(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158750
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】バルブ取付治具および取付方法
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
F16K27/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074249
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(72)【発明者】
【氏名】橘高 省太
(72)【発明者】
【氏名】増田 一隆
(72)【発明者】
【氏名】北野 太一
(72)【発明者】
【氏名】津田 英彦
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB02
3H051CC15
3H051FF12
(57)【要約】
【課題】作業者によらず適切な角度でバルブを取り付けることができる治具を提供する。
【解決手段】取付治具本体がバルブボディに設けられたトップマークと位置合わせ可能なマーキングと、前記マーキングが鉛直上向きにあるとき水平面となる基準面を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブボディに形成された一方のバルブ流路開口に対向して接続されるバルブ取付治具本体と、前記バルブ取付治具本体と前記バルブボディを接続する接続部とを含み、
前記バルブ取付治具本体は、
前記バルブボディに設けられたトップマークと位置合わせ可能なマーキングと、
前記マーキングが鉛直上向きにあるときに水平面となる基準面とを有する、
バルブ取付治具。
【請求項2】
前記基準面に水準器が取付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のバルブ取付治具。
【請求項3】
前記バルブ取付治具を前記トップマークと前記マーキングが位置合わせされた状態になるよう前記一方のバルブ流路開口に対向して前記バルブボディに接続する工程と、
前記バルブ取付治具が接続された状態で前記基準面が水平面となるように前記バルブボディに形成された他方のバルブ流路開口を配管に接続する工程とからなる請求項1または請求項2のバルブ取付治具を用いたバルブ取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブの取付時において適切な傾きに取り付けるための治具および取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料、薬液等を流すための開閉バルブとしてダイヤフラム弁がある。通常、流路を水平方向に取り付ける場合、アクチュエータとバルブ本体が鉛直方向になるように取り付けられるが、引用文献1に開示されたバルブをアクチュエータとバルブ本体が鉛直方向となるよう取り付けた場合、バルブ内部に液だまりが生じるため、傾けて取付けを行う。傾ける角度はバルブの形状により異なるが、一般的にはバルブボディにレーザーマーキング等によるトップマークが形成されており、トップマークが鉛直上向きになるように配管に接続することで適切な傾きに取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記接続において、トップマークが鉛直上向きであるかの判断は作業者の目視等による個々の判断にゆだねられ、傾きが不適切な接続となることがある
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業者によらず適切な角度でバルブを取り付けることができる治具およびこの治具を用いた取付方法を提供することである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、作業者によらず適切な角度でバルブを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】この発明が用いられるダイヤフラムバルブの閉状態を示す。
【
図2】この発明が用いられるダイヤフラムバルブにおいて、流体が本体を流れる状態を示す。
【
図4】この発明による取付治具がダイヤフラムバルブに取り付けられた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0009】
図1は、この発明が用いられるダイヤフラムバルブの開状態を示している。ダイヤフラムバルブ1は、上流側配管16と下流側配管17に挟持されている。ダイヤフラムバルブ1のバルブボディ10には、流体流入通路11と流体流出通路12が形成されている。
【0010】
流体流入通路11と上流側配管16の内部とは連通し、流体流出通路12と下流側配管17の内部とは連通している。流体流入通路11の端部にはフランジ13が形成され、上流側配管16の端部に形成されたフランジとは、ガスケット19を挟んで、クランプ18によって気密的に結合している。流体流出通路12の端部にはフランジ13が形成され、下流側配管17の端部に形成されたフランジとは、ガスケット19を挟んで、クランプ18によって気密的に結合している。
【0011】
流体流入通路11と流体流出通路12の下面からは堰部14が上方にせり上がり、それらの上端面が弁座15を形成している。本体10の上部には、弁体であるダイヤフラム20が配置され、ダイヤフラム20は押えアダプタ21を介してダイヤフラム押え22により押圧される。ダイヤフラム押え22は、アクチュエータ30により上下させることができる。ダイヤフラム20の材質は樹脂であり、具体的にはPTFEやフッ素ゴム等が用いられる。ダイヤフラム20は、バルブボディ10とアクチュエータ30を内装する上部本体23とによって挟持されている。
【0012】
図2は、この発明が用いられるダイヤフラムバルブの配管への取付状態において、流体が本体を流れる状態を示す。ダイヤフラム20より上の部分は取り除いて示している。流体の流れを、矢印で示している。バルブボディ10には、ダイヤフラム20やアクチュエータ30を取り付けるための固定用貫通孔10aがあけられ、上部本体23の上方からボルト等の締結部材が挿通され固定用貫通孔10aの下面側に配備するナット等の締結部材によりダイヤフラム20がバルブボディ10に固定されている。また、固定用貫通孔10aはネジ孔であっても構わない。バルブボディ10は配管の軸心に対して自由な角度で取付けることができ、
図2のように傾斜させて取付けることで堰部14による溜まりを避けることができる。
【0013】
図3は、この発明による取付治具の実施例を示している。取付治具5は治具本体50と接続部51とからなる。治具本体50の配管との対向部には治具フランジ50aが形成され、接続部によりフランジ13と接続される。治具本体の治具フランジ50aと反対側の端部は六角形状となっており、六角形状の一面である基準面50bが水平面となるときに鉛直上向きとなるマーキング50cが治具フランジ側に形成されている。基準面50bには水準器(図示せず)を載置することが可能であり、水準器を用いてマーキング50cが鉛直上向きとなっているかを確認することができる。水準器は円形水準器が用いられるがそれ以外でも良く、また、水準器と取付治具が一体となっていても良い。また、本実施例においては本体10と配管との接続はフランジ接続であるため治具本体には治具フランジ50aが形成されているが、本体10と配管との接続が溶接やねじ接続等の場合はそれに対応した形状が形成される。
【0014】
図4は、この発明による取付治具がダイヤフラムバルブ1に取り付けられた状態を示す。取付治具5の治具フランジ50aとバルブ本体10のフランジ13が突き合わされ、バルブボディ10に形成されたトップマーク10bと取付治具のマーキング50cが位置合わせされて接続部51により固定されている。接続部51はクランプバンドであり、容易に位置合わせすることができる。
【0015】
この発明による取付治具5を用いたダイヤフラムバルブ1の配管への取付方法を説明する。ダイヤフラムバルブ1の取付においては、まずはバルブボディ10のフランジ13と取付治具5の治具フランジ50aとをバルブボディ10のトップマーク10bと取付治具5のマーキング50cの位置を合わせた状態で突き合せ、接続部51により固定する。次に、取付治具5の基準面50bに載置された水準器(図示せず)を用いてマーキング50cが鉛直上向きになるように、取付治具5を取り付けたフランジとは逆側のフランジを配管のフランジと突き合わせ、両フランジをクランプにより固定する。このように取付けることによりトップマーク10bが正確に鉛直上向きを示し、適切な傾きに取り付けることができる。
【符号の説明】
【0016】
1:ダイヤフラムバルブ
10:本体
10b:トップマーク
5:取付治具
50:取付治具本体
50b:基準面
50c:マーキング
51:接続部