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  • 特開-脱炭素活動管理システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158775
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】脱炭素活動管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20241031BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074293
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】522188015
【氏名又は名称】合同会社ESSH
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】坂本 光代
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】脱炭素活動を総合的に評価し、その活動を促進する脱炭素活動管理システムを提供する。
【解決手段】脱炭素活動に対して付与されるトークンを管理する脱炭素活動管理システムであって、脱炭素活動に対して、活動内容に対応したトークンを特定するトークン特定部と、トークン特定部で特定されたトークンを、脱炭素活動に関係する一または複数の企業に対して、予め定められた規則に従って分配するトークン分配部と、トークン分配部によりトークンが分配される一または複数の企業の一部または全部を対象に対して、脱炭素活動に関連するコンテンツの利用権を付与するコンテンツ利用権付与部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱炭素活動に対して付与されるトークンを管理する脱炭素活動管理システムであって、
前記脱炭素活動に対して、活動内容に対応した前記トークンを特定するトークン特定部と、
前記トークン特定部で特定されたトークンを、前記脱炭素活動に関係する一または複数の企業に対して、予め定められた規則に従って分配するトークン分配部と、
前記トークン分配部によりトークンが分配される一または複数の企業の一部または全部を対象に対して、前記脱炭素活動に関連するコンテンツの利用権を付与するコンテンツ利用権付与部とを備えることを特徴とする脱炭素活動管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の脱炭素活動管理システムにおいて
前記コンテンツ利用権付与部は、付与された前記コンテンツの利用権が譲渡可能に構成され、譲渡された該コンテンツの利用権を管理することを特徴とする脱炭素活動管理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の脱炭素活動管理システムにおいて、
前記トークン分配部により分配された前記トークンを使用してWeb上または仮想空間上でのアトラクションの利用を可能とするWeb上または仮想空間利用部を備えることを特徴とする脱炭素活動管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱炭素活動に対して付与されるトークンを管理する脱炭素活動管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の炭素コイン取引装置としては、下記特許文献1に示すように、当該炭素コイン装置が消費エネルギーデータに基づき、設備の炭素排出量を計算し、さらに獲得できる有価デジタルトークンを算出するとともに、炭素コイン取引を生成する装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-176921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる炭素コイン取引装置は、単に炭素排出量を計算してトークンを発行するに過ぎず、脱炭素活動を総合的に評価し、その活動を促進するものにはなっていないという問題があった。
【0005】
以上の事情に鑑みて、本発明は、脱炭素活動を総合的に評価し、その活動を促進する脱炭素活動管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明の脱炭素活動管理システムは、脱炭素活動に対して付与されるトークンを管理する脱炭素活動管理システムであって、
前記脱炭素活動に対して、活動内容に対応した前記トークンを特定するトークン特定部と、
前記トークン特定部で特定されたトークンを、前記脱炭素活動に関係する一または複数の企業に対して、予め定められた規則に従って分配するトークン分配部と、
前記トークン分配部によりトークンが分配される一または複数の企業の一部または全部を対象に対して、前記脱炭素活動に関連するコンテンツの利用権を付与するコンテンツ利用権付与部と
を備えることを特徴とする。
【0007】
第1発明の脱炭素活動管理システムによれば、脱炭素活動に関連してトークンが分配される一または複数の企業の一部または全部を対象に対して、脱炭素活動に関連するコンテンツの利用権を付与することで、単に、単に炭素排出量を計算してトークンなどの仮想通貨を発行する場合と異なり、脱炭素活動を総合的に評価し、その活動を促進することができる。
【0008】
このように、第1発明の脱炭素活動管理システムは、脱炭素活動を総合的に評価し、その活動を促進することができる。
【0009】
第2発明の脱炭素活動管理システムは、第1発明において、
前記コンテンツ利用権付与部は、付与された前記コンテンツの利用権が譲渡可能に構成され、譲渡された該コンテンツの利用権を管理することを特徴とする。
【0010】
第2発明の脱炭素活動管理システムによれば、付与されるコンテンツの利用権を譲渡可能に構成して、これを管理することで、コンテンツ自体を資産として活用することに加えて、脱炭素活動に関連するコンテンツを広く活用して脱炭素活動自体を周知することができる。
【0011】
このように、第2発明の脱炭素活動管理システムは、コンテンツの活用を通して、実際に、脱炭素活動を総合的に評価し、その活動を促進することができる。
【0012】
第3発明の脱炭素活動管理システムは、第1または第2発明において、
前記トークン分配部により分配された前記トークンを使用してWeb上または仮想空間上でのアトラクションの利用を可能とするWeb上または仮想空間利用部を備える
第3発明の脱炭素活動管理システムによれば、配分されたトークン自体をWeb上または仮想空間上でのアトラクションの利用を可能とすることで、トークン自体を資産として活用することに加えて、Web上または仮想空間上でのアトラクションの利用を通して、実際に、脱炭素活動を総合的に評価し、その活動を促進することに寄与することができる。
【0013】
このように、第3発明の脱炭素活動管理システムは、トークン自体をWeb上または仮想空間上でのアトラクションの利用を通して、脱炭素活動を総合的に評価し、その活動を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の脱炭素活動管理システムの構成を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、本実施形態の脱炭素活動管理システムは、脱炭素活動に対して付与されるトークンを管理するシステムであって、トークン特定部11と、トークン分配部12と、コンテンツ利用権付与部13と、仮想空間利用部14とを備える。
【0016】
脱炭素活動は、脱炭素に寄与する生産活動のみならず、企業努力したCSRやSDGsにも広義の脱炭素活動として、トークン付与の対象としてもよい。
【0017】
トークンは、カーボン削減項目、削減量に応じたトークンや温室効果ガスの排出削減量吸収量に応じたクレジットであるJクレジットと同等または対応して付与される点数であって、本実施形態は特にオリジナルのトークンが付与される。
【0018】
トークン特定部11は、脱炭素活動に対して、活動内容に対応したトークンを特定する。
【0019】
トークン分配部12は、トークン特定部11で特定されたトークンを、脱炭素活動に関係する一または複数の企業に対して、予め定められた規則に従って分配する。
【0020】
ここで、トークン特定部11およびトークン分配部12によるトークンの付与対象者は、トークンやJクレジットで認められる対象企業のほか、当該活動に資金等を提供して活動を支援する企業(寄付企業)や支援者(寄付者)が含まれる。
【0021】
コンテンツ利用権付与部13は、トークン分配部12によりトークンが分配される一または複数の企業の一部または全部を対象に対して、脱炭素活動に関連するコンテンツの利用権を付与する。
【0022】
さらに、コンテンツ利用権付与部13では、付与されたコンテンツの利用権が譲渡可能に構成され、譲渡された該コンテンツの利用権を管理する。
【0023】
仮想空間利用部14は、トークン分配部12により分配されたトークンを使用して仮想空間上でのアトラクションの利用を可能とする。
【0024】
仮想空間上のアトラクションは、仮想空間上に設定された各種ゲームのほか、仮想空間上において一定空間の占有を認めることを含む概念である。
【0025】
以上が本実施形態の脱炭素活動管理システムの構成である。以上の構成において、トークン特定部11と、トークン分配部12と、コンテンツ利用権付与部13と、仮想空間利用部14とは、それぞれ例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only memory)、RAM(Random Access Memory)等のハードウェアにより構成され、各種処理を実行するプログラムをメモリ(不図示)に記憶保持し、そのプログラムを実行することにより、各種処理を実行するための演算装置(シーケンサ)として機能する。
【0026】
以上のように構成された脱炭素活動管理システムの処理内容によれば、例えば、廃棄物等から二次製品を加工した販売する場合には、廃棄物を受け入れて二次製品を加工する加工業者のほか、二次製品を取り扱って販売を行う卸売業者や販売者のほか、購入者に対して、トークン特定部11により脱炭素活動の活動内容に応じて特定されたトークンを、トークン分配部12により、予め定められた規則に従って分配が行われる。
【0027】
なお、当該脱炭素活動に資金等を提供して活動を支援する企業(寄付企業)や支援者(寄付者)が存在する場合には、これらに対しても予め定められた規則に従ってトークンの分配が行われる。
【0028】
そして、トークンが付与される企業の一部または全部に対して、脱炭素活動に関連するコンテンツの利用権が付与される。例えば、コンテンツとしては、当該脱炭素活動に関連する映像コンテンツである動画(例えば、ヒーリング動画)や写真であって、利用権としては、これら動画や写真の上映権等の著作権法上の各種権利の一部または全部の利用を認めるものである。
【0029】
ここで、付与されたコンテンツの利用権は、譲渡可能に構成されるため、付与を受けた企業等は、コンテンツを他の企業や団体等に譲渡してもよい。この場合、利用権の権利者情報は、コンテンツ利用権付与部13により、譲渡の経過情報を含めて、現権利者や権限範囲が管理される。
【0030】
また、トークンの分配を受けた企業等は、分配されたトークンを使用して仮想空間上での特定のアトラクションの利用することができると共に、トークン自体を、例えば仮想通貨の交換所などで売買(交換)可能に構成されてもよい。
【0031】
脱炭素活動管理システムの処理内容によれば、脱炭素活動に関連してトークンが分配される一または複数の企業の一部または全部を対象に対して、脱炭素活動に関連するコンテンツの利用権を付与し、仮想空間上でのアトラクションの利用可能とすることで、単に、単に炭素排出量を計算してトークンなどの仮想通貨を発行する場合と異なり、脱炭素活動を総合的に評価し、その活動を促進することができる。
【0032】
このように、本実施形態の脱炭素活動管理システムは、脱炭素活動を総合的に評価し、その活動を促進することができる。
【0033】
なお、本実施形態の脱炭素活動管理システムでは、分配されたトークンを用いて仮想空間上のアトラクションが利用可能に構成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、Web上でのゲーム等を利用可能に構成してもよい。
【0034】
また、本実施形態の脱炭素活動管理システムでは、CO2削減量またはSDGsの取組みのデータや発行・分配されるトークンはデータ化してブロックチェーンにより管理される。
【符号の説明】
【0035】
11…トークン特定部、12…トークン分配部、13…コンテンツ利用権付与部、14…仮想空間利用部。
図1