(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158759
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/17 20060101AFI20241031BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B41J2/17 203
B41J2/01 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】31
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074266
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】中田 聡
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 寛治
(72)【発明者】
【氏名】田中 当成
(72)【発明者】
【氏名】丸山 克己
(72)【発明者】
【氏名】山田 克己
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EA27
2C056EB06
2C056EB44
2C056FA10
2C056JC13
(57)【要約】
【課題】ユーザーの手とノズルの先端との接触を抑制することができる印刷装置を提供すること。
【解決手段】上方に開口する筐体と、印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する保持部と、廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する排出部と、筐体に設けられ、筐体の開口を開いている開状態と、筐体の開口を閉じている閉状態とに変化させることが可能な第1カバーと、を備える印刷装置であって、廃液収容体には、排出口から排出された廃液が廃液収容体の外部から廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、ノズルは、孔を介して廃液収容体と接続可能であり、ノズルの先端は、第1カバーの状態が開状態であり、且つ、廃液収容体が印刷装置と接触していない場合、重力方向において、他の部材と重なっており、且つ、他の部材よりも下方に位置する、印刷装置。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口する筐体と、
前記筐体に収容され、印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、
前記筐体に収容され、前記印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する保持部と、
前記筐体に収容され、前記廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する排出部と、
前記筐体に設けられ、前記筐体の開口を開いている開状態と、前記筐体の開口を閉じている閉状態とに変化させることが可能な第1カバーと、
を備える印刷装置であって、
前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、
前記ノズルは、前記孔を介して前記廃液収容体と接続可能であり、
前記ノズルの先端は、前記第1カバーの状態が前記開状態であり、且つ、前記廃液収容体が前記印刷装置と接触していない場合、重力方向において、他の部材と重なっており、且つ、前記他の部材よりも下方に位置する、
印刷装置。
【請求項2】
前記保持部は、第1位置と第2位置との間で移動可能に前記廃液収容体を保持し、
前記第1位置は、前記保持部上において前記廃液収容体が位置することが可能な位置のうち、前記ノズルと前記廃液収容体との接続が解消する位置として予め決められた位置であり、
前記第2位置は、前記保持部上において前記廃液収容体が位置することが可能な位置のうち、前記ノズルと前記廃液収容体とが接続する位置として予め決められ、且つ、予め決められた第1方向において前記第1位置よりも下流に位置する位置であり、
前記廃液収容体は、第1動作と第2動作とが行われることにより、前記ノズルと接続し、
前記第1動作は、前記第1方向と交差する第2方向に向かって前記廃液収容体を前記筐体の開口から前記第1位置に移動させる動作であり、
前記第2動作は、前記第1動作の後に、前記保持部上において前記第1方向に向かって前記廃液収容体を前記第1位置から前記第2位置に移動させる動作である、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第1方向は、前記保持部が有する面のうち前記廃液収容体が載置される載置面と平行な方向であり、
前記第2方向は、重力方向である、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記印刷ヘッドを走査方向に向かって前後に移動させるキャリッジを備え、
前記第1方向は、走査方向と直交する2つの方向のうち前記キャリッジから前記保持部に向かう方向である、
請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記ノズルの先端は、前記第1動作に応じて、重力方向における前記他の部材との重なりが解消する、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記ノズルの先端は、前記第1動作が完了した場合、重力方向における前記他の部材との重なりが解消する、
請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記他の部材は、前記第1動作に応じて、第3位置と第4位置との間で移動する第2カバーであり、
前記第3位置は、前記第2カバーを位置させることが可能な位置のうち、前記ノズルの先端との重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置であり、
前記第4位置は、前記第2カバーを位置させることが可能な位置のうち、前記ノズルの先端と重力方向において重なる位置として予め決められた位置である、
請求項5に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記第2カバーは、前記第4位置に位置する場合、前記ノズルの側面を覆う、
請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記第1動作に応じて、前記第3位置と前記第4位置との間で前記第2カバーを移動させる第1移動機構を備える、
請求項7に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記排出部は、前記第1動作に応じて、第5位置と第6位置との間で移動し、
前記第5位置は、前記排出部が位置することが可能な位置のうち、前記ノズルの先端と前記他の部材との重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置であり、
前記第6位置は、前記排出部が位置することが可能な位置のうち、前記ノズルの先端と前記他の部材とが重力方向において重なる位置として予め決められた位置であり、
前記他の部材は、前記筐体の一部である、
請求項5に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記第1動作に応じて、前記第5位置と前記第6位置との間で前記排出部を移動させる第2移動機構を備える、
請求項10に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記第2移動機構は、前記第1動作による前記廃液収容体との接触に応じて、前記第5位置と前記第6位置との間で前記排出部を移動させる、
請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記ノズルの先端は、前記第2動作に応じて、重力方向における前記他の部材との重なりが解消する、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記ノズルの先端は、前記第2動作が完了した場合、重力方向における前記他の部材との重なりが解消する、
請求項13に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記他の部材は、前記第2動作に応じて、第7位置と第8位置との間で移動する第3カバーであり、
前記第7位置は、前記第3カバーが位置することが可能な位置のうち、前記ノズルの先端との重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置であり、
前記第8位置は、前記第3カバーが位置することが可能な位置のうち、前記ノズルの先端と重力方向において重なる位置として予め決められた位置である、
請求項13に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記第3カバーは、前記第8位置に位置する場合、前記ノズルの側面を覆う、
請求項15に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記第2動作に応じて、前記第7位置と前記第8位置との間で前記第3カバーを移動させる第3移動機構を備える、
請求項15に記載の印刷装置。
【請求項18】
前記第3カバーは、前記第2動作による前記廃液収容体との接触に応じて、前記第7位置と前記第8位置との間を移動する、
請求項15に記載の印刷装置。
【請求項19】
前記第8位置は、前記第1方向において、前記第7位置よりも上流に位置し、
前記第3カバーは、前記保持部上における前記廃液収容体の移動に伴って前記第7位置と前記第8位置との間を移動する、
請求項15に記載の印刷装置。
【請求項20】
前記排出部は、前記第2動作に応じて、第9位置と第10位置との間で移動し、
前記第9位置は、前記排出部が位置することが可能な位置のうち、前記ノズルの先端と前記他の部材との重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置であり、
前記第10位置は、前記排出部が位置することが可能な位置のうち、前記ノズルの先端と前記他の部材とが重力方向において重なる位置として予め決められた位置であり、
前記他の部材は、前記筐体の一部である、
請求項13に記載の印刷装置。
【請求項21】
前記第2動作に応じて、前記第9位置と前記第10位置との間で前記排出部を移動させる第4移動機構を備える、
請求項20に記載の印刷装置。
【請求項22】
前記第4移動機構は、前記第2動作による前記廃液収容体との接触に応じて、前記第9位置と前記第10位置との間で前記排出部を移動させる、
請求項21に記載の印刷装置。
【請求項23】
前記ノズルと前記廃液収容体との接続が完了しているか否かを検出する検出部と、
前記第1カバーの状態が前記開状態であり、且つ、前記ノズルと前記廃液収容体との接続が完了していないと前記検出部が検出している場合、前記第1カバーの状態の前記開状態から前記閉状態への変化を禁止する禁止部と、
を備える、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項24】
前記保持部は、前記廃液収容体を前記保持部に保持させる場合において、前記第1動作及び前記第2動作それぞれにおける前記廃液収容体の動きをガイドするガイド部を有する、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項25】
前記ガイド部は、前記第1動作における前記廃液収容体の動きをガイドする第1ガイド部と、前記第2動作における前記廃液収容体の動きをガイドする第2ガイド部とを含む、
請求項24に記載の印刷装置。
【請求項26】
前記第2ガイド部は、前記第1ガイド部によるガイドが解除された後の前記第2動作による前記廃液収容体の動きをガイドする、
請求項25に記載の印刷装置。
【請求項27】
前記第2動作における前記廃液収容体の前記第2方向と反対の方向への移動を規制する規制部を備える、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項28】
前記廃液収容体は、前記孔を閉じる孔閉塞位置と前記孔を開く孔開放位置との間で移動可能な被当接部を備え、
前記保持部は、前記被当接部と当接する当接部を備え、
前記当接部は、前記廃液収容体の前記保持部への載置に応じて前記被当接部を、前記孔閉塞位置から前記孔開放位置へ移動させる、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項29】
前記第1カバーの状態が前記開状態であり、且つ、前記廃液収容体と前記ノズルとが接続されていない場合、重力方向において、前記他の部材と重なっており、且つ、前記他の部材よりも上方に位置する庇を備える、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項30】
前記ノズルは、前記印刷媒体の搬送方向と逆の方向に向かって延伸しており、
前記ノズルの先端は、前記搬送方向と逆の方向における前記ノズルの端部である、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項31】
前記保持部は、前記印刷媒体の搬送方向において前記印刷ヘッドよりも下流に位置する、
請求項1に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷媒体に画像を印刷する印刷装置についての研究、開発が行われている。
【0003】
これに関し、印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する保持部とを備える印刷装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載の印刷装置では、当該印刷装置から廃液収容体を取り外した場合、廃液収容体へ廃液を注入するノズルが露出する。当該印刷装置において、ノズルが露出してしまうと、当該印刷装置のユーザーの手にノズルが接触してしまうことがある。これは、ユーザーの手が汚れてしまうことに繋がり、望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本開示の一態様は、上方に開口する筐体と、前記筐体に収容され、印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、前記筐体に収容され、前記印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する保持部と、前記筐体に収容され、前記廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する排出部と、前記筐体に設けられ、前記筐体の開口を開いている開状態と、前記筐体の開口を閉じている閉状態とに変化させることが可能な第1カバーと、を備える印刷装置であって、前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、前記ノズルは、前記孔を介して前記廃液収容体と接続可能であり、前記ノズルの先端は、前記第1カバーの状態が前記開状態であり、且つ、前記廃液収容体が前記印刷装置と接触していない場合、重力方向において、他の部材と重なっており、且つ、前記他の部材よりも下方に位置する、印刷装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る印刷装置1の外観の一例を示す斜視図である。
【
図2】印刷装置1に取り付けられた状態の廃液収容体WFBの外観の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示した印刷装置1の第1カバーCVが筐体BXに対して開かれている様子の一例を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示した印刷装置1における筐体BX内の構成を示す上面図である。
【
図5】
図1に示した印刷装置1内の構成を示す断面図である。
【
図6】
図1に示した印刷装置1が備える印刷ヘッドHDの周辺の構成の一例を示す斜視図である。
【
図7】第1位置に位置する廃液収容体WFBと排出部OMとの保持部HLD上における相対的な位置関係の一例を示す図である。
【
図8】第2位置に位置する廃液収容体WFBと排出部OMとの保持部HLDにおける相対的な位置関係の一例を示す図である。
【
図10】第1ガイド部G1によって廃液収容体WFBの動きがガイドされている様子の一例を示す図である。
【
図11】第2ガイド部G2によって廃液収容体WFBの動きがガイドされている様子の一例を示す図である。
【
図12】
図9と異なる方向から見た場合の第2カバーCV2の外観を示す斜視図である。
【
図13】第2カバーCV2が第3位置に位置している場合におけるノズルNZと、第1位置に位置する廃液収容体WFBとのそれぞれの外観を示す上面図である。
【
図14】第2移動機構MV2の構成の一例を示す図である。
【
図15】第2移動機構MV2の構成の一例を示す斜視図である。
【
図17】
図14に示した廃液収容体WFBを第1位置へ移動させた場合における排出部OMの位置の一例を示す図である。
【
図18】
図17に示した廃液収容体WFBを第2位置へ移動させた場合における排出部OMの位置の一例を示す図である。
【
図19】第3カバーCV3の構成の一例を示す側面図である。
【
図20】第1位置に載置された廃液収容体WFBと第3カバーCV3との位置関係の一例を示す図である。
【
図21】
図21に示した廃液収容体WFBを第2位置へ移動させた直後の廃液収容体WFBと第3カバーCV3との位置関係の一例を示す図である。
【
図22】印刷装置1において接触センサーSWが設けられている様子の一例を示す図である。
【
図23】ばねである第3カバーCV3の外観を示す側面図である。
【
図24】
図23に示した第3カバーCV3が第2動作による廃液収容体WFBの動きによって押されて収縮した様子の一例を示す側面図である。
【
図25】第1位置に位置する廃液収容体WFBと、第10位置に位置する排出部OMとの位置関係の一例を示す図である。
【
図26】被当接部SHT1を備えた廃液収容体WFBの構成の一例を示す前面図である。
【
図27】被当接部SHT1が孔開放位置に位置し、廃液収容体WFBに形成された孔HL1及び孔HL2の両方が見えている様子の一例を示す図である。
【
図28】
図19に示した印刷装置1の第3カバーCV3の上方に庇VSが設けられている様子の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
<実施形態に係る印刷装置の概要>
まず、実施形態に係る印刷装置の概要について説明する。
【0010】
実施形態に係る印刷装置は、筐体と、印刷ヘッドと、保持部と、排出部と、第1カバーを備える。筐体は、上方に開口している。印刷ヘッドは、筐体に収容され、印刷媒体に画像を印刷する。保持部は、筐体に収容され、印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する。排出部は、筐体に収容され、廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する。第1カバーは、筐体に設けられ、筐体の開口を開いている開状態と、筐体の開口を閉じている閉状態とに変化させることが可能なカバーである。ここで、廃液収容体には、ノズルの排出口から排出された廃液が廃液収容体の外部から廃液収容体の内部へ通る孔が形成されている。また、ノズルは、孔を介して廃液収容体と接続可能である。そして、ノズルの先端は、第1カバーの状態が前記開状態であり、且つ、廃液収容体が印刷装置と接触していない場合、重力方向において、他の部材と重なっており、且つ、他の部材よりも下方に位置する。これにより、当該印刷装置では、筐体の開口から重力方向に向かってノズルを見た場合、ノズルの先端は、他の部材の背後に位置しているため、見えない。その結果、当該印刷装置は、ユーザーの手とノズルの先端との接触を抑制することができる。
【0011】
以下では、実施形態に係る印刷装置の構成について詳しく説明する。
【0012】
<実施形態に係る印刷装置の構成>
以下、実施形態に係る印刷装置の構成について、印刷装置1を例に挙げて説明する。なお、以下では、説明の便宜上、印刷装置1のユーザーを、単にユーザーと称して説明する。
【0013】
図1は、実施形態に係る印刷装置1の外観の一例を示す斜視図である。
【0014】
ここで、三次元座標系TCは、三次元座標系TCが描かれた図における方向を示す三次元直交座標系である。以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるX軸を、単にX軸と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるY軸を、単にY軸と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるZ軸を、単にZ軸と称して説明する。また、以下では、一例として、Z軸の負方向が重力方向と一致している場合について説明する。このため、以下では、説明の便宜上、Z軸の正方向を上方向又は単に上と称し、Z軸の負方向を下方向又は単に下と称して説明する。
【0015】
また、以下では、説明の便宜上、印刷装置1が有する面のうちX軸の正方向側の面を印刷装置1の前面と称して説明し、印刷装置1が有する面のうちX軸の負方向側の面を印刷装置1の後面と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、印刷装置1が有する面のうちY軸の正方向側の面を印刷装置1の右面と称して説明し、印刷装置1が有する面のうちY軸の負方向側の面を印刷装置1の左面と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、印刷装置1が有する面のうちZ軸の正方向側の面を印刷装置1の上面と称して説明し、印刷装置1が有する面のうちZ軸の負方向側の面を印刷装置1の下面と称して説明する。また、以下では、一例として、印刷装置1が印刷媒体を搬送する搬送方向が、X軸の正方向と一致している場合について説明する。また、以下では、ある方向に向かって印刷装置1を見た場合のことを、当該方向から見た場合と称して説明する。
【0016】
印刷装置1は、印刷媒体に画像を印刷する。印刷媒体は、例えば、印刷用紙、シール台紙等のシート状の媒体であれば、如何なる媒体であってもよい。
【0017】
印刷装置1の外形は、筐体BXと、第1カバーCVと、入力受付部TPによって構成される。すなわち、印刷装置1は、筐体BXと、第1カバーCVと、入力受付部TPを備える。なお、印刷装置1は、筐体BXと、第1カバーCVと、入力受付部TPとに加えて、印刷装置1の外形を構成する部材として他の部材を備える構成であってもよい。
【0018】
筐体BXは、印刷装置1の筐体である。筐体BXの形状は、全体として略直方体形状である。筐体BXは、上方に開口している。筐体BXは、印刷装置1が備える部材のうち、外形を構成する部材以外の部材を収容する。
【0019】
また、筐体BXには、印刷媒体排出口POHが形成されている。印刷媒体排出口POHは、筐体BXに形成された開口のうち、画像が印刷された後の印刷媒体が排出される開口のことである。
図1に示した例では、筐体BXは、印刷媒体排出口POHを前方から開閉可能に覆うカバーを備えている。そして、
図1では、印刷媒体排出口POHは、当該カバーによって閉じられている。このため、
図1では、印刷媒体排出口POHは、当該カバーの背後に隠れている。
【0020】
第1カバーCVは、筐体BXの開口を上方から開閉可能に覆う部材である。より具体的には、第1カバーCVは、筐体BXの開口を開いている開状態と、筐体BXの開口を閉じている閉状態とに変化させることが可能なカバーである。このため、第1カバーCVは、印刷装置1の外表面のうち、印刷装置1の上面を構成する部材である。
【0021】
入力受付部TPは、印刷装置1が各種の操作を受け付ける入力装置である。入力受付部TPは、例えば、タッチパッドとディスプレイとが一体に構成されたタッチパネルである。なお、入力受付部TPは、タッチパネルに代えて、又は、タッチパネルに加えて、当該各種の操作を受け付けるハードウェアキーを含む構成であってもよい。当該ハードウェアキーは、例えば、ボタン、レバー等であるが、これらに限られるわけではない。
【0022】
図1に示した例では、入力受付部TPは、第1カバーCVに設けられている。このため、入力受付部TPは、第1カバーCVの開閉に応じて、筐体BXに対して第1カバーCVとともに相対的に動く。
図1に示した例では、第1カバーCVが筐体BXに対して閉じられている場合、入力受付部TPは、印刷装置1の前面のうちの右上方の面を構成する。換言すると、当該例では、第1カバーCVの状態が閉状態である場合、入力受付部TPは、印刷装置1の前面のうちの右上方の面を構成する。
【0023】
また、印刷装置1は、インクジェット式のプリンターである。このため、印刷装置1には、1以上の液体収容体と、廃液収容体WFBとのそれぞれが取り付けられる。なお、印刷装置1は、1以上の液体収容体のうちの一部又は全部を備えない構成であってもよく、1以上の液体収容体のうちの一部又は全部を備える構成であってもよい。また、印刷装置1は、廃液収容体WFBを備えない構成であってもよく、廃液収容体WFBを備える構成であってもよい。
【0024】
1以上の液体収容体は、印刷装置1が印刷媒体に画像を印刷するために吐出する液体を収容する部材である。当該液体は、例えば、インクである。そこで、以下では、説明の便宜上、当該液体をインクと称して説明する。当該液体がインクである場合、1以上の液体収容体のそれぞれは、例えば、インクカートリッジであるが、インクを収容可能な他の部材であってもよい。なお、当該液体は、インクに代えて、印刷装置1が印刷媒体に画像を印刷するために用いることが可能な他の液体であってもよい。
【0025】
ここで、印刷装置1がモノクロ印刷機である場合、印刷装置1には、ブラックのインクを収容する1以上の液体収容体が取り付けられる。また、印刷装置1がカラー印刷機である場合、印刷装置1には、例えば、ブラックのインクを収容する1以上の液体収容体に加えて、シアンのインクを収容する1以上の液体収容体、マゼンダのインクを収容する1以上の液体収容体、イエローのインクを収容する1以上の液体収容体のそれぞれが取り付けられる。以下では、一例として、印刷装置1が、カラー印刷機である場合について説明する。
図1に示した例では、印刷装置1には、6個の液体収容体が取り付けられている。以下では、説明の便宜上、これら6個の液体収容体のそれぞれを、液体収容体CT1、液体収容体CT2、液体収容体CT3、液体収容体CT4、液体収容体CT5、液体収容体CT6と称して説明する。また、以下では、一例として、液体収容体CT1~液体収容体CT3のそれぞれが、ブラックのインクを収容するインクカートリッジである場合について説明する。また、以下では、一例として、液体収容体CT4が、シアンのインクを収容するインクカートリッジである場合について説明する。また、以下では、一例として、液体収容体CT5が、マゼンダのインクを収容するインクカートリッジである場合について説明する。また、以下では、一例として、液体収容体CT6が、イエローのインクを収容するインクカートリッジである場合について説明する。また、以下では、説明の便宜上、これら6個の液体収容体を区別する必要がない限り、まとめて液体収容体CTと称して説明する。
【0026】
廃液収容体WFBは、廃液を収容する部材である。廃液は、例えば、印刷装置1による印刷において印刷媒体に付着せずに印刷装置1内に付着したインク、印刷装置1が備える印刷ヘッドのメンテナンスによって排出されるインク等のことであるが、これらに限られるわけではない。なお、印刷装置1内へのインクの付着は、例えば、フチ無し印刷等によって生じる。また、当該メンテナンスによって排出されるインクは、印刷装置1が備える印刷ヘッドのフラッシングに用いられたインク、当該印刷ヘッドから吸引されたインク等のことであるが、これらに限られるわけではない。なお、
図1では、図が煩雑になるのを防ぐため、廃液収容体WFBを、直方体形状の物体として示している。
【0027】
図2は、印刷装置1に取り付けられた状態の廃液収容体WFBの外観の一例を示す斜視図である。ただし、
図2では、廃液収容体WFBの外観を明確に示すため、印刷装置1が省略されている。
図2に示したように、廃液収容体WFBは、全体として直方体形状の部材である。廃液収容体WFBの内部には、印刷装置1の廃液を吸収する吸収部材が収容されている。吸収部材は、例えば、フェルト等の繊維であるが、印刷装置1の廃液を吸収可能な他の部材であってもよい。なお、
図2では、図が煩雑になるのを防ぐため、廃液収容体WFBの内部に収容されている吸収部材が省略されている。
【0028】
廃液収容体WFBには、廃液収容体WFBの外部と廃液収容体WFBの内部とを繋ぐ1以上の孔が形成されている。以下では、一例として、廃液収容体WFBに形成された1以上の孔が、
図2に示した孔HL1、孔HL2の2つの孔である場合について説明する。孔HL1及び孔HL2は、廃液収容体WFBの外部から廃液収容体WFBの内部へ、印刷装置1の廃液が通る孔である。すなわち、印刷装置1の廃液は、孔HL1及び孔HL2を通って、廃液収容体WFBの内部に収容された吸収部材に吸収される。なお、廃液収容体WFBには、孔HL1と孔HL2とが1つの孔として形成されてもよく、孔HL1及び孔HL2に加えて1以上の孔が形成されてもよい。
【0029】
また、廃液収容体WFBは、印刷装置1に取り付けられる場合、印刷装置1に形成されたガイド部Gによって動きがガイドされる。ガイド部Gについては、後述する。廃液収容体WFBの動きがガイド部Gによってガイドされるため、印刷装置1は、廃液収容体WFBの印刷装置1への取り付けをユーザーに容易に行わせることができる。以下では、一例として、
図2に示したように、廃液収容体WFBが有する面のうちY軸の負方向の面に、ガイド部Gと係合する被ガイド部GPとして、Y軸の負方向に向かって突出する凸部が形成されている場合について説明する。なお、印刷装置1において、被ガイド部GPは、凸部に代えて、ガイド部Gと係合する溝であってもよい。
【0030】
また、印刷装置1は、例えば、搬送部Hと、印刷ヘッドHDと、キャリッジCGと、液体収容体接続部CN11と、液体供給管TBと、排出部OMと、保持部HLDを備える。印刷装置1において、搬送部Hと、印刷ヘッドHDと、キャリッジCGと、液体供給管TBと、排出部OMと、保持部HLDとのそれぞれは、筐体BX内に収容されている。また、印刷装置1において、液体収容体接続部CN11は、筐体BXの外表面に形成された凹部内に設けられている。なお、印刷装置1は、搬送部Hと、印刷ヘッドHDと、キャリッジCGと、液体収容体接続部CN11と、液体供給管TBと、排出部OMと、保持部HLDとに加えて、他の部材を備える構成であってもよい。
【0031】
ここで、
図3は、
図1に示した印刷装置1の第1カバーCVが筐体BXに対して開かれている様子の一例を示す斜視図である。換言すると、
図3は、第1カバーCVの状態が開状態である様子の一例を示す。また、
図4は、
図1に示した印刷装置1における筐体BX内の構成を示す上面図である。ただし、
図4では、当該構成を明確に示すため、第1カバーCVが省略されている。
図5は、
図1に示した印刷装置1内の構成を示す断面図である。ただし、
図5に示した断面図は、キャリッジCGが有する面のうちY軸の負方向の面と、印刷装置1に取り付けられた廃液収容体WFBが有する面のうちY軸の負方向側の面とが見えるように、Y軸と直交する仮想的な面で印刷装置1を切断した場合の断面図である。
図6は、
図1に示した印刷装置1が備える印刷ヘッドHDの周辺の構成の一例を示す斜視図である。
【0032】
搬送部Hは、紙送りモーター、紙送りモーターにより駆動される複数の紙送りローラー等を含み、印刷媒体を搬送方向に搬送する。なお、
図1では、図が煩雑になるのを防ぐため、搬送部Hを直方体形状の物体として描いている。また、
図3~
図5では、図が煩雑になるのを防ぐため、搬送部Hを省略している。
【0033】
印刷ヘッドHDは、前述の印刷装置1の印刷ヘッドの一例である。印刷ヘッドHDは、インクジェット式の印刷ヘッドである。すなわち、印刷ヘッドHDは、供給されたインクを印刷媒体に吐出することにより、印刷媒体に画像を印刷する。なお、
図1、
図3~
図5では、図が煩雑になるのを防ぐため、印刷ヘッドHDを直方体形状の物体として描いている。また、
図3~
図5では、印刷ヘッドHDは、他の部材の背後に隠れている。
【0034】
キャリッジCGは、印刷装置1の幅方向に沿って印刷ヘッドHDを印刷装置1の左右に移動させる。
図3~
図5に示した例では、印刷装置1の幅方向は、Y軸と平行な2つの方向である。以下では、説明の便宜上、このY軸と平行な2つの方向のうちY軸の正方向を、走査方向と称して説明する。この場合、走査方向は、搬送方向、重力方向のそれぞれと直交する。従って、キャリッジCGは、走査方向に向かって印刷ヘッドHDを前後に移動させると換言することができる。なお、走査方向は、搬送方向と交差する方向であってもよい。また、キャリッジCGは、
図5に示したように、印刷媒体の搬送経路PT1の上方において、印刷ヘッドHDを移動させる。ここで、
図5では、搬送経路PT1が、点線によって示されている。なお、
図5に示した搬送経路PT1は、直線状の経路であるが、少なくとも一部に曲線状の経路を含む経路であってもよい。
【0035】
液体収容体接続部CN11は、液体収容体CTが接続されるコネクターである。液体収容体接続部CN11は、液体収容体CTが収容される凹部として、筐体BXの外表面に形成された凹部内に設けられる。
図3及び
図4に示した例では、当該凹部は、筐体BXの前面の右下方に形成されている。このため、第1カバーCVが筐体BXに対して閉じられている場合、当該凹部は、入力受付部TPの下方に位置する。換言すると、第1カバーCVの状態が閉状態である場合、当該凹部は、入力受付部TPの下方に位置する。なお、
図1及び
図3では、液体収容体接続部CN11は、図が煩雑になるのを防ぐため、直方体形状の物体によって示している。また、
図4及び
図5では、図が煩雑になるのを防ぐため、液体収容体接続部CN11を省略している。
【0036】
液体供給管TBは、液体収容体接続部CN11に接続され、液体収容体接続部CN11を介して液体収容体CTから印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。すなわち、液体供給管TBは、液体収容体接続部CN11と印刷ヘッドHDとの間に接続される。なお、
図3~
図5では、液体供給管TBは、他の部材の背後に隠れて見えていない。
【0037】
液体供給管TBには、
図6に示したように、1以上の液体供給管が含まれる。この一例において、液体収容体接続部CN11には、6個の液体収容体が液体収容体CTとして接続されている。この場合、液体供給管TBには、6本の液体供給管が含まれている。以下では、説明の便宜上、これら6本の液体供給管のそれぞれを、液体供給管TB1、液体供給管TB2、液体供給管TB3、液体供給管TB4、液体供給管TB5、液体供給管TB6と称して説明する。ここで、液体供給管TB1は、液体収容体CT1から印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。液体供給管TB2は、液体収容体CT2から印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。液体供給管TB3は、液体収容体CT3から印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。液体供給管TB4は、液体収容体CT4から印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。液体供給管TB5は、液体収容体CT5から印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。液体供給管TB6は、液体収容体CT6から印刷ヘッドHDへインクを供給するチューブである。
【0038】
また、液体供給管TBの少なくとも一部には、保護部材が設けられている。保護部材は、予め決められた種類のプラスチックにより構成されており、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)フィルム製である。保護部材は、液体供給管TBを保護する。
図3~
図5では、液体供給管TBは、このような保護部材によって覆われており、保護部材の背後に隠れて見えていない。
【0039】
排出部OMは、筐体BXに収容され、前述の廃液を排出する排出口が形成された1以上のノズルを有する。以下では、一例として、排出部OMが、当該1以上のノズルとして、ノズルNZ1とノズルNZ2との2つのノズルを有する場合について説明する。排出部OMの少なくとも一部は、搬送方向から見た場合において、印刷装置1に取り付けられた廃液収容体WFBと重なっている。また、排出部OMの少なくとも一部は、走査方向から見た場合において、当該廃液収容体WFBよりも搬送方向の下流に位置している。
図3~
図5に示した例では、排出部OMの全部が、搬送方向から見た場合において当該廃液収容体WFBと重なっており、且つ、走査方向から見た場合において当該廃液収容体WFBよりも搬送方向の下流に位置している。このため、当該例では、排出部OMは、搬送方向と反対の方向から見た場合、保持部HLDに保持された状態の廃液収容体WFBと重なっており、且つ、走査方向から見た場合、当該廃液収容体WFBよりも搬送方向の下流に位置している。
【0040】
ここで、排出部OMが有するノズルNZ1は、例えば、ブラックのインクの廃液を、ノズルNZ1の先端の排出口から排出するノズルである。この場合、排出部OMが有するノズルNZ2は、シアン、マゼンダ、イエローのそれぞれのインクの廃液を、ノズルNZ2の先端の排出口から排出するノズルである。なお、ノズルNZ1は、例えば、顔料インクの廃液を、ノズルNZ1の先端の排出口から排出するノズルであってもよい。この場合、ノズルNZ2は、染料インクの廃液を、ノズルNZ2の先端の排出口から排出するノズルである。また、ノズルNZ1の役割は、ノズルNZ2の役割と交換されてもよい。
【0041】
また、ノズルNZ1は、廃液収容体WFBに形成された孔HL1を介して廃液収容体WFBと接続可能である。また、ノズルNZ2は、廃液収容体WFBに形成された孔HL2を介して廃液収容体WFBと接続可能である。以下では、説明の便宜上、孔HL1と孔HL2とを区別する必要が無い限り、まとめて孔HLと称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、ノズルNZ1とノズルNZ2とを区別する必要が無い限り、まとめてノズルNZと称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、ノズルNZ1が孔HL1と接続し、且つ、ノズルNZ2が孔HL2と接続することを、ノズルNZが廃液収容体WFBに接続すると称して説明する。
図3~
図5には、一例として、廃液収容体WFBがノズルNZと接続されている様子が示されている。このため、
図3~
図5では、ノズルNZが廃液収容体WFBの内部に位置しており、見えていない。ノズルNZが廃液収容体WFBと接続されるため、印刷装置1は、印刷装置1内部において廃液が廃液収容体WFBの内側以外の箇所に漏れてしまうことを抑制することができ、その結果、ユーザーの手が廃液によって汚れてしまうことを抑制することができる。
【0042】
保持部HLDは、筐体BXに収容され、廃液収容体WFBを保持する部材である。換言すると、保持部HLDは、廃液収容体WFBを着脱可能に保持する。保持部HLDは、例えば、廃液収容体WFBを載置可能な板状の部材を含む。当該板状の部材は、平板形状であってもよく、凹凸を有する面を含む形状であってもよく、メッシュ形状のように開口が形成された形状であってもよく、廃液収容体WFBを載置可能な他の形状であってもよい。以下では、説明の便宜上、当該板状の部材が有する面のうち、廃液収容体WFBが載置される面のことを、載置面Mと称して説明する。なお、
図3及び
図4に示した例では、保持部HLDは、搬送方向においてキャリッジCGの移動経路PT2よりも下流に位置する、すなわち、搬送方向において印刷ヘッドHDよりも下流に位置する。
図3及び
図4では、移動経路PT2が、点線によって示されている。また、保持部HLDは、第1カバーCVが筐体BXの開口を開いている場合、筐体BXの開口を介して露出する。換言すると、保持部HLDは、第1カバーCVの状態が開状態である場合、筐体BXの開口を介して露出する。以下では、一例として、載置面Mが搬送方向及び走査方向のそれぞれと平行である場合について説明する。この一例において、搬送方向及び走査方向は、XY平面と平行な方向である。このため、この一例では、載置面Mは、XY平面と平行な面である。ここで、XY平面は、X軸とY軸とによって張られる仮想的な平面のことである。
【0043】
また、保持部HLDは、例えば、第1位置と第2位置との間で移動可能に廃液収容体WFBを保持する。第1位置は、保持部HLD上において廃液収容体WFBが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZと廃液収容体WFBとの接続が解消する位置として予め決められた位置である。換言すると、第1位置は、載置面M上において廃液収容体WFBが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZと廃液収容体WFBとの接続が解消する位置として予め決められた位置である。一方、第2位置は、保持部HLD上において廃液収容体WFBが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZと廃液収容体WFBとが接続する位置として予め決められ、且つ、予め決められた第1方向において第1位置よりも下流に位置する位置である。換言すると、第2位置は、載置面M上において廃液収容体WFBが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZと廃液収容体WFBとが接続する位置として予め決められ、且つ、予め決められた第1方向において第1位置よりも下流に位置する位置である。すなわち、廃液収容体WFBは、保持部HLD上の第1位置に載置された後、第1方向に向かって第2位置へ移動させられることによって、ノズルNZと接続し、印刷装置1に取り付けられた状態となる。そして、廃液収容体WFBは、ノズルNZと接続されている状態、すなわち、印刷装置1に取り付けられた状態において、排出部OMからノズルNZを介して排出される廃液を注入される。
【0044】
第1方向は、廃液収容体WFBをノズルNZへ接続させるために、載置面M上において第1位置に位置する廃液収容体WFBを移動させる方向として、保持部HLDに対して予め決められた方向である。このため、第1方向は、載置面Mと平行な方向であり、且つ、ノズルNZが延伸する方向と逆の方向である。なお、この場合、ノズルNZの先端は、搬送方向と逆の方向におけるノズルNZの端部のことである。以下では、一例として、第1方向が、搬送方向と一致する方向である場合について説明する。この場合、第1方向は、走査方向と直交する2つの方向のうちキャリッジCGから保持部HLDに向かう方向でもある。そして、この場合、ユーザーは、載置面M上において廃液収容体WFBを第1位置から搬送方向に向かって移動させることによって第2位置へ到達させることにより、廃液収容体WFBとノズルNZとを接続させることができる。従って、第2位置は、第1方向において第1位置よりも下流に位置する。なお、第1方向は、走査方向と一致する方向等のように、載置面Mと平行な方向のうちの搬送方向と異なる方向と一致する方向であってもよい。
【0045】
ここで、第1位置は、換言すると、廃液収容体WFBをノズルNZへ接続させるために、載置面M上において廃液収容体WFBを移動させ始める位置である。このため、以下では、一例として、第1位置が、予め決められた第2方向に向かってユーザーにより保持部HLD上へ廃液収容体WFBが挿入された場合において廃液収容体WFBが位置する位置である場合について説明する。第2方向は、筐体BXの開口から保持部HLD上に向かって廃液収容体WFBを挿入する方向として、保持部HLDに予め決められた方向である。このため、第2方向は、第1方向と交差する方向である。以下では、一例として、第2方向が、重力方向と一致する場合について説明する。なお、第2方向は、第1方向と交差する方向であれば、重力方向と異なる方向であってもよい。
【0046】
図7は、第1位置に位置する廃液収容体WFBと排出部OMとの保持部HLD上における相対的な位置関係の一例を示す図である。ただし、
図7では、図が煩雑になるのを防ぐため、廃液収容体WFB及び排出部OM以外の部材が省略されている。ユーザーは、第2方向に向かって廃液収容体WFBを筐体BXの開口から第1位置に移動させる第1動作を行うことにより、
図7に示すように、廃液収容体WFBを第1位置に位置させることができる。そして、ユーザーは、第1動作の後に、保持部HLD上において第1方向に向かって廃液収容体WFBを第1位置から第2位置に移動させる第2動作を行うことにより、廃液収容体WFBをノズルNZへ接続することができる。例えば、
図7に示した廃液収容体WFBをユーザーが第1方向に向かって押した場合、廃液収容体WFBは、第1位置から第2位置に向かって移動し、
図8に示したように、ノズルNZと接続する。
図8は、第2位置に位置する廃液収容体WFBと排出部OMとの保持部HLDにおける相対的な位置関係の一例を示す図である。ただし、
図8でも、図が煩雑になるのを防ぐため、廃液収容体WFB及び排出部OM以外の部材が省略されている。
図8に示すように、第2位置に位置する廃液収容体WFBは、ノズルNZと接続されている。すなわち、ユーザーは、前述の第1動作と第2動作との2つの動作を続けて行うことにより、廃液収容体WFBをノズルNZへ接続することができる。換言すると、廃液収容体WFBは、第1動作と第2動作とが行われることにより、ノズルNZと接続することができる。その結果、ユーザーは、廃液収容体WFBを印刷装置1に取り付けるために不要な動作を行う必要が無く、ユーザーが誤ってノズルNZの先端に触れてしまう可能性を低減することができる。
【0047】
ここで、
図9は、保持部HLDの構成の一例を示す図である。前述したように、保持部HLDは、載置面Mを有する板状の部材と、ガイド部Gとを有する。
図9に示した例では、ガイド部Gは、第1位置及び第2位置に位置する廃液収容体WFBと接面する板状部材に形成された溝である。ガイド部Gは、第1動作における廃液収容体WFBの動きをガイドする第1ガイド部G1と、第2動作における廃液収容体WFBの動きをガイドする第2ガイド部G2とを含んで構成される。具体的には、第1ガイド部G1は、廃液収容体WFBの被ガイド部GPを第2方向に向かってガイドする。また、第2ガイド部G2は、第1ガイド部G1の第2方向の端部から被ガイド部GPを第1方向に向かってガイドする。印刷装置1は、このようなガイド部Gを備えることにより、ユーザーが廃液収容体WFBを誤った方向に向かって移動させてしまうことを抑制することができ、その結果、ユーザーが廃液収容体WFBの印刷装置1への取り付けに失敗してしまうことを抑制することができる。なお、ガイド部Gは、第1ガイド部G1と第2ガイド部G2とのうちの一方を含んで構成され、且つ、第1ガイド部G1と第2ガイド部G2とのうちの他方を含まないで構成されてもよい。
【0048】
図10は、第1ガイド部G1によって廃液収容体WFBの動きがガイドされている様子の一例を示す図である。
図10には、Y軸の正方向から見た場合におけるガイド部Gの輪郭が見えるようにガイド部Gを切断したガイド部Gの断面とともに、第1ガイド部G1によってガイドされている廃液収容体WFBが示されている。第1ガイド部G1は、
図10に示したように、第2方向に延伸する溝である。このため、
図10において、廃液収容体WFBの被ガイド部GPは、第1ガイド部G1として第2方向に延伸する溝と係合している。なお、この一例において、第2方向は、重力方向である。このため、
図10では、第1ガイド部G1は、重力方向に延伸している。ユーザーは、廃液収容体WFBの動きが第1ガイド部G1によってガイドされることにより、廃液収容体WFBを第2方向と異なる方向に向かって移動させてしまうことを抑制することができ、その結果、載置面M上の第1位置へ廃液収容体WFBを容易に載置することができる。そして、第1ガイド部G1は、ユーザーによる第1動作が完了した場合、すなわち、廃液収容体WFBが第1位置に載置された場合、廃液収容体WFBの動きのガイドを解除する。このため、廃液収容体WFBは、ユーザーによる第1動作が完了した場合、第2方向と反対の方向に移動できるとともに、第1方向に向かっても移動することができる。
【0049】
一方、
図11は、第2ガイド部G2によって廃液収容体WFBの動きがガイドされている様子の一例を示す図である。
図11には、Y軸の正方向から見た場合におけるガイド部Gの輪郭が見えるようにガイド部Gを切断したガイド部Gの断面とともに、第2ガイド部G2によってガイドされている廃液収容体WFBが示されている。第2ガイド部G2は、
図11に示したように、第1方向に延伸する溝である。このため、
図11において、廃液収容体WFBの被ガイド部GPは、第2ガイド部G2として第1方向に延伸する溝と係合している。なお、この一例において、第1方向は、搬送方向である。このため、
図10及び
図11では、第2ガイド部G2は、搬送方向に延伸している。ユーザーは、廃液収容体WFBが第2ガイド部G2によってガイドされることにより、載置面M上の第2位置へ廃液収容体WFBを第1位置から容易に載置することができる。また、第2ガイド部G2は、第1ガイド部G1によるガイドが解除された後の第2動作による廃液収容体WFBの動きをガイドする。このため、ユーザーは、第1動作中において第1方向に向かって廃液収容体WFBを誤って移動させてしまうことができない。すなわち、印刷装置1は、第2ガイド部G2を備えることにより、第1動作によってユーザーが廃液収容体WFBをノズルNZに接触させてしまうことを抑制することができる。
【0050】
ここで、保持部HLDは、更に、第2動作における廃液収容体WFBの第2方向と反対の方向への移動を規制する規制部LMを備える。この一例において、第2方向は、重力方向であった。このため、規制部LMは、第2動作における廃液収容体WFBの上方への移動を規制する。これにより、印刷装置1は、ユーザーが誤って廃液収容体WFBを第2方向と反対の方向に移動させてしまうことを抑制することができ、その結果、ユーザーに第2動作をスムーズに行わせることができる。
図10及び
図11に示した例では、第2ガイド部G2として形成されている溝の上面が、規制部LMとして機能している。すなわち、当該例では、第2ガイド部G2は、規制部LMと一体に構成されている。なお、規制部LMは、第2動作における廃液収容体WFBの第2方向と反対の方向への移動を規制する他の部材であってもよい。
【0051】
以上のような構成の保持部HLDは、搬送経路PT1より上方、且つ、キャリッジCGの移動経路PT2よりも搬送方向における下流において、廃液収容体領域と、キャリッジCGの移動経路PT2の一部とが、搬送方向から見た場合に重なる位置に配置される。廃液収容体領域は、印刷装置1内の領域のうち、保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと重なる領域のことである。より具体的には、印刷装置1内の領域のうち、前述の第1位置において保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと重なる第1領域と、印刷装置1内の領域のうち、第2位置において保持部HLDに保持された廃液収容体WFBと重なる第2領域との両方を含む領域である。このため、保持部HLDに廃液収容体WFBが保持されている場合、廃液収容体WFBは、移動経路PT2の一部と搬送方向において重なる。また、保持部HLDは、
図5に示したように、搬送方向と反対の方向から見た場合において印刷媒体排出口POHよりも上方に配置される。
【0052】
ここで、印刷装置1において、保持部HLDの載置面M上に位置する廃液収容体領域は、第1カバーCVによって筐体BXの開口を開いた場合に露出する領域である。すなわち、ユーザーは、廃液収容体領域を露出させるために第1カバーCVを開くことができる。換言すると、廃液収容体領域は、第1カバーCVの状態が開状態であり、且つ、廃液収容体WFBが印刷装置1から取り外されている場合、筐体BXの開口を介して印刷装置1の外側から視認することができる領域である。このため、廃液収容体領域は、印刷ヘッドHDの交換作業等のように筐体BX内にユーザーが手を入れて行う作業を行う領域としても利用される。すなわち、廃液収容体領域は、当該場合、筐体BXの開口を介して印刷装置1の外側からユーザーが手を入れて作業を行うことができる領域である。しかしながら、ユーザーが廃液収容体領域内に手を入れて作業を行っている場合に排出部OMのノズルNZの先端が露出していると、ユーザーの手にノズルNZの先端が接触してしまうことがある。これは、ユーザーの手が汚れてしまうことに繋がり、望ましくない。
【0053】
そこで、印刷装置1では、ノズルNZの先端は、第1カバーCVの状態が開状態であり、且つ、廃液収容体WFBとノズルNZとが接続されていない場合、重力方向において、他の部材と重なっており、且つ、他の部材よりも下方に位置する。これにより、印刷装置1では、筐体BXの開口から重力方向に向かってノズルNZを見た場合、ノズルの先端は、他の部材の背後に位置しているため、見えない。その結果、印刷装置1は、ユーザーの手とノズルNZの先端との接触を抑制することができる。換言すると、印刷装置1は、廃液収容体領域内に手を入れて行う作業を行う場合において、ユーザーの手がノズルNZの先端と接触してしまうことを抑制することができる。当該作業は、より具体的には、廃液収容体WFBにユーザーが手を触れる必要のない作業のことであり、例えば、印刷ヘッドHDの交換等の作業のことである。これにより、印刷装置1は、ユーザーが誤ってノズルNZの先端と手を接触させてしまうことによってユーザーの手が汚れてしまうことを抑制することができるとともに、ユーザーが手で排出部OMに不具合を生じさせてしまうことを抑制することができる。なお、当該不具合は、例えば、ノズルNZの変形等のことである。以下では、説明の便宜上、印刷装置1の状態のうち、第1カバーCVの状態が開状態であり、且つ、廃液収容体WFBとノズルNZとが接続されていない状態を、対象状態と称して説明する。
【0054】
例えば、印刷装置1は、対象状態が実現している場合に、重力方向において、ノズルNZの先端が他の部材と重なっており、且つ、ノズルNZの先端が他の部材よりも下方に位置することを実現する構成として、
図9に示した第2カバーCV2を更に備える。
【0055】
第2カバーCV2は、第3位置と第4位置との間で移動するカバーである。第3位置は、第2カバーCV2が位置することが可能な位置のうち、ノズルNZの先端との重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置である。第4位置は、第2カバーCV2が位置することが可能な位置のうち、ノズルNZの先端と重力方向において重なる位置として予め決められた位置である。なお、第3位置は、第1方向において第4位置と並んでいてもよく、第4位置と第1方向と異なる方向において第4位置と並んでいてもよい。以下では、一例として、第3位置が、第1方向において第4位置と並んでいる場合について説明する。この場合、第3位置は、第1方向において第4位置よりも下流に位置する。換言すると、第4位置は、第1方向において第3位置よりも上流に位置する。
【0056】
図9に示した例では、第2カバーCV2は、第4位置に位置している。このため、
図9では、第2カバーCV2は、ノズルNZの先端と重力方向において重なっている。これにより、印刷装置1では、筐体BXの開口から重力方向に向かってノズルNZを見た場合、ノズルの先端は、第2カバーCV2の背後に位置しているため、見えない。その結果、印刷装置1は、ユーザーの手とノズルNZの先端との接触を抑制することができる。換言すると、印刷装置1は、廃液収容体領域内に手を入れて行う作業を行う場合において、ユーザーの手がノズルNZの先端と接触してしまうことを抑制することができる。
【0057】
また、
図9に示した例では、第2カバーCV2の搬送方向における長さは、ノズルNZの搬送方向における長さよりも長い。しかしながら、第2カバーCV2の搬送方向における長さは、第4位置に位置する第2カバーCV2が重力方向においてノズルNZの先端と重なることができる限りにおいて、ノズルNZの搬送方向における長さ以下の長さであってもよい。また、当該例では、第4位置に位置する第2カバーCV2は、内側にノズルNZを挿入可能な四角筒である。このため、当該例では、第2カバーCV2は、第4位置に位置している場合、ノズルNZの側面の全部を覆っている。これにより、印刷装置1は、ユーザーの手がノズルNZの先端、及びノズルNZの側面に触れてしまうことを抑制することができ、例えば、ノズルNZの側面が廃液によって汚れていたとしても、ユーザーの手がノズルNZに触れて汚れてしまうことを抑制することができる。なお、第2カバーCV2の形状は、四角筒に代えて、第2カバーCV2が第4位置に位置している場合において、重力方向においてノズルNZの先端とノズルNZよりも上方で重なる形状であれば、如何なる形状であってもよい。例えば、第2カバーCV2は、第4位置に位置する場合において、ノズルNZの先端を覆う一方、ノズルNZの側面の一部を覆わない構成であってもよい。すなわち、第2カバーCV2は、例えば、開口が形成されていてもよく、メッシュ状であってもよい。なお、ノズルNZの側面は、ノズルNZが延伸する方向周りの面のことであり、例えば、ノズルNZが略円筒形状である場合、ノズルNZが有する面のうち、ノズルNZが延伸する方向と平行な面のことである。
【0058】
図12は、
図9と異なる方向から見た場合の第2カバーCV2の外観を示す斜視図である。第2カバーCV2は、ユーザーの手により第3位置と第4位置との間を移動させることが可能な構成であってもよく、他の方法により第3位置と第4位置との間を移動させることが可能な構成であってもよい。また、第2カバーCV2とノズルNZの先端との間の距離は、ユーザーの指が入らない程度の距離であることが望ましい。これにより、印刷装置1は、第2カバーCV2とノズルNZの先端との間へ、ユーザーが指を誤って入れてしまうことを抑制することができる。その結果、印刷装置1は、ユーザーの手とノズルNZの先端との接触を、より確実に抑制することができる。ただし、第2カバーCV2とノズルNZの先端とが離間していない場合、ノズルNZは、第2カバーCV2へ外部から衝撃が与えられることにより、第2カバーCV2とともに変形等の不具合を起こしてしまうことがある。このため、第2カバーCV2とノズルNZの先端とは、離間していることが望ましい。これにより、印刷装置1は、第2カバーCV2とノズルNZとの接触によってノズルNZに不具合が生じてしまうことを抑制することができる。
【0059】
ここで、印刷装置1は、例えば、
図13に示したように、前述の第1動作に応じて、第3位置と第4位置との間で第2カバーCV2を移動させる第1移動機構MV1を備える構成であってもよい。
図13は、第2カバーCV2が第3位置に位置している場合におけるノズルNZと、第1位置に位置する廃液収容体WFBとのそれぞれの外観を示す上面図である。
図13では、図が煩雑になるのを防ぐため、第1移動機構MV1を長方形状の物体として示している。第1移動機構MV1は、例えば、スイッチ、歯車、リンク機構、アクチュエーター等のうちの一部又は全部を含み、第1動作によって第1位置へ向かう廃液収容体WFBの動きに応じて、第2カバーCV2を第4位置から第3位置へ移動させる。すなわち、第1移動機構MV1は、当該動きに応じて、ノズルNZを露出させる。なお、第1移動機構MV1は、第1動作中の廃液収容体WFBの動きに応じて、第2カバーCV2を第4位置から第3位置へ移動させる構成であってもよく、第1動作が完了した場合に、第2カバーCV2を第4位置から第3位置へ移動させる構成であってもよい。
【0060】
図13では、廃液収容体WFBは、第1位置に載置されている。このため、
図13では、第2カバーCV2は、第1移動機構MV1によって第4位置から第3位置へ移動させられており、筐体BXの一部の背後に隠れている。その結果、
図13では、ノズルNZの先端が見えている。しかしながら、
図13に示した保持部HLDの載置面M上には、既に廃液収容体WFBが載置されているため、ユーザーは、廃液収容体WFBを移動させる作業以外の作業を廃液収容体領域において行うことがない。従って、ユーザーは、ノズルNZの先端と手を接触させることなく、第2動作によって廃液収容体WFBをノズルNZと接続させることができる。
【0061】
例えば、第1移動機構MV1は、第1動作中の廃液収容体WFBの動きに応じて、第2カバーCV2を第4位置から第3位置へ移動させる構成である場合、第1位置に対する廃液収容体WFBの上下動を検出する検出部を含んで構成される。そして、この場合、第1移動機構MV1は、廃液収容体WFBが第1位置に到達する前に、第1位置へ向かう廃液収容体WFBの下降を当該検出部が検出すると、アクチュエーター等によって第2カバーCV2を第4位置から第3位置へ移動させる。また、この場合、第1移動機構MV1は、第1位置からの廃液収容体WFBの上昇を当該検出部が検出すると、アクチュエーター等によって第2カバーCV2を第3位置から第4位置へ移動させる。これにより、印刷装置1は、ユーザーが第2カバーCV2を操作する手間を低減することができる。また、印刷装置1は、第1動作を行う場合において第2カバーCV2を操作する必要がないので、第2カバーCV2の操作時にノズルNZに手が触れてしまうことによってユーザーの手が汚れてしまうことを抑制することができる。また、印刷装置1は、第2カバーCV2の位置によって第1動作に成功しているか否かをユーザーに判断させることができる。また、印刷装置1は、第1動作に失敗した場合、第2カバーCV2が第4位置に位置したままとなるため、廃液収容体WFBがノズルNZと接触することによって汚れてしまうことを抑制することができる。
【0062】
一方、例えば、第1移動機構MV1は、第1動作が完了した場合に第2カバーCV2を第4位置から第3位置へ移動させる構成である場合も、第1位置に対する廃液収容体WFBの上下動を検出する検出部を含んで構成される。ただし、この場合、第1移動機構MV1は、第1位置へ向かう廃液収容体WFBの下降が完了したと当該検出部が検出すると、アクチュエーター等によって第2カバーCV2を第4位置から第3位置へ移動させる。また、この場合、第1移動機構MV1は、第1位置からの廃液収容体WFBの上昇を当該検出部が検出すると、アクチュエーター等によって第2カバーCV2を第3位置から第4位置へ移動させる。これによっても、印刷装置1は、ユーザーが第2カバーCV2を操作する手間を低減することができる。また、印刷装置1は、第1動作を行う場合において第2カバーCV2を操作する必要がないので、第2カバーCV2の操作時にノズルNZに手が触れてしまうことによってユーザーの手が汚れてしまうことを抑制することができる。また、印刷装置1は、第2カバーCV2の位置によって第1動作に成功しているか否かをユーザーに判断させることができる。また、印刷装置1は、第1動作に失敗した場合、第2カバーCV2が第4位置に位置したままとなるため、廃液収容体WFBがノズルNZと接触することによって汚れてしまうことを抑制することができる。また、印刷装置1は、第1動作が完了するまでノズルNZが露出しないので、ユーザーの手がノズルNZと接触してしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0063】
図9、
図12、
図13に示した第2カバーCV2は、第3位置と第4位置との間をスライドする構成であるが、これに代えて、スライド以外の他の動きにより第3位置と第4位置との間を移動する構成であってもよい。この場合、第2カバーCV2は、回動、上昇、下降等を伴う移動を行ってもよい。そして、この場合、第3位置は、第4位置と搬送方向において並んでいなくてもよい。また、第2カバーCV2は、第4位置に位置する場合において、ノズルNZの排出口から垂れた廃液を、予め決められた位置、容器等に回収することが可能な構成であってもよい。また、第2カバーCV2は、第3位置と第4位置との間の移動において、ノズルNZの先端に付着したインクを拭き取ることが可能な構成であってもよい。これは、例えば、第2カバーCV2の内部に、ノズルNZの先端を拭う部材が設けられることにより実現可能である。この場合、印刷装置1は、ノズルNZから筐体BX内へ漏れる廃液の量を低減することができる。
【0064】
なお、印刷装置1は、
図14に示すように、第1移動機構MV1に代えて、第2移動機構MV2を備える構成であってもよい。
図14は、第2移動機構MV2の構成の一例を示す図である。
図14では、ノズルNZ2は、ノズルNZ1の背後に隠れており、見えていない。また、
図14では、孔HL2は、孔HL1の背後に隠れており、見えていない。
図14には、第2移動機構MV2とともに、第1動作によって第2移動機構MV2と接触した直後の廃液収容体WFBが示されている。第2移動機構MV2は、ノズルNZを移動させる機構である。以下では、一例として、第2移動機構MV2が、第5位置と第6位置との間でノズルNZを移動させる機構である場合について説明する。ここで、第5位置は、排出部OMが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZの先端と遮蔽部SDとの重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置のことである。第5位置は、排出部OMが位置することが可能な位置のうち、第2位置に位置する廃液収容体WFBとノズルNZとが接続する位置として予め決められた位置でもある。第6位置は、排出部OMが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZの先端と遮蔽部SDとが重力方向において重なる位置として予め決められた位置のことである。そして、遮蔽部SDは、筐体BXの一部である。より具体的には、遮蔽部SDは、筐体BXが有する部材のうち、搬送方向において廃液収容体領域よりも下流に位置し、且つ、搬送方向吐反対の方向から見た場合、第5位置に位置する排出部OMよりも上方に位置する部材である。
図14に示した例では、遮蔽部SDは、板状部材であるが、重力方向において、第6位置に位置している排出部OMのノズルNZの先端と重なることが可能な形状であれば、如何なる形状であってもよい。また、当該例では、遮蔽部SDは、重力方向において、第6位置に位置している排出部OMのノズルNZの全体と重なっている。
【0065】
ここで、
図15は、第2移動機構MV2の構成の一例を示す斜視図である。また、
図16は、
図15に示した第2移動機構MV2の側面図である。なお、
図16では、ノズルNZ2は、ノズルNZ1の背後に隠れており、見えていない。
図15及び
図16に示したように、第2移動機構MV2は、回動軸AX1と、第1部材MV21と、第2部材MV22と、付勢部材SPを有し、第1動作に応じて、ノズルNZを第5位置と第6位置との間で移動させる機構である。
【0066】
回動軸AX1は、走査方向と平行な軸である。回動軸AX1は、例えば、保持部HLDの搬送方向の面に設けられる。保持部HLDの搬送方向の面は、載置面M上において第2位置に位置する廃液収容体WFBと接面する面である。なお、保持部HLDの搬送方向の面は、上方において遮蔽部SDと繋がっていてもよく、遮蔽部SDと繋がっていなくてもよい。
【0067】
第1部材MV21は、回動軸AX1に対して直交する方向に向かって回動軸AX1から延伸する部材である。第1部材MV21は、略平板形状の部材である。第1部材MV21は、廃液収容体WFBと接触する部材であり、廃液収容体WFBに押されることによって回動軸AX1周りに回動する。この回動により、第2移動機構MV2は、排出部OMを第6位置から第5位置へ移動させることができる。
【0068】
第2部材MV22は、回動軸AX1及び第1部材MV21の両方に対して直交する方向に向かって延伸する部材である。第2部材MV22は、略平板形状の部材である。第2部材MV22は、第1部材MV21の回動軸AX1周りの回動に応じて、回動軸AX1周りに回動する。第2部材MV22には、第1部材MV21が搬送方向と略平行になるまで回動した場合において、排出部OMが第5位置に位置するように、排出部OMが設けられている。このため、第2部材MV22には、第1部材MV21が延伸している方向と同じ方向に向かってノズルNZが延伸するように排出部OMが設けられている。
図14~
図16に示した例では、排出部OMは、第2部材MV22の先端に設けられている。排出部OMが第2部材MV22に設けられているため、排出部OMは、第2部材MV22とともに回動軸AX1周りに回動し、第6位置から第5位置へ移動することができる。
【0069】
付勢部材SPは、排出部OMが第6位置に向かって回動軸AX1周りに回動するように、第1部材MV21を回動軸AX1周りに付勢する。付勢部材SPは、例えば、ねじりばねである。なお、付勢部材SPは、ねじりばねに代えて、排出部OMが第6位置に向かって回動軸AX1周りに回動するように、第1部材MV21を回動軸AX1周りに付勢することが可能な他の部材であってもよい。また、
図14では、図が煩雑になるのを防ぐため、付勢部材SPを省略している。
【0070】
ここで、回動軸AX1は、第1動作によって第1位置へ向かう途中において第1部材MV21と廃液収容体WFBとが接触し、その後、廃液収容体WFBが第1位置に載置されることによって第1部材MV21が搬送方向と略平行となるまで回動するように、保持部HLDの搬送方向の面に設けられている。このため、第2部材MV22は、第1部材MV21が搬送方向と略平行となるまでの回動に応じて、ノズルNZが搬送方向と略平行となるまで回動する。その結果、第2移動機構MV2は、第1動作に応じて、排出部OMを第6位置から第5位置へ移動させることができる。一方、第2移動機構MV2は、付勢部材SPを有しているため、廃液収容体WFBが第1位置から上方に持ち上げられることにより、ユーザーからの操作を受け付けることなく、付勢部材SPによる付勢によって、排出部OMを第5位置から第6位置へ移動させることができる。このように、印刷装置1は、第2移動機構MV2を備える場合、第1動作による廃液収容体WFBの動きに応じて、ノズルNZを遮蔽部SDの下方に位置する第6位置に移動させることができ、その結果として、ユーザーの手とノズルの先端との接触を抑制することができる。また、印刷装置1は、ユーザーが第2動作を行う前においてノズルNZを露出させることができ、廃液収容体WFBとノズルNZとの接続をユーザーに容易に行わせることができる。
【0071】
以上のような第2移動機構MV2は、
図14に示した廃液収容体WFBを第1位置へ移動させると、
図17に示すように回動し、第6位置に位置していた排出部OMを第5位置に移動させる。
図17は、
図14に示した廃液収容体WFBを第1位置へ移動させた場合における排出部OMの位置の一例を示す図である。
図17に示したように、当該場合、排出部OMのノズルNZは、廃液収容体WFBの孔HLと対向する。その結果、ユーザーは、廃液収容体WFBを第1方向に向かって第2位置まで移動させることにより、廃液収容体WFBとノズルNZとを接続させることができる。
図18は、
図17に示した廃液収容体WFBを第2位置へ移動させた場合における排出部OMの位置の一例を示す図である。
図18に示したように、当該場合、廃液収容体WFBは、ノズルNZと接続される。従って、第2移動機構MV2は、第1動作による廃液収容体WFBとの接触に応じて、第5位置と第6位置との間で排出部OMを移動させる。これによっても、印刷装置1は、ユーザーの手とノズルNZの先端との接触を抑制することができる。また、印刷装置1は、第2移動機構MV2の構成が
図14~
図18に示したような構成である場合、アクチュエーター等を第2移動機構MV2に含ませる必要がなく、構造を容易にすることができる。また、印刷装置1は、第2移動機構MV2によって第5位置と第6位置との間を移動する排出部OMのノズルNZの先端に付着したインクを拭き取ることが可能な構成であってもよい。これは、例えば、ノズルNZの移動経路上において、ノズルNZの先端を拭う部材を印刷装置1が備えることにより実現可能である。この場合も、印刷装置1は、ノズルNZから筐体BX内へ漏れる廃液の量を低減することができる。なお、
図17及び
図18では、図が煩雑になるのを防ぐため、付勢部材SPを省略している。
【0072】
なお、印刷装置1は、第2カバーCV2、第1移動機構MV1、第2移動機構MV2の全部を備える構成であってもよい。この場合、印刷装置1は、ユーザーの手とノズルNZの先端との接触を、より確実に抑制することができる。また、上記において説明した遮蔽部SDは、筐体BXの一部に代えて、筐体BXと別体であり、筐体BXに設けられた部材であってもよい。ここで、印刷装置1は、第2カバーCV2及び第1移動機構MV1を備えている方が、第2移動機構MV2を備えている場合と比較して、構造を簡単にすることができるとともに、小型化することができる。このため、小型化する必要がある場合、印刷装置1は、第2移動機構MV2を備えるよりも、第2カバーCV2及び第1移動機構MV1を備えている方が望ましい。
【0073】
以上のように、印刷装置1は、上方に開口する筐体BXと、筐体BXに収容され、印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドHDと、筐体BXに収容され、印刷ヘッドHDから排出される廃液を収容可能な廃液収容体WFBを保持する保持部HLDと、筐体BXに収容され、廃液を排出する排出口が形成されたノズルNZを有する排出部OMと、筐体BXに設けられ、筐体BXの開口を開いている開状態と、筐体BXの開口を閉じている閉状態とに変化させることが可能な第1カバーCVと、を備え、廃液収容体WFBには、当該排出口から排出された廃液が廃液収容体WFBの外部から廃液収容体WFBの内部へ通る孔HLが形成されており、ノズルNZは、孔HLを介して廃液収容体WFBと接続可能であり、ノズルNZの先端は、第1カバーCVの状態が開状態であり、且つ、廃液収容体WFBが印刷装置1と接触していない場合、重力方向において、他の部材と重なっており、且つ、他の部材よりも下方に位置する。これにより、印刷装置1では、筐体BXの開口から重力方向に向かってノズルNZを見た場合、ノズルNZの先端は、他の部材の背後にノズルNZの先端が位置しているため、見えない。その結果、印刷装置1は、ユーザーの手とノズルNZの先端との接触を抑制することができる。
【0074】
また、印刷装置1では、保持部HLDは、第1位置と第2位置との間で移動可能に廃液収容体WFBを保持し、第1位置は、保持部HLD上において廃液収容体WFBが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZと廃液収容体WFBとの接続が解消する位置として予め決められた位置であり、第2位置は、保持部HLD上において廃液収容体WFBが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZと廃液収容体WFBとが接続する位置として予め決められ、且つ、予め決められた第1方向において第1位置よりも下流に位置する位置であり、廃液収容体WFBは、第1動作と第2動作とが行われることにより、ノズルNZと接続し、第1動作は、第1方向と交差する第2方向に向かって廃液収容体WFBを筐体BXの開口から第1位置に移動させる動作であり、第2動作は、第1動作の後に、保持部HLD上において第1方向に向かって廃液収容体WFBを第1位置から第2位置に移動させる動作である、構成が用いられてもよい。
【0075】
また、印刷装置1では、第1方向は、保持部HLDが有する面のうち廃液収容体WFBが載置される載置面Mと平行な方向であり、第2方向は、重力方向である、構成が用いられてもよい。
【0076】
また、印刷装置1では、印刷ヘッドHDを走査方向に向かって前後に移動させるキャリッジCGを備え、第1方向は、走査方向と直交する2つの方向のうちキャリッジCGから保持部HLDに向かう方向である、構成が用いられてもよい。
【0077】
また、印刷装置1では、ノズルNZの先端は、第1動作に応じて、重力方向における他の部材との重なりが解消する、構成が用いられてもよい。
【0078】
また、印刷装置1では、ノズルNZの先端は、第1動作が完了した場合、重力方向における他の部材との重なりが解消する、構成が用いられてもよい。
【0079】
また、印刷装置1では、他の部材は、第1動作に応じて、第3位置と第4位置との間で移動する第2カバーCV2であり、第3位置は、第2カバーCV2を位置させることが可能な位置のうち、ノズルNZの先端との重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置であり、第4位置は、第2カバーCV2を位置させることが可能な位置のうち、ノズルNZの先端と重力方向において重なる位置として予め決められた位置である、構成が用いられてもよい。
【0080】
また、印刷装置1では、第2カバーCV2は、第4位置に位置する場合、ノズルNZの側面を覆う、構成が用いられてもよい。
【0081】
また、印刷装置1は、第1動作に応じて、第3位置と第4位置との間で第2カバーCV2を移動させる第1移動機構MV1を備える、構成が用いられてもよい。
【0082】
また、印刷装置1では、第1移動機構MV1は、第1動作による廃液収容体WFBとの接触に応じて、第3位置と第4位置との間で第2カバーCV2を移動させる、構成が用いられてもよい。
【0083】
また、印刷装置1では、排出部OMは、第1動作に応じて、第5位置と第6位置との間で移動し、第5位置は、排出部OMが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZの先端と他の部材との重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置であり、第6位置は、排出部OMが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZの先端と他の部材とが重力方向において重なる位置として予め決められた位置であり、他の部材は、筐体BXの一部である、構成が用いられてもよい。
【0084】
また、印刷装置1は、第1動作に応じて、第5位置と第6位置との間で排出部OMを移動させる第2移動機構MV2を備える、構成が用いられてもよい。
【0085】
また、印刷装置1では、第2移動機構MV2は、第1動作による廃液収容体WFBとの接触に応じて、第5位置と第6位置との間で排出部OMを移動させる、構成が用いられてもよい。
【0086】
また、印刷装置1では、第2移動機構MV2は、第1動作による廃液収容体WFBとの接触に応じて、第5位置と第6位置との間で排出部OMを移動させる、構成が用いられてもよい。
【0087】
また、印刷装置1では、保持部HLDは、廃液収容体WFBを保持部HLDに保持させる場合において、第1動作及び第2動作それぞれにおける廃液収容体WFBの動きをガイドするガイド部Gを有する、構成が用いられてもよい。
【0088】
また、印刷装置1では、ガイド部Gは、第1動作における廃液収容体WFBの動きをガイドする第1ガイド部G1と、第2動作における廃液収容体WFBの動きをガイドする第2ガイド部G2とを含む、構成が用いられてもよい。
【0089】
また、印刷装置1では、第2ガイド部G2は、第1ガイド部G1によるガイドが解除された後の第2動作による廃液収容体WFBの動きをガイドする、構成が用いられてもよい。
【0090】
また、印刷装置1は、第2動作における廃液収容体WFBの第2方向と反対の方向への移動を規制する規制部LMを備える、構成が用いられてもよい。
【0091】
また、印刷装置1は、第2動作における廃液収容体WFBの第2方向と反対の方向への移動を規制する規制部LMを備える、構成が用いられてもよい。
【0092】
<実施形態の変形例1>
以下、実施形態の変形例1について説明する。
【0093】
実施形態の変形例1では、印刷装置1は、前述の対象状態が実現している場合に、重力方向において、ノズルNZの先端が他の部材と重なっており、且つ、ノズルNZの先端が他の部材よりも下方に位置することを実現する構成として、第1移動機構MV1、第2移動機構MV2のそれぞれを備えず、第2カバーCV2とともに、第3移動機構MV3を備える構成であってもよい。なお、以下では、説明の便宜上、実施形態の変形例1に係る第2カバーCV2を、第3カバーCV3と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、第3カバーCV3にとっての第3位置を第7位置と称し、第3カバーCV3にとっての第4位置を第8位置と称して説明する。
【0094】
図19は、第3カバーCV3の構成の一例を示す側面図である。
図19に示したように、印刷装置1は、第3カバーCV3とともに、第3移動機構MV3を備える。なお、
図19では、ノズルNZ2は、ノズルNZ1の背後に隠れており、見えていない。また、
図19に示した例では、遮蔽部SDは、保持部HLDの搬送方向の面と繋がっている。そして、当該例では、排出部OMは、当該面に設けられている。
【0095】
第3移動機構MV3は、第3カバーCV3を第7位置と第8位置との間で移動させる機構である。印刷装置1が第3移動機構MV3を備えるため、第3カバーCV3は、第7位置と第8位置との間を移動することができる。
図19では、図が煩雑になるのを防ぐため、第3移動機構MV3を長方形状の物体として示している。第3移動機構MV3は、例えば、排出部OMに対して第3カバーCV3をスライドさせることが可能なスライド機構である。なお、第3移動機構MV3は、第3カバーCV3を第7位置と第8位置との間を移動させることが可能な機構であれば、如何なる機構であってもよい。第3移動機構MV3がスライド機構であり、且つ、アクチュエーター、付勢部材等の他の部材を含まない場合、第3移動機構MV3は、ユーザーから受け付けた操作に応じて、第3カバーCV3を第7位置と第8位置との間で移動させる。例えば、第3移動機構MV3は、第7位置に位置する第3カバーCV3がユーザーの手により搬送方向と反対の方向に引っ張られた場合、第3カバーCV3を第7位置から第8位置へ移動させる。また、例えば、第3移動機構MV3は、第8位置に位置する第3カバーCV3がユーザーの手により搬送方向へ押された場合、第3カバーCV3を第8位置から第7位置へ移動させる。
【0096】
しかしながら、手動による第3カバーCV3の移動は、ユーザーの手がノズルNZと接触してしまう機会を増大させてしまうことに繋がりかねない。そこで、第3移動機構MV3は、
図19に示したように、第2付勢部材SP2を含んで構成されてもよい。第2付勢部材SP2は、第3カバーCV3を第1方向と反対の方向へ付勢する部材であり、例えば、コイル型のばねである。なお、第2付勢部材SP2は、コイル型のばねに代えて、第3カバーCV3を第1方向と反対の方向へ付勢することが可能な部材であれば、如何なる部材であってもよい。これにより、第3移動機構MV3は、前述の第2動作に応じて、ユーザーからの操作を受け付けることなく、第3カバーCV3を第7位置と第8位置との間で移動させることができる。
【0097】
図20は、第1位置に載置された廃液収容体WFBと第3カバーCV3との位置関係の一例を示す図である。なお、
図20では、ノズルNZ2は、ノズルNZ1の背後に隠れており、見えていない。
図20に示したように、第1位置に載置された廃液収容体WFBは、第3カバーCV3と予め決められた距離X離間している。これは、第1動作による廃液収容体WFBの動きによって、廃液収容体WFBが第3カバーCV3と接触してしまうことを抑制するためである。距離Xは、例えば、数ミリメートルであるが、これに限られるわけではない。
図20に示した廃液収容体WFBをユーザーが第1方向に向かって第2位置まで移動させると、廃液収容体WFBは、途中で第3カバーCV3と接触する。その後、廃液収容体WFBは、第2位置に至るまで第3カバーCV3を第1方向に向かって押し続ける。その結果、第3カバーCV3は、第3移動機構MV3の第2付勢部材SP2を収縮させて第8位置に至る。
図21は、
図20に示した廃液収容体WFBを第2位置へ移動させた直後の廃液収容体WFBと第3カバーCV3との位置関係の一例を示す図である。
図21に示したように、第3移動機構MV3は、第2動作による廃液収容体WFBとの接触に応じて、第3カバーCV3を第8位置から第7位置へ移動させる。そして、第2位置に位置する廃液収容体WFBをユーザーが第1方向と反対の方向へ移動させると、第2付勢部材SP2が第3カバーCV3を第1方向と反対の方向へ付勢するため、第3カバーCV3は、第7位置から第8位置へ移動する。このように、第3カバーCV3は、第1位置と第2位置との間の廃液収容体WFBの移動に伴って第7位置と第8位置との間を移動する。これは、第2動作が完了した場合、第3カバーCV3が第8位置から第7位置へ移動することを意味する。これによっても、印刷装置1は、ユーザーの手とノズルNZの先端との接触を抑制することができる。また、印刷装置1は、第2付勢部材SP2を備える場合、アクチュエーター等を第3移動機構MV3に含ませる必要がなく、構造を容易にすることができる。また、印刷装置1は、当該場合、ユーザーが第3カバーCV3を操作する手間を低減することができる。また、印刷装置1は、当該場合、ノズルNZが露出することがないので、ユーザーの手がノズルNZと接触してしまうことを、より確実に抑制することができる。その結果、印刷装置1は、ノズルNZの先端に付着した廃液によってユーザーの手が汚れてしまうことを抑制することができる。また、印刷装置1は、当該場合、ノズルNZが露出することがないので、第1動作によって移動する廃液収容体WFBとノズルNZとが接触してしまうことを抑制することができる。その結果。印刷装置1は、ノズルNZの先端に付着した廃液によって廃液収容体WFBが汚れてしまうことを抑制することができる。また、印刷装置1は、当該場合、第1動作による廃液収容体WFBの移動先である第1位置を、第3カバーCV3の先端の位置によってユーザーに認識させることができる。また、印刷装置1は、第2動作を行う場合において第3カバーCV3を操作する必要がないので、第3カバーCV3の操作時にノズルNZに手が触れてしまうことによってユーザーの手が汚れてしまうことを抑制することができる。
【0098】
以上のような第3移動機構MV3は、第3カバーCV3を第7位置と第8位置との間で移動させるアクチュエーターACTと、第2動作による廃液収容体WFBの動きによって第1方向に押されているか否かを検出する接触センサーSWとを備える構成であってもよい。接触センサーSWは、例えば、
図22に示すように、第8位置に位置する第3カバーCV3のY軸の正方向の隣に設けられる構成であってもよい。
図22は、印刷装置1において接触センサーSWが設けられている様子の一例を示す図である。接触センサーSWの搬送方向における長さは、第3カバーCV3及びノズルNZそれぞれの搬送方向における長さよりも長い。このため、廃液収容体WFBは、第2動作によって、第3カバーCV3よりも先に接触センサーSWと接触する。第3移動機構MV3は、接触センサーSWが第1方向に押されていることを検出した場合、アクチュエーターACTによって第3カバーCV3を第8位置から第7位置へ移動させる。一方、第3移動機構MV3は、接触センサーSWが第1方向に押されていないことを検出した場合、アクチュエーターACTによって第3カバーCV3を第7位置から第8位置へ移動させる。これはすなわち、第2動作を行っている最中において、第3カバーCV3が第8位置から第7位置へ移動することを意味する。これによっても、印刷装置1は、ユーザーの手とノズルNZの先端との接触を抑制することができる。
【0099】
なお、上記のような第3カバーCV3は、四角筒に代えて、
図23に示したように、コイル型のばねであってもよい。
図23は、ばねである第3カバーCV3の外観を示す側面図である。
図23では、ノズルNZは、ばねである第3カバーCV3の内側に隠れて見えていない。第3カバーCV3がばねである場合、印刷装置1は、第3カバーCV3を第7位置と第8位置との間で移動させることを目的として第3移動機構MV3を備えなくてもよい。何故なら、第3カバーCV3がばねである場合、第3カバーCV3は、第2動作による廃液収容体WFBとの接触に応じて収縮し、第3移動機構MV3がなくとも、第8位置から第7位置へ移動するからである。
図24は、
図23に示した第3カバーCV3が第2動作による廃液収容体WFBの動きによって押されて収縮した様子の一例を示す側面図である。
図24に示した廃液収容体WFBは、第2位置に位置している。このため、
図24では、廃液収容体WFBは、ノズルNZと接続している。また、第3カバーCV3がばねである場合、第3カバーCV3は、廃液収容体WFBを第2位置から第1位置へ移動させることによって第1方向と反対の方向へ伸びて第7位置から第8位置へ移動する。従って、第3カバーCV3がばねである場合も、印刷装置1は、ユーザーの手とノズルNZの先端との接触を抑制することができる。また、印刷装置1は、当該場合、前述した通りに第3移動機構MV3を備える必要が無いため、構造を容易にすることができる。また、印刷装置1は、当該場合、ノズルNZが露出することがないので、第1動作によって移動する廃液収容体WFBとノズルNZとが接触してしまうことを抑制することができる。その結果。印刷装置1は、ノズルNZの先端に付着した廃液によって廃液収容体WFBが汚れてしまうことを抑制することができる。また、印刷装置1は、当該場合、第2動作において、廃液収容体WFBの移動方向と同じ方向に第3カバーCV3が移動するため、廃液収容体WFBと第3カバーCV3とが交差するような干渉が起こらず、ユーザーに第2動作をスムーズに行わせることができる。
【0100】
また、第3カバーCV3は、コイル型のばねに代えて、蛇腹状のチューブであってもよく、ゴム製のチューブであってもよい。ただし、これらの場合、印刷装置1は、第3移動機構MV3を備え、第3移動機構MV3によって第3カバーCV3を第7位置と第8位置との間で移動させる、又は、付勢部材を備え、当該付勢部材による付勢と廃液収容体WFBの移動とのそれぞれによって第3カバーCV3を第7位置と第8位置との間で移動させる。
【0101】
以上のように、印刷装置1では、ノズルNZの先端は、第2動作に応じて、重力方向における他の部材との重なりが解消する、構成が用いられてもよい。
【0102】
また、印刷装置1では、ノズルNZの先端は、第2動作が完了した場合、重力方向における他の部材との重なりが解消する、構成が用いられてもよい。
【0103】
また、印刷装置1では、他の部材は、第2動作に応じて、第7位置と第8位置との間で移動する第3カバーCV3であり、第7位置は、第3カバーが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZの先端との重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置であり、第8位置は、第3カバーCV3が位置することが可能な位置のうち、ノズルNZの先端と重力方向において重なる位置として予め決められた位置である、構成が用いられてもよい。
【0104】
また、印刷装置1では、第3カバーCV3は、第8位置に位置する場合、ノズルNZの側面を覆う、構成が用いられてもよい。
【0105】
また、印刷装置1は、第2動作に応じて、第7位置と第8位置との間で第3カバーを移動させる第3移動機構MV3を備える、構成が用いられてもよい。
【0106】
また、印刷装置1では、第3カバーCV3は、第2動作による廃液収容体WFBとの接触に応じて、第7位置と第8位置との間を移動する、構成が用いられてもよい。
【0107】
また、印刷装置1では、第8位置は、第1方向において、第7位置よりも上流に位置し、第3カバーCV3は、保持部HLD上における廃液収容体WFBの移動に伴って第7位置と第8位置との間を移動する、構成が用いられてもよい。
【0108】
また、印刷装置1では、第8位置は、第1方向において、第7位置よりも上流に位置し、第3カバーCV3は、保持部HLD上における廃液収容体WFBの移動に伴って第7位置と第8位置との間を移動する、構成が用いられてもよい。
【0109】
<実施形態の変形例2>
以下、実施形態の変形例2について説明する。
【0110】
実施形態の変形例2では、印刷装置1は、前述の対象状態が実現している場合に、重力方向において、ノズルNZの先端が他の部材と重なっており、且つ、ノズルNZの先端が他の部材よりも下方に位置することを実現する構成として、第2動作に応じて排出部OMを移動させる第4移動機構MV4を備える構成であってもよい。
【0111】
第4移動機構MV4は、第9位置と第10位置との間で排出部OMを移動させる機構である。第9位置は、排出部OMが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZの先端と遮蔽部SDとの重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置である。また、第9位置は、排出部OMが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZが廃液収容体WFBと接続する位置として予め決められた位置でもある。また、第10位置は、排出部OMが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZの先端と遮蔽部SDとが重力方向において重なる位置として予め決められた位置のことである。
図25は、第1位置に位置する廃液収容体WFBと、第10位置に位置する排出部OMとの位置関係の一例を示す図である。
図25では、ノズルNZ2は、ノズルNZ1の背後に隠れており、見えていない。また、
図25では、孔HL2は、孔HL1の背後に隠れており、見えていない。また、
図25では、図が煩雑になるのを防ぐため、第4移動機構MV4を長方形状の物体として示している。
図25に示した例では、第9位置は、搬送方向において第10位置と並んでおり、第10位置よりも搬送方向において上流に位置する位置である。なお、第9位置は、第10位置と搬送方向において並んでいない構成であってもよい。
【0112】
第4移動機構MV4は、例えば、第9位置と第10位置との間で排出部OMを移動させるアクチュエーターと、第2動作による廃液収容体WFBの移動を検出する検出部とを含んで構成される。当該検出部は、廃液収容体WFBとの接触により、第2動作による廃液収容体WFBの移動を検出する構成であってもよく、廃液収容体WFBと接触せずに、第2動作による廃液収容体WFBの移動を検出する構成であってもよい。第4移動機構MV4は、例えば、第1位置から第2位置への廃液収容体WFBの移動を当該検出部が検出した場合、当該アクチュエーターを駆動させ、排出部OMを第10位置から第9位置へ移動させる。一方、第4移動機構MV4は、例えば、第2位置から第1位置への廃液収容体WFBの移動を当該検出部が検出した場合、当該アクチュエーターを駆動させ、排出部OMを第9位置から第10位置へ移動させる。これによっても、印刷装置1は、ユーザーの手とノズルNZの先端との接触を抑制することができる。なお、第4移動機構MV4は、ラックアンドピニオン等を含み、アクチュエーターを用いずに、第2動作による廃液収容体WFBの移動に応じて、排出部OMを第9位置と第10位置との間で移動させる機構であってもよい。
【0113】
以上のように、印刷装置1では、排出部OMは、第2動作に応じて、第9位置と第10位置との間で移動し、第9位置は、排出部OMが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZの先端と他の部材との重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置であり、第10位置は、排出部OMが位置することが可能な位置のうち、ノズルNZの先端と他の部材とが重力方向において重なる位置として予め決められた位置であり、他の部材は、筐体BXの一部である、構成が用いられてもよい。
【0114】
また、印刷装置1は、第2動作に応じて、第9位置と第10位置との間で排出部OMを移動させる第4移動機構MV4を備える、構成が用いられてもよい。
【0115】
また、印刷装置1では、第4移動機構MV4は、第2動作による廃液収容体WFBとの接触に応じて、第9位置と第10位置との間で排出部OMを移動させる、構成が用いられてもよい。
【0116】
また、印刷装置1では、第4移動機構MV4は、第2動作による廃液収容体WFBとの接触に応じて、第9位置と第10位置との間で排出部OMを移動させる、構成が用いられてもよい。
【0117】
<印刷装置のその他の構成>
上記において説明した廃液収容体WFBは、孔HL1及び孔HL2が形成されている場合、
図26に示したように、孔HL1及び孔HL2の両方を閉じる孔閉塞位置と孔HL1及び孔HL2の両方を開く孔開放位置との間で移動可能な被当接部SHT1を備える構成であってもよい。
図26は、被当接部SHT1を備えた廃液収容体WFBの構成の一例を示す前面図である。
【0118】
被当接部SHT1は、廃液収容体WFBに形成された孔HL1及び孔HL2の両方を閉じる孔閉塞位置と、孔HL1及び孔HL2の両方を開く孔開放位置との間で移動可能に、廃液収容体WFBに設けられている。なお、被当接部SHT1は、ユーザーによって手動で孔閉塞位置と孔開放位置との間を移動させられてもよく、アクチュエーター等によって自動で孔閉塞位置と孔開放位置との間を移動させられてもよく、他の方法により孔閉塞位置と孔開放位置との間を移動させられてもよい。また、
図26に示した被当接部SHT1は、孔閉塞位置に位置している。このため、
図26では、廃液収容体WFBに形成された孔HL1及び孔HL2の両方が、被当接部SHT1の背後に隠れている。
【0119】
図27は、被当接部SHT1が孔開放位置に位置し、廃液収容体WFBに形成された孔HL1及び孔HL2の両方が見えている様子の一例を示す図である。
図26及び
図27に示した例では、孔開放位置は、孔閉塞位置よりも上方に位置している。この場合、被当接部SHT1は、上方に向かって孔閉塞位置から孔開放位置へ移動することができ、下方に向かって孔開放位置から孔閉塞位置へ移動することができる。なお、孔開放位置は、孔閉塞位置よりも走査方向の上流又は下流に位置していてもよく、孔閉塞位置よりも搬送方向の上流又は下流に位置していてもよい。ここで、印刷装置1の保持部HLDには、被当接部SHT1を孔閉塞位置から孔開放位置へ移動させる部材として、当接部SHT2を備える構成であってもよい。当接部SHT2は、廃液収容体WFBの保持部HLDへの載置に応じて被当接部SHT1と当接し、被当接部SHT1を孔閉塞位置から孔開放位置へ移動させる部材である。当接部SHT2の構成は、廃液収容体WFBの保持部HLDへの載置に応じて被当接部SHT1と当接し、被当接部SHT1を孔閉塞位置から孔開放位置へ移動させることが可能な構成であれば、如何なる構成であってもよい。なお、当接部SHT2は、
図3及び
図4において、直方体形状の物体として示されている。
【0120】
廃液収容体WFBの被当接部SHT1と当接する当接部SHT2を備えることにより、印刷装置1は、ユーザーが被当接部SHT1を操作することによって、ユーザーの手が廃液で汚れてしまうことを抑制することができる。また、印刷装置1は、廃液収容体WFBの被当接部SHT1と当接する当接部SHT2を備えることにより、孔HLが常に露出している場合と比較して、廃液収容体WFBからユーザーの手に廃液が付着してしまうことを抑制することができる。
【0121】
また、上記において説明した印刷装置1は、対象状態が実現している場合において、重力方向において対象部材と重なっており、且つ、対象部材の上方に位置する庇VSを備える構成であってもよい。ここで、対象部材は、上記において説明した第2カバーCV2、第3カバーCV3、遮蔽部SD等のように、当該場合に、重力方向においてノズルNZと重なる部材のことである。例えば、
図19に示した印刷装置1は、
図28に示したように、第3カバーCV3の上方に庇VSが設けられている。
図28は、
図19に示した印刷装置1の第3カバーCV3の上方に庇VSが設けられている様子の一例を示す図である。
図28に示した例では、庇VSは、平板形状の部材である。また、当該例では、庇VSは、遮蔽部SDの搬送方向と反対の方向の端部から、当該方向に向かって延伸している。そして、庇VSの搬送方向における長さは、第8位置に位置する第3カバーCV3の搬送方向における長さよりも長い。そして、庇VSは、重力方向において、第8位置に位置する第3カバーCV3と重なっている。このため、重力方向から庇VSを見た場合、第8位置に位置する第3カバーCV3は、庇VSの背後に隠れて見えない。これにより、ユーザーは、第3カバーCV3の位置に依らず、重力方向に向かってノズルNZを見ることができない。その結果、印刷装置1は、ユーザーがノズルNZに触れてしまうことを、より確実に抑制することができる。なお、庇VSの搬送方向と反対の方向の端部は、第1動作によって廃液収容体WFBを保持部HLDに載置する際の目印として機能させることができる。この場合、ユーザーは、庇VSの当該端部を目印として、第1動作によって廃液収容体WFBを第1位置へ容易に載置することができる。
【0122】
また、上記において説明した印刷装置1は、
図3に示したように、検出部SNと、禁止部IHとを備える構成であってもよい。検出部SNは、ノズルNZと廃液収容体WFBとの接続が完了しているか否かを検出するセンサーである。検出部SNは、ノズルNZと廃液収容体WFBとの接続が完了しているか否かを検出することが可能なセンサーであれば、如何なるセンサーであってもよい。禁止部IHは、第1カバーCVの状態が開状態であり、且つ、ノズルNZと廃液収容体WFBとの接続が完了していないと検出部SNが検出している場合、第1カバーCVの状態の開状態から閉状態への変化を禁止する。禁止部IHは、例えば、電子錠、ロック機構等であるが、当該場合において、当該変化を禁止することが可能な部材であれば、如何なる部材であってもよい。印刷装置1は、検出部SNと、禁止部IHとを備えることにより、廃液収容体WFBが取り付けられていない状態で、印刷等の動作を開始してしまうことを抑制することができる。また、印刷装置1は、ブザー等を鳴らす構成を有することなく、第1カバーCVを閉じることができないことによって、廃液収容体WFBの取り付けが終了していないことをユーザーに認識させることができる。なお、
図3では、図が煩雑になるのを防ぐため、検出部SN、禁止部IHのそれぞれを、直方体形状の物体として示している。
【0123】
また、上記において説明したノズルNZは、前述した通り、第1方向と逆の方向に延伸している。この場合、ユーザーは、廃液収容体領域内での作業を印刷装置1の前面に立って行うと、ノズルNZの先端が見え難い。すなわち、この場合、印刷装置1は、廃液収容体領域内での作業を印刷装置1の前面に立って行うユーザーの視界に、ノズルNZの先端が入ってしまうことを抑制することができる。
【0124】
また、上記において説明した保持部HLDは、前述した通り、搬送方向において印刷ヘッドHDよりも下流に位置する。この場合も、ユーザーは、廃液収容体領域内での作業を印刷装置1の前面に立って行うと、ノズルNZの先端が見え難い。すなわち、この場合も、印刷装置1は、廃液収容体領域内での作業を印刷装置1の前面に立って行うユーザーの視界に、ノズルNZの先端が入ってしまうことを抑制することができる。
【0125】
また、上記において説明した印刷装置1では、廃液収容体WFBは、重力方向に向かって挿入され、且つ、重力方向に向かってノズルNZと接続される構成であってもよい。この場合、第1方向は、第2方向と同じ方向である。また、この場合、前述の第2位置は、第1位置と同じ位置である。また、この場合、ユーザーは、第1動作によって廃液収容体WFBを印刷装置1に取り付け、第2動作を行う必要が無い。この場合、ノズルNZは、重力方向と反対の方向に延伸しており、例えば、対象状態が実現している場合、シャッター等の平板形状の部材によって、隠されている。そして、印刷装置1は、第1動作に応じて、廃液収容体WFBとノズルNZとが接続できるように当該部材を移動させる。このような動作は、アクチュエーター等で実現してもよく、機械的な機構によって実現してもよい。なお、この場合における第1方向及び第2方向は、重力方向に代えて、載置面Mと非平行な他の方向であってもよい。
【0126】
以上のように、印刷装置1は、ノズルNZと廃液収容体WFBとの接続が完了しているか否かを検出する検出部SNと、第1カバーCVの状態が開状態であり、且つ、ノズルNZと廃液収容体WFBとの接続が完了していないと検出部SNが検出している場合、第1カバーCVの状態の開状態から閉状態への変化を禁止する禁止部IHと、を備える、構成が用いられてもよい。
【0127】
また、印刷装置1では、廃液収容体WFBは、孔HLを閉じる孔閉塞位置と孔HLを開く孔開放位置との間で移動可能な被当接部SHT1を備え、保持部HLDは、被当接部SHT1と当接する当接部SHT2を備え、当接部SHT2は、廃液収容体WFBの保持部HLDへの載置に応じて被当接部SHT1を、孔閉塞位置から孔開放位置へ移動させる、構成が用いられてもよい。
【0128】
また、印刷装置1では、第1カバーCVの状態が開状態であり、且つ、廃液収容体WFBとノズルNZとが接続されていない場合、重力方向において、他の部材と重なっており、且つ、他の部材よりも上方に位置する庇VSを備える、構成が用いられてもよい。
【0129】
また、印刷装置1では、ノズルNZは、印刷媒体の搬送方向と逆の方向に向かって延伸しており、ノズルNZの先端は、搬送方向と逆の方向におけるノズルNZの端部である、構成が用いられてもよい。
【0130】
また、印刷装置1では、保持部HLDは、印刷媒体の搬送方向において印刷ヘッドHDよりも下流に位置する、構成が用いられてもよい。
【0131】
なお、上記において説明した事項は、如何様に組み合わされてもよい。
【0132】
<付記>
[1]
上方に開口する筐体と、前記筐体に収容され、印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッドと、前記筐体に収容され、前記印刷ヘッドから排出される廃液を収容可能な廃液収容体を保持する保持部と、前記筐体に収容され、前記廃液を排出する排出口が形成されたノズルを有する排出部と、前記筐体に設けられ、前記筐体の開口を開いている開状態と、前記筐体の開口を閉じている閉状態とに変化させることが可能な第1カバーと、を備える印刷装置であって、前記廃液収容体には、前記排出口から排出された前記廃液が前記廃液収容体の外部から前記廃液収容体の内部へ通る孔が形成されており、前記ノズルは、前記孔を介して前記廃液収容体と接続可能であり、前記ノズルの先端は、前記第1カバーの状態が前記開状態であり、且つ、前記廃液収容体が前記印刷装置と接触していない場合、重力方向において、他の部材と重なっており、且つ、前記他の部材よりも下方に位置する、印刷装置。
[2]
前記保持部は、第1位置と第2位置との間で移動可能に前記廃液収容体を保持し、前記第1位置は、前記保持部上において前記廃液収容体が位置することが可能な位置のうち、前記ノズルと前記廃液収容体との接続が解消する位置として予め決められた位置であり、前記第2位置は、前記保持部上において前記廃液収容体が位置することが可能な位置のうち、前記ノズルと前記廃液収容体とが接続する位置として予め決められ、且つ、予め決められた第1方向において前記第1位置よりも下流に位置する位置であり、前記廃液収容体は、第1動作と第2動作とが行われることにより、前記ノズルと接続し、前記第1動作は、前記第1方向と交差する第2方向に向かって前記廃液収容体を前記筐体の開口から前記第1位置に移動させる動作であり、前記第2動作は、前記第1動作の後に、前記保持部上において前記第1方向に向かって前記廃液収容体を前記第1位置から前記第2位置に移動させる動作である、[1]に記載の印刷装置。
[3]
前記第1方向は、前記保持部が有する面のうち前記廃液収容体が載置される載置面と平行な方向であり、前記第2方向は、重力方向である、[2]に記載の印刷装置。
[4]
前記印刷ヘッドを走査方向に向かって前後に移動させるキャリッジを備え、前記第1方向は、走査方向と直交する2つの方向のうち前記キャリッジから前記保持部に向かう方向である、[3]に記載の印刷装置。
[5]
前記ノズルの先端は、前記第1動作に応じて、重力方向における前記他の部材との重なりが解消する、[2]から[4]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[6]
前記ノズルの先端は、前記第1動作が完了した場合、重力方向における前記他の部材との重なりが解消する、[5]に記載の印刷装置。
[7]
前記他の部材は、前記第1動作に応じて、第3位置と第4位置との間で移動する第2カバーであり、前記第3位置は、前記第2カバーを位置させることが可能な位置のうち、前記ノズルの先端との重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置であり、前記第4位置は、前記第2カバーを位置させることが可能な位置のうち、前記ノズルの先端と重力方向において重なる位置として予め決められた位置である、[5]又は[6]に記載の印刷装置。
[8]
前記第2カバーは、前記第4位置に位置する場合、前記ノズルの側面を覆う、[7]に記載の印刷装置。
[9]
前記第1動作に応じて、前記第3位置と前記第4位置との間で前記第2カバーを移動させる第1移動機構を備える、[7]又は[9]に記載の印刷装置。
[10]
前記排出部は、前記第1動作に応じて、第5位置と第6位置との間で移動し、前記第5位置は、前記排出部が位置することが可能な位置のうち、前記ノズルの先端と前記他の部材との重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置であり、前記第6位置は、前記排出部が位置することが可能な位置のうち、前記ノズルの先端と前記他の部材とが重力方向において重なる位置として予め決められた位置であり、前記他の部材は、前記筐体の一部である、[5]に記載の印刷装置。
[11]
前記第1動作に応じて、前記第5位置と前記第6位置との間で前記排出部を移動させる第2移動機構を備える、[10]に記載の印刷装置。
[12]
前記第2移動機構は、前記第1動作による前記廃液収容体との接触に応じて、前記第5位置と前記第6位置との間で前記排出部を移動させる、[11]に記載の印刷装置。
[13]
前記ノズルの先端は、前記第2動作に応じて、重力方向における前記他の部材との重なりが解消する、[2]から[4]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[14]
前記ノズルの先端は、前記第2動作が完了した場合、重力方向における前記他の部材との重なりが解消する、[13]に記載の印刷装置。
[15]
前記他の部材は、前記第2動作に応じて、第7位置と第8位置との間で移動する第3カバーであり、前記第7位置は、前記第3カバーが位置することが可能な位置のうち、前記ノズルの先端との重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置であり、前記第8位置は、前記第3カバーが位置することが可能な位置のうち、前記ノズルの先端と重力方向において重なる位置として予め決められた位置である、[13]又は[14]に記載の印刷装置。
[16]
前記第3カバーは、前記第8位置に位置する場合、前記ノズルの側面を覆う、[15]に記載の印刷装置。
[17]
前記第2動作に応じて、前記第7位置と前記第8位置との間で前記第3カバーを移動させる第3移動機構を備える、[15]又は[16]に記載の印刷装置。
[18]
前記第3カバーは、前記第2動作による前記廃液収容体との接触に応じて、前記第7位置と前記第8位置との間を移動する、[15]に記載の印刷装置。
[19]
前記第8位置は、前記第1方向において、前記第7位置よりも上流に位置し、前記第3カバーは、前記保持部上における前記廃液収容体の移動に伴って前記第7位置と前記第8位置との間を移動する、[15]から[18]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[20]
前記排出部は、前記第2動作に応じて、第9位置と第10位置との間で移動し、前記第9位置は、前記排出部が位置することが可能な位置のうち、前記ノズルの先端と前記他の部材との重力方向における重なりが解消する位置として予め決められた位置であり、前記第10位置は、前記排出部が位置することが可能な位置のうち、前記ノズルの先端と前記他の部材とが重力方向において重なる位置として予め決められた位置であり、前記他の部材は、前記筐体の一部である、[13]に記載の印刷装置。
[21]
前記第2動作に応じて、前記第9位置と前記第10位置との間で前記排出部を移動させる第4移動機構を備える、[20]に記載の印刷装置。
[22]
前記第4移動機構は、前記第2動作による前記廃液収容体との接触に応じて、前記第9位置と前記第10位置との間で前記排出部を移動させる、[21]に記載の印刷装置。
[23]
前記ノズルと前記廃液収容体との接続が完了しているか否かを検出する検出部と、前記第1カバーの状態が前記開状態であり、且つ、前記ノズルと前記廃液収容体との接続が完了していないと前記検出部が検出している場合、前記第1カバーの状態の前記開状態から前記閉状態への変化を禁止する禁止部と、を備える、[1]から[22]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[24]
前記保持部は、前記廃液収容体を前記保持部に保持させる場合において、前記第1動作及び前記第2動作それぞれにおける前記廃液収容体の動きをガイドするガイド部を有する、[2]から[22]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[25]
前記ガイド部は、前記第1動作における前記廃液収容体の動きをガイドする第1ガイド部と、前記第2動作における前記廃液収容体の動きをガイドする第2ガイド部とを含む、[24]に記載の印刷装置。
[26]
前記第2ガイド部は、前記第1ガイド部によるガイドが解除された後の前記第2動作による前記廃液収容体の動きをガイドする、[25]に記載の印刷装置。
[27]
前記第2動作における前記廃液収容体の前記第2方向と反対の方向への移動を規制する規制部を備える、[2]から[22]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[28]
前記廃液収容体は、前記孔を閉じる孔閉塞位置と前記孔を開く孔開放位置との間で移動可能な被当接部を備え、前記保持部は、前記被当接部と当接する当接部を備え、前記当接部は、前記廃液収容体の前記保持部への載置に応じて前記被当接部を、前記孔閉塞位置から前記孔開放位置へ移動させる、[1]から[27]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[29]
前記第1カバーの状態が前記開状態であり、且つ、前記廃液収容体と前記ノズルとが接続されていない場合、重力方向において、前記他の部材と重なっており、且つ、前記他の部材よりも上方に位置する庇を備える、[1]から[28]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[30]
前記ノズルは、前記印刷媒体の搬送方向と逆の方向に向かって延伸しており、前記ノズルの先端は、前記搬送方向と逆の方向における前記ノズルの端部である、[1]から[29]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
[31]
前記保持部は、前記印刷媒体の搬送方向において前記印刷ヘッドよりも下流に位置する、[1]から[30]のうちいずれか一項に記載の印刷装置。
【0133】
以上、この開示の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【符号の説明】
【0134】
1…印刷装置、ACT…アクチュエーター、AX1…回動軸、BX…筐体、BZ…ノズル、CG…キャリッジ、CN11…液体収容体接続部、CT、CT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6…液体収容体、CV…第1カバー、CV2…第2カバー、CV3…第3カバー、G…ガイド部、G1…第1ガイド部、G2…第2ガイド部、GP…被ガイド部、H…搬送部、HD…印刷ヘッド、HL、HL1、HL2…孔、HLD…保持部、LM…規制部、LOH…排出口、M…載置面、MV1…第1移動機構、MV2…第2移動機構、MV3…第3移動機構、MV4…第4移動機構、MV21…第1部材、MV22…第2部材、NZ、NZ1、NZ2…ノズル、OM…排出部、POH…印刷媒体排出口、PT1…搬送経路、PT2…移動経路、PTM…突出部、SD…遮蔽部、SHT1…被当接部、SHT2…当接部、SP…付勢部材、SP2…第2付勢部材、SW…接触センサー、TB、TB1、TB2、TB3、TB4、TB5、TB6…液体供給管、TC…三次元座標系、TP…入力受付部、VS…庇、WFB…廃液収容体