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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158752
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20241031BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20241031BHJP
   B41J 11/08 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B41J2/165 207
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41J11/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074254
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 元啓
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】中村 了
【テーマコード(参考)】
2C056
2C058
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EA27
2C056EB12
2C056EB36
2C056EC12
2C056EC35
2C056EC54
2C056FA13
2C056HA29
2C056JC15
2C056JC23
2C058AC07
2C058AC12
2C058AC17
2C058AD01
2C058AE02
2C058AE08
2C058DA13
2C058DA38
2C058DB17
2C058DB19
(57)【要約】
【課題】無端ベルトが斜行した場合、無端ベルトが直進するように迅速に対処することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、記録ヘッド16と、搬送部7と、フラッシング用の貫通孔と、液滴受部44と、斜行検出装置9と、水平度調節装置とを備える。記録ヘッド16は被記録媒体2上に液滴を吐出するノズルが配列されている。搬送部7は、被記録媒体2を搬送する無端ベルト26が設けられている。フラッシング用の貫通孔は無端ベルト26に複数形成されている。液滴受部44は、フラッシングによりノズルから吐出されて貫通孔を通過した画像形成に寄与しないフラッシング液滴を受ける。斜行検出装置9は、無端ベルト26が直進しているかベルト幅方向にずれて斜行しているかを検出する。水平度調節装置は搬送部7の水平度を調節する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体上に液滴を吐出する複数のノズルが配列された記録ヘッドと、
前記記録ヘッドによる画像形成位置に向けて前記被記録媒体を搬送する無端ベルトが設けられた搬送部と、
前記無端ベルトに形成されたフラッシング用の複数の貫通孔と、
フラッシングにより前記ノズルから吐出されて前記貫通孔を通過した画像形成に寄与しないフラッシング液滴を受ける液滴受部と、
前記無端ベルトが直進しているかベルト幅方向にずれて斜行しているかを検出する斜行検出装置と、
前記搬送部の水平度を調節する水平度調節装置と
を備えた、画像形成装置。
【請求項2】
前記斜行検出装置は、
前記無端ベルトの前記ベルト幅方向における一端部に設けられた第1の被検出体と、
前記無端ベルトの前記ベルト幅方向における他端部に設けられた第2の被検出体と、
前記第1の被検出体を検出する第1の検出体と、
前記第2の被検出体を検出する第2の検出体と
を有し、
前記第1の被検出体と前記第2の被検出体とは、前記ベルト幅方向において対向する位置に配置され、
前記第1の検出体と前記第2の検出体とは、前記無端ベルトの移動方向において、所定距離だけ離れており、
前記第1の被検出体と前記第2の被検出体とのいずれかの被検出体は、前記ベルト幅方向に沿った直線に対して、前記無端ベルトの前記移動方向に傾斜している、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2の被検出体が傾斜しており、
前記斜行検出装置は、前記第1の検出体が前記第1の被検出体を検出してから前記第2の検出体が前記第2の被検出体を検出するまでに経過した時間に基づいて、前記無端ベルトが直進しているかベルト幅方向にずれて斜行しているかを検出する、請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送部の複数箇所に第1支持部材が設けられ、
前記水平度調節装置は、
少なくともいずれか1つの第1支持部材を支持する上下移動自在な第2支持部材と、
前記第2支持部材を上下方向に移動させる移動部材と
を有する、請求項1記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被記録媒体上にインクを吐出する複数のノズルが配列された液吐出ヘッドと、液吐出ヘッドによる画像形成位置に向けて被記録媒体を搬送する搬送ベルトと、フラッシング時にノズルから空吐出されたインクを受ける空吐出受けと、搬送ベルトのベルト幅方向における位置を検知するベルト位置検出装置とを備えた画像形成装置が開示されている。
【0003】
搬送ベルトには、搬送ベルトの表裏両面に貫通する複数の吸引孔が形成されている。フラッシング時において、ノズルから空吐出されたインクの液滴は、搬送ベルトの吸引孔を通過して、空吐出受けに落下する。
【0004】
ベルト位置検出装置によって搬送ベルトのベルト幅方向における位置を検知した際、搬送ベルトの位置が正規の位置からベルト幅方向にずれていると、搬送ベルトは、直進せずに、ベルト幅方向へずれて斜行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5212817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、前記のように搬送ベルトがベルト幅方向へずれて斜行した場合、ノズルに対して、搬送ベルトの吸引孔がベルト幅方向へずれるため、フラッシング時において、ノズルから空吐出されたインクの液滴が、搬送ベルトの吸引孔を通過せず、搬送ベルトの表面に落下してしまう虞がある。
【0007】
このような不具合を防止するためには、搬送ベルトが斜行した場合、搬送ベルトが直進するように迅速に対処する必要があるが、迅速な対処を行うことは難しかった。
【0008】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、無端ベルトが斜行した場合、無端ベルトが直進するように迅速に対処することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面によれば、画像形成装置は、記録ヘッドと、搬送部と、フラッシング用の貫通孔と、液滴受部と、斜行検出装置と、水平度調節装置とを備える。
【0010】
記録ヘッドは、被記録媒体上に液滴を吐出する複数のノズルが配列されている。搬送部は、前記記録ヘッドによる画像形成位置に向けて前記被記録媒体を搬送する無端ベルトが設けられている。フラッシング用の貫通孔は、前記無端ベルトに複数形成されている。液滴受部は、フラッシングにより前記ノズルから吐出されて前記貫通孔を通過した画像形成に寄与しないフラッシング液滴を受ける。
斜行検出装置は、前記無端ベルトが直進しているかベルト幅方向にずれて斜行しているかを検出する。水平度調節装置は、前記搬送部の水平度を調節する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、斜行検出装置によって、無端ベルトが斜行していることを検出した場合、水平度調節装置によって搬送部の水平度を調節し、無端ベルトを斜めの状態から真直ぐな状態に修正することで、無端ベルトを直進させることができる。これにより、無端ベルトが斜行した場合、無端ベルトが直進するように迅速に対処することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1に係る画像形成装置の構成を示す模式図である。
図2】実施形態1に係る画像形成装置の搬送部の平面図である。
図3】実施形態1に係る画像形成装置の搬送部の斜視図である。
図4】実施形態1に係る画像形成装置の搬送部の斜視図であって、搬送ベルトを取り外して支持板を露出させた状態を示す。
図5】実施形態1に係る画像形成装置のヘッドユニットの斜視図である。
図6】実施形態1に係る画像形成装置の一部を拡大した模式図である。
図7】実施形態1に係る画像形成装置の搬送ベルトの平面図である。
図8】実施形態1に係る画像形成装置の搬送ベルトの一部拡大平面図である。
図9】実施形態1に係る画像形成装置の搬送ベルトの平面図であり、直進状態と斜行状態とを示す。
図10】画像形成装置の搬送部を支持する構造を示す図である。
図11図10におけるA-A矢視図である。
図12】実施形態1に係る画像形成装置の水平度調節装置の図である。
図13図12におけるA-A矢視図である。
図14図12におけるB-B矢視図である。
図15図12におけるC-C矢視図である。
図16】実施形態1に係る画像形成装置の搬送ベルトの貫通孔とノズルとの位置関係を示す平面図であって、搬送ベルトが直進している状態を示す。
図17】実施形態1に係る画像形成装置の搬送ベルトの貫通孔とノズルとの位置関係を示す平面図であって、搬送ベルトが一側方にずれて斜行している状態を示す。
図18】実施形態1に係る画像形成装置の搬送ベルトの貫通孔とノズルとの位置関係を示す平面図であって、搬送ベルトが他側方にずれて斜行している状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
[実施形態1]
図1を参照して、実施形態1に係る画像形成装置1を説明する。図1は、実施形態1に係る画像形成装置1の構成を示す模式図である。
【0014】
画像形成装置1は、画像を形成する装置であって、例えばカラー複合機等であり、コピー、印刷、スキャナ、ファックス等の複数のジョブを実行する機能を備えている。画像形成装置1は、用紙2(被記録媒体の一例)に例えばインクジェット方式で画像等を記録する印刷部3と、印刷部3に用紙2を供給する給紙部4と、画像等が記録された用紙2を乾燥する乾燥部5とを備えている。
【0015】
給紙部4から印刷部3に供給された用紙2は、印刷部3において画像等が記録され、その後、印刷部3から乾燥部5に移送され、乾燥部5において乾燥され、排出される。
【0016】
画像形成装置1の印刷部3には、用紙2を搬送する搬送部7と、搬送されている用紙2上にインクを吐出する記録部8と、斜行検出装置9と、水平度調節装置10とが備えられている。
記録部8は、複数のヘッドユニット11~14を備えている。ヘッドユニット11~14はそれぞれ、複数の記録ヘッド16を有している。
【0017】
搬送部7は、フレーム体20と、フレーム体20に回転自在に設けられた複数のローラ21~24と、ローラ21~24に巻回された無端状の搬送ベルト26(無端ベルトの一例)と、搬送ベルト26を下方から支持する支持板27(プラテンとも称する)と、搬送ベルト26上に供給された用紙2を搬送ベルト26の表面に吸引する吸引装置28とを有している。
図2に示すように、搬送部7の両外側方にはそれぞれ、固定フレーム70が設けられている。
図1図3に示すように、搬送ベルト26の移動方向37に直交する方向をベルト幅方向38と定義する。
【0018】
フレーム体20は、ベルト幅方向38において対向する一対のサイドフレーム32を有している。ローラ21~24は一対のサイドフレーム32間に支持されている。
【0019】
ローラ21~24のいずれかのローラがモータ等によって強制的に回転駆動され、これにより、搬送ベルト26が一方向へ回動して、残りのローラが従動回転する。搬送ベルト26は、記録ヘッド16による画像形成位置に向けて用紙2を搬送する。搬送ベルト26は、光を吸収する黒色系に着色されている。
【0020】
吸引装置28は、支持板27の下方に形成された吸引室30と、吸引室30内に設けられた複数の吸引ファン31とを有している。支持板27は吸引室30の天井部を構成している。
【0021】
搬送ベルト26には、表裏両面に貫通する多数の吸引孔34およびフラッシング用の複数の貫通孔35が形成されている。貫通孔35の直径は吸引孔34の直径よりも大きく設定されている。
貫通孔35は、2列1組として、搬送ベルト26の移動方向37において複数組形成されている。
【0022】
図4に示すように、支持板27には、上下方向に貫通する多数の吸気孔41およびフラッシング用の複数の連通孔42が形成されている。1個の連通孔42の開孔面積は1個の吸気孔41の開孔面積よりも広く設定されている。各記録ヘッド16の真下に連通孔42が位置している。
【0023】
図2図4に示すように、搬送部7のフレーム体20には、前後左右4箇所(複数箇所の一例)に支軸69a~69d(第1支持部材の一例)が設けられている。このうち、第1の支軸69aと第4の支軸69dとは一方のサイドフレーム32の前後両端部に設けられ、第2の支軸69bと第3の支軸69cとは他方のサイドフレーム32の前後両端部に設けられている。
【0024】
図5に示すように、ヘッドユニット11~14の記録ヘッド16には、用紙2上にインクの液滴を吐出する複数のノズル18(吐出口)が配列されている。ヘッドユニット11のノズル18からイエローのインクが吐出され、ヘッドユニット12のノズル18からマゼンタのインクが吐出され、ヘッドユニット13のノズル18からシアンのインクが吐出され、ヘッドユニット14のノズル18からブラックのインクが吐出される。
【0025】
図6に示すように、フラッシングにより記録ヘッド16のノズル18から吐出されて搬送ベルト26の貫通孔35と支持板27の連通孔42とを通過した画像形成に寄与しないインクの液滴43(フラッシング液滴の一例)を受ける複数の液滴受部44が吸引室30内に設置されている。
【0026】
給紙部4から印刷部3の搬送ベルト26上に供給された用紙2は、回動する搬送ベルト26によって移動方向37へ搬送される。この際、吸引ファン31が回転することにより、吸引室30内が減圧され、外部の空気が搬送ベルト26の吸引孔34と貫通孔35および支持板27の吸気孔41と連通孔42を通って吸引室30内に流れ込む。このような空気の流れによって用紙2が搬送ベルト26の表面に吸着される。
【0027】
これにより、用紙2は、搬送ベルト26から浮き上がることなく、移動方向37へ搬送される。この際、インクの液滴が記録ヘッド16のノズル18から搬送中の用紙2上に吐出され、用紙2に画像が形成される。
【0028】
斜行検出装置9は、搬送ベルト26が直進しているかベルト幅方向38にずれて斜行しているかを検出する装置である。斜行検出装置9は、第1の検出体51と、第2の検出体52と、複数の第1の被検出体53a~53nと、複数の第2の被検出体54a~54nとを有している。
【0029】
図7に示すように、第1の被検出体53a~53nは、搬送ベルト26のベルト幅方向38における一端部に、所定間隔おきに設けられている。第1の被検出体53a~53nは、平面視において円形に形成されている。
第2の被検出体54a~54nは、搬送ベルト26のベルト幅方向38における他端部に、所定間隔おきに設けられている。
【0030】
第1の被検出体53a~53nと第2の被検出体54a~54nとはそれぞれ、ベルト幅方向38において対向する位置に配置されている。具体的には、ベルト幅方向38において対向する第1の被検出体53a~53nと第2の被検出体54a~54nとはそれぞれ、ベルト幅方向38に沿った直線56上に配置されている。
【0031】
図8に示すように、第2の被検出体54a~54nは、平面視において平行四辺形に形成されており、ベルト幅方向38に沿った直線56に対して、搬送ベルト26の移動方向37に傾斜している。
第1の被検出体53a~53nと第2の被検出体54a~54nとはそれぞれ、光を反射する部材で形成されている。
【0032】
第1の検出体51は、第1の被検出体53a~53nを検出する反射型の光学センサであり、下向きに検出光を照射し、第1の被検出体53a~53nで反射した反射光を検知する。
【0033】
第2の検出体52は、第2の被検出体54a~54nを検出する反射型の光学センサであり、下向きに検出光を照射し、第2の被検出体54a~54nで反射した反射光を検知する。
【0034】
第1の検出体51は搬送ベルト26の移動方向37における上流側(前方側)に位置している。第2の検出体52は搬送ベルト26の移動方向37における下流側(後方側)に位置している。第1の検出体51と第2の検出体52とは、搬送ベルト26の移動方向37において、所定距離57だけ離れている。
【0035】
搬送ベルト26が移動方向37に移動して、例えば、第1の被検出体53aが第1の検出体51の真下を通過した際、第1の検出体51から下向きに照射された検出光が第1の被検出体53aに当たって上向きに反射し、第1の検出体51が反射光を検知する。これにより、第1の被検出体53aが検出される。また、被検出体53a以外の被検出体53b~53nも同様にして検出される。
【0036】
さらに、例えば、第2の被検出体54aが第2の検出体52の真下を通過した際、第2の検出体52から下向きに照射された検出光が第2の被検出体54aに当たって上向きに反射し、第2の検出体52が反射光を検知する。これにより、第2の被検出体54aが検出される。また、被検出体54a以外の被検出体54b~54nも同様にして検出される。
【0037】
このようにして第1の被検出体53a~53nと第2の被検出体54a~54nとが順次検出される際、第1の被検出体53a~53nは、被検出体53aを第1番目とし、被検出体53bを第2番目とし、被検出体53nを第n番目として順次カウントされることにより特定される。
同様に、第2の被検出体54a~54nは、被検出体54aを第1番目とし、被検出体54bを第2番目とし、被検出体54nを第n番目として順次カウントされることにより特定される。
【0038】
斜行検出装置9は、検出時間に基づいて、搬送ベルト26が直進しているか斜行しているかを検出する。検出時間とは、第1の検出体51が第1の被検出体53a~53nのいずれかを検出してから、検出された第1の検出体53a~53nに対応する第2の被検出体54a~54nのいずれかを第2の検出体52が検出するまでに経過した時間である。
【0039】
例えば、第1の検出体51が第1番目の第1の被検出体53aを検出し、その後、第2の検出体52が第1の被検出体53aに対応する第1番目の第2の被検出体54aを検出した場合、第1の検出体51が第1番目の第1の被検出体53aを検出してから、第2の検出体52が第1番目の第2の被検出体54aを検出するまでに経過した時間を測定し、測定された時間を検出時間とする。
【0040】
すなわち、図9の実線に示すように、搬送ベルト26が直進している場合、第2の検出体52は第2の被検出体54a~54nのベルト幅方向38における中央部60(図8参照)を検出する。この場合の検出時間をTとすると、検出時間Tが基準となる。
【0041】
図9の一点鎖線に示すように、搬送ベルト26がベルト幅方向38における一側方61にずれて斜行している場合、第2の検出体52は第2の被検出体54a~54nのベルト幅方向38における一端部62(図8参照)を検出する。このため、搬送ベルト26が直進している場合と比べて、第2の検出体52が第2の被検出体54a~54nを検出するタイミングは僅かに早まる。従って、この場合の検出時間をT1とすると、搬送ベルト26が一側方61にずれて斜行しているときの検出時間T1は、基準となる検出時間Tよりも僅かに短くなる。これにより、搬送ベルト26が一側方61にずれて斜行していることが検出される。
【0042】
反対に、図9の二点鎖線に示すように、搬送ベルト26がベルト幅方向38における他側方64にずれて斜行している場合、第2の検出体52は第2の被検出体54a~54nのベルト幅方向38における他端部65(図8参照)を検出する。このため、搬送ベルト26が直進している場合と比べて、第2の検出体52が第2の被検出体54a~54nを検出するタイミングは僅かに遅れる。従って、この場合の検出時間をT2とすると、搬送ベルト26が他側方64にずれて斜行しているときの検出時間T2は、基準となる検出時間Tよりも僅かに長くなる。これにより、搬送ベルト26が他側方64にずれて斜行していることが検出される。
【0043】
図10および図11に示すように、固定フレーム70には、第1~第3の受け部材71a~71cと、第1~第4の軸孔73a~73dとが設けられている。第1~第3の受け部材71a~71cにはそれぞれ、上方が開放された凹部72が形成されている。
【0044】
第1の支軸69aは、第1の軸孔73aに挿通され、第1の受け部材71aの凹部72に嵌まり込んで、第1の受け部材71aに支持される。第2の支軸69bは、第2の軸孔73bに挿通され、第2の受け部材71bの凹部72に嵌まり込んで、第2の受け部材71bに支持される。第3の支軸69cは、第3の軸孔73cに挿通され、第3の受け部材71cの凹部72に嵌まり込んで、第3の受け部材71cに支持される。
【0045】
図2および図12図15に示すように、水平度調節装置10は搬送部7の水平度を調節する。水平度調節装置10は、第4の支軸69dを支持する上下揺動(上下移動の一例)自在な支持ブロック74(第2支持部材の一例)と、支持ブロック74を上下方向に揺動させる調整ねじ75(移動部材の一例)とを有している。
【0046】
支持ブロック74は、固定フレーム70に固定された取付軸77に支持され、取付軸77を支点として上下に揺動可能である。第4の支軸69dは、固定フレーム70の第4の軸孔73dに挿通され、支持ブロック74をベルト幅方向38に貫通している。
【0047】
支持ブロック74の遊端部の上面にはナット78が取り付けられている。調整ねじ75は、ナット78に螺合して、支持ブロック74の遊端部を上下方向に貫通し、支持ブロック74の下方に設けられた保持板79に回転自在に保持されている。
【0048】
保持板79は固定フレーム70に取り付けられている。保持板79には保持孔80が形成されている。調整ねじ75の下端部が上方から保持孔80に挿入されている。
搬送部7は、第1~第4の支軸69a~69dを介して、第1~第3の受け部材71a~71cと水平度調節装置10の支持ブロック74とで支持されている。
【0049】
調整ねじ75を一方向に回すことにより、図12の仮想線で示すように、ナット78が上方に送られ、支持ブロック74が取付軸77を支点として上方へ揺動し、第4の支軸69dが上昇する。
【0050】
反対に、調整ねじ75を他方向に回すことにより、ナット78が下方に送られ、支持ブロック74が取付軸77を支点として下方へ揺動し、第4の支軸69dが下降する。このように、第4の支軸69dを昇降させることによって、搬送部7の水平度を調節することができる。
【0051】
このような画像形成装置1において、図9の実線で示すように、搬送ベルト26が直進している場合、例えば、第1の検出体51が第1の被検出体53aを検出してから、第2の検出体52が第2の被検出体54aを検出するまでに要した時間は、基準とする検出時間Tになる。これにより、搬送ベルト26が直進していることを検出することができる。
【0052】
図6に示すように、フラッシングを行う際には、用紙2が搬送ベルト26上に供給されていない状態で、移動方向37へ移動する搬送ベルト26の貫通孔35が記録ヘッド16のノズル18の真下を通るタイミングに合わせて、インクの液滴43がノズル18から吐出される。これにより、インクの液滴43は、搬送ベルト26の貫通孔35と支持板27の連通孔42とを通過して、液滴受部44に受けられる。
このようなフラッシングを定期的に実施することで、インクの乾燥によるノズル18の目詰まりを防止することができる。
【0053】
図9の実線で示すように搬送ベルト26が直進している状態で、フラッシングを行った場合、図16に示すように、搬送ベルト26の貫通孔35がノズル18の真下に位置するため、ノズル18から吐出されたインクの液滴43が搬送ベルト26の表面に付着するのを防止することができる。
【0054】
また、図9の一点鎖線で示すように、搬送ベルト26が一側方61にずれて斜行している場合、例えば、第1の検出体51が第1の被検出体53aを検出してから、第2の検出体52が第2の被検出体54aを検出するまでに要した時間(検出時間T1)は、基準となる検出時間Tよりも僅かに短くなる。これにより、搬送ベルト26が一側方61にずれて斜行していることを検出することができる。
【0055】
図9の一点鎖線で示すように、搬送ベルト26が一側方61にずれて斜行している状態で、フラッシングを行った場合、図17に示すように、搬送ベルト26の貫通孔35の位置がノズル18の真下から一側方61にずれてしまうため、ノズル18から吐出されたインクの液滴43が搬送ベルト26の表面に付着する虞がある。
【0056】
また、図9の二点鎖線で示すように、搬送ベルト26が他側方64にずれて斜行している場合、例えば、第1の検出体51が第1の被検出体53aを検出してから、第2の検出体52が第2の被検出体54aを検出するまでに要した時間(検出時間T2)は、基準となる検出時間Tよりも僅かに長くなる。これにより、搬送ベルト26が他側方64にずれて斜行していることを検出することができる。
【0057】
図9の二点鎖線で示すように、搬送ベルト26が他側方64にずれて斜行している状態で、フラッシングを行った場合、図18に示すように、搬送ベルト26の貫通孔35の位置がノズル18の真下から他側方64にずれてしまうため、ノズル18から吐出されたインクの液滴43が搬送ベルト26の表面に付着する虞がある。
【0058】
このように、搬送ベルト26が斜行していることを検出した場合、水平度調節装置10の調整ねじ75を回して、搬送部7の水平度を調節する。例えば、搬送部7が一側方61に傾斜して、第4の支軸69dが他の支軸69a~69cよりも低い位置にある場合、図9の一点鎖線で示すように、搬送ベルト26が一側方61にずれて斜行することがある。この場合、調整ねじ75を一方向に回すことにより、図12の仮想線で示すように、ナット78が上方に送られ、支持ブロック74が取付軸77を支点として上方へ揺動し、第4の支軸69dが持ち上げられる。これにより、第4の支軸69dを他の支軸69a~69cと同じ高さにして、搬送部7を水平に保つことができる。このように、搬送部7を水平に保った状態で、搬送ベルト26を斜めの状態から真直ぐな状態に修正する。これにより、搬送ベルト26を移動方向37に移動させた際、搬送ベルト26は、斜行することなく、直進する。
【0059】
また、搬送部7が他側方64に傾斜して、第4の支軸69dが他の支軸69a~69cよりも高い位置にある場合、図9の二点鎖線で示すように、搬送ベルト26が他側方64にずれて斜行することがある。この場合、調整ねじ75を他方向に回すことにより、ナット78が下方に送られ、支持ブロック74が取付軸77を支点として下方へ揺動し、第4の支軸69dが下降する。これにより、第4の支軸69dを他の支軸69a~69cと同じ高さにして、搬送部7を水平に保つことができる。このように、搬送部7を水平に保った状態で、搬送ベルト26を斜めの状態から真直ぐな状態に修正する。これにより、搬送ベルト26を移動方向37に移動させた際、搬送ベルト26は、斜行することなく、直進する。
【0060】
このように、無端ベルト26が斜行した場合、搬送部7の水平度を調節することによって、無端ベルトが直進するように迅速に対処することができる。また、無端ベルトが直進することにより、フラッシングを行った際、搬送ベルト26の貫通孔35がノズル18の真下に位置し、ノズル18から吐出されたインクの液滴43が搬送ベルト26の表面に付着するのを回避することができる。
【0061】
前記実施形態1では、図2に示すように、搬送部7の水平度を調節する際、水平度調節装置10を用いて第4の支軸69dを昇降させているが、水平度調節装置10を用いて第1~第3の支軸69a~69cのいずれかを昇降させてもよい。
【0062】
また、複数台の水平度調節装置10を用いて、第1~第4の支軸69a~69dのうちのいずれか複数本の支軸を昇降させてもよい。また、四台の水平度調節装置10を用いて、全ての支軸69a~69dをそれぞれ昇降させてもよい。
【0063】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、画像形成装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0065】
1 画像形成装置
2 用紙(被記録媒体)
7 搬送部
9 斜行検出装置
10 水平度調節装置
16 記録ヘッド
18 ノズル
26 搬送ベルト(無端ベルト)
35 貫通孔
37 搬送ベルトの移動方向
38 ベルト幅方向
43 液滴(フラッシング液滴)
44 液滴受部
51 第1の検出体
52 第2の検出体
53a~53n 第1の被検出体
54a~54n 第2の被検出体
56 直線
57 所定距離
69a~69d 支軸(第1支持部材)
74 支持ブロック(第2支持部材)
75 調整ねじ(移動部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図17
図18