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特開2024-158702車両ナンバー読取方法、車両ナンバー読取装置及び車両ナンバー読取プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158702
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】車両ナンバー読取方法、車両ナンバー読取装置及び車両ナンバー読取プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/58 20190101AFI20241031BHJP
【FI】
G06F16/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074107
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】平田 怜
(72)【発明者】
【氏名】高橋 洋平
(72)【発明者】
【氏名】山本 元気
(72)【発明者】
【氏名】和田 健伍
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA02
5B175FB03
5B175HB01
(57)【要約】
【課題】信頼精度が高い読み取り結果を出力可能な車両ナンバー読取方法等を提供する。
【解決手段】車両ナンバー読取方法では、映像を取得し、前記映像の第1のフレームから、車両のナンバーに関する第1の情報を読み取り、前記第1の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出し、前記映像の第2のフレームから、前記車両のナンバーに関する第2の情報を読み取り、前記第2の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出し、前記第1の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアと、前記第2の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアとに基づいて、それぞれの項目毎に前記第1の情報または前記第2の情報のうちのいずれかを選択し、選択された情報で構成される第3の情報を前記車両のナンバーとして出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
映像を取得し、
前記映像の第1のフレームから、車両のナンバーに関する第1の情報を読み取り、
前記第1の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出し、
前記映像の第2のフレームから、前記車両のナンバーに関する第2の情報を読み取り、
前記第2の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出し、
前記第1の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアと、前記第2の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアとに基づいて、それぞれの項目毎に前記第1の情報または前記第2の情報のうちのいずれかを選択し、
選択された情報で構成される第3の情報を前記車両のナンバーとして出力する、
車両ナンバー読取方法。
【請求項2】
前記第1のフレームに写る車両の特徴と前記第2のフレームに写る車両の特徴とに基づいて、それぞれのフレームに写る車両が同一の車両であるかを判定し、
同一の車両であると判定された場合、選択された情報で構成される前記第3の情報を前記車両のナンバーとして出力されるようにする、
請求項1に記載の車両ナンバー読取方法。
【請求項3】
前記第1の情報に含まれる複数の項目の内容と、前記第2の情報に含まれる複数の項目の内容と、を項目ごとに比較し、内容が一致した項目の数が所定以上である場合に、選択された情報で構成される前記第3の情報を前記車両のナンバーとして出力されるようにする、
請求項1に記載の車両ナンバー読取方法。
【請求項4】
前記複数の項目のうち最も正確に読み取り可能な項目の内容が一致している場合に、選択された情報で構成される前記第3の情報を前記車両のナンバーとして出力されるようにする、
請求項1に記載の車両ナンバー読取方法。
【請求項5】
前記第1の情報および前記第2の情報は、陸運支局と、分類番号と、業務種別と、一連番号とを項目として含む、
請求項1から4のいずれかに記載の車両ナンバー読取方法。
【請求項6】
前記スコアは、読み取った情報に対する信頼度を表す、
請求項1から4のいずかに記載の車両ナンバー読取方法。
【請求項7】
前記複数の項目のうち最も正確に読み取り可能な項目についての前記第1のスコア及び前記第2のスコアがいずれも所定の値以上であり、かつ、前記第1の情報が含む当該項目の内容と前記第2の情報が含む当該項目の内容とが異なる場合に、前記第1の車両と前記第2の車両とが同一車両ではないと判定する、
請求項1に記載の車両ナンバー読取方法。
【請求項8】
映像を取得する取得手段と、
前記映像の第1のフレームから車両のナンバーに関する第1の情報を読み取り、前記映像の第2のフレームから前記車両のナンバーに関する第2の情報を読み取る読取手段と、
前記第1の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出し、前記第2の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出する算出手段と、
前記第1の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアと、前記第2の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアとに基づいて、それぞれの項目毎に前記第1の情報または前記第2の情報のうちのいずれかを選択し、選択された情報で構成される第3の情報を前記車両のナンバーとして出力する出力手段と、
を備える、車両ナンバー読取装置。
【請求項9】
映像を取得する処理と、
前記映像の第1のフレームから、車両のナンバーに関する第1の情報を読み取る処理と、
前記第1の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出する処理と、
前記映像の第2のフレームから、前記車両のナンバーに関する第2の情報を読み取る処理と、
前記第2の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出する処理と、
前記第1の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアと、前記第2の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアとに基づいて、それぞれの項目毎に前記第1の情報または前記第2の情報のうちのいずれかを選択する処理と、
選択された情報で構成される第3の情報を前記車両のナンバーとして出力する処理と、
をコンピュータに実行させる、車両ナンバー読取プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両ナンバー読取方法、車両ナンバー読取装置及び車両ナンバー読取プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、走行車両を撮影し、当該車両の車両ナンバーを読み取る技術が開発されている。例えば、特許文献1には、時間軸方向に連続して撮影された複数のフレームのそれぞれから車両ナンバーを読み取り、多数決処理を行って車両ナンバーに関する情報すなわち文字を特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-121892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1では、各フレームの読み取り内容に差異がある場合、多数決処理によって読み取り内容を特定し、出力している。しかしながら、多数決処理によって特定された内容が実際の車両ナンバーの内容と一致している可能性が高いとは一概には言えず、読み取り内容の出力時における信頼精度の向上には改善の余地があった。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、信頼精度が高い読み取り結果を出力可能な車両ナンバーを読み取り可能な車両ナンバー読取方法、車両ナンバー読取装置及び車両ナンバー読取プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る車両ナンバー読取方法は、
コンピュータが、
映像を取得し、
前記映像の第1のフレームから、車両のナンバーに関する第1の情報を読み取り、
前記第1の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出し、
前記映像の第2のフレームから、前記車両のナンバーに関する第2の情報を読み取り、
前記第2の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出し、
前記第1の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアと、前記第2の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアとに基づいて、それぞれの項目毎に前記第1の情報または前記第2の情報のうちのいずれかを選択し、
選択された情報で構成される第3の情報を前記車両のナンバーとして出力する。
【0007】
本開示に係る車両ナンバー読取装置は、
映像を取得する取得部と、
前記映像の第1のフレームから車両のナンバーに関する第1の情報を読み取り、前記映像の第2のフレームから前記車両のナンバーに関する第2の情報を読み取る読取部と、
前記第1の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出し、前記第2の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出する算出部と、
前記第1の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアと、前記第2の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアとに基づいて、それぞれの項目毎に前記第1の情報または前記第2の情報のうちのいずれかを選択し、選択された情報で構成される第3の情報を前記車両のナンバーとして出力する出力部と、
を備える。
【0008】
本開示に係る車両ナンバー読取プログラムは、
映像を取得する処理と、
前記映像の第1のフレームから、車両のナンバーに関する第1の情報を読み取る処理と、
前記第1の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出する処理と、
前記映像の第2のフレームから、前記車両のナンバーに関する第2の情報を読み取る処理と、
前記第2の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出する処理と、
前記第1の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアと、前記第2の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアとに基づいて、それぞれの項目毎に前記第1の情報または前記第2の情報のうちのいずれかを選択する処理と、
選択された情報で構成される第3の情報を前記車両のナンバーとして出力する処理と、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、信頼精度が高い読み取り結果を出力可能な車両ナンバー読取方法、車両ナンバー読取装置及び車両ナンバー読取プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係る車両ナンバー読取装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1に係る車両ナンバー読取方法の流れの一例を示すフローチャートである。
図3】実施形態2に係る車両ナンバー読取システムの構成を示すブロック図である。
図4】実施形態2に係る車両ナンバー読取装置の構成を示すブロック図である。
図5】ナンバープレートの一例を示す図である。
図6】実施形態2に係る車両ナンバー読取装置の一動作例を示すフローチャートである。
図7】同一車両判定処理の一例の流れを示すフローチャートである。
図8】同一車両判定処理の一例の流れを示すフローチャートである。
図9】同一車両判定処理の一例の流れを示すフローチャートである。
図10】同一車両判定処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0012】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る車両ナンバー読取装置の構成を示すブロック図である。車両ナンバー読取装置100は、取得部110、読取部120、算出部130及び出力部150を備える。
【0013】
取得部110は、撮影装置(不図示)が撮影した映像を取得する。撮影装置は、道路等を撮影するカメラである。撮影装置が撮影した映像には、車両のナンバープレートが写っているものとする。映像は、連続して撮影された複数のフレームを含む。すなわち、映像が含む複数のフレームには、車両のナンバープレートが写っている。尚、車両は、ナンバープレートを装着して道路上を走行する移動体であり、例えば、自動車、バイク及び電動キックボード等である。
【0014】
読取部120は、取得部110が取得した映像に含まれる複数のフレームのそれぞれから車両のナンバーに関する情報を読み取る。車両のナンバーに関する情報は、フレームに写っているナンバープレートに記載されている情報である。車両のナンバーに関する情報は、複数の項目を含んでいる。複数の項目は、具体的には、陸運支局、分類番号、業務種別及び一連番号等である。
【0015】
算出部130は、読取部120が読み取ったナンバーに関する情報が含む複数の項目のそれぞれについてスコアを算出する。スコアは、読み取った情報に対する信頼度を数値化したものであり、数値が高いほど読み取った情報が正確な情報であることを示す。スコアを算出する方法は特に限定されず、既存の技術によって算出される。
【0016】
映像が含む複数のフレームのうち2以上のフレームに車両が写っていることがある。この場合、読取部120は、車両が写っているフレームのそれぞれにおいて車両のナンバーに関する情報を読み取る。また、算出部130は、車両が写っているフレームにおいて読み取られた車両のナンバーに関する情報のそれぞれについてスコアを算出する。
【0017】
以下、読取部120が車両のナンバーに関する情報を読み取ったフレームのうちの1つを「第1のフレーム」と称することがある。また、読取部120が車両のナンバーに関する情報を読み取ったフレームであり、かつ、第1のフレームとは異なるフレームを「第2のフレーム」と称することがある。また、第1のフレームについて読取部120が読み取った情報を「第1の情報」と称し、第2のフレームについて読取部120が読み取った情報を「第2の情報」と称することがある。また、第1のフレームに写っている車両を「第1の車両」と称し、第2のフレームに写っている車両を「第2の車両」と称することがある。また、第1のフレームについて算出部130が算出したスコアを「第1のスコア」と称し、第2のフレームについて算出部130が算出したスコアを「第2のスコア」と称することがある。
【0018】
出力部150は、第1のスコアと第2のスコアとに基づいて、それぞれの項目毎に前記第1の情報または前記第2の情報のうちのいずれかを選択し、選択された情報で構成される第3の情報を前記車両のナンバーとして出力する。すなわち、第3の情報は、複数の項目のそれぞれについて、第1の情報及び第2の情報のうち信頼度が高い方が選択されたものである。
【0019】
図2は、実施形態1に係る車両ナンバー読取方法の流れを示すフローチャートである。まず、取得部110は、撮影装置から車両が写っている映像を取得する(ステップS101)。読取部120は、ステップS101において取得された映像が含む複数のフレームのうちの1つすなわち第1のフレームから第1の車両に関する第1の情報を読み取る(ステップS102)。次に、算出部130は、第1の情報が含む複数の項目のそれぞれについて、第1のスコアを算出する(ステップS103)。
【0020】
次に、読取部120は、ステップS102において第1の情報を読み取った第1のフレームとは異なる第2のフレームから第2の車両に関する第2の情報を読み取る(ステップS104)。次に、算出部130は、第2の情報が含む複数の項目のそれぞれについて、第2のスコアを算出する(ステップS105)。次に、出力部150は、第1のスコアと第2のスコアとに基づいて、それぞれの項目毎に前記第1の情報または前記第2の情報のうちのいずれかを選択し、選択された情報で構成される第3の情報を前記車両のナンバーとして出力する(ステップS106)。
【0021】
なお、上記の処理順序は、あくまでも一例であり、処理の順番を限定するものではない。例えば、第1のフレームから第1の車両に関する第1の情報を読み取った後に、ステップS103の実行よりも先に第1の情報を読み取った第1のフレームとは異なる第2のフレームから第2の車両に関する第2の情報を読み取る処理を行うようにしてもよい。また、ステップS102とステップS104とを並列に実行するようにしてもよい。同様に、ステップS103とステップS105を並列に実行するようにしてもよい。また、各ステップの処理順序を入れ替えるようにしてもよい。
【0022】
このように、実施形態1に係る車両ナンバー読取方法では、読み取った情報が含む複数の項目のそれぞれについてスコアを算出し、各項目のそれぞれにおいてスコアが高い読み取り結果すなわち信頼精度が高い読み取り結果を第3の情報をして採用する。そのため、信頼度の高い読み取り結果を出力することができる。
【0023】
尚、車両ナンバー読取装置100は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備えるものである。また、当該記憶装置には、本実施形態にかかる車両ナンバー読取方法の処理が実装されたコンピュータプログラムが記憶されている。そして、当該プロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムを前記メモリへ読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行する。これにより、前記プロセッサは、取得部110、読取部120、算出部130、判定部140及び出力部150の機能を実現する。
【0024】
または、車両ナンバー読取装置100の各構成要素は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0025】
また、車両ナンバー読取装置100の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、車両ナンバー読取装置100の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0026】
<実施形態2>
図3は、実施形態2に係る車両ナンバー読取システム200の構成を示すブロック図である。車両ナンバー読取システム200は、車両に装着されたナンバープレートに記載された情報を読み取る情報システムである。車両ナンバー読取システム200は、撮影装置300及び車両ナンバー読取装置400を備える。撮影装置300及び車両ナンバー読取装置400は、ネットワーク500を介して通信可能に接続されている。ここで、ネットワーク500は、有線通信回線であってもよく、無線通信回線であってもよく、インターネットを含んでも良い。
【0027】
撮影装置300は、ナンバープレートを含む車両を撮影するカメラである。撮影装置300を設置する場所は、車両を撮影可能な位置であれば特に限定されない。撮影装置300は、例えば、道路脇の電信柱等に取り付けられてもよい。また、撮影装置300は、車載用カメラ等の持ち運び可能なカメラであってもよい。
【0028】
次に、図4を参照して実施形態2に係る車両ナンバー読取装置400の構成を説明する。図4は、実施形態2に係る車両ナンバー読取装置400の構成を示すブロック図である。車両ナンバー読取装置400は、上述した車両ナンバー読取装置100の一例である。車両ナンバー読取装置400は、車両ナンバー読取処理等を行う情報処理装置であり、例えば、コンピュータにより実現されるサーバ装置である。車両ナンバー読取装置400は、複数台のサーバに冗長化されてもよく、各機能ブロックが複数台のコンピュータによって実現されてもよい。また、車両ナンバー読取装置400は、持ち運び可能な装置であってもよい。車両ナンバー読取装置400は、メモリ410、通信部420、記憶部430及び制御部440を備える。
【0029】
メモリ410は、制御部440の処理内容を一時的に記憶する記憶領域であり、例えばRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置である。通信部420は、車両ナンバー読取装置400の外部との通信を行うインターフェースである。記憶部430は、プログラム431等を記憶する記憶装置である。プログラム431は、本実施形態に係る車両ナンバー読取処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0030】
制御部440は、取得部441、読取部442、算出部443、判定部444及び出力部445を備える。制御部440は、車両ナンバー読取装置400の動作を制御する制御装置であり、例えばCPU等のプロセッサである。制御部440は、記憶部430からプログラム431をメモリ410へ読み込ませ、実行する。これにより、制御部440は、取得部441、読取部442、算出部443、判定部444及び出力部445としての機能を実現する。
【0031】
取得部441は、撮影装置300が送信した映像を受信することによって、映像を取得する。読取部442は、取得部441が取得した映像に含まれる複数のフレームのそれぞれから車両のナンバーに関する情報を読み取る。図5は、ナンバープレートの一例を示す図である。図5に示すナンバープレート600には、陸運支局610、分類番号620、業務種別630及び一連番号640が記載されている。図5に示すナンバープレートがフレームに写っている場合、読取部442は、車両のナンバーに関する情報として4つの項目すなわち陸運支局610、分類番号620、業務種別630及び一連番号640を読み取る。読取部442は、映像が含む複数のフレームのそれぞれについて車両のナンバーに関する情報の読み取りを行う。
【0032】
算出部443は、読取部442が読み取ったナンバーに関する情報が含む複数の項目のそれぞれについてスコアを算出する。読取部442が複数のフレームについてナンバーに関する情報を読み取った場合、算出部443は、情報が読み取られた複数のフレームのそれぞれについてスコアを算出する。
【0033】
判定部444は、複数のフレームについてナンバーに関する情報が読み取られた場合、それぞれのフレームに写っている車両が同一であるかを判定する。具体的には、判定部444は、ナンバーに関する情報が読み取られた複数のフレームのうち2つのフレームを抽出し、当該2つのフレームについてナンバーに関する情報を比較して当該2つのフレームに写っている車両同士が同一車両であるかを判定する。映像が含む複数のフレームのうち撮影された時刻が近いフレームには同一車両が写っている可能性が高い。そこで、判定部444は、ナンバーに関する情報が読み取られた複数のフレームを撮影時刻の順に並べた際に、隣接する2つのフレーム又はひとつおきに選択された2つのフレームについて判定を行う。換言すると、判定部444は、ナンバーに関する情報が読み取られた複数のフレームを撮影時刻の順に並べた際に、第1のフレームに対して前後2つ以内のフレームを第2のフレームとして、第1のフレーム及び第2のフレームについて判定を行う。
【0034】
なお、ナンバーに関する情報に基づいて第1のフレームと第2のフレームに写る車両が同一であるかを判定する方法について説明したが、これに限らず様々な方法を用いて各フレームに写る車両が同一であるかを判定してもよい。例えば、車両の特徴に基づいて、各フレームに写る車両の特徴が類似または一致している場合に、同一車両であると判定するようにしてもよい。車両の特徴として、車両の形状や、色、オーナメントなどの外観を区別する種々の特徴を採用することができる。
【0035】
出力部445は、判定部444が第1の車両と第2の車両とが同一車両であると判定した場合、第1の情報及び第2の情報が含む複数の項目のそれぞれについて、第1のスコアと第2のスコアとを比較する。出力部445は、よりスコアが高い方の情報を当該項目についての第3の情報として出力する。
【0036】
次に、図6を参照して、ナンバー読取処理時における車両ナンバー読取装置400の動作の一例を説明する。図6は、実施形態2に係る車両ナンバー読取装置400の一動作例を示すフローチャートである。まず、取得部441は、撮影装置300から送信された映像を受信することによって、映像を取得する(ステップS201)。撮影装置300は、定期的に又は不定期に撮影した映像を車両ナンバー読取装置400に送信してもよい。撮影装置300は、車両ナンバー読取装置400からの要求に応じて撮影した映像を車両ナンバー読取装置400に送信してもよい。
【0037】
次に、読取部442は、映像が複数のフレームのそれぞれからナンバーに関する情報を読み取る(ステップS202)。次に、算出部443は、ステップS202において読み取られた情報のそれぞれについて項目ごとにスコアを算出する(ステップS203)。制御部440は、映像が含む複数のフレームの全てについてナンバーに関する情報の読み取りが完了するまでステップS202及びステップS203を繰り返す(ステップS204No)。
【0038】
全てのフレームについてナンバーに関する情報の読み取りが完了すると(ステップS204Yes)、判定部444は、第1のフレーム及び第2のフレームについて、第1の車両及び第2の車両が同一であるか判定する(ステップS205)。同一車両であると判定された場合(ステップS205Yes)、出力部445は、第1の情報及び第2の情報が含む複数の項目のそれぞれについてスコアを比較し、よりスコアが高い方を当該項目における第3の情報として出力する(ステップS206)。
【0039】
次に、図7図10を参照し、上述のステップS205すなわち同一車両判定処理についてより詳細に説明する。判定部444は、第1の情報が含む複数の項目の内容と第2の情報が含む複数の項目の内容とを項目ごとに比較し、一致した項目の数に応じて第1の車両と第2の車両とが同一車両であるかを判定する。図7図10は、判定部444が同一車両判定処理を行う際における動作の一例を示すフローチャートである。
【0040】
判定部444は、例えば図7に示すように、所定数以上の項目において第1の情報の内容と第2の情報の内容とが一致した場合に第1の車両と第2の車両とが同一車両であると判定してもよい。図7は、複数の項目が4つであり、かつ、所定の数が3である場合を示す。この場合、まず、判定部444は、第1の情報が含む4つの項目の内容と第2の情報が含む4つの項目の内容とを項目ごとに比較する(ステップS301)。各項目の内容が3つ以上一致する場合(ステップS302Yes)、判定部444は、第1の車両と第2の車両とが同一車両であると判定する(ステップS303)。内容が一致する項目が2以下である場合(ステップS302No)、判定部444は、第1の車両と第2の車両とが同一車両ではないと判定する(ステップS304)。
【0041】
判定部444は、例えば図8に示すように、複数の項目のうち最も正確に読み取り可能な項目の内容が一致している場合に第1の車両と第2の車両とが同一車両であると判定してもよい。図8は、複数の項目に図5に示した一連番号640が含まれる場合を示す。フレーム中において大きく表示されている文字は、小さく表示されている文字に比較して正確に読み取り可能である。また、数字は、ひらがなや漢字等に比較して、文字の種類数が少なく正確に読み取り可能である。そのため、一連番号640は、通常、ナンバープレート上において大きな数字で記載されるため、他の項目に比較して正確に読み取り可能である。そこで、図8に示す例では、複数の項目のうち一連番号が一致する場合に第1の車両と第2の車両とが同一車両であると判定する。この場合、まず、判定部444は、第1の情報が含む複数の項目の内容と第2の情報が含む複数の項目の内容とを項目ごとに比較する(ステップS401)。一連番号が一致する場合(ステップS402Yes)、判定部444は、第1の車両と第2の車両とが同一車両であると判定する(ステップS403)。一連番号が一致しない場合(ステップS402No)、判定部444は、第1の車両と第2の車両とが同一車両ではないと判定する(ステップS404)。
【0042】
判定部444は、例えば図9に示すように、複数の項目のうち正確に読み取り可能な項目を含む所定以上の数の項目の内容が一致している場合に第1の車両と第2の車両とが同一車両であると判定してもよい。図9は、複数の項目が図5に示した分類番号620を含む4つの項目である場合を示す。分類番号620は、ナンバープレート上において数字で記載される。そのため、漢字又はひらがな等で記載される他の項目に比較して正確に読み取り可能である。そこで、図8に示す例では、複数の項目のうち分類番号を含む2つ以上の項目の内容が一致する場合に第1の車両と第2の車両とが同一車両であると判定する。この場合、まず、判定部444は、第1の情報が含む複数の項目の内容と第2の情報が含む複数の項目の内容とを項目ごとに比較する(ステップS501)。分類番号が一致する場合(ステップS502Yes)、判定部444は、一致した項目数が2以上であるかを判定する(ステップS503)。一致した項目数が2以上である場合(ステップS503Yes)、判定部444は、第1の車両と第2の車両とが同一車両であると判定する(ステップS504)。一致した項目数が1以下である場合(ステップS503No)、判定部444は、第1の車両と第2の車両とが同一車両ではないと判定する(ステップS505)。
【0043】
判定部444は、例えば図10に示すように、最も正確に読み取り可能な項目についての第1のスコア及び第2のスコアが所定の値以上であり、かつ、当該項目の内容が第1の情報と第2の情報とにおいて異なる場合に、第1の車両と第2の車両とが同一車両ではないと判定してもよい。図10は、複数の項目に図5に示した一連番号640が含まれる場合を示す。この場合、まず、判定部444は、第1の情報が含む複数の項目の内容と第2の情報が含む複数の項目の内容とを項目ごとに比較する(ステップS601)。一連番号が一致する場合(ステップS602Yes)、判定部444は、処理を終了する。一連番号が一致しない場合(ステップS602No)、判定部444は、一連番号についての第1のスコアと第2のスコアとがいずれも所定値以上であるかを判定する(ステップS603)。一連番号についての第1のスコアと第2のスコアとがいずれも所定値以上である場合(ステップS603Yes)、判定部444は、第1の車両と第2の車両とが同一車両ではないと判定する(ステップS604)。一連番号についての第1のスコア及び第2のスコアのうち少なくとも一方が所定値未満である場合(ステップS603No)、判定部444は、処理を終了する。
【0044】
尚、上述した同一車両判定処理は一例であり、上記に限定されない。また、判定部444は、上述の処理を組み合わせて同一車両判定処理を行ってもよい。
【0045】
<その他の実施形態>
尚、上述の実施形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0046】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0047】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0048】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0049】
(付記A1)
コンピュータが、
映像を取得し、
前記映像の第1のフレームから、車両のナンバーに関する第1の情報を読み取り、
前記第1の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出し、
前記映像の第2のフレームから、前記車両のナンバーに関する第2の情報を読み取り、
前記第2の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出し、
前記第1の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアと、前記第2の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアとに基づいて、それぞれの項目毎に前記第1の情報または前記第2の情報のうちのいずれかを選択し、
選択された情報で構成される第3の情報を前記車両のナンバーとして出力する、
車両ナンバー読取方法。
【0050】
(付記A2)
前記第1のフレームに写る車両の特徴と前記第2のフレームに写る車両の特徴とに基づいて、それぞれのフレームに写る車両が同一の車両であるかを判定し、
同一の車両であると判定された場合、選択された情報で構成される前記第3の情報を前記車両のナンバーとして出力されるようにする、
付記A1に記載の車両ナンバー読取方法。
【0051】
(付記A3)
前記第1の情報に含まれる複数の項目の内容と、前記第2の情報に含まれる複数の項目の内容と、を項目ごとに比較し、内容が一致した項目の数が所定以上である場合に、選択された情報で構成される前記第3の情報を前記車両のナンバーとして出力されるようにする、
付記A1またはA2に記載の車両ナンバー読取方法。
【0052】
(付記A4)
前記複数の項目のうち最も正確に読み取り可能な項目の内容が一致している場合に、選択された情報で構成される前記第3の情報を前記車両のナンバーとして出力されるようにする、
付記A1~A3のいずれかに記載の車両ナンバー読取方法。
【0053】
(付記A5)
前記第1の情報および前記第2の情報は、陸運支局と、分類番号と、業務種別と、一連番号とを項目として含む、
付記A1からA4のいずれかに記載の車両ナンバー読取方法。
【0054】
(付記A6)
前記スコアは、読み取った情報に対する信頼度を表す、
付記A1からA4のいずれかに記載の車両ナンバー読取方法。
【0055】
(付記A7)
前記複数の項目のうち最も正確に読み取り可能な項目についての前記第1のスコア及び前記第2のスコアがいずれも所定の値以上であり、かつ、前記第1の情報が含む当該項目の内容と前記第2の情報が含む当該項目の内容とが異なる場合に、前記第1の車両と前記第2の車両とが同一車両ではないと判定する、
付記A1~A6のいずれかに記載の車両ナンバー読取方法。
【0056】
(付記B1)
映像を取得する取得部と、
前記映像の第1のフレームから車両のナンバーに関する第1の情報を読み取り、前記映像の第2のフレームから前記車両のナンバーに関する第2の情報を読み取る読取部と、
前記第1の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出し、前記第2の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出する算出部と、
前記第1の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアと、前記第2の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアとに基づいて、それぞれの項目毎に前記第1の情報または前記第2の情報のうちのいずれかを選択し、選択された情報で構成される第3の情報を前記車両のナンバーとして出力する出力部と、
を備える、車両ナンバー読取装置。
【0057】
(付記C1)
映像を取得する処理と、
前記映像の第1のフレームから、車両のナンバーに関する第1の情報を読み取る処理と、
前記第1の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出する処理と、
前記映像の第2のフレームから、前記車両のナンバーに関する第2の情報を読み取る処理と、
前記第2の情報に含まれる複数の項目のそれぞれについてスコアを算出する処理と、
前記第1の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアと、前記第2の情報に含まれる複数の項目においてそれぞれ算出したスコアとに基づいて、それぞれの項目毎に前記第1の情報または前記第2の情報のうちのいずれかを選択する処理と、
選択された情報で構成される第3の情報を前記車両のナンバーとして出力する処理と、
をコンピュータに実行させる、車両ナンバー読取プログラム。
【符号の説明】
【0058】
100 車両ナンバー読取装置
110 取得部
120 読取部
130 算出部
140 判定部
150 出力部
200 車両ナンバー読取システム
300 撮影装置
400 車両ナンバー読取装置
410 メモリ
420 通信部
430 記憶部
431 プログラム
440 制御部
441 取得部
442 読取部
443 算出部
444 判定部
445 出力部
500 ネットワーク
600 ナンバープレート
610 陸運支局
620 分類番号
630 業務種別
640 一連番号
図1
図2
図3
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図8
図9
図10