(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158712
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】障子
(51)【国際特許分類】
E06B 3/976 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
E06B3/976 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074125
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】300088186
【氏名又は名称】株式会社エクセルシャノン
(71)【出願人】
【識別番号】322003824
【氏名又は名称】パナソニックハウジングソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 幸登志
(72)【発明者】
【氏名】内山 雅大
(72)【発明者】
【氏名】吉村 拓朗
【テーマコード(参考)】
2E035
【Fターム(参考)】
2E035AA00
2E035BA02
2E035CA01
2E035CB06
(57)【要約】
【課題】 ガラスが平行に配列された複数個のガラス板から構成されていて比較的重い場合、及び/又は障子の意匠性の面から縦框を幅が通常の縦框の幅より小さい細い縦框にした場合においても、縦框と上框及び/又は下框との接続部が損傷されることが可及的に防止される障子を提供する
【解決手段】 障子枠の4個の接続角部内側の少なくとも1個に、上框又は下框に固定された基部及びこの基部から縦框の一方又は縦框の他方に沿って延出する衝撃緩和部を有する保護部材を配設する。保護部材の基部の厚さを上框又は下框に配設されたスペーサ部材の厚さと同一又はこれより小さくする
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の縦框、片端が該縦框の一方の上端に他端が該縦框の他方の上端に接続された上框及び片端が該縦框の一方の下端に他端が該縦框の他方の下端に接続された下框から構成された障子枠、該一対の縦框、該上框及び該下框の各々の内周面に配設されたスペーサ部材、並びに該スペーサ部材を介在させて該障子枠に装着されたガラスを備えた、見付け方向に滑動される障子において、
該縦框の該一方と該上框との接続角部内側、該縦框の該一方と該下框との接続角部内側、該縦框の該他方と該上框との接続角部内側、及び該縦框の該他方と該下框との接続角部内側の、少なくとも1個の接続角部内側には、該上框又は該下框に固定された基部及び該基部から該縦框の一方又は該縦框の他方の内周面に沿って延出する衝撃緩衝部を有する保護部材が配設されており、該保護部材の該基部の厚さは該上框又は該下框に配設された該スペーサ部材の厚さと同一又はこれより小さい、
ことを特徴とする障子。
【請求項2】
該保護部材の該衝撃緩衝部の内面と該縦框の該一方又は該他方の内周面との間隔は該縦框の該一方又は該縦框の該他方に配設された該スペーサ部材の厚さと実質上同一である、請求項1記載の障子。
【請求項3】
該保護部材の該衝撃緩衝部と該縦框の該一方又は該他方の内周面との間には間隙が存在する、請求項1記載の障子。
【請求項4】
該縦框の該一方は召し合せ框であり、該保護部材は該縦框の該一方と該上框との該接続角部内側及び該縦框の該一方と該下框との該接続角部内側に配設されている、請求項1記載の障子。
【請求項5】
該一対の縦框、該上框及び該下框は合成樹脂から形成されている、請求項1記載の障子。
【請求項6】
該保護部材は耐衝撃性が大きい合成樹脂から形成されている、請求項1記載の障子。
【請求項7】
該保護部材はポリカーボネートから形成されている、請求項6記載の障子。
【請求項8】
該保護部材の該基部及び該衝撃緩衝部の厚さは2.0乃至4.0mmである、請求項1記載の障子。
【請求項9】
該保護部材の該衝撃緩衝部と該縦框の該一方又は該他方の内周面との間に存在する該間隙の幅は0.5乃至2.5mmである、請求項1記載の障子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スペーサ部材を介在させて障子枠にガラスが装着されている、見付け方向に滑動される障子に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示されているとおり、見付け方向に滑動される障子として、一対の縦框、片端が縦框の一方の上端に他端が縦框の他方の上端に接続された上框及び片端が縦框の一方の下端に他端が縦框の他方の下端に接続された下框から構成された障子枠、一対の縦框、上框及び下框の各々の内周面に配設されたスペーサ部材、並びに該スペーサ部材を介在させて障子枠に装着されたガラスを備えた障子が広く実用に供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
而して、本発明者等の経験によれば、上述したとおりの従来の障子には、障子の開閉の際或いは障子の搬送の際に、障子が見付け方向に相当な速度で滑動されてスペーサ部材に衝突した場合、衝突の際の衝撃に起因してガラスが障子枠に対して相対的に移動して縦框の上端又は下端に衝突し、縦框と上框及び/又は下框との接続部が損傷される虞がある。特に、ガラスが平行に配列された複数個のガラス板から構成されていて比較的重い場合、及び/又は障子の意匠性の面から縦框を幅が通常の縦框の幅より小さい細い縦框にした場合に、上記の損傷が発生する虞が大きい。
【0005】
本発明は上記のとおりの事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、
ガラスが平行に配列された複数個のガラス板から構成されていて比較的重い場合、及び/又は障子の意匠性の面から縦框を幅が通常の縦框の幅より小さい細い縦框にした場合においても、縦框と上框及び/又は下框との接続部が損傷されることが可及的に防止される、新規且つ改良された障子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、鋭意検討及び実験の結果、障子枠の4個の接続角部内側の少なくとも1個に、上框又は下框に固定された基部及びこの基部から縦框の一方又は縦框の他方に沿って延出する衝撃緩衝部を有する保護部材を配設し、保護部材の基部の厚さを上框又は下框に配設されたスペーサ部材の厚さと同一又はこれより小さくすることによって、上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
【0007】
即ち、本発明によれば、上記技術的課題を達成する障子として、
一対の縦框、片端が該縦框の一方の上端に他端が該縦框の他方の上端に接続された上框及び片端が該縦框の一方の下端に他端が該縦框の他方の下端に接続された下框から構成された障子枠、該一対の縦框、該上框及び該下框の各々の内周面に配設されたスペース部材、並びに該スペーサ部材を介在させて該障子枠に装着されたガラスを備えた、見付け方向に滑動される障子において、
該縦框の該一方と該上框との接続角部内側、該縦框の該一方と該下框との接続角部内側、該縦框の該他方と該上框との接続角部内側、及び該縦框の該他方と該下框との接続角部内側の、少なくとも1個の接続角部内側には、該上框又は該下框に固定された基部及び該基部から該縦框の一方又は該縦框の他方の内周面に沿って延出する衝撃緩衝部を有する保護部材が配設されており、該保護部材の該基部の厚さは該上框又は該下框に配設された該スペーサ部材の厚さと同一又はこれより小さい、
ことを特徴とする障子が提供される。
【0008】
該保護部材の該衝撃緩衝部の内面と該縦框の該一方又は該他方の内周面との間隔は該縦框の該一方又は該縦框の該他方に配設された該スペーサ部材の厚さと実質上同一であるのが好適である。好ましくは、該保護部材の該衝撃緩衝部と該縦框の該一方又は該他方の内周面との間には間隙が存在する。該縦框の該一方は召し合せ框である場合、該保護部材は該縦框の該一方と該上框との該接続角部内側及び該縦框の該一方と該下框との該接続角部内側に配設されているのが好適である。該一対の縦框、該上框及び該下框は合成樹脂から形成されているのが好都合であり、該保護部材は耐衝撃性が大きい合成樹脂、特にポリカーボネート、から形成されているのが望ましい。該保護部材の該基部及び該衝撃緩衝部の厚さは2.0乃至4.0mmであるのが好適であり、該保護部材の該衝撃緩衝部と該縦框の該一方又は該他方の内周面との間に存在する該間隙の厚さは0.5乃至2.5mmであるのが好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の障子によれば、障子の開閉の際或いは障子の搬送の際に、障子が見付け方向に相当な速度で滑動されてスペーサ部材に当接した場合、衝突に起因する衝撃によってガラスが障子枠に対して相対的に移動すると、ガラスは保護部材の衝撃緩衝部に衝突することによって衝撃が緩衝され、かくしてガラスが平行に配列された複数個のガラス板から構成されていて比較的重い場合、及び/又は障子の意匠性の面から縦框を幅が通常の縦框の幅より小さい細い縦框にした場合においても、縦框と上框及び/又は下框との接続部が損傷されることが可及的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に従って構成された障子を備えた窓の簡略正面図。
【
図2】
図1に示す窓における内障子及び外障子を示す簡略正面図。
【
図3】
図2に示す内障子における召し合せ框と下框との接続角部の部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に従って構成された障子の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳述する。
【0012】
図1を参照して説明すると、図示の実施形態においては、建造物に横長長方形の窓開口が形成されており、かかる窓開口には窓枠体2が固定されている。塩化ビニルの如き適宜の合成樹脂から形成することができる窓枠体2は一対の縦枠部材4及び6、上枠部材8並びに下枠部材10から構成されている。上枠部材8の片端は縦枠部材4の上端に接続されており、上枠部材8の他端は縦枠部材6の上端に接続されており、そしてまた下枠部材10の片端は縦枠部材4の下端に接続されており、下枠部材10の他端は縦枠部材6の下端に接続されている。かような窓枠体2自体は当業者には周知の形態でよく、窓枠体2の詳細な説明は省略する。
【0013】
図1と共に
図2を参照して説明を続けると、上記窓枠体2には内障子12及び外障子14が見付け方向に滑動自在に装着されている。
【0014】
内障子12は障子枠16を備えており、この障子枠16は一対の縦框、即ち戸先框18及び召し合せ框20、上框22並びに下框24から構成されている。戸先框18、召し合せ框20、上框22及び下框24は塩化ビニルの如き適宜の合成樹脂から形成されているのが好都合である。召し合せ框20の幅は戸先框18の幅よりも小さい。上框22の片端は戸先框18の上端に他端は召し合せ框20の上端に接続されており、下框24の片端は戸先框18の下端に他端は召し合せ框20の下端に接続されている。戸先框18の内面(室内側面)及び外面(室外側面)には引手26が配設されており、召し合せ框20の側面には施錠機構の片側構成部材28が配設されている。戸先框18の内周面には上下方向に間隔をおいて一対のスペーサ部材30が固定されており、召し合せ框20の内周面にも上下方向に間隔をおいて一対のスペーサ部材30が固定されており、上框22の内周面の中央部にはスペーサ部材30が固定され、下框24の内周面の両側部にはスペーサ部材30が固定されている。塩化ビニル樹脂の如き適宜の合成樹脂から形成することができるスペーサ部材30は平坦な板形状である。そして、障子枠16には、スペーサ部材30を介在させてガラス32が装着されている。ガラス32は平行に配列された複数個、例えば3個、のガラス板から構成することができる。
【0015】
外障子14は障子枠34を備えており、この障子枠34は一対の縦框、即ち戸先框36及び召し合せ框38、上框40並びに下框42から構成されている。戸先框36、召し合せ框38、上框40及び下框42は塩化ビニルの如き適宜の合成樹脂から形成されているのが好都合である。召し合せ框38の幅は戸先框36の幅よりも小さい。上框40の片端は戸先框36の上端に他端は召し合せ框38の上端に接続されており、下框42の片端は戸先框36の下端に他端は召し合せ框38の下端に接続されている。戸先框36の内面(室内側面)及び外面(室外側面)には引手44が配設されており、召し合せ框38の側面には施錠機構の他側構成部材45が配設されている。戸先框36の内周面には上下方向に間隔をおいて一対のスペーサ部材46が固定されており、召し合せ框38の内周面にも上下方向に間隔をおいて一対のスペーサ部材46が固定されており、上框40の内周面の中央部にはスペーサ部材46が固定され、下框42の内周面の両側部にはスペーサ部材46が固定されている。スペーサ部材46は内障子12における上記スペーサ部材30と同一でよい。そして、障子枠34には、スペーサ部材46を介在させてガラス48が装着されている。ガラス48は平行に配列された複数個、例えば3個、のガラス板から構成することができる。
【0016】
而して、内障子12及び外障子14の上述したとおりの構成は、当業者には周知の構成であり、本発明に従って構成された内障子12及び外障子14における新規な特徴を構成するものではなく、それ故に内障子12及び外障子14の上述したとおりの構成についての詳細な説明は省略する。
【0017】
本発明に従って構成された内障子12においては、戸先框18と上框22との接続角部内側、戸先框18と下框24との接続角部内側、召し合せ框20と上框22との接続角部内側、及び召し合せ框20と下框24との接続角部内側の、少なくとも1個の接続角部内側に保護部材50が配設されていることが重要である。同様に、本発明に従って構成された外障子14においても、戸先框36と上框40との接続角部内側、戸先框36と下框42との接続角部内側、召し合せ框38と上框40との接続角部内側、及び召し合せ框38と下框42との接続角部内側の、少なくとも1個の接続角部内側に保護部材50が配設されていることが重要である。図示の内障子12においては、召し合せ框20と上框22との接続角部内側及び召し合せ框20と下框24との接続角部内側に、夫々、保護部材50が配設され、図示の外障子14においては召し合せ框38と上框40との接続角部内側及び召し合せ框38と下框42との接続角部内側に、夫々、接続角部内側に保護部材50が配設されている。
【0018】
図3乃至
図6を参照して説明を続けると、保護部材50は、基部52とこの基部52の片縁部から延出する衝撃緩衝部54とを有する。かような保護部材50は、耐衝撃性が高い合成樹脂、例えばポリカーボネート、から形成されているのが好ましい。基部52及び衝撃緩衝部54の厚さは2.0乃至4.0mm程度であるのが好ましい。図示の保護部材50においては、基部52は全体として水平に延在し、比較的幅広の基端部、先端に向って幅が漸次低減する円錐台形状の中間部及び比較的幅狭の先端部から構成されている。かような基部52には2個の貫通締結ねじ孔56が形成されており、締結ねじ孔56の各々は逆円錐台筒形状の上端部と円筒形状の主部とを有する。基部52の下面には、成形樹脂素材の低減及び型抜きの容易性等の点から、必要に応じて1個又は複数個の凹部(図示していない)を形成することができる。保護部材50の衝撃緩衝部54は、横長長方形状の板状であり、基部52の片縁部から垂直に延出している。集中応力の生成を回避するために、基部52と衝撃緩衝部54との境界領域の内面は横断面において凹状円弧形状であり、外面は下方に向って基部52側に傾斜する傾斜面である。
【0019】
上記のとおりの保護部材50は、上記締結ねじ孔56を通して締結ねじ58(
図3)を上框22又は40或いは下框24又は下框42に螺着することによって(所望ならば適宜の接着手段を介して)上框22又は40或いは下框24又は下框42に固定される。
図3には、内障子12における召し合せ框20と下框24との接続角部内側に配設された保護部材50が図示されている。更に詳述すると、保護部材50の基部52はその先端面をスペーサ部材30の片端面に近接させて下框24の内周面に固定されている。所望ならば、基部52の先端面をスペーサ部材30の片端面に当接することもできる。保護部材50の衝撃緩衝部54は召し合せ框20の内周面に沿って延出している。保護部材50の衝撃緩衝部54と召し合わせ框20の内周面との間には0.5乃至2.5mm程度の間隙xが存在するのが好適である。
【0020】
図3を参照して説明を続けると、保護部材50の基部52の厚さは下框24に配設されているスペーサ部材30の厚さと同一又はこれより小さいことが重要である。また、保護部材50の衝撃緩衝部54の厚さは召し合わせ框20に配設されたスペーサ部材30の厚さよりも幾分小さく、衝撃緩衝部54の内面と召し合せ框20の内周面との間の寸法yはスペーサ部材30の厚さと実質上同一(即ちスペーサ部材30の厚さと同一、従って衝撃緩衝部54の内面とスペーサ部材30の内面とは実質上面一をなす、或いはスペーサ部材30の厚さの±0.5mm以内)、であるのが好ましい。
【0021】
内障子12の召し合せ框20と上框22との接続角部内側に配設されている保護部材50は、内障子12における召し合せ框20と下框24との接続角部内側に配設された保護部材50に対して内障子12の上下方向中間部を水平に延在する平面に関して面対称をなし、その基部52が上框22の固定されており、その衝撃緩衝部54が基部52の片縁部から垂直に下方に延在している。外障子14と下框42との接続角部内側に配設された保護部材50は、内障子12における召し合せ框20と下框24との接続角部内側に配設された保護部材50と実質上同一であり、外障子14と上框40との接続角部内側に配設された保護部材50は、内障子12における召し合せ框20と上框22との接続角部内側に配設された保護部材50と実質上同一である。
【0022】
本発明に従って構成された上記のとおりの内障子12においては、内障子12が相当な速度で滑動され、召し合せ框20又は戸先框18がスペーサ部材30に衝突して、ガラス32が障子枠16に対して相対的に移動した場合、ガラス32は召し合せ框20に直接衝突することはなく、保護部材50の衝撃緩衝部54に当接し、かくして衝撃が緩衝される。それ故に、ガラス32が比較的重く或いは召し合せ框20が比較的幅狭であっても、召し合せ框20と下框24との接合部或いは召し合せ框20と上框22との接合部が損傷されることが可及的に防止される。同様に、本発明に従って構成された上記のとおりの外障子14においては、外障子14が相当な速度で滑動され、召し合せ框38又は戸先框36がスペーサ部材46に衝突して、ガラス48が障子枠34に対して相対的に移動した場合、ガラス48は召し合せ框38に直接衝突することはなく、保護部材50の衝撃緩衝部54に当接し、かくして衝撃が緩衝される。それ故に、ガラス48が比較的重く或いは召し合せ框38が比較的幅狭であっても、召し合せ框38と下框42との接合部或いは召し合せ框38と上框40との接合部が損傷されることが可及的に防止される。
【0023】
実施例
障子枠は塩化ビニルから形成されており、全体の幅は1690mmで高さは2270mmである障子枠に、
図2に図示するとおり、塩化ビニルから形成したスペーサ部材を固定し、そしてまた召し合せ框と上框との接続角部内側及び召し合せ框と下框との接続角部内側に
図3乃至
図6に図示するとおり形態のポリカーボネートから形成した保護部材を固定し、平行に配列された3枚のガラス板から構成されたガラスを装着して障子を形成した。障子枠における戸先框、上框及び下框の幅は68mmで、召し合せ框の幅は50mmであった。スペース部材の厚さは4.0mm、幅は36mm、長さは60mmであった。保護部材の基部の厚さは3.7mmで衝撃緩衝部の厚さは2.5mmで、衝撃緩衝部の高さは11mmで幅は32mmであった。衝撃緩衝部の内面と召し合せ框の内周面との間には幅1.5mmの間隙が存在し、衝撃緩衝部の内面はスペーサ部材の内面と面一であった。
【0024】
上記のとおりの障子を水平方向に滑動自在に窓枠体に装着し、障子を700mm/秒の速度で滑動させて召し合わせ框を窓枠体に衝突させた。かような衝突を20回繰り返し行った後に、召し合せ框と下框との接続部及び召し合せ框と上框との接続部の状態を検査した。その結果、召し合せ框と下框との接続部及び召し合せ框と上框との接続部の双方に損傷がないことが確認された。
【0025】
比較例
保護部材を固定しなかった点を除いて実施例の障子と同一の障子を形成した。そして、実施例と同様に、障子を水平方向に滑動自在に窓枠体に装着し、障子を700mm/秒の速度で滑動させて召し合わせ框を窓枠体に衝突させた。2回目の衝突によって召し合わせ框と上框との接続部が破損した。
【符号の説明】
【0026】
2:窓枠体
12:内障子
14:外障子
16:障子枠
18:戸先框
20:召し合せ框
22:上框
24:下框
30:スペーサ部材
32:ガラス
34:障子枠
36:戸先框
38:召し合せ框
40:上框
42:下框
46:スペーサ部材
48:ガラス
50:保護部材
52:保護部材の基部
54:保護部材の衝撃緩衝部