素の状態と一致した場合に、当該ベース感情情報を、当該複数の要素の状態のうちの、一致していない要素の状態のうちの少なくともいずれかによって更新する。情報更新部114は、例えば、当該ベース感情情報に、当該複数の要素の状態のうちの、一致していない要素の状態のうちの少なくともいずれかを追加する。これにより、感情の遷移や、感情の組み合わせパターンを生成することができる。
【0050】
例えば、対象物が犬である場合において、状態認識部112によって、しっぽの動き、目の動き、鳴き声、及び体勢が認識された場合であって、しっぽの動きが、しっぽが振られていることを示す場合、情報更新部114は、記憶部130に記憶されているうちの、しっぽが振られている状態と「嬉しい」感情とを対応付けたベース感情情報を特定する。そして、情報更新部114は、当該ベース感情情報を、状態認識部112によって認識された目の動き、鳴き声、及び体勢のうちの少なくともいずれかによって更新する。情報更新部114は、例えば、当該ベース感情情報に、状態認識部112によって認識された目の動き、鳴き声、及び体勢のうちの少なくともいずれかを追加する。これにより、犬が嬉しい感情を抱いているときの、目の動き、鳴き声、及び体勢等を、「嬉しい」感情に対応付けて記録することができ、犬が嬉しい感情を抱いているときの、複数の要素の状態の組み合わせパターンを登録したり、複数の要素の状態の遷移パターンを登録したりすることができる。当該情報は、犬の感情の認識精度を向上したり、犬の感情の遷移の予測精度を向上したり等、様々なことに利用することができる。
【0051】
例えば、対象物が花である場合において、状態認識部112によって、花の咲き具合、色、形、苗からの経過日数、育てた人の情報や感情が認識された場合であって、花の咲き具合が、花が咲いたことを示す場合、情報更新部114は、記憶部130に記憶されているうちの、花が咲いた状態と「最高に嬉しい」感情とを対応付けたベース感情情報を特定する。そして、情報更新部114は、当該ベース感情情報を、状態認識部112によって認識された色、形、苗からの経過日数、育てた人の情報や感情のうちの少なくともいずれかによって更新する。情報更新部114は、例えば、当該ベース感情情報に、状態認識部112によって認識された色、形、苗からの経過日数、育てた人の情報や感情のうちの少なくともいずれかを追加する。
【0052】
感情決定部113は、記憶部130に記憶されている人間感情遷移パターンを用いて、対象物の対象物感情値を決定してもよい。例えば、感情決定部113は、人が対象物に対してアクションした場合に、人間感情遷移パターンを用いて、対象物の対象物感情値を決定する。例えば、対象物が花である場合であって、人が花に対して「きれいだね」と話しかけた場合に、感情決定部113は、人が他の人に「きれい」と言われたときに嬉しさの感情が増加するパターンを用いて、花の嬉しさの度合を増加させる。このように、人間感情遷移パターンを用いることによって、人にとって違和感の少ない形で、対象物の感情を決定することができる。
【0053】
感情決定部113は、記憶部130に記憶されている複数の人間感情遷移パターンのうち、対象物に関連する人の人間感情遷移パターンを用いて、対象物の対象物感情値を決定してもよい。対象物に関連する人とは、例えば、対象物の所有者、対象物の所有者の家族、対象物が配置されている家の人間、及び対象物が配置されている場所に関連する人間等の、対象物に何かしらの関係がある人であってよい。例えば、人間全体のパターンと、対象物に関連する人のパターンとは、異なる場合がある。具体例として、人間全体としては、「きれいだね」と声をかけられた場合に「嬉しい」と感じる傾向が強いのに対して、対象物に関連する人達の間では、「嬉しい」よりも「照れる」傾向が強い場合において、人が花に対して「きれいだね」と話しかけた場合、感情決定部113は、花の嬉しさの度合ではなく、花の照れる度合を増加させる。
【0054】
ペットは飼主に似る、と言われるように、ペットと飼主とは特別な関係にあり、ペットの感情は、飼主の感情の影響を強く受けると考えらえる。所有物の感情を決定する場合に、赤の他人よりも、所有者に近い感情を決定した方が、違和感が少ないと考えられる。そのため、感情決定部113が、対象物に関連する人の人間感情遷移パターンを用いて、対象物の対象物感情値を決定することによって、違和感の少ない感情を決定することができる。
【0055】
以上に説明したサーバ100の機能は、1以上のコンピュータによって実装されてよい。サーバ100の少なくとも一部の機能は、仮想マシンによって実装されてよい。また、サーバ100の機能の少なくとも一部は、クラウドで実装されてよい。また、ロボット200は、対象オブジェクトの一例である。上記実施形態では、電子機器の例としてロボット200を主に挙げて説明したが、これに限られない。電子機器の例として、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、及びスマートスピーカ等、ぬいぐるみ等、自動車や自動二輪車等の車両、家電製品等で挙げられる。なお、これらは例示であり、電子機器は、これらに限られない。
【0056】
図3は、サーバ100、又はロボット200の一部として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200は、例えば、サーバ100として機能してよい。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0057】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0058】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0059】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0060】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0061】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0062】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0063】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0064】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0065】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0066】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0067】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0068】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0069】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0070】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0071】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0072】
10 システム、20 ユーザ、50 通信ネットワーク、100 サーバ、110 処理部、111 制御部、112 状態認識部、113 感情決定部、114 情報更新部、120 通信部、122 情報取得部、130 記憶部、200 ロボット、210 センサ部、211 マイク、212 ジャイロセンサ、213 モータセンサ、214 カメラ、215 赤外線センサ、216 電池残量センサ、220 情報処理部、230 制御対象、240 通信部、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ