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▶ アサヒビール株式会社の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158725
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】飲料の嗜好性改変方法
(51)【国際特許分類】
   C12G 3/04 20190101AFI20241031BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20241031BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20241031BHJP
   C12C 5/02 20060101ALN20241031BHJP
【FI】
C12G3/04
A23L2/52
A23L2/00 B
C12C5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074150
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】311007202
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】田村 陽子
(72)【発明者】
【氏名】松田 巧
【テーマコード(参考)】
4B115
4B117
4B128
【Fターム(参考)】
4B115LG02
4B115LG03
4B115LH11
4B117LC03
4B117LK06
4B128CP16
(57)【要約】
【課題】飲料の味に立体感を付与し、飲料の嗜好性を改変する方法を提供すること。
【解決手段】飲料にカンナビジオールを含有させることを含む、飲料の嗜好性改変方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料にカンナビジオールを含有させることを含む、飲料の嗜好性改変方法。
【請求項2】
カンナビジオールを0.01~0.5g/lの濃度で含有させる、請求項1に記載の飲料の嗜好性改変方法。
【請求項3】
前記飲料は、酒類又は酒類テイスト飲料である、請求項1に記載の飲料の嗜好性改変方法。
【請求項4】
カンナビジオールを0.01~0.5g/lの濃度で含有する、酒類又は酒類テイスト飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料の嗜好性改変方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カンナビジオール(CBD)は、麻に含まれるカンナビノイドの一種であり、鎮痛効果やリラックス効果があるとされている。CBDを含有する飲料も、市販されている。しかしながら、CBDの飲料の香味、嗜好性に与える影響については、あまり知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6847288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、飲料の味に立体感を付与し、飲料の嗜好性を改変する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、CBDを含有させることにより、飲料の味に立体感を付与し、飲料の嗜好性を改変できることを見出した。すなわち、本発明は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕飲料にカンナビジオールを含有させることを含む、飲料の嗜好性改変方法。
〔2〕カンナビジオールを0.01~0.5g/lの濃度で含有させる、前記〔1〕に記載の飲料の嗜好性改変方法。
〔3〕前記飲料は、酒類又は酒類テイスト飲料である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の飲料の嗜好性改変方法。
〔4〕カンナビジオールを0.01~0.5g/lの濃度で含有する、酒類又は酒類テイスト飲料。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、飲料の味に立体感を付与し、飲料の嗜好性を改変する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の飲料の嗜好性改変方法は、飲料にカンナビジオール(CBD)を含有させることを含む。飲料にCBDを含有させることにより、飲料の味に立体感を付与し、飲料の嗜好性を改変することができる。飲料に含有させるCBDの濃度は、好ましくは0.01~0.5g/lである。
【0008】
前記飲料としては、特に限定されるものではないが、酒類又は酒類テイスト飲料、清涼飲料水などが挙げられる。酒類としては、原料用アルコール、蒸留酒(例えば、ウォッカ、ウイスキー、ブランデー、焼酎、ラム酒、スピリッツ及びジン)、醸造酒(例えば、ワイン、シードル、ビール及び日本酒)及び混成酒(例えば、リキュール及びベルモット)が挙げられる。前記飲料には、チューハイ、カクテル、梅酒なども含まれる。酒類テイスト飲料には、これらの酒類の酒類テイスト飲料などが挙げられるがこれらに限定されない。「酒類テイスト飲料」とは、アルコール度数に関わらず、酒類と同等の又はそれと似た風味・味覚及びテクスチャーを有する飲料を意味する。清涼飲料水には、スポーツドリンク、お茶飲料、コーラやサイダーなどの炭酸飲料、エナジー炭酸飲料などが挙げられる。
前記飲料のアルコールの濃度は、目的の飲料におけるアルコールの濃度を考慮して決定することができる。飲料の飲みやすさの向上などの観点から、アルコールの濃度は、好ましくは7体積%以下、より好ましくは5体積%以下である。
【0009】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例0010】
下記の市販の飲料にCBDを、0.014g/l、0.029g/l、0.057g/l、0.143g/l、0.286g/l、0.429g/l添加して、官能評価を行った。
【0011】
試験サンプル
〈ビール〉
・アサヒ生ビール黒生
・アサヒ生ビール
・アサヒスーパードライ
・花鳥風月
・アサヒスタウト
・アサヒプレミアム生ビール熟撰
・アサヒ ホワイトビール
・アサヒ ザ・ダブル
・アサヒ ヨルビール
・ピルスナーウルケル
・グロールシュ プレミアム ラガー
・ペローニ ナストロアズーロ
・TOKYO隅田川ブルーイング ゴールデンエール
・TOKYO隅田川ブルーイング ペールエール
・TOKYO隅田川ブルーイング チェリールージュ
・国内酒類メーカーA社 ビール

・国内酒類メーカーA社 ビール 発売日:2022年8月16日

・国内酒類メーカーB社 ビール

・国内酒類メーカーC社 ビール
【0012】
〈発泡酒〉
・アサヒスタイルフリー<生>
・スタイルフリーパーフェクト
・アサヒ レッドアイ
・国内酒類メーカーA社 発泡酒
【0013】
〈新ジャンル〉
・クリアアサヒ
・アサヒ ザ・リッチ
・クリアアサヒ 贅沢ゼロ
・アサヒオフ
・国内酒類メーカーB社 新ジャンル
【0014】
〈チューハイ・缶カクテル〉
・アサヒ贅沢搾りプレミアみかんテイスト
・アサヒ贅沢搾りプレミアムトマト
・アサヒ贅沢搾りグレープフルーツ
・アサヒ贅沢搾り桃
・アサヒ贅沢搾りキウイ
・アサヒ贅沢搾りレモン
・アサヒ贅沢搾りぶどう
・アサヒ贅沢搾りヨーグルトテイストプラスベリーミックス
・アサヒ贅沢搾りヨーグルトテイストプラス柑橘ミックス
・アサヒ ザ・レモンクラフト 極上レモン
・アサヒ ザ・レモンクラフト グリーンレモン
・アサヒ ザ・レモンクラフト 王道レモン
・アサヒ ザ・カクテルクラフト ライム香るジントニック
・アサヒ ザ・カクテルクラフト レモン香るジンジャーソーダ
・樽ハイ倶楽部レモンサワー
・樽ハイ倶楽部プレーンサワー
・樽ハイ倶楽部梅干しサワー
・アサヒFRUITZER Lemon&Lime
・アサヒFRUITZER PinkGrapefruit
・アサヒSlatグレープフルーツサワー
・アサヒSlatレモンサワー
・アサヒSlatシャルドネサワー
・アサヒSlat白桃サワー
・アサヒSlatアロエ&ホワイトサワー
・アサヒ月庵 緑茶割り
・「カルピスサワー」
・「カルピスサワー」濃い贅沢
・チューハイハイリキレモン
・ハイリキプレーン
・クリアクーラーシチリア産レモンサワー
・クリアクーラーグレープフルーツサワー
・クリアクーラーSTRONGレモン&ライムサワー
・クリアクーラーSTRONGドライエクストラ
・国内酒類メーカーC社 スピリッツ(発泡性)1 発売日:2022年3月22日

・国内酒類メーカーC社 スピリッツ(発泡性)1 発売日:2021年3月2日

・国内酒類メーカーC社 リキュール(発泡性)1 発売日:2021年2月16日

・国内酒類メーカーC社 スピリッツ(発泡性)1 発売日:2022年12月13日

・国内酒類メーカーB社 リキュール(発泡性)1 発売日:2021年11月24日

・国内酒類メーカーB社 リキュール(発泡性)1 発売日:2021年11月9日

・国内飲料メーカーD社 スピリッツ(発泡性)1 発売日:2020年12月28日
【0015】
〈焼酎〉
・麦焼酎 かのか
・かのか 焼酎ハイボール
・芋焼酎 かのか
・米焼酎 かのか
・本格芋焼酎 かのか
【0016】
〈ワイン〉
・サンタ・ヘレナ・アルパカ・カベルネ・メルロー
・サンタ・ヘレナ・アルパカ・カルメネール
・サンタ・ヘレナ・アルパカ・ピノ・ノワール
・サンタ・ヘレナ・アルパカ・シラー
・サンタ・ヘレナ・アルパカ・シャルドネ・セミヨン
・サンタ・ヘレナ・アルパカ・ソーヴィニヨン・ブラン
・サンタ・ヘレナ・アルパカ・ロゼ
・サンタ・ヘレナ・アルパカ・スパークリング・ブリュット
・サンタ・ヘレナ・アルパカ・スパークリング・ロゼ
・サンタ・ヘレナ・アルパカ・デライト・レッド Alc.5.5%
・サンタ・ヘレナ・アルパカ・デライト・ホワイト Alc.5.5%
・ニッカ シードル・スイート
・ニッカ シードル・ドライ
・ニッカ シードル・ロゼ
・国内酒類メーカーC社 果実酒(発泡性)1 発売日:2022年12月下旬

・国内酒類メーカーC社 果実酒(発泡性)1 発売日:2022年12月下旬

・国内酒類メーカーC社 果実酒(発泡性)1 発売日:2022年10月18日

・国内酒類メーカーC社 果実酒(発泡性)1 発売日:2022年12月20日
【0017】
〈ウイスキー〉
・ブラックニッカリッチブレンド
・ブラックニッカクリア
・ブラックニッカディープブレンド
・ブラックニッカスペシャル
・ブラックニッカ ハイボール
【0018】
〈梅酒〉
・やさしさ梅酒
【0019】
〈ビールテイスト飲料〉
・アサヒビアリーIPA STYLE
・アサヒビアリー
・アサヒビアリー香るクラフト
・アサヒドライゼロ
・アサヒドライゼロフリー
・アサヒヘルシースタイル
・国内酒類メーカーA社 ノンアルコール・ビールテイスト飲料 発売日:2022年11月
【0020】
〈カクテルテイスト飲料〉
・アサヒハイボリー
・アサヒノンアルカシスオレンジテイスト
・アサヒノンアルハイボールテイスト
・アサヒノンアルシャルドネスパークリングテイスト
・アサヒ スタイルバランスプラス カシスオレンジテイスト
・アサヒ スタイルバランスプラス シャルドネスパークリングテイスト
・アサヒ スタイルバランスプラス レモンサワーテイスト
・アサヒ スタイルバランスプラス グレープフルーツテイスト
・アサヒ スタイルバランスプラス ゆずサワーテイスト
・アサヒ スタイルバランスプラス 香り華やぐハイボールテイスト
・アサヒ スタイルバランスプラス 完熟りんごスパークリング
・国内酒類メーカーC社 梅酒サワーノンアルコール飲料 発売日:2022年2月

【0021】
〈ワインテイスト飲料〉
・ビスパ
・国内酒類メーカーC社 スパークリングワインテイスト飲料 発売日:2022年3月1日

・国内酒類メーカーC社 スパークリングワインテイスト飲料 発売日:2022年3月1日

・国内酒類メーカーC社 スパークリングワインテイスト飲料 発売日:2022年12月6日
【0022】
〈清涼飲料水〉
・国内飲料メーカーE社 スポーツドリンク

・国内飲料メーカーE社 お茶飲料

・国内飲料メーカーE社 お茶飲料

・国内飲料メーカーE社 エナジー炭酸飲料

・国内飲料メーカーE社 コーラ

・国内飲料メーカーE社 サイダー

なお、国内酒類メーカーA社、B社、C社は、国内の酒類市場の2022年の売上シェア上位4社から選択している。また、国内飲料メーカーD社、E社は、国内の清涼飲料水市場の2022年の売上シェア上位3社から選択している。
【0023】
全てのCBDを含有させた飲料において、CBDを含有させていない飲料よりも味に立体感が付与され、嗜好性が改変されていることを確認した。