(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158764
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】検査方法
(51)【国際特許分類】
B25J 13/08 20060101AFI20241031BHJP
B25J 9/10 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B25J13/08 A
B25J9/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074271
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】宮本 将尊
(72)【発明者】
【氏名】日野 真希子
(72)【発明者】
【氏名】安部 大介
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS07
3C707AS14
3C707BS12
3C707BS15
3C707DS01
3C707ES03
3C707HS27
3C707KS03
3C707KS06
3C707KS34
3C707KT01
3C707KT05
3C707KT11
3C707KV01
3C707KW03
3C707KX06
3C707KX07
3C707LV17
3C707NS17
(57)【要約】
【課題】第1コネクタの位置を精度よく検出することができる検査方法を提供する。
【解決手段】ロボットを用いて第1コネクタを第2コネクタに挿入する動作を含む検査を行う検査方法であって、前記第1コネクタを前記第2コネクタに挿入する方向に沿って並ぶ複数の認識マークの位置を画像認識で検出して、前記第1コネクタの位置を検出する位置検出ステップと、前記ロボットで前記第1コネクタを把持し、前記第2コネクタに対して前記第1コネクタの抜き挿しを行う挿抜ステップと、を含む。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットを用いて第1コネクタを第2コネクタに挿入する動作を含む検査を行う検査方法であって、
前記第1コネクタを前記第2コネクタに挿入する方向に沿って並ぶ複数の認識マークの位置を画像認識で検出して、前記第1コネクタの位置を検出する位置検出ステップと、
前記ロボットで前記第1コネクタを把持し、前記第2コネクタに対して前記第1コネクタの抜き挿しを行う挿抜ステップと、を含むことを特徴とする検査方法。
【請求項2】
前記第1コネクタは、前記ロボットに把持される把持部を備える把持治具に、先端部を露出して装着され、
前記第1コネクタの前記先端部に第1装着具を装着し、
前記複数の認識マークは、前記把持部に配置されている第1認識マークと、前記第1装着具に配置されている第2認識マークと、を有する請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記第1認識マークは、前記把持治具に対して着脱できる請求項2に記載の検査方法。
【請求項4】
前記複数の認識マークは、前記把持治具に配置され、前記第1認識マークと前記第2認識マークとの間に位置する第3認識マークを有する請求項3に記載の検査方法。
【請求項5】
前記位置検出ステップでは、前記第3認識マークと前記第1認識マークとの位置関係および前記第3認識マークと前記第2認識マークとの位置関係を検出し、
前記挿抜ステップでは、前記第3認識マークの位置と、前記第3認識マークと前記第1認識マークとの位置関係と、前記第1認識マークと前記把持部との位置関係と、に基づいて前記把持部の位置を検出し、検出結果に基づいて前記ロボットを動かして前記把持部を把持する請求項4に記載の検査方法。
【請求項6】
前記挿抜ステップでは、前記第3認識マークの位置と、前記第3認識マークと前記第2認識マークとの位置関係と、前記第2認識マークと前記第1コネクタの先端との位置関係と、に基づいて前記第1コネクタの先端の位置を検出し、検出結果に基づいて前記第2コネクタに対する前記第1コネクタの挿抜を行う請求項5に記載の検査方法。
【請求項7】
前記位置検出ステップと前記挿抜ステップとの間に行われ、
前記第1コネクタから前記第1装着具を取り外し、前記把持治具から前記第1認識マークを取り外す取り外しステップを含む請求項3に記載の検査方法。
【請求項8】
前記認識マークは、立体形状である請求項1に記載の検査方法。
【請求項9】
前記認識マークの側面は、テーパー状に傾斜している請求項8に記載の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロボットで第1コネクタを把持して第2コネクタに挿入するステップと、第1コネクタが第2コネクタに挿入されている状態で第1コネクタおよび第2コネクタを共振させるステップと、共振周波数に基づいて第1コネクタの挿入深さを調整するステップと、を行うロボット装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のロボット装置では、第1コネクタの検出位置と実際位置とにずれがあると、第2コネクタへの第1コネクタの挿入成功確率が低下したり、挿入に要する時間が長くなってタクトタイムが低下したりする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の検査方法は、ロボットを用いて第1コネクタを第2コネクタに挿入する動作を含む検査を行う検査方法であって、
前記第1コネクタを前記第2コネクタに挿入する方向に沿って並ぶ複数の認識マークの位置を画像認識で検出して、前記第1コネクタの位置を検出する位置検出ステップと、
前記ロボットで前記第1コネクタを把持し、前記第2コネクタに対して前記第1コネクタの抜き挿しを行う挿抜ステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係るロボットシステムの構成図である。
【
図4】把持治具、第1装着具および第2装着具を示す斜視図である。
【
図5】把持治具、第1装着具および第2装着具を示す斜視図である。
【
図7】ツールが把持治具を把持した様子を示す斜視図である。
【
図9】第2実施形態に係るロボットシステムの構成図である。
【
図10】第3実施形態に係る検査で用いるケーブルの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の検査方法を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0008】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るロボットシステムの構成図である。
図2は、検査で用いるケーブルを示す平面図である。
図3は、電子機器を背面から見た図である。
図4および
図5は、それぞれ、把持治具、第1装着具および第2装着具を示す斜視図である。
図6は、把持治具の分解斜視図である。
図7は、ツールが把持治具を把持した様子を示す斜視図である。
図8は、検査工程を示すフローチャートである。
【0009】
図1に示すロボットシステム1は、把持したケーブル9を電子機器8に挿抜するロボット2と、ロボット2の駆動を制御する制御装置3と、を有する。
【0010】
ロボット2は、6つの駆動軸を有する6軸垂直多関節ロボットである。このようなロボット2は、ベース21と、ベース21に回動自在に連結されたロボットアーム22と、ロボットアーム22の先端に装着されたツール23と、ロボットアーム22とツール23との間に配置された力検出部としての力覚センサー24と、ツール23に配置された撮像装置25と、を有する。
【0011】
また、ロボットアーム22は、6本のアーム221、222、223、224、225、226が回動自在に連結された構成であり、6つの関節J1、J2、J3、J4、J5、J6を備えている。これら6つの関節J1~J6のうち、関節J2、J3、J5が曲げ関節であり、関節J1、J4、J6がねじり関節である。また、各関節J1、J2、J3、J4、J5、J6には、図示しないモーターおよびエンコーダーが設置されている。制御装置3は、ロボットシステム1の運転中、各関節J1~J6について、エンコーダーの出力が示す関節J1~J6の回転角度を目標位置に一致させるフィードバック制御を実行する。
【0012】
また、ツール23は、開閉する一対の爪部を有し、一対の爪部でケーブル9を挟持して把持する。ただし、ツール23の構成は、ケーブル9を把持することができれば、特に限定されない。例えば、ツール23は、吸着によりケーブル9を把持する構成であってもよい。
【0013】
また、力覚センサー24は、互いに直交する3つの検出軸を有し、各検出軸に沿う並進力(軸力)および各検出軸まわりの回転力(トルク)をそれぞれ独立して検出することができる。このような力覚センサー24は、ツール23が把持したケーブル9に加わる力を検出する。ただし、力覚センサー24の構成は、ツール23が把持したケーブル9に加わる力を検出することができれば、特に限定されない。また、力覚センサー24は、省略してもよい。
【0014】
また、撮像装置25は、例えば、3Dカメラ(ステレオカメラ)である。制御装置3は、撮像装置25が撮像した画像データを画像認識処理することにより、画像データ内にある対象物の位置(三次元座標)を特定することができる。ただし、撮像装置25の構成は、同様の機能を発揮することができれば、特に限定されない。
【0015】
制御装置3は、ロボット2の駆動を制御する。制御装置3は、例えば、コンピューターから構成され、情報を処理するプロセッサー(CPU)と、プロセッサーに通信可能に接続されたメモリーと、外部装置との接続を行う外部インターフェースと、を有する。メモリーにはプロセッサーにより実行可能な各種プログラムが保存され、プロセッサーは、メモリーに記憶されたプログラム等を読み込んで実行することができる。
【0016】
以上、ロボットシステム1について簡単に説明したが、その構成については、特に限定されない。例えば、ロボット2は、6軸垂直多関節ロボットでなくてもよく、例えば、水平多関節ロボット(スカラロボット)であってもよい。
【0017】
次に、ロボットシステム1を用いた検査方法について説明する。この検査方法で行われる検査の内容としては、特に限定されないが、本実施形態では、電子機器8に対してケーブル9の挿抜を繰り返し、電子機器8の挿抜耐久性を評価する。これにより、電子機器8の強度、特に、第2コネクタ81自身の強度や第2コネクタ81を支える部分の強度を簡単かつ精度よく評価することができる。
【0018】
本実施形態の検査では、
図2に示すように、ケーブル9を用いる。ケーブル9は、実際に使用することができる本物のケーブルであり、可撓性を有するケーブル本体91と、ケーブル本体91の一端に配置された第1コネクタ92と、を有する。このように、本物のケーブル9を用いることにより、実際の使用状態を再現することができ、検査の精度、信憑性を高めることができる。ただし、ケーブル9は、原寸大の模型(モックアップ)であってもよい。また、ケーブル9からケーブル本体91を省略してもよい。
【0019】
一方、
図3に示すように、電子機器8は、その背面に第1コネクタ92が挿入される第2コネクタ81を有する。電子機器8は、第1コネクタ92の挿抜時にずれないように図示しない固定部材によって固定されている。電子機器8としては、特に限定されず、例えば、プロジェクター、プリンター、パーソナルコンピューター、ディスプレイ、ロボットコントローラー等が挙げられる。
【0020】
本実施形態では、第1コネクタ92がオスコネクタであり、第2コネクタ81がメスコネクタである。ただし、これに限定されず、第1コネクタ92がメスコネクタであり、第2コネクタ81がオスコネクタであってもよい。また、コネクタの規格は、特に限定されず、例えば、USBタイプA、USBタイプC、USBミニ、USBマイクロ、HDMI(登録商標)、VGA、LAN等、如何なる規格のものであってもよい。本実施形態では、HDMIである。
【0021】
また、本実施形態の検査では、
図4および
図5に示すように、第1コネクタ92のボディに装着する把持治具7と、第1コネクタ92の先端部(オス端子)に装着する第1装着具5と、把持治具7に装着する第2装着具6と、を用いる。
【0022】
≪把持治具7≫
図4ないし
図6に示すように、把持治具7は、第1コネクタ92を保持する基部72と、基部72と第1コネクタ92との間に介在するスペーサー71と、基部72に挿通する管状のロック部73と、を有する。また、スペーサー71は、スペーサー片711、712に分割されており、基部72は、基部片721、722に分割されている。また、これら基部72、スペーサー71およびロック部73は、それぞれ、樹脂材料で構成されている。これにより、これら各部の光沢を抑えることができる。ただし、基部72、スペーサー71およびロック部73の構成材料は、特に限定されない。
【0023】
このような把持治具7では、まず、スペーサー片711、712で第1コネクタ92のボディを挟み込んでスペーサー71を組み立てる。スペーサー71は、第1コネクタ92の位置決めを行う位置決め部713を有する。これにより、第1コネクタ92をスペーサー71に対して所定位置に配置することができると共に、位置決め後のずれを抑制することができる。位置決め部713の構成は、第1コネクタ92のボディ形状に応じて適宜設計することができ、本実施形態では、ボディのくびれに係合する凸部を有する構成となっている。
【0024】
次に、基部片721、722でスペーサー71を挟み込んで基部72を組み立てる。基部72は、スペーサー71の位置決めを行う位置決め部723を有する。これにより、スペーサー71を基部72に対して所定位置に配置することができると共に、位置決め後のずれを抑制することができる。位置決め部723の構成は、スペーサー71の形状に応じて適宜設計することができる。本実施形態の位置決め部723は、基部72の先端部に形成され、スペーサー71が嵌め込まれる凹部を有する構成となっている。
【0025】
次に、基部72にロック部73を挿通することにより、スペーサー71および基部72の組み立て状態が維持される。基部72は、ロック部73の位置決めを行う位置決め部724を有する。これにより、ロック部73を基部72に対して所定位置に配置することができる。位置決め部724の構成は、ロック部73の形状に応じて適宜設計することができ、本実施形態では、ロック部73を突き当てる壁部を有する構成となっている。以上により、把持治具7の組み立てが完了する。このような構成によれば、把持治具7を第1コネクタ92に容易に装着することができる。なお、把持治具7を装着した状態では、把持治具7の先端から第1コネクタ92の先端部、具体的にはオス端子の全体が突出している。
【0026】
また、把持治具7は、ロック部73に配置され、画像認識用の認識マークMである第3認識マーク74を有する。第3認識マーク74は、ロック部73と一体形成されていてもよいし、別体形成で接着剤等により接合されていてもよい。
【0027】
第3認識マーク74は、画像認識され易い構成となっている。具体的には、第3認識マーク74は、画像認識され易い色および光沢を有する。第3認識マーク74は、例えば、樹脂材料で構成され、光沢が十分に抑えられている。また、電子機器8の背面とは異なる色に着色されている。そのため、第3認識マーク74およびその輪郭が鮮明な画像データが得られる。そのため、第1コネクタ92を直に撮像して得られた画像データに基づいて第1コネクタ92の位置を検出するよりも、第1コネクタ92の位置を精度よく検出することができる。また、第3認識マーク74は、画像認識に時間がかかり過ぎないように、小さ過ぎず大き過ぎない適度な大きさで構成されている。
【0028】
また、第3認識マーク74は、立体形状をなす。さらに、第3認識マーク74の側面は、テーパー状に傾斜し、撮像装置25が撮像して得られた画像データに表れる。そのため、第3認識マーク74に関する情報量が増え、その分、第3認識マーク74をより精度よく画像認識することができる。したがって、第1コネクタ92の位置をより精度よく検出することができる。ただし、第3認識マーク74の形状は、特に限定されず、側面がテーパー状でなくてもよいし、例えば、印刷層、シールの貼着等で形成された平面形状であってもよい。
【0029】
また、基部72は、ロボット2のツール23で把持される把持部725を有する。把持部725は、基部72の両側面に形成された一対の切り欠き部725a、725bによって括れた形状となっている。そして、
図7に示すように、切り欠き部725a、725bにツール23の爪部を挿し込んで把持部725を挟持することにより、把持治具7を安定した姿勢で把持することができる。
【0030】
把持部725は、第3認識マーク74よりも基端側、つまり、挿入方向の後方に位置している。これにより、ツール23で把持部725を把持したときのツール23と第1コネクタ92との離間距離Dが大きくなり、例えば、ツール23で第1コネクタ92を直接把持した場合には第1コネクタ92を挿入できない程に奥まった場所にある第2コネクタ81に対しても第1コネクタ92を挿入することができる。そのため、検査の作業性が向上する。ただし、把持部725の配置は、特に限定されない。また、把持部725の構成についても、特に限定されず、例えば、ツール23の構成に合わせて適宜設計することができる。
【0031】
≪第2装着具6≫
第2装着具6は、把持治具7の把持部725に着脱自在に装着される。
図4および
図5に示すように、第2装着具6は、板状の基部61と、基部61から突出する一対の爪部621、622と、基部61に配置された第1認識マーク63と、を有する。一対の爪部621、622は、把持治具7の切り欠き部725a、725bに挿入され、スナップフィットによって把持治具7に係合することにより、把持部725に装着される。このような構成によれば、第2装着具6を把持治具7に対して簡単に着脱することができる。
【0032】
このような第2装着具6は、樹脂材料で構成されている。これにより、第2装着具6の光沢を抑えることができる。ただし、第2装着具6の構成材料は、特に限定されない。
【0033】
第1認識マーク63は、把持部725の位置を検出するために用いられる画像認識用の認識マークMである。第2装着具6を把持治具7に装着した状態における第1認識マーク63と把持部725との位置関係は、予め既知とされており、これらの関係は制御装置3が有する識別プログラムに保存されている。したがって、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データから第1認識マーク63の位置を検出することにより、そこから把持部725の位置を検出することができる。
【0034】
第1認識マーク63は、第3認識マーク74と同様に、画像認識され易い構成となっている。具体的には、第1認識マーク63は、画像認識され易い色および光沢を有する。第1認識マーク63は、樹脂材料で構成され、光沢が十分に抑えられている。また、周囲とは異なる色に着色されている。そのため、第1認識マーク63およびその輪郭が鮮明な画像データが得られる。また、第1認識マーク63は、画像認識に時間がかかり過ぎないように、小さ過ぎず大き過ぎない適度な大きさで構成されている。
【0035】
また、第1認識マーク63は、立体形状をなす。さらに、第1認識マーク63の側面は、テーパー状に傾斜し、撮像装置25が撮像して得られた画像データに表れる。そのため、第1認識マーク63に関する情報量が増え、その分、第1認識マーク63をより精度よく画像認識することができる。したがって、把持部725の位置をより精度よく検出することができる。ただし、第1認識マーク63の形状は、特に限定されず、側面がテーパー状でなくてもよいし、例えば、印刷層、シールの貼着等で形成された平面形状であってもよい。
【0036】
≪第1装着具5≫
第1装着具5は、第1コネクタ92の先端部、具体的には、オス端子に着脱自在に装着される。
図4および
図5に示すように、第1装着具5は、第1コネクタ92の先端部を挿入する挿入孔511を有する基部51と、基部51の上面に配置された第2認識マーク53と、を有する。このような第1装着具5は、挿入孔511に第1コネクタ92を挿入することにより、第1コネクタ92の先端部に装着される。このような構成によれば、第1装着具5を第1コネクタ92の先端部に対して簡単に着脱することができる。
【0037】
このような第1装着具5は、樹脂材料で構成されている。これにより、第1装着具5の光沢を抑えることができる。ただし、第1装着具5の構成材料は、特に限定されない。
【0038】
第2認識マーク53は、第1コネクタ92の先端の位置を検出するために用いられる画像認識用の認識マークMである。第1装着具5を第1コネクタ92に装着した状態における第2認識マーク53と第1コネクタ92の先端との位置関係は、予め既知とされており、これらの関係は制御装置3が有する識別プログラムに保存されている。したがって、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データから第2認識マーク53の位置を検出することにより、そこから第1コネクタ92の先端位置を検出することができる。
【0039】
第2認識マーク53は、第3認識マーク74と同様に、画像認識され易い構成となっている。具体的には、第2認識マーク53は、画像認識され易い色および光沢を有する。第2認識マーク53は、樹脂材料で構成され、光沢が十分に抑えられている。また、周囲とは異なる色に着色されている。そのため、第2認識マーク53およびその輪郭が鮮明な画像データが得られる。また、第2認識マーク53は、画像認識に時間がかかり過ぎないように、小さ過ぎず大き過ぎない適度な大きさで構成されている。
【0040】
また、第2認識マーク53は、立体形状をなす。さらに、第2認識マーク53の側面は、テーパー状に傾斜し、撮像装置25が撮像して得られた画像データに表れる。そのため、第2認識マーク53に関する情報量が増え、その分、第2認識マーク53をより精度よく画像認識することができる。したがって、第1コネクタ92の先端位置をより精度よく検出することができる。ただし、第2認識マーク53の形状は、特に限定されず、側面がテーパー状でなくてもよいし、例えば、印刷層、シールの貼着等で形成された平面形状であってもよい。
【0041】
以上、把持治具7、第1装着具5および第2装着具6について説明した。上述したように、把持治具7には第3認識マーク74が配置され、第1装着具5には第2認識マーク53が装着され、第2装着具6には第1認識マーク63が配置されている。これら、第1認識マーク63、第2認識マーク53および第3認識マーク74は、互いに、異なる形状であり、画像認識によって判別が可能となっている。
【0042】
次に、ロボットシステム1を用いた検査方法について説明する。この検査は、ロボット2を用いて第1コネクタ92を第2コネクタ81に挿入する動作を含んでいれば、特に限定されないが、本実施形態では、電子機器8に対してケーブル9の挿抜を繰り返し、電子機器8の挿抜耐久性を評価する。これにより、電子機器8の強度、特に、第2コネクタ81自身の強度や第2コネクタ81を支える部分の強度を簡単かつ精度よく評価することができる。ただし、検査内容としては、特に限定されず、例えば、電気的な導通検査であってもよい。
【0043】
検査は、
図8に示すように、第1コネクタ92に把持治具7、第1装着具5および第2装着具6を装着する配置ステップS1と、第1コネクタ92の位置を検出する位置検出ステップとしての第1位置検出ステップS2と、第2装着具6および第1装着具5を取り外す取り外しステップS3と、第2コネクタ81の位置を検出する第2位置検出ステップS4と、第2コネクタ81に対して第1コネクタ92の抜き挿しを繰り返す挿抜ステップS5と、第2コネクタ81の状態を検査する検査ステップS6と、を含む。
【0044】
≪配置ステップS1≫
配置ステップS1では、
図4および
図5に示したように、第1コネクタ92のボディに把持治具7を装着し、把持治具7に第2装着具6を装着し、第1コネクタ92の先端部に第1装着具5を装着する。これにより、第1コネクタ92に第1認識マーク63、第2認識マーク53および第3認識マーク74が第1コネクタ92の第2コネクタ81への挿入方向に沿って並んで配置される。なお、把持治具7、第2装着具6および第1装着具5の装着は、例えば、ロボット2が行ってもよいし、ロボット2以外の他のロボットが行ってもよいし、作業者が行ってもよい。
【0045】
なお、検査前から、第1コネクタ92のボディに把持治具7が装着され、把持治具7に第2装着具6が装着され、第1コネクタ92の先端部に第1装着具5が装着されていてもよい。このような場合は、配置ステップS1を省略することができる。
【0046】
≪第1位置検出ステップS2≫
第1位置検出ステップS2では、まず、制御装置3は、撮像装置25の視野内に第3認識マーク74が位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第3認識マーク74を撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第3認識マーク74の位置を検出する。
【0047】
次に、制御装置3は、撮像装置25の視野内に第1認識マーク63が位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第1認識マーク63を撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第1認識マーク63の位置を検出する。
【0048】
次に、制御装置3は、撮像装置25の視野内に第2認識マーク53が位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第2認識マーク53を撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第2認識マーク53の位置を検出する。
【0049】
次に、制御装置3は、上述のようにして求めた第3認識マーク74の位置と第1認識マーク63の位置とから、第3認識マーク74と第1認識マーク63との位置関係を検出する。同様に、制御装置3は、上述のようにして求めた第3認識マーク74の位置と第2認識マーク53の位置とから、第3認識マーク74と第2認識マーク53との位置関係を検出する。
【0050】
以上のようにして、第3認識マーク74、第1認識マーク63および第2認識マーク53の互いの位置関係を検出する。このように、第3認識マーク74、第1認識マーク63および第2認識マーク53を順番に撮像することにより、第3認識マーク74、第1認識マーク63および第2認識マーク53をそれぞれ画像の中心に配置することができる。画像の中心ほど収差が抑えられるため、より精度よくその位置を検出することができる。ただし、第1位置検出ステップS2としては、特に限定されない。例えば、撮像装置25の視野内に第3認識マーク74、第1認識マーク63および第2認識マーク53のすべてが位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第3認識マーク74、第1認識マーク63および第2認識マーク53を同時に撮像し、得られた画像データから第3認識マーク74、第1認識マーク63および第2認識マーク53の位置を検出してもよい。これにより、撮像回数が減るため、本ステップをより短時間で行うことができる。
【0051】
≪取り外しステップS3≫
取り外しステップS3では、把持治具7から第2装着具6を取り外す。つまり、把持治具7から第1認識マーク63を取り外す。前述したように、第2装着具6は、把持治具7にスナップフィットで接続されている。そのため、第2装着具6を把持治具7から容易に取り外すことができる。このように、第2装着具6を把持治具7から取り外すことにより、挿抜ステップS5においてロボット2で把持部725を把持する際に、第2装着具6が邪魔にならない。
【0052】
また、取り外しステップS3では、第1コネクタ92から第1装着具5を取り外す。前述したように、第1装着具5は、第1コネクタ92の先端部を挿入することにより接続されている。そのため、第1装着具5を第1コネクタ92から容易に取り外すことができる。このように、第1装着具5を第1コネクタ92から取り外すことにより、挿抜ステップS5において第2コネクタ81に対して第1コネクタ92を挿抜する際に、第1装着具5が邪魔にならない。
【0053】
なお、第2装着具6および第1装着具5の取り外しは、例えば、ロボット2が行ってもよいし、ロボット2以外の他のロボットが行ってもよいし、作業者が行ってもよい。
【0054】
≪第2位置検出ステップS4≫
第2位置検出ステップS4では、まず、制御装置3は、撮像装置25の視野内に第2コネクタ81が位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第2コネクタ81を撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第2コネクタ81の位置を検出する。
【0055】
なお、第2位置検出ステップS4の順番は、挿抜ステップS5よりも前であれば特に限定されず、配置ステップS1に先立って行ってもよいし、配置ステップS1と第1位置検出ステップS2との間に行ってもよいし、第1位置検出ステップS2と取り外しステップS3との間に行ってもよい。また、例えば、第2コネクタ81の位置が予め既知である場合には、本ステップを省略してもよい。
【0056】
≪挿抜ステップS5≫
挿抜ステップS5では、まず、制御装置3は、
図8に示すように、撮像装置25の視野内に第3認識マーク74が位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第3認識マーク74を撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第3認識マーク74の位置を検出する。
【0057】
次に、制御装置3は、検出した第3認識マーク74の位置と、第1位置検出ステップS2で求めた第3認識マーク74と第1認識マーク63との位置関係と、予め既知とされている第1認識マーク63と把持部725との位置関係と、に基づいて把持部725の位置を検出する。また、制御装置3は、検出した第3認識マーク74の位置と、第1位置検出ステップS2で求めた第3認識マーク74と第2認識マーク53との位置関係と、予め既知とされている第2認識マーク53と第1コネクタ92の先端との位置関係と、に基づいて第1コネクタ92の先端の位置を検出する。このような方法によれば、第1認識マーク63がなくても把持部725の位置を精度よく検出することができ、第2認識マーク53がなくても第1コネクタ92の先端の位置を精度よく検出することができる。したがって、挿抜ステップS5に先立って第1装着具5および第2装着具6を取り外すことができる。
【0058】
このように、複数の認識マークMの位置に基づいて第1コネクタ92の位置を検出することにより、把持部725および第1コネクタ92の先端の位置をそれぞれ精度よく検出することができる。そのため、把持部725の検出誤差(検出位置と実際位置のずれ)および第1コネクタ92の先端の検出誤差(検出位置と実際位置のずれ)をより小さく抑えることができる。特に、第1認識マーク63を把持部725に配置し、第2認識マーク53を第1コネクタ92の先端部に配置することにより、把持部725と第1コネクタ92の先端との位置関係を精度よく検出することができる。そのため、把持部725を把持した状態での第1コネクタ92の先端の位置を特定することができ、第1コネクタ92を第2コネクタ81へスムーズに、より高い成功確率で挿入することができる。
【0059】
次に、制御装置3は、ロボット2を動かして、
図7に示したように、ツール23で把持部725を把持する。次に、制御装置3は、ロボット2を動かして、第2コネクタ81への第1コネクタ92の挿抜を所定回数繰り返す。具体的には、まず、本ステップで検出した第1コネクタ92の先端の位置と、第2位置検出ステップS4で検出した第2コネクタ81の位置と、に基づいてロボット2を動かし、第2コネクタ81に第1コネクタ92を挿入する。次に、制御装置3は、ロボット2を動かして、第1コネクタ92をその中心軸に沿って後退させて第2コネクタ81から引き抜く。
【0060】
なお、第1コネクタ92や第2コネクタ81の位置の検出誤差、第1コネクタ92の把持位置のずれ等に起因して挿入時に第1コネクタ92が第2コネクタ81にぶつかり、それ以上の挿入が阻止される場合もある。そこで、制御装置3は、力覚センサー24が検出する力に基づいて第1コネクタ92と第2コネクタ81との接触有無および接触状態を検出し、その検出結果に基づいて第1コネクタ92の位置を微調整しつつ本ステップを進める。これにより、第1コネクタ92を第2コネクタ81にスムーズに、かつ、高い確率で挿入することができる。また、本ステップ中に、第1コネクタ92および第2コネクタ81に過度な力が加わり難くなり、これらの破損や変形を効果的に抑制することができる。
【0061】
ここで、本実施形態では、第3認識マーク74、第1認識マーク63および第2認識マーク53を用いることにより、把持部725および第1コネクタ92の先端の検出誤差をより小さく抑えることができるため、第1コネクタ92が第2コネクタ81にぶつかることなくスムーズに挿入することができる。あるいは、第1コネクタ92が第2コネクタ81にぶつかっても、検出誤差が小さいことから、僅かな位置調整だけで第1コネクタ92を第2コネクタ81に挿入することができ、より高い挿入成功確率を発揮することができると共に、挿入に要する時間を短縮することができる。
【0062】
これにより、1回目の挿抜が終了する。2回目以降の挿抜は、例えば、1回目の挿入が完了したときの第1コネクタ92の先端の位置と、1回目の引き抜きが完了したときの第1コネクタ92の先端の位置の間で第1コネクタ92の先端を往復移動させることで挿抜の繰り返しをスムーズに行うことができる。なお、第1コネクタ92の挿抜回数は、1回以上であれば、特に限定されない。
【0063】
≪検査ステップS6≫
検査ステップS6では、第2コネクタ81自身の状態や電子機器8の第2コネクタ81を保持する部分の状態を確認して第1コネクタ92の挿抜に対する耐久性を評価する。評価は、例えば、制御装置3が撮像装置25で第2コネクタ81を撮像し、その画像データを画像処理することにより行ってもよいし、他の検査ロボットが行ってもよい。また、作業者が目視で行ってもよい。
【0064】
以上、検査方法について説明した。このような検査方法によれば、第1コネクタ92の位置を簡単かつ精度よく検出することができるため、第2コネクタ81に対する第1コネクタ92の挿抜をスムーズに行うことができる。そのため、検査に要する時間を短縮することができる。
【0065】
以上、ロボットシステム1を用いた検査方法について説明した。このような検査方法は、ロボット2を用いて第1コネクタ92を第2コネクタ81に挿入する動作を含む検査を行う検査方法であって、第1コネクタ92を第2コネクタ81に挿入する方向に沿って並ぶ複数の認識マークMの位置を画像認識で検出して、第1コネクタ92の位置を検出する位置検出ステップとしての第1位置検出ステップS2と、ロボット2で第1コネクタ92を把持し、第2コネクタ81に対して第1コネクタ92の抜き挿しを行う挿抜ステップS5と、を含む。このように、複数の認識マークMの位置に基づいて第1コネクタ92の位置を検出することにより、第1コネクタ92の位置を精度よく検出することができる。
【0066】
また、前述したように、第1コネクタ92は、ロボット2に把持される把持部725を備える把持治具7に、先端部を露出して装着され、第1コネクタ92の先端部に第1装着具5を装着し、複数の認識マークMは、把持部725に配置されている第1認識マーク63と、第1装着具5に配置されている第2認識マーク53と、を有する。これにより、把持部725と第1コネクタ92の先端との位置関係を検出することができる。そのため、把持部725を把持した状態での第1コネクタ92の先端の位置を特定することができ、第1コネクタ92を第2コネクタ81へスムーズに、より高い成功確率で挿入することができる。
【0067】
また、前述したように、第1認識マーク63は、把持治具7に対して着脱できる。これにより、ロボット2で把持部725を把持する際に、第1認識マーク63が邪魔にならない。
【0068】
また、前述したように、複数の認識マークMは、把持治具7に配置され、第1認識マーク63と第2認識マーク53との間に位置する第3認識マーク74を有する。これにより、予め、第3認識マーク74と第1認識マーク63との位置関係および第3認識マーク74と第2認識マーク53との位置関係を検出しておくことにより、第3認識マーク74の位置に基づいて把持部725および第1コネクタ92の先端の位置を検出することができる。
【0069】
また、前述したように、第1位置検出ステップS2では、第3認識マーク74と第1認識マーク63との位置関係および第3認識マーク74と第2認識マーク53との位置関係を検出し、挿抜ステップS5では、第3認識マーク74の位置と、第3認識マーク74と第1認識マーク63との位置関係と、第1認識マーク63と把持部725との位置関係と、に基づいて把持部725の位置を検出し、検出結果に基づいてロボット2を動かして把持部725を把持する。これにより、第1認識マーク63がなくても把持部725の位置を精度よく検出することができる。そのため、挿抜ステップS5に先立って第1認識マーク63を把持治具7から取り外しておくことができ、ロボット2で把持部725を把持する際に、第1認識マーク63が邪魔にならない。
【0070】
また、前述したように、挿抜ステップS5では、第3認識マーク74の位置と、第3認識マーク74と第2認識マーク53との位置関係と、第2認識マーク53と第1コネクタ92の先端との位置関係と、に基づいて第1コネクタ92の先端の位置を検出し、検出結果に基づいて第2コネクタ81に対する第1コネクタ92の挿抜を行う。これにより、第2認識マーク53がなくても第1コネクタ92の先端の位置を精度よく検出することができる。そのため、挿抜ステップS5に先立って第1装着具5を第1コネクタ92から取り外しておくことができ、第2コネクタ81への挿抜の際に第2認識マーク53が邪魔にならない。
【0071】
また、前述したように、第1位置検出ステップS2と挿抜ステップS5との間に行われ、第1コネクタ92から第1装着具5を取り外し、把持治具7から第1認識マーク63を取り外す取り外しステップS3を含む。これにより、挿抜ステップS5において第1装着具5および第1認識マーク63が邪魔にならない。そのため、挿抜ステップS5をスムーズに行うことができる。
【0072】
また、前述したように、認識マークM、つまり、第1認識マーク63、第2認識マーク53および第3認識マーク74は、それぞれ、立体形状である。これにより、第1認識マーク63、第2認識マーク53および第3認識マーク74の画像認識を精度よく行うことができる。
【0073】
また、前述したように、認識マークMの側面、つまり、第1認識マーク63、第2認識マーク53および第3認識マーク74の側面は、テーパー状に傾斜している。これにより、第1認識マーク63、第2認識マーク53および第3認識マーク74の画像認識を精度よく行うことができる。
【0074】
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態に係るロボットシステムの構成図である。
【0075】
本実施形態に係るロボットシステム1は、撮像装置25の配置が異なること以外は、前述した第1実施形態のロボットシステム1と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態のロボットシステム1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の図では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
【0076】
図9に示すように、本実施形態のロボットシステム1では、撮像装置25がロボット2に配置されておらず、例えば、作業空間の直上に配置され、所定の位置に固定されている。
【0077】
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0078】
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態に係る検査で用いるケーブルの平面図である。
【0079】
本実施形態に係るロボットシステム1は、認識マークMの構成が異なること以外は、前述した第1実施形態のロボットシステム1と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態のロボットシステム1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の図では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
【0080】
図10に示すように、本実施形態では、把持治具7、第1装着具5および第2装着具6が省略され、第1コネクタ92のボディがツール23で直に把持される。また、ケーブル9に直に複数の認識マークMが配置されている。認識マークMは、ツール23に把持される把持部となる第1コネクタ92のボディに配置された第1認識マークM1と、第1コネクタ92の先端部であるオス端子部に配置された第2認識マークM2と、を有する。
【0081】
また、第1認識マークM1と把持位置との位置関係は、予め既知とされており、これらの関係は制御装置3が有する識別プログラムに保存されている。同様に、第2認識マークM2と第1コネクタ92の先端との位置関係は、予め既知とされており、これらの関係は制御装置3が有する識別プログラムに保存されている。
【0082】
また、検査工程は、前述した第1実施形態から配置ステップS1、第1位置検出ステップS2および取り外しステップS3が不要となって省略され、第2コネクタ81の位置を検出する第2位置検出ステップS4と、第2コネクタ81に対して第1コネクタ92の抜き挿しを繰り返す挿抜ステップS5と、第2コネクタ81の状態を検査する検査ステップS6と、を含む。このうち、第2位置検出ステップS4および検査ステップS6については、前述した第1実施形態と同様であるため、以下では、挿抜ステップS5についてのみ説明する。
【0083】
≪挿抜ステップS5≫
挿抜ステップS5では、まず、制御装置3は、撮像装置25の視野内に第1認識マークM1および第2認識マークM2が位置するようにロボット2を動かし、撮像装置25で第1認識マークM1および第2認識マークM2を同時に撮像する。そして、制御装置3は、撮像装置25が取得した画像データを画像認識処理して第1認識マークM1および第2認識マークM2の位置を検出する。
【0084】
次に、制御装置3は、検出した第1認識マークM1の位置と、予め既知とされている第1認識マーク63と把持位置との位置関係と、に基づいて把持位置の位置を検出する。また、制御装置3は、検出した第2認識マークM2の位置と、予め既知とされている第2認識マークM2と第1コネクタ92の先端との位置関係と、に基づいて第1コネクタ92の先端の位置を検出する。このように、複数の認識マークMの位置に基づいて第1コネクタ92の各部の位置を検出することにより、第1コネクタ92の位置を精度よく検出することができる。
【0085】
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0086】
以上、本発明の検査方法を図示の実施形態に基づいて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物または工程が付加されていてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…ロボットシステム、2…ロボット、21…ベース、22…ロボットアーム、221…アーム、222…アーム、223…アーム、224…アーム、225…アーム、226…アーム、23…ツール、24…力覚センサー、25…撮像装置、3…制御装置、5…第1装着具、51…基部、511…挿入孔、53…第2認識マーク、6…第2装着具、61…基部、621…爪部、622…爪部、63…第1認識マーク、7…把持治具、71…スペーサー、711…スペーサー片、712…スペーサー片、713…位置決め部、72…基部、721…基部片、722…基部片、723…位置決め部、724…位置決め部、725…把持部、725a…切り欠き部、725b…切り欠き部、73…ロック部、74…第3認識マーク、8…電子機器、81…第2コネクタ、9…ケーブル、91…ケーブル本体、92…第1コネクタ、D…離間距離、J1…関節、J2…関節、J3…関節、J4…関節、J5…関節、J6…関節、M…認識マーク、M1…第1認識マーク、M2…第2認識マーク、S1…配置ステップ、S2…第1位置検出ステップ、S3…取り外しステップ、S4…第2位置検出ステップ、S5…挿抜ステップ、S6…検査ステップ