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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158813
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20241031BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/304 642B
H01L21/304 643A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074362
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】中川 望
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA37
5F131CA32
5F131DA32
5F131DA42
5F131DA62
5F131DB02
5F131DB58
5F131DB76
5F131DB82
5F131EA06
5F131GA14
5F131GA33
5F131HA09
5F131HA12
5F131HA13
5F157AA77
5F157AA93
5F157AB02
5F157AB33
5F157AB34
5F157AB36
5F157AB48
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB74
5F157AB75
5F157AB90
5F157BB11
5F157CB13
(57)【要約】
【課題】基板処理を厳密に同一なものとしつつ、乾燥処理の性能およびスループットの高い基板処理装置を提供する。
【解決手段】姿勢変換機構23により鉛直姿勢に変換された所定枚数の基板Wを薬液処理槽CHB,液処理槽ONBに順に浸漬させ、所定時間の液処理が終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板Wを薬液処理槽CHB,液処理槽ONBから順に取り出して姿勢変換機構23に搬送させ、液処理の終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板Wを姿勢変換機構23により水平姿勢に変換させ、枚葉枚葉基板処理チャンバ15により水平姿勢の基板Wに対し乾燥処理を行う。本発明によれば、キャリアCから搬出された所定枚数の基板Wは順に搬送されて液処理と乾燥処理を受ける。液処理の前に長時間待機することなく順に液処理槽に浸漬されるので各基板の処理履歴が均等になり信頼性の高い基板処理装置が提供できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の姿勢を変えながら一連の処理を連続して行う基板処理装置であって、
水平姿勢の複数枚の基板を鉛直方向に所定間隔を空けて収納するキャリアを載置するキャリア載置棚と、
前記キャリアに対して所定枚数の基板を取り出し・収納するインデクサロボットと、
所定枚数の基板を水平姿勢と鉛直姿勢とに姿勢変換する姿勢変換機構と、
鉛直姿勢の複数枚の基板を水平方向に配列して処理液に浸漬させる液処理槽と、
水平姿勢の基板を鉛直軸周りに回転させて基板を1枚ずつ乾燥処理する枚葉基板処理チャンバと、
前記インデクサロボットと前記姿勢変換機構と前記枚葉基板処理チャンバとの間で水平姿勢の所定枚数の基板を搬送する第1基板搬送機構と、
前記姿勢変換機構と前記液処理槽との間で鉛直姿勢の所定枚数の基板を搬送する第2基板搬送機構と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記インデクサロボットを制御して、前記キャリアから所定枚数の基板を取り出させ、
前記制御部は、前記第1基板搬送機構を制御して、前記キャリアから取り出された所定枚数の基板を前記姿勢変換機構に搬送させ、
前記制御部は、前記姿勢変換機構を制御して、水平姿勢の所定枚数の基板を鉛直姿勢に変換させ、
前記制御部は、前記第2基板搬送機構を制御して、鉛直姿勢に変換された所定枚数の基板を前記液処理槽に順に浸漬させ、
前記制御部は、前記第2基板搬送機構を制御して、所定時間の液処理が終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板を前記液処理槽から順に取り出して前記姿勢変換機構に搬送させ、
前記制御部は、前記姿勢変換機構を制御して、液処理の終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板を水平姿勢に変換させ、
前記制御部は、前記第1基板搬送機構を制御して、水平姿勢の所定枚数の基板を前記枚葉基板処理チャンバに搬送させ、
前記制御部は、前記枚葉基板処理チャンバを制御して、水平姿勢の基板を鉛直軸周りに回転させて基板を1枚ずつ乾燥処理させ、
前記制御部は、前記第1基板搬送機構を制御して、乾燥処理の終わった水平姿勢の所定枚数の基板を前記インデクサロボットに搬送させ、
前記制御部は、前記インデクサロボットを制御して、乾燥処理の終わった水平姿勢の所定枚数の基板を前記キャリアに収納させる
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記インデクサロボットはインデクサブロックに備えられ、
前記姿勢変換機構は姿勢変換ブロックに備えられ、
前記液処理槽は鉛直姿勢基板処理ブロックに備えられ、
前記枚葉基板処理チャンバは水平姿勢基板処理ブロックに備えられ、
前記インデクサブロックは前記キャリア載置棚に隣接し、
前記水平姿勢基板処理ブロックは、前記キャリア載置棚が接する側とは反対側で前記インデクサブロックに隣接し、
前記姿勢変換ブロックは、前記インデクサブロックが接する側とは反対側で前記水平姿勢基板処理ブロックに隣接し、
前記鉛直姿勢基板処理ブロックは、前記水平姿勢処理ブロックが接する側とは反対側で前記姿勢変換ブロックに隣接する、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記第1基板搬送機構として、基板ハンドリング機構と水平姿勢基板搬送機構とを備え、
前記基板ハンドリング機構は、前記インデクサロボットと前記水平姿勢基板処理ブロックとの間で所定枚数の基板の受け渡しを行い、
前記水平姿勢基板搬送機構は、前記姿勢変換ブロックに備えられ、前記水平姿勢基板処理ブロックと前記姿勢変換機構との間で所定枚数の基板の受け渡しを行い、
前記液処理槽へ基板を送るときに、
前記制御部は、前記基板ハンドリング機構を制御して、前記インデクサロボットによって前記キャリアから取り出された所定枚数の基板を前記水平姿勢基板処理ブロックに搬送させ、
前記制御部は、前記水平姿勢基板搬送機構を制御して、前記水平姿勢基板処理ブロックに搬送された所定枚数の基板を前記姿勢変換機構に搬送させ、
前記液処理槽から基板を戻すときに、
前記制御部は、前記水平姿勢基板搬送機構を制御して、前記姿勢変換機構により水平姿勢に変換された所定枚数の基板を前記枚葉基板処理チャンバに搬送させ、
前記制御部は、前記基板ハンドリング機構を制御して、前記枚葉基板処理チャンバにより乾燥処理された水平姿勢の所定枚数の基板を前記インデクサロボットに搬送させる、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記姿勢変換ブロックは、
液処理前の鉛直姿勢の所定枚数の基板を純水中に浸漬させる往路用の第1基板待機槽と、
液処理後の鉛直姿勢の所定枚数の基板を純水中に浸漬させる復路用の第2基板待機槽と、
前記姿勢変換機構と第2基板搬送機構との間で基板の受け渡しが可能で、基板の受け渡し位置と前記第1および第2基板待機槽内の待機位置との間で鉛直姿勢の所定枚数の基板を昇降させことが可能な基板昇降機構とを備え、
前記液処理槽に基板を送るときに、
前記制御部は、前記基板昇降機構を制御して、前記姿勢変換機構により鉛直姿勢に変換された所定枚数の基板を前記第1待機槽内の純水中に浸漬待機させ、
前記液処理槽から基板を戻すときに、
前記制御部は、前記基板昇降機構を制御して、液処理された鉛直姿勢の所定枚数の基板を前記第2基板搬送機構から受け取って、前記鉛直姿勢の所定枚数の基板を前記第2基板待機槽内の純水中に浸漬待機させておく、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項2に記載の基板処理装置おいて、
前記鉛直姿勢基板処理ブロックは、前記液処理槽として、薬液を収容した薬液処理槽と、純水を収容した純水処理槽とを備え、
前記制御部は、前記第2基板搬送機構を制御して、鉛直姿勢に変換された所定枚数の基板を前記薬液処理槽に順に浸漬させ、
前記制御部は、前記第2基板搬送機構を制御して、所定時間の薬液処理が終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板を前記薬液処理槽から順に取り出し、続いて前記純水処理槽に搬送して順に浸漬させ、
前記制御部は、前記第2基板搬送機構を制御して、純水処理の終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板を順に取り出して前記姿勢変換ブロックに搬送させる、
ことを特徴とする基板搬送装置。
【請求項6】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記水平姿勢基板処理ブロックは、前記枚葉基板処理チャンバが鉛直方向に積層されて構成される積層体を備える
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記枚葉基板処理チャンバは、乾燥処理の前に、水平姿勢の基板を鉛直軸周りに回転させて基板を1枚ずつ薬液処理する
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記キャリア載置棚が接する側とは反対側で前記インデクサブロックに隣接して前記インデクサブロックから離れる方向に延びる第1領域と、
前記第1領域と対向して前記インデクサブロックに隣接して前記インデクサブロックから離れる方向に延びる第2領域とを備え、
前記第1領域には、第1の前記水平姿勢基板処理ブロックと第1の前記姿勢変換ブロックと第1の前記鉛直姿勢基板処理ブロックとが直線状に配置され、
前記第2領域には、第2の前記水平姿勢基板処理ブロックと第2の前記姿勢変換ブロックと第2の前記鉛直姿勢基板処理ブロックとが直線状に配置され、
前記第1領域と前記第2領域の間であって、前記インデクサブロックに接する中央領域には、前記基板ハンドリング機構が配置され、
前記基板ハンドリング機構は、前記第1の水平姿勢基板処理ブロックと前記第2の水平姿勢基板処理ブロックのそれぞれに対して基板の受け渡しを行う、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
基板の姿勢を変えながら一連の処理を連続して行う基板処理方法であって、
水平姿勢の所定枚数の基板を鉛直姿勢に変換する第1の姿勢変換過程と、
鉛直姿勢の所定枚数の基板を液処理槽内の処理液に順に浸漬することにより、前記液処理槽内で鉛直姿勢の複数枚の基板を水平方向に配列させて液処理を行う浸漬液処理過程と、
所定時間の液処理が終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板を前記液処理槽から順に取り出して、前記鉛直姿勢の所定枚数の基板を水平姿勢に変換する第2の姿勢変換過程と、
水平姿勢の基板を鉛直軸周りに回転させて基板を1枚ずつ乾燥処理する枚葉基板乾燥処理過程と、
を備えたことを特徴とする基板処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の基板処理方法において、
前記浸漬液処理過程は、
鉛直姿勢の所定枚数の基板を前記薬液処理槽内の薬液に順に浸漬することにより、鉛直姿勢の複数枚の基板を水平方向に配列させて薬液処理を行う薬液処理過程と、
前記薬液処理過程の後に、薬液処理槽から取り出された鉛直姿勢の所定枚数の基板を純水処理槽内の純水に順に浸漬することにより、鉛直姿勢の複数枚の基板を水平方向に配列させて純水処理を行う純水処理過程と、
を備えることを特徴とする基板処理方法。
【請求項11】
請求項9に記載の基板処理方法において、
前記枚葉基板乾燥処理過程の前に、
水平姿勢の基板を鉛直軸周りに回転させて基板を1枚ずつ薬液処理する枚葉基板薬液処理過程を備える、
ことを特徴とする基板処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の姿勢を変えながら一連の処理を連続して行う基板処理装置および基板処理方法に関する。基板としは、半導体基板、液晶表示用や有機EL(Electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の各種基板が例示される。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の装置は、カセットを搬入出する搬入出部の奥側に枚葉式基板処理に関する枚葉処理部を備える。枚葉処理部は水平姿勢の基板を処理する。枚葉処理部の更に奥側にバッチ式基板処理に関するバッチ処理部を備える。バッチ処理部は、姿勢変換された鉛直姿勢の基板を処理する。したがって、この装置構成によれば、搬入出部におけるカセットから取り出された基板は、まず、枚葉処理部を通過して、バッチ処理部まで搬送される。バッチ処理部によりバッチ処理がされた基板は、枚葉処理部に戻される。そして、枚葉処理部は、バッチ処理済みの基板に対して枚葉処理を施す。一連の基板処理は、バッチ式モジュールと枚葉式モジュールとが一体化した装置により実現される。
【0003】
当該装置は、複数枚の基板を一括に処理して基板の処理時間を短くすることができるバッチ式基板処理の長所と、基板を1枚ずつ処理して信頼性の高い基板処理を行うことができる枚葉式基板処理の長所のいずれをも有した構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-64654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記装置は、カセットに収納されている複数枚の基板に対し厳密に同じ基板処理を行うことができない。従来構成によれば、カセットから1枚ずつ取り出された基板は、枚葉処理部を通過して、搬送された順に待機槽に浸漬される。そして、カセット内の基板の全てが待機槽に蓄積された時点でバッチ処理が開始される。従って、カセットから最初に取り出された基板は、後続の基板の全てが待機槽に到来するまで長時間待機槽に浸漬した後でバッチ処理される。一方、カセットから最後に取り出された基板は、待機槽に浸漬されると間もなくバッチ処理される。このように、バッチ処理される複数枚の基板における待機槽での浸漬時間は、基板によってまちまちとなる。つまり、従来装置によれば、カセットに収納される基板に対して全て同じ基板処理を厳密に行えない。この様な事情は、製造されるデバイスの個性を生じさせ、デバイスの品質に影響を与える。
【0006】
したがって、基板処理を厳密に同一にしようとすれば、従来通りのバッチ処理のみが可能な基板処理装置、または枚葉処理装置のみが可能な基板処理装置を用いて基板処理を行うしかない。従来のバッチ処理装置には、1枚ずつ基板を乾燥処理できないので乾燥処理の性能が枚葉処理装置よりも劣るという問題点がある。一方、従来の枚葉処理装置は、処理に長い時間のかかる薬液処理が不得手である。処理が長いだけ枚葉処理装置が有する基板処理チャンバを1枚の基板が占有し続けるから、スループットが著しく低下してしまうからである。
【0007】
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、基板処理を厳密に同一なものとしつつ、乾燥処理の性能およびスループットの高い基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために次の様な構成をとる。
(1)基板の姿勢を変えながら一連の処理を連続して行う基板処理装置であって、水平姿勢の複数枚の基板を鉛直方向に所定間隔を空けて収納するキャリアを載置するキャリア載置棚と、前記キャリアに対して所定枚数の基板を取り出し・収納するインデクサロボットと、所定枚数の基板を水平姿勢と鉛直姿勢とに姿勢変換する姿勢変換機構と、鉛直姿勢の複数枚の基板を水平方向に配列して処理液に浸漬させる液処理槽と、水平姿勢の基板を鉛直軸周りに回転させて基板を1枚ずつ乾燥処理する枚葉基板処理チャンバと、前記インデクサロボットと前記姿勢変換機構と前記枚葉基板処理チャンバとの間で水平姿勢の所定枚数の基板を搬送する第1基板搬送機構と、前記姿勢変換機構と前記液処理槽との間で鉛直姿勢の所定枚数の基板を搬送する第2基板搬送機構と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記インデクサロボットを制御して、前記キャリアから所定枚数の基板を取り出させ、前記制御部は、前記第1基板搬送機構を制御して、前記キャリアから取り出された所定枚数の基板を前記姿勢変換機構に搬送させ、前記制御部は、前記姿勢変換機構を制御して、水平姿勢の所定枚数の基板を鉛直姿勢に変換させ、前記制御部は、前記第2基板搬送機構を制御して、鉛直姿勢に変換された所定枚数の基板を前記液処理槽に順に浸漬させ、前記制御部は、前記第2基板搬送機構を制御して、所定時間の液処理が終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板を前記液処理槽から順に取り出して前記姿勢変換機構に搬送させ、前記制御部は、前記姿勢変換機構を制御して、液処理の終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板を水平姿勢に変換させ、前記制御部は、前記第1基板搬送機構を制御して、水平姿勢の所定枚数の基板を前記枚葉基板処理チャンバに搬送させ、前記制御部は、前記枚葉基板処理チャンバを制御して、水平姿勢の基板を鉛直軸周りに回転させて基板を1枚ずつ乾燥処理させ、前記制御部は、前記第1基板搬送機構を制御して、乾燥処理の終わった水平姿勢の所定枚数の基板を前記インデクサロボットに搬送させ、前記制御部は、前記インデクサロボットを制御して、乾燥処理の終わった水平姿勢の所定枚数の基板を前記キャリアに収納させることを特徴とする基板処理装置。
【0009】
[作用・効果]上述の構成によれば、キャリアから取り出された水平姿勢の所定枚数の基板は姿勢変換機構に搬送される。姿勢変換機構により鉛直姿勢に変換された所定枚数の基板は液処理槽に順に浸漬される。所定時間の液処理が終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板は液処理槽から順に取り出されて姿勢変換機構に搬送される。液処理の終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板は姿勢変換機構により水平姿勢に変換される。水平姿勢の所定枚数の基板は枚葉基板処理チャンバに搬送される。枚葉基板処理チャンバにより乾燥処理の終わった水平姿勢の所定枚数の基板はインデクサロボットによって搬送されてキャリアに収納させる。したがって、本発明によれば、キャリアから搬出された所定枚数の基板は順に搬送されて液処理と乾燥処理を受ける。液処理の前に長時間待機することなく順に液処理槽に浸漬されるので各基板の処理履歴が均等になり信頼性の高い基板処理装置が提供できる。また、液処理槽では鉛直姿勢の複数枚の基板を水平方向に配列して処理液に浸漬させるので、複数枚の基板を並行して液処理することができ、高いスループットの基板処理装置を実現することもできる。
【0010】
また、本明細書には、以下のような発明も開示されている。
【0011】
(2)(1)に記載の基板処理装置において、前記インデクサロボットはインデクサブロックに備えられ、前記姿勢変換機構は姿勢変換ブロックに備えられ、前記液処理槽は鉛直姿勢基板処理ブロックに備えられ、前記枚葉基板処理チャンバは水平姿勢基板処理ブロックに備えられ、前記インデクサブロックは前記キャリア載置棚に隣接し、前記水平姿勢基板処理ブロックは、前記キャリア載置棚が接する側とは反対側で前記インデクサブロックに隣接し、前記姿勢変換ブロックは、前記インデクサブロックが接する側とは反対側で前記水平姿勢基板処理ブロックに隣接し、前記鉛直姿勢基板処理ブロックは、前記水平姿勢処理ブロックが接する側とは反対側で前記姿勢変換ブロックに隣接する、ことを特徴とする基板処理装置。
【0012】
[作用・効果](2)に記載の基板処理装置によれば、インデクサロボットが設けられたインデクサブロック、姿勢変換機構が設けられた姿勢変換ブロック、液処理槽が設けられた鉛直姿勢基板処理ブロック、枚葉基板処理チャンバが設けられた水平姿勢基板処理ブロックを備えている。そして、基板処理装置は、キャリア載置棚、インデクサブロック、水平姿勢基板処理ブロック、姿勢変換ブロック、鉛直姿勢基板処理ブロックがこの順に配列されて構成される。この様な構成によれば、本発明における基板搬送を効率よく行うことができる。基板が搬送される順に各ブロックが配列しているからである。また、キャリア載置棚やインデクサブロックを液処理槽から遠さ避けることがでるので、キャリア載置棚やインデクサブロックが液雰囲気の影響を受けることを軽減できる。
【0013】
(3)(2)に記載の基板処理装置において、前記第1基板搬送機構として、基板ハンドリング機構と水平姿勢基板搬送機構とを備え、前記基板ハンドリング機構は、前記インデクサロボットと前記水平姿勢基板処理ブロックとの間で所定枚数の基板の受け渡しを行い、前記水平姿勢基板搬送機構は、前記姿勢変換ブロックに備えられ、前記水平姿勢基板処理ブロックと前記姿勢変換機構との間で所定枚数の基板の受け渡しを行い、前記液処理槽へ基板を送るときに、前記制御部は、前記基板ハンドリング機構を制御して、前記インデクサロボットによって前記キャリアから取り出された所定枚数の基板を前記水平姿勢基板処理ブロックに搬送させ、前記制御部は、前記水平姿勢基板搬送機構を制御して、前記水平姿勢基板処理ブロックに搬送された所定枚数の基板を前記姿勢変換機構に搬送させ、前記液処理槽から基板を戻すときに、前記制御部は、前記水平姿勢基板搬送機構を制御して、前記姿勢変換機構により水平姿勢に変換された所定枚数の基板を前記枚葉基板処理チャンバに搬送させ、前記制御部は、前記基板ハンドリング機構を制御して、前記枚葉基板処理チャンバにより乾燥処理された水平姿勢の所定枚数の基板を前記インデクサロボットに搬送させる、ことを特徴とする基板処理装置。
【0014】
[作用・効果](3)に記載の基板処理装置によれば、液処理前の未処理基板と、乾燥処理済みの基板とを基板ハンドリング機構で搬送し、液処理後であって乾燥処理前の基板を水平姿勢基板搬送機構で搬送する構成となっている。したがって、乾燥した基板と液により湿った基板とが異なる搬送機構により搬送されるので、乾燥した未処理基板を湿った搬送機構で搬送され、基板の一部が液処理前に湿ってしまうことがない。また、本構成によれば、乾燥処理後の基板が湿った搬送機構で搬送され、基板の一部が再び湿った状態となることもない。
【0015】
(4)(2)に記載の基板処理装置において、前記姿勢変換ブロックは、液処理前の鉛直姿勢の所定枚数の基板を純水中に浸漬させる往路用の第1基板待機槽と、液処理後の鉛直姿勢の所定枚数の基板を純水中に浸漬させる復路用の第2基板待機槽と、前記姿勢変換機構と第2基板搬送機構との間で基板の受け渡しが可能で、基板の受け渡し位置と前記第1および第2基板待機槽内の待機位置との間で鉛直姿勢の所定枚数の基板を昇降させことが可能な基板昇降機構とを備え、前記液処理槽に基板を送るときに、前記制御部は、前記基板昇降機構を制御して、前記姿勢変換機構により鉛直姿勢に変換された所定枚数の基板を前記第1待機槽内の純水中に浸漬待機させ、前記液処理槽から基板を戻すときに、前記制御部は、前記基板昇降機構を制御して、液処理された鉛直姿勢の所定枚数の基板を前記第2基板搬送機構から受け取って、前記鉛直姿勢の所定枚数の基板を前記第2基板待機槽内の純水中に浸漬待機させておく、ことを特徴とする基板処理装置。
【0016】
[作用・効果](4)に記載の基板処理装置によれば、液処理前の鉛直姿勢の基板を純水に浸漬させる往路用の第1基板待機槽と、液処理後の鉛直姿勢の基板を純水に浸漬させる復路用の第2基板待機槽とを備えている。そして、本構成の基板処理装置は、基板の受け渡し位置と前記第1および第2基板待機槽内の待機位置との間で基板を昇降させる基板昇降機構を備えている。この様に構成することで、液処理の前後において基板を空中に待機させて基板を不用意に乾燥させてしまうことが防がれる。
【0017】
(5)(2)に記載の基板処理装置において、前記鉛直姿勢基板処理ブロックは、前記液処理槽として、薬液を収容した薬液処理槽と、純水を収容した純水処理槽とを備え、前記制御部は、前記第2基板搬送機構を制御して、鉛直姿勢に変換された所定枚数の基板を前記薬液処理槽に順に浸漬させ、前記制御部は、前記第2基板搬送機構を制御して、所定時間の薬液処理が終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板を前記薬液処理槽から順に取り出し、続いて前記純水処理槽に搬送して順に浸漬させ、前記制御部は、前記第2基板搬送機構を制御して、純水処理の終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板を順に取り出して前記姿勢変換ブロックに搬送させる、ことを特徴とする基板搬送装置。
【0018】
[作用・効果](5)に記載の基板処理装置によれば、液処理槽として、薬液を収容した薬液処理槽と、純水を収容した純水処理槽とが備えられている。この様に構成すれば、薬液を用いた基板処理がなされた基板を確実に純水によってリンス処理を行うことができる。そして、当該純水処理についても、所定枚数の基板を順に待機させロットを構成し、ロットを純水に浸漬させるようなバッチ処理を行う必要がない。このように、本発明においては、鉛直姿勢の基板における処理時間は、基板によってまちまちとならず、信頼性の高いデバイスを製造できる基板処理装置が提供できる。
【0019】
(6)(2)に記載の基板処理装置において、前記水平姿勢基板処理ブロックは、前記枚葉基板処理チャンバが鉛直方向に積層されて構成される積層体を備えることを特徴とする基板処理装置。
【0020】
[作用・効果](6)に記載の基板処理装置によれば、水平姿勢基板処理ブロックは、枚葉基板処理チャンバが鉛直方向に積層されて構成される積層体を備える。この様に構成すれば、水平姿勢基板処理を複数の基板処理チャンバで並行して行うことができるので、スループットの高い基板処理装置が提供できる。
【0021】
(7)(2)に記載の基板処理装置において、前記枚葉基板処理チャンバは、乾燥処理の前に、水平姿勢の基板を鉛直軸周りに回転させて基板を1枚ずつ薬液処理することを特徴とする基板処理装置。
【0022】
[作用・効果](7)に記載の基板処理装置によれば、液処理槽に係る基板処理の前に予備的な薬液処理を行うことができる。このようにすれば、製造するデバイスに合わせて好適な基板処理を行うことができる。
【0023】
(8)(2)に記載の基板処理装置において、前記キャリア載置棚が接する側とは反対側で前記インデクサブロックに隣接して前記インデクサブロックから離れる方向に延びる第1領域と、前記第1領域と対向して前記インデクサブロックに隣接して前記インデクサブロックから離れる方向に延びる第2領域とを備え、前記第1領域には、第1の前記水平姿勢基板処理ブロックと第1の前記姿勢変換ブロックと第1の前記鉛直姿勢基板処理ブロックとが直線状に配置され、前記第2領域には、第2の前記水平姿勢基板処理ブロックと第2の前記姿勢変換ブロックと第2の前記鉛直姿勢基板処理ブロックとが直線状に配置され、前記第1領域と前記第2領域の間であって、前記インデクサブロックに接する中央領域には、前記基板ハンドリング機構が配置され、前記基板ハンドリング機構は、前記第1の水平姿勢基板処理ブロックと前記第2の水平姿勢基板処理ブロックのそれぞれに対して基板の受け渡しを行う、ことを特徴とする基板処理装置。
【0024】
[作用・効果](8)に記載の基板処理装置によれば、2つの鉛直姿勢基板処理ブロックを備え、各鉛直姿勢処理ブロックに対して、姿勢変換ブロックが設けられ、各姿勢変換ブロックに対して水平姿勢基板処理ブロックが設けられている。そして、第1の水平姿勢基板処理ブロック、第1の姿勢変換ブロック、第1の鉛直姿勢処理ブロックの並びと、第2の水平姿勢基板処理ブロック、第2の姿勢変換ブロック、第2の鉛直姿勢処理ブロックの並びの間の中央領域に基板ハンドリング機構を備える。基板ハンドリング機構は、第1の水平姿勢基板処理ブロック、第2の水平姿勢基板処理ブロックのいずれに対しても基板の受け渡しを行う。この様に構成すれば、一度に処理できる基板の枚数を増加させることができ、スループットの高い基板処理装置を提供できる。また、基板ハンドリング機構は第1の水平姿勢基板処理ブロックと第2の水平姿勢基板処理ブロックとに兼用されるので装置をコンパクトに実現できる。
【0025】
(9)基板の姿勢を変えながら一連の処理を連続して行う基板処理方法であって、水平姿勢の所定枚数の基板を鉛直姿勢に変換する第1の姿勢変換過程と、鉛直姿勢の所定枚数の基板を液処理槽内の処理液に順に浸漬することにより、前記液処理槽内で鉛直姿勢の複数枚の基板を水平方向に配列させて液処理を行う浸漬液処理過程と、所定時間の液処理が終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板を前記液処理槽から順に取り出して、前記鉛直姿勢の所定枚数の基板を水平姿勢に変換する第2の姿勢変換過程と、水平姿勢の基板を鉛直軸周りに回転させて基板を1枚ずつ乾燥処理する枚葉基板乾燥処理過程と、を備えたことを特徴とする基板処理方法。
【0026】
[作用・効果](9)に記載の基板処理方法によれば、水平姿勢の所定枚数の基板を鉛直姿勢に変換する第1の姿勢変換過程と、鉛直姿勢の所定枚数の基板を液処理槽内の処理液に順に浸漬させる浸漬液処理過程と、所定時間の液処理が終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板を液処理槽から順に取り出して、鉛直姿勢の所定枚数の基板を水平姿勢に変換する第2の姿勢変換過程と、水平姿勢の基板を1枚ずつ乾燥処理する枚葉基板乾燥処理過程とを備える。この様に構成すれば、所定枚数の基板を順に待機させロットを構成し、ロットに液処理を施すようなバッチ処理を行う必要がない。したがって、各基板の処理履歴が均等になり信頼性の高い処理を行うことができる。また、複数枚の基板を液処理槽に浸漬して並行処理することもできるので、高いスループットを実現することもできる。
【0027】
(10)(9)に記載の基板処理方法において、前記浸漬液処理過程は、鉛直姿勢の所定枚数の基板を前記薬液処理槽内の薬液に順に浸漬することにより、鉛直姿勢の複数枚の基板を水平方向に配列させて薬液処理を行う薬液処理過程と、前記薬液処理過程の後に、薬液処理槽から取り出された鉛直姿勢の所定枚数の基板を純水処理槽内の純水に順に浸漬することにより、鉛直姿勢の複数枚の基板を水平方向に配列させて純水処理を行う純水処理過程と、を備えることを特徴とする基板処理方法。
【0028】
[作用・効果](10)に記載の基板処理方法によれば、鉛直姿勢の複数枚の基板を水平方向に配列させて薬液処理を行う薬液処理過程と、薬液処理過程の後に、鉛直姿勢の複数枚の基板を水平方向に配列させて純水処理を行う純水処理過程とを備える。この様に構成すれば、薬液を用いた基板処理、純水を用いた基板処理を連続して行うことができる。
【0029】
(11)(9)に記載の基板処理方法において、前記枚葉基板乾燥処理過程の前に、水平姿勢の基板を鉛直軸周りに回転させて基板を1枚ずつ薬液処理する枚葉基板薬液処理過程を備える、ことを特徴とする基板処理方法。
【0030】
[作用・効果](11)に記載の基板処理方法によれば、浸漬液処理過程に係る基板処理の前に予備的な薬液処理を行うことができる。このようにすれば、製造するデバイスに合わせて好適な基板処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、姿勢変換機構により鉛直姿勢に変換された所定枚数の基板を液処理槽に順に浸漬させ、所定時間の液処理が終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板を液処理槽から順に取り出して姿勢変換機構に搬送させ、液処理の終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板を姿勢変換機構により水平姿勢に変換させ、水平姿勢の所定枚数の基板を枚葉基板処理チャンバに搬送させ、枚葉基板処理チャンバにより基板の乾燥処理を行う。本発明によれば、キャリアから搬出された所定枚数の基板を順に待機させロットを構成し、ロットに対して液処理を行うようなバッチ処理を行う必要がない。このように、本発明においては、鉛直姿勢の基板における処理時間は、基板によってまちまちとならず、各基板の処理履歴が均等になるので、信頼性の高いデバイスを製造できる。また、鉛直姿勢の複数枚の基板を液処理槽内で並行処理をすることができるので、高いスループットを実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】実施例に係る基板処理装置の全体構成を説明する平面図である。
図2】実施例に係る水平基板搬送機構を説明する模式図である。
図3】実施例に係る姿勢変換機構を説明する模式図である。
図4】実施例に係る姿勢変換機構を説明する模式図である。
図5】実施例に係る鉛直姿勢基板搬送機構を説明する模式図である。
図6】実施例に係る鉛直姿勢基板搬送機構を説明する模式図である。
図7】実施例に係る鉛直姿勢基板搬送機構を説明する模式図である。
図8】実施例に係る姿勢変換機構を説明する模式図である。
図9】実施例に係る基板処理装置の動作を説明するフローチャートである。
図10】実施例に係る基板処理装置における基板の流れを説明する模式図である。
図11】実施例に係る基板処理装置における基板の流れを説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。実施例の基板処理装置は、キャリアに収納されている水平姿勢の基板を1枚ずつ取得し、種々の基板処理を行った後基板処理済みの基板を1枚ずつキャリアに払い出す構成である。
【実施例0034】
実施例の基板処理装置1は、図1に示すように、機能の異なる複数のブロックを組み合わせることで構成される。すなわち、基板処理装置は、インデクサブロック3と、水平姿勢基板処理ブロック5と、姿勢変換ブロック7と、鉛直姿勢基板処理ブロック9を備えている。
【0035】
基板処理装置1は、例えば、基板Wに対して、予備薬液処理、本薬液処理、洗浄処理、乾燥処理などの各処理を行う。予備薬液処理は、例えば、空気中に放置した基板上に成長する酸化膜を除去する予備エッチング処理であり、本薬液処理は、例えば、窒化膜を食刻するリン酸を用いた本エッチング処理である。予備薬液処理は、水平姿勢の基板Wに対して行う基板処理であり、本薬液処理は、姿勢変換され鉛直姿勢となった基板Wに対して行う基板処理である。
【0036】
本明細書では、便宜上、インデクサブロック3と、水平姿勢基板処理ブロック5と、姿勢変換ブロック7と、鉛直姿勢基板処理ブロック9とが配列する方向を「前後方向X」とよぶ。当該前後方向Xは、水平に延びる。前後方向Xのうち、水平姿勢基板処理ブロック5からインデクサブロック3に向かう方向を「前方」とよぶ。前方と反対側の方向を「後方」とよぶ。前後方向Xと直交する水平に延びる方向を「幅方向Y」とよぶ。「幅方向Y」の一方向を便宜上「右方」とよび、他方向を便宜上「左方」とよぶ。前後方向Xおよび幅方向Yと直交する方向(高さ方向)を便宜上「鉛直方向Z」とよぶ。各図では、参考として、前、後、右、左、上、下を適宜に示す。
【0037】
<1.インデクサブロック>
インデクサブロック3は、複数枚の基板Wを水平姿勢で所定間隔を空けて鉛直方向に収納するキャリアCを載置するロードポート11を備える。ロードポート11は、幅方向(Y方向)に延びるインデクサブロック3の外壁から突出した構成である。ロードポート11は、インデクサブロック3は、洗浄処理前の基板Wをロードポート11から搬出して、洗浄処理後の基板Wを同じロードポート11に搬入する。ロードポート11は、本発明のキャリア載置棚に相当する。
【0038】
基板Wは、複数枚(例えば25枚)が1つのキャリアC内に水平姿勢で一定の間隔を空けて積層収納されている。処理対象の基板Wを収納したキャリアCは、まずロードポート11に載置される。キャリアCは、基板Wの面同士を離間させた状態で収容する水平方向に延びる複数の溝(図示省略)が形成されている。当該溝の各々に基板Wが1枚ずつ挿入される。キャリアCとしては、例えば、密閉型のFOUP(Front Opening Unify Pod)がある。本発明においては、キャリアCとして開放型容器を採用してもよい。
【0039】
インデクサブロック3の内部構造について説明する。図1に示すように、インデクサブロック3は、基板Wを把持して搬送可能なインデクサロボットIRを備えている。インデクサロボットIRは、Y方向に往復自在であり、基板Wを搬送するハンドを有している。インデクサロボットIRには、基板Wを把持するためのハンド19を有している。ハンド19は、インデクサロボットIRの前方に位置するロードポート11にアクセス可能であり、インデクサロボットIRの後方に位置する水平姿勢基板処理ブロック5のパス13にアクセス可能である。従って、ハンド19は、前方に向くこともできるし、後方に向くこともできる。パス13は、水平姿勢の基板Wを1枚仮置きする基板載置部である。
【0040】
<2.水平姿勢基板処理ブロック>
水平姿勢基板処理ブロック5は、インデクサブロック3の後方に位置している。水平姿勢基板処理ブロック5のY方向における中央部は、上述のパス13と、パス13に枚葉処理済みの基板Wを載置することが可能なセンターロボットCRとを有する。パス13と、パス13からX方向に離れた位置に設定されるセンターロボットCRの基準位置SPとの間でセンターロボットCRが往復できるように、水平姿勢基板処理ブロック5には、X方向に延びた枚葉搬送領域が設けられている。センターロボットCRは、枚葉搬送領域内をX方向に進退移動できる。センターロボットCRは、本発明の基板ハンドリング機構、第1基板搬送機構に相当する。
【0041】
水平姿勢基板処理ブロック5には、基板Wに対し予備薬液処理および乾燥処理を行うことが可能な枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16を備えている。複数の枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16は、枚葉搬送領域の右方と左方に設けられている。枚葉基板処理チャンバ14は、枚葉基板処理チャンバ15の下層に位置し、枚葉基板処理チャンバ16は、枚葉基板処理チャンバ15の上層に位置している。したがって、図1においては、鉛直方向に積層されている3つの枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16のうち、中層の枚葉基板処理チャンバ15が強調されて示される。
【0042】
枚葉搬送領域には、センターロボットCRの基準位置SPが設定されている。基準位置SPは、パス13からX方向に離れた位置にある。センターロボットCRが基準位置SPにあるとき、センターロボットCRは、昇降移動することにより、各枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16にアクセス可能となる。
【0043】
枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16の各々は、基準位置SPからセンターロボットCRがアクセスし易いように、枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16の各々と基準位置SPとを結ぶ基板Wの動線を横断する対向面を有している。対向面の各々にはシャッターが設けられ、シャッターを開状態とすることにより、基準位置SPにあるセンターロボットCRから、枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16の各々に基板Wを渡すときの開口部が対向面に形成される。
【0044】
枚葉基板処理チャンバ15の構成について説明する。枚葉基板処理チャンバ15は、スピンドライ方式で基板Wを乾燥させる基板乾燥処理が可能である。枚葉基板処理チャンバ15の内部には、基板Wを吸着させた状態でZ軸周りに回転させるスピンチャック15aが備えられる。スピンチャック15aに装着された乾燥処理前の基板は回転されることにより、基板W上に付着する液体が遠心力で発散して基板Wから除去される。本実施例に係る枚葉基板処理チャンバ15は、基板乾燥処理の他、基板Wに対して薬液を供給する薬液ノズル15bも有している。薬液ノズル15bは、スピンチャック15aから離れた待機位置とスピンチャック15aの上方に位置する供給位置との間にわたって旋回可能である。スピンチャック15aは、本発明の所定位置の下部に位置している。スピンチャック15aに吸着された基板Wは、基板Wに薬液処理、乾燥処理を実行する位置である処理位置にある。枚葉基板処理チャンバ15は、水平姿勢の基板Wを1枚ずつ処理するいわゆる枚葉式の基板処理チャンバである。
【0045】
薬液ノズル15bから吐出される薬液は、例えばフッ酸などのフッ化物である。未処理の基板Wに対して当該薬液を用いた処理を行うと、基板W表面において成長した酸化膜が除去される。当該酸化膜は、大気に含まれる酸素により基板W表面が酸化されて生じる。この様な酸化膜は、基板上におけるデバイスの製造において悪影響を及ぼすことがあるので、その場合は、枚葉基板処理チャンバ15による薬液処理で酸化膜を除去する必要がある。
【0046】
後述の水平姿勢基板搬送機構21は、上述の所定位置にアクセス可能であり、スピンチャック15a上の基板Wを把持して枚葉基板処理チャンバ15から搬出したり、把持している基板Wをスピンチャック15a上に載置したりすることができる。枚葉基板処理チャンバ15の後方には、水平姿勢基板搬送機構21が上述の所定位置にアクセスできるように、開閉可能なシャッター15cが設けられている。シャッター15cが開状態となれば、水平姿勢基板搬送機構21は、枚葉基板処理チャンバ15の処理位置にアクセス可能となる。シャッター15cが閉状態となれば、処理位置にある基板Wに対し薬液処理、乾燥処理が可能となる。水平姿勢基板搬送機構21は、本発明の第1基板搬送機構に相当する。
【0047】
枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ16は、枚葉基板処理チャンバ15と同様の構成となっている。枚葉基板処理チャンバ15による薬液処理(予備薬液処理)は、本発明の第2薬液処理に相当し、スピンチャック15aから吐出される薬液は、本発明の第2薬液に相当する。
【0048】
<3.姿勢変換ブロック>
姿勢変換ブロック7は、水平姿勢基板処理ブロック5の後方に位置している。姿勢変換ブロック7のY方向における左方には、枚葉基板処理チャンバ15による薬液処理済みの基板Wを搬送する水平姿勢基板搬送機構21と、水平姿勢基板搬送機構21から水平姿勢の基板Wを受け入れて、基板Wを水平姿勢から鉛直姿勢に変換する姿勢変換機構23と、姿勢変換機構23から鉛直姿勢の基板Wを受け入れる基板昇降機構27aと、鉛直姿勢の基板Wを例えば純水に浸漬させる基板待機槽27を有する。姿勢変換機構23は、後述の鉛直姿勢基板処理ブロック9による薬液処理済みの基板Wを鉛直姿勢から水平姿勢に変換する機能も有する。そして、水平姿勢基板搬送機構21は、水平姿勢に変換された基板Wを受け入れて枚葉基板処理チャンバ15の処理位置まで搬送する機能を有する。基板昇降機構25aは、鉛直姿勢基板処理ブロック9から搬送された基板Wを姿勢変換機構23に渡す機構であり、基板待機槽25は、鉛直姿勢基板処理ブロック9で薬液処理済みの基板を例えば純水に浸漬させる構成である。
【0049】
水平姿勢基板搬送機構21,姿勢変換機構23,基板待機槽25,基板待機槽27は、この順にX方向に配列されている。基板待機槽25と基板昇降機構25aは、XY方向において同一位置にある。基板待機槽27と基板昇降機構27aは、XY方向において同一位置にある。これら水平姿勢基板搬送機構21,姿勢変換機構23,基板昇降機構25a,基板昇降機構27aは、水平姿勢基板処理ブロック5のY方向における左方に位置する枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16内の基板Wを搬送する機構である。
【0050】
姿勢変換ブロック7のY方向における右方には、左方と同じように、水平姿勢基板搬送機構21,姿勢変換機構23,基板待機槽25,基板待機槽27がこの順にX方向に並び、基板待機槽25には基板昇降機構25aが設けられ、基板待機槽27には基板昇降機構27aが設けられている。これら水平姿勢基板搬送機構21,姿勢変換機構23,基板昇降機構25a,基板昇降機構27aは、水平姿勢基板処理ブロック5のY方向における右方に位置する枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16内の基板Wを搬送する機構である。
【0051】
姿勢変換ブロック7のY方向における左方には、水平姿勢基板搬送機構21,姿勢変換機構23,基板待機槽25,基板待機槽27がX方向に配列される第1領域R1が設定され、姿勢変換ブロック7のY方向における右方には、水平姿勢基板搬送機構21,姿勢変換機構23,基板待機槽25,基板待機槽27がX方向に配列される第2領域R2が設定される。第1領域R1,第2領域R2に挟まれる位置には、センターロボットCRが配置される中央領域R3が設定される。
【0052】
図2(a)は、水平姿勢基板搬送機構21の具体的構成について説明している。本実施例に係る水平姿勢基板搬送機構21は、Z方向に延びた支柱21aと、支柱21aによって支持される基部21bと、基部21bの先端に位置する一対のアーム21cを有している。基部21bは、支柱21aに支持された状態でZ方向に往復可能であり、これにより、アーム21cは昇降移動する。また、基部21bは、アーム21cと支柱21aの距離を可変とする目的で水平方向に伸縮自在となっている。更に、基部21bは、支柱21aに対するアーム21cの存する方向を可変とする目的で支柱21aが延びる方向を示す中心軸を回転中心として回転移動することも可能である。
【0053】
一対のアーム21cは、互いに接近した閉状態と、互いに離反した開状態との2つの状態をとることができる。一対のアーム21cを閉状態とすれば、水平姿勢の基板Wは一対のアーム21cにより把持される。一対のアーム21cを開状態とすれば、把持された水平姿勢の基板Wは、例えば姿勢変換機構23に渡される。
【0054】
図2(b)は、水平姿勢基板搬送機構21がアクセス可能な各部について説明している。水平姿勢基板搬送機構21は、例えば、枚葉基板処理チャンバ15の処理位置(基板処理中においてスピンチャック15aに保持される位置)に対して基板Wの受け渡しが可能である。水平姿勢基板搬送機構21は、枚葉基板処理チャンバ15の下方に設けられた枚葉基板処理チャンバ14の処理位置に対して基板Wの受け渡しを行うこともできるし、枚葉基板処理チャンバ15の上方に設けられた枚葉基板処理チャンバ16の処理位置に対して基板Wの受け渡しを行うこともできる。
【0055】
また、水平姿勢基板搬送機構21は、姿勢変換機構23に設定された第1位置P1にもアクセス可能であり、把持した水平姿勢の基板Wを第1位置P1に渡すこともできる。そして水平姿勢基板搬送機構21は、姿勢変換機構23に設定された第2位置P2にもアクセス可能であり、第2位置P2で支持された水平姿勢の基板Wを受け取って把持することもできる。
【0056】
図3(a)は、姿勢変換機構23の具体的構成を説明している。姿勢変換機構23は、縦方向(Z方向)に延びる一対の水平保持部23hと一対の垂直保持部23vを備えている。支持体23cは、水平保持部23h,垂直保持部23vを支持する。基部23dは、支持体23cを回転自在に支持する。回転駆動機構23aは、水平保持部23h,垂直保持部23vを支持体23cごと90°回転させる構成である。この回転によって、水平保持部23h,垂直保持部23vは、左右方向(Y方向)に延びる構成となる。なお、図3(b)は、姿勢変換機構23の動作を説明する模式図である。以降、図3を参照しながら各部の構成について説明する。
【0057】
水平保持部23hは、水平姿勢となっている基板Wを下側から支持する。すなわち、水平保持部23hは、支持対象の基板Wに対応した凹部を有する構造となっている。凹部は基板Wの周縁部が位置する細長状の溝である。この凹部に基板Wの周縁部を挿入すると、凹部の下端に水平姿勢の基板Wの下面が接触して基板Wは水平姿勢で支持される。
【0058】
垂直保持部23vは、鉛直姿勢となっている基板Wを下側から支持する。すなわち、垂直保持部23vは、支持対象の基板Wに対応したV溝を有する構造となっている。V溝は基板Wの周縁部が位置する細長状である。このV溝に基板Wの周縁部を挿入すると、基板WはV溝に挟持されて垂直姿勢で支持される。垂直保持部23vは、支持体23cに2つ設けられているので、基板Wは、周縁部の2箇所のそれぞれが異なるV溝によって挟持される。
【0059】
縦方向(Z方向)に延びる一対の水平保持部23hおよび一対の垂直保持部23vは、保持対象の基板Wを囲むように水平姿勢の基板Wに相当する仮想円に沿って設けられている。一対の水平保持部23hは、基板Wの直径だけ離れており、基板Wの一端と当該一端から最も遠い位置に当たる他端を保持する。このようにして一対の水平保持部23hは、水平姿勢の基板Wを支持する。一方、一対の垂直保持部23vは、基板Wの直径よりも短い距離だけ離れており、基板Wの所定部と当該所定部の近傍に位置する特定部を支持する。このようにして一対の垂直保持部23vは、鉛直姿勢の基板Wを支持する。一対の水平保持部23hは、前後方向(X方向)について同じ位置にあり、一対の垂直保持部23vは、前後方向(X方向)について同じ位置にある。一対の垂直保持部23vは、一対の水平保持部23hよりも支持体23cが回転されて倒れる方向(後方向)の側に設けられている。
【0060】
姿勢変換機構23には、起立した水平保持部23h等における上方に第1位置P1が、下方に第2位置P2が設定されている。Z方向に伸びる水平保持部23hにおける第1位置P1に相当する部分に凹部が設けられ、垂直保持部23vにおける第1位置P1に相当する部分にV溝が設けられている。これら凹部、V溝は、第1位置P1に設定される仮想円に沿って設けられている。また、Z方向に伸びる水平保持部23hにおける第2位置P2に相当する部分に凹部が設けられ、垂直保持部23vにおける第2位置P2に相当する部分にV溝が設けられている。これら凹部、V溝は、第2位置P2に設定される仮想円に沿って設けられている。従って、姿勢変換機構23は、第1位置P1において基板Wを保持可能であり、第1位置P1よりも下方に位置する第2位置P2において基板Wを保持可能である。
【0061】
回転駆動機構23aは、左右方向(Y方向)に延びる水平軸周りに支持体23cを少なくとも90°だけ回転できる。初期状態の支持体23cが基部23dに対して90°回転すると、図3(b)に示すように支持体23cは傾倒状態となり、第1位置P1に保持された基板Wは、水平姿勢から鉛直姿勢に変換される。
【0062】
また、傾倒状態の支持体23cが基部23dに対して90°回転すると、支持体23cは初期状態に戻り、傾倒状態において受け入れた鉛直姿勢の基板Wを水平姿勢としつつ第2位置P2まで移動することもできる。こうして姿勢変換された基板Wは、鉛直姿勢基板処理ブロック9における本薬液処理済みとなっている。
【0063】
このように、姿勢変換機構23は、水平姿勢基板処理ブロック5から鉛直姿勢基板処理ブロック9に向かう基板Wを第1位置P1で取得する。そして、鉛直姿勢基板処理ブロック9から水平姿勢基板処理ブロック5に向かう基板Wを第2位置P2に払い出す。姿勢変換機構23は、基板Wの往路と復路で異なる経路となるように往路用の基板保持部と復路用の基板保持部とを使い分ける。基板Wの復路における姿勢変換機構23の構成は、図8で説明されている。図8については後述する。
【0064】
図4は、基板昇降機構27aの動作について説明している。基板昇降機構27aは、基板待機槽27の底部における待機位置(浸漬位置)と、基板待機槽27の上空における受け渡し位置との間を昇降可能である。基板昇降機構27aは、基板Wを支持する基板支持部と、基板支持部を昇降移動させる柱状の支柱を有する。基板支持部は、支柱に支持された状態で、上下に移動が可能である。基板支持部は、初期状態においては、基板待機槽27の底面部に位置している。姿勢変換機構23から基板Wを受け取るときは、基板支持部は、図4(a)に示すように受け渡し位置まで上昇して姿勢変換機構23に支持された基板Wの底部に当接する。
【0065】
基板待機槽27は、純水を保持する構成であり、浸漬位置において鉛直姿勢の基板Wを1枚保持することが可能である。
【0066】
基板昇降機構27aは、図4(a)の状態から更に上昇が可能である。基板昇降機構27aが最上位置にあるとき、姿勢変換機構23の水平保持部23h,垂直保持部23vは、基板昇降機構27aに干渉せずに90°回転が可能となる。姿勢変換機構23における水平保持部23h,垂直保持部23vを起立させ、Z方向に延伸する姿勢にすると、垂直保持部23vが基板待機槽27と基板支持部との間から待避する。したがって、基板昇降機構27aは、基板Wを垂直保持部23vに干渉させずに図4(b)に示すように、基板待機槽27内の浸漬位置まで搬送することが可能である。
【0067】
基板昇降機構25aは、基板昇降機構27aと同様な構成であり、基板待機槽25は、基板待機槽27と同様な構成である。すなわち、基板昇降機構27aは、基板待機槽27の底部における待機位置(浸漬位置)と、基板待機槽27の上空における受け渡し位置との間を昇降可能である。基板昇降機構25aの基板支持部は、初期状態においては、基板待機槽25の底面部に位置している。姿勢変換機構23に鉛直姿勢基板処理ブロック9における薬液処理済みの基板Wを渡すときは、基板支持部は、図8(a)に示すように受け渡し位置まで上昇し、基板Wを姿勢変換機構23の垂直保持部23vに当接させる。
【0068】
基板待機槽25は、純水を保持する構成であり、浸漬位置において鉛直姿勢の基板Wを1枚保持することが可能である。
【0069】
基板昇降機構25aは、図8(a)の状態から更に上昇が可能である。基板昇降機構25aが最上位置にあるとき、姿勢変換機構23の水平保持部23h,垂直保持部23vは、基板昇降機構25aに干渉せずに90°回転が可能となる。姿勢変換機構23における水平保持部23h,垂直保持部23vを起立させ、Z方向に延伸する姿勢にすると、垂直保持部23vのV溝に保持された基板Wは、鉛直姿勢から垂直姿勢に変換され、水平保持部23hの凹部に当接するようになる。このとき、基板Wは、図8(b)に示すように基板待機槽25上空の受け渡し位置から第2位置P2まで搬送される。
【0070】
<4.鉛直姿勢基板処理ブロック>
続いて鉛直姿勢基板処理ブロック9の構成について説明する。鉛直姿勢基板処理ブロック9の左方には、図1に示すように、純水処理槽ONB,薬液処理槽CHBは、X方向に配列されている。純水処理槽ONBは、姿勢変換ブロック7側に設けられ、薬液処理槽CHBは、姿勢変換ブロック7から離間した位置に配置される。この様に構成することで、薬液処理槽CHBが保持するリン酸などの酸溶液による腐食からインデクサロボットIR等、各ロボットを構成する機構を保護することができる。薬液処理槽CHB,純水処理槽ONBは、本発明の液処理槽に相当する。
【0071】
図5図6図7は、鉛直姿勢基板処理ブロック9の構成について説明している。図5(a)は、本実施例における鉛直姿勢基板搬送機構SPRを説明している。鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、鉛直姿勢基板処理ブロック9の左方に設けられており、基板処理装置1の左方に位置する基板待機槽27,基板待機槽25,純水処理槽ONB,薬液処理槽CHBの間で基板を搬送する構成である。鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、Y方向における左方に位置する基板待機槽27から基板Wを取得して、鉛直姿勢基板処理ブロック9に搬送する機構である。鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、鉛直姿勢基板処理ブロック9からY方向における左方に位置する基板待機槽25に払い出す機構でもある。鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、本発明の第2基板搬送機構に相当する。
【0072】
図5(a)に示すように、鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、X方向に伸びたレール31に沿って往復移動が可能である。レール31は、図1を参照すれば分かるように、姿勢変換ブロック7の基板待機槽25,基板待機槽27,鉛直姿勢基板処理ブロック9の純水処理槽ONB,薬液処理槽CHBに亘ってX方向に伸びている。鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、レール31に支持されたZ方向に伸びる基体35と、基体35の先端に設けられたUアーム37と、Uアーム37の先端に設けられた一対の把持体39を有している。Uアーム37は、基体35に接続されZ方向に伸びる第1延伸部と、第1延伸部の先端に設けられたY方向に伸びる第2延伸部と、第2延伸部の先端に設けられたZ方向下向きに伸びる第3延伸部とを有している。第1延伸部、第2延伸部、第3延伸部は、全体としてU字形状を形成する。Uアーム37は、基体35に対してZ方向に往復移動が可能である。
【0073】
一対の把持体39は、Uアーム37の移動に伴い昇降することが可能であり、鉛直姿勢となっている基板Wを1枚把持可能である。一対の把持体39は、互いに接近した閉状態と、互いに離反した開状態との2つの状態をとることができる。一対の把持体39を閉状態とすれば、鉛直姿勢の基板Wは一対の把持体39により把持される。一対の把持体39を開状態とすれば、把持された鉛直姿勢の基板Wは、例えば薬液処理槽CHBに渡される。
【0074】
開状態となっている一対の把持体39は、状態を保ったまま基板待機槽25,基板待機槽27,薬液処理槽CHB,純水処理槽ONBの内部に進入することが可能である。そして、基板待機槽25,基板待機槽27,薬液処理槽CHB,純水処理槽ONB内で一対の把持体39を閉状態とすれば、各槽の浸漬位置で保持されている鉛直姿勢の基板Wが一対の把持体39に把持される。
【0075】
また、閉状態となっている一対の把持体39は、状態を保ったまま基板待機槽25,基板待機槽27,薬液処理槽CHB,純水処理槽ONBの内部に進入することが可能である。そして、基板待機槽25,基板待機槽27,薬液処理槽CHB,純水処理槽ONB内で一対の把持体39を開状態とすれば、一対の把持体39に把持されている鉛直姿勢の基板Wが各槽に渡され、基板Wは、各槽の浸漬位置で保持される。
【0076】
鉛直姿勢基板処理ブロック9のY方向における右方には、左方と同じように、純水処理槽ONB,薬液処理槽CHBがこの順にX方向に並び、レール31が姿勢変換ブロック7の基板待機槽25,基板待機槽27,鉛直姿勢基板処理ブロック9の純水処理槽ONB,薬液処理槽CHBに亘ってX方向に伸びている。鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、当該レール31に沿って往復移動が可能である。鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、Y方向における右方に位置する基板待機槽27から基板Wを取得して、鉛直姿勢基板処理ブロック9に搬送する機構である。鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、鉛直姿勢基板処理ブロック9からY方向における右方に位置する基板待機槽25に払い出す機構でもある。
【0077】
図5(b)は、鉛直姿勢基板搬送機構SPRが基板待機槽27の浸漬位置で基板昇降機構27aに保持されている基板Wを把持する様子を示している。鉛直姿勢基板搬送機構SPRが基板Wを受け入れる際には、まず、一対の把持体39を基板待機槽27の上空位置まで移動させる。この動作は、鉛直姿勢基板搬送機構SPRをレール31に沿ってX方向に移動させることで実現される。そして、開状態となっている一対の把持体39を下降させて、基板待機槽27の浸漬位置まで移動される。この動作は、Uアーム37を基体35に対して下降させることで実現される。その後、一対の把持体39を閉状態とすることにより、鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、基板待機槽27の浸漬位置において鉛直姿勢となっている基板Wを把持する。
【0078】
図6(a)は、鉛直姿勢基板搬送機構SPRが把持した基板Wを薬液処理槽CHBまで搬送する様子を示している。鉛直姿勢基板搬送機構SPRが基板Wを受け渡す際には、まず、基板Wを把持した一対の把持体39を薬液処理槽CHBの上空まで移動させる。この動作は、鉛直姿勢基板搬送機構SPRをレール31に沿ってX方向に移動させることで実現される。そして、一対の把持体39を下降させて、薬液処理槽CHBまでの浸漬位置まで移動される。この動作は、Uアーム37を基体35に対して下降させることで実現される。その後、一対の把持体39を開状態とすることにより、鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、薬液処理槽CHBの浸漬位置において鉛直姿勢の基板Wを薬液処理槽CHBに渡す。
【0079】
薬液処理槽CHBは、搬入された時刻が異なる複数枚の基板WをX方向に配列して浸漬位置で保持することが可能である。薬液処理槽CHBは、例えばリン酸などの酸性の液を保持し、鉛直姿勢の基板Wを浸漬位置に受け入れて基板Wにリン酸処理(エッチング処理、本薬液処理)を施す。リン酸処理は、例えば、基板Wの表面上の窒化膜を化学的に食刻する。リン酸処理は、例えば2時間程度であり、長い時間を要するので、複数枚の基板Wを浸漬させる薬液処理槽CHBの構成は、効率のよい基板処理を行う上で好都合である。図6(b)は、キャリアCに収納されていた基板Wの全てが薬液処理槽CHBまで到達し、リン酸処理が各基板Wに対して行われている様子を示している。薬液処理槽CHBによる薬液処理は、本発明の第1薬液処理に相当し、薬液処理槽CHBが保持する薬液は、本発明の第1薬液に相当する。
【0080】
図6(c)は、薬液処理槽CHBに保持された基板Wをリン酸処理が終了した順に鉛直姿勢基板搬送機構SPRが把持して、純水処理槽ONBまで搬送する様子を示している。薬液処理槽CHB内に保持されている基板Wの各々は薬液処理槽CHBに到達した時刻が異なる。本実施例における基板処理装置は、各基板Wに対し同じ処理を行う構成となっているから、リン酸処理の終了時刻は、各基板Wで異なっている。例えば、キャリアCから最初に取得された基板W(最初の基板W)は、各基板Wのうち薬液処理槽CHBに到達するタイミングが最も早く、キャリアCから最後に取得された基板W(最後の基板W)は、各基板Wのうち薬液処理槽CHBに到達するタイミングが最も遅い。各基板Wは、薬液処理槽CHBにおいて、第1所定時間経過後、リン酸処理が完了することになるが、最初の基板Wは、最も早いタイミングでリン酸処理が完了し、最後の基板Wは、最も遅いタイミングでリン酸処理が完了する。本実施例においては、リン酸処理が完了すると、基板Wは純水処理槽ONBに搬入されるので、リン酸処理を終えた最初の基板Wは、最も早く純水処理槽ONBに搬入され、リン酸処理を終えた最後の基板Wは、最も遅く純水処理槽ONBに搬入される。この様に本実施例の基板処理装置1は、リン酸処理を各基板Wに亘って逐次的に開始し、第1所定時間経過した順に逐次的に終了する構成となっている。薬液処理槽CHBに配列可能な基板Wの枚数は例えば50枚である。
【0081】
純水処理槽ONBは、薬液処理槽CHBから搬出された時刻が異なる複数枚の基板WをX方向に配列して浸漬位置で保持することが可能である。リンス槽は、例えば純水などのリンス液を保持し、鉛直姿勢の基板Wを浸漬位置に受け入れて基板Wに第2所定時間のリンス処理を施す。本実施例のリンス処理は、上述のリン酸処理と同様に、各基板Wに亘って逐次的に開始し、第2所定時間経過した順に逐次的に終了する構成となっている。純水処理槽ONBに配列可能な基板Wの枚数は例えば50枚である。一般に、第2所定時間は第1所定時間よりも短いので、純水処理槽ONBに配列可能な基板Wの枚数を薬液処理槽CHBに配列可能な基板Wの枚数よりも少なくすることもできる。純水処理槽ONBにおける基板Wの滞在時間が薬液処理槽CHBにおける基板Wの滞在時間よりも短ければ、純水処理槽ONBにおける基板Wの保持数を制限しても基板Wは純水処理槽ONBで渋滞することなく速やかに基板待機槽25へと搬送される。
【0082】
図7は、純水処理槽ONBにおける基板Wをリンス処理が終了した順に鉛直姿勢基板搬送機構SPRが基板待機槽25まで搬送する様子を示している。この様にして、姿勢変換ブロック7の基板待機槽27から基板Wを取得した鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、基板Wを鉛直姿勢基板処理ブロック9の薬液処理槽CHB,純水処理槽ONBに搬送し、姿勢変換ブロック7の基板待機槽25に払い出す。
【0083】
<5.その他の構成>
基板処理装置1は、装置の制御に関する制御部131を備える。また、図1には図示がないが、制御部には記憶部が基板処理装置1に備えられている。制御部131は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成される。制御部131の具体的構成は、限定されず、例えば、制御部を単一のプロセッサで構成してもよいし、制御部131を例えば機能ごとに個別のプロセッサで構成してもよい。
【0084】
制御部131に関する制御としては、例えば、インデクサロボットIR,センターロボットCR,枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16,水平姿勢基板搬送機構21,姿勢変換機構23,基板昇降機構25a,基板昇降機構27a,鉛直姿勢基板搬送機構SPR等の制御がある。
【0085】
記憶部は、制御に関するプログラムやパラメータなどを記憶する。記憶部は、単一のデバイスで構成してもよいし、各プロセッサに対応する個別のデバイスで構成してもよい。その他、本実施例の基板処理装置1は、記憶部を実現するデバイスの構成について特に限定を有しない。
【0086】
<6.基板処理装置の動作>
図9は、本実施例の基板処理装置1の動作を説明している。本実施例の基板処理装置1を用いて基板処理を行うには、次のような各ステップが実行される。
【0087】
ステップS11:未処理の基板Wを収納したキャリアCがロードポート11に載置される。インデクサロボットIRは、キャリアCから水平姿勢の基板Wを1枚ずつ取得し、インデクサブロック3に取り入れる。インデクサロボットIRは、把持した基板Wをパス13に載置する。こうして、基板Wは、水平姿勢基板処理ブロック5に取り入れられる。水平姿勢基板処理ブロック5におけるセンターロボットCRは、パス13に仮置きされた基板Wを取得して、枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16のいずれかに搬出する。このとき基板Wは、基板処理装置1の左側に位置する枚葉基板処理チャンバ15に搬出されたものとして以降の説明をする。枚葉基板処理チャンバ15に搬入された基板Wは、センターロボットCRに搬送されて、処理位置(スピンチャック15aが基板Wを吸着して保持できる位置)にある。
【0088】
ステップS12:スピンチャック15aの回転が開始されると、スピンチャック15aに保持された基板Wも回転を始める。その後、枚葉基板処理チャンバ15は、薬液ノズルから薬液を基板Wに向けて吐出し、基板表面(基板Wにおける回路が形成されたデバイス面)の薬液処理が開始される。基板Wの薬液処理が完了すると、基板Wに純水が供給される。純水の供給源は、薬液ノズルと同様な構成の純水供給用のノズルである。
【0089】
ステップS13:水平姿勢基板搬送機構21は、純水によって湿らされた基板Wを枚葉基板処理チャンバ15の処理位置から取得して、姿勢変換機構23の第1位置P1まで搬送する。こうして、基板Wは、姿勢変換ブロック7まで搬送される。基板Wを取得した姿勢変換機構23は、支持体23cを90°回転させることで水平保持部23h,垂直保持部23vを傾倒させて、基板Wを水平姿勢から鉛直姿勢に変換する。
【0090】
ステップS14:姿勢変換機構23は、基板昇降機構27aに基板Wを渡す。基板Wを渡された基板昇降機構27aは、基板Wを基板待機槽27の浸漬位置まで下降させる。基板待機槽27で待機された基板Wは、鉛直姿勢基板搬送機構SPRに取得されて、薬液処理槽CHBまで搬送される。
【0091】
ステップS15:薬液処理槽CHBには、基板待機槽27を通じて複数枚の基板Wが時間差で次々と搬入される。キャリアCに収納されていた複数枚の基板Wは、薬液処理槽CHB内の浸漬位置において配列され、一挙にリン酸処理される。
【0092】
ステップS16:鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、リン酸処理が完了した順に基板Wを薬液処理槽CHBから取り出して純水処理槽ONBに浸漬させる。純水処理槽ONBには薬液処理槽CHBから基板Wが時間差で次々と搬入される。純水処理槽ONBに浸漬された基板Wは、その場でリンス処理が施される。ステップS16および前ステップS15は、本発明の浸漬液処理過程に相当する。
【0093】
図10は、ステップS11~ステップS16までの基板搬送を説明している。図10においては、基板処理装置1の左側に位置する枚葉基板処理チャンバ15で予備薬液処理がされたので、基板Wは、基板処理装置1の左側に配置された各槽、各機構により搬送されている。基板処理装置1の右側に位置する枚葉基板処理チャンバ15で予備薬液処理がされた場合、基板Wは、基板処理装置1の右側に配置された各機構により各槽に搬送され、上述した各ステップと同様の処理を受ける。
【0094】
ステップS17:鉛直姿勢基板搬送機構SPRは、リンス処理が完了した順に基板Wを純水処理槽ONBから搬出して基板待機槽25に浸漬させる。
【0095】
ステップS18:基板待機槽25に設けられた基板昇降機構25aは、基板待機槽25に浸漬している基板Wを上昇させて姿勢変換機構23に渡す。基板Wを渡された姿勢変換機構23は、支持体23cを90°回転させることにより基板を水平姿勢に変換させる。すると、基板Wは、姿勢変換機構23に設定された第2位置P2に到達する。水平姿勢基板搬送機構21は、乾燥処理前の基板Wを当該第2位置P2で取得して、例えば枚葉基板処理チャンバ15の処理位置(スピンチャック15aが基板Wを吸着して保持できる位置)まで搬送する。本ステップでは、基板Wは、積層体17を構成する枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16のいずれかに搬送される。
【0096】
ステップS19:基板Wは、処理位置において、スピンチャック15aに保持された状態で回転される。すると、基板Wに付着した水分は、遠心力により振り切られ、基板Wから除去される。こうして、基板Wの乾燥処理が終了する。乾燥処理を終えた基板Wは、センターロボットCRに把持されて、パス13まで搬送される。
【0097】
ステップS20:パス13まで搬送された基板Wは、インデクサロボットIRに取得され、ステップS11(処理前)において属していた元のキャリアCに戻される。こうして、本発明に係る基板処理は終了となる。図11は、ステップS17~ステップS20までの基板搬送を説明している。
【0098】
以上のように、本発明の構成によれば、キャリアCから取り出された水平姿勢の所定枚数の基板Wは姿勢変換機構23に搬送される。姿勢変換機構23により鉛直姿勢に変換された所定枚数の基板Wは薬液処理槽CHBに順に浸漬される。所定時間の液処理が終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板Wは薬液処理槽CHBから順に取り出されて、純水処理槽ONBで処理を受け、姿勢変換機構23に搬送される。液処理の終わった鉛直姿勢の所定枚数の基板Wは姿勢変換機構23により水平姿勢に変換される。水平姿勢の所定枚数の基板Wは枚葉基板処理チャンバ15に搬送される。枚葉基板処理チャンバ15により乾燥処理の終わった水平姿勢の所定枚数の基板WはインデクサロボットIRによって搬送されてキャリアCに収納させる。したがって、本発明によれば、キャリアCから搬出された所定枚数の基板Wは順に搬送されて液処理と乾燥処理を受ける。液処理の前に長時間待機することなく順に薬液処理槽CHBに浸漬されるので各基板Wの処理履歴が均等になり信頼性の高い基板W処理装置が提供できる。また、薬液処理槽CHBでは鉛直姿勢の複数枚の基板Wを水平方向に配列して処理液に浸漬させるので、複数枚の基板Wを並行して液処理することができ、高いスループットの基板W処理装置を実現することもできる。
【0099】
本発明は、上述の構成に限られず下記の様に変形実施することができる。
【0100】
<変形例1>
上述の実施例の薬液処理槽CHBは、鉛直姿勢の基板WをX方向に配列する構成だったが、本発明はこの構成に限られない。鉛直姿勢の基板WをY方向に配列するように薬液処理槽CHBを構成してもよい。この場合、鉛直姿勢基板搬送機構SPRのUアーム37における第2延伸部はY方向に伸縮自在であり、一対の把持体39は、把持体39の結合部を中心にZ軸周りに少なくとも90°回転することができる。この様に構成することで、既存のバッチ処理槽を本発明の薬液処理槽CHBに転用することができる。なお、本発明の純水処理槽ONBも薬液処理槽CHBと同様、鉛直姿勢の基板WをY方向に配列するように構成してもよい。
【0101】
<変形例2>
上述の実施例における水平姿勢基板処理ブロック5には、センターロボットCRの左右に基板処理チャンバの積層体17を設ける構成だったが、これら積層体17のうちのいずれかを省略する構成とすることもできる。本変形例によれば、姿勢変換ブロック7,鉛直姿勢基板処理ブロック9における各槽、各機構は、基板処理チャンバの積層体17が設置されている左側または右側のみに設けられる。この様に構成すると、各槽の液質を管理する液体供給源を姿勢変換ブロック7,鉛直姿勢基板処理ブロック9の各槽、各機構が設けられていない右側または左側に設けることができる。
【0102】
<変形例3>
上述の実施例では、基板待機槽25と薬液処理槽CHBとの間に純水処理槽ONBを有する構成であったが、本発明はこの構成に限られない。基板待機槽25に純水処理槽ONBの機能を集約し、純水処理槽ONBを省略した装置構成とすることもできる。
【0103】
<変形例4>
上述の実施例では、水平姿勢基板処理ブロック5から鉛直姿勢基板処理ブロック9に向かう基板Wを基板待機槽27に留め置き、鉛直姿勢基板処理ブロック9から水平姿勢基板処理ブロック5に向かう基板Wを基板待機槽25に留め置く構成であったが、本発明はこの構成に限られない。水平姿勢基板処理ブロック5から鉛直姿勢基板処理ブロック9に向かう基板Wを基板待機槽25に留め置き、鉛直姿勢基板処理ブロック9から水平姿勢基板処理ブロック5に向かう基板Wを基板待機槽27に留め置く構成としてもよい。この場合、水平姿勢基板搬送機構21は、例えば枚葉基板処理チャンバ15で取得した予備薬液処理済みの基板Wを、第2位置P2まで搬送する。そして、第1位置P1まで搬送された本薬液処理済みの基板Wを例えば枚葉基板処理チャンバ15に搬入する。
【0104】
<変形例5>
上述の実施例では、後方に搬送される基板Wが留め置かれる基板待機槽27と前方に搬送される基板Wが留め置かれる基板待機槽25が個別の槽を構成していたが、基板待機槽27と基板待機槽25を単一の槽で構成するようにしてもよい。単一の槽には、2つの基板昇降機構を備え、一方が基板昇降機構27a,もう一方が基板昇降機構25aとして機能する。単一の槽に1つの基板昇降機構を備えるようにし、これに基板昇降機構27aの機能と基板昇降機構25aの機能を持たせるようにしてもよい。この場合、この場合、水平姿勢基板搬送機構21は、例えば枚葉基板処理チャンバ15で取得したフッ酸処理済みの基板Wを、第1位置P1まで搬送する。そして、第1位置P1まで搬送されたリン酸処理済みの基板Wを例えば枚葉基板処理チャンバ15に搬入する。
【0105】
<変形例6>
上述の実施例では、水平姿勢基板処理ブロック5において枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16が予備薬液処理を行う様にしていたが、本発明はこの構成限られず、予備薬液処理を省略した構成とすることもできる。この場合、枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16は基板乾燥処理を行うことができる構成であればよい。センターロボットCRが枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16の処理位置に置いた基板Wは、枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16による基板処理が施されずに水平姿勢基板搬送機構21に受け入れられる。
【0106】
<変形例7>
変形例6においては、センターロボットCRが枚葉基板処理チャンバ15を介さず、姿勢変換機構23まで基板Wを直接搬送するようにしてもよい。
【0107】
<変形例8>
上述の実施例では、枚葉基板処理チャンバ14,枚葉基板処理チャンバ15,枚葉基板処理チャンバ16で構成される積層体17を有していたが、本発明はこの構成に限られない。Z方向に1つの枚葉基板処理チャンバ15を有するように水平姿勢基板処理ブロック5を構成することもできる。
【0108】
<変形例9>
上述した実施例のインデクサロボットIRは、1枚の基板WをキャリアCから取得、払い出しを行う構成であったが、本発明はこの構成に限られない。複数枚の基板WをキャリアCから取得、払い出しを行うようにインデクサロボットIRを構成してもよい。同様に、複数の基板Wを搬送できるようにセンターロボットCR,水平姿勢基板搬送機構21,鉛直姿勢基板搬送機構SPRを構成するようにしてもよい。
【0109】
<変形例10>
上述した実施例の姿勢変換機構23は、基板Wを1枚ずつ受け入れて姿勢変換を行うようにしていたが、本発明はこの構成に限られない。複数枚の基板Wを水平姿勢基板搬送機構21から受け入れて、基板Wの姿勢変換を一括して行う構成としてもよい。同様に、複数枚の基板Wを基板昇降機構25aから受け入れて、基板Wの姿勢変換を一括して行う構成としてもよい。なお、本変形例の場合、鉛直姿勢の基板WをX方向に配列して保持するように基板昇降機構27aを構成してもよく、鉛直姿勢の基板WをX方向に配列して保持するように基板昇降機構25aを構成してもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 基板処理装置
3 インデクサブロック
5 水平姿勢基板処理ブロック
7 姿勢変換ブロック
9 鉛直姿勢基板処理ブロック
11 ロードポート(キャリア載置棚)
13 パス
14 枚葉基板処理チャンバ
15 枚葉基板処理チャンバ
15a スピンチャック
15b 薬液ノズル
15c シャッター
16 枚葉基板処理チャンバ
19 ハンド
21 水平姿勢基板搬送機構(第1基板搬送機構)
21a 支柱
21b 基部
21c アーム
23 姿勢変換機構
23a 回転駆動機構
23c 支持体
23d 基部
23h 水平保持部
23v 垂直保持部
25 基板待機槽
25a 基板昇降機構
27 基板待機槽
27a 基板昇降機構
31 レール
35 基体
37 Uアーム
39 把持体
131 制御部
C キャリア
CHB 薬液処理槽(液処理槽)
CR センターロボット(基板ハンドリング機構、第1基板搬送機構)
IR インデクサロボット
ONB 純水処理槽(液処理槽)
SP 基準位置
SPR 鉛直姿勢基板搬送機構(第2基板搬送機構)
P1 第1位置
P2 第2位置
R1 第1領域
R2 第2領域
R3 中央領域
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11