(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158674
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】高周波モジュール及び通信装置
(51)【国際特許分類】
H04B 1/38 20150101AFI20241031BHJP
H01L 23/00 20060101ALI20241031BHJP
H01L 25/04 20230101ALI20241031BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H04B1/38
H01L23/00 C
H01L25/04 Z
H05K9/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074060
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大坪 喜人
(72)【発明者】
【氏名】黒▲柳▼ ▲琢▼真
(72)【発明者】
【氏名】安田 智美
【テーマコード(参考)】
5E321
5K011
【Fターム(参考)】
5E321AA02
5E321GG05
5K011AA06
5K011BA04
5K011DA02
5K011DA12
5K011DA27
5K011JA01
5K011KA18
(57)【要約】
【課題】小型化を図る。
【解決手段】高周波モジュール100は、実装基板9と、第1電子部品1及び第2電子部品2と、シールド部材5と、を備える。実装基板9は、主面91を有する。第1電子部品1及び第2電子部品2は、実装基板9の主面91に配置されている。シールド部材5は、実装基板9の主面91に配置されている。シールド部材5は、第1電子部品1と第2電子部品2との間に位置し、第1電子部品1及び第2電子部品2と隣接している。実装基板9の主面91からシールド部材5の頂部51までの第1高さH1は、実装基板9の主面91から第1電子部品1の天面11までの第2高さH2と、実装基板9の主面91から第2電子部品2の天面21までの第3高さH3と、の少なくとも一方よりも低い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面を有する実装基板と、
前記実装基板の前記主面に配置されている第1電子部品及び第2電子部品と、
前記実装基板の前記主面に配置されているシールド部材と、を備え、
前記シールド部材は、前記第1電子部品と前記第2電子部品との間に位置し、前記第1電子部品及び前記第2電子部品と隣接しており、
前記実装基板の前記主面から前記シールド部材の頂部までの第1高さは、前記実装基板の前記主面から前記第1電子部品の天面までの第2高さと、前記実装基板の前記主面から前記第2電子部品の天面までの第3高さと、の少なくとも一方よりも低い、
高周波モジュール。
【請求項2】
前記第1高さは、前記第2高さ及び前記第3高さの両方よりも低い、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項3】
前記第1電子部品と前記第2電子部品とのうち少なくとも一方は、
互いに対向する第1主面及び第2主面を有する基板と、
前記基板の前記第1主面に形成されている回路部と、
前記回路部に接続されている複数のバンプ電極と、を有し、
前記複数のバンプ電極により前記実装基板に接続されており、
前記第1高さは、前記実装基板の前記主面から前記基板の前記第1主面までの高さよりも高い、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項4】
前記第1電子部品は、送信系電子部品であり、
前記第2電子部品は、受信系電子部品である、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項5】
前記送信系電子部品は、パワーアンプを含む、
請求項4に記載の高周波モジュール。
【請求項6】
前記受信系電子部品は、ローノイズアンプを含む、
請求項4に記載の高周波モジュール。
【請求項7】
前記実装基板は、前記主面である第3主面に対向する第4主面を有し、
前記実装基板は、
前記シールド部材が配置されているランド電極と、
前記実装基板の厚さ方向において前記ランド電極と前記第4主面との間で、前記ランド電極及び前記第4主面から離隔して配置されているグランド電極と、
前記ランド電極と前記グランド電極とを接続しているビア導体と、を含む、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項8】
前記シールド部材を複数備え、
前記ランド電極を複数備える、
請求項7に記載の高周波モジュール。
【請求項9】
前記実装基板は、前記複数のランド電極のうち少なくとも2つのランド電極を含む導体部と、
前記導体部上に設けられており、少なくとも2つの開口部を有するレジスト層と、を含み、
前記少なくとも2つのランド電極は、前記少なくとも2つの開口部に一対一に対応し、前記導体部のうち前記少なくとも2つの開口部により露出している部分であり、
前記ビア導体は、前記少なくとも2つのランド電極に共通であり、前記導体部と前記グランド電極とを接続している、
請求項8に記載の高周波モジュール。
【請求項10】
前記実装基板の前記主面に配置されており、前記第1電子部品の少なくとも一部及び前記第2電子部品の少なくとも一部を覆っている樹脂層と、
前記樹脂層を覆っている外部シールド電極と、を更に備える、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項11】
前記実装基板の前記主面に配置されている第3電子部品及び第4電子部品と、
前記実装基板の前記主面において前記第3電子部品と前記第4電子部品との間に配置されている接続用シールド部材と、を備え、
前記実装基板の前記主面から前記第3電子部品の天面までの第4高さは、前記第2高さ及び前記第3高さよりも高く、
前記接続用シールド部材は、前記外部シールド電極に接続されている、
請求項10に記載の高周波モジュール。
【請求項12】
前記実装基板の厚さ方向からの平面視で、前記第1電子部品及び前記第2電子部品の各々の外縁は、矩形状であり、
前記実装基板の前記厚さ方向からの平面視で、前記シールド部材は、前記第1電子部品又は前記第2電子部品の隣り合う2辺に沿ったL字状である、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項13】
前記第1電子部品と前記シールド部材との間に介在する部分を含む放熱部材を更に備える、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項14】
前記シールド部材は、はんだバンプを含む、
請求項1又は2に記載の高周波モジュール。
【請求項15】
請求項1又は2に記載の高周波モジュールと、
前記高周波モジュールに接続されている信号処理回路と、を備える、
通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に高周波モジュール及び通信装置に関し、より詳細には、複数の電子部品を備える高周波モジュール、及び、その高周波モジュールを備える通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板(実装基板)と、基板上に配置された第1電子部品及び第2電子部品と、内部シールド(シールド部材)と、を備えるモジュール(高周波モジュール)を開示している。第1電子部品は、例えば、音響フィルタである。第2電子部品は、例えば、フリップチップICである。内部シールドは、第1電子部品と第2電子部品との間に配置されている。内部シールドは、一対の分離されたボンディングワイヤを有する。一対の分離されたボンディングワイヤは、ボンディングワイヤループの頂点を除去することによって形成されている。特許文献1に開示されたモジュールは、内部シールドによって、電磁干渉を低減又は排除し、第1電子部品と第2電子部品との間の分離を強化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0118875号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された高周波モジュールでは、実装基板の厚さ方向、及び、第1電子部品と第2電子部品との並んでいる方向、それぞれにおいてシールド部材に必要なスペースが大きくなり、高周波モジュールが大型化する場合がある。
【0005】
本発明の目的は、小型化を図ることが可能な高周波モジュール及び通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る高周波モジュールは、実装基板と、第1電子部品及び第2電子部品と、シールド部材と、を備える。前記実装基板は、主面を有する。前記第1電子部品及び前記第2電子部品は、前記実装基板の前記主面に配置されている。前記シールド部材は、前記実装基板の前記主面に配置されている。前記シールド部材は、前記第1電子部品と前記第2電子部品との間に位置し、前記第1電子部品及び前記第2電子部品と隣接している。前記実装基板の前記主面から前記シールド部材の頂部までの第1高さは、前記実装基板の前記主面から前記第1電子部品の天面までの第2高さと、前記実装基板の前記主面から前記第2電子部品の天面までの第3高さと、の少なくとも一方よりも低い。
【0007】
本発明の一態様に係る通信装置は、上記一態様の高周波モジュールと、信号処理回路と、を備える。前記信号処理回路は、前記高周波モジュールに接続されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の上記態様に係る高周波モジュール及び通信装置は、小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る高周波モジュールの断面図である。
【
図2】
図2は、同上の高周波モジュールの平面図である。
【
図3】
図3は、同上の高周波モジュールの要部断面図である。
【
図4】
図4は、同上の高周波モジュールを備える通信装置の回路図である。
【
図5】
図5は、実施形態2に係る高周波モジュールの断面図である。
【
図6】
図6は、実施形態3に係る高周波モジュールの断面図である。
【
図7】
図7は、実施形態4に係る高周波モジュールの断面図である。
【
図8】
図8は、実施形態5に係る高周波モジュールの平面図である。
【
図9】
図9は、実施形態6に係る高周波モジュールの平面図である。
【
図10】
図10は、同上の高周波モジュールに関し、
図9のX1-X1線断面図である。
【
図11】
図11は、実施形態7に係る高周波モジュールの平面図である。
【
図13】
図13は、実施形態8に係る高周波モジュール平面図である。
【
図15】
図15は、実施形態9に係る高周波モジュールの平面図である。
【
図16】
図16は、実施形態10に係る高周波モジュールの平面図である。
【
図18】
図18は、実施形態11に係る高周波モジュールの断面図である。
【
図19】
図19は、実施形態12に係る高周波モジュールの断面図である。
【
図20】
図20は、実施形態13に係る高周波モジュールの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態1~13について、図面を参照して説明する。以下の実施形態等において参照する図は、模式的な図であり、図中の構成要素の大きさ及び厚さは必ずしも実際の寸法を反映しているとは限らず、構成要素間における大きさの比及び厚さの比も、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
(実施形態1)
以下、実施形態1に係る高周波モジュール100について、図面を参照して説明する。
【0012】
実施形態1に係る高周波モジュール100は、
図1及び
図2に示すように、実装基板9と、第1電子部品1及び第2電子部品2と、シールド部材5と、を備える。実装基板9は、主面91を有する。第1電子部品1及び第2電子部品2は、実装基板9の主面91に配置されている。シールド部材5は、実装基板9の主面91に配置されている。シールド部材5は、第1電子部品1と第2電子部品2との間に位置している。シールド部材5は、第1電子部品1及び第2電子部品2と隣接している。「シールド部材5は、第1電子部品1及び第2電子部品2と隣接している」とは、実装基板9の厚さ方向D1からの平面視で、シールド部材5と第1電子部品1及び第2電子部品2それぞれとの間に他の電子部品が配置されることなく、シールド部材5と第1電子部品1及び第2電子部品2とが配置されていることを意味する。
【0013】
実施形態1に係る高周波モジュール100は、例えば、
図4に示すように、通信装置300に用いられる。通信装置300は、例えば、携帯電話(例えば、スマートフォン)であるが、これに限らず、例えば、ウェアラブル端末(例えば、スマートウォッチ)であってもよい。高周波モジュール100は、例えば、4G(第4世代移動通信)規格、5G(第5世代移動通信)規格等に対応可能なモジュールである。4G規格は、例えば、3GPP(登録商標、Third Generation Partnership Project) LTE(登録商標、Long Term Evolution)規格である。5G規格は、例えば、5G NR(New Radio)である。高周波モジュール100は、例えば、キャリアアグリゲーション及びデュアルコネクティビティに対応可能なモジュールである。
【0014】
(1)高周波モジュール及び通信装置の回路構成
以下、実施形態1に係る高周波モジュール100及び通信装置300の回路構成について、図面を参照して説明する。
【0015】
(1.1)高周波モジュールの回路構成
高周波モジュール100は、
図4に示すように、複数の外部接続端子T0と、カプラCP1と、複数(
図4の例では4つ)のスイッチ110,120,130,140と、複数(
図4の例では4つ)のフィルタ151~154と、を備える。また、高周波モジュール100は、複数(
図4の例では4つ)のローノイズアンプ161~164と、複数(
図4の例では2つ)のパワーアンプ171,172と、複数(
図4の例では4つ)の入力整合回路181~184と、複数(
図4の例では2つ)の出力整合回路191,192と、を備える。複数の外部接続端子T0は、第1アンテナ端子T1と、第2アンテナ端子T2と、カプラ端子T3と、複数(
図4の例では4つ)の信号出力端子T4~T7と、複数(
図4の例では2つ)の信号入力端子T8,T9と、複数のグランド端子T10(
図1参照)と、を含む。
【0016】
第1アンテナ端子T1は、例えば、通信装置300の第1アンテナ311に接続される。
【0017】
第2アンテナ端子T2は、例えば、通信装置300の第2アンテナ312に接続される。
【0018】
カプラ端子T3は、例えば、通信装置300の信号処理回路301に接続される。
【0019】
複数の信号出力端子T4~T7及び複数の信号入力端子T8,T9は、例えば、通信装置300の信号処理回路301に接続される。
【0020】
カプラCP1は、スイッチ110と第1アンテナ端子T1とを結ぶ信号経路(主線路)に配置され、主線路を伝送する高周波信号を検波し、高周波信号の信号強度を測定する。
【0021】
スイッチ110は、2つの共通端子111,112及び4つの選択端子113~116を有する。スイッチ110は、共通端子111と4つの選択端子113~116の少なくとも1つとの接続及び非接続を切り替え、共通端子112と4つの選択端子113~116の少なくとも1つとの接続及び非接続を切り替える。共通端子111は、第1アンテナ端子T1に接続されている。共通端子112は、第2アンテナ端子T2に接続されている。選択端子113は、フィルタ151に接続されている。選択端子114は、フィルタ152に接続されている。選択端子115は、フィルタ153に接続されている。選択端子116は、フィルタ154に接続されている。
【0022】
スイッチ120は、共通端子121及び2つの選択端子122,123を有する。スイッチ120の共通端子121は、フィルタ151に接続されている。スイッチ120の一方の選択端子122は、入力整合回路181を介してローノイズアンプ161の入力端子に接続され、スイッチ120の他方の選択端子123は、出力整合回路191を介してパワーアンプ171の出力端子に接続されている。スイッチ120は、SPDT(Single Pole Double Throw)型のスイッチ回路で構成される。
【0023】
スイッチ130は、共通端子131及び2つの選択端子132,133を有する。スイッチ130の共通端子131は、フィルタ152に接続されている。スイッチ130の一方の選択端子132は、入力整合回路182を介してローノイズアンプ162の入力端子に接続され、スイッチ130の他方の選択端子133は、出力整合回路192を介してパワーアンプ172の出力端子に接続されている。スイッチ130は、SPDT型のスイッチ回路で構成される。
【0024】
スイッチ140は、共通端子141及び2つの選択端子142,143を有する。スイッチ140の共通端子141は、カプラ端子T3に接続されている。スイッチ140の一方の選択端子142は、カプラCP1が有する一方の副線路に接続されており、スイッチ140の他方の選択端子143は、カプラCP1が有する他方の副線路に接続されている。つまり、スイッチ140は、カプラ端子T3と一方の副線路との接続及びカプラ端子T3と他方の副線路との接続を切り替える。スイッチ140は、SPDT型のスイッチ回路で構成される。
【0025】
複数のフィルタ151~154の各々は、弾性波フィルタを含む。弾性波フィルタは、複数の弾性波共振子を有する。複数の弾性波共振子の各々は、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子である。フィルタ151は、第1通信バンドの送信信号及び受信信号を通過させる送受信フィルタである。フィルタ152は、第2通信バンドの送信信号及び受信信号を通過させる送受信フィルタである。フィルタ153は、第3通信バンドの受信信号を通過させる受信フィルタである。フィルタ154は、第4通信バンドの受信信号を通過させる受信フィルタである。
【0026】
複数のローノイズアンプ161~164の各々は、入力端子及び出力端子を有する。ローノイズアンプ161は、入力端子から入力された第1通信バンドの受信信号を低雑音で増幅し、出力端子から出力する。ローノイズアンプ161の入力端子は、入力整合回路181及びスイッチ120を介してフィルタ151に接続されており、ローノイズアンプ161の出力端子は、信号出力端子T4に接続されている。ローノイズアンプ162は、入力端子から入力された第2通信バンドの受信信号を低雑音で増幅し、出力端子から出力する。ローノイズアンプ162の入力端子は、入力整合回路182及びスイッチ130を介してフィルタ152に接続されており、ローノイズアンプ162の出力端子は、信号出力端子T5に接続されている。ローノイズアンプ163は、入力端子に入力された第3通信バンドの受信信号を低雑音で増幅し、出力端子から出力する。ローノイズアンプ163の入力端子は、入力整合回路183を介してフィルタ153に接続されており、ローノイズアンプ163の出力端子は、信号出力端子T6に接続されている。ローノイズアンプ164は、入力端子に入力された第4通信バンドの受信信号を低雑音で増幅し、出力端子から出力する。ローノイズアンプ164の入力端子は、入力整合回路184を介してフィルタ154に接続されており、ローノイズアンプ164の出力端子は、信号出力端子T7に接続されている。
【0027】
複数のパワーアンプ171,172の各々は、入力端子及び出力端子を有する。パワーアンプ171は、入力端子に入力された第1通信バンドの送信信号を電力増幅し、出力端子から出力する。パワーアンプ171の入力端子は、信号入力端子T8に接続されており、パワーアンプ171の出力端子は、出力整合回路191及びスイッチ120を介してフィルタ151に接続されている。パワーアンプ172の入力端子は、信号入力端子T9に接続されており、パワーアンプ172の出力端子は、出力整合回路192及びスイッチ130を介してフィルタ152に接続されている。
【0028】
入力整合回路181は、スイッチ120とローノイズアンプ161との間に接続されており、スイッチ120とローノイズアンプ161とのインピーダンスを整合させる。入力整合回路182は、スイッチ130とローノイズアンプ162との間に接続されており、スイッチ130とローノイズアンプ162とのインピーダンスを整合させる。入力整合回路183は、フィルタ153とローノイズアンプ163との間に接続されており、フィルタ153とローノイズアンプ163とのインピーダンスを整合させる。入力整合回路184は、フィルタ154とローノイズアンプ164との間に接続されており、フィルタ154とローノイズアンプ164とのインピーダンスを整合させる。
【0029】
出力整合回路191は、パワーアンプ171とスイッチ120との間に接続されており、パワーアンプ171とスイッチ120とのインピーダンスを整合させる。出力整合回路192は、パワーアンプ172とスイッチ130との間に接続されており、パワーアンプ172とスイッチ130とのインピーダンスを整合させる。
【0030】
(1.2)通信装置の回路構成
通信装置300は、
図4に示すように、高周波モジュール100と、信号処理回路301と、第1アンテナ311と、第2アンテナ312と、を備える。
【0031】
信号処理回路301は、RF信号処理回路302と、ベースバンド信号処理回路303と、を含む。RF信号処理回路302は、例えばRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)であり、高周波信号に対する信号処理を行う。RF信号処理回路302は、例えば、ベースバンド信号処理回路303から出力される高周波信号(送信信号)に対してアップコンバート等の信号処理を行い、信号処理が行われた高周波信号を出力する。また、RF信号処理回路302は、例えば、高周波システム200から出力された高周波信号(受信信号)に対してダウンコンバート等の信号処理を行い、信号処理が行われた高周波信号をベースバンド信号処理回路303へ出力する。ベースバンド信号処理回路303は、例えばBBIC(Baseband Integrated Circuit)である。ベースバンド信号処理回路303は、ベースバンド信号からI相信号及びQ相信号を生成する。ベースバンド信号は、例えば、外部から入力される音声信号又は画像信号である。ベースバンド信号処理回路303は、I相信号とQ相信号とを合成することでIQ変調処理を行って、送信信号を出力する。この際、送信信号は、所定周波数の搬送波信号を、搬送波信号の周期よりも長い周期で振幅変調される変調信号(IQ信号)として生成される。ベースバンド信号処理回路303で処理された受信信号は、例えば、画像信号として画像表示のために、又は、音声信号として通信装置300のユーザの通話のために使用される。
【0032】
(2)高周波モジュールの構造
実施形態1に係る高周波モジュール100は、
図1及び
図2に示すように、実装基板9と、複数の電子部品と、を備える。複数の電子部品は、ローノイズアンプ161と、ローノイズアンプ162と、パワーアンプ171と、パワーアンプ172と、スイッチ120と、電子部品E1と、電子部品E2と、電子部品E3と、電子部品E4と、を有する。電子部品E1は、フィルタ151とフィルタ152とを含む。電子部品E2は、フィルタ153とフィルタ154とを含む。電子部品E3は、カプラCP1とスイッチ140とを含む。電子部品E4は、スイッチ110とスイッチ130とローノイズアンプ163とローノイズアンプ164とを含む。また、複数の電子部品は、入力整合回路181に含まれる複数の回路素子と、入力整合回路182に含まれる複数の回路素子と、出力整合回路191に含まれる複数の回路素子と、出力整合回路192に含まれる複数の回路素子と、を有する。複数の電子部品のうち、パワーアンプ171、パワーアンプ172、出力整合回路191に含まれる複数の回路素子及び出力整合回路192に含まれる複数の回路素子の各々は、送信系電子部品である。複数の電子部品のうち、ローノイズアンプ161、ローノイズアンプ162、電子部品E2、入力整合回路181に含まれる複数の回路素子及び入力整合回路182に含まれる複数の回路素子の各々は、受信系電子部品である。
【0033】
また、高周波モジュール100は、複数の外部接続端子T0を備える。
【0034】
また、高周波モジュール100は、複数(
図2の例では20個)のはんだバンプ50を備える。複数のはんだバンプ50の各々は、複数の電子部品のうち少なくとも1つの電子部品と隣接している。「複数のはんだバンプ50の各々は、複数の電子部品のうち少なくとも1つの電子部品と隣接している」とは、実装基板9の厚さ方向D1からの平面視で、はんだバンプ50と上記少なくとも1つの電子部品との間に他の電子部品が配置されることなく、はんだバンプ50と上記少なくとも1つの電子部品とが配置されていることを意味する。高周波モジュール100では、パワーアンプ171が第1電子部品1の一例であり、電子部品E2が、第2電子部品2の一例である。また、高周波モジュール100では、複数のはんだバンプ50のうち第1電子部品1と第2電子部品2との間に位置しているはんだバンプ50が、シールド部材5の一例である。
図2の例では、20個のはんだバンプ50のうち9個のはんだバンプ50が、第1電子部品1の外縁に含まれる4辺のうち隣り合う2辺に沿って並ぶように配置されている。また、
図2の例では、20個のはんだバンプ50のうち残りの11個のはんだバンプ50が、パワーアンプ172の外縁に含まれる4辺のうち隣り合う2辺に沿って並ぶように配置されている。第1電子部品1及び第2電子部品2の各々は、
図3に示すように、基板10を有する。基板10は、基板10の厚さ方向において互いに対向する第1主面101及び第2主面102を有する。
【0035】
また、実施形態1に係る高周波モジュール100は、樹脂層6(以下、第1樹脂層6ともいう)と、第2樹脂層16と、外部シールド電極7と、を更に備える。なお、
図1は、
図2のX1-X1線断面図である。
図2では、第1樹脂層6及び外部シールド電極7の図示を省略してある。
【0036】
実装基板9は、
図1に示すように、実装基板9の厚さ方向D1において互いに対向する主面91(以下、第3主面91ともいう)及び第4主面92を有する。実装基板9の厚さ方向D1からの平面視で、実装基板9の外縁は、例えば、矩形状であるが、矩形状以外の形状であってもよい。実装基板9は、例えば、複数の誘電体層及び複数の導電層(図示せず)が積層された多層基板である。複数の導電層は、層ごとに定められた所定パターンに形成されている。複数の導電層の各々は、実装基板9の厚さ方向D1に直交する一平面内において1つ又は複数の導体部を含む。各導電層の材料は、例えば、銅である。複数の導電層は、グランド層を含む。実装基板9のグランド層は、複数の外部接続端子T0に含まれる少なくとも1つのグランド端子と、実装基板9の有するビア導体等を介して電気的に接続されている。
【0037】
実装基板9は、例えば、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)基板である。なお、実装基板9は、LTCC基板に限らず、例えば、プリント配線板、HTCC(High Temperature Co-fired Ceramics)基板、樹脂多層基板又は部品内蔵基板であってもよい。
【0038】
高周波モジュール100では、複数の電子部品は、実装基板9の第3主面91又は第4主面92に配置されている。「電子部品が、実装基板9の第3主面91に配置されている」とは、電子部品が実装基板9の第3主面91に実装されていること(機械的に接続されていること)と、電子部品が実装基板9(の適宜の導体部)と電気的に接続されていることと、を含む。「電子部品が、実装基板9の第4主面92に配置されている」とは、電子部品が実装基板9の第4主面92に実装されていること(機械的に接続されていること)と、電子部品が実装基板9(の適宜の導体部)と電気的に接続されていることと、を含む。高周波モジュール100では、第1電子部品1及び第2電子部品2は、実装基板9の第3主面91に配置されている。
【0039】
実装基板9の厚さ方向D1からの平面視で、複数の電子部品の各々の外縁は、例えば、矩形状である。
【0040】
ローノイズアンプ161及びローノイズアンプ162の各々は、Si系ICチップである。
【0041】
パワーアンプ171は、電力増幅用ICチップである。パワーアンプ171は、パワーアンプ171に含まれる増幅用トランジスタがバイポーラトランンジスタの場合、例えば、GaAs系ICチップである。また、パワーアンプ171は、増幅用トランジスタがFET(Field Effect Transistor)の場合、例えば、Si系ICチップである。上述のようにパワーアンプ171は、第1電子部品1の一例である。
【0042】
パワーアンプ172は、電力増幅用ICチップである。パワーアンプ172は、パワーアンプ172に含まれる増幅用トランジスタがバイポーラトランンジスタの場合、例えば、GaAs系ICチップである。また、パワーアンプ172は、増幅用トランジスタがFETの場合、例えば、Si系ICチップである。
【0043】
出力整合回路191に含まれる複数の回路素子の各々は、表面実装型電子部品である。なお、出力整合回路191の複数の回路素子のうち一部の回路素子は、実装基板9に内蔵されていてもよい。
【0044】
出力整合回路192に含まれる複数の回路素子の各々は、表面実装型電子部品である。なお、出力整合回路192の複数の回路素子のうち一部の回路素子は、実装基板9に内蔵されていてもよい。
【0045】
複数の外部接続端子T0は、実装基板9の第4主面92に配置されている。複数の外部接続端子T0の材料は、例えば、金属(例えば、銅、銅合金等)である。複数の外部接続端子T0の各々は、柱状電極(例えば、円柱状の電極)である。
【0046】
第1樹脂層6は、
図1に示すように、実装基板9の第3主面91に配置されており、複数の電子部品の一部、複数のはんだバンプ50及び実装基板9の第3主面91を覆っている。第1樹脂層6は、電気絶縁性を有する。第1樹脂層6は、樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を含む。第1樹脂層6は、樹脂の他にフィラーを含んでいてもよい。
【0047】
第2樹脂層16は、実装基板9の第4主面92に配置されている。第2樹脂層16は、実装基板9の第4主面92に配置されている電子部品E3の外周面及び天面と、電子部品E4の外周面と、スイッチ120と、複数の外部接続端子T0それぞれの外周面と、を覆っている。第2樹脂層16は、電子部品E4における実装基板9側とは反対側の主面を覆っていない。第2樹脂層は、電気絶縁性を有する。第2樹脂層16は、樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を含む。第2樹脂層16は、樹脂の他にフィラーを含んでいてもよい。第2樹脂層16の材料は、第1樹脂層6の材料と同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
【0048】
外部シールド電極7は、第1樹脂層6と実装基板9とを覆っている。より詳細には、外部シールド電極7は、第1樹脂層6の主面61及び外周面63と、実装基板9の外周面93と、第2樹脂層16の外周面167と、を覆っている。高周波モジュール100では、第2樹脂層16における実装基板9側とは反対側の主面166は、外部シールド電極7に覆われておらず、露出している。
【0049】
外部シールド電極7は、導電性を有する。高周波モジュール100では、外部シールド電極7は、高周波モジュール100の内外の電磁シールドを目的として設けられているシールド層である。外部シールド電極7は、実装基板9の有するグランド層の外周面の少なくとも一部と接触している。これにより、外部シールド電極7の電位をグランド層の電位と同じにすることができる。外部シールド電極7は、複数の金属層が積層された多層構造を有するが、多層構造に限らず、1つの金属層であってもよい。金属層は、1又は複数種の金属を含む。
【0050】
(3)第1電子部品及び第2電子部品の構造
図3に示すように、第1電子部品1及び第2電子部品2の各々は、基板10と、回路部103と、複数のバンプ電極104(
図3では、複数のバンプ電極104のうち1つだけ見えている)と、を有する。基板10は、基板10の厚さ方向において互いに対向する第1主面101及び第2主面102を有する。回路部103は、基板10の第1主面101に形成されている。複数のバンプ電極104は、回路部103に接続されている。第1電子部品1では、第1電子部品1の有する基板10の第2主面102が、第1電子部品1の天面11を構成している。また、第2電子部品2では、第2電子部品2の有する基板10の第2主面102が、第2電子部品2の天面21を構成している。
【0051】
第1電子部品1及び第2電子部品2は、複数のバンプ電極104により実装基板9に接続されている。
【0052】
第1電子部品1がICチップ(例えば、パワーアンプ171)の場合、基板10は、例えば、シリコン基板、GaAs基板又はSOI(Silicon On Insulator)基板を含む。また、第1電子部品1がICチップの場合、第1電子部品1は、絶縁層105と、複数のパッド電極106と、を有する。絶縁層105は、基板10の第1主面101上に形成されている。絶縁層105は、例えば、層間絶縁膜と、パッシベーション膜と、を含む。回路部103は、基板10における第1主面101と第2主面102とのうち第1主面101側の領域内と絶縁層105内とにわたって形成されている。第1電子部品1がパワーアンプ171の場合、回路部103は、複数のトランジスタを含む。複数のパッド電極106は、回路部103と接続されている。第1電子部品1を構成するICチップは、例えば、複数のパッド電極106に一対一に接続された複数のバンプ電極104により実装基板9に接続されている。各バンプ電極104の材料は、例えば、はんだである。
【0053】
第2電子部品2が弾性波フィルタを含む電子部品(一例では電子部品E2)の場合、基板10は、例えば、圧電性基板を含む。圧電性基板は、例えば、圧電基板である。圧電基板は、例えば、リチウムタンタレート基板又はリチウムニオベイト基板である。圧電性基板は、圧電基板に限らず、例えば、圧電体層を含む積層型基板であってもよい。積層型基板は、例えば、シリコン基板と、シリコン基板上の窒化ケイ素膜と、窒化ケイ素膜上の酸化ケイ素膜と、酸化ケイ素膜上の圧電体層と、を含む。圧電体層の材料は、例えば、リチウムタンタレート又はリチウムニオベイト基板である。また、回路部103は、基板10の第1主面101上に形成されている複数のIDT電極107と、基板10の第1主面101上に形成されている複数の配線部168と、を含む。
図3では、複数のIDT電極107のうち1つのIDT電極107だけが見えている。また、
図3では、複数の配線部168のうち1つの配線部168だけが見えている。また、電子部品E2は、スペーサ層108と、カバー部材109と、複数の貫通電極169と、を含む。
図3では、複数の貫通電極169のうち1つの貫通電極169だけが見えている。第2電子部品2を構成する電子部品E2では、複数の貫通電極169に一対一に接続された複数の複数のバンプ電極104により実装基板9に接続されている。各バンプ電極104の材料は、例えば、はんだである。
【0054】
スペーサ層108は、基板10の第1主面101上に形成されている。スペーサ層108は、平面視において、基板10の外縁に沿って形成されている。基板10の厚さ方向からの平面視で、スペーサ層108は、矩形枠状である。スペーサ層108は、基板10の厚さ方向からの平面視で、複数のIDT電極107を囲んでいる。スペーサ層108は、電気絶縁性を有する。スペーサ層108の材料は、エポキシ樹脂、ポリイミド等である。
【0055】
カバー部材109は、平板状である。カバー部材109は、基板10の厚さ方向において基板10に対向するようにスペーサ層108上に配置されている。カバー部材109は、基板10の厚さ方向において複数のIDT電極107と重複し、かつ、基板10の厚さ方向において複数のIDT電極107から離れている。カバー部材109は、電気絶縁性を有する。カバー部材109の材料は、エポキシ樹脂、ポリイミド等である。電子部品E2は、基板10の第1主面101とスペーサ層108とカバー部材109とで囲まれた空間S2を有する。空間S2には、気体が入っている。気体は、空気、不活性ガス(例えば、窒素ガス)等である。
【0056】
(4)第1電子部品と第2電子部品とシールド部材との関係
第1電子部品1、第2電子部品2及びシールド部材5は、実装基板9の主面91に配置されている。シールド部材5は、第1電子部品1と第2電子部品2との間に位置している。また、シールド部材5は、第1電子部品1及び第2電子部品2と隣接している。「シールド部材5は、第1電子部品1と第2電子部品2との間に位置している」とは、実装基板9の厚さ方向D1からの平面視において第1電子部品1の任意の点と第2電子部品2の任意の点とを結ぶ線分の群のうち少なくとも1つの線分がシールド部材5を通ることを意味する。「シールド部材5は、第1電子部品1及び第2電子部品2と隣接している」とは、シールド部材5と第1電子部品1との間に他の電子部品が配置されることなく、かつ、シールド部材5と第2電子部品2との間に他の電子部品が配置されることなく、シールド部材5と第1電子部品1及び第2電子部品2とが配置されていることを意味する。シールド部材5は、例えば、実装基板9の有するグランド層に接続されている。シールド部材5は、第1電子部品1から第2電子部品2への電磁ノイズの影響及び第2電子部品2から第1電子部品1への電磁ノイズの影響を低減する機能を有する。また、シールド部材5は、高周波モジュール100の外部からの電磁ノイズの影響を低減する機能を有する。
【0057】
高周波モジュール100では、シールド部材5は、略球状である。実装基板9の厚さ方向D1からの平面視で、シールド部材5は、円形状である。高周波モジュール100では、第1電子部品1がパワーアンプ171であり、第2電子部品2が電子部品E2である場合、実装基板9の主面91からシールド部材5の頂部51までの第1高さH1は、実装基板9の主面91から第1電子部品1の天面11までの第2高さH2よりも低い。また、高周波モジュール100では、実装基板9の主面91からシールド部材5の頂部51までの高さH1は、実装基板9の主面91から第2電子部品2の天面21までの第3高さH3よりも低い。シールド部材5の頂部51は、シールド部材5の表面のうち実装基板9の厚さ方向D1において実装基板9の主面91から最も遠い部分である。
【0058】
また、高周波モジュール100では、
図3に示すように、第1高さH1は、実装基板9の主面91から第1電子部品1の基板10の第1主面101までの高さH5よりも高い。また、第1高さH1は、実装基板9の主面91から第2電子部品2の基板10の第1主面101までの高さH5よりも高い。
【0059】
また、高周波モジュール100では、第1電子部品1と第2電子部品2との間に2つのシールド部材5が配置されている。つまり、高周波モジュール100は、2つのシールド部材5を備える。高周波モジュール100では、実装基板9は、2つのシールド部材5に一対一に対応する2つのランド電極94を有する。2つのシールド部材5の各々は、2つのランド電極94のうち対応するランド電極94に配置されている。
【0060】
高周波モジュール100では、第1高さH1が第2高さH2と第3高さH3との少なくとも一方よりも高ければよい。
【0061】
また、第1電子部品1と第2電子部品2との組み合わせは、パワーアンプ171と電子部品E2との組み合わせだけに限らない。第1電子部品1と第2電子部品2との組み合わせは、例えば、パワーアンプ171と電子部品E1との組み合わせ、又はパワーアンプ171とローノイズアンプ161との組み合わせであってもよく、いずれの組み合わせの場合も、第1電子部品1と第2電子部品2との間に位置しているはんだバンプ50がシールド部材5を構成する。
【0062】
(5)効果
実施形態1に係る高周波モジュール100は、実装基板9と、第1電子部品1及び第2電子部品2と、シールド部材5と、を備える。実装基板9は、主面91を有する。第1電子部品1及び第2電子部品2は、実装基板9の主面91に配置されている。シールド部材5は、実装基板9の主面91に配置されている。シールド部材5は、第1電子部品1と第2電子部品2との間に位置している。シールド部材5は、第1電子部品1及び第2電子部品2と隣接している。実装基板9の主面91からシールド部材5の頂部51までの第1高さH1は、実装基板9の主面91から第1電子部品1の天面11までの第2高さH2と、実装基板9の主面91から第2電子部品2の天面21までの第3高さH3との少なくとも一方よりも低い。
【0063】
上記構成によれば、小型化を図ることが可能となる。実施形態1に係る高周波モジュール100は、第1高さH1が第2高さH2と第3高さH3との少なくとも一方よりも低いので、第1電子部品1と第2電子部品2との間にシールド部材5が配置された構成を採用しながらも小型化を図ることが可能となる。
【0064】
また、高周波モジュール100では、第1高さH1は、第2高さH2及び第3高さH3の両方よりも低い。
【0065】
上記の構成によれば、より小型化を図ることが可能となる。
【0066】
また、高周波モジュール100では、第1高さH1は、実装基板9の主面91から第1電子部品1及び第2電子部品2の各々の基板10の第1主面101までの高さH5よりも高い。
【0067】
上記構成により、第1電子部品1及び第2電子部品2の少なくとも一方の回路部103で発生する磁界をシールド部材5によって遮ることができ、第1電子部品1の回路部103と第2電子部品2の回路部103とのアイソレーションを向上させつつ小型化を図ることが可能となる。
【0068】
また、高周波モジュール100では、第1電子部品1は、送信系電子部品であり、第2電子部品2は、受信系電子部品である。
【0069】
上記構成によれば、第1電子部品1である送信系電子部品と第2電子部品2である受信系電子部品とのアイソレーションを向上させつつ小型化を図ることが可能となる。
【0070】
なお、
図3においてランド電極94は実装基板9の内部に埋設するような構造となっているが、実装基板9の主面91上に配置されていてもよい。そのような構成の場合でも第1高さH1、第2高さH2及び第3高さH3は、実装基板9の主面91を基準とした高さになるため、第1高さH1ないし第3高さH3はランド電極94の実装基板9の厚さ方向D1の厚みが追加された値となる。
【0071】
(実施形態2)
実施形態2に係る高周波モジュール100について、
図5を参照して説明する。実施形態2に係る高周波モジュール100に関し、実施形態1に係る高周波モジュール100(
図1~
図4参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
実施形態2に係る高周波モジュール100は、
図5に示すように、実装基板9の厚さ方向D1において実装基板9の有するグランド電極95の一部がシールド部材5と重なるように配置されている点で、実施形態1に係る高周波モジュール100と相違する。シールド部材5とグランド電極95とは、実装基板9の厚さ方向D1においてシールド部材5に重なるビア導体96により接続されている。
【0073】
実施形態2に係る高周波モジュール100は、実施形態1に係る高周波モジュール100と同様、第1高さH1が第2高さH2及び第3高さH3の少なくとも一方よりも低いので、小型化を図ることが可能となる。
【0074】
また、実施形態2に係る高周波モジュール100では、実装基板9のグランド電極95は、実装基板9の厚さ方向D1においてランド電極94と第4主面92との間で、ランド電極94及び第4主面92から離隔して配置されている。ビア導体96は、ランド電極94とグランド電極95とを接続している。
【0075】
上記構成によれば、第1電子部品1と第2電子部品2との少なくとも一方で発生する磁界の実装基板9内での拡がりを抑制することが可能となる。
【0076】
(実施形態3)
実施形態3に係る高周波モジュール100について、
図6を参照して説明する。実施形態3に係る高周波モジュール100に関し、実施形態1に係る高周波モジュール100(
図1~
図4参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
実施形態3に係る高周波モジュール100では、シールド部材5の形状が、実施形態1に係る高周波モジュール100のシールド部材5の形状と相違する。実施形態3に係る高周波モジュール100では、シールド部材5は、実装基板9の厚さ方向D1にスタックされている2つのはんだバンプ50を含む。
【0078】
実施形態3に係る高周波モジュール100は、実施形態1に係る高周波モジュール100と同様、第1高さH1が第2高さH2及び第3高さH3の少なくとも一方よりも低いので、小型化を図ることが可能となる。
【0079】
実施形態3に係る高周波モジュール100は、シールド部材5において2つのはんだバンプ50がスタックされているので、実施形態1と比べて、はんだバンプ50のサイズを小さくでき、シールド部材5と第1電子部品1との間の距離、及び、シールド部材5と第2電子部品2との間の距離それぞれを短くすることが可能となり、より小型化を図ることが可能となる。
【0080】
(実施形態4)
実施形態4に係る高周波モジュール100について、
図7を参照して説明する。実施形態4に係る高周波モジュール100に関し、実施形態3に係る高周波モジュール100(
図6参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
実施形態4に係る高周波モジュール100は、シールド部材5に含まれる2つのはんだバンプ50の各々が、銅コア入りのはんだバンプにより構成されている点で、実施形態3に係る高周波モジュール100と相違する。
【0082】
実施形態4に係る高周波モジュール100は、実施形態3に係る高周波モジュール100と同様、第1高さH1が第2高さH2及び第3高さH3の少なくとも一方よりも低いので、小型化を図ることが可能となる。
【0083】
また、実施形態4に係る高周波モジュール100は、シールド部材5に含まれる2つのはんだバンプ50の各々が、銅コア入りのはんだバンプにより構成されているので、実施形態3と比べて、実装基板9の主面91からシールド部材5の頂部51までの第1高さH1の精度を向上させることが可能となる。
【0084】
(実施形態5)
実施形態5に係る高周波モジュール100について、
図8を参照して説明する。実施形態5に係る高周波モジュール100に関し、実施形態1に係る高周波モジュール100(
図1~
図4参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、
図8では、第1樹脂層6(
図1参照)及び外部シールド電極7(
図1参照)の図示を省略してある。
【0085】
実施形態5に係る高周波モジュール100では、第1電子部品1と第2電子部品2とが実装基板9の厚さ方向D1(以下、第1方向D1ともいう)に直交する第2方向D2において並んでいる。実施形態5に係る高周波モジュール100は、実装基板9の厚さ方向D1からの平面視で、シールド部材5の形状が楕円形状である点で、実施形態1に係る高周波モジュール100と相違する。シールド部材5は、楕円形状の短軸が第2方向D2に平行となり、楕円形状の長軸が第2方向D2に直交するように配置されている。「楕円形状の短軸が第2方向D2に平行」とは、厳密に平行である場合のみに限らず、楕円形状の短軸と、第2方向D2とのなす角度が10度以下でもよい。「楕円形状の長軸が第2方向D2に直交する」とは、厳密に直交する場合のみに限らず、楕円形状の長軸と第2方向D2とのなす角度が80度以上100度以下でもよい。
【0086】
実施形態5に係る高周波モジュール100は、実施形態1に係る高周波モジュール100と同様、第1高さH1が第2高さH2及び第3高さH3の少なくとも一方よりも低いので、小型化を図ることが可能となる。
【0087】
また、実施形態5に係る高周波モジュール100は、シールド部材5の平面視形状が楕円形状なので、実施形態1に係る高周波モジュール100と比べて、1つのシールド部材5によるシールド性を向上させることが可能となる。
【0088】
(実施形態6)
実施形態6に係る高周波モジュール100について、
図9及び
図10を参照して説明する。実施形態6に係る高周波モジュール100に関し、実施形態2に係る高周波モジュール100(
図5参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、
図9では、第1樹脂層6(
図10参照)及び外部シールド電極7(
図10参照)の図示を省略してある。
【0089】
実施形態6に係る高周波モジュール100では、
図9及び
図10に示すように、実装基板9は、2つの導体部98と、レジスト層97と、を含む。
【0090】
導体部98は、複数のランド電極94のうち少なくとも2つのランド電極94を含む。レジスト層97は、導体部98上に設けられており、少なくとも2つの開口部971を有する。レジスト層97は、例えば、ソルダーレジスト層である。レジスト層97の材料は、導体部98よりもはんだ濡れ性が低い材料である。レジスト層97の材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、或いはエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0091】
少なくとも2つのランド電極94は、少なくとも2つの開口部971に一対一に対応し、導体部98のうち少なくとも2つの開口部971により露出している部分である。ビア導体96は、少なくとも2つのランド電極94に共通であり、導体部98とグランド電極95とを接続している。
【0092】
実施形態6に係る高周波モジュール100は、実施形態2に係る高周波モジュール100と同様、第1高さH1が第2高さH2及び第3高さH3の少なくとも一方よりも低いので、小型化を図ることが可能となる。
【0093】
また、実施形態6に係る高周波モジュール100は、ビア導体96が少なくとも2つのランド電極94に共通であり、導体部98とグランド電極95とを接続しているので、シールド性の向上を図りつつ実装基板9内の配線レイアウトの自由度が高くなる。
【0094】
(実施形態7)
実施形態7に係る高周波モジュール100について、
図11及び
図12を参照して説明する。実施形態7に係る高周波モジュール100に関し、実施形態1に係る高周波モジュール100(
図1~
図4参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、
図11では、第1樹脂層6(
図12参照)及び外部シールド電極7(
図12参照)の図示を省略してある。
【0095】
実施形態7に係る高周波モジュール100は、第3電子部品3及び第4電子部品4を備える。第3電子部品3及び第4電子部品4は、実装基板9の主面91に配置されている。実施形態7に係る高周波モジュール100では、パワーアンプ172が第1電子部品1の一例であり、入力整合回路182の複数の回路素子のうち1つの回路素子が第2電子部品2の一例である。また、実施形態7に係る高周波モジュール100では、入力整合回路182の複数の回路素子のうち1つの回路素子が第3電子部品3の一例であり、パワーアンプ171が第4電子部品4の一例である。
【0096】
また、実施形態7に係る高周波モジュール100は、接続用シールド部材8を更に備える。接続用シールド部材8は、実装基板9の主面91において第3電子部品3と第4電子部品4との間に配置されている。実装基板9の主面91から第3電子部品3の天面31までの第4高さH4は、実装基板9の主面91から第1電子部品1の天面11までの第2高さH2(
図1参照)及び実装基板9の主面91から第2電子部品2の天面21までの第3高さH3(
図1参照)よりも高い。接続用シールド部材8は、外部シールド電極7に接続されている。接続用シールド部材8は、例えば、シールド部材5は、実装基板9の厚さ方向D1にスタックされている2つのはんだバンプ50を含む。
【0097】
実施形態6に係る高周波モジュール100は、実施形態2に係る高周波モジュール100と同様、第1高さH1が第2高さH2及び第3高さH3の少なくとも一方よりも低いので、小型化を図ることが可能となる。
【0098】
また、実施形態6に係る高周波モジュール100は、接続用シールド部材8を備え、接続用シールド部材8が外部シールド電極7に接続されているので、シールド性を更に向上させることが可能となる。
【0099】
(実施形態8)
実施形態8に係る高周波モジュール100について、
図13及び
図14を参照して説明する。実施形態8に係る高周波モジュール100に関し、実施形態1に係る高周波モジュール100(
図1~
図4参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、
図13では、第1樹脂層6(
図14参照)及び外部シールド電極7(
図14参照)の図示を省略してある。
【0100】
実施形態8に係る高周波モジュール100は、実装基板9の厚さ方向D1からの平面視でシールド部材5がL字状である点で、実施形態1に係る高周波モジュール100と相違する。シールド部材5は、はんだバンプである。実施形態8では、L字状のシールド部材5が、第1電子部品1の外縁に含まれる4辺のうち隣り合う2辺に沿って配置されている。実施形態8に係る高周波モジュール100では、第1電子部品1と第2電子部品2とが実装基板9の厚さ方向D1(以下、第1方向D1ともいう)に直交する第2方向D2において並んでいる。シールド部材5は、第2方向D2における幅W5よりも第1高さH1のほうが長い。
【0101】
実施形態8に係る高周波モジュール100は、実施形態1に係る高周波モジュール100と同様、第1高さH1が第2高さH2及び第3高さH3の少なくとも一方よりも低いので、小型化を図ることが可能となる。
【0102】
実施形態8に係る高周波モジュール100は、実施形態1と比べて、第2方向D2におけるシールド部材5の幅を狭くすることができ、シールド部材5と第1電子部品1との間の距離、及び、シールド部材5と第2電子部品2との間の距離それぞれを短くすることが可能となり、より小型化を図ることが可能となる。
【0103】
実施形態8では、実装基板9の厚さ方向D1からの平面視で、シールド部材5が、第1電子部品1の外縁に含まれる4辺のうち隣り合う2辺に沿って配置されているL字状であるが、L字状に限らず、4辺のうち3辺に沿って配置されているU字状であってもよい。
【0104】
(実施形態9)
実施形態9に係る高周波モジュール100について、
図15を参照して説明する。実施形態9に係る高周波モジュール100に関し、実施形態1に係る高周波モジュール100(
図1~
図4参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。なお、
図15では、第1樹脂層6(
図1参照)及び外部シールド電極7(
図2参照)の図示を省略してある。
【0105】
実施形態9に係る高周波モジュール100は、第1電子部品1がパワーアンプ171であり、第2電子部品2が出力整合回路192の複数の回路素子のうちの1つである点で、実施形態1に係る高周波モジュール100と相違する。また、実施形態9に係る高周波モジュール100は、シールド部材5が長方形状である点で、実施形態1に係る高周波モジュール100と相違する。シールド部材5は、はんだバンプである。シールド部材5は、実装基板9の厚さ方向D1からの平面視でシールド部材5の長手方向が第1電子部品1と第2電子部品2との並んでいる方向と交差するように配置されている。
【0106】
実施形態9に係る高周波モジュール100は、実施形態1に係る高周波モジュール100と同様、第1高さH1が第2高さH2及び第3高さH3の少なくとも一方よりも低いので、小型化を図ることが可能となる。
【0107】
(実施形態10)
実施形態10に係る高周波モジュール100Aについて、
図16及び
図17を参照して説明する。実施形態10に係る高周波モジュール100Aに関し、実施形態1に係る高周波モジュール100(
図1~
図4参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0108】
実施形態10に係る高周波モジュール100Aは、放熱部材15を更に備える点で、実施形態1に係る高周波モジュール100と相違する。放熱部材15は、第1電子部品1とシールド部材5との間に介在する部分を含む。実施形態10では、実装基板9の厚さ方向D1からの平面視で、放熱部材15は、L字状であり、第1電子部品1の4つの側面のうち隣り合う2つの側面に接している。また、放熱部材15は、第1電子部品1の上記2つの側面に対向している複数のはんだバンプ50に接している。なお、放熱部材15は、第1電子部品1の天面11の少なくとも一部にも形成されていてもよい。
【0109】
放熱部材15は、熱伝導性及び電気絶縁性を有する。放熱部材15の材料は、例えば、TIM(Thermal Interface Material)を含む。放熱部材15は、熱伝導シートである。熱伝導シートは、例えば、樹脂と、樹脂に充填されたフィラーと、を含むシート状の部材である。フィラーは、例えば、窒化アルミニウム、窒化ボロン、カーボンナノチューブ又はグラフェンを含む。放熱部材15は、熱伝導シートに限らず、例えば、熱伝導グリースでもよい。
【0110】
実施形態10に係る高周波モジュール100Aは、実施形態1に係る高周波モジュール100と同様、第1高さH1が第2高さH2及び第3高さH3の少なくとも一方よりも低いので、小型化を図ることが可能となる。
【0111】
また、実施形態10に係る高周波モジュール100Aは、放熱部材15を備えるので、放熱性を向上させることが可能となり、第1電子部品1の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0112】
(実施形態11)
実施形態11に係る高周波モジュール100Aについて、
図18を参照して説明する。実施形態11に係る高周波モジュール100Aに関し、実施形態10に係る高周波モジュール100A(
図16及び
図17参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0113】
実施形態11に係る高周波モジュール100Aは、放熱部材15が、第1電子部品1の天面11及び4つの側面を覆っている点で、実施形態10に係る高周波モジュール100Aと相違する。
【0114】
実施形態11に係る高周波モジュール100Aは、実施形態10に係る高周波モジュール100と同様、第1高さH1が第2高さH2及び第3高さH3の少なくとも一方よりも低いので、小型化を図ることが可能となる。
【0115】
また、実施形態11に係る高周波モジュール100Aは、放熱部材15が第1電子部品1の天面11及び4つの側面を覆っているので、実施形態10に係る高周波モジュール100と比べて、放熱性を向上させることが可能となる。
【0116】
(実施形態12)
実施形態12に係る高周波モジュール100Aについて、
図19を参照して説明する。実施形態12に係る高周波モジュール100Aに関し、実施形態10に係る高周波モジュール100A(
図16及び
図17参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0117】
実施形態12に係る高周波モジュール100Aは、シールド部材5の形状が、実施形態10に係る高周波モジュール100Aのシールド部材5の形状と相違する。実施形態12に係る高周波モジュール100Aでは、シールド部材5は、実装基板9の厚さ方向D1にスタックされている2つのはんだバンプ50を含む。
【0118】
実施形態12に係る高周波モジュール100Aは、実施形態10に係る高周波モジュール100と同様、第1高さH1が第2高さH2及び第3高さH3の少なくとも一方よりも低いので、小型化を図ることが可能となる。
【0119】
実施形態12に係る高周波モジュール100Aは、シールド部材5において2つのはんだバンプ50がスタックされているので、実施形態10と比べて、はんだバンプ50のサイズを小さくでき、シールド部材5と第1電子部品1との間の距離、及び第2電子部品2との間の距離それぞれを短くすることが可能となり、より小型化を図ることが可能となる。
【0120】
(実施形態13)
実施形態13に係る高周波モジュール100Aについて、
図20及び
図21を参照して説明する。実施形態13に係る高周波モジュール100Aに関し、実施形態10に係る高周波モジュール100A(
図16及び
図17参照)と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0121】
実施形態13に係る高周波モジュール100Aは、実装基板9の厚さ方向D1からの平面視でシールド部材5がL字状である点で、実施形態10に係る高周波モジュール100Aと相違する。シールド部材5は、はんだバンプである。実施形態13では、L字状のシールド部材5が、第1電子部品1の外縁に含まれる4辺のうち隣り合う2辺に沿って配置されている。実施形態13では、L字状の放熱部材15が、L字状のシールド部材5と第1電子部品1の2つの側面との間に介在している。
【0122】
実施形態13に係る高周波モジュール100Aでは、第1電子部品1と第2電子部品2とが実装基板9の厚さ方向D1(以下、第1方向D1ともいう)に直交する第2方向D2において並んでいる。シールド部材5は、第2方向D2における幅W5よりも第1高さH1のほうが長い。
【0123】
実施形態13に係る高周波モジュール100Aは、実施形態10に係る高周波モジュール100Aと同様、第1高さH1が第2高さH2及び第3高さH3の少なくとも一方よりも低いので、小型化を図ることが可能となる。
【0124】
また、実施形態13に係る高周波モジュール100Aは、シールド部材5がL字状なので、実施形態10と比べて放熱性を向上させることが可能となる。
【0125】
上記の実施形態1~13等は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態1~13等は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0126】
例えば、弾性波フィルタに含まれる複数の弾性波共振子の各々は、SAW共振子に限らず、BAW(Bulk Acoustic Wave)共振子であってもよい。この場合、例えば、第2電子部品2の基板10は、例えば、スピネル基板でもよいし、シリコン基板とシリコン基板上に形成された絶縁膜とを含む基板であってもよい。
【0127】
また、複数の外部接続端子T0の各々は、柱状電極に限らず、例えば、ボールバンプであってもよい。
【0128】
また、複数の外部接続端子T0は、実装基板9の構成要素ではないが、実装基板9の構成要素であってもよい。
【0129】
また、通信装置300は、実施形態1に係る高周波モジュール100の代わりに、実施形態2~9のいずれかの高周波モジュール100、又は、実施形態10~13のいずれかの高周波モジュール100Aを備えていてもよい。
【0130】
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0131】
第1の態様に係る高周波モジュール(100;100A)は、実装基板(9)と、第1電子部品(1)及び第2電子部品(2)と、シールド部材(5)と、を備える。実装基板(9)は、主面(91)を有する。第1電子部品(1)及び第2電子部品(2)は、実装基板(9)の主面(91)に配置されている。シールド部材(5)は、実装基板(9)の主面(91)に配置されている。シールド部材(5)は、第1電子部品(1)と第2電子部品(2)との間に位置し、第1電子部品(1)及び第2電子部品(2)と隣接している。実装基板(9)の主面(91)からシールド部材(5)の頂部(51)までの第1高さ(H1)は、実装基板(9)の主面(91)から第1電子部品(1)の天面(11)までの第2高さ(H2)と、実装基板(9)の主面(91)から第2電子部品(2)の天面(21)までの第3高さ(H3)と、の少なくとも一方よりも低い。
【0132】
この態様によれば、小型化を図ることが可能となる。
【0133】
第2の態様に係る高周波モジュール(100;100A)では、第1の態様において、第1高さ(H1)は、第2高さ(H2)及び第3高さ(H3)の両方よりも低い。
【0134】
この態様によれば、より小型化を図ることが可能となる。
【0135】
第3の態様に係る高周波モジュール(100;100A)では、第1又は2の態様において、第1電子部品(1)と第2電子部品(2)とのうち少なくとも一方は、基板(10)と、回路部(103)と、複数のバンプ電極(104)と、を有する。基板(10)は、互いに対向する第1主面(101)及び第2主面(102)を有する。回路部(103)は、基板(10)の第1主面(101)に形成されている。複数のバンプ電極(104)は、回路部(103)に接続されている。第1電子部品(1)と第2電子部品(2)とのうち少なくとも一方は、複数のバンプ電極(104)により実装基板(9)に接続されている。第1高さ(H1)は、実装基板(9)の主面(91)から基板(10)の第1主面(101)までの高さ(H5)よりも高い。
【0136】
この態様によれば、第1電子部品(1)の回路部(103)と第2電子部品(2)の回路部(103)とのアイソレーションを向上させつつ小型化を図ることが可能となる。
【0137】
第4の態様に係る高周波モジュール(100;100A)では、第1~3の態様のいずれか一つにおいて、第1電子部品(1)は、送信系電子部品であり、第2電子部品(2)は、受信系電子部品である。
【0138】
この態様によれば、第1電子部品(1)である送信系電子部品と第2電子部品(2)である受信系電子部品とのアイソレーションを向上させつつ小型化を図ることが可能となる。
【0139】
第5の態様に係る高周波モジュール(100;100A)では、第4の態様において、送信系電子部品は、パワーアンプ(171)を含む。
【0140】
第6の態様に係る高周波モジュール(100;100A)は、第4又は5の態様のいずれか一つにおいて、受信系電子部品は、ローノイズアンプ(163,164)を含む。
【0141】
第7の態様に係る高周波モジュール(100;100A)では、第1~6の態様のいずれか一つにおいて、実装基板(9)は、主面(91)である第3主面(91)に対向する第4主面(92)を有する。実装基板(9)は、ランド電極(94)と、グランド電極(95)と、ビア導体(96)と、を含む。ランド電極(94)は、シールド部材(5)が配置されている。グランド電極(95)は、実装基板(9)の厚さ方向(D1)においてランド電極(94)と第4主面(92)との間で、ランド電極(94)及び第4主面(92)から離隔して配置されている。ビア導体(96)は、ランド電極(94)とグランド電極(95)とを接続している。
【0142】
この態様によれば、第1電子部品(1)と第2電子部品(2)との少なくとも一方で発生する磁界の実装基板(9)内での拡がりを抑制することが可能となる。
【0143】
第8の態様に係る高周波モジュール(100;100A)は、第7の態様において、シールド部材(5)を複数備え、ランド電極(94)を複数備える。
【0144】
この態様によれば、シールド性を更に向上させることができる。
【0145】
第9の態様に係る高周波モジュール(100;100A)では、第8の態様において、実装基板(9)は、導体部(98)と、レジスト層(97)と、を含む。導体部(98)は、複数のランド電極(94)のうち少なくとも2つのランド電極(94)を含む。レジスト層(97)は、導体部(98)上に設けられており、少なくとも2つの開口部(971)を有する。少なくとも2つのランド電極(94)は、少なくとも2つの開口部(971)に一対一に対応し、導体部(98)のうち少なくとも2つの開口部(971)により露出している部分である。ビア導体(96)は、少なくとも2つのランド電極(94)に共通であり、導体部(98)とグランド電極(95)とを接続している。
【0146】
この態様によれば、シールド性の向上を図りつつ実装基板(9)内の配線レイアウトの自由度が高くなる。
【0147】
第10の態様に係る高周波モジュール(100;100A)は、第1~9の態様のいずれか一つにおいて、樹脂層(6)と、外部シールド電極(7)と、を更に備える。樹脂層(6)は、実装基板(9)の主面(91)に配置されている。樹脂層(6)は、第1電子部品(1)の少なくとも一部及び第2電子部品(2)の少なくとも一部を覆っている。外部シールド電極(7)は、樹脂層(6)を覆っている。
【0148】
この態様によれば、高周波モジュール(100;100A)の外部からの電磁波ノイズ及び高周波モジュール(100)から外部への電磁波ノイズそれぞれに対するシールド性を向上させることができる。
【0149】
第11の態様に係る高周波モジュール(100;100A)は、第10の態様において、第3電子部品(3)及び第4電子部品(4)と、接続用シールド部材(8)と、を更に備える。第3電子部品(3)及び第4電子部品(4)は、実装基板(9)の主面(91)に配置されている。接続用シールド部材(8)は、実装基板(9)の主面(91)において第3電子部品(3)と第4電子部品(4)との間に配置されている。実装基板(9)の主面(91)から第3電子部品(3)の天面(31)までの第4高さ(H4)は、第2高さ(H2)及び第3高さ(H3)よりも高い。接続用シールド部材(8)は、外部シールド電極(7)に接続されている。
【0150】
この態様によれば、シールド性を更に向上させることが可能となる。
【0151】
第12の態様に係る高周波モジュール(100;100A)では、第1~7の態様のいずれか一つにおいて、実装基板(9)の厚さ方向(D1)からの平面視で、第1電子部品(1)及び第2電子部品(2)の各々の外縁は、矩形状である。実装基板(9)の厚さ方向(D1)からの平面視で、シールド部材(5)は、第1電子部品(1)又は第2電子部品(2)の隣り合う2辺に沿ったL字状である。
【0152】
この態様によれば、シールド性を向上させることが可能となる。
【0153】
第13の態様に係る高周波モジュール(100A)は、第1~12の態様のいずれか一つにおいて、放熱部材(15)を更に備える。放熱部材(15)は、第1電子部品(1)とシールド部材(5)との間に介在する部分を含む。
【0154】
この態様によれば、放熱性を向上させることが可能となる。
【0155】
第14の態様に係る高周波モジュール(100;100A)では、第1~13の態様のいずれか一つにおいて、シールド部材(5)は、はんだバンプを含む。
【0156】
この態様によれば、シールド部材(5)を印刷法等によって容易に形成することができる。
【0157】
第15の態様に係る通信装置(300)は、第1~14の態様のいずれか一つの高周波モジュール(100;100A)と、信号処理回路(301)と、を備える。信号処理回路(301)は、高周波モジュール(100)に接続されている。
【0158】
この態様によれば、小型化を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0159】
1 第1電子部品
11 天面
2 第2電子部品
21 天面
3 第3電子部品
31 天面
4 第4電子部品
41 天面
5 シールド部材
50 はんだバンプ
51 頂部
6 樹脂層
7 外部シールド電極
8 接続用シールド部材
9 実装基板
91 主面(第3主面)
92 第4主面
93 外周面
94 ランド電極
95 グランド電極
96 ビア導体
97 レジスト層
971 開口部
98 導体部
10 基板
101 第1主面
102 第2主面
103 回路部
104 バンプ電極
105 絶縁層
106 パッド電極
107 IDT電極
108 スペーサ層
109 カバー部材
15 放熱部材
16 第2樹脂層
166 主面
167 外周面
CP1 カプラ
110 スイッチ
111 共通端子
112 共通端子
113~116 選択端子
120 スイッチ
121 共通端子
122、123 選択端子
130 スイッチ
131 共通端子
132、133 選択端子
140 スイッチ
141 共通端子
142、143 選択端子
151~154 フィルタ
161~164 ローノイズアンプ
168 配線部
169 貫通電極
171、172 パワーアンプ
181~184 入力整合回路
191、192 出力整合回路
100、100A 高周波モジュール
300 通信装置
301 信号処理回路
302 RF信号処理回路
303 ベースバンド信号処理回路
311 第1アンテナ
312 第2アンテナ
D1 厚さ方向(第1方向)
D2 第2方向
H1 第1高さ
H2 第2高さ
H3 第3高さ
H4 第4高さ
H5 高さ
L1 インダクタ
L2 インダクタ
L3 インダクタ
T0 外部接続端子
T1 第1アンテナ端子
T2 第2アンテナ端子
T3 カプラ端子
T4 信号出力端子
T5 信号出力端子
T6 信号出力端子
T7 信号出力端子
T8 信号入力端子
T9 信号入力端子