(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158742
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】部品実装装置及び部品実装方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
H05K13/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074233
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】児玉 裕介
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353BB05
5E353CC03
5E353CC04
5E353CC05
5E353EE23
5E353EE26
5E353EE53
5E353GG01
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5E353JJ08
5E353JJ25
5E353JJ50
5E353KK01
5E353KK11
5E353KK24
5E353QQ11
(57)【要約】
【課題】部品を正しい向きで基板に実装すること。
【解決手段】部品実装装置は、極性を示す識別子が設けられたボディと陽極リード線と陰極リード線とを有する部品を保持するノズルを有する実装ヘッドと、ノズルに保持された部品を撮像するカメラと、カメラにより撮像された部品の画像データに含まれる識別子の画像に基づいて、部品の向きを補正するための第1補正量を算出する画像処理装置と、第1補正量に基づいて部品の向きを補正した後に部品を基板に実装させる制御指令を前記実装ヘッドに出力する制御装置と、を備える。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性を示す識別子が設けられたボディと陽極リード線と陰極リード線とを有する部品を保持するノズルを有する実装ヘッドと、
前記ノズルに保持された前記部品を撮像するカメラと、
前記カメラにより撮像された前記部品の画像データに含まれる前記識別子の画像に基づいて、前記部品の向きを補正するための第1補正量を算出する画像処理装置と、
前記第1補正量に基づいて前記部品の向きを補正した後に前記部品を基板に実装させる制御指令を前記実装ヘッドに出力する制御装置と、を備える、
部品実装装置。
【請求項2】
前記画像処理装置は、前記画像データに含まれる前記陽極リード線の画像と前記陰極リード線の画像とに基づいて、前記識別子の画像を予め設定されている第1検出エリア及び第2検出エリアのいずれか一方に配置するための第2補正量を算出し、
前記画像処理装置は、前記第2補正量に基づいて前記部品の画像の向きを補正した後に、前記識別子の画像と前記第1検出エリアと前記第2検出エリアとの相対位置に基づいて、前記第1補正量を算出する、
請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記ノズルに保持された前記部品の前記陽極リード線及び前記陰極リード線にレーザ光を照射する照射装置及び前記照射装置から射出されたレーザ光の少なくとも一部を受光する受光装置を有するレーザ装置と、
前記受光装置により受光された前記レーザ光の受光データに基づいて、前記識別子の画像を予め設定されている第1検出エリア及び第2検出エリアのいずれか一方に配置するための第2補正量を算出する演算装置と、を備え、
前記画像処理装置は、前記第2補正量に基づいて前記部品の向きを補正した後に、前記識別子の画像と前記第1検出エリアと前記第2検出エリアとの相対位置に基づいて、前記第1補正量を算出する、
請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記識別子は、前記陽極リード線と前記陰極リード線とを通る仮想線上に設けられ、
前記第1検出エリアと前記第2検出エリアとは、前記第2補正量に基づいて前記部品の向きが補正された状態で、前記仮想線上に設定される、
請求項2又は請求項3に記載の部品実装装置。
【請求項5】
極性を示す識別子が設けられたボディと陽極リード線と陰極リード線とを有する部品が実装ヘッドのノズルに保持された状態で、前記部品をカメラで撮像することと、
前記カメラにより撮像された前記部品の画像データに含まれる前記識別子の画像に基づいて、前記部品の向きを補正するための第1補正量を算出することと、
前記第1補正量に基づいて前記部品の向きを補正した後に前記部品を基板に実装させる制御指令を前記実装ヘッドに出力することと、を含む、
部品実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、部品実装装置及び部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の製造工程において、部品を基板に実装する部品実装装置が使用される。基板に実装される部品として、特許文献1に開示されているような電解コンデンサが知られている。電解コンデンサは、陽極リード線と陰極リード線とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電解コンデンサのような極性を有する部品を基板に実装する場合、部品が誤った向きで基板に実装されることを抑制する必要がある。
【0005】
本明細書で開示する技術は、部品を正しい向きで基板に実装することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示する技術に従えば、極性を示す識別子が設けられたボディと陽極リード線と陰極リード線とを有する部品を保持するノズルを有する実装ヘッドと、ノズルに保持された部品を撮像するカメラと、カメラにより撮像された部品の画像データに含まれる識別子の画像に基づいて、部品の向きを補正するための第1補正量を算出する画像処理装置と、第1補正量に基づいて部品の向きを補正した後に部品を基板に実装させる制御指令を実装ヘッドに出力する制御装置と、を備える、部品実装装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本明細書で開示する技術によれば、部品が正しい向きで基板に実装される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る部品実装装置を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る実装ヘッドを模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る部品を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る部品を下方から見た図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る部品実装装置を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る演算処理システムのハードウエア構成図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るビジョンセンタリング処理を説明するための図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るセンタリング処理を説明するための図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るレーザセンタリング処理を説明するための図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るビジョンセンタリング処理を含む部品実装方法を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係る極性判別処理を説明するための図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係るレーザセンタリング処理を含む部品実装方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。実施形態においては、部品実装装置にローカル座標系を設定し、このローカル座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。ローカル座標系は、XYZ直交座標系である。所定面のX軸と平行な方向をX軸方向とする。所定面においてX軸と直交するY軸と平行な方向をY軸方向とする。所定面と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。X軸を中心とする回転方向をθX方向とする。Y軸を中心とする回転方向をθY方向とする。Z軸を中心とする回転方向をθZ方向とする。所定面はXY平面である。所定面は、水平面と平行であることとする。Z軸方向は、鉛直方向である。+Z方向は、上方である。-Z方向は、下方である。なお、所定面は、水平面に対して傾斜してもよい。
【0010】
[部品実装装置]
図1は、実施形態に係る部品実装装置1を模式的に示す図である。部品実装装置1は、部品Cを基板Pに実装する。
図1に示すように、部品実装装置1は、ベース部材2と、基板Pを搬送する基板搬送装置3と、部品Cを供給する部品供給装置4と、部品Cを保持するノズル6を有し、部品Cを基板Pに実装する実装ヘッド5と、実装ヘッド5を移動するヘッド移動装置7と、ノズル6を移動するノズル移動装置8と、部品Cを撮像するカメラ9とを備える。
【0011】
基板搬送装置3は、基板Pを保持して移動可能な保持部材3Hと、保持部材3Hをガイドするガイド機構3Gとを有する。保持部材3Hは、基板Pの表面とXY平面とが平行となるように基板Pを保持する。保持部材3Hは、ガイド機構3GにガイドされてX軸方向に移動する。基板搬送装置3は、部品Cの実装処理が実施される処理位置MPに基板Pを搬送する。
【0012】
部品供給装置4は、部品Cを供給位置SPに供給する。部品供給装置4は、トレイフィーダを含む。なお、部品供給装置4は、テープフィーダを含んでもよい。
【0013】
実装ヘッド5は、部品供給装置4の供給位置SPに供給された部品Cをノズル6で保持して、処理位置MPに配置されている基板Pの表面に実装する。
【0014】
ヘッド移動装置7は、X軸駆動装置7X及びY軸駆動装置7Yを有する。X軸駆動装置7X及びY軸駆動装置7Yのそれぞれは、アクチュエータを含む。X軸駆動装置7Xは、実装ヘッド5に連結される。X軸駆動装置7Xの作動により、実装ヘッド5がX軸方向に移動する。Y軸駆動装置7Yは、X軸駆動装置7Xを介して実装ヘッド5に連結される。Y軸駆動装置7Yの作動によりX軸駆動装置7XがY軸方向に移動することによって、実装ヘッド5がY軸方向に移動する。
【0015】
カメラ9は、撮像位置FPに配置された部品Cを撮像する。撮像位置FPは、カメラ9の直上の位置である。ノズル6は、部品Cを撮像装置FPに配置することができる。カメラ9は、ノズル6に保持された部品Cを下方から撮像する。カメラ9は、基板Pに実装される前の部品Cを撮像する。
【0016】
[実装ヘッド]
図2は、実施形態に係る実装ヘッド5を模式的に示す図である。実装ヘッド5は、部品Cを解放可能に保持するノズル6を有する。ノズル6は、部品Cを真空吸着する吸着ノズルでもよいし、部品Cを把持するグリッパノズルでもよい。実装ヘッド5は、供給位置SPと撮像位置FPと処理位置MPとのそれぞれにノズル6が配置されるように、XY平面内において移動可能である。実装ヘッド5は、部品供給装置4から供給された部品Cをノズル6で保持して基板Pに実装する。
【0017】
ノズル6は、供給位置SPにおいて、部品供給装置4から供給された部品Cを保持する。ノズル6は、供給位置SPにおいて部品Cを保持した後、撮像位置FPまで搬送する。カメラ9は、撮像位置FPに配置された部品Cを下方から撮像する。カメラ9による部品Cの撮像が終了した後、ノズル6は、部品Cを撮像位置FPから処理位置MPまで搬送し、基板Pに実装する。処理位置MPにおいて部品Cが基板Pに実装された後、ノズル6は、部品Cを解放する。
【0018】
実装ヘッド5は、ノズル6をZ軸方向及びθZ方向に移動可能に支持する。ノズル6は、シャフト6Sを介して実装ヘッド5のベースフレーム5Fに支持される。実装ヘッド5は、ノズル6をZ軸方向及びθZ方向に移動可能なノズル移動装置8を有する。ノズル移動装置8は、ベースフレーム5Fに支持される。ノズル移動装置8は、ノズル6をZ軸方向に移動するZ軸駆動装置8Zと、ノズル6をθZ方向に回転する回転駆動装置8Rとを含む。Z軸駆動装置8Zは、モータのようなアクチュエータを含み、ノズル6をZ軸方向に移動するための動力を発生する。回転駆動装置8Rは、モータのようなアクチュエータを含み、ノズル6をθZ方向に回転するための動力を発生する。
【0019】
ノズル6は、ヘッド移動装置7及びノズル移動装置8により、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。なお、ノズル6は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。
【0020】
実装ヘッド5は、ノズル6に保持されている部品Cの状態を検出するレーザ装置10を有する。部品Cの状態は、部品Cの形状及び部品Cの位置の少なくとも一方を含む。レーザ装置10は、検出光であるレーザ光を使って、ノズル6に保持されている部品Cの状態を検出する。レーザ装置10は、ベースフレーム5Fの下部に連結されているブラケット5Bに支持される。
【0021】
レーザ装置10は、ノズル6に保持されている部品Cにレーザ光を照射する照射装置10Aと、照射装置10Aから射出されたレーザ光の少なくとも一部を受光する受光装置10Bとを有する。照射装置10Aは、レーザ光を射出可能な発光素子を含む。受光装置10Bは、レーザ光を受光可能な受光素子を含む。受光装置10Bは、照射装置10Aと対向する位置に配置される。Z軸方向における照射装置10Aの位置と受光装置10Bの位置とは等しい。レーザ装置10は、ノズル6に保持された部品Cにレーザ光を照射して部品Cの状態を検出する。なお、上記レーザ装置10は、照射装置10Aからレーザ光を照射させたが、照射装置として、可視光(LED光)を照射させてもよい。
【0022】
ヘッド移動装置7の作動によりベースフレーム5Fが移動することによって、ベースフレーム5Fに支持されているノズル6、ノズル移動装置8、及びレーザ装置10のそれぞれは、ベースフレーム5Fと一緒に移動する。
【0023】
[電子部品]
図3は、実施形態に係る部品Cを示す斜視図である。
図4は、実施形態に係る部品Cを下方から見た図である。部品Cは、挿入型電子部品である。部品Cは、極性を有する。すなわち、部品Cは、陽極と陰極とを有する。極性を有する部品Cとして、電解コンデンサが例示される。
【0024】
部品Cは、ボディCBと、陽極リード線CL1と、陰極リード線CL2とを有する。実施形態において、ボディCBは、円柱状である。陽極リード線CL1及び陰極リード線CL2のそれぞれは、ボディCBの下面から下方に突出する。ノズル6は、部品CのボディCBを保持する。
【0025】
部品Cの極性を示す識別子CFがボディCBに設けられる。識別子CFは、ボディCBの表面の一部に帯状に設けられる。識別子CFの色彩は、ボディCBの表面のうち識別子CFが設けられていない領域の色彩とは異なる。
図4に示すように、ボディCBの下面に平行な所定面内において、識別子CFは、陽極リード線CL1と陰極リード線CL2とを通る仮想線ML上に設けられる。実施形態において、識別子CFは、陰極リード線CL2の近傍に設けられる。所定面内において、識別子CFと陰極リード線CL2との距離は、識別子CFと陽極リード線CL1との距離よりも短い。
【0026】
[演算処理システム]
図5は、実施形態に係る部品実装装置1を示すブロック図である。部品実装装置1は、演算処理システム11を有する。演算処理システム11は、制御装置12と、画像処理装置13と、演算装置14とを有する。
【0027】
制御装置12は、部品実装装置1を制御する制御指令を出力する。制御装置12は、基板搬送装置3を制御する制御指令、実装ヘッド5を制御する制御指令、ノズル6を制御する制御指令、カメラ9を制御する制御指令、及びレーザ装置10を制御する制御指令のそれぞれを出力する。実装ヘッド5を制御する制御指令は、ヘッド移動装置7を制御する制御指令を含む。ノズル6を制御する制御指令は、ノズル移動装置8を制御する制御指令を含む。
【0028】
画像処理装置13は、カメラ9により撮像された部品Cの画像データを画像処理する。カメラ9が撮像した部品Cの画像データは、画像処理装置13に入力される。画像処理装置13の画像処理結果は、制御装置12に入力される。
【0029】
演算装置14は、レーザ装置10の受光装置10Bにより受光されたレーザ光の受光データに基づいて、部品Cの位置を算出する。受光装置10Bにより受光されたレーザ光の受光データは、演算装置14に入力される。演算装置14の演算処理結果は、制御装置12に入力される。
【0030】
図6は、実施形態に係る演算処理システム11のハードウエア構成図である。演算処理システム11は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。制御装置12、画像処理装置13、及び演算装置14のそれぞれの機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、コンピュータプログラムに従って所定の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0031】
[センタリング処理]
実施形態において、陽極リード線CL1及び陰極リード線CL2に基づいて部品Cの位置を算出するセンタリング処理が実施される。センタリング処理において、部品実装装置1に規定されたローカル座標系における部品Cの位置が算出される。部品Cの位置は、XY平面内における部品Cの位置である。すなわち、センタリング処理において、X軸方向、Y軸方向、及びθZ方向における部品Cの位置が算出される。
【0032】
実施形態において、センタリング処理には、カメラ9を用いるビジョン方式と、レーザ装置10を用いるレーザ方式とがある。以下の説明においては、ビジョン方式によるセンタリング処理を適宜、ビジョンセンタリング処理、と称し、レーザ方式によるセンタリング処理をレーザセンタリング処理、と称する。
【0033】
<ビジョンセンタリング処理>
図7は、実施形態に係るビジョンセンタリング処理を説明するための図である。ビジョンセンタリング処理を実施する場合、ノズル6に保持された部品Cが撮像位置FPに配置される。カメラ9は、撮像位置FPに配置された部品Cを下方から撮像する。カメラ9により撮像された部品Cの画像データは、画像処理装置13に入力される。画像処理装置13は、部品Cの画像データに含まれる陽極リード線CL1の画像と陰極リード線CL2の画像とに基づいて、XY平面内における部品Cの位置を算出する。
【0034】
図8は、実施形態に係るセンタリング処理を説明するための図である。画像処理装置13は、陽極リード線CL1の画像と陰極リード線CL2の画像とに基づいて、ローカル座標系のXY平面内における部品Cの中心位置COを算出することができる。また、画像処理装置13は、画像データに基づいて算出された部品Cの検出位置と目標位置とのずれ量を算出することができる。画像処理装置13は、X軸方向、Y軸方向、及びθZ方向のそれぞれの部品Cの検出位置と目標位置とのずれ量を算出することができる。また、画像処理装置13は、陽極リード線CL1の画像と陰極リード線CL2の画像とに基づいて、XY平面内における陽極リード線CL1と陰極リード線CL2との距離Daを算出することができる。また、画像処理装置13は、部品Cの画像データに含まれるボディCBの画像に基づいて、XY平面内におけるボディCBの外径の寸法Dbを算出することができる。また、画像処理装置13は、陽極リード線CL1の画像と陰極リード線CL2の画像とに基づいて、XY平面内において陽極リード線CL1と陰極リード線CL2とを通る仮想線MLを設定することができる。
【0035】
<レーザセンタリング処理>
図9は、実施形態に係るレーザセンタリング処理を説明するための図である。レーザセンタリング処理を実施する場合、照射装置10Aは、ノズル6に保持された部品Cにレーザ光を照射する。制御装置12は、部品Cを保持したノズル6をθZ方向に回転させながら、照射装置10Aからレーザ光を射出させる。また、部品Cを保持したノズル6がZ方向に移動することにより、照射装置10Aから射出されたレーザ光の光路にボディCBが配置される状態と、照射装置10Aから射出されたレーザ光の光路に陽極リード線CL1及び陰極リード線CL2が配置される状態とに変化する。部品CがθZ方向に回転している状態で照射装置10Aからレーザ光が射出されたときの受光装置10Bの受光データは、演算装置14に入力される。演算装置14は、陽極リード線CL1及び陰極リード線CL2がレーザ光の光路に配置されているときに受光装置10Bにより受光されたレーザ光の受光データに基づいて、XY平面内における部品Cの位置を算出する。レーザセンタリング処理は、実装ヘッド5が部品実装装置1の任意の位置に配置されている状態で実施可能である。レーザセンタリング処理は、実装ヘッド5が移動している状態で実施可能である。
【0036】
ビジョンセンタリング処理と同様、レーザセンタリング処理においても、演算装置14は、陽極リード線CL1及び陰極リード線CL2がレーザ光の光路に配置されているときの受光装置10Bの受光データに基づいて、ローカル座標系のXY平面内における部品Cの中心位置COを算出することができる。また、演算装置14は、受光データに基づいて算出された部品Cの検出位置と目標位置とのずれ量を算出することができる。演算装置14は、X軸方向、Y軸方向、及びθZ方向のそれぞれの部品Cの検出位置と目標位置とのずれ量を算出することができる。また、演算装置14は、陽極リード線CL1及び陰極リード線CL2がレーザ光の光路に配置されているときの受光装置10Bの受光データに基づいて、XY平面内における陽極リード線CL1と陰極リード線CL2との距離Daを算出することができる。また、演算装置14は、ボディCBがレーザ光の光路に配置されているときの受光装置10Bの受光データに基づいて、XY平面内におけるボディCBの外径の寸法Dbを算出することができる。また、演算装置14は、陽極リード線CL1及び陰極リード線CL2がレーザ光の光路に配置されているときの受光装置10Bの受光データに基づいて、XY平面内において陽極リード線CL1と陰極リード線CL2とを通る仮想線MLを設定することができる。
【0037】
[部品実装方法]
次に、実施形態に係る部品実装方法について説明する。実施形態においては、センタリング処理において算出された部品Cの検出位置と目標位置とのずれを補正するための微小補正量(第2補正量)を算出することと、微小補正量に基づいて部品Cの位置を補正することと、が実施される。また、カメラ9により撮像された部品Cの画像データに含まれる識別子CFの画像に基づいて、部品Cの極性を判別する極性判別処理が実施される。極性判別処理においては、カメラ9により撮像された部品Cの画像データに含まれる識別子CFの画像に基づいて、部品Cの向きを補正するための回転補正量(第1補正量)を算出すること、が実施される。
【0038】
<ビジョンセンタリング処理を含む部品実装方法>
図10は、実施形態に係るビジョンセンタリング処理を含む部品実装方法を示すフローチャートである。部品供給装置4から供給された部品Cがノズル6に保持される。制御装置12は、ノズル6に保持された部品Cが撮像位置FPに移動するように、制御指令を出力する(ステップSA1)。
【0039】
部品Cが撮像位置FPに配置された後、制御装置12は、カメラ9に部品Cを撮像させる(ステップSA2)。
【0040】
カメラ9が撮像した部品Cの画像データは、画像処理装置13に送信される。画像処理装置13は、部品Cの画像データに含まれる陽極リード線CL1の画像と陰極リード線CL2の画像とに基づいて、ビジョンセンタリング処理を実施する(ステップSA3)。
【0041】
画像処理装置13は、部品Cの画像データに含まれる陽極リード線CL1の画像と陰極リード線CL2の画像とに基づいて、XY平面内において部品Cを目標位置に配置するための微小補正量を算出する。微小補正量は、X軸方向の微小補正量、Y軸方向の微小補正量、及びθZ方向の微小補正量の少なくとも一つを含む。
【0042】
制御装置12は、極性判別処理を実施するか否かを判定する(ステップSA4)。
【0043】
ステップSA4において、極性判別処理を実施すると判定された場合(ステップSA4:Yes)、画像処理装置13は、極性判別処理を実施する(ステップSA5)。画像処理装置13は、カメラ9により撮像された部品Cの画像データに含まれる識別子CFの画像に基づいて、部品Cの向きを補正するための回転補正量を算出する。
【0044】
図11は、実施形態に係る極性判別処理を説明するための図である。極性判別処理においては、部品Cの画像データにおいて第1検出エリア21及び第2検出エリア22が予め設定される。第1検出エリア21の位置及び第2検出エリア22の位置は、カメラ9の視野において固定される。
【0045】
実施形態において、第1検出エリア21と第2検出エリア22とは、Y軸方向に配置される。第1検出エリア21と第2検出エリア22とは、離れている。
【0046】
部品Cが目標位置に配置された場合、識別子CFの画像が第1検出エリア21及び第2検出エリア22のいずれか一方に配置されるように、第1検出エリア21及び第2検出エリア22が予め設定されている。実施形態において、部品Cの目標位置は、XY平面内において、第1検出エリア21と第2検出エリア22との間の中央位置と部品Cの中心位置COとが一致し、且つ、陽極リード線CL1と陰極リード線CL2とがY軸方向に配置される位置である。
【0047】
ステップSA3において算出された微小補正量は、識別子CFの画像を第1検出エリア21及び第2検出エリア22のいずれか一方に配置するための補正量である。第1検出エリア21と第2検出エリア22とは、微小補正量に基づいて部品CのθZ方向の向きが補正された状態で、仮想線ML上に設定される。
【0048】
極性判別処理を実施する前に、画像処理装置13は、ステップSA3において算出された微小補正量に基づいて、識別子CFの画像が第1検出エリア21及び第2検出エリア22のいずれか一方に配置されるように、部品Cの画像の位置を補正する。微小補正量に基づいて部品Cの画像の位置が補正されることにより、識別子CFの画像が第1検出エリア21及び第2検出エリア22のいずれか一方に配置される。
【0049】
実施形態においては、識別子CFの画像が第1検出エリア21に配置されている場合、θZ方向における部品Cの向きは正しいと判定される。識別子CFの画像が第2検出エリア22に配置されている場合、θZ方向における部品Cの向きは正しくないと判定される。識別子CFの画像が第2検出エリア22に配置されている場合、θZ方向における部品Cの向きは、正しい向きに対して180°ずれていると判定される。すなわち、識別子CFの画像が第2検出エリア22に配置されている場合、θZ方向における部品Cの向きは、逆向きであると判定される。
【0050】
画像処理装置13は、微小補正量(第2補正量)に基づいて部品Cの画像の向きを補正した後に、識別子CFの画像と第1検出エリア21と第2検出エリア22との相対位置に基づいて、部品Cの向きを正しい向きに補正するための回転補正量(第1補正量)を算出する。識別子CFの画像が第1検出エリア21に配置されている場合、回転補正量は、0°である。識別子CFが第2検出エリア22に配置されている場合、回転補正量は、180°である。
【0051】
極性判定処理が終了した後、制御装置12は、ノズル6に保持された部品Cが実装位置MPに移動するように、制御指令を出力する(ステップSA6)。
【0052】
部品Cが実装位置MPに配置された後、制御装置12は、ステップSA3において算出された微小補正量に基づいて、XY平面内における部品Cの位置を補正する(ステップSA7)。
【0053】
制御装置12は、ステップSA5において実施された極性判別処理の判別結果を取得する(ステップSA8)。
【0054】
制御装置12は、極性判別処理の判別結果に基づいて、部品Cが逆向きか否かを判定する(ステップSA9)。
【0055】
ステップSA9において、部品Cが逆向きであると判定した場合(ステップSA9:Yes)、制御装置12は、部品Cの向きを正しい向きに補正するための回転補正量に基づいて、部品Cの向きを補正する。逆向きの部品Cを正しい向きに補正するための回転補正量は、180°である。制御装置12は、部品CをθZ方向に180°回転させる(ステップSA10)。
【0056】
制御装置12は、回転補正量に基づいて部品Cの向きを補正した後に、部品Cを基板Pに実装させる制御指令を実装ヘッド5に出力する。これにより、部品Cは、正しい向きで基板Pに実装される(ステップSA11)。
【0057】
ステップSA9において、部品Cが逆向きではないと判定した場合(ステップSA9:No)、制御装置12は、部品Cの向きを正しい向きに補正するための回転補正量に基づいて、部品Cの向きを補正する。正しい向きの部品Cを正しい向きに補正するための回転補正量は、0°である。制御装置12は、θZ方向の部品Cの位置を維持する。
【0058】
制御装置12は、部品Cを基板Pに実装させる制御指令を実装ヘッド5に出力する。これにより、部品Cは、正しい向きで基板Pに実装される(ステップSA11)。
【0059】
ステップSA4において、極性判別処理を実施しないと判定された場合(ステップSA4:No)、制御装置12は、ノズル6に保持された部品Cが実装位置MPに移動するように、制御指令を出力する(ステップSA12)。
【0060】
部品Cが実装位置MPに配置された後、制御装置12は、ステップSA3において算出された微小補正量に基づいて、XY平面内における部品Cの位置を補正する(ステップSA13)。
【0061】
制御装置12は、部品Cを基板Pに実装させる制御指令を実装ヘッド5に出力する。部品Cは、基板Pに実装される(ステップSA11)。
【0062】
<レーザセンタリング処理を含む部品実装方法>
図12は、実施形態に係るレーザセンタリング処理を含む部品実装方法を示すフローチャートである。制御装置12は、極性判別処理を実施するか否かを判定する(ステップSB1)。
【0063】
部品供給装置4から供給された部品Cがノズル6に保持される。制御装置12は、ノズル6に保持された部品Cが撮像位置FPに移動するように、制御指令を出力する。制御装置12は、撮像装置FPへの部品Cの移動と並行して、レーザセンタリング処理を実施する。すなわち、撮像装置FPへの実装ヘッド5の移動と並行して、ノズル6に保持された部品CをθZ方向に回転させながら、照射装置10Aからレーザ光を射出させる(ステップSB2)。
【0064】
受光装置10Bの受光データは、演算装置14に送信される。演算装置14は、陽極リード線CL1及び陰極リード線CL2がレーザ光の光路に配置されているときの受光装置10Bの受光データに基づいて、レーザセンタリング処理を実施する。
【0065】
演算装置14は、陽極リード線CL1及び陰極リード線CL2がレーザ光の光路に配置されているときの受光装置10Bの受光データに基づいて、XY平面内において部品Cを目標位置に配置するための微小補正量を算出する。微小補正量は、X軸方向の微小補正量、Y軸方向の微小補正量、及びθZ方向の微小補正量の少なくとも一つを含む。
【0066】
部品Cが撮像位置FPに配置された後、制御装置12は、カメラ9に部品Cを撮像させる(ステップSB3)。
【0067】
画像処理装置13は、極性判別処理を実施する(ステップSB4)。画像処理装置13は、カメラ9により撮像された部品Cの画像データに含まれる識別子CFの画像に基づいて、部品Cの向きを補正するための回転補正量を算出する。
【0068】
極性判別処理を実施する前に、画像処理装置13は、ステップSB2において算出された微小補正量に基づいて、識別子CFの画像が第1検出エリア21及び第2検出エリア22のいずれか一方に配置されるように、部品Cの画像の位置を補正する。ステップSB2において算出された微小補正量は、識別子CFの画像を第1検出エリア21及び第2検出エリア22のいずれか一方に配置するための補正量である。微小補正量に基づいて部品Cの画像の位置が補正されることにより、識別子CFの画像が第1検出エリア21及び第2検出エリア22のいずれか一方に配置される。
【0069】
識別子CFの画像が第1検出エリア21に配置されている場合、θZ方向における部品Cの向きは正しいと判定される。識別子CFの画像が第2検出エリア22に配置されている場合、θZ方向における部品Cの向きは正しくないと判定される。識別子CFの画像が第2検出エリア22に配置されている場合、θZ方向における部品Cの向きは、正しい向きに対して180°ずれていると判定される。すなわち、識別子CFの画像が第2検出エリア22に配置されている場合、θZ方向における部品Cの向きは、逆向きであると判定される。
【0070】
画像処理装置13は、微小補正量(第2補正量)に基づいて部品Cの画像の向きを補正した後に、識別子CFの画像と第1検出エリア21と第2検出エリア22との相対位置に基づいて、部品Cの向きを正しい向きに補正するための回転補正量(第1補正量)を算出する。識別子CFの画像が第1検出エリア21に配置されている場合、回転補正量は、0°である。識別子CFが第2検出エリア22に配置されている場合、回転補正量は、180°である。
【0071】
極性判定処理SB4が終了した後、制御装置12は、ノズル6に保持された部品Cが実装位置MPに移動するように、制御指令を出力する(ステップSB5)。
【0072】
部品Cが実装位置MPに配置された後、制御装置12は、ステップSB2において算出された微小補正量に基づいて、XY平面内における部品Cの位置を補正する(ステップSB6)。
【0073】
制御装置12は、ステップSB4において実施された極性判別処理の判別結果を取得する(ステップSB7)。
【0074】
制御装置12は、極性判別処理の判別結果に基づいて、部品Cが逆向きか否かを判定する(ステップSB8)。
【0075】
ステップSB8において、部品Cが逆向きであると判定した場合(ステップSB8:Yes)、制御装置12は、部品Cの向きを正しい向きに補正するための回転補正量に基づいて、部品Cの向きを補正する。逆向きの部品Cを正しい向きに補正するための回転補正量は、180°である。制御装置12は、部品CをθZ方向に180°回転させる(ステップSB9)。
【0076】
制御装置12は、回転補正量に基づいて部品Cの向きを補正した後に、部品Cを基板Pに実装させる制御指令を実装ヘッド5に出力する。これにより、部品Cは、正しい向きで基板Pに実装される(ステップSB10)。
【0077】
ステップSB8において、部品Cが逆向きではないと判定した場合(ステップSB8:No)、制御装置12は、部品Cの向きを正しい向きに補正するための回転補正量に基づいて、部品Cの向きを補正する。正しい向きの部品Cを正しい向きに補正するための回転補正量は、0°である。制御装置12は、θZ方向の部品Cの位置を維持する。
【0078】
制御装置12は、部品Cを基板Pに実装させる制御指令を実装ヘッド5に出力する。これにより、部品Cは、正しい向きで基板Pに実装される(ステップSB10)。
【0079】
ステップSB1において、極性判別処理を実施しないと判定された場合(ステップSB1:No)、制御装置12は、ノズル6に保持された部品Cが実装位置MPに移動するように、制御指令を出力する。制御装置12は、実装装置MPへの部品Cの移動と並行して、レーザセンタリング処理を実施する。すなわち、実装装置MPへの実装ヘッド5の移動と並行して、ノズル6に保持された部品CをθZ方向に回転させながら、照射装置10Aからレーザ光を射出させる。演算装置14は、陽極リード線CL1及び陰極リード線CL2がレーザ光の光路に配置されているときの受光装置10Bの受光データに基づいて、XY平面内において部品Cを目標位置に配置するための微小補正量を算出する(ステップSB11)。
【0080】
部品Cが実装位置MPに配置された後、制御装置12は、ステップSB11において算出された微小補正量に基づいて、XY平面内における部品Cの位置を補正する(ステップSB12)。
【0081】
制御装置12は、部品Cを基板Pに実装させる制御指令を実装ヘッド5に出力する。部品Cは、基板Pに実装される(ステップSB10)。
【0082】
[効果]
以上説明したように、実施形態に係る部品Cは、極性を示す識別子CFが設けられたボディCBと、陽極リード線CL1と、陰極リード線CL2とを有する。実施形態に係る部品実装装置1は、部品Cを保持するノズル6を有する実装ヘッド5と、ノズル6に保持された部品Cを撮像するカメラ9と、カメラ9により撮像された部品Cの画像データに含まれる識別子CFの画像に基づいて、θZ方向の部品Cの向きを補正するための回転補正量(第1補正量)を算出する画像処理装置13と、回転補正量に基づいてθZ方向の部品Cの向きを補正した後に部品Cを基板Pに実装させる制御指令を実装ヘッド5に出力する制御装置12と、を備える。
【0083】
実施形態によれば、識別子CFを有する部品Cがカメラ9により撮像され、カメラ9により撮像された部品Cの画像データが画像処理装置13において画像処理されることにより、θZ方向の部品Cの向きが正しいか否かが判定される。部品Cの向きが正しくない場合、識別子CFの画像に基づいて算出された回転補正量に基づいて、部品Cの向きが補正されることにより、部品Cが正しい向きで基板Pに実装される。
【0084】
画像処理装置13は、陽極リード線CL1の画像と陰極リード線CL2の画像とに基づいてビジョンセンタリング処理を実施することにより、識別子CFの画像を第1検出エリア21及び第2検出エリア22のいずれか一方に配置するための微小補正量(第2補正量)を算出することができる。画像処理装置13は、微小補正量に基づいて、識別子CFの画像が第1検出エリア21及び第2検出エリア22のいずれか一方に配置されるように部品Cの画像の向きを補正した後に、識別子CFの画像と第1検出エリア21と第2検出エリア22との相対位置に基づいて、回転補正量を算出することができる。画像処理装置13は、微小補正量に基づいて部品Cの画像の向きを補正した後に、識別子CFの画像が第1検出エリア21に配置されていれば、部品Cの向きが正しいと判定し、回転補正量を0°とする。画像処理装置13は、微小補正量に基づいて部品Cの画像の向きを補正した後に、識別子CFの画像が第2検出エリア22に配置されていれば、部品Cの向きが逆向きであると判定し、回転補正量を180°とする。
【0085】
演算装置14は、陽極リード線CL1と陰極リード線CL2とがレーザ光の光路に配置されているときの受光装置10Bの受光データに基づいてレーザセンタリング処理を実施することにより、識別子CFの画像を第1検出エリア21及び第2検出エリア22のいずれか一方に配置するための微小補正量(第2補正量)を算出することができる。画像処理装置13は、微小補正量に基づいて、識別子CFの画像が第1検出エリア21及び第2検出エリア22のいずれか一方に配置されるように部品Cの画像の向きを補正した後に、識別子CFの画像と第1検出エリア21と第2検出エリア22との相対位置に基づいて、回転補正量を算出することができる。画像処理装置13は、微小補正量に基づいて部品Cの画像の向きを補正した後に、識別子CFの画像が第1検出エリア21に配置されていれば、部品Cの向きが正しいと判定し、回転補正量を0°とする。画像処理装置13は、微小補正量に基づいて部品Cの画像の向きを補正した後に、識別子CFの画像が第2検出エリア22に配置されていれば、部品Cの向きが逆向きであると判定し、回転補正量を180°とする。
【0086】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、極性判別処理は、部品供給装置4から供給される全ての部品Cについて実施されてもよいし、一部の部品Cについて実施されてもよい。
【0087】
上述の実施形態においては、XY平面内において、微小補正量(第2補正量)に基づいてθZ方向の部品Cの向きが補正されることにより、陽極リード線CL1と陰極リード線CL2と識別子CFと第1検出エリア21と第2検出エリア22と、仮想線ML上に配置されることとした。識別子CFは、仮想線ML上に配置されなくてもよい。第1検出エリア21及び第2検出エリア22のすくなとも一方は、仮想線ML上に配置されなくてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…部品実装装置、2…ベース部材、3…基板搬送装置、3H…保持部材、3G…ガイド機構、4…部品供給装置、5…実装ヘッド、5B…ブラケット、5F…ベースフレーム、6…ノズル、6S…シャフト、7…ヘッド移動装置、7X…X軸駆動装置、7Y…Y軸駆動装置、8…ノズル移動装置、8R…回転駆動装置、8Z…Z軸駆動装置、9…カメラ、10…レーザ装置、10A…照射装置、10B…受光装置、11…演算処理システム、12…制御装置、13…画像処理装置、14…演算装置、21…第1検出エリア、22…第2検出エリア、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インターフェース、C…部品、CB…ボディ、CF…識別子、CL1…陽極リード線、CL2…陰極リード線、Da…距離、Db…寸法、FP…撮像位置、ML…仮想線、MP…実装位置、P…基板、SP…供給位置。