(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158755
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】包装袋の開封装置、及び包装袋の開封方法
(51)【国際特許分類】
B65B 69/00 20060101AFI20241031BHJP
A61B 50/30 20160101ALI20241031BHJP
【FI】
B65B69/00 101
A61B50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074257
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 広梓
【テーマコード(参考)】
3E058
【Fターム(参考)】
3E058AA04
3E058BA20
3E058CA01
3E058DA10
3E058EA10
3E058FA08
(57)【要約】
【課題】空輸後の医療用具の包装袋を開封し易い開封装置を提供する。
【解決手段】医療用具を内包する包装袋の開封装置であって、前記包装袋は、第1シート部と、前記第1シート部に対向する第2シート部とを有し、前記第1シート部と前記第2シート部の間に位置する医療用具を内包しており、前記開封装置は、前記第1シート部の外面に吸着するように構成されている少なくとも一つの第1吸着部、前記第1吸着部を前記第2シート部から離れる第1方向に移動させる第1移動部、前記第2シート部の外面に吸着するように構成されている少なくとも一つの第2吸着部、気体供給装置に接続される第1針管、及び前記第1針管を前記第1シート部の前記外面に向かう第2方向に移動させる第2移動部を有している包装袋の開封装置。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用具を内包する包装袋の開封装置であって、
前記包装袋は、第1シート部と、前記第1シート部に対向する第2シート部とを有し、前記第1シート部と前記第2シート部の間に位置する医療用具を内包しており、
前記開封装置は、
前記第1シート部の外面に吸着するように構成されている少なくとも一つの第1吸着部、
前記第1吸着部を前記第2シート部から離れる第1方向に移動させる第1移動部、
前記第2シート部の外面に吸着するように構成されている少なくとも一つの第2吸着部、
気体供給装置に接続される第1針管、及び
前記第1針管を前記第1シート部の前記外面に向かう第2方向に移動させる第2移動部を有している包装袋の開封装置。
【請求項2】
前記医療用具は、前記第1シート部と前記第2シート部の間の空気が抜かれた状態で前記包装袋内に密封されている請求項1に記載の包装袋の開封装置。
【請求項3】
更に、前記第2吸着部を支持し、前記第2吸着部の移動を抑制する支持部材を有する請求項1に記載の包装袋の開封装置。
【請求項4】
前記第1方向は、鉛直成分を有し水平成分を有していないか、または、
鉛直成分と水平成分とを有し、前記鉛直成分は前記水平成分よりも大きい請求項1に記載の包装袋の開封装置。
【請求項5】
前記第2方向は、鉛直成分を有し水平成分を有していないか、または、
鉛直成分と水平成分とを有し、前記鉛直成分は前記水平成分よりも大きい請求項1に記載の包装袋の開封装置。
【請求項6】
更に、前記気体供給装置に接続される第2針管、及び
前記第2針管を前記第1シート部の前記外面に向かう第3方向に移動させる第3移動部、を有している請求項1に記載の包装袋の開封装置。
【請求項7】
前記第2方向は、鉛直成分を有しておらず水平成分を有しているか、または、
鉛直成分と水平成分とを有し、前記鉛直成分は前記水平成分よりも小さく、
前記第3方向は、鉛直成分を有しておらず水平成分を有しているか、または、
鉛直成分と水平成分とを有し、前記鉛直成分は前記水平成分よりも小さい請求項6に記載の包装袋の開封装置。
【請求項8】
前記第2方向と前記第3方向は、水平方向に互いに近づく方向である請求項7に記載の包装袋の開封装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つの第1吸着部は、複数の吸着部を含み、
前記複数の吸着部は、それぞれ吸着面を有しており、
前記第1針管は、前記複数の吸着部の前記吸着面に外接する外接円よりも内側に位置している請求項1に記載の包装袋の開封装置。
【請求項10】
更に、前記第2吸着部を前記第1シート部から離れる第4方向に移動させる第4移動部を有している請求項1に記載の包装袋の開封装置。
【請求項11】
前記気体供給装置が供給する気体は、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、殺菌ガス、またはこれらの混合物である請求項1に記載の包装袋の開封装置。
【請求項12】
前記医療用具は、巻回部を有する管状体を含んでいる請求項1に記載の包装袋の開封装置。
【請求項13】
更に、前記包装袋の前記第1シート部と前記第2シート部が固定されていない非固定部の一部を切断するように構成されている切断部を有している請求項1に記載の包装袋の開封装置。
【請求項14】
更に、前記包装袋を傾斜させる傾斜部を含む請求項1に記載の包装袋の開封装置。
【請求項15】
更に、前記包装袋を振動させる振動部を含む請求項1に記載の包装袋の開封装置。
【請求項16】
医療用具を内包する包装袋の開封方法であって、
前記包装袋は、第1シート部と、前記第1シート部に対向する第2シート部とを有し、前記第1シート部と前記第2シート部の間に位置する医療用具を内包しており、
前記開封方法は、前記第1シート部の一部を、前記第2シート部から離れる方向に移動させる工程、
針管を前記第1シート部の外面から突き刺す工程、
前記第1シート部と前記第2シート部の間に前記針管から気体を供給する工程を含む包装袋の開封方法。
【請求項17】
更に、前記包装袋の前記第1シート部と前記第2シート部が固定されていない非固定部の一部を切断する第1切断工程を含む請求項16に記載の包装袋の開封方法。
【請求項18】
更に、前記第1切断工程の後に、前記第1切断工程の切断により形成された第1開口の少なくとも一部が、鉛直方向における上側または下側に位置するように前記包装袋を傾斜させる傾斜工程を含む請求項17に記載の包装袋の開封方法。
【請求項19】
更に、前記第1切断工程の後に、前記包装袋を振動させる工程を含む請求項17に記載の包装袋の開封方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋の開封装置、及び包装袋の開封方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血管の狭窄病変を治療するためのバルーンカテーテルや、造影剤、薬剤を血管内に投与するためのカテーテル等は、所定の形状の収容具に収容されて保管、運搬されている。このような収容具として、例えば特許文献1には、組み合わせて使用される複数の医療用長尺体を収容する収容具であって、医療用長尺体の各々を収容するために環状に巻回された複数の管体が互いに連結されてなる収容具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、特許文献1に開示されているような収容具により巻回された医療用のカテーテル等の医療用具は、密封袋で包装された状態で運搬されることがある。運搬方法に関して、例えば空輸の際には、周囲の気圧が低くなり、包装袋内に残存した気体が膨張する結果、包装袋内で医療用具が動き易くなることが本発明者の検討により分かった。更に、着陸に伴って周囲の気圧が高くなるため、包装袋内において医療用具の位置がずれた状態で動き難くなる場合があり、例えば、開封のための切断予定箇所に医療用具が位置していると、包装袋を開封し難くなることが分かった。本発明は上記の様な問題に着目してなされたものであって、その目的は、空輸後の医療用具の包装袋を開封し易い開封装置を提供することにある。他の目的は、空輸後の医療用具の包装袋を開封し易い開封方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決することのできた実施の形態に係る包装袋の開封装置は、以下の通りである。
[1]医療用具を内包する包装袋の開封装置であって、
前記包装袋は、第1シート部と、前記第1シート部に対向する第2シート部とを有し、前記第1シート部と前記第2シート部の間に位置する医療用具を内包しており、
前記開封装置は、
前記第1シート部の外面に吸着するように構成されている少なくとも一つの第1吸着部、
前記第1吸着部を前記第2シート部から離れる第1方向に移動させる第1移動部、
前記第2シート部の外面に吸着するように構成されている少なくとも一つの第2吸着部、
気体供給装置に接続される第1針管、及び
前記第1針管を前記第1シート部の前記外面に向かう第2方向に移動させる第2移動部を有している包装袋の開封装置。
【0006】
実施の形態に係る開封装置によれば、第2吸着部を包装袋の第2シート部の外面に吸着させた状態で、第1吸着部を包装袋の第1シート部の外面に吸着させて第2シート部から離れる第1方向に移動させることにより、第1シート部の少なくとも一部を引き伸ばすことができる。更に、引き伸ばした第1シート部の外面に第1針管を突き刺して包装袋内に気体を供給することにより、包装袋内において医療用具を動かし易くなるため、開封時の切断等を妨げない位置に医療用具を移動させることができる。これにより開封時の切断等を行い易くなる。
【0007】
実施の形態に係る包装袋の開封装置は、以下の[2]~[15]のいずれかであることが好ましい。
[2]前記医療用具は、前記第1シート部と前記第2シート部の間の空気が抜かれた状態で前記包装袋内に密封されている[1]に記載の包装袋の開封装置。
[3]更に、前記第2吸着部を支持し、前記第2吸着部の移動を抑制する支持部材を有する[1]または[2]に記載の包装袋の開封装置。
[4]前記第1方向は、鉛直成分を有し水平成分を有していないか、または、
鉛直成分と水平成分とを有し、前記鉛直成分は前記水平成分よりも大きい[1]~[3]のいずれかに記載の包装袋の開封装置。
[5]前記第2方向は、鉛直成分を有し水平成分を有していないか、または、
鉛直成分と水平成分とを有し、前記鉛直成分は前記水平成分よりも大きい[1]~[4]のいずれかに記載の包装袋の開封装置。
[6]更に、前記気体供給装置に接続される第2針管、及び
前記第2針管を前記第1シート部の前記外面に向かう第3方向に移動させる第3移動部、を有している[1]~[5]のいずれかに記載の包装袋の開封装置。
[7]前記第2方向は、鉛直成分を有しておらず水平成分を有しているか、または、
鉛直成分と水平成分とを有し、前記鉛直成分は前記水平成分よりも小さく、
前記第3方向は、鉛直成分を有しておらず水平成分を有しているか、または、
鉛直成分と水平成分とを有し、前記鉛直成分は前記水平成分よりも小さい[6]に記載の包装袋の開封装置。
[8]前記第2方向と前記第3方向は、水平方向に互いに近づく方向である[6]または[7]に記載の包装袋の開封装置。
[9]前記少なくとも一つの第1吸着部は、複数の吸着部を含み、
前記複数の吸着部は、それぞれ吸着面を有しており、
前記第1針管は、前記複数の吸着部の前記吸着面に外接する外接円よりも内側に位置している[1]~[8]のいずれかに記載の包装袋の開封装置。
[10]更に、前記第2吸着部を前記第1シート部から離れる第4方向に移動させる第4移動部を有している[1]~[9]のいずれかに記載の包装袋の開封装置。
[11]前記気体供給装置が供給する気体は、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、殺菌ガス、またはこれらの混合物である[1]~[10]のいずれかに記載の包装袋の開封装置。
[12]前記医療用具は、巻回部を有する管状体を含んでいる[1]~[11]のいずれかに記載の包装袋の開封装置。
[13]更に、前記包装袋の前記第1シート部と前記第2シート部が固定されていない非固定部の一部を切断するように構成されている切断部を有している[1]~[12]のいずれかに記載の包装袋の開封装置。
[14]更に、前記包装袋を傾斜させる傾斜部を含む[1]~[13]のいずれかに記載の包装袋の開封装置。
[15]更に、前記包装袋を振動させる振動部を含む[1]~[14]のいずれかに記載の包装袋の開封装置。
【0008】
上記課題を解決することのできた実施の形態に係る包装袋の開封方法は、以下の通りである。
[16]医療用具を内包する包装袋の開封方法であって、
前記包装袋は、第1シート部と、前記第1シート部に対向する第2シート部とを有し、前記第1シート部と前記第2シート部の間に位置する医療用具を内包しており、
前記開封方法は、前記第1シート部の一部を、前記第2シート部から離れる方向に移動させる工程、
針管を前記第1シート部の外面から突き刺す工程、
前記第1シート部と前記第2シート部の間に前記針管から気体を供給する工程を含む包装袋の開封方法。
【0009】
実施の形態に係る包装袋の開封方法は、以下の[17]~[19]のいずれかであることが好ましい。
[17]更に、前記包装袋の前記第1シート部と前記第2シート部が固定されていない非固定部の一部を切断する第1切断工程を含む[16]に記載の包装袋の開封方法。
[18]更に、前記第1切断工程の後に、前記第1切断工程の切断により形成された第1開口の少なくとも一部が、鉛直方向における上側または下側に位置するように前記包装袋を傾斜させる傾斜工程を含む[17]に記載の包装袋の開封方法。
[19]更に、前記第1切断工程の後に、前記包装袋を振動させる工程を含む[17]または[18]に記載の包装袋の開封方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、上記構成により、空輸後の医療用具の包装袋を開封し易い方法を提供することができる。また上記構成により、空輸後の医療用具の包装袋を開封し易い装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態に係る包装袋の開封装置の側面図である。
【
図2】
図2は、
図1の開封装置の第1吸着部と第2吸着部を包装袋の外面に吸着させたときの側面図である。
【
図3】
図3は、
図2の開封装置の第1吸着部を第1方向に移動させて、更に開封装置の第1針管を第2方向に移動させて、気体を供給したときの側面図である。
【
図6】
図6は、
図1の鉛直方向の下側からみたときの第1吸着部と第1針管の位置を示す図である。
【
図8】
図8は、
図1の開封装置の傾斜部とその近傍の側面図である。
【
図9】
図9は、
図3の医療用具を動かした後の包装袋と開封装置の切断部とその近傍の側面図である。
【
図11】
図11は、
図9の包装袋の非固定部の一部を切断したときの包装袋の平面図である。
【
図14】
図14は、第1針管により気体を供給し、更に第1切断を行った
図13の包装袋を傾斜部に配置したときの側面図である。
【
図15】
図15は、第2の実施の形態に係る包装袋の開封装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0013】
実施の形態に係る開封装置は、医療用具を内包する包装袋の開封装置であって、包装袋は、第1シート部と、第1シート部に対向する第2シート部とを有し、第1シート部と第2シート部の間に位置する医療用具を内包しており、開封装置は、第1シート部の外面に吸着するように構成されている少なくとも一つの第1吸着部、第1吸着部を第2シート部から離れる第1方向に移動させる第1移動部、第2シート部の外面に吸着するように構成されている少なくとも一つの第2吸着部、気体供給装置に接続される第1針管、及び第1針管を第1シート部の外面に向かう第2方向に移動させる第2移動部を有している。
【0014】
実施の形態に係る開封装置によれば、第2吸着部を包装袋の第2シート部の外面に吸着させた状態で、第1吸着部を包装袋の第1シート部の外面に吸着させて第2シート部から離れる第1方向に移動させることにより、第1シート部の少なくとも一部を引き伸ばすことができる。更に、引き伸ばした第1シート部の外面に第1針管を突き刺して包装袋内に気体を供給することにより、包装袋内において医療用具を動かし易くなるため、開封時の切断等を妨げない位置に医療用具を移動させることができる。これにより開封時の切断等を行い易くなる。
【0015】
以下では、
図1~
図14を参照しながら、第1の実施の形態に係る包装袋の開封装置について詳述する。
図1は、第1の実施の形態に係る包装袋の開封装置の側面図である。
図2は、
図1の開封装置の第1吸着部と第2吸着部を包装袋の外面に吸着させたときの側面図である。
図3は、
図2の開封装置の第1吸着部を第1方向に移動させて、更に開封装置の第1針管を第2方向に移動させて、気体を供給したときの側面図である。
図4、
図5、
図7は、
図3の変形例の開封装置の側面図である。
図6は、
図1の鉛直方向の下側からみたときの第1吸着部と第1針管の位置を示す図である。
図8は、
図1の開封装置の傾斜部とその近傍の側面図である。
図9は、
図3の医療用具を動かした後の包装袋と開封装置の切断部とその近傍の側面図である。
図10は、
図2の包装袋の平面図である。
図11は、
図9の包装袋の非固定部の一部を切断したときの包装袋の平面図である。
図12は、
図10のA-A断面図である。
図13は、
図2の変形例の包装袋の平面図である。
図14は、第1針管により気体を供給し、更に第1切断を行った
図13の包装袋を傾斜部に配置したときの側面図である。
【0016】
第1の実施の形態に係る包装袋の開封装置は、
図1、
図2に示す通り、医療用具80を内包する包装袋30の開封装置90である。包装袋30は、第1シート部1と、第1シート部1に対向する第2シート部2とを有している。包装袋30は、第1シート部1と第2シート部2の間に位置する医療用具80を内包している。開封装置90は、少なくとも一つの第1吸着部91a、第1移動部91t、少なくとも一つの第2吸着部92a、第1針管91n、および第2移動部92tを有している。
【0017】
図2、
図3に示す通り、少なくとも一つの第1吸着部91aは、第1シート部1の外面1sに吸着するように構成されている。第1吸着部91aは、吸盤、吸引用管、またはこれらの組み合わせを有していることが好ましく、吸盤と吸引用管とを有していることがより好ましい。例えば、吸盤を第1シート部1の外面1sに押し圧すことにより吸盤の吸着面を外面1sに吸着させることができる。吸盤は皿状部を有していることが好ましい。皿状部は、弾性を有していることが好ましい。皿状部は、ゴム、弾性を有する樹脂、またはこれらの混合物を有していることが好ましい。皿状部の形状は、平面視において、円形、楕円形、多角形、または角丸多角形であることが好ましく、円形または楕円形であることがより好ましい。これにより吸着し易くなる。また図示していないが、吸盤は、皿状部と、皿状部の基端側に位置する蛇腹状部とを有していることがより好ましい。蛇腹状部により、第1シート部1の外面1sに対する追従性が向上する。蛇腹状部は、皿状部と同じ素材により構成されていることが好ましく、皿状部と一体に形成されていることが好ましい。
【0018】
吸引用管は、長手方向に延在し、且つ長手方向に延在する内腔を有するものである。当該内腔から吸引することにより、吸引用管の先端部を第1シート部1の外面1sに吸着させることができる。更に、当該内腔から気体を供給することにより、吸着状態を解除させてもよい。吸引用管の径方向の断面における内腔の形状は、円形、楕円形、多角形、または角丸多角形であることが好ましく、円形または楕円形であることがより好ましい。これにより内腔が気体の通路として機能し易くなる。吸引用管は金属を含むことが好ましい。これにより内腔の形状が維持され易くなるため吸引し易くなる。
【0019】
吸引用管の先端部には、吸盤が連結されていることが好ましい。この場合、吸盤は、厚さ方向に延在する内腔を中心部に有していることが好ましい。吸盤の内腔と、吸引用管の内腔と連通させることにより、吸盤による吸着と吸引用管による吸引により吸着力を向上させることができる。更に、吸引用管内腔から吸盤の内腔へ気体を供給することにより、吸着状態を解除させることもできる。
【0020】
図2、
図3に示す通り、第1移動部91tは、第1吸着部91aを第2シート部2から離れる第1方向D1に移動させるように構成されている。第1吸着部91aを、第1シート部1の外面1sに吸着させた状態で第1方向D1に移動させることにより、第1シート部1の少なくとも一部を第1方向D1に引き伸ばすことができる。その結果、第1針管91nを第1シート部1に突き刺し易くすることができる。
【0021】
第1移動部91tは、第1吸着部91aを少なくとも第1方向D1に移動させることが可能な駆動機構を有していることが好ましい。駆動機構として、例えばエアシリンダ、一軸アクチュエータ等が挙げられる。駆動機構は、第1吸着部91aを第1方向D1と、第1方向D1とは反対側に向かう方向である方向R1とに移動させることが可能なものであることがより好ましい。これにより、
図2に示すように第1吸着部91aを方向R1に移動させて第1吸着部91aを第1シート部1の外面1sに吸着させることができ、更に、
図3に示すように第1吸着部91aを第1方向D1に移動させることにより第1シート部1の少なくとも一部を第1方向D1に引き伸ばすことができる。なお第1移動部91tが複数存在する場合には、各第1方向D1は互いに異なる方向であってもよい。
【0022】
第1方向D1は、鉛直成分を有し水平成分を有していないか、または、鉛直成分と水平成分とを有し、鉛直成分は水平成分よりも大きいことが好ましい。第1方向D1の鉛直成分は、第1方向D1における鉛直方向Vの成分である。第1方向D1の水平成分は、第1方向D1における水平方向Wの成分である。
図2、
図3では、第1方向D1は、鉛直成分を有し水平成分を有していない。一方、
図4では、第1方向D1は、鉛直成分と水平成分とを有し、鉛直成分は水平成分よりも大きくなっている。このような第1方向D1に第1吸着部91aを移動させることにより、第1シート部1を鉛直方向Vに引き伸ばし易くすることができる。また
図4に示すように、第1方向D1が水平成分を有している場合、第1吸着部91aの移動に伴って第1シート部1の外面1sに水平方向Wの張力をかけることができるため、第1針管91nが鉛直方向Vに移動する場合に第1シート部1の外面1sに突き刺さり易くなる。
【0023】
図2、
図3に示す通り、少なくとも一つの第2吸着部92aは、第2シート部2の外面2sに吸着するように構成されている。第2吸着部92aは、吸盤、吸着シート、またはこれらの組み合わせを有していることが好ましい。例えば、包装袋30を吸盤の上に載せることにより、吸盤の吸着面を第2シート部2の外面2sに吸着させることができる。この際、包装袋30側から加圧してもよい。吸盤は皿状部を有していることが好ましい。皿状部は、弾性を有していることが好ましい。皿状部は、ゴム、弾性を有する樹脂、またはこれらの混合物を有していることが好ましい。皿状部の形状は、平面視において、円形、楕円形、多角形、または角丸多角形であることが好ましく、円形または楕円形であることがより好ましい。これにより吸着し易くなる。また図示していないが、吸盤は、皿状部と、皿状部の基端側に位置する蛇腹状部とを有していることがより好ましい。蛇腹状部により、第2シート部2の外面2sに対する追従性が向上する。蛇腹状部は、皿状部と同じ素材により構成されていることが好ましく、皿状部と一体に形成されていることが好ましい。
【0024】
吸着シートの吸着面は、複数の微小な凹部を有していることが好ましい。微小な凹部が吸盤のように作用することにより、吸着シートは第2シート部2の外面2sに吸着することができる。吸着シートは、ゴム、弾性を有する樹脂、またはこれらの混合物を有していることが好ましい。例えば、包装袋30を吸着シートの吸着面の上に載せることにより、吸着シートの吸着面を第2シート部2の外面2sに吸着させることができる。吸着シートは片面に吸着面を有していてもよく、両面に吸着面を有していてもよい。
【0025】
図1に示す通り、包装袋30の開封装置90は、更に、第2吸着部92aを支持し、第2吸着部92aの移動を抑制する支持部材90Mを有することが好ましい。これにより、第2吸着部92aに吸着された包装袋30は動き難くなるため、第1吸着部91aの移動に伴って第1シート部1を引き伸ばし易くすることができる。支持部材90Mは板状部を有していることが好ましい。第2吸着部92aは支持部材90Mから脱離しないように支持部材90Mに固定されていればよく、例えばねじ、釘、接着剤、両面テープ等により支持部材90Mに固定されていればよい。支持部材90Mは板状部と、板状部に連結している脚部とを有していてもよい。
【0026】
第1吸着部91aと第2吸着部92aは、例えば
図10に示すような包装袋30の平面視において、包装袋30の表面のうち医療用具80の外縁よりも内側の部分に吸着してもよい。このような配置の吸着部に引き伸ばされた部分に対して第1針管91nを刺して気体を供給することにより、包装袋30の内部全体に気体を供給し易くすることができる。
【0027】
一方、第1吸着部91aと第2吸着部92aは、当該平面視において、包装袋30の表面のうち医療用具80の外縁よりも外側の部分に吸着してもよい。このような配置の吸着部に引き伸ばされた部分に対して第1針管91nを刺して気体を供給することにより、針刺しの際の医療用具80の損傷を回避し易くすることができる。
【0028】
図示していないが、引き伸ばされた第1シート部1に第1針管91nを突き刺して気体を供給した後に、更に第1吸着部91aを第1方向D1に移動させて第1シート部1を更に引っ張ることにより、包装袋30を第2吸着部92aから脱離させてもよい。更に、後述する移送部90Eにより第1吸着部91aを移動させることにより、後述する支持台90Tの上に包装袋30を搬送してもよい。
【0029】
図1に示す通り、第1針管91nは、気体供給装置99に接続されるものである。例えば、第1針管91nは、チューブ99aを介して気体供給装置99に接続されていることが好ましい。これにより、気体供給装置99からチューブ99aを介して第1針管91nの内腔に気体を供給することができる。第1針管91nを第1シート部1の外面1sに突き刺して包装袋30内に気体を供給することにより、包装袋30内において医療用具80を動かし易くすることができるため、包装袋30の開封時の切断等を行い易くすることができる。また気体供給装置99は、第1吸着部91a、第2吸着部92a、またはこれらの両方に気体を供給してもよい。また気体供給装置99は、気体を吸引できるように構成されていてもよい。気体供給装置99は、ポンプを有していることが好ましい。ポンプは気体を吐出できるものであることが好ましく、気体を吐出し且つ気体を吸引できるものであることがより好ましい。
【0030】
気体供給装置99が供給する気体は、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、殺菌ガス、またはこれらの混合物であることが好ましく、空気であることがより好ましい。これにより作業性または安全性を向上させることができる。
【0031】
図2、
図3に示す通り、第2移動部92tは、第1針管91nを第1シート部1の外面1sに向かう第2方向D2に移動させるように構成されている。第2移動部92tは、第1針管91nを少なくとも第2方向D2に移動させることが可能な駆動機構を有していることが好ましい。駆動機構として、例えば、エアシリンダ、一軸アクチュエータ等が挙げられる。駆動機構は、第1針管91nを第2方向D2と、第2方向D2とは反対側に向かう方向である方向R2とに移動させることが可能なものであることがより好ましい。これにより、第1針管91nを第2方向D2に移動させて第1針管91nを第1シート部1の外面1sに突き刺すことができ、更に、第1針管91nを方向R2に移動させることにより第1シート部1の外面1sから第1針管91nを抜くことができる。第2方向D2は、第1方向D1とは反対側に向かう方向であることが好ましい。
【0032】
第2方向D2は、鉛直成分を有し水平成分を有していないか、または、鉛直成分と水平成分とを有し、鉛直成分は水平成分よりも大きいことが好ましい。第2方向D2の鉛直成分は、第2方向D2における鉛直方向Vの成分である。第2方向D2の水平成分は、第2方向D2における水平方向Wの成分である。
図2、
図3、
図4では、第2方向D2は、鉛直成分を有し水平成分を有していない。一方、
図5では、第2方向D2は、鉛直成分と水平成分とを有し、鉛直成分は水平成分よりも大きくなっている。このような第2方向D2に第1針管91nを移動させることにより、第1針管91nは第1シート部1の外面1sに突き刺さり易くなる。また
図5に示すように、第2方向D2が水平成分を有している場合、包装袋30内に気体を供給するために必要な第1針管91nの包装袋30に対する刺入深度を低減できる。その結果、第1針管91nが医療用具80に接触し難くなるため、開封に伴う医療用具80の損傷を回避し易くすることができる。
【0033】
第1吸着部91aと第2吸着部92aの数は、それぞれ、1つ以上であることが好ましく、2つ以上であることがより好ましい。これにより吸着し易くなる。一方、第1吸着部91aと第2吸着部92aの数は、それぞれ、8つ以下であることが好ましく、4つ以下であることがより好ましい。これにより、吸着部をシート部の外面から脱離させ易くすることができる。第1吸着部91aと第2吸着部92aの数は、同じであることが好ましい。これにより第1シート部1を引き伸ばすときに包装袋30が位置ずれし難くなる。更に、鉛直方向Vにおける視野において、第1吸着部91aは第2吸着部92aと重なる位置に配置されていることが好ましい。これにより一層、第1シート部1を引き伸ばすときに包装袋30が位置ずれし難くなる。
【0034】
図1、
図6に示すように、少なくとも一つの第1吸着部91aは、複数の吸着部90aを含むことが好ましい。複数の吸着部90aは、それぞれ吸着面90bを有していることが好ましい。第1針管91nは、複数の吸着部90aの吸着面90bに外接する外接円90cよりも内側に位置していることが好ましい。更に、複数の吸着部90aの吸着面90bと、第1針管91nは、第1シート部1の外面1sに接触したときに当該位置関係を満たすことがより好ましい。外接円90cより内側の部分は、複数の吸着部90aの移動により引き伸ばされ易い部分であるため、当該外接円90cより内側の部分に第1針管91nが位置していることにより、第1針管91nが突き刺さり易くなる。
【0035】
包装袋30の開封装置90は、更に、気体供給装置99に接続される第2針管92nを有していることが好ましい。
図7に示す通り、包装袋30の開封装置90は、更に、第2針管92nを第1シート部1の外面1sに向かう第3方向D3に移動させる第3移動部93tを有していることが好ましい。第1針管91nと第2針管92nを包装袋30に突き刺すことにより、一層、包装袋30内に気体を供給し易くなる。第3移動部93tは、第2移動部92tと同様の駆動機構を有していることが好ましい。
【0036】
図7に示す通り、第2方向D2は、鉛直成分を有しておらず水平成分を有しているか、または鉛直成分と水平成分とを有し、鉛直成分は水平成分よりも小さいことが好ましい。更に、第3方向D3は、鉛直成分を有しておらず水平成分を有しているか、または鉛直成分と水平成分とを有し、鉛直成分は水平成分よりも小さいことが好ましい。第2方向D2の鉛直成分、水平成分は、第2方向D2における鉛直方向Vの成分、水平方向Wの成分である。第3方向D3の鉛直成分、水平成分は、第3方向D3における鉛直方向Vの成分、水平方向Wの成分である。第2方向D2と第3方向D3が、水平成分を有していることにより、包装袋30内に気体を供給するために必要な第1針管91nと第2針管92nの包装袋30に対する刺入深度を低減でき、その結果、第1針管91nと第2針管92nが医療用具80に接触し難くなるため、開封に伴う医療用具80の損傷を回避し易くすることができる。
【0037】
図7に示す通り、第2方向D2と第3方向D3は、水平方向Wに互いに近づく方向であることが好ましい。第2方向D2と第3方向D3は、水平方向Wに互いに近づく方向であることにより、第1針管91nと第2針管92nの移動に伴って第1シート部1の外面1sに対して水平方向Wに押し合うような力をかけることができるため、第1針管91nと第2針管92nは第1シート部1の外面1sに突き刺さり易くなる。
【0038】
図示していないが、開封装置90は、第1移動部91t、第2移動部92t、第3移動部93t、またこれらの全部の角度を調整する角度調整器を有していることが好ましい。角度調整器は、手動で角度を調整できるものであってもよく、電動で角度を調整できるものであってもよい。移動部が複数の場合、開封装置90は、それぞれの移動部に対応する角度調整器を有していてもよい。
【0039】
図1に示す通り、開封装置90は、更に、包装袋30を移送するための移送部90Eを有していることが好ましい。移送部90Eは、例えば第1移動部91tに直接または間接に連結しており、第1移動部91tを移送することにより、第1吸着部91aに吸着された包装袋30を移送することができる。例えば、
図1の移送部90Eは、手前側から奥側に向かう方向Fへ移動できるものであってもよく、奥側から手前側に向かう方向Nに移動できるものであってもよい。これにより、例えば収容箱に収容された包装袋30を支持部材90Mへ移送することができ、更に包装袋30を支持部材90Mから後述する支持台90Tへ移送することもできる。また、移送部90Eは、例えばスライドレール、または一軸アクチュエータを有していることが好ましい。
【0040】
図8に示す通り、包装袋30の開封装置90は、更に、包装袋30を傾斜させる傾斜部90Sを含むことが好ましい。包装袋30を傾斜させることにより、包装袋30内において医療用具80を鉛直方向Vの下側Vbに移動させることができるため、切断を行い易くなる。
【0041】
図8に示す通り、傾斜部90Sは、支点Pを中心に回転できる軸体を有していることが好ましい。軸体は、包装袋30を支持する支持台90Tと直接または間接に連結されていることが好ましい。これにより、軸体の回転に伴って支持台90Tを回動させて傾斜させることができ、その結果、包装袋30を傾斜させることができる。傾斜部90Sは、水平状態を維持することができ、更に所定の角度での傾斜状態を維持することができるようにストッパーを有していることが好ましい。
【0042】
支持台90Tの水平方向Wに対する傾斜角度は、好ましくは10度以上、より好ましくは20度以上、更に好ましくは40度以上である。これにより、包装袋30内で医療用具80を移動させ易くなる。一方、当該傾斜角度は、好ましくは80度以下、より好ましくは70度以下、更に好ましくは60度以下である。これにより作業性が向上する。
【0043】
図示していないが、傾斜部90Sは、支持台90Tの脚部のうちの少なくとも1脚に配置され、鉛直方向Vに伸縮可能なものであってもよい。このような形態によっても支持台90Tを傾斜させることができ、包装袋30を傾斜させることができる。この場合、傾斜部90Sは、例えばスライドレール、一軸アクチュエータ、油圧機構、またはこれらの組み合わせを有していてもよい。
【0044】
包装袋30の開封装置90は、更に、包装袋30を振動させる振動部90Vを含むことが好ましい。振動部90Vは、電力により振動を発生させる動電型の振動発生部を有していることが好ましい。振動発生部として、磁石とコイルを有するものが挙げられる。例えば、磁石の磁界中に配置されたコイルに電流を流すことにより、振動を発生させることができる。当該振動が直接または間接に支持台90Tに伝達されるように振動部90Vは配置されていればよい。また振動発生部は、例えば油圧によってピストンを駆動し、振動を発生させる油圧型の振動発生部、モーターに偏芯した錘をつけて回転させ、遠心力によって振動を発生させるアンバランスマス型の振動発生部等であってもよい。
【0045】
図9、
図10、
図11に示すように、包装袋30の開封装置90は、更に、包装袋30の第1シート部1と第2シート部2が固定されていない非固定部3の一部3aを切断するように構成されている切断部90Cを有していることが好ましい。切断部90Cは、カッターを有していることが好ましい。カッターとしては、例えば直線状に延在している刃物、円形で回転可能な刃物等が挙げられる。円形の刃物の場合、モーターで回転させてもよい。切断部90Cは、カッターの少なくとも一部を内部に収容可能な収容部材を有していてもよい。収容部材は、カッターを外部に突出させることが可能な線状の孔を有する筐体であることが好ましい。筐体は、後述する移動部材90Dに連結されていることが好ましい。図示していないが、切断時に包装袋30のフィルムを支持台90Tに押さえつける機構があると、フィルムを固定した状態となるため、より安定的に切断が可能となる。
【0046】
図9に示す通り、開封装置90は、更に、切断部90Cを切断工程において移動させる移動部材90Dを有していることが好ましい。移動部材90Dの移動方向は、水平方向W、鉛直方向V、または水平方向Wと鉛直方向Vの両方向のいずれであってもよい。切断時の移動方向が鉛直方向Vである場合、大型刃により一気に切断することが可能となる。一方、切断時の移動方向が水平方向Wである場合、包装袋30を側面側から切断することができ、更に小型刃で切断が可能となる。移動方向が水平方向Wと鉛直方向Vの両方向である場合、例えば包装袋30の上に切断部90Cが位置するように水平方向Wに移動させて水平方向Wの位置を調整してから、鉛直方向Vの下側Vbに切断部90Cを移動させることにより、包装袋30を切断することができる。一方、鉛直方向Vに切断部90Cを移動させて高さ位置を調整してから、水平方向Wに移動させることにより、包装袋30を側面側から切断することができる。移動部材90Dは、例えばスライドレール、一軸アクチュエータ、エアシリンダ、またはこれらの組み合わせを有していてもよい。
【0047】
図9に示す通り、開封装置90は、更に、包装袋30を支持する支持台90Tを有していることが好ましい。これにより各切断を行い易くなる。支持台90Tは、切断方向に延在する溝90Tgを有していることが好ましい。溝90Tgには、切断部90Cのカッターの下端部を挿入することができるため、切断を行い易くすることができる。溝90Tgは、支持台90Tを貫通していてもよい。また支持台90Tと支持部材90Mは隣接していることが好ましい。
【0048】
開封装置90は、複数の切断部90Cを有していてもよく、一つの切断部90Cを有していてもよい。開封装置90が一つの切断部90Cを有する場合、例えば
図10、
図11に示すように包装袋30内の医療用具80を動かしてから、切断部90Cにより第1の切断方向C1に沿って包装袋30を切断し、第1開口21を形成して、第1開口21から医療用具80を取り出せばよい。包装袋30内の医療用具80を動かす際には、振動部90V、傾斜部90S、またはこれらの両方により医療用具80を動かしてもよい。
【0049】
開封装置90が複数の切断部90Cを有する場合、複数の切断部90Cは、例えば
図13に示すように第1の切断方向C1に沿って包装袋30の非固定部3の一部3aを切断する第1切断部、および第2の切断方向C2に沿って非固定部3の他の一部3bを切断する第2切断部を有していてもよい。この場合、
図14に示すように、第1切断部により形成された第1開口21から空気等を供給することができるため、包装袋30内において医療用具80を一層、動かし易くすることができる。更に第2切断部により形成された第2開口から医療用具80を容易に取り出すことができる。第1切断後に包装袋30内の医療用具80を動かす際には、振動部90V、傾斜部90S、またはこれらの両方により医療用具80を動かしてもよい。
【0050】
次に、以下では開封対象である包装袋30と医療用具80について詳述する。
図2、
図10、
図12に示す通り、包装袋30は、第1シート部1と、第1シート部1に対向する第2シート部2とを有している。包装袋30は、第1シート部1と第2シート部2の間に位置する医療用具80を内包している。包装袋30は、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されていない非固定部3を有していることが好ましい。非固定部3に医療用具80を配置することができる。
【0051】
第1シート部1と第2シート部2は、それぞれ、樹脂フィルムを含んでいることが好ましく、樹脂フィルムからなることがより好ましい。これにより、医療用具80は包装袋30により密封され易くなる。樹脂フィルムとして、ポリエチレン層、ポリプロピレン層、ポリエチレンテレフタレート層、塩化ビニル層、ポリウレタン層、ポリスチレン層、ポリアミド層、ABS樹脂層、またはこれらの積層体が好ましい。これらのうち、ポリエチレン層、ポリプロピレン層、ポリアミド層、ABS樹脂層、またはこれらの積層体は、ヒートシール性樹脂として機能し得る。
【0052】
第1シート部1と第2シート部2は、それぞれ、樹脂フィルム以外の他の層を更に含んでいてもよい。他の層として、例えば不織布、織布、紙材、またはこれらの積層体が挙げられる。第1シート部1と第2シート部2は、互いに同じ素材を含むことが好ましく、同じ素材からなることが好ましい。
【0053】
第1シート部1と第2シート部2は、例えば、第1のシートと第2のシートとを重ね合わせて、これらの外縁部または外縁部近傍を互いに固定することにより形成される。その他に、第1シート部1と第2シート部2は、シートを2つ折りして、重なった部分の外縁部または外縁部近傍を互いに固定することにより形成されていてもよい。これらの外縁部または外縁部近傍は、例えば溶着、接着、またはこれらの組み合わせにより、固定されていることが好ましい。
【0054】
図10、
図12に示す通り、包装袋30の外縁部30Eは、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されている複数の直線状部10を有していることが好ましい。これにより包装袋30で医療用具80を密封し易くなる。
【0055】
図10に示す通り、複数の直線状部10は、第1延在方向D11に延在している第1直線状部11と、第1延在方向D11と交差する第2延在方向D12に延在し、第1延在方向D11に間隔を空けて配置されている第2直線状部12と第3直線状部13と、第2直線状部12と第3直線状部13とに連結するように延在している第4直線状部14とを有していることが好ましい。第1延在方向D11と第2延在方向D12のなす角度は、好ましくは80度以上、100度以下、より好ましくは85度以上、95度以下である。
【0056】
図10に示す通り、第1直線状部11、第2直線状部12、第3直線状部13、及び第4直線状部14により、内縁と外縁が多角形である固定部が形成されていることが好ましく、内縁と外縁が4角形である固定部が形成されていることがより好ましく、内縁と外縁が長方形である固定部が形成されていることが更に好ましい。複数の直線状部10は、第1直線状部11、第2直線状部12、第3直線状部13、及び第4直線状部14のうちのいずれか1つを有していなくてもよい。例えば、上述のようにシートを2つ折りして包装袋30が形成されている場合、3つの線状部を形成することにより、密封することができる。また、外縁部30Eの上記いずれか1つの線状部を省略して、外縁部30Eよりも内側に別途、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されている直線状部が形成されていてもよい。
【0057】
医療用具80は、第1シート部1と第2シート部2の間の空気が抜かれた状態で包装袋30内に密封されていることが好ましい。医療用具80が、非固定部3内の空気が抜かれて包装袋30内に密封されている状態としては、例えば、
図12に示すように非固定部3において第1シート部1と第2シート部2の内面同士が部分的に接触する程度に非固定部3内の空気が抜かれた状態が好ましいが、非固定部3内の空気が完全に抜かれた真空状態であってもよい。例えば、標準気圧下の非固定部3において、第1シート部1の内面は、第2シート部2の内面と医療用具80に70面積%以上の割合で接触していることが好ましく、80面積%以上の割合で接触していることがより好ましく、90面積%以上の割合で接触していることが更に好ましい。一方、当該割合は、99面積%以下であることが好ましい。これにより、過度な脱気に伴う医療用具80の損傷を回避し易くすることができる。同様に、標準気圧下の非固定部3において、第2シート部2の内面は、第1シート部1の内面と医療用具80に70面積%以上の割合で接触していることが好ましく、80面積%以上の割合で接触していることがより好ましく、90面積%以上の割合で接触していることが更に好ましい。一方、当該割合は、99面積%以下であることが好ましい。
【0058】
標準気圧下の非固定部3において、第1シート部1の内面は、医療用具80よりも第2シート部2の内面と広い面積で接触していることが好ましい。更に、標準気圧下の非固定部3において、第2シート部2の内面は、医療用具80よりも第1シート部1の内面と広い面積で接触していることが好ましい。これにより、包装袋30を切断し易くすることができる。
【0059】
医療用具80は、巻回部82を有する管状体81を含んでいることが好ましい。巻回部82を有することにより、長尺の管状体81を包装袋30に配置することができる。管状体81は、内腔に医療用長尺体84が挿入されているものであることが好ましい。即ち、管状体81は、医療用長尺体84の保護管であることが好ましい。医療用長尺体84として、バルーンカテーテル、ガイディングカテーテル、ガイディングカテーテルの内部に挿入されるインナーカテーテル、ガイドワイヤ等が挙げられる。管状体81は、樹脂を含むことが好ましく、樹脂からなることが好ましい。また
図10に示す通り、医療用長尺体84は近位端部にハンドルを有していることが好ましい。
【0060】
図10に示す通り、医療用具80は、巻回部82を有する管状体81と、最大辺83aの長さが巻回部82の外径82Dよりも小さい小袋83とを有していることが好ましい。小袋83の最大辺83aの長さが巻回部82の外径82Dよりも小さいことにより、空気が抜かれた包装袋30内で小袋83を、管状体81内にとどめ易くすることができる。
【0061】
図10に示す通り、管状体81の巻回部82には、複数の溝部を有する複数の保持部材85が装着されていることが好ましい。これにより巻回部82の形状が維持され易くなる。保持部材85は、いわゆるクリップであることが好ましい。
【0062】
小袋83内には、医療用長尺体84と共に用いる医療用器具が配置されていることが好ましい。また医療用器具は、小袋83により密封されていることが好ましいが、密封されていなくてもよい。例えば小袋83の開口部は、綴じ針、テープ等の部材により、部分的に閉じられていてもよい。小袋83は樹脂を含むことが好ましく、樹脂からなることが好ましい。なお医療用具80は小袋83を有していなくてもよい。
【0063】
図13に示す通り、包装袋30は、更に、非固定部3に囲まれ、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されている第1固定部4を有していてもよい。第1固定部4により、包装袋30内において医療用具80の移動が制限されるため、包装袋30内において医療用具80が存在していない領域を確保し易くなる。その結果、包装袋30を切断し易くなる。包装袋30は、第1固定部4を1つのみ有していることが好ましいが、複数有していてもよい。
【0064】
図13の第1固定部4では、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されている。第1固定部4では、例えば溶着、接着、またはこれらの組み合わせにより、第1シート部1と第2シート部2の内面が互いに固定されていることが好ましい。これにより包装袋30のコストを低減することができる。
【0065】
図13に示す通り、包装袋30の平面視において、第1固定部4は、円状、楕円状、多角形状、または角丸多角形状であることが好ましく、円状または楕円状であることがより好ましく、円状であることが更に好ましい。これにより第1固定部4の位置を把握し易くなる。そのため、多数の包装袋30を開封する場合において、第1固定部4を目印に向きを揃えることができるため、機械的に各工程を行い易くなる。包装袋30内における医療用具80の位置には、通常、ばらつきがあるため、機械的に各操作を行うことが有効である。
【0066】
第1固定部4は、非固定部3に囲まれた部分である。
図13に示す通り、第1固定部4は、全周にわたって非固定部3に囲まれていることが好ましい。これにより、第1固定部4を包装袋30から切除し易くすることができる。なお第1固定部4は、複数の直線状部10のうちの少なくとも1つと繋がっていてもよく、複数の直線状部10のうちのいずれか1つと繋がっていてもよい。
【0067】
第1固定部4は、第1直線状部11よりも第4直線状部14に近く、且つ第3直線状部13よりも第2直線状部12に近いことが好ましい。これにより、包装袋30の平面視において、非固定部3の中心を通り、第1延在方向D11に延在する仮想線をX軸、非固定部3の中心を通り、第2延在方向D12に延在する仮想線をY軸とし、非固定部3のうちX軸とY軸により区画される4つの象限をそれぞれ第1象限、第2象限、第3象限、第4象限としたとき、第3象限において医療用具80が侵入し難い領域を確保することができる。
【0068】
以下では、
図15を参照しながら、第2の実施の形態に係る包装袋の開封装置について詳述する。
図15は、第2の実施の形態に係る包装袋の開封装置の側面図である。第2の実施の形態に係る包装袋の開封装置のうち、第1の実施の形態に係る包装袋の開封装置と重複する部分の詳細な説明は省略する。
【0069】
図15に示す通り、第2の実施の形態に係る開封装置91は、少なくとも一つの第1吸着部91a、第1移動部91t、少なくとも一つの第2吸着部92a、第1針管91n、および第2移動部92tを有している。第1移動部91tは、第1吸着部91aを第2シート部2から離れる第1方向D1に移動させるように構成されている。第2移動部92tは、第1針管91nを第1シート部1の外面1sに向かう第2方向D2に移動させるように構成されている。
【0070】
図15に示す通り、包装袋30の開封装置91は、更に、第2吸着部92aを第1シート部1から離れる第4方向D4に移動させる第4移動部94tを有していることが好ましい。第1吸着部91aを、第1シート部1の外面1sに吸着させた状態で第1方向D1に移動させ、且つ第2吸着部92aを、第2シート部2の外面2sに吸着させた状態で第4方向D4に移動させることにより、第1シート部1の少なくとも一部を第1方向D1に引き伸ばすことができる。その結果、第1針管91nを第1シート部1に突き刺し易くすることができる。更に
図15に示すように包装袋30を鉛直方向Vに沿って配置した状態でシート部を引き伸ばせば、鉛直方向Vの下側Vbに医療用具80が動き易くなるため、鉛直方向Vの上側Vaにおいて包装袋30を切断し易くすることができる。また、水平方向Wにおける視野において、第1吸着部91aは第2吸着部92aと重なる位置に配置されていることが好ましい。これにより一層、第1シート部1を引き伸ばし易くなる。また、第4方向D4は、第1方向D1とは反対側に向かう方向であることが好ましい。これにより、一層、鉛直方向Vの下側Vbに医療用具80が動き易くなる。
【0071】
第2の実施の形態に係る開封装置91においては、第1の実施の形態に係る開封装置90における第1方向、第2方向、第3方向の鉛直成分、水平成分を、それぞれ第1方向、第2方向、第3方向の水平成分、鉛直成分と読み替えて適用することが好ましい。
【0072】
第4移動部94tは、第1移動部91tと同様の駆動機構を有していることが好ましい。駆動機構の詳細については、第1の実施の形態に係る包装袋の開封装置の記載を参照すればよい。
【0073】
第4方向D4は、水平成分を有し鉛直成分を有していないか、または、水平成分と鉛直成分とを有し、水平成分は鉛直成分よりも大きいことが好ましい。このような第4方向D4に第2吸着部92aを移動させることにより、第1シート部1を水平方向Wに引き伸ばし易くすることができる。
【0074】
第1吸着部91aと第2吸着部92aは、それぞれ、吸盤、吸引用管、またはこれらの組み合わせを有していることが好ましく、吸盤と吸引用管とを有していることがより好ましい。吸盤、吸引用管の詳細については、第1の実施の形態に係る包装袋の開封装置の記載を参照すればよい。
【0075】
以下では、実施の形態に係る包装袋の開封方法について説明する。実施の形態に係る包装袋の開封方法は、医療用具80を内包する包装袋30の開封方法である。包装袋30は、第1シート部1と、第1シート部1に対向する第2シート部2とを有し、第1シート部1と第2シート部2の間に位置する医療用具80を内包している。これらの詳細については上述した包装袋30と医療用具80の説明を参照すればよい。
【0076】
図1、
図2、
図3に示す通り、包装袋30の開封方法は、第1シート部1の一部を、第2シート部2から離れる方向に移動させる工程、針管90nを第1シート部1の外面1sから突き刺す工程、第1シート部1と第2シート部2の間に針管90nから気体を供給する工程を含む。
【0077】
第1シート部1の一部を、第2シート部2から離れる方向に移動させる工程においては、第1シート部1の一部を、上述した第1方向D1に移動させることが好ましい。これにより、第1シート部1の一部が引き伸ばされて、針管90nを突き刺し易くすることができる。当該工程において、第2シート部2が移動しないように固定することが好ましい。これにより、一層、第1シート部1の一部が引き伸ばされ易くなる。
【0078】
針管90nを第1シート部1の外面1sから突き刺す工程においては、針管90nを上述した第2方向D2に移動させることが好ましい。これにより、第1シート部1に針管90nを突き刺すことができる。
【0079】
第1シート部1と第2シート部2の間に針管90nから気体を供給する工程においては、医療用具80が配置されている非固定部3に気体を供給すればよい。これにより、包装袋30内において医療用具80を動かし易くすることができるため、包装袋30の開封時の切断等を行い易くすることができる。
【0080】
包装袋30内に気体が供給された後、切断を妨げない位置に医療用具80を移動させることが好ましい。その際、作業者が手で医療用具80を移動させてもよいが、
図8に示す通り、包装袋30と医療用具80を傾斜、振動、またはこれらの両方により医療用具80を移動させることが好ましい。
【0081】
図10、
図11に示す通り、包装袋30の開封方法は、更に、包装袋30の第1シート部1と第2シート部2が固定されていない非固定部3の一部3aを切断する第1切断工程を含むことが好ましい。これにより、第1切断工程の切断により形成された第1開口21から医療用具80を取り出すことができる。
【0082】
また
図13に示すように、包装袋30が、非固定部3に囲まれ、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されている第1固定部4を有している場合、包装袋30の開封方法は、包装袋30の非固定部3の一部3aを切断する第1切断工程、および非固定部3の他の一部3bを切断する第2切断工程を含んでいることが好ましい。この場合、例えば
図13、
図14に示すように第1の切断方向C1に沿って第1開口21を形成すればよい。これにより、第1開口21から空気等を供給することができるため、包装袋30内において医療用具80を一層、動かし易くすることができる。更に第2の切断方向C2に沿って第2開口を形成することにより、第2開口から医療用具80を容易に取り出すことができる。また第1切断工程において、第1固定部4が切除されないように切断することが好ましい。即ち第1固定部4を残しておくことにより、医療用具80が存在していない領域を確保し易くすることができるため、第1切断後の切断を行い易くすることができる。
【0083】
包装袋30の平面視において、第2切断工程における切断線L2の長さは、第1切断工程における切断線L1の長さよりも大きいことが好ましい。これにより、第1開口21を小さくしつつ、第2開口を大きくすることができる。切断線L2の長さは、切断線L1の長さの1.5倍以上であることが好ましく、4倍以上であることがより好ましい。一方、切断線L2の長さは、切断線L1の長さの20倍以下であることが好ましく、10倍以下であることがより好ましい。これにより、第1開口21から包装袋30に空気等の気体が供給され易くなる。
【0084】
第1の切断方向C1と第2の切断方向C2とのなす角度は、好ましくは10度以上、80度以下、より好ましくは30度以上、50度以下である。これにより、第1開口21を小さくしつつ、第2開口を大きくすることができる。
【0085】
第1切断、第2切断は、例えば、上述した開封装置90等を用いて切断することが好ましいが、包装袋30の外縁部30Eに設けられた切り口から引き裂くことにより、第1切断、第2切断を行ってもよい。
【0086】
包装袋30が第1固定部4を有している場合、第1切断工程の後に、第2切断を妨げない位置に医療用具80を移動させることが好ましい。その際、作業者が手で医療用具80を移動させてもよいが、包装袋30と医療用具80を傾斜、振動、またはこれらの両方により医療用具80を移動させることが好ましい。
【0087】
図14に示すように、包装袋30の開封方法は、更に、第1切断工程の後に、第1切断工程の切断により形成された第1開口21の少なくとも一部が、鉛直方向Vにおける上側Vaまたは下側Vbに位置するように包装袋30を傾斜させる傾斜工程を含むことが好ましい。例えば第1開口21の少なくとも一部が、鉛直方向Vにおける上側Vaに位置するようにすることにより、第1開口21とは反対側に医療用具80を移動させることができるため、第1開口21に近い側において第2切断を行い易くすることができる。一方、第1開口21の少なくとも一部が、鉛直方向Vにおける下側Vbに位置するようにすることにより、第1開口21に近い側に医療用具80が移動するため、第1開口21とは反対側において第2切断を行い易くすることができる。
【0088】
傾斜工程により包装袋30内で医療用具80を移動させた後は、包装袋30を傾斜状態から水平状態に戻すことが好ましい。これにより、第2切断を行い易くなる。
【0089】
包装袋30の開封方法は、更に、第1切断工程の後に、包装袋30を振動させる工程を含むことが好ましい。これにより、包装袋30内において医療用具80を移動させることができ、第2切断を行い易くすることができる。例えば包装袋30を振動させて、医療用具80が所望の位置に移動したときに振動を停止すればよい。また上記傾斜と共に振動を付与してもよく、この場合、効率的に包装袋30内で医療用具80を移動させることができる。
【0090】
以上、実施の形態に係る包装袋30の開封方法について説明したが、各工程は、上述した包装袋の開封装置を用いて実施することが好ましい。その場合、各工程のうち一部の工程は、異なる装置を用いて実施してもよい。また各工程のうち、一部の工程は人の手により実施してもよい。これらの実施の形態に係る様々な工程は、互いに組み合わせて実施してもよい。更に、本明細書で説明されていない他の工程を組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1、2 第1シート部、第2シート部
1s、2s 外面
3 非固定部
3a 一部
3b 他の一部
4 第1固定部
10 複数の直線状部
11、12、13、14 第1直線状部、第2直線状部、第3直線状部、第4直線状部
21 第1開口
30 包装袋
30E 外縁部
80 医療用具
81 管状体
82 巻回部
82D 外径
83 小袋
83a 最大辺
84 医療用長尺体
85 保持部材
90、91 開封装置
90a、91a、92a 吸着部、第1吸着部、第2吸着部
90b 吸着面
90c 外接円
90n、91n、92n 針管、第1針管、第2針管
90C 切断部
90D 移動部材
90E 移送部
90M 支持部材
90S 傾斜部
90T 支持台
90Tg 溝
90V 振動部
91t、92t、93t、94t 第1移動部、第2移動部、第3移動部、第4移動部
99 気体供給装置
99a チューブ
C1、C2 第1の切断方向、第2の切断方向
D1、D2、D3、D4 第1方向、第2方向、第3方向、第4方向
D11、D12 第1延在方向、第2延在方向
P 支点
R1、R2 第1方向とは反対側に向かう方向、第2方向とは反対側に向かう方向
V 鉛直方向
Va 上側
Vb 下側
W 水平方向