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▶ 安全器材株式会社の特許一覧

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  • 特開-溝蓋 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158812
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】溝蓋
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/04 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
E03F5/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074360
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】599134816
【氏名又は名称】安全器材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(72)【発明者】
【氏名】木原 剛
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063CB03
2D063CB11
2D063CB23
(57)【要約】
【課題】材料としての再利用が可能であり且つ軽量化された溝蓋を提供すること。
【解決手段】この溝蓋10は、蓋本体11と緩衝材12とを有する。蓋本体11は、リサイクル可能な樹脂からなる。緩衝材12は、ゴムチップを有し、バインダー樹脂と共に蓋本体11に結着される。蓋本体11は、嵌込部13を有し、複数の水抜孔24及び複数の排水路36を備える。蓋本体11の短面17、27に凹部29が設けられている。蓋本体1は、フランジ14、15を有する。フランジ14、15にリブが設けられており、十分な機械的強度が担保されている。フランジ15の長さ42は、フランジ14の長さ43よりも大きい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側溝に嵌め込まれる溝蓋であって、
上面を有し、当該上面に上方に開口する収容部が設けられたリサイクル可能な熱可塑性樹脂からなる蓋本体と、
上記収容部に充填され、上記上面に露出する緩衝材とを備え、
上記蓋本体は、
上記側溝の上縁に当接するフランジ部と、
当該フランジ部に設けられ、当該フランジ部の剛性を高めるリブとを有し、
上記緩衝材は、複数のゴムチップを有し、バインダ樹脂により上記収容部内に結着されている、溝蓋。
【請求項2】
上記収容部の底面に開口し、上記蓋本体を貫通する水抜孔が設けられている、請求項1に記載の溝蓋。
【請求項3】
上記フランジ部の周縁から上記側溝に水を案内する排水路が形成されている、請求項1又は2に記載の溝蓋。
【請求項4】
上記蓋本体は、上記フランジ部に連続し、上記側溝に嵌まり込む嵌込部を有し、
上記排水路は、上記フランジ部の周縁に設けられた切欠部及び上記嵌込部に設けられた案内溝を有する、請求項3に記載の溝蓋。
【請求項5】
上記切欠部及び案内溝は、上記フランジの張出方向に沿って対向する位置に設けられている、請求項4に記載の溝蓋。
【請求項6】
上記蓋本体は矩形を呈し、
当該蓋本体の上記フランジが設けられていない側縁に、当該側縁に沿って延び且つ上記側溝に連通する凹部が設けられている、請求項1又は2に記載の溝蓋。
【請求項7】
上記蓋本体の平面視における形状は、脚が底辺に対して左右対称に形成された台形であり、
上記フランジ部は、上記蓋本体の上底及び下底に沿って設けられている、請求項1又は2に記載の溝蓋。
【請求項8】
上記上底及び下底に設けられたフランジ部のうちいずれか一方の外面に印が設けられている、請求項7に記載の溝蓋。









【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主として競技施設に施工された排水用側溝に取り付けられる溝蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば陸上競技場その他の競技施設は、排水用の側溝が施工され、この側溝に溝蓋が被せられる。溝蓋は、当然に十分な機械的強度と共に滑り止め対策が要請される。従来の溝蓋の構造は、鋼材からなるコアがコンクリートやゴム等の高分子材料で覆われたものであった(たとえば特許文献1及び特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭60-20717号公報
【特許文献2】特開2002-339443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の溝蓋は、コアが鉄鋼材料からなるため重量が大きく、側溝への敷設作業やメンテナンス作業が容易ではなかった。加えて、従来の溝蓋は、鉄鋼材料と高分子材料との複合材として構成されるため、廃棄の際に再利用をすることができなかった。
【0005】
本発明は、かかる背景のもとになされたものであって、その目的は、材料としての再利用が可能であり且つ軽量化された溝蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 上記課題を解決するため、本件発明の溝蓋は、側溝に嵌め込まれる溝蓋であって、上面を有し、当該上面に上方に開口する収容部が設けられたリサイクル可能な熱可塑性樹脂からなる蓋本体と、上記収容部に充填され、上記上面に露出する緩衝材とを備える。上記蓋本体は、上記側溝の上縁に当接するフランジ部と、当該フランジ部に設けられ、当該フランジ部の剛性を高めるリブとを有し、上記緩衝材は、複数のゴムチップを有し、バインダ樹脂により上記収容部内に結着されている。
【0007】
この構成によれば、蓋本体が樹脂からなり、緩衝材は、バインダ樹脂により蓋本体に結着されたゴムチップを含むから、溝蓋が従来のものに比べて大幅に軽量化される。しかも、溝蓋が従来のような鉄鋼材料を含まないため、廃棄される際に樹脂材料としてリサイクルが可能である。加えて、緩衝材が蓋本体から露出しているので、この溝蓋がたとえば陸上競技場等に使用された場合に、優れた緩衝機能を発揮し、競技者に対して高い安全性が担保される。
【0008】
(2) 上記収容部の底面に開口し、上記蓋本体を貫通する水抜孔が設けられているのが好ましい。
【0009】
この構成では、上記収容部に侵入した水は、上記水抜孔を通り側溝へ排出される。したがって、水分による上記緩衝材や蓋本体の劣化が防止される。
【0010】
(3) 上記フランジ部の周縁から上記側溝に水を案内する排水路が形成されているのが好ましい。
【0011】
この構成では、上記側溝の周りの水分が上記排水路を通って上記側溝に排水される。このため、上記側溝周辺の水捌けが良くなる。
【0012】
(4) 上記蓋本体は、上記フランジ部に連続し、上記側溝に嵌まり込む嵌込部を有していてもよい。この場合、上記排水路は、上記フランジ部の周縁に設けられた切欠部及び上記嵌込部に設けられた案内溝を有する。
【0013】
この構成では、上記嵌込部が上記側溝に嵌まり込むので、溝蓋が安定する。上記側溝の周りの水分は、上記切欠部から上記フランジ部の内側に入り、上記嵌込部に到達する。この嵌込部に上記案内溝が設けられているから、上記水分は、この案内溝に案内されて上記側溝に排出される。
【0014】
(5) 上記切欠部及び案内溝は、上記フランジの張出方向に沿って対向する位置に設けられているのが好ましい。
【0015】
この構成では、上記切欠部から上記フランジ部の内側に入り込んだ水分は、直ちに上記案内溝に案内され、排水される。
【0016】
(6) 上記蓋本体は矩形を呈していてもよい。この場合、当該蓋本体の上記フランジが設けられていない側縁に、当該側縁に沿って延び且つ上記側溝に連通する凹部が設けられているのが好ましい。
【0017】
この構成では、側溝に沿って溝蓋が並設されると、隣り合う溝蓋間に隙間が形成され、この隙間は上記側溝と連通する。溝蓋の周りの水分は、上記隙間から上記側溝に排出される。なお、上記隙間に工具等が差し込まれることにより、溝蓋が容易に持ち上げられる。
【0018】
(7) 上記蓋本体の平面視における形状は、台形であるのが好ましい。この場合、上記台形の脚が底辺(すなわち上底及び下底)に対して左右対称に形成されているのが好ましい。上記フランジ部は、上記蓋本体の上底及び下底に沿って設けられる。
【0019】
この構成では、側溝に沿って溝蓋が並設される際に、長さが大きいフランジ部同士が付き合わされると、並設された溝蓋は全体として湾曲する。したがって、上記側溝が湾曲している場合、これに併せて溝蓋を敷設することができる。また、長さが大きいフランジ部と長さが小さいフランジ部とが交互に並ぶように溝蓋が並設された場合、並設された溝蓋は真直状態となる。
【0020】
(8) 上記上底及び下底に設けられたフランジ部のうちいずれか一方の外面に印が設けられているのが好ましい。
【0021】
上記フランジ部の長さの違いは、一般に微差である。したがって、上記印により、フランジ部の長さの大小が一目瞭然である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る溝蓋10の外観斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る溝蓋10の分解斜視図である。
図3図3は、蓋本体11の底面側斜視図である。
図4図4は、蓋本体11の底面図である。
図5図5は、図3における要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されつつ説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係る溝蓋の一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
【0024】
1.溝蓋の構成
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る溝蓋10の外観斜視図であり、図2は、溝蓋10の分解斜視図である。
【0026】
たとえば陸上競技場その他の競技施設は、排水用の側溝が施工される。本実施形態に係る溝蓋10は、上記側溝に被せて使用される。この溝蓋10は、蓋本体11と、緩衝材12とを有し、緩衝材12は、後述のように蓋本体11に設けられる。
【0027】
図3は蓋本体11の底面側斜視図であり、図4は蓋本体11の底面図である。
【0028】
蓋本体11は、板状に形成されており、嵌込部13及び一対のフランジ14、15を有する。これらは樹脂、典型的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなり、一体的に成形されている。もっとも、蓋本体11を構成する材料は、PET以外の熱可塑性樹脂その他のリサイクル可能な樹脂も採用される。
【0029】
嵌込部13は、概ね直方体状を呈し、一対の長面16、26及び一対の短面17、27を有する。この嵌込部13の上記長面16、26の上縁に連続して上記フランジ14、15が形成されており(図1参照)、両者は、上記短面17、27の長手方向に沿って張り出している。嵌込部13は、上記側溝に嵌め込まれるようになっており、嵌込部13の幅18(図1図3参照)は、上記側溝の幅に対応している。嵌込部13の高さ19は(図1図3参照)、本実施形態では30mmに設定されているが、この寸法は特に限定されない。
【0030】
図2が示すように、蓋本体11の上面20、具体的には嵌込部13の上面20に収容部21が設けられている。この収容部21は、上記上面20に設けられた凹部である。換言すれば、上記上面20に開口23が設けられており、上記収容部20は、当該開口23に連続して下方に延びている。
【0031】
上記緩衝材12は、この収容部21に収容されている。本実施形態では、上記開口23の形状は矩形であり、収容部21の大きさは、嵌込部13の上面20の大きさに対応している。ただし、収容部21は、嵌込部13の上面20よりも大きくてもよいし小さくてもよい。要するに、蓋本体11の上面20に収容部21が設けれていればよい。この収容部21の深さ22は、本実施形態では、12mmに設定されているが、この寸法は特に限定されるものではない。
【0032】
蓋本体11に水抜孔24が設けられている。本実施形態では、10個の水抜孔24が設けられている。図2及び図4が示すように、これら水抜孔24は、蓋本体11を貫通しており、上記収容部21の底面25に開口している。各水抜孔24の内径は、本実施形態では10mmに設定されているが、特に限定されるものではない。本実施形態では、10個の水抜孔24が上記底面25に概ね均等に配置されている。これは、溝蓋10が側溝に設置された状態で上記底面25が水平となるように設計されているためであるが、上記底面25が傾斜面として形成される場合は、この底面25の鉛直方向下側の部分に水抜孔24が偏在されてもよい。なお、水抜孔24の数は、特に限定されるものではない。
【0033】
嵌込部13は、いわゆる肉抜構造を有する。つまり、図3が示すように、嵌込部13は、薄肉構造壁28を備えており、この薄肉構造壁28は、梯子状に形成されており、縦桟34及び複数の横桟35を有する。本実施形態では、10本の横桟35が設けられているが、横桟35の数は特に限定されるものではない。これにより、嵌込部13は、高い剛性を維持しつつ大幅な軽量化が実現されている。
【0034】
嵌込部13の短面17、27(特許請求の範囲に記載された「フランジが設けられていない側縁」に相当)に、凹部29が設けられている。この凹部29は、上記短面17、27の長手方向に沿って延び、且つ上記高さ19の方向に延びている。つまり、上記凹部29は、上記短面17、27の一部を内側に窪ませるものである。
【0035】
図2ないし図4が示すように、フランジ14は、嵌込部13の長面16に連続し、フランジ15は、嵌込部13の長面26に連続しており、両者は、互いに対称に配置されている。フランジ14、15は、それぞれ、上記長面16及び上記長面26(特許請求の範囲に記載された「蓋本体の対向する辺」に相当)から張り出しており、上記短面17、27の長手方向に延びている。
【0036】
図3及び図4が示すように、フランジ14、15は、リブ30、31を備えている。リブ30は、フランジ14の剛性を高め、リブ31は、フランジ15の剛性を高める。本実施形態では、10枚のリブ30及び10枚のリブ31が設けられている。各リブ30、31は、上記横桟35に対応する位置に配置されている。各リブ30、31は、上記長面16、26に沿って規則的に配置されており、上記短面17、27の方向に向かい合っている。なお、フランジ14、15を十分に補強できる限り、リブ30、31の数は特に限定されず、両者が上記短面17、27の方向に向かい合っていなくてもよいし、前述のように規則的に配置されていなくてもよい。本実施形態では、リブ30の肉厚32及びリブ31の肉厚33は、それぞれ6mmに設定されているが、この肉厚32、33は、フランジ14、15を十分に補強できる限り、特に限定されるものではない。
【0037】
図5は、図3における要部拡大斜視図である。
【0038】
図3及び図5が示すように、蓋本体11に排水路36が設けられている。本実施形態では、6つの排水路36が設けられており、フランジ14側に3つの排水路36及びフランジ15側に3つの排水路36が設けられている。各排水路36は、同図が示すように規則的に左右対称に均等に配置されている。ただし、排水路36の数は特に限定されないし、均等に配置されていなくてもよい。
【0039】
図5が示すように、排水路36は、フランジ14に設けられた切欠部37と、嵌込部13に設けられた案内溝38とを有する。上記切欠部37は、フランジ14の周縁の一部が切り欠かれることにより構成されている。この切欠部37の幅39は、本実施形態では15mmに設定されている。ただし、この幅39は特に限定されるものではない。上記案内溝38は、嵌込部13の長面16に設けられている。この案内溝38は、嵌込部13の下面41から上記フランジ14に達するように延びている。この案内溝38の幅40は、本実施形態では15mmに設定されている。ただし、この幅40は特に限定されるものではない。
【0040】
上記切欠部37及び上記案内溝38は、矢印46の方向、すなわちフランジ14、15が張り出している方向に沿って対向するように配置されている。もっとも、上記切欠部37及び上記案内溝38が上記矢印46の方向に沿って向かい合っていなくてもよい。本実施形態では、図3及び図4が示すように、排水路36は、嵌込部13の長面16の3箇所に設けられており、嵌込部13の長面26側にも同様に排水路36が設けられている。したがって、嵌込部13の6箇所に、均等に排水路36が設けれている。もっとも、排水路36は上記長面16、26に均等に設けられている必要はなく、排水路36の数は特に限定されるものではない。
【0041】
本実施形態では、フランジ15の長さ42は、600mm、フランジ14の長さ43は、596mmに設定されている。すなわち、フランジ15の長さ42は、フランジ14の長さ43よりも長く、したがって、蓋本体11は、台形を呈する。ただし、フランジ15の長さ42及びフランジ14の長さ43は、適宜設定され得る。本実施形態では、フランジ15の長さ42がフランジ14の長さ43よりも長いが、これに限定されるものではなく、両者間に寸法差があればよい。なお、上記長さ42と上記長さ43とが同一であり、蓋本体11が矩形であってもよい。
【0042】
本実施形態では、フランジ15の外面44に印45が形成されている。この印45は、フランジ15の長さ42がフランジ14の長さ43よりも長いことを示すものである。ただし、この印45は、フランジ14側に設けられていてもよく、要するに、この印45は、フランジ14、15のいずれか一方が他方よりも長いあるいは短いことを示すものであればよい。
【0043】
図1及び図2が示すように、緩衝材12は、ゴムチップを備えている。このゴムチップは、デュロメータA型硬さ20°以上50°以下(JIS K 7215:1986に規定されるデュロメータA型硬さに相当)の材料が採用され得る。ただし、緩衝材12を構成する材料は、上記ゴムチップに限定されるものではない。本実施形態では、このゴムチップがバインダー樹脂と混練され、上記収容部21内に固着されている。このバインダー樹脂は、既知のものが採用される。たとえば、ポリウレタンプレポリマ-(粘度:20~2900mPa・s/25°C)が採用される。
【0044】
2.作用効果
【0045】
図1及び図2が示すように、本実施形態に係る溝蓋10では、蓋本体11が樹脂製であり、緩衝材12がゴムチップからなり、バインダ樹脂により蓋本体11に結着されているので、従来のものに比べて大幅に軽量化される。しかも、図3が示すように、上記フランジ14、15に上記リブ30、31が設けられているから、溝蓋10の十分な機械的強度が担保される。加えて、溝蓋10が鉄鋼材料を含まないので、溝蓋10は、樹脂として廃棄することができ、廃棄される際に樹脂材料としてリサイクルも可能である。この溝蓋10がたとえば陸上競技場等の側溝に敷設された場合、上記緩衝材12が優れた緩衝機能を発揮し、競技者に対して高い安全性が担保される。
【0046】
本実施形態では、蓋本体11に水抜孔24が設けられているので、蓋本体11の収容部21に侵入した水は、上記水抜孔24から上記側溝へ排出される。したがって、水分による上記緩衝材12や蓋本体11の劣化が防止される。
【0047】
図2及び図3が示すように、上記フランジ14、15の周縁から上記排水路36が形成されているから、上記側溝の周りの水分は、上記排水路36を通って上記側溝内に排水される。その結果、上記側溝周辺の水捌けが良くなる。
【0048】
本実施形態では、図1及び図2が示すように、上記蓋本体11は、上記嵌込部13を備えているから、溝蓋10が上記側溝に敷設された状態で、上記嵌込部13が上記側溝に嵌まり込み、溝蓋10が安定する。しかも、図3及び図5が示すように、上記排水路36は、上記切欠部37と、上記嵌込部13に設けられた案内溝38とを備えている。このため、上記切欠部37から上記フランジ14、15部の内側に入った水分は、上記嵌込部13に到達し、さらに、上記案内溝38に案内されて上記側溝内に排出される。つまり、上記側溝周辺の水捌けが一層良くなる。しかも、本実施形態では、上記切欠部37及び上記案内溝38は、上記フランジ14(15)の張出方向46に沿って対向している。これにより、上記切欠部37から上記フランジ14、15の内側に入り込んだ水分は、直ちに上記案内溝38に案内され、排水されるという利点がある。
【0049】
上記側溝に沿って溝蓋10が並設されると、隣り合う溝蓋10間に隙間が形成され、この隙間は、上記側溝と連通する。図1及び図2が示すように、上記蓋本体11に上記凹部29が設けられているから、溝蓋10の周りの水分は、上記凹部29から上記側溝に排出され、溝蓋10の周辺の水捌けがより一層向上する。なお、上記隙間に工具等が差し込まれることにより、溝蓋10が上記側溝から容易に取り外される。
【0050】
本実施形態では、図1が示すように、上記蓋本体11の形状は台形である。このため、上記側溝に沿って溝蓋10が並設される際に、上記フランジ15同士(フランジ14同士)が隣り合わせになると、並設された溝蓋10は全体として湾曲する。また、上記フランジ14と上記フランジ15とが隣り合わせになると、並設された溝蓋10は真直に配置される。したがって、上記側溝が湾曲しているか真直であるかに合わせて溝蓋10を敷設することができる。
【0051】
本実施形態では、同図が示すように、上記フランジ15に印45が付けられているから、上記フランジ15の長さ42が上記フランジ14の長さ43よりも長いことが一目瞭然である。したがって、溝蓋10を真直に並設するか、湾曲させて並設するか、作業者にとって容易に判断することができる。
【符号の説明】
【0052】
10・・・溝蓋
11・・・蓋本体
12・・・緩衝材
13・・・嵌込部
14・・・フランジ
15・・・フランジ
16・・・長面
17・・・短面
18・・・幅
19・・・高さ
20・・・上面
21・・・収容部
22・・・深さ
23・・・開口
24・・・水抜孔
25・・・底面
26・・・長面
27・・・短面
28・・・薄肉構造壁
29・・・凹部
30・・・リブ
31・・・リブ
32・・・肉厚
33・・・肉厚
34・・・縦桟
35・・・横桟
36・・・排水路
37・・・切欠部
38・・・案内溝
39・・・幅
40・・・幅
41・・・下面
42・・・長さ
43・・・長さ
44・・・外面
45・・・印
46・・・矢印


図1
図2
図3
図4
図5