(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158794
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】防災設備の設計支援装置
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20241031BHJP
G06F 30/10 20200101ALI20241031BHJP
【FI】
G06F30/13
G06F30/10 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074322
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】冨田 寿幸
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146DC05
5B146DE06
5B146EA10
5B146EC04
(57)【要約】
【課題】ユーザの防火対象施設に適合した防災設備を、所望の場所ごとに視覚的に把握できる情報として提供することのできる防災設備の設計支援装置を得る。
【解決手段】防火対象施設に対応した3Dモデルを作成するモデル作成部と、3Dモデルに対して防火対象施設に設置する防災設備を追加した3Dレイアウト図を作成するレイアウト図作成部と、視線および断面を特定する操作入力に基づいて、3Dレイアウト図を表示させる表示制御部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防火対象施設に対応した3Dモデルを作成するモデル作成部と、
前記3Dモデルに対して前記防火対象施設に設置する防災設備を追加した3Dレイアウト図を作成するレイアウト図作成部と、
視線および断面を特定する操作入力に基づいて、前記3Dレイアウト図を表示させる表示制御部と
を備える防災設備の設計支援装置。
【請求項2】
前記レイアウト図作成部は、
前記防火対象施設に対応して作成された前記3Dモデルに関して、それぞれの防火区画ごとに
耐火構造か否か、
開口部があるか否か、
床面積、
天井高さ
の少なくともいずれか1つの設計パラメータが設定されており、
前記設計パラメータに基づいて前記防災設備の設置台数、設置位置、種別を前記防火区画ごとに特定することで、前記3Dレイアウト図を作成する
請求項1に記載の防災設備の設計支援装置。
【請求項3】
前記レイアウト図作成部は、
作成した前記3Dレイアウト図をサーバに保存させ、
前記表示制御部の機能を備えた他の装置が前記サーバにアクセスすることで、前記サーバから読み出した前記3Dレイアウト図を3Dビューワソフトにより表示させることを可能とする
請求項1または2に記載の防災設備の設計支援装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記操作入力に基づいて設定された前記視線および前記断面に基づいて、3次元プリンタを用いて前記3Dレイアウト図に対応する断面モデルを形成させるための印字出力を行う
請求項1または2に記載の防災設備の設計支援装置。
【請求項5】
前記レイアウト図作成部は、前記防火対象施設の火災シミュレーションを実行するために必要なシミュレーション条件を取得し、前記シミュレーション条件に基づく火災シミュレーション結果を目視で確認するための複数の表示データを提供するシミュレーションモデルが構築されるように前記3Dレイアウト図を作成するシミュレーションモデル構築機能を有しており、
前記表示制御部は、前記3Dレイアウト図を用いて火災シミュレーションを実行することで、火災の拡大状況に関する時間推移および避難状況に関する時間推移の少なくともいずれか一方を前記火災シミュレーション結果として算出するとともに、算出結果に基づいて前記複数の表示データを生成し、生成した前記複数の表示データの中から、操作入力に対応して選択された表示データを表示させるシミュレーション実行機能を有している
請求項1または2に記載の防災設備の設計支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、防火対象施設に対して防災設備を設置した状態を3Dレイアウト図として表示する防災設備の設計支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
受信機、発信機、中継器、音響装置、感知器等を備えて構成され、火災から防火対象施設である建物などの内部にいる人々を守る防災設備として、自動火災報知設備がある(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
自動火災報知設備では、感知器が熱や煙を感知することで、受信機に対して火災信号を送信する。火災信号を受信した受信機は、火災発生場所に応じて、警報を発し、音響装置を鳴動させ、防火対象施設内にいる人に火災の発生を知らせている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】能美防災株式会社 ホームページ、自動火災報知設備(URL:https://www.nohmi.co.jp/product/materiel/fid.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、お城、公共施設、工場、雑居ビルなどの火災事故についてのニュースが散見される。そこで、例えば、事業継続計画を立てる上で、防火対象施設の責任者、管理者等(すなわち、防災設備のユーザ)の立場としては、現状の防災設備が適切であるか、改良すべき点はないか、新規の防火対象施設においてどのような防災設備を設置すべきか、などを正確に把握することが重要となる。
【0006】
一方、自動火災報知設備に代表される防災設備の製造メーカの立場としては、既存のユーザあるいは新規のユーザに対して、それぞれのユーザにおける防火対象施設に適した防災設備を提案することが重要となる。
【0007】
製造メーカにとっては、個々のユーザの防火対象施設に適した防災設備に関するレイアウトを、視覚的に正確に把握することができれば、設計効率の向上が図れるとともに、営業ツールの一助となる。
【0008】
また、顧客にとっては、視覚的にレイアウトを確認できることで、製造メーカから提案された防災設備に関する理解を深めることが可能となる。
【0009】
換言すると、顧客ごとにカスタマイズした防災設備を、防火対象施設の所望の場所ごとに目視にて確認することができれば、メーカの営業ツールとしても活用でき、ユーザおよびメーカの両方にとって有用な情報提供を行うことができる。
【0010】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、ユーザの防火対象施設に適合した防災設備を、所望の場所ごとに視覚的に把握できる情報として提供することのできる防災設備の設計支援装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示に係る防災設備の設計支援装置は、防火対象施設に対応した3Dモデルを作成するモデル作成部と、3Dモデルに対して防火対象施設に設置する防災設備を追加した3Dレイアウト図を作成するレイアウト図作成部と、視線および断面を特定する操作入力に基づいて、3Dレイアウト図を表示させる表示制御部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ユーザの防火対象施設に適合した防災設備を、所望の場所ごとに視覚的に把握できる情報として提供することのできる防災設備の設計支援装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る防災設備の設計支援装置の機能ブロック図である。
【
図2】本開示の実施の形態1に係る防災設備の設計支援装置を利用して得られる3Dモデルおよび3Dレイアウト図に関する第1の説明図である。
【
図3】本開示の実施の形態1に係る防災設備の設計支援装置を利用して得られる3Dモデルおよび3Dレイアウト図に関する第2の説明図である。
【
図4】本開示の実施の形態1における防災設備の設計支援装置の活用方法に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の防災設備の設計支援装置の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
本開示に係る防災設備の設計支援装置は、顧客ごとに異なる防火対象施設に適合した防災設備を、操作入力に基づいて所望の視線から所望の断面を見たときの3Dレイアウト図として情報提供することを技術的特徴とするものである。
【0015】
実施の形態1.
図1は、本開示の実施の形態1に係る防災設備の設計支援装置の機能ブロック図である。本実施の形態1に係る防災設備の設計支援装置10は、モデル作成部11、レイアウト図作成部12、表示制御部13、および表示部14を備えて構成されている。
【0016】
本実施の形態1に係る防災設備の設計支援装置10は、
図1に示した構成を備えることで、個々のユーザの防火対象施設に適合するように構成された防災設備の配置を、3Dレイアウト図として情報提供できる。
【0017】
特に、防災設備の設計支援装置10は、操作入力に基づいて所望の視線から所望の断面を見たときの3Dレイアウト図を表示させることができる。そこで、
図1に示した各構成の機能について、詳細に説明する。
【0018】
モデル作成部11は、顧客ごとに個別の防火対象施設に対応した3Dモデルを作成する機能を備えている。従来、自動火災報知設備に関する図面は、平面図として作成し、管理されていた。しかしながら、3DCADの普及に伴い、設計段階から平面図ではなく、3D図面を作成する機会も増えつつある。そこで、自動火災報知設備の設計者は、モデル作成部11を利用して、顧客ごとに個別の防火対象施設に対応した3Dモデルを作成する。
【0019】
なお、3Dモデルの作成において、建物の設計会社や施工会社が作成した3Dモデルのデータそのものを利用してもよいし、加工やデータ変換して利用してもよい。これも3Dモデルの作成に該当する。
【0020】
レイアウト図作成部12は、モデル作成部11によって作成された3Dモデルに対して、防火対象施設に設置する防災設備を追加した3Dレイアウト図を作成する機能を備えている。自動火災報知設備の設計者は、レイアウト図作成部12を利用して、モデル作成部11によって作成された3Dモデルに対して、火災感知器等の防災設備を配置し、顧客ごとに個別の3Dレイアウト図を作成する。
【0021】
表示制御部13は、視線および断面を特定する操作入力に基づいて、レイアウト図作成部12によって作成された3Dレイアウト図を、3Dビューワソフトなどの3D表示に適した機能を備えるソフトウェアにより表示させることが可能なデータに変換して表示部14に表示させる機能を備えている。
【0022】
従って、防災設備の設計支援装置10の利用者は、表示制御部13への操作入力として、所望の視線および所望の断面を設定することで、所望の視線から所望の断面を見たときの3Dレイアウト図の情報提供を受けることができる。
【0023】
このような操作入力は、設計者だけでなく、営業マン、あるいは顧客が行うことも可能である。すなわち、設計者によって顧客ごとに個別の3Dレイアウト図が作成された後には、所望の視線から所望の断面を見たときの3Dレイアウト図の情報提供を受けたい利用者であれば誰でも、操作入力を行うことが可能である。
【0024】
なお、表示制御部13は、操作入力に基づいて設定された前記視線および前記断面に基づいて、外部に接続された3次元プリンタ20を用いて3Dレイアウト図に対応する断面モデルを形成させるための印字出力を行うことも可能である。
【0025】
すなわち、オプション機能として、3次元プリンタ20を用いることで、フロアごと、あるいは特定の防火区画に関して、3次元モデルを形成することができる。従って、形成された3次元モデルを、設計レビュー、顧客へのプレゼンテーション等に活用することができる。
【0026】
図2は、本開示の実施の形態1に係る防災設備の設計支援装置10を利用して得られる3Dモデルおよび3Dレイアウト図に関する第1の説明図である。
図2では、防火対象施設100が3階建ての略直方体である場合について、
図2(A)および
図2(B)の2図を例示している。
【0027】
図2(A)は、防火対象施設100に対して、所望の視線D1および所望の断面X-X’が操作入力として設定された状態を示している。
図2(B)は、このような操作入力に基づいて、所望の視線D1から所望の断面X-X’を見たときの3Dレイアウト図を示している。
【0028】
図2(B)による3Dレイアウト図では、3階建ての防火対象施設100が所望の断面X-X’によって輪切りされ、所望の視線D1から見た3D表示として示されている。モデル作成部11およびレイアウト図作成部12を活用することで、設計者は、防火対象施設100内の各防火区画110に対して、所望の位置に防災機器を設置し、3Dレイアウト図を作成することができる。
【0029】
さらに、設計者だけでなく、営業マン、あるいは顧客などは、このような3Dレイアウト図を視認することで、防火区画110ごとに、どの位置に防災設備200が設置されているかを容易に認識することができる。
【0030】
図3は、本開示の実施の形態1に係る防災設備の設計支援装置10を利用して得られる3Dモデルおよび3Dレイアウト図に関する第2の説明図である。
図3では、先の
図2(A)で示された防火対象施設100に対して、
図2(A)とは異なる視線および断面を設定した場合について、
図3(A)および
図3(B)の2図を例示している。
【0031】
図3(A)は、防火対象施設100に対して、所望の視線D2および所望の断面Y-Y’が操作入力として設定された状態を示している。
図3(B)は、このような操作入力に基づいて、所望の視線D2から所望の断面Y-Y’を見たときの3Dレイアウト図を示している。
【0032】
図3(B)による3Dレイアウト図では、3階建ての防火対象施設100が所望の断面Y-Y’によって輪切りされ、所望の視線D2から見た3D表示として示されている。モデル作成部11およびレイアウト図作成部12を活用することで、設計者は、先の
図2と同様に、防火対象施設100内の各防火区画110に対して、所望の位置に防災機器を設置し、3Dレイアウト図を作成することができる。
【0033】
さらに、設計者だけでなく、営業マン、あるいは顧客などは、このような3Dレイアウト図を視認することで、防火区画110ごとに、どの位置に防災設備200が設置されているかを容易に認識することができる。
【0034】
なお、
図2および
図3において、表示制御部13は、3Dレイアウト図を3Dビューワソフトにより表示させるとともに、3Dレイアウト図を自由に回転、拡大させて、所望の領域を所望の方向から視認させることができる。さらに、レイアウト図作成部12を活用することで、必要に応じて、防災設備200の設置位置を変更することができる。
【0035】
従って、防災設備の設計支援装置10の利用者は、
図2、
図3に示したように、防火対象施設100に適合した防災設備200を、所望の防火区画110ごとに視覚的に把握できる情報提供を受けることができる
【0036】
なお、レイアウト図作成部12は、防火対象施設100に対応して作成された3Dモデルに関して、それぞれの防火区画110ごとに、あらかじめ設定された設計パラメータに基づいて、防災設備200の設置台数、設置位置、種別を防火区画110ごとに特定するオプション機能を有している。
【0037】
設計パラメータの具体例としては、以下の項目が挙げられる。
パラメータ1:防火区画110が耐火構造か否か
パラメータ2:防火区画110に開口部があるか否か
パラメータ3:防火区画110の床面積
パラメータ4:防火区画110の天井高さ
【0038】
レイアウト図作成部12は、防災設備200の設置台数、設置位置、種別を防火区画110ごとに特定するための設計ルールをあらかじめ記憶している。従って、レイアウト図作成部12は、このようなオプション機能を有することで、これらの設計パラメータの少なくとも1つに基づいて、設計ルールを活用して、防災設備200の設置台数、設置位置、種別に関する推奨情報を、防火区画110ごとに提供することができる。
【0039】
また、防災設備の製造メーカの設計者は、自動的に防災設備200の設置台数、設置位置、種別を特定できるこのような機能を活用することで、設備設計の省力化を図ることができる。
【0040】
また、本願の出願人は、先願(特願2023-059692および特願2023-059693)において、ユーザの防火対象施設に適合したシミュレーションモデルに基づく火災シミュレーション結果を提供することのできる火災シミュレーションシステムに係る発明を出願済みである。
【0041】
そして、本実施の形態1に係る防災設備の設計支援装置は、先願に開示された火災シミュレーション機能を利用することで、ユーザの防火対象施設に適合した防災設備の3Dレイアウト図に対応した火災シミュレーション結果を得ることができる。この結果、火災シミュレーション結果を考慮した最適な防災設備を、ユーザの防火対象施設ごとに提供することができる。
【0042】
先願に開示された火災シミュレーション機能を本開示に係る防災設備の設計支援装置に適用するための具体的な構成の一例としては、レイアウト図作成部12、および表示制御部13に対して、以下のような付加機能を持たせることが考えられる。
【0043】
レイアウト図作成部12は、火災シミュレーション機能を実行するために、以下の付加機能を備えたシミュレーションモデル構築機能が必要となる。
・防火対象施設の火災シミュレーションを実行するために必要なシミュレーション条件を取得する機能。
・シミュレーション条件に基づく火災シミュレーション結果を目視で確認するための複数の表示データを提供することを可能とするシミュレーションモデルが構築されるように、3Dレイアウト図を作成する機能。
【0044】
さらに、表示制御部13は、火災シミュレーション機能を実行するために、以下の付加機能を備えた火災シミュレーション実行機能が必要となる。
・3Dレイアウト図を用いて火災シミュレーションを実行することで、火災の拡大状況に関する時間推移および避難状況に関する時間推移の少なくともいずれか一方を火災シミュレーション結果として算出するとともに、算出結果に基づいて複数の表示データを生成する機能。
・火災シミュレーション結果として生成された複数の表示データの中から、操作入力に対応して選択された表示データを表示部14に表示させる機能。
【0045】
特に、スプリンクラ設備、消火器などによる消火作業を考慮した火災シミュレーション結果を活用することで、最適な防災設備を、ユーザの防火対象施設ごとに提供することができる。
【0046】
近年では、視認するためのゴーグルを装着することで、仮想空間上での3Dモデルの視覚体験が可能となっている。これに対して、本実施の形態1に係る防災設備の設計支援装置は、ゴーグルなどが不要であり、防災機器のレイアウトを、簡単に画面上で立体的に確認することができる。
【0047】
さらに、上述した火災シミュレーション機能を活用することで、火災が発生したことを想定した避難訓練を、3D表示を視認しながら体験することができ、実効性のある避難訓練を実現することができる。
【0048】
次に、本実施の形態1に係る防災設備の設計支援装置10の活用方法について説明する。
図4は、本開示の実施の形態1における防災設備の設計支援装置10の活用方法に関する説明図である。
【0049】
防災設備の製造メーカにおいて設計部署1に所属する設計者は、防災設備の設計支援装置10を活用することで、3Dレイアウト図を作成することができる。設計者によって作成された3Dレイアウト図は、サーバ2に記憶させておくことで、営業部署3、顧客4、受信機・制御盤5、および施工・CS部署6のそれぞれにより、情報を共有化することができる。
【0050】
すなわち、レイアウト図作成部12は、作成した3Dレイアウト図をサーバ2に保存させておくことで、表示制御部13と同等の機能を備えた他の装置がサーバ2にアクセスし、サーバ2から読み出した3Dレイアウト図を3Dビューワソフトにより表示させることを可能とする。
【0051】
営業部署3は、サーバ2に記憶された3Dレイアウト図をダウンロードして、3Dビューワーにより顧客ごとにカスタマイズされた防災設備について、3Dモデルにより確認することができ、客先訪問時において立体的に分かり易く営業提案することが可能となる。
【0052】
さらに、火災シミュレーション機能を利用した場合には、営業部署3は、種々の場所で火災が発生したことを想定した上で、顧客ごとにカスタマイズされた適切な防災設備を営業提案することができる。
【0053】
顧客4は、サーバ2にアクセスすることで、自身の防火対象施設100に設置された防災設備について、必要に応じて3Dによる表示情報を得ることができる。また、火災シミュレーション機能をさらに活用することで、火災が発生したことを想定した避難訓練を行うことができる。特に、徐々に火災が広がり、煙が充満していく状況を想定し、より現実的な避難訓練を実現できる。
【0054】
受信機・制御盤5は、例えば、防災機器の一種である火災感知器から火災信号を受信した場合には、サーバ2に記憶された3Dレイアウト図を利用することで、火災感知器による発報場所を3Dモデルとして表示することができる。
【0055】
施工・CS部署6は、自動火災報知設備の施工時あるいは保守時において、受信機・制御盤5に表示される3Dレイアウト図を利用することで、点検中に発報している火災感知器、および点検完了済みの火災感知器を、3Dによる視覚情報として容易に確認することができる。
【0056】
なお、3Dモデルレイアウト図を2Dの平面図に展開することも可能であり、例えば、フロア単位で平面図に展開して、点検などに利用することができる。
【0057】
以上のように、実施の形態1によれば、ユーザの防火対象施設に適合した防災設備のレイアウトを、3Dレイアウト図として提供できる。さらに、設計者によって作成された3Dレイアウト図をサーバに記憶させておくことで、必要に応じて必要な場所で3Dレイアウト図を有効活用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 設計部署、2 サーバ、3 営業部署、4 顧客、5 受信機・制御盤、6 施工・CS部署、10 防災設備の設計支援装置、11 モデル作成部、12 レイアウト図作成部、13 表示制御部、14 表示部、100 防火対象施設、110 防火区画、200 防災設備。