(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158773
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】照明システム、捕捉デバイス、照明システムの設定方法、設定画面の表示方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/19 20200101AFI20241031BHJP
【FI】
H05B47/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074291
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】小林 瑞樹
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA29
3K273QA31
3K273RA17
3K273SA11
3K273SA15
3K273SA17
3K273SA19
3K273SA35
3K273SA36
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA16
3K273TA28
3K273TA33
3K273TA40
3K273TA54
3K273TA66
3K273TA80
3K273UA02
3K273UA05
3K273UA15
3K273UA17
(57)【要約】
【課題】 より適切にペアリング処理を行うことが可能な照明システム、捕捉デバイス、照明システムの設定方法、設定画面の表示方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】 複数の照明装置Lと、複数の照明装置Lの各々の配置情報と各々の識別情報とを対応付けるペアリング処理を行う設定装置Sdと、を備え、複数の照明装置Lの各々は、識別情報を含む第1ビーコン信号を第1周波数で送信し、且つ、第1ビーコン信号の送信とは異なるタイミングで識別情報を含む第2ビーコン信号を第1周波数とは異なる第2周波数で送信し、設定装置Ctは、第1ビーコン信号を受信する第1受信モジュール571と第2ビーコン信号を受信する第2受信モジュール572とを有し、且つ、複数の照明装置Lの識別情報と第1ビーコン信号および第2ビーコン信号の少なくともいずれかの受信強度とを記憶する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明装置と、
前記複数の照明装置の点灯制御を行う制御装置と、
前記複数の照明装置の各々の配置情報と各々の識別情報とを対応付けるペアリング処理を行う設定装置と、を備え、
前記複数の照明装置の各々は、前記識別情報を含む第1ビーコン信号を第1周波数で送信し、且つ、前記第1ビーコン信号の送信とは異なるタイミングで前記識別情報を含む第2ビーコン信号を前記第1周波数とは異なる第2周波数で送信し、
前記設定装置は、前記第1ビーコン信号を受信する第1受信モジュールと前記第2ビーコン信号を受信する第2受信モジュールとを有し、且つ、前記複数の照明装置の前記識別情報と前記第1ビーコン信号および前記第2ビーコン信号の少なくともいずれかの受信強度とを記憶する、照明システム。
【請求項2】
設定装置を利用し、複数の照明装置の各々の配置情報と各々の識別情報とを対応付けるペアリング処理を行う、照明システムの設定方法であって、
前記複数の照明装置の各々は、前記識別情報を含む第1ビーコン信号を第1周波数で送信し、且つ、前記第1ビーコン信号の送信とは異なるタイミングで前記識別情報を含む第2ビーコン信号を前記第1周波数とは異なる第2周波数で送信し、
前記設定装置によって、前記第1ビーコン信号を受信する第1受信モジュールと前記第2ビーコン信号を受信する第2受信モジュールとを有し、且つ、前記複数の照明装置の前記識別情報と前記第1ビーコン信号および前記第2ビーコン信号の少なくともいずれかの受信強度とを記憶する、照明システムの設定方法。
【請求項3】
複数の照明装置の各々の配置情報と各々の識別情報とを対応付けるペアリング処理を行う設定装置に具備される捕捉デバイスであって、
前記設定装置に具備される操作端末に接続され、
前記複数の照明装置の各々から第1周波数で送信される第1ビーコン信号を受信する第1受信モジュールと、前記第1周波数とは異なる第2周波数で送信される第2ビーコン信号を受信する第2受信モジュールと、を有する、捕捉デバイス。
【請求項4】
前記第1受信モジュールによる前記第1ビーコン信号の受信と、前記第2受信モジュールによる前記第2ビーコン信号の受信とを、同時に行う第1捕捉モードと、
前記第1受信モジュールによる前記第1ビーコン信号の受信と、前記第2受信モジュールによる前記第2ビーコン信号の受信とを、時分割で行う第2捕捉モードと、を有する、請求項3に記載の捕捉デバイス。
【請求項5】
複数の照明装置の各々の配置情報と各々の識別情報とを対応付けるペアリング処理を設定装置に実行させるプログラムであって、
前記複数の照明装置の各々から第1周波数で送信される第1ビーコン信号を前記設定装置の捕捉デバイスの第1受信モジュールによって受信させ、且つ前記第1周波数とは異なる第2周波数で送信される第2ビーコン信号を前記設定装置の前記捕捉デバイスの第2受信モジュールによって受信させる、プログラム。
【請求項6】
前記捕捉デバイスを、
前記第1受信モジュールによる前記第1ビーコン信号の受信と、前記第2受信モジュールによる前記第2ビーコン信号の受信とを、同時に行う第1捕捉モードと、
前記第1受信モジュールによる前記第1ビーコン信号の受信と、前記第2受信モジュールによる前記第2ビーコン信号の受信とを、時分割で行う第2捕捉モードと、に設定する、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
サーバをさらに備え、
前記設定装置は、前記複数の照明装置の配置情報を前記サーバから取得する、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項8】
前記設定装置が、請求項3または4に記載の捕捉デバイスを有する、請求項7に記載の照明システム。
【請求項9】
前記設定装置は、前記複数の照明装置の配置情報をサーバから取得する、請求項2に記載の照明システムの設定方法。
【請求項10】
前記設定装置に、前記配置情報をサーバから取得させる、請求項5または6に記載のプログラム。
【請求項11】
複数の照明装置の各々の配置情報と各々の識別情報とを対応付けるペアリング処理を行う設定装置の表示部に表示される設定画面の表示方法であって、
前記設定画面は、
前記複数の照明装置の各々から第1周波数で送信される第1ビーコン信号を受信する第1受信モジュールと、前記第1周波数とは異なる第2周波数で送信される第2ビーコン信号を受信する第2受信モジュールと、を有する捕捉デバイスによって受信された前記第1ビーコン信号および前記第2ビーコン信号に含まれる前記識別情報および受信強度をリスト表示するリスト表示領域と、
前記複数の照明装置の配置を表示する配置情報領域と、
前記捕捉デバイスが、
前記第1受信モジュールによる前記第1ビーコン信号の受信と、前記第2受信モジュールによる前記第2ビーコン信号の受信とを、同時に行う第1捕捉モードと、
前記第1受信モジュールによる前記第1ビーコン信号の受信と、前記第2受信モジュールによる前記第2ビーコン信号の受信とを、時分割で行う第2捕捉モードと、
のいずれであるかを表示するモード表示領域と、を含む、設定画面の表示方法。
【請求項12】
前記設定装置の表示部に、
前記捕捉デバイスによって受信された前記第1ビーコン信号および前記第2ビーコン信号に含まれる前記識別情報および受信強度をリスト表示するリスト表示領域と、
前記複数の照明装置の配置を表示する配置情報領域と、
前記捕捉デバイスが、前記第1捕捉モードおよび前記第2捕捉モードのいずれであるかを表示するモード表示領域と、を含む、設定画面を表示させる、
請求項6に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システム、捕捉デバイス、照明システムの設定方法、設定画面の表示方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の照明装置を備える照明システムにおいて、無線通信を用いて、複数の照明装置の配置情報と複数の照明装置の識別情報とを対応付けるペアリング処理を行う構成が提案されている(たとえば、特許文献1)。同文献に開示された照明システムにおいては、複数の照明装置から特定の周波数のビーコン信号等の無線信号が送信される。ユーザは、RFリーダによって複数の照明装置からの無線信号を受信する。受信した無線信号から、当該無線信号を送信した照明装置の固有情報を読み取り、この固有情報を利用してペアリング処理を行い、照明システムの設定がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の照明装置からの無線信号は、いずれも特定の周波数によって無線送信されている。このため、2つ以上の照明装置からの無線信号が互いに衝突や干渉する場合がある。あるいは、複数の照明装置以外の周辺機器が同様の周波数の無線通信を行っていると、意図しない無線信号の衝突や干渉が起こりうる。このような衝突等により、無線通信の輻輳が生じることが懸念され、ペアリング処理を適切に行えないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、より適切にペアリング処理を行うことが可能な照明システム、捕捉デバイス、照明システムの設定方法、設定画面、およびプログラムを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供される照明システムは、複数の照明装置と、前記複数の照明装置の点灯制御を行う制御装置と、前記複数の照明装置の各々の配置情報と各々の識別情報とを対応付けるペアリング処理を行う設定装置と、を備え、前記複数の照明装置の各々は、前記識別情報を含む第1ビーコン信号を第1周波数で送信し、且つ、前記第1ビーコン信号の送信とは異なるタイミングで前記識別情報を含む第2ビーコン信号を前記第1周波数とは異なる第2周波数で送信し、前記設定装置は、前記第1ビーコン信号を受信する第1受信モジュールと前記第2ビーコン信号を受信する第2受信モジュールとを有し、且つ、前記複数の照明装置の前記識別情報と前記第1ビーコン信号および前記第2ビーコン信号の少なくともいずれかの受信強度とを記憶する。
【0007】
本発明の第2の側面によって提供される照明システムの設定方法は、設定装置を利用し、複数の照明装置の各々の配置情報と各々の識別情報とを対応付けるペアリング処理を行う、照明システムの設定方法であって、前記複数の照明装置の各々は、前記識別情報を含む第1ビーコン信号を第1周波数で送信し、且つ、前記第1ビーコン信号の送信とは異なるタイミングで前記識別情報を含む第2ビーコン信号を前記第1周波数とは異なる第2周波数で送信し、前記設定装置によって、前記第1ビーコン信号を受信する第1受信モジュールと前記第2ビーコン信号を受信する第2受信モジュールとを有し、且つ、前記複数の照明装置の前記識別情報と前記第1ビーコン信号および前記第2ビーコン信号の少なくともいずれかの受信強度とを記憶する。
【0008】
本発明の第3の側面によって提供される捕捉デバイスは、複数の照明装置の各々の配置情報と各々の識別情報とを対応付けるペアリング処理を行う設定装置に具備される捕捉デバイスであって、前記設定装置に具備される操作端末に接続され、前記複数の照明装置の各々から第1周波数で送信される第1ビーコン信号を受信する第1受信モジュールと、前記第1周波数とは異なる第2周波数で送信される第2ビーコン信号を受信する第2受信モジュールと、を有する。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1受信モジュールによる前記第1ビーコン信号の受信と、前記第2受信モジュールによる前記第2ビーコン信号の受信とを、同時に行う第1捕捉モードと、前記第1受信モジュールによる前記第1ビーコン信号の受信と、前記第2受信モジュールによる前記第2ビーコン信号の受信とを、時分割で行う第2捕捉モードと、を有する。
【0010】
本発明の第4の側面によって提供されるプログラムは、複数の照明装置の各々の配置情報と各々の識別情報とを対応付けるペアリング処理を設定装置に実行させるプログラムであって、前記複数の照明装置の各々から第1周波数で送信される第1ビーコン信号を前記設定装置の捕捉デバイスの第1受信モジュールによって受信させ、且つ前記第1周波数とは異なる第2周波数で送信される第2ビーコン信号を前記設定装置の前記捕捉デバイスの第2受信モジュールによって受信させる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記捕捉デバイスを、前記第1受信モジュールによる前記第1ビーコン信号の受信と、前記第2受信モジュールによる前記第2ビーコン信号の受信とを、同時に行う第1捕捉モードと、前記第1受信モジュールによる前記第1ビーコン信号の受信と、前記第2受信モジュールによる前記第2ビーコン信号の受信とを、時分割で行う第2捕捉モードと、に設定する。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、サーバをさらに備え、前記設定装置は、前記複数の照明装置の配置情報を前記サーバから取得する。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記設定装置が、本発明の第3の側面によって提供される捕捉デバイスを有する。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記設定装置は、前記複数の照明装置の配置情報をサーバから取得する。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記設定装置に、前記配置情報をサーバから取得させる。
【0016】
本発明の第5の側面によって提供される設定画面の表示方法においては、前記設定画面は、複数の照明装置の各々の配置情報と各々の識別情報とを対応付けるペアリング処理を行う設定装置の表示部に表示される設定画面であって、前記複数の照明装置の各々から第1周波数で送信される第1ビーコン信号を受信する第1受信モジュールと、前記第1周波数とは異なる第2周波数で送信される第2ビーコン信号を受信する第2受信モジュールと、を有する捕捉デバイスによって受信された前記第1ビーコン信号および前記第2ビーコン信号に含まれる前記識別情報および受信強度をリスト表示するリスト表示領域と、前記複数の照明装置の配置を表示する配置情報領域と、前記捕捉デバイスが、前記第1受信モジュールによる前記第1ビーコン信号の受信と、前記第2受信モジュールによる前記第2ビーコン信号の受信とを、同時に行う第1捕捉モードと、前記第1受信モジュールによる前記第1ビーコン信号の受信と、前記第2受信モジュールによる前記第2ビーコン信号の受信とを、時分割で行う第2捕捉モードと、のいずれであるかを表示するモード表示領域と、を含む。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記設定装置の表示部に、前記捕捉デバイスによって受信された前記第1ビーコン信号および前記第2ビーコン信号に含まれる前記識別情報および受信強度をリスト表示するリスト表示領域と、前記複数の照明装置の配置を表示する配置情報領域と、前記捕捉デバイスが、前記第1捕捉モードおよび前記第2捕捉モードのいずれであるかを表示するモード表示領域と、を含む、設定画面を表示させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、より適切にペアリング処理を行うことができる。
【0019】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る照明システムの一例を示すシステム構成図である。
【
図2】本発明に係る照明システムの一例の照明器具を示すブロック図である。
【
図3】本発明に係る照明システムの一例の設定装置を示すブロック図である。
【
図4】本発明に係る照明システムの一例の設定装置の捕捉デバイスを示すブロック図である。
【
図5】本発明に係る照明システムの一例の制御装置を示すブロック図である。
【
図6】本発明に係る照明システムの一例の照明器具のビーコン信号の送信状態を示すタイムチャートである。
【
図7】本発明に係る照明システムの一例の捕捉デバイスCpのビーコン信号の捕捉状態を示すタイムチャートであって、(a)は第1捕捉モードであり、(b)は第2捕捉モードである。
【
図8】本発明に係る照明システムの一例のペアリング処理を示すフローチャートである。
【
図9】本発明に係る照明システムの一例の設定装置の設定画面を示す図である。
【
図10】本発明に係る照明システムの一例の配置情報を示す配置図である。
【
図11】本発明に係る照明システムの一例の設定装置の設定画面を示す図である。
【
図12】本発明に係る照明システムの一例の設定装置の設定画面を示す図である。
【
図13】本発明に係る照明システムの一例の設定装置の設定画面を示す図である。
【
図14】本発明に係る照明システムの一例の設定装置の設定画面を示す図である。
【
図15】本発明に係る照明システムの一例の設定装置の設定画面を示す図である。
【
図16】本発明に係る照明システムの一例の設定装置の設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に識別のために用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0023】
<照明システムA1>
図1~
図16は、本発明に係る無線通信システム、照明システム、捕捉デバイス、照明システムの設定方法、設定画面、およびプログラムの一例を示している。
図1に示すように、本実施形態の照明システムA1は、複数の照明装置L、設定装置Sdおよび制御装置Ctを備えている。また、照明システムA1は、クラウドCLを備えていてもよい。照明システムA1は、複数の照明装置Lを介した無線通信を利用して、制御装置Ctによる複数の照明装置Lの点灯制御を行うシステムである。
【0024】
〔照明装置L〕
複数の照明装置Lは、たとえば室内の照明に用いられ、天井、壁面、床面、出入口等の種々の箇所に設置される。また、照明装置Lは、屋外の照明に用いられる構成であってもよい。照明装置Lの具体的な形態は何ら限定されず、直管形照明や高天井照明、シーリングライト、ダウンライト、ベースライト、スポットライト等の種々の形態を適宜採用可能である。
図10は、複数の照明装置Lがたとえば天井に設置された場合の配置情報を示している。以降の説明においては、照明装置Lの一般的な構成を述べる場合に照明装置Lと称するとともに、複数の照明装置Lを区別する場合に照明装置L1・・・Ln等の符号を適宜用いる場合がある。本実施形態における複数の照明装置Lは、それぞれの構成が同一であってもよいし、互いの一部が共通していてもよいし、互いに異なる構成、異なる形態であってもよい。以降の説明においては、特段の記載がない限り、複数の照明装置Lが同一の構成である場合を例に説明する。
【0025】
図2は、照明装置Lのブロック図である。照明装置Lは、光源部11、制御部12、記憶部13、無線通信部14および電源部15を備える。
【0026】
光源部11は、照明装置Lにおいて発光機能を果たす部位である。光源部11の具体的構成は何ら限定されず、たとえば、基板と当該基板に列をなして搭載された複数のLED、複数の有機EL素子等とからなる。また、照明装置Lは、光源部11からの光を透過させる透明または半透明のカバー(図示略)を適宜有する。
【0027】
光源部11は、たとえば発する波長が互いに異なる複数種類のLEDを有する。複数種類のLEDを発光させる割合を調整することにより、光源部11は、様々な色温度の光を発することが可能である。光源部11は、たとえば昼光色(6500K)、昼白色(5000K)、温白色(3500K)、電球色(3000K)等の光を発する。
【0028】
制御部12は、たとえば制御装置Ctからの照明制御信号に基づいて、光源部11および電源部15を制御することにより、照明装置Lの調色制御および調光制御を行うためのものである。制御部12の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部13は、制御部12の制御に必要な情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリからなる。なお、記憶部13は、照明装置Lの筐体(図示略)に内蔵されるものに限定されず、照明装置Lの筐体の外部に着脱可能に設けられるものであってもよい。
【0029】
無線通信部14は、制御装置Ctおよび他の照明装置Lと無線通信を行うための通信部であり、無線信号を送信および受信するモジュールである。無線通信部14は、たとえば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信によって制御部12と接続されているが、これに限定されない。
【0030】
無線通信部14の機能を例示すると、制御装置Ctからの信号を受信し、受信した信号に含まれる情報を制御部12に送信する。また、信号を受信したことを示すアクノリッジ信号を制御装置Ctに送信する。また、照明装置Lの動作状況を示すステータス信号を制御装置Ctに送信してもよい。さらに、無線通信部14は、照明システムA1の設定方法において、ペアリング処理に用いられるビーコン信号を送信する。このビーコン信号は、ペアリング処理に用いられるための専用の信号であってもよいし、上述のアクノリッジ信号およびステータス信号等と兼用される信号であってもよい。ビーコン信号は、たとえば所定の時間間隔で送信される。
【0031】
なお、照明装置Lは、ペアリング処理を含む設定方法を行う初期設定モードと、通常の点灯を行う通常モードとを切り替え可能な構成であってもよい。たとえば、制御装置Ctまたは設定装置Sdからの切替信号を受信することにより、初期設定モードと通常モードとを切り替える構成であってもよい。このような構成の場合、初期設定モードにおいて、無線通信部14からビーコン信号が所定の時間間隔で送信される。
【0032】
本実施形態においては、複数の照明装置Lの各々が有する固有の照明装置ID等の自機器を識別する識別情報が、無線通信部14に記憶されている。識別情報の具体例は特に限定されず、たとえばMAC(Media Access Control)アドレスや独自で付与した識別情報等である。なお、識別情報は、無線通信部14以外の構成要素に記憶されていてもよいし、たとえば記憶部13に記憶されていてもよい。無線通信部14は、受信した信号のうち、自装置の識別情報に対する信号であると認識した場合に、当該信号を制御部12に伝達する。
【0033】
無線通信部14が行う無線電波を用いた無線通信は何ら限定されず、本実施形態においては、所定のプロトコルを用いた無線通信として説明する。所定のプロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえ920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz、13.56MHz帯等が例示される。また、第1プロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、あるいは独自規格のプロトコルなどが例示される。
【0034】
本実施形態においては、複数の照明装置Lと制御装置Ctとが、たとえば2.4GHz帯の第1無線電波を用いた独自プロトコルにより、メッシュネットワークを構築している。メッシュネットワークは、複数の照明装置L間で各種無線信号の転送に用いられるため、それらのデータ転送に必要となる転送速度や、信頼性を確保した上で、メッシュネットワークを構築できるプロトコルが選択される。
【0035】
なお、本実施形態においては、制御装置Ctは、メッシュネットワークのルートノード(root node)である。複数の照明装置Lのいずれかは、GM(ゲートウェイモジュール)として機能してもよい。ゲートウェイモジュールは、クラスタのルートノードであり、制御装置Ctに接続する。
図10に示す配置情報において、ハッチングが付された照明装置Lが、ゲートウェイモジュールに設定されてもよい。ゲートウェイモジュールに設定された照明装置L同士は、互いに近接しすぎることを避けることが好ましく、図示された例においては、互いに隣接された複数の照明装置Lのグループ(図中において6つずつの照明装置L)ごとに、1つの照明装置Lがゲートウェイモジュールとして設定されている。
【0036】
ゲートウェイモジュールは、他のゲートウェイモジュールとともにメッシュネットワークを構築し、制御装置Ctに通信接続する。ゲートウェイモジュールは、他のゲートウェイモジュールや制御装置Ctとの通信品質を常に評価しており、通信品質が最も良い相手に自動的に接続する。同様に、照明装置Lも他の照明装置Lまたはゲートウェイモジュールとの通信品質を常に評価しており、通信品質が最も良い相手に自動的に接続する。通常の照明装置Lもゲートウェイモジュールとして機能する照明装置Lも、ハードウェア構成は同じである。照明装置Lが搭載するソフトウエアを異なるようにするか、モード切替によって通常の照明装置Lとして動作するか、ゲートウェイモジュールとして動作するかを切り替えてもよい。
【0037】
本実施形態の無線通信部14は、第1周波数による無線通信、第2周波数による無線通信、および第3周波数による無線通信を行うように構成されている。第1周波数、第2周波数、および第3周波数は、互いに異なる周波数である。なお、本発明においては、無線通信部14は、少なくとも第1周波数による無線通信および第2周波数による無線通信を行う構成であればよい。また、無線通信部14は、第1周波数、第2周波数、および第3周波数に加えて、他の周波数による無線通信をさらに行う構成であってもよい。第1周波数、第2周波数、および第3周波数の例としては、たとえば第1周波数が24.02GHz、第2周波数が24.26GHz、第3周波数が24.80GHzである。第1周波数による無線通信、第2周波数による無線通信、および第3周波数による無線通信を行う無線通信部14の具体的構成は何ら限定されず、1つの通信モジュールによって、第1~第3周波数の無線通信が行われてもよいし、第1~第3周波数の無線通信を個別に行う3つの無線通信モジュールを有する構成であってもよい。
【0038】
無線通信部14は、ビーコン信号として、第1ビーコン信号、第2ビーコン信号および第3ビーコン信号を送信する。第1ビーコン信号、第2ビーコン信号および第3ビーコン信号は、各々が、照明システムA1の識別情報を含んでいる。第1ビーコン信号は、第1周波数で送信され、第2ビーコン信号は、第2周波数で送信され、第3ビーコン信号は、第3周波数で送信される。第1~第3ビーコン信号は、互いに異なるタイミングで送信される。
図6に示す例においては、第1ビーコン信号、第2ビーコン信号および第3ビーコン信号の順に送信されている。第1ビーコン信号、第2ビーコン信号および第3ビーコン信号の各々の送信時間は何ら限定されず、たとえば20ms程度である。
【0039】
電源部15は、光源部11、制御部12および無線通信部14等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部15は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0040】
〔設定装置Sd〕
設定装置Sdは、照明システムA1における複数の照明装置Lの設定を行うための装置である。設定装置Sdの具体的構成は何ら限定されない。設定装置Sdは、後述の設定方法を行う際に、ユーザが持ち運びしやすい構成が好ましい。本実施形態の設定装置Sdは、操作端末Teおよび捕捉デバイスCpを備える。ただし、設定装置Sdは、操作端末Teおよび捕捉デバイスCpを備える構成に限定されず、以下に説明する構成要素が1つの筐体に収容された機器(たとえば、スマートフォン、タブレット端末)として構成されていてもよい。本実施形態の操作端末Teとしては、タブレット端末が挙げられる。このような構成の操作端末Teは、ユーザの操作性を向上させるのに適している。また本実施形態の場合、後述の照明システムA1の設定方法を実行するためのプログラムが、操作端末Teを構成するタブレット端末にインストールされている。操作端末Teへのプログラムのインストールは、半導体メモリ等の記憶デバイスに記憶されたプログラムを操作端末Teに読み込むことによって行ってもよいし、インターネット等の公衆通信回線を介してダウンロードすることによって行ってもよい。
【0041】
図3に示すように、本実施形態の操作端末Teは、表示部51、制御部52、記憶部53、入出力部54、電源部55および操作部50を備える。
【0042】
表示部51は、操作端末Te(設定装置Sd)の操作等に必要な情報や画像を表示するためのものである。表示部51は、たとえば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。
【0043】
入出力部54は、捕捉デバイスCpとの電気的な信号の入出力を行うものである。入出力部54には、たとえば、ケーブルの一端が接続される。このケーブルの他端は、捕捉デバイスCpに接続される。当該ケーブルとしては、たとえばUSBケーブルが例示される。
【0044】
制御部52は、操作端末Te(設定装置Sd)の各部を制御するためのものである。制御部52の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。制御部52は、たとえば照明装置Lからのビーコン信号の受信強度であるRSSI値を捕捉デバイスCpから取得する。また、制御部52は、後述の設定方法において表示部51に所定の画像および情報を表示させる処理を行う。
【0045】
記憶部53は、制御部52の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリ等からなる。また、記憶部53には、照明システムA1の設定方法を実行するためのプログラムが記憶される。設定方法を実行するためのプログラムは、表示部51に後述の設定画面を表示させるプログラムを含んでいてもよい。
【0046】
電源部55は、表示部51、制御部52、入出力部54および捕捉デバイスCp等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部55は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有するもの、あるいは充電可能なバッテリーである。バッテリーの充電方式は、接触式の充電器を利用するものでも、非接触式の充電器を利用するものでもよい。
【0047】
操作部50は、ユーザが操作端末Te(設定装置Sd)を操作するためのものである。操作部50は、たとえばキーボードおよびマウス等である。なお、表示部51がタッチパネルとして機能する場合、操作端末Teは、操作部50を備えていなくてもよい。
【0048】
捕捉デバイスCpは、複数の照明装置Lからのビーコン信号を受信することにより捕捉するためのものである。捕捉デバイスCpの具体的構成は何ら限定されず、本実施形態においては、ケーブルを介して操作端末Teに接続されている。
図4に示すように、捕捉デバイスCpは、入出力部56、無線通信部57、制御部58および電源部59を備える。捕捉デバイスCpは、後述の設定方法において、設定対象とする照明装置Lからの固有信号を受信するためのアンテナ(無線通信部57の一構成要素)を有する。捕捉デバイスCpは、設定対象とする照明装置Lにアンテナを近づけやすいように、たとえばユーザが片手に保持した状態で、ケーブルを介して操作端末Teに対して接近および離隔が可能に構成されている。さらに、捕捉デバイスCpは、カメラ用の三脚に類似した伸縮可能な部材の先端に無線通信部57のアンテナが取り付けられた構成であってもよい。このような構成であれば、無線通信部57のアンテアをユーザに対してより高い位置に配置可能であり、高い天井に複数の照明装置Lが設置されているような場合に、より適切にビーコン信号を補足することができる。
【0049】
入出力部56は、捕捉デバイスCpと操作端末Teを接続し、相互に信号等を送受するためのものである。本実施形態においては、上述のケーブルの他端が、入出力部56に接続される。なお、当該ケーブルを用いることにより、タブレット端末である操作端末Teから、捕捉デバイスCpを当該ケーブル長の範囲で離すことが可能である。これは、後述の照明システムA1の設定方法において、設定対象とする照明装置Lに捕捉デバイスCpをより近づけるのに適している。
【0050】
無線通信部57は、複数の照明装置Lからのビーコン信号を受信する機能を果たす。無線通信部57は、上述の所定のプロトコルを用いた無線通信を行うためのものである。無線通信部57は、少なくとも第1周波数および第2周波数の無線信号を受信可能な構成である。本実施形態においては、無線通信部57は、第1受信モジュール571、第2受信モジュール572および第3受信モジュール573を有しており、第1周波数、第2周波数および第3周波数の無線信号を受信可能である。さらに無線通信部57は、第1周波数、第2周波数および第3周波数に加えて他の周波数の無線信号を受信可能であってもよい。
【0051】
第1受信モジュール571は、第1周波数による無線信号を受信するモジュールである。第1受信モジュール571は、第1周波数によって送信された第1ビーコン信号を受信し、この第1ビーコン信号に含まれる照明装置Lの識別情報を、たとえば制御部52に送信し、さらに、一時的に記憶可能であってもよい。また、第1受信モジュール571は、第1ビーコン信号を受信した際の受信強度(RSSI値)を測定する。第1受信モジュール571は、この受信強度(RSSI値)を、たとえば制御部52に送信し、さらに、一時的に記憶可能な構成であってもよい。
【0052】
第2受信モジュール572は、第2周波数による無線信号を受信するモジュールである。第2受信モジュール572は、第2周波数によって送信された第2ビーコン信号を受信し、この第2ビーコン信号に含まれる照明装置Lの識別情報を、たとえば制御部52に送信し、さらに、一時的に記憶可能であってもよい。また、第2受信モジュール572は、第2ビーコン信号を受信した際の受信強度(RSSI値)を測定する。第2受信モジュール572は、この受信強度(RSSI値)を、たとえば制御部52に送信し、さらに、一時的に記憶可能な構成であってもよい。
【0053】
第3受信モジュール573は、第3周波数による無線信号を受信するモジュールである。第3受信モジュール573は、第3周波数によって送信された第3ビーコン信号を受信し、この第3ビーコン信号に含まれる照明装置Lの識別情報を、たとえば制御部52に送信し、さらに、一時的に記憶可能であってもよい。また、第3受信モジュール573は、第3ビーコン信号を受信した際の受信強度(RSSI値)を測定する。第3受信モジュール573は、この受信強度(RSSI値)を、たとえば制御部52に送信し、さらに、一時的に記憶可能な構成であってもよい。
【0054】
制御部58は、入出力部56と無線通信部57の第1受信モジュール571、第2受信モジュール572および第3受信モジュール573とを接続する機能を果たす。また、制御部58は、第1受信モジュール571、第2受信モジュール572および第3受信モジュール573を用いた第1ビーコン信号、第2ビーコン信号および第3ビーコン信号の捕捉のモードを切り替える機能を有してもよい。このモードの切り替えは、たとえば操作端末Teからの指令信号に応じて行ってもよい。
【0055】
図7は、捕捉モードの例を示している。
図7(a)は、第1捕捉モードを示している。第1捕捉モードにおいては、第1受信モジュール571による第1ビーコン信号の受信と、第2受信モジュール572による第2ビーコン信号の受信と、第3受信モジュール573による第3ビーコン信号の受信とを、同時に行う。すなわち、捕捉デバイスCpによる捕捉が開始すると、第1受信モジュール571、第2受信モジュール572および第3受信モジュール573のすべてが、各ビーコン信号の受信を継続して行う。
【0056】
図7(b)は、第2捕捉モードを示している。第2捕捉モードにおいては、第1受信モジュール571による第1ビーコン信号の受信と、第2受信モジュール572による第2ビーコン信号の受信と、第3受信モジュール573による第3ビーコン信号の受信とを、時分割で行う。第1受信モジュール571、第2受信モジュール572および第3受信モジュール573の順序は何ら限定されない。第1受信モジュール571、第2受信モジュール572および第3受信モジュール573の各々が受信する受信時間は、たとえば1~20ms程度に設定される。
【0057】
電源部59は、たとえば入出力部56を介して供給された電力を、無線通信部57および制御部58の駆動に適した電力に変換するものであり、たとえばレギュレータである。電源部59は、たとえば入出力部56から供給された直流5Vの電力を、直流3.3Vの電力に変換する。
【0058】
〔制御装置Ct〕
制御装置Ctは、複数の照明装置Lの点灯制御を行うものである。制御装置Ctは、本実施形態の場合には、複数の照明装置Lが設置されている室内に設置されていてもよいし、別のフロア等に設置されていてもよいし、別の建物に設置されていてもよい。制御装置Ctと複数の照明装置Lとがある程度離れている場合、制御装置Ctと複数の照明装置Lとは、無線通信だけでなく、有線通信と無線通信とを利用して互いに通信する構成であってもよい。なお、照明システムA1は、少なくとも1つの制御装置Ctを備えていればよく、他の構成において複数の制御装置Ctを備えていてもよい。
【0059】
図5は、制御装置Ctのブロック図である。本実施形態においては、制御装置Ctは、表示部21、制御部22、記憶部23、無線通信部24および電源部25を備える。
【0060】
表示部21は、たとえば制御装置Ctの初期設定やメンテナンス等に用いられる。表示部21は、たとえば液晶ディスプレイ等であり、さらにタッチパネル機能を有してもよい。また、表示部21がタッチパネルとして機能することに代えて、制御装置Ctは、たとえばキーボードやマウス等の操作デバイスを別途備えていてもよい。
【0061】
制御部22は、複数の照明装置Lの点灯制御を行う主要な構成要素であり、制御装置Ctの各部を制御するためのものである。たとえば、制御部22は、予め設定されたスケジュール情報に基づき、複数の照明装置Lを点灯制御するための点灯制御信号を生成する。また、制御部22は、対象とする照明装置Lへ点灯制御信号を送信するように、無線通信部24に制御信号を伝達する。制御部22の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部23は、制御部22の制御に必要なプログラムやスケジュール情報等の設定条件情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリやハードディスクドライブ等からなる。
【0062】
無線通信部24は、複数の照明装置Lの無線通信部14と無線通信を行うためのものである。無線通信部24の周波数帯や準拠する無線通信の規格は、上述の所定のプロトコルを用いた無線通信である。
図1に示す例においては、制御装置Ctは、複数の照明装置Lとともにメッシュネットワークを構成する。無線通信部24は、たとえば、メッシュネットワークを介して、制御部22から複数の照明装置Lへの点灯制御信号を送信する。なお、制御装置Ctは、無線通信部24に加えて、公衆通信ネットワークを介した無線通信または有線通信等を行う通信回路を有していてもよい。公衆通信ネットワークは、たとえばインターネット通信回線網やLTE(Long Term Evolution)規格、5G、6Gなどに準拠した携帯電話回線網のいずれか、あるいはこれらの組み合わせによって構成される。制御装置Ctは、公衆通信ネットワークを介して、たとえば設定装置Mdとの通信を行う。
【0063】
電源部25は、表示部21、制御部22および無線通信部24等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部25は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0064】
制御装置Ctは、複数の照明装置Lの照明装置ID等の識別情報を保有しいてもよい。これらがたとえば記憶部23に記憶されていてもよい。制御装置Ctが保有する識別情報は、たとえば照明装置Lが保有する照明装置IDとしてのMACアドレスであってもよい。
【0065】
〔クラウドCL〕
クラウドCLは、本発明におけるサーバの一例である。本発明のサーバは、クラウドCLに限定されない。本実施形態とは異なり、本発明のサーバは、たとえば制御装置Ctと同様の場所に設置されたサーバ機器であってもよい。また、制御装置Ctがサーバの機能の一部またはすべてを担う構成であってもよい。
【0066】
図1に示すように、クラウドCLは、たとえば公衆通信回線網Inを介して設定装置Sdと通信可能である。公衆通信回線網Inは、たとえばインターネット通信回線網やLTE(Long Term Evolution)規格、5G、6Gなどに準拠した携帯電話回線網のいずれか、あるいはこれらの組み合わせによって構成される公衆通信ネットワークである。クラウドCLは、制御部61、記憶部62および通信部63を備える。
【0067】
制御部61は、クラウドCLにおいて照明システムA1の設定方法に必要な情報の取得、生成、供給等を行うものであり、たとえばCPU等である。制御部61が扱う情報としては、たとえば
図10に示す複数の照明装置Lの配置情報である。制御部61は、この配置情報を、たとえばリスト形式の情報として、供給してもよい。あるいは、制御部61は、複数の照明装置Lの配置に対応して、複数の照明装置Lの配置をユーザが視覚的に理解可能な態様に整形したデータを供給してもよい。ユーザが視覚的に理解可能な態様の配置情報としては、たとえば操作端末Te上のアプリケーションプログラム(以下、アプリ)が読み込み可能なデータ(たとえば表計算アプリデータ)が挙げられる。
【0068】
記憶部62は、制御部61の機能に必要なデータやプログラム等を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリ、ハードディスク等である。通信部63は、設定装置Sdと公衆通信回線網Inを介して通信する機能を果たし、無線通信および有線通信のいずれかまたは双方を行ってもよい。
【0069】
次に、照明システムA1の設定方法および上述のプログラムについて説明する。
【0070】
本実施形態の照明システムA1の設定方法を実現するにあたり、設定装置Sd(操作端末Te)には、プログラムがインストールされている。具体的に後述するように、当該プログラムは、以下の処理を設定装置Sdに実行させる。
【0071】
当該プログラムは、複数の照明装置Lの各々の配置情報と各々の識別情報とを対応付けるペアリング処理を設定装置Sdに実行させるプログラムであって、複数の照明装置Lの各々から第1周波数で送信される第1ビーコン信号を設定装置Sdの捕捉デバイスCpの第1受信モジュール571によって受信させ、且つ第1周波数とは異なる第2周波数で送信される第2ビーコン信号を設定装置Sdの捕捉デバイスCpの第2受信モジュール572によって受信させる。さらに、当該プログラムは、第1周波数および第2周波数とは異なる第3周波数で送信される第3ビーコン信号を設定装置Sdの捕捉デバイスCpの第3受信モジュール573によって受信させる。また、当該プログラムは、捕捉デバイスCpを、第1受信モジュール571による第1ビーコン信号の受信と、第2受信モジュール572による第2ビーコン信号の受信とを、同時に行う第1捕捉モードと、第1受信モジュール571による第1ビーコン信号の受信と、第2受信モジュール572による第2ビーコン信号の受信とを、時分割で行う第2捕捉モードと、に設定する。さらに、当該プログラムは、第1受信モジュール571、第2受信モジュール572に加えて第3受信モジュール573を有する捕捉デバイスCpを、第1捕捉モードおよび第2捕捉モードのいずれかに設定する。
【0072】
また、当該プログラムは、設定装置Sdに、複数の照明装置Lの配置情報をサーバとしてのクラウドCLから取得させる。
【0073】
また、当該プログラムは、設定装置の表示部51に、捕捉デバイスCpによって受信された第1ビーコン信号および第2ビーコン信号に含まれる識別情報および受信強度をリスト表示するリスト表示領域Ar2と、複数の照明装置Lの配置を表示する配置情報領域Ar3と、捕捉デバイスCpが、第1捕捉モードおよび第2捕捉モードのいずれであるかを表示するモード表示領域Ar1と、を含む、設定画面Scを表示させる。また、当該プログラムは、捕捉デバイスCpによって受信された第1ビーコン信号、第2ビーコン信号および第3ビーコン信号に含まれる識別情報および受信強度をリスト表示領域Ar2にリスト表示させる。
【0074】
なお、当該プログラムは、照明システムA1の設定方法を実現するために用いられるプログラムの一例であり、他の構成のプログラムが用いられてもよい。また、当該ブログラムの処理の一部が、たとえば制御装置Ctにインストールされ、制御装置Ctによって実行される構成であってもよい。
【0075】
〔ステップS0〕
まず、
図8に示すステップS0を実行し、ペアリング処理を開始する。ステップS0は、単に、複数の照明装置Lおよび設定装置Sdの電源がONとされ、設定方法のプログラムが起動することであってもよい。また、複数の照明装置Lが上述の初期設定モードと通常モードとの切り替えが可能な構成である場合、複数の照明装置Lを初期設定モードに設定するステップであってもよい。制御装置Ctまたは設定装置Sdからすべての照明装置Lに、切替信号を送信する。この切替信号は、各照明装置Lを初期設定モードに設定することを指示する信号である。切替信号の送信は、たとえば、ブロードキャスト通信によって、すべての照明装置Lに向けて送信する。この際、電波干渉による信号の欠落を抑えるために、複数の周波数による送信を行うことが好ましい。たとえば、第1周波数、第2周波数、第3周波数の3種類の周波数で送信する。全ての周波数を送信したら切替信号の送信を終了する。
【0076】
切替信号を受信した照明装置Lは、制御部12が初期設定モードに切り替える制御を行う。すなわち、無線通信部14から自ユニットの識別情報(たとえばMACアドレス)を含むビーコン信号を定期的に出力する。本実施形態においては、
図6に示すように、ビーコン信号は、第1ビーコン信号、第2ビーコン信号および第3ビーコン信号を含む。制御部12は、たとえば、20秒に1回、無線通信部14から第1ビーコン信号、第2ビーコン信号および第3ビーコン信号を送信するように設定する。なお、設置した照明装置Lが既に初期設定モードとなっている場合は、変更せずにそのままのモードを維持する。
【0077】
〔ステップS1〕
ステップS1においては、設定方法のプログラムは、
図9に示すように、設定装置Sdの表示部51に設定画面Scを表示させる。設定画面Scは、モード表示領域Ar1、リスト表示領域Ar2、配置情報領域Ar3およびコマンド指定領域Ar4を含む。モード表示領域Ar1は、捕捉デバイスCpが、第1捕捉モードおよび第2捕捉モードのいずれであるかを表示する領域である。リスト表示領域Ar2は、第1ビーコン信号、第2ビーコン信号および第3ビーコン信号に含まれる識別情報および受信強度をリスト表示する領域である。配置情報領域Ar3は、複数の照明装置Lの配置を表示する領域である。また、コマンド指定領域Ar4は、本実施形態の設定方法においてユーザが操作入力するための領域であり、図示された例においては、捕捉ボタンBt1、設定ボタンBt2、取得ボタンBt3および取消ボタンBt4が表示されている。
【0078】
〔ステップS2〕
次に、ステップS2を実行する。ステップS2では、設定装置Sdが、公衆通信回線網Inを介して、サーバとしてのクラウドCLから、複数の照明装置Lの配置情報を取得する。クラウドCLは、たとえば、
図10に示す複数の照明装置Lの配置情報を記憶している。配置情報の態様は、上述の通り何ら限定されず、本例においては、設定装置Sdのアプリ(たとえば表計算アプリ)が読み込み可能な形式のデータに整形されている。また、この配置情報においては、複数の照明装置Lの実際の配置場所に対応した配置アドレスが付与されている。図示された配置アドレスは、A-01~A-06である。「A」は、たとえばグループを示す部分であり、A,B,C・・・等の文字が割り当てられる。「01」は、グループにおける照明装置Lの識別番号であり、01,02,03・・・等の文字が割り当てられる。このような形式の配置アドレスを採用することにより、ユーザは、配置アドレスを確認することにより、対象とする照明装置Lがどの場所に配置されているものであるかを、より迅速かつ確実に把握することができる。
【0079】
図11に示すように、ユーザが、取得ボタンBt3にタッチすることにより、クラウドCLから設定装置Sdに配置情報が取得される。なお、取得ボタンBt3の操作形態は何ら限定されず、マウスによるクリック操作、キーボードを用いた押下操作や、表示部51がタッチパネルである場合には、取得ボタンBt3にタッチする操作等が挙げられ、何ら限定されない。この点は、他の操作についても同様である。設定方法のプログラムは、設定装置Sdの表示部51に表示された設定画面Scの配置情報領域Ar3に、配置情報のすべてまたは所定部分を表示させる。図示された例においては、複数の照明装置Lの一部が表示されている。また、複数の照明装置Lの近傍に、それぞれに対応する配置アドレスが表示されていてもよい。
【0080】
〔ステップS3〕
次に、ステップS3を実行する。ステップS3は、設定装置Sdの捕捉デバイスCpの捕捉モードを、第1捕捉モードおよび第2捕捉モードのいずれかに設定するステップである。ステップS3は、たとえば、
図12に示すように、ユーザが設定画面Scのモード表示領域Ar1をタッチすることにより、捕捉モードの選択肢をたとえばプルダウンメニューによって表示し、リスト表示された複数の捕捉モードから所望の捕捉モードをタッチすることにより選択することによって実行される。あるいは、ステップS3は、設定装置Sdの制御部52がプログラム等を実行することにより、自動的に実行されてもよい。たとえば、複数の照明装置L、制御装置Ct、操作端末Te、および捕捉デバイスCp等に実装された個々のプログラムのバージョンを確認し、そのバージョン番号等に応じて、第1捕捉モードおよび第2捕捉モードのいずれかを選択してもよい。
【0081】
第1捕捉モードを選択するケースとしては、たとえばビーコン信号を送信する周波数のチャンネル数が過度に多くなく、適度な数であり、電波の干渉が相対的に起こりにくい場合に、捕捉に要する時間を短縮するケースが挙げられる。第2捕捉モードを選択するケースとしては、電波の衝突が想定される程度にチャンネル数が設定されているケースが挙げられる。
図12に示す例においては、ユーザにより、第1捕捉モード(同時捕捉モード)が選択されている。
【0082】
〔ステップS4〕
次いで、ステップS4を実行する。ステップS4では、まず、
図1に示す捕捉デバイスCpを、ペアリング処理の対象とされる照明装置Lに、ユーザが近接させる。本例においては、配置情報のA-01と想定される照明装置Lに捕捉デバイスCpを近接させる。その状態において、
図13に示すように、設定画面Scのコマンド指定領域Ar4の捕捉ボタンBt1にユーザがタッチする。これにより、捕捉デバイスCpによってビーコン信号を受信する。本例においては、捕捉デバイスCpが第1捕捉モードに設定されている。このため、
図6に例示されるように複数の照明装置Lから送信された第1ビーコン信号、第2ビーコン信号および第3ビーコン信号を、
図7(a)に示す第1捕捉モードに設定された第1受信モジュール571、第2受信モジュール572および第3受信モジュール573によって受信する。
【0083】
捕捉デバイスCpの捕捉により、ペアリング処理の対象と想定される照明装置Lからのビーコン信号と、この照明装置Lの近傍に配置された他の複数の照明装置Lからのビーコン信号とが、捕捉デバイスCpにより受信される。捕捉デバイスCpにおいては、第1受信モジュール571、第2受信モジュール572、第3受信モジュール573の各々が、各照明装置Lから受信した第1ビーコン信号、第2ビーコン信号および第3ビーコン信号の少なくともいずれかに含まれる識別情報と受信強度(RSSI値)とを、制御部58に送信する。この際、第1受信モジュール571、第2受信モジュール572、第3受信モジュール573が、識別情報と受信強度(RSSI値)とのいずれかまたは双方を一時的に記憶してもよい。制御部58は、各照明装置Lの識別情報と受信強度(RSSI値)とを、操作端末Teに送信する。
【0084】
操作端末Teの制御部52は、送信された各照明装置Lの識別情報と受信強度(RSSI値)とを、
図13に示すように、設定画面Scのリスト表示領域Ar2にリスト表示する。リスト表示する順序は何ら限定されず、図示された受信強度(RSSI値)が大きい順に表示されている。図示された例においては、複数の照明装置LのRSSI値が大きいものから順に、No.1~Nが付与され、この順で並べられている。
【0085】
図示された例においては、順列を示すNo.(番号)、各照明装置Lの固有信号に含まれているMACアドレス、配置情報のグループおよび識別番号、およびRSSI値、が表示されている。MACアドレスは、識別情報の一例である。ステップS4においては、各照明装置Lと配置情報とのペアリング処理がいまだ実行されていないため、各照明装置Lの配置情報のグループおよび識別番号は、空欄または0等が表示されている。
【0086】
〔ステップS5〕
次に、ステップS5を実行する。ステップS5においては、ペアリング対象の「A-01」の照明装置Lと、リスト表示領域Ar2にリスト表示された複数の照明装置Lのいずれかとを対応付ける。この対応付けの具体的な操作は、何ら限定されない。
図14に示す例においては、リスト表示領域Ar2に表示された複数の照明装置Lのうち「A-01」の照明装置Lと想定される照明装置Lの部分に、ユーザがタッチする。図示された例においては、No.1の照明装置Lにタッチしている。上述した通り、ステップS4において、ユーザが「A-01」と想定される照明装置Lの近傍に捕捉デバイスCpを配置させた状態で、ビーコン信号を受信している。このため、最も受信強度(RSSI値)が大きいNo.1の照明装置Lが「A-01」の照明装置Lと判断される。図示された例においては、ユーザがタッチすると、グループおよび識別番号の部分にプルダウンメニューが表示される。ユーザは、プルダウンメニューから、ペアリング処理すべき配置情報に対応するグループおよび識別番号を選択する。このようなユーザの操作の結果、
図15に示すように、グループとして「A」が選択され、識別番号として「01」が選択されている。また、同図の配置情報領域Ar3においては、ペアリング処理の対象として選択された「A-01」の照明装置Lにハッチングが付されている。
【0087】
No.1の選択結果が適切である場合、ユーザは、設定ボタンBt2にタッチする。これにより、制御部52は、No.1の照明装置LのMACアドレス(識別情報)と配置情報(A-01)とを対応付け、たとえば記憶部53に記憶させる。これにより、配置情報がA-01の照明装置Lのペアリング処理が完了する。なお、No.1の選択結果が不適切である場合、ユーザは、取消ボタンBt4にタッチすることにより、ステップS5の選択操作結果をキャンセルし、再度選択操作を行ってもよい。
【0088】
なお、ステップS5における照明装置Lの選択操作の具体的な態様は、何ら限定されない。たとえば、リスト表示領域Ar2においてペアリング処理の対象と想定されるNo.1の部分をタッチすることと、配置情報領域Ar3においてペアリング処理の対象である「A-01」の照明装置Lとタッチすることと、を行うことにより、No.1の照明装置Lと「A-01」の照明装置Lとがペアリングされる構成であってもよい。この場合、ユーザは、プルダウンメニューから所望の文字等を選択する必要はない。
【0089】
あるいは、
図16に示すように、いわゆるドラッグ・アンド・ドロップの手法によって、選択操作を行ってもよい。たとえば、ユーザが、配置情報領域Ar3の「A-01」の照明装置Lをドラッグし、リスト表示領域Ar2のNo.1の部分にドロップすることにより、選択操作を行ってもよい。なお、リスト表示領域Ar2のNo.1の部分をドラッグし、配置情報領域Ar3の「A-01」の照明装置Lにドロップしてもよい。
【0090】
〔ステップS6〕
ステップS6では、ペアリング処理の対象である複数の照明装置Lについて、すべての照明装置Lのペアリング処理が完了したかを判断する。この判断は、ユーザの表示部51に対する操作によって判断されてもよいし、設定装置Sdにインストールされたプログラムが、ペアリング処理が完了した照明装置Lの個数と、予め記憶されたペアリング処理すべき照明装置Lの個数とを比較することによって判断されてもよい。すべての設定が完了している場合(ステップS6:Yes)、設定装置Sdのプログラムは、ペアリング処理を終了する(ステップS7)。すべての設定が完了していない場合(ステップS6:No)、当該プログラムは、たとえばステップS3からの処理を繰り返し実行する。
【0091】
複数の照明装置Lのすべてのペアリング処理が完了した後は、たとえば設定装置Sdの制御部52が複数の照明装置Lの識別情報と配置情報とのペアリング処理結果を、制御装置Ctに送信する。また、制御部52は、クラウドCLにペアリング処理結果を送信してもよい。制御装置Ctは、送信されたペアリング処理結果に基づいて、複数の照明装置Lの点灯制御を行うための点灯制御信号を適宜送信する。この点灯制御においては、複数の照明装置Lの配置情報に紐づいて時間ごとの調光値、調色値等が設定された、スケジュール情報に基づいて、点灯制御信号が生成されてもよい。
【0092】
次に、照明システムA1、捕捉デバイスCp、照明システムA1の設定方法、設定装置Sdの設定画面の表示方法、および設定装置Sdのプログラムの作用について説明する。
【0093】
本実施形態によれば、
図6に示すように、複数の照明装置Lの各々は、少なくとも第1ビーコン信号および第2ビーコン信号を互いに異なるタイミングで送信する。設定装置Sdの捕捉デバイスCpは、少なくとも、第1受信モジュール571および第2受信モジュール572を有しており、少なくとも第1ビーコン信号および第2ビーコン信号を受信可能である。このため、複数の照明装置Lが送信するビーコン信号が互いに干渉しあう場合や、複数の照明装置L以外の周辺機器からの無線信号により、第1ビーコン信号および第2ビーコン信号のいずれかに干渉が生じている場合等に、より迅速かつ確実に、第1ビーコン信号および第2ビーコン信号の少なくともいずれかを捕捉デバイスCpによって受信することが可能である。したがって、より適切にペアリング処理を行うことができる。このような構成においては、たとえば
図13に示す捕捉ボタンBt1にユーザがタッチしてからリスト表示領域Ar2のリスト表示が完了するまでの時間短縮が期待できる。さらに、本実施形態においては、照明装置Lは、第1ビーコン信号および第2ビーコン信号に加えて第3ビーコン信号を送信し、捕捉デバイスCpは、第1ビーコン信号および第2ビーコン信号に加えて第3ビーコン信号を受信可能である。これは、ペアリング処理に要する時間をさらに短縮するのに有利である。
【0094】
捕捉デバイスCpは、第1受信モジュール571および第2受信モジュール572を有する。第1受信モジュール571および第2受信モジュール572は、それぞれに固有の周波数のビーコン信号を受信可能であり、それぞれが独立して受信処理を実行する。このため、捕捉デバイスCpにおいて、第1受信モジュール571と第2受信モジュール572との動作が干渉すること等を回避することが可能である。また、第1受信モジュール571と第2受信モジュール572とを同時に動作させたり(第1捕捉モード)、時分割で動作させたり(第2捕捉モード)、といったより多彩な捕捉態様を実現することができる。
【0095】
捕捉デバイスCpは、ステップS3において、たとえば
図12に示す操作により、第1捕捉モードと第2捕捉モードとを切り替えることが可能である。これにより、たとえばビーコン信号を送信する周波数のチャンネル数が過度に多くなく、適度な数であり、電波の干渉が相対的に起こりにくい場合に、第1捕捉モードを選択することにより、捕捉に要する時間を短縮することが可能である。一方、電波の衝突が想定される程度にチャンネル数が設定されている場合に、第2捕捉モードを選択することにより、電波の衝突による受信の不備を低減することが可能である。
【0096】
図13に示すように、設定画面Scには、モード表示領域Ar1が設定されている。モード表示領域Ar1には、選択されている捕捉モードが表示される。これにより、選択中の捕捉モードを、ユーザが視覚的に常時確認可能であり、選択された捕捉モードを念頭にペアリング処理を行うことができる。たとえば、いずれかの捕捉モードが選択された状態でペアリング処理を行い、ペアリング処理が不安定である場合に、他の捕捉モードを選択し直すことにより、ペアリング処理をより適切に行うことが可能となる。
【0097】
本発明に係る照明システム、捕捉デバイス、照明システムの設定方法、設定画面、およびプログラムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る照明システム、捕捉デバイス、照明システムの設定方法、設定画面の表示方法、およびプログラムの具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0098】
A1 :照明システム
11 :光源部
12 :制御部
13 :記憶部
14 :無線通信部
15 :電源部
21 :表示部
22 :制御部
23 :記憶部
24 :無線通信部
25 :電源部
50 :操作部
51 :表示部
52 :制御部
53 :記憶部
54 :入出力部
55 :電源部
56 :入出力部
57 :無線通信部
58 :制御部
59 :電源部
61 :制御部
62 :記憶部
63 :通信部
571 :第1受信モジュール
572 :第2受信モジュール
573 :第3受信モジュール
Ar1 :モード表示領域
Ar2 :リスト表示領域
Ar3 :配置情報領域
Ar4 :コマンド指定領域
Bt1 :捕捉ボタン
Bt2 :設定ボタン
Bt3 :取得ボタン
Bt4 :取消ボタン
CL :クラウド
Cp :捕捉デバイス
Ct :制御装置
In :公衆通信回線網
L :照明装置
L1 :照明装置
Md :設定装置
Sc :設定画面
Sd :設定装置
Te :操作端末