(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158733
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】コネクタホルダ、コネクタユニット、及び、インパネユニット
(51)【国際特許分類】
H01R 13/60 20060101AFI20241031BHJP
H02G 3/38 20060101ALI20241031BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20241031BHJP
B60K 37/00 20240101ALI20241031BHJP
【FI】
H01R13/60
H02G3/38
B60R16/02 621Z
B60K37/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074213
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 一弘
(72)【発明者】
【氏名】尾上 元昭
(72)【発明者】
【氏名】松井 亮達
(72)【発明者】
【氏名】義村 克也
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 慶恭
(72)【発明者】
【氏名】岡本 陽介
(72)【発明者】
【氏名】下川 圭
【テーマコード(参考)】
3D344
5E021
5G363
【Fターム(参考)】
3D344AA14
3D344AA16
3D344AC07
3D344AC13
3D344AD13
5E021FB09
5E021FB20
5E021FC32
5E021GB06
5G363AA07
5G363AA16
5G363BA01
5G363BA02
5G363DA13
5G363DA15
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】適正に仮置きできるコネクタホルダを提供すること。
【解決手段】コネクタホルダ1は、コネクタ2が保持されるホルダ本体と、ホルダ本体から外側に延出して設けられて仮置部材であるインパネ3に形成された貫通孔30に挿入可能な仮置き爪部12と、仮置き爪部12において相反する側に向く2つの面(第一面12b、第二面12c)のうちの一方の面(第一面12b)から突出して設けられ、仮置き爪部12の貫通孔30への挿入時に、貫通孔30の手前側の一方側縁30dに当接可能に設けられた第一突起13Aと、仮置き爪部12の2つの面(第一面12b、第二面12c)のうちの他方の面(第二面12c)から突出して設けられ、仮置き爪部12の貫通孔30への挿入時に、貫通孔30の先側の他方側縁30eに当接可能に設けられた第二突起13Bと、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタが保持されるホルダ本体と、
前記ホルダ本体から外側に延出して設けられて仮置部材に形成された貫通孔に挿入可能な仮置き爪部と、
前記仮置き爪部において相反する側に向く2つの面のうちの一方の面から突出して設けられ、前記仮置き爪部の前記貫通孔への挿入時に、前記貫通孔の手前において相反する側に向く2つの面のうちの一方の面側の一方側縁に当接可能に設けられた第一突起と、
前記仮置き爪部の前記2つの面のうちの他方の面から突出して設けられ、前記仮置き爪部の前記貫通孔への挿入時に、前記貫通孔の先側の他方側縁に当接可能に設けられた第二突起と、
を備える、コネクタホルダ。
【請求項2】
前記第一突起と前記第二突起との組み合わせは、二組設けられ、
前記仮置き爪部の前記2つの面を第一面と第二面とし、
前記第一面は、一方の組みの前記第一突起と他方の組みの前記第二突起とが並んで設けられ、
前記第二面は、前記他方の組みの前記第一突起と前記一方の組みの前記第二突起とが並んで設けられる、
請求項1に記載のコネクタホルダ。
【請求項3】
電線が接続されたコネクタと、
前記コネクタが取り付けられるコネクタホルダと、
を備え、
前記コネクタホルダは、
コネクタが保持されるホルダ本体と、
前記ホルダ本体から外側に延出して設けられて仮置部材に形成された貫通孔に挿入可能な仮置き爪部と、
前記仮置き爪部において相反する側に向く2つの面のうちの一方の面から突出して設けられ、前記仮置き爪部の前記貫通孔への挿入時に、前記貫通孔の手前側の一方側縁に当接可能に設けられた第一突起と、
前記仮置き爪部の前記2つの面のうちの他方の面から突出して設けられ、前記仮置き爪部の前記貫通孔への挿入時に、前記貫通孔の先側の他方側縁に当接可能に設けられた第二突起と、
を備える、コネクタユニット。
【請求項4】
車両に取り付けられるインパネと、
コネクタが取り付けられるコネクタホルダと、
を備え、
前記コネクタホルダは、
コネクタが保持されるホルダ本体と、
前記ホルダ本体から外側に延出して設けられて前記インパネに形成された貫通孔に挿入可能な仮置き爪部と、
前記仮置き爪部において相反する側に向く2つの面のうちの一方の面から突出して設けられ、前記仮置き爪部の前記貫通孔への挿入時に、前記貫通孔の手前側の一方側縁に当接可能に設けられた第一突起と、
前記仮置き爪部の前記2つの面のうちの他方の面から突出して設けられ、前記仮置き爪部の前記貫通孔への挿入時に、前記貫通孔の先側の他方側縁に当接可能に設けられた第二突起と、
を備える、インパネユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタホルダ、コネクタユニット、及び、インパネユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1には、搬送時にワイヤハーネスよりぶら下がったコネクタホルダを仮保持できるようにするためのコネクタホルダの仮保持構造が示されている。コネクタホルダは、外面より突出して可撓性を有する仮係止棒と、仮係止棒に設けられた仮係止用の大径部と、を有する。このコネクタホルダが仮保持されるパネル等は、大径部を貫通させる大径孔部と、仮係止棒を貫通させるが大径部を貫通させない小幅孔部と、を連通させた鍵穴状を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コネクタホルダは、コネクタを保持するため、所定の固定場所に固定される。このコネクタホルダは、固定場所等に別途設置されるインパネ(インストルメントパネル)等の仮置部材に仮置きされた状態でインパネと共に固定場所に運ばれる場合がある。この場合、コネクタホルダは、仮置部材からの落下を防止し、容易に外れないように仮置部材に適正に仮置きされることが望まれる。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、適正に仮置きできるコネクタホルダ、当該コネクタホルダにコネクタが取り付けられたコネクタユニット、及び、コネクタホルダが適正に仮置きされたインパネユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るコネクタホルダは、コネクタが保持されるホルダ本体と、前記ホルダ本体から外側に延出して設けられて仮置部材に形成された貫通孔に挿入可能な仮置き爪部と、前記仮置き爪部において相反する側に向く2つの面のうちの一方の面から突出して設けられ、前記仮置き爪部の前記貫通孔への挿入時に、前記貫通孔の手前において相反する側に向く2つの面のうちの一方の面側の一方側縁に当接可能に設けられた第一突起と、前記仮置き爪部の前記2つの面のうちの他方の面から突出して設けられ、前記仮置き爪部の前記貫通孔への挿入時に、前記貫通孔の先側の他方側縁に当接可能に設けられた第二突起と、を備える。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るコネクタユニットは、電線が接続されたコネクタと、前記コネクタが取り付けられるコネクタホルダと、を備え、前記コネクタホルダは、コネクタが保持されるホルダ本体と、前記ホルダ本体から外側に延出して設けられて仮置部材に形成された貫通孔に挿入可能な仮置き爪部と、前記仮置き爪部において相反する側に向く2つの面のうちの一方の面から突出して設けられ、前記仮置き爪部の前記貫通孔への挿入時に、前記貫通孔の手前側の一方側縁に当接可能に設けられた第一突起と、前記仮置き爪部の前記2つの面のうちの他方の面から突出して設けられ、前記仮置き爪部の前記貫通孔への挿入時に、前記貫通孔の先側の他方側縁に当接可能に設けられた第二突起と、を備える。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るインパネユニットは、車両に取り付けられるインパネと、コネクタが取り付けられるコネクタホルダと、を備え、前記コネクタホルダは、コネクタが保持されるホルダ本体と、前記ホルダ本体から外側に延出して設けられて前記インパネに形成された貫通孔に挿入可能な仮置き爪部と、前記仮置き爪部において相反する側に向く2つの面のうちの一方の面から突出して設けられ、前記仮置き爪部の前記貫通孔への挿入時に、前記貫通孔の手前側の一方側縁に当接可能に設けられた第一突起と、前記仮置き爪部の前記2つの面のうちの他方の面から突出して設けられ、前記仮置き爪部の前記貫通孔への挿入時に、前記貫通孔の先側の他方側縁に当接可能に設けられた第二突起と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るコネクタホルダ、及び、コネクタユニットは、適正に仮置きできる。また、本発明に係るインパネユニットは、コネクタホルダが適正に仮置きできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係るコネクタホルダ、コネクタユニット、及び、インパネユニットの概略構成を表す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るコネクタホルダ、コネクタユニット、及び、インパネユニットの概略構成を表す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るコネクタホルダがインパネに仮置きされた状態の概略構成を表す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
なお、以下の説明では、互いに交差する第一方向、第二方向、及び、第三方向のうち、第一方向を「奥行方向X」といい、第二方向を「幅方向Y」といい、第三方向を「高さ方向Z」という。ここでは、奥行方向Xと幅方向Yと高さ方向Zとは、相互に略直交する。奥行方向Xは、典型的には、コネクタホルダにコネクタを取り付ける取付方向X1(
図2参照)に沿う方向に相当する。幅方向Yと高さ方向Zとは、奥行方向Xと交差する交差方向に相当する。
【0013】
本実施形態のインパネユニット100は、
図1に示すように、コネクタホルダ1を仮置部材であるインパネ3に仮置きしたものである。インパネユニット100は、コネクタホルダ1と、コネクタ2と、インパネ3と、を含む。また、実施形態のコネクタユニット50は、
図1に示すように、コネクタホルダ1にコネクタ2を保持したものである。従って、コネクタユニット50は、コネクタホルダ1と、コネクタ2と、を含む。なお、本実施形態のインパネユニット100は、コネクタ2を含まない構成もありうる。すなわち、この場合、インパネユニット100は、コネクタホルダ1と、インパネ3と、を含んで構成されることとなる。
【0014】
インパネ3は、インストルメントパネル(計器盤)であり、メーター類が設置されるパネルである。インパネ3は、例えば、車両において運転席側のメーターまわりのパネルだけでなく、助手席側も含めたパネル全体を含んでもよい。
【0015】
コネクタ2は、コネクタホルダ1に保持されるものである。コネクタ2は、実施形態では、
図2に示すように、第一コネクタ20と、第二コネクタ21とを含む。第一コネクタ20は、電線20aが接続される。電線20aは、線状に延在し、延在方向に対してほぼ同じ径で延びるように形成される。電線20aは、可撓性を有する。電線20aは、図には明示しないが、導体部が絶縁被覆部に被覆される。そして、第一コネクタ20は、この電線20aの導体部が電気的に接続される。第一コネクタ20は、他の電線(不図示)のコネクタや、電子機器(不図示)に接続される電線のコネクタに電気的に接続される。第二コネクタ21は、電線21aが接続される。第二コネクタ21、及び、電線21aは、第一コネクタ20、及び、電線20aと同様の構成であり、その説明は省略する。
【0016】
コネクタホルダ1は、上記コネクタ2(20,21)を保持するものである。コネクタホルダ1の使用形態としては、インパネ3に仮置きされる形態と、所定の固定場所に固定される形態と、がある。所定の固定場所は、インパネ3とは別の部材の場所、又は、インパネ3における仮置きされる場所とは別の場所がある。コネクタホルダ1は、
図1に示すように、ホルダ本体10と、カバー部材11と、仮置き爪部12と、を含む。
【0017】
ホルダ本体10は、
図2に示すように、幅方向Yに広がる幅を有し、高さ方向Zに広がる高さを有し、奥行方向Xに貫通する矩形の筒状に形成される。ホルダ本体10は、その筒状の内部にコネクタ2(20,21)が取付方向X1に沿って挿入され、爪などで係止して保持される。
【0018】
カバー部材11は、
図1に示すように、ホルダ本体10においてコネクタ2(20,21)が挿入される一方の開口を開閉するものである。カバー部材11は、ホルダ本体10の一方の開口を開放した状態で(
図2参照)、コネクタ2(20,21)が挿入を可能とする。カバー部材11は、ホルダ本体10の形状を表すため、
図2では省略している。また、カバー部材11は、ホルダ本体10の一方の開口を閉塞した状態で(
図1参照)、コネクタ2(20,21)を保護する。また、カバー部材11は、
図1に示すように、結束部材11aが取り付けられるように構成される。結束部材11aは、環状に形成された結束バンドであり、カバー部材11に取り付けられた状態でコネクタ2(20,21)の電線20a.21aを結束して保持する(なお、
図1では、電線20a.21aの結束部分は図示省略されている。)。
【0019】
仮置き爪部12は、インパネ3へのホルダ本体10の仮置きに用いられるものである。仮置き爪部12は、ホルダ本体10と一体に形成される。仮置き爪部12は、ホルダ本体10の幅方向Yの一面から突出する棒状に形成される。仮置き爪部12は、
図3に示すように、ホルダ本体10の幅方向Yの一面から突出し、ホルダ本体10から先端12aに向けて設けられた第一面12bと、第一面12bとは相反する側に向く第二面12cと、を有する。本実施形態では、第一面12bは、高さ方向Zの上側に向く面であり、第二面12cは、高さ方向Zの下側に向く面である。また、仮置き爪部12は、奥行方向Xの一側と他側に向き、第一面12bと第二面12cとに連なる側面12dを有する。従って、仮置き爪部12は、先端12aから視たとき、第一面12bと第二面12cと各側面12dによって矩形状に形成される。
【0020】
仮置き爪部12は、先端12aからインパネ3に形成された貫通孔30に挿入される。インパネ3の貫通孔30は、開口方向から視た形状が、先端12aから視た仮置き爪部12の矩形状に合わせて矩形状に形成される。貫通孔30は、奥行方向Xの各側部開口端30aの間の寸法A1が、仮置き爪部12の奥行方向Xの寸法B1と同等である(
図2参照)。このため、仮置き爪部12は、貫通孔30への挿入時に、各側面12dが貫通孔30の奥行方向Xの各側部開口端30aに接触して奥行方向Xへの移動を規制される。また、貫通孔30は、高さ方向Zの上側の上開口端30bと下側の下開口端30cとの間の寸法A2が、仮置き爪部12の先端12aの高さ方向Zの寸法B2よりも大きい(
図3参照)。このため、仮置き爪部12は、貫通孔30への挿入が可能であり、第一面12bと上開口端30bとの間に隙間を有し、且つ、第二面12cと下開口端30cとの間に隙間を有する。
【0021】
コネクタホルダ1は、仮置き爪部12において相反する側に向く2つの面である第一面12bと第二面12cのうちの一方の面に設けられた第一突起13Aと、仮置き爪部12の当該2つの面である第一面12bと第二面12cのうちの他方の面に設けられた第二突起13Bと、を備える。本実施形態においては、第一突起13Aと第二突起13Bとの組み合わせは、二組設けられる。より具体的には、第一突起13Aは、第一面12bに形成された第一突起13Aa、及び、第二面12cに形成された第一突起13Abを含む。第二突起13Bは、第二面12cに形成された第二突起13Ba、及び、第一面12bに形成された第二突起13Bbを含む。そして、第一突起13Aaと第二突起13Baとは、対をなす第一の組みを構成し、第一突起13Abと第二突起13Bbとは、異なる別の対をなす第二の組みを構成する。言い換えれば、第一突起13Aは、一方の組み(第一の組み)を構成する第一突起13Aa、及び、他方の組み(第二の組み)を構成する第一突起13Abを含み、第二突起13Bは、一方の組み(第一の組み)を構成する第二突起13Ba、及び、他方の組み(第二の組み)を構成する第二突起13Bbを含む。そして、仮置き爪部12において相反する側に向く第一面12b、及び、第二面12cのうち第一面12bは、一方の組みの第一突起13Aaと他方の組みの第二突起13Bbとが並んで設けられる。第二面12cは、他方の組みの第一突起13Abと一方の組みの第二突起13Baとが並んで設けられる、以下、第一突起13Aa,13Ab、及び、第二突起13Ba,13Bbについてより具体的に説明する。なお、以下の説明では、第一突起13Aaと第一突起13Abとを区別して説明する必要がない場合には、単に「第一突起13A」という場合がある。同様に、第二突起13Baと第二突起13Bbとを区別して説明する必要がない場合には、単に「第二突起13B」という場合がある。
【0022】
一方の組み(第一の組み)の第一突起13Aaと第二突起13Baについて説明する。第一突起13Aaは、第一面12bから突出して設けられる。第一突起13Aaは、仮置き爪部12の先端12aの高さ方向Zの寸法B2に加えた高さ方向Zの寸法B3が、貫通孔30の上開口端30bと下開口端30cとの間の寸法A2よりも大きくなるように形成される。第一突起13Aaは、仮置き爪部12の貫通孔30への挿入の際、仮置き爪部12が貫通孔30に挿入される手前側の縁である一方側縁30dに当接することが可能に設けられる。
【0023】
第二突起13Baは、第二面12cから突出して設けられる。第二突起13Baは、仮置き爪部12の先端12aの高さ方向Zの寸法B2に加えた高さ方向Zの寸法B4が、貫通孔30の上開口端30bと下開口端30cとの間の寸法A2よりも大きくなるように形成される。第二突起13Baは、第二面12cからの突出する大きさが、第一突起13Aaが第一面12bから突出する大きさよりも小さい。この第二突起13Baは、第一突起13Aaよりも仮置き爪部12の先端12a寄りに配置される。第二突起13Baは、仮置き爪部12の貫通孔30への挿入の際、第二面12cから突出する大きさが小さいため、仮置き爪部12や貫通孔30の若干の撓みによって貫通孔30を通過することが可能である。また、第二突起13Baは、仮置き爪部12の貫通孔30への挿入後において、仮置き爪部12の先端12aが貫通孔30を通過した先側の縁である他方側縁30eに当接することが可能に設けられる。
【0024】
このように、仮置き爪部12は、
図3に示すように、第一面12bに第一突起13Aaが形成され、第二面12cに第二突起13Baが形成され、第二突起13Baが第一突起13Aaよりも先端12a側に設けられ、貫通孔30への挿入時、第一突起13Aaが貫通孔30の一方側縁30dに当接し、第二突起13Baが貫通孔30の他方側縁30eに当接する。この構成において、仮置き爪部12は、貫通孔30に挿入した状態において、コネクタホルダ1に高さ方向Zの上側(第一面12b側)に移動する外力が加わって、貫通孔30を基準にした
図3中の時計回り(矢印α)に動くような場合を検討する。仮置き爪部12は、このような動きがあっても、第一突起13Aa、及び、第二突起13Baによって貫通孔30から抜けることを規制される。
【0025】
他方の組み(第二の組み)の第一突起13Abと第二突起13Bbについて説明する。第一突起13Abは、第二面12cから突出して設けられる。第一突起13Abは、仮置き爪部12の先端12aの高さ方向Zの寸法B2に加えた高さ方向Zの寸法B5が、貫通孔30の上開口端30bと下開口端30cとの間の寸法A2よりも大きくなるように形成される。第一突起13Abは、仮置き爪部12の貫通孔30への挿入の際、仮置き爪部12が貫通孔30に挿入される手前側の縁である一方側縁30dに当接することが可能に設けられる。
【0026】
第二突起13Bbは、第一面12bから突出して設けられる。第二突起13Bbは、仮置き爪部12の先端12aの高さ方向Zの寸法B2に加えた高さ方向Zの寸法B6が、貫通孔30の上開口端30bと下開口端30cとの間の寸法A2よりも大きくなるように形成される。第二突起13Bbは、第一面12bからの突出する大きさが、第一突起13Abが第二面12cから突出する大きさよりも小さい。また、第二突起13Bbは、第一面12bからの突出する大きさが、第二面12cから突出する第二突起13Baよりも小さい。この第二突起13Bbは、第一突起13Abよりも仮置き爪部12の先端12a寄りに配置される。第二突起13Bbは、仮置き爪部12の貫通孔30への挿入の際、第一面12bから突出する大きさが小さく、第二面12cから突出する第二突起13Baよりも小さいため、仮置き爪部12や貫通孔30の若干の撓みによって貫通孔30を通過することが可能である。また、第二突起13Bbは、仮置き爪部12の貫通孔30への挿入後において、仮置き爪部12の先端12aが貫通孔30を通過した先側の縁である他方側縁30eに当接することが可能に設けられる。
【0027】
このように、仮置き爪部12は、
図3に示すように、第二面12cに第一突起13Abが形成され、第一面12bに第二突起13Bbが形成され、第二突起13Bbが第一突起13Abよりも先端12a側に設けられ、貫通孔30への挿入時、第一突起13Abが貫通孔30の一方側縁30dに当接し、第二突起13Bbが貫通孔30の他方側縁30eに当接する。この構成において、仮置き爪部12は、貫通孔30に挿入した状態において、コネクタホルダ1に高さ方向Zの下側(第二面12c側)に移動する外力が加わって、貫通孔30を基準にした
図3中の反時計回り(矢印β)に動くような場合を検討する。仮置き爪部12は、このような動きがあっても、第一突起13Ab、及び、第二突起13Bbによって貫通孔30から抜けることを規制されることになる。
【0028】
本実施形態のインパネユニット100は、例えば、車両の内部にインパネ3を取り付ける際、コネクタホルダ1をインパネ3に一時的に仮置き状態として共に車両の内部に運ばれる。コネクタホルダ1は、ホルダ本体10にカバー部材11が設けられた形態で、仮置き爪部12をインパネ3の貫通孔30に挿入して第一突起13A、及び、第二突起13Bで抜け止めされることでインパネ3に仮置きされる。また、インパネユニット100は、コネクタホルダ1にコネクタ2が装着された形態のコネクタユニット50がインパネ3に仮置きされてもよい。このように、インパネユニット100は、コネクタホルダ1、又は、コネクタユニット50が仮置きされて共に車両の内部に運ぶことができる。従って、インパネユニット100は、インパネ3を車両の内部に取り付ける作業において、車両の内部の固定場所に取り付けられるコネクタホルダ1、又は、コネクタユニット50を車両の内部に共に運ぶことができ、取り付け作業の利便性を向上できるものである。
【0029】
このように、実施形態のコネクタホルダ1は、コネクタ2が保持されるホルダ本体10と、ホルダ本体10から外側に延出して設けられて仮置部材であるインパネ3に形成された貫通孔30に挿入可能な仮置き爪部12と、仮置き爪部12において相反する側に向く2つの面(第一面12b、第二面12c)のうちの一方の面から突出して設けられ、仮置き爪部12の貫通孔30への挿入時に、貫通孔30の手前側の一方側縁30dに当接可能に設けられた第一突起13A(13Aa,13Ab)と、仮置き爪部12の2つの面(第一面12b、第二面12c)のうちの他方の面から突出して設けられ、仮置き爪部12の貫通孔30への挿入時に、貫通孔30の先側の他方側縁30eに当接可能に設けられた第二突起13B(13Ba,13Bb)と、を備える。
【0030】
また、実施形態のコネクタユニット50は、電線20a、21aが接続されたコネクタ2(20,21)と、コネクタ2(20,21)が保持される上記コネクタホルダ1と、を備える。
【0031】
また、実施形態のインパネユニット100は、車両に取り付けられるインパネ3と、コネクタ2(20,21)が保持される上記コネクタホルダ1と、を備える。
【0032】
この実施形態のコネクタホルダ1、コネクタユニット50、及び、インパネユニット100は、第一突起13Aが貫通孔30の手前側の一方側縁30dに当接し、第二突起13Bが貫通孔30の先側の他方側縁30eに当接することで、仮置き爪部12が貫通孔30から抜け止めされる。このため、実施形態のコネクタホルダ1、コネクタユニット50、及び、インパネユニット100は、仮置き爪部12が設けられたホルダ本体10を仮置部材であるインパネ3に脱落防止して仮置きすることができる。この結果、実施形態のコネクタホルダ1、コネクタユニット50、及び、インパネユニット100によれば、適正に仮置きできる。
【0033】
ところで、一般的なコネクタホルダ、コネクタユニット、及び、インパネユニットは、適正に仮置きできない場合、仮置部材であるインパネから脱落し、インパネを車両の内部に運ぶ作業や、インパネに他の部品を取り付ける作業に支障をきたすこととなる。そのため、従来のコネクタホルダ、コネクタユニット、及び、インパネユニットは、ホルダ本体がテープでインパネに止められたり、脱落防止冶具によって脱落を防止される。しかし、このようなコネクタホルダ、コネクタユニット、及び、インパネユニットでは、テープや脱落防止冶具を使用するコストが嵩み、且つ、組み立て作業時に外したテープを破棄しなければならず、作業性が損なわれていた。これに対し、実施形態のコネクタホルダ1、コネクタユニット50、及び、インパネユニット100は、適正に仮置きできるため、テープや脱落防止冶具を用いずコストを低減でき、廃棄物を発生させず、作業性を向上できる。
【0034】
また、実施形態のコネクタホルダ1、コネクタユニット50、及び、インパネユニット100では、第一突起13Aと第二突起13Bとの組み合わせは、二組設けられ、仮置き爪部12の2つの面を第一面12bと第二面12cとし、第一面12bは、一方の組みの第一突起13Aaと他方の組みの第二突起13Bbとが並んで設けられ、第二面12cは、他方の組みの第一突起13Abと一方の組みの第二突起13Baとが並んで設けられる。
【0035】
この実施形態のコネクタホルダ1、コネクタユニット50、及び、インパネユニット100は、第一面12bの第一突起13Aa、又は、第二面12cの第一突起13Abが貫通孔30の手前側の一方側縁30dに当接し、第二面12cの第二突起部13Ba、又は、第一面12bの第二突起13Bbが貫通孔30の先側の他方側縁30eに当接することで、第一面12b側、及び、第二面12c側の双方に向けて生じる外力に対して仮置き爪部12が貫通孔30から抜け止めされる。このため、実施形態のコネクタホルダ1、コネクタユニット50、及び、インパネユニット100は、仮置き爪部12が設けられたホルダ本体10を仮置部材であるインパネ3に脱落防止して仮置きする効果を顕著に得られる。この結果、実施形態のコネクタホルダ1、コネクタユニット50、及び、インパネユニット100によれば、より適正に仮置きできる。
【0036】
なお、本実施形態に係るコネクタホルダ1、コネクタユニット50、及び、インパネユニット100は、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 コネクタホルダ
10 ホルダ本体
12 仮置き爪部
12b 第一面
12c 第二面
13A(13Aa,13Ab) 第一突起
13B(13Ba,13Bb) 第二突起
2 コネクタ
20 第一コネクタ
20a 電線
21 第二コネクタ
21a 電線
3 インパネ
30 貫通孔
30d 一方側縁
30e 他方側縁
50 コネクタユニット
100 インパネユニット