IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ車体株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-車載温調機器操作装置 図1
  • 特開-車載温調機器操作装置 図2
  • 特開-車載温調機器操作装置 図3
  • 特開-車載温調機器操作装置 図4
  • 特開-車載温調機器操作装置 図5
  • 特開-車載温調機器操作装置 図6
  • 特開-車載温調機器操作装置 図7
  • 特開-車載温調機器操作装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158818
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】車載温調機器操作装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20241031BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B60H1/00 103T
H04Q9/00 331A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074370
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】長越 崇
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 健斗
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 宗典
【テーマコード(参考)】
3L211
5K048
【Fターム(参考)】
3L211BA43
3L211DA83
3L211DA85
3L211EA04
3L211EA32
3L211GA82
3L211GA83
5K048AA04
5K048BA08
5K048BA42
5K048DC01
5K048EB02
5K048EB07
5K048EB12
5K048FB10
5K048FB15
5K048FB16
5K048GC03
5K048HA21
(57)【要約】
【課題】対象者の所定部位における設定温度と、推定温度の対比が、視覚的に、かつ直感的に知ることができる車載温調機器操作装置を提供する。
【解決手段】携帯端末のディスプレイは、乗員の所定部位を示す所定部位画像領域としての表示領域80等、及び周囲画像領域としての周囲表示領域80a~83aに、設定温度と、前記推定結果に基づく温度をそれぞれ色表示で提示する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温調の対象とする対象者の所定部位における設定温度を設定する温度設定操作部と、
前記設定温度に基づく操作信号を、生成する操作信号生成部と、
前記操作信号を車載温調機器の制御装置に対して出力する出力部と、
前記対象者の所定部位の表面温度を推定した温度推定部の推定結果を入力する入力部と、
前記対象者の所定部位を示す所定部位画像領域、及びその周囲を示す周囲画像領域の少なくとも一方の画像領域において、前記推定結果に基づく温度と、前記設定温度をそれぞれ色表示で提示する表示領域を含ませる表示部を備えた車載温調機器操作装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記推定結果に基づく温度と、前記設定温度とが異なる温度となる場合には、前記推定結果に基づく温度に係る色表示は、その温度差に応じて濃淡差をつけて提示するか、または異なる色表示で提示する請求項1に記載の車載温調機器操作装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記所定部位画像領域において、前記推定結果に基づく温度と、前記設定温度をそれぞれ色表示で提示する表示領域をそれぞれ有する請求項2に記載の車載温調機器操作装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記所定部位画像領域と前記周囲画像領域のうちいずれか一方を、前記推定結果に基づく温度とし、他方を、前記設定温度をそれぞれ色表示で提示する表示領域とする請求項2に記載の車載温調機器操作装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記推定結果に基づく温度と、前記設定温度とが同じ温度となる場合には、濃淡差がない同色で表示する請求項4に記載の車載温調機器操作装置。
【請求項6】
前記出力部及び前記入力部は、通信手段にて構成し、持ち運び可能にしている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車載温調機器操作装置。
【請求項7】
前記設定温度の設定は、前記対象者の頭、胸、腿、足のうちの少なくとも一つを前記所定部位に対応するものであって、
前記所定部位画像領域は、前記表示部が表示する人形画像において、前記所定部位と対応させたものである請求項6に記載の車載温調機器操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載温調機器操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、乗員の頭、胸等の所定部位に対する室内環境の温度調整を行うために、操作装置の設定画面において、目標温熱感の属性を有する操作子を操作することが開示されている。前記操作子の操作位置を乗員アイコンに重ねると、当該操作子の属性の目標温熱感に基づいて、車載の空調装置が目標温熱感となるように制御されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-19271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、目標温熱感毎に複数の操作子が用意されていて、いずれか1つの操作子が乗員アイコンの所定部位に重ねることで、目標温熱感が設定されるものである。
そして、所定部位における実温熱感を検出するセンサの検出結果は、前記乗員アイコンの所定部位を示す表示領域内において、色表示されるようにしている。
【0005】
しかし、特許文献1では、操作子を操作した後の目標温度と、人の所定部位の推定温度の対比を直感的に知ることができない問題がある。
本発明の目的は、上記課題を解決して、対象者の所定部位における設定温度と、推定温度の対比が色表示により実現されることにより、設定温度、推定温度の対比が、視覚的に、かつ直感的に知ることができる車載温調機器操作装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、本発明の車載温調機器操作装置は、温調の対象とする対象者の所定部位における設定温度を設定する温度設定操作部と、前記設定温度に基づく操作信号を、生成する操作信号生成部と、前記操作信号を車載温調機器の制御装置に対して出力する出力部と、前記対象者の所定部位の表面温度を推定した温度推定部の推定結果を入力する入力部と、前記対象者の所定部位を示す所定部位画像領域、及びその周囲を示す周囲画像領域の少なくとも一方の画像領域において、前記推定結果に基づく温度と、前記設定温度をそれぞれ色表示で提示する表示領域を含ませる表示部を備えるものである。
【0007】
また、前記表示部は、前記推定結果に基づく温度と、前記設定温度とが異なる温度となる場合には、前記推定結果に基づく温度に係る色表示は、その温度差に応じて濃淡差をつけて提示するか、または異なる色表示で提示してもよい。
【0008】
また、前記表示部は、前記推定結果に基づく温度と、前記設定温度とが同じ温度となる場合には、濃淡差がない同色で表示してもよい。
また、前記表示部は、前記所定部位画像領域において、前記推定結果に基づく温度と、前記設定温度をそれぞれ色表示で提示する表示領域をそれぞれ有していてもよい。
【0009】
また、前記表示部は、前記所定部位画像領域と前記周囲画像領域のうちいずれか一方を、前記推定結果に基づく温度とし、他方を、前記設定温度をそれぞれ色表示で提示する表示領域としてもよい。
【0010】
また、前記出力部及び前記入力部は、通信手段にて構成し、持ち運び可能にすることが好ましい。
また、前記設定温度の設定は、前記対象者の頭、胸、腿、足のうちの少なくとも一つを前記所定部位に対応するものであって、前記所定部位画像領域は、前記表示部が表示する人形画像において、前記所定部位と対応させてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、対象者の所定部位における設定温度と、推定温度の対比が色表示により実現されることにより、設定温度、推定温度の対比が、視覚的に、かつ直感的に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の車載機器制御システムの概略構成図である。
図2】第1実施形態の携帯端末20の電気的構成のブロック図である。
図3】第1実施形態の乗員とIRセンサと、空調装置との配置関係の説明図である。
図4】第1実施形態の空調装置50による設定画面71の説明図である。
図5】(a)は、第1実施形態の人形のアイコン73の説明図、(b)は第1実施形態の変形例の形のアイコン73の説明図である。
図6】第2実施形態の設定画面の説明図である。
図7】第2実施形態の設定画面の説明図である。
図8】第3実施形態の車載機器制御システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
以下、本発明を具体化した第1実施形態の車載温調機器操作装置を含む車載機器制御システムを図1図7を参照して説明する。
【0014】
図1に示すように、車載機器制御システム10は、車載温調機器操作装置としての携帯端末20、マルチメディア機器(MM機器)30、エアコンECU40、空調装置50、乗員部位温度センサ60等を備えている。これらの装置は、車両に搭載されている。エアコンECU40は、車載温調機器の制御装置に相当する。空調装置50は、車載温調機器に相当する。
【0015】
(1.携帯端末20)
携帯端末20は、図2に示すように、CPU(中央処理装置)からなるコントローラ22、制御プログラム等を記憶するROM23、作業用メモリとなるRAM24を備えている。また、携帯端末20は、ストレージ25、タッチディスプレイからなるディスプレイ26、操作部27、及び通信モジュール29等を備えている。ディスプレイ26は、表示部に相当する。通信モジュール29は、通信手段、出力部及び入力部に相当する。
【0016】
ストレージ25は、表示プログラム、表示データ及び操作データを記憶している。コントローラ22は、前記表示プログラムを実行すると、前記表示データに基づいて、ディスプレイ26に対して後述するホーム画面(図示しない)、或いは設定画面71(図4参照)等を表示する。操作部27は、ディスプレイ26の表示面上に設けられていて、操作者のタッチ操作を検出する。
【0017】
通信モジュール29は、MM機器30の通信部32と近距離無線通信が可能となっている。通信モジュール29は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)での通信方法で前記近距離無線通信を実行するが、他の通信方法、例えば、ZigBee(登録商標)であってもよい。
【0018】
(2.MM機器30)
MM機器30は、前記通信部32、MM機器システムコントロール部34及び通信インターフェイス36等を備えている。
【0019】
MM機器30は、図示はしないがSDメモリ等の半導体メモリ、ハードデイスク、DVD、CD等のメディアドライブ機器、RSE(Rear Seat Entertainment)及びカーナビゲーション装置と接続されている。RSEは、車両のルーフ等に配置されていて、テレビ放送、及び、前記メディアドライブ機器により再生されるDVDの映像などを、車両の2列目シート54(図3参照)に着座する乗員Gに提供するディスプレイである。
【0020】
MM機器30は、ボディECU、シートECU(ともに図示しない)、及びエアコンECU40に対して通信インターフェイス36を介して、すなわち、車内通信ネットワークを介して接続されている。
【0021】
前記車内通信ネットワークは、例えばCAN(Controller Area Network)、或いは、LIN(Local Interconnect Network)、MOST(Media Oriented Systems Transport, 登録商標)、CXPI(Clock Extension Peripheral Interface)がある。
【0022】
(3.空調装置50)
車載機器としての空調装置50は、エアコンECU40(エアコン用電子制御ユニット)の制御により、車室内の冷房、暖房、除湿の調整が可能となっている。
【0023】
図3に示すように、空調装置50は、冷却装置とヒーターコア(ともに図示しない)によってつくり出された冷風・温風を車室内の2列目シートに座った乗員Gに向けて送出するブロアー(図示しない)及びダクト51を備える。
【0024】
また、前記ダクト51の吹き出しノズル52は、2列目シートの座席に座った乗員Gの頭Ga、胸Gb、腿Gc、足Gdに対しての後述する制御情報に基づいてエアコンECU40により制御された電動モータ(図示しない)にて上下にスイング可能である。
【0025】
また、ダクト51には、図示しない風量調整ダンパーが設けられている。前記風量調整ダンパーは、後述する制御情報に基づいて制御されたモータ等により、冷却装置からの冷風と、ヒーターコアからの暖風の切換え、または、前記冷風と前記暖風の混合風量の調整が可能である。すなわち、前記コンプレッサ、エアコン用ブロアー及び各風量調整ダンパーを作動するモータ等は、エアコンECU40の制御部(図示しない)により制御される。
【0026】
(4.乗員部位温度センサ60)
乗員部位温度センサ60は、赤外線センサ、或いは赤外線カメラ等からなる。乗員部位温度センサ60は、検出部62と推定部64を有する。推定部64は、CPU、メモリ等を備えるマイクロコンピュータを備えている。
【0027】
検出部62は、2列目シート54に着座する乗員Gの頭、胸、腿及び足の表面からの発する赤外線をそれぞれ検出する。
推定部64は、乗員Gの頭、胸、腿及び足の表面からの赤外線を検出した結果に基づいて乗員Gの前記各部位の表面温度を推定するとともに、推定した結果を、MM機器30に出力する。MM機器30のMM機器システムコントロール部34は、前記通信部32を介して、乗員Gの前記各部位の表面温度の推定結果を携帯端末20の通信モジュール29に送信するようにされている。
【0028】
ここで、乗員Gの頭、胸、腿及び足は、温調の対象者の所定部位に相当する。乗員部位温度センサ60は温度推定部に相当する。
(5.1.設定画面71)
携帯端末20のディスプレイ26の設定画面71を、図4を参照して説明する。
【0029】
図示しないホーム画面において、エアコン部位別調整ボタンがタッチ操作されると、コントローラ22によりディスプレイ26にエアコン部位別調整の設定画面71が表示される。
【0030】
同図に示すように、エアコン部位別調整の設定画面71は、メニュー表題領域72、及び人の座り姿勢を示す人形のアイコン73が表示される。人形のアイコン73は、人形画像に相当する。また、設定画面71は、頭用調整部74、胸用調整部75、腿用調整部76、足用調整部77及びセットボタン78が表示される。それらの調整部74~77は、スライダーバーa、ツマミb及び設定値表示領域cを備えている。
【0031】
頭用調整部74、胸用調整部75、腿用調整部76、及び足用調整部77は、温度設定操作部に相当する。
(5.2.調整部)
頭用調整部74、胸用調整部75、腿用調整部76、足用調整部77について説明する。各ツマミbは、中央位置を基準にプラス側またはマイナス側にタッチ操作により移動可能である。本実施形態では、ツマミbは、スライダーバーa上を、中央位置を挟んで、プラス側及びマイナス側にそれぞれ5箇所、計11箇所の設定位置に移動可能とされている。
【0032】
ツマミbが、中央位置に位置している場合は、設定値表示領域cには、コントローラ22は、図4に示すように「0」を表示する。また、ツマミbが、プラス側の各設定位置に移動する毎に、コントローラ22は、設定値表示領域cに、「+1」~「+5」をそれぞれ表示する。また、ツマミbが、マイナス側の各設定位置に移動する毎に、コントローラ22は、設定値表示領域cに、「-1」~「-5」をそれぞれ表示する。
【0033】
また、コントローラ22によりスライダーバーaは、中央位置付近は、白色または白に近い色に、中央位置からプラス側へ遠位となるほど、暖色系の色が徐々に濃くなるように表示される。また、スライダーバーaは、中央位置からマイナス側へ遠位となるほど、寒色系の色が徐々に濃くなるように表示される。前記暖色系は、例えば、赤、橙、黄色等を指す。前記寒色系は、例えば青、青緑、青紫等を指す。
【0034】
乗員の各ツマミbの操作による設定位置、すなわち設定温度に応じて、エアコンECU40が空調装置50を制御することにより、頭、胸、腿、または足への冷風・温風の風量を好みのものとすることができる。前記制御による冷風・温風の風量の調整は、ノズル52のスイング、及び、ブロアー(図示しない)の駆動量による調整を含む。
【0035】
すなわち、乗員による各ツマミbの移動操作後、セットボタン78がタッチ操作されたとする。すると、コントローラ22は、セットボタン78のタッチ操作された時点での各ツマミbの設定温度にするための制御情報を含む操作信号を生成した後、通信モジュール29を介してMM機器30に送信する。MM機器30は、通信部32にて受信した前記操作信号を、エアコンECU40に通信インターフェイス36を介して送信するようにしている。コントローラ22は、操作信号生成部に相当する。
【0036】
この操作信号は空調装置50の制御情報として、ストレージ25に記憶された図示しないテーブルを、コントローラ22が参照して求める。
なお、ツマミbが位置する位置が、暖房要求の位置、冷房要求の位置等の位置判定は、車室内温度センサ(図示しない)が検出した車室内温度との比較によってコントローラ22が判定する。例えば、スライダーバーaにおいて、長さ方向の中央位置を「0」として、+側及び-側にそれぞれ5段階の設定位置があったとする。
【0037】
以後、プラス側の5段階の設定位置を、中央位置から離間方向へ順にプラス側第1設定位置~プラス側第5設定位置という。また、マイナス側の5段階の設定位置を、中央位置から離間方向へ順にマイナス側第1設定位置~マイナス側第5設定位置という。
【0038】
仮に前記中央位置を、20℃に設定する位置とし、他の位置を2℃ずつ区分するものとする。
この場合、-側の5つの位置は、中央位置に最も遠位の位置から、中央位置に最も近いの順で、「18℃」、「16℃」、「14℃」、「12℃」、及び「10℃」に設定する位置となる。また、+側の5つの位置は、中央位置に最も近位の位置から、中央位置に最も遠位の位置の順で、「22℃」、「24℃」、「26℃」「28℃」、「30℃」となる。これらの温度は、ツマミbの設定位置に移動した際の設定温度の例となる。
【0039】
従って、ツマミbの位置がいずれかの位置に設定された場合、その設定位置が乗員が要求する温度設定となる。
そして、ツマミbの位置が、中央位置(「20℃」)に位置し、かつ前記車室内温度が20℃未満であれば、その位置は、暖房要求の位置となる。ツマミbの位置が、中央位置(「20℃」)に位置し、かつ前記車室内温度が20℃を超えている場合であれば、その位置は、冷房要求の位置となる。
【0040】
なお、ツマミbの位置が、中央位置(「20℃」)に位置し、かつ前記車室内温度が20℃の場合、暖房要求の位置及び冷房要求の位置ではなくなるため、単に送風を要求する位置となる。このように、ツマミbの位置が同じであっても、前記車室内温度との関係によって暖房要求、冷房要求、或いは単なる送風要求に変化することになる。
【0041】
スライダーバーaにおいて、ツマミbが移動可能な設定位置は、前述の中央位置を含めた11箇所に限定するものではなく、11箇所未満であっても、11箇所を超えて設定されていてもよい。また、各ツマミbの移動可能な位置における温度設定は、1℃間隔に限定するものではなく、2℃間隔、或いは、0.5℃間隔等であってもよい。
【0042】
そして、コントローラ22は、作成した空調装置50(車載機器)の前記制御情報を含む信号を作成するとともに、MM機器30を介してエアコンECU40に送信する。エアコンECU40は、前記制御情報に基づいて、空調装置50を制御する。
【0043】
(5.3.アイコン73)
次に、図5(a)を参照して、人形のアイコン73について説明する。図5に示すように、人形のアイコン73は、人の頭表示領域80、胸表示領域81、腿表示領域82、及び足表示領域83を有する。本実施形態では、頭表示領域80、胸表示領域81、腿表示領域82、及び足表示領域83は、シートに着座した姿勢の人の頭、胸、腿、及び足に対応するようにそれぞれ表示される。
【0044】
人の頭表示領域80、胸表示領域81、腿表示領域82、及び足表示領域83は、所定部位画像領域に相当する。
また、図5(a)に示すように頭表示領域80、胸表示領域81、腿表示領域82、及び足表示領域83の周囲には、頭周囲表示領域80a、胸周囲表示領域81a、腿周囲表示領域82a、及び足周囲表示領域83aを有する。以下では、頭周囲表示領域80a、胸周囲表示領域81a、腿周囲表示領域82a、及び足周囲表示領域83aをまとめて表現する場合は、単に「周囲表示領域」という。
【0045】
頭周囲表示領域80a、胸周囲表示領域81、腿周囲表示領域82a、及び足周囲表示領域83aは、周囲画像領域に相当する。
頭表示領域80、胸表示領域81、腿表示領域82、及び足表示領域83は、コントローラ22により、調整部74~77のツマミbの設定位置に応じた設定温度に対応した色表示がされる。
【0046】
<第1実施形態の作用>
上記車載機器制御システム10の作用を説明する。
(6.1.スライダーバーの色と表示領域の色表示との関係)
図5(a)に示す頭表示領域80の場合において、ツマミbの設定位置におけるスライダーバーaの色と、頭表示領域80の色表示との関係についての例について説明する。なお、下記の色の例は、例示であって、下記の色に限定するものではない。
【0047】
ツマミbの設定位置を中央位置にする場合、コントローラ22は、スライダーバーaの中央位置においては白色表示するとともに、頭表示領域80を同じく白色表示する。この場合、コントローラ22は、設定値表示領域cには「0」を表示する。
【0048】
ツマミbの設定位置をプラス側第1設定位置にする場合、コントローラ22は、スライダーバーaのプラス側第1設定位置に最も近接する部位を淡い赤色表示するとともに、頭表示領域80を同色の淡い赤色表示する。この場合、コントローラ22は、設定値表示領域cには「+1」を表示する。
【0049】
ツマミbの設定位置をプラス側第2設定位置にする場合、コントローラ22は、スライダーバーaのプラス側第1設定位置の淡い赤色表示よりも若干濃い赤色表示する。あわせて、コントローラ22は、頭表示領域80を同色のプラス側第1設定位置の淡い赤色表示よりも若干濃い赤色表示する。この場合、コントローラ22は、設定値表示領域cには「+2」を表示する。
【0050】
以下、同様に、ツマミbの設定位置をプラス側第n(=3,4,5)設定位置にする場合、コントローラ22は、中央位置側に隣接する設定位置の場合よりも、スライダーバーaのその設定位置に最も近接する部位を、徐々に濃くなるように赤色表示する。
【0051】
これに合わせて、コントローラ22は、ツマミbの設定位置をプラス側第n(=3,4,5)設定位置にする場合、頭表示領域80をスライダーバーaのその設定位置に最も近接する部位と、同色、かつ、同じ濃淡となるように赤色表示する。また、コントローラ22は、ツマミbの設定位置をプラス側第n(=3,4,5)設定位置にする場合、設定値表示領域cには「+n(=3,4,5)」を表示する。
【0052】
反対に、ツマミbの設定位置をマイナス側第1設定位置にする場合、コントローラ22は、スライダーバーaのマイナス側第1設定位置に最も近接する部位を淡い青色表示するとともに、頭表示領域80を同色の淡い青色表示する。この場合、コントローラ22は、設定値表示領域cには「-1」を表示する。
【0053】
ツマミbの設定位置をマイナス側第2設定位置にする場合、コントローラ22は、スライダーバーaのマイナス側第1設定位置の淡い青色表示よりも若干濃い青色表示する。あわせて、コントローラ22は、頭表示領域80を同色のマイナス側第1設定位置の淡い青色表示よりも若干濃い青色表示する。この場合、コントローラ22は、設定値表示領域cには「-2」を表示する。
【0054】
以下、同様にツマミbの設定位置をマイナス側第n(=3,4,5)設定位置にする場合、コントローラ22は、中央位置側に隣接する設定位置の場合よりも、スライダーバーaのその設定位置に最も近接する部位を、徐々に濃くなるように青色表示する。これに合わせて、コントローラ22は、ツマミbの設定位置をマイナス側第n(=3,4,5)設定位置にする場合、頭表示領域80をスライダーバーaのその設定位置に最も近接する部位と、同色、かつ、同じ濃淡となるように青色表示する。
【0055】
また、コントローラ22は、ツマミbの設定位置をマイナス側第n(=3,4,5)設定位置にする場合、設定値表示領域cには「-n(=3,4,5)」を表示する。
胸用調整部75と胸表示領域81、腿用調整部76と腿表示領域82、及び足用調整部77と足表示領域83との色表示関係も、上記頭用調整部74と頭表示領域80との色表示関係と同様であるため、説明を省略する。
【0056】
上記のように、各調整部74~77において、ツマミbが任意の位置に設定された後、セットボタン78が操作されたとする。すると、コントローラ22は、セットボタン78のタッチ操作された時点での各ツマミbの設定温度にするための制御情報を含む操作信号を作成した後、通信モジュール29を介してMM機器30に送信する。MM機器30は、通信部32にて受信した前記操作信号を、エアコンECU40に通信インターフェイス36を介して送信する。エアコンECU40は、前記制御情報に基づいて、空調装置50を制御する。制御された空調装置50は、2列目シート54に着座する乗員Gの頭、胸、腿、及び足への冷風・温風を送風する。
【0057】
乗員部位温度センサ60の検出部62は、乗員Gの頭、胸、腿及び足の表面からの発する赤外線をそれぞれ検出する。また、推定部64は、乗員Gの頭、胸、腿及び足の表面からの赤外線を検出した結果に基づいて乗員Gの前記各部位の表面温度を推定するとともに、推定した結果を、MM機器30に出力する。MM機器30のMM機器システムコントロール部34は、前記通信部32を介して、乗員Gの前記各部位の表面温度の推定結果を携帯端末20の通信モジュール29に送信する。
【0058】
(6.2.周囲表示領域の色表示)
周囲表示領域に対して、コントローラ22は、乗員部位温度センサ60からMM機器30、及び通信モジュール29を介して入力した乗員Gの各部位の表面温度の推定結果に基づいて、乗員Gの各部位の表面温度を色表示する。
【0059】
(6.3.設定温度と推定結果の表面温度が同一の場合)
この場合の色表示は、例えば、頭用調整部74での設定温度と乗員Gの頭の表面温度の推定結果が、同一温度となる場合には、頭周囲表示領域80aの色を、頭表示領域80の色と濃淡差がない同色で表示する。
【0060】
なお、本実施形態の例では、設定温度が、ツマミbが中央位置に設定されている場合には、頭表示領域80の色は、白色となるため、頭周囲表示領域80aは、頭表示領域80の色と同色の白色で表示される。
【0061】
このように頭周囲表示領域80aの色と、頭表示領域80の色とが同色で、かつ濃淡差がないことにより、乗員Gはこれらの色表示により、頭の周囲は設定温度と同じ温度であり、視覚的、かつ、直感的に知ることができる。
【0062】
頭用調整部74以外の他の調整部と乗員Gの他の部位の表面温度の推定結果が同一温度となる場合も上記と同様である。
(6.4.設定温度と推定結果の表面温度が異なる場合)
調整部での設定温度と乗員Gの所定部位の表面温度の推定結果の温度が異なる場合として、具体的に頭用調整部74にて設定温度が設定されるとともに乗員Gの頭の表面温度の推定結果の温度が異なる場合について説明する。
【0063】
(A1)中央位置の設定位置、またはプラス側第n(=1,2,3,4,5)設定位置で設定温度T1が設定されるとともに頭の表面温度の推定結果の温度T2が、前記設定温度T1よりも超える場合(T0≦T1<T2)
なお、T0は、中央位置の設定位置での設定温度である。
【0064】
設定温度T1が中央位置で設定された場合(T0=T1)は、頭周囲表示領域80aには、頭表示領域80に表示される白色とは異なる濃淡がついた赤色を、コントローラ22は表示する。
【0065】
すなわち、この場合は、頭表示領域80と頭周囲表示領域80aとは、異なる色であって、頭周囲表示領域80aが赤色に提示されることにより頭の周囲が設定温度よりも高いことが、視覚的、かつ、直感的に知ることができる。
【0066】
設定温度T1がプラス側第n(=1,2,3,4,5)設定位置で設定された場合は、頭周囲表示領域80aには、頭表示領域80に表示される色(赤色)よりもさらに濃淡が濃い色を、コントローラ22は表示する。すなわち、頭表示領域80と頭周囲表示領域80aとは、同色で、その温度差に応じて前記設定温度の色の濃淡よりも濃い濃淡差をつけて提示される。
【0067】
このように頭周囲表示領域80aの色の方が、頭表示領域80の色よりも濃淡が濃いため、乗員Gはこれらの色表示により、頭の周囲は温度が高いことが視覚的、かつ、直感的に知ることができる。
【0068】
(A2)プラス側第n(=1,2,3,4,5)設定位置で設定温度T1が設定されるとともに頭の表面温度の推定結果の温度T2が、前記設定温度T1未満で、かつ、中央位置の設定温度T0以上の高い場合(T0≦T2<T1)
頭の表面温度の推定結果の温度T2が、T0=T2の場合は、頭周囲表示領域80aには、白色を、コントローラ22は表示する。すなわち、頭表示領域80と頭周囲表示領域80aとは、異なる色で提示される。
【0069】
すなわち、この場合は、頭表示領域80と頭周囲表示領域80aとは、異なる色であって、頭周囲表示領域80aが白色に提示されることにより頭の周囲が設定温度よりも低いことが、視覚的、かつ、直感的に知ることができる。
【0070】
頭の表面温度の推定結果の温度T2が、T0<T2<T1の場合、頭周囲表示領域80aには、頭表示領域80に表示される色(赤色)よりも濃淡が淡い色(赤色)を、コントローラ22は表示する。すなわち、頭表示領域80と頭周囲表示領域80aとは、同色で、その温度差に応じて前記設定温度の色の濃淡よりも淡い濃淡差をつけて提示される。
【0071】
このように頭周囲表示領域80aの色の方が、頭表示領域80の色よりも濃淡が淡いため、乗員Gはこれらの色表示により、頭の周囲は温度が低いことが視覚的、かつ、直感的に知ることができる。
【0072】
(A3)マイナス側第n(=1,2,3,4,5)設定位置となって設定温度T1が設定されるとともに頭の表面温度の推定結果の温度T2が、T1<T2≦T0の場合
頭の表面温度の推定結果の温度T2が、T0の場合には、頭周囲表示領域80aには、白色を、コントローラ22は表示する。すなわち、頭表示領域80は、青色で表示されるため、頭周囲表示領域80aとは、異なる色で提示される。
【0073】
これにより、頭の周囲の温度T2が設定温度T1よりも高いことが、視覚的、かつ、直感的に知ることができる。
頭の表面温度の推定結果の温度T2が、T0未満の場合に、頭表示領域80は設定温度T1にあった濃淡を有する青色表示される。一方、頭周囲表示領域80aには、推定結果の温度T2にあった濃淡が付けられた青色を、コントローラ22は表示する。
【0074】
このように、この場合は、頭周囲表示領域80aには頭表示領域80とは、同色であって、頭表示領域80とは温度差に応じた淡い濃淡を有する青色に提示されることにより頭の周囲が設定温度T1よりも高いことが、視覚的、かつ、直感的に知ることができる。
【0075】
(A4)中央位置の設定位置、またはマイナス側第n(=1,2,3,4,5)設定位置となって設定温度T1が設定されるとともに頭の表面温度の推定結果の温度T2が、T2<T1≦T0の場合
設定温度T1が中央位置で設定された場合(T0=T1)は、頭周囲表示領域80aには、頭表示領域80に表示される白色とは異なる濃淡がついた青色を、コントローラ22は表示する。
【0076】
すなわち、この場合は、頭表示領域80と頭周囲表示領域80aとは、異なる色であって、頭周囲表示領域80aが青色に提示されることにより頭の周囲が設定温度よりも低いいことが、視覚的、かつ、直感的に知ることができる。
【0077】
設定温度T1がマイナス側第n(=1,2,3,4,5)設定位置で設定された場合は、頭周囲表示領域80aには、頭表示領域80に表示される色(青色)よりもさらに濃淡が濃い色を、コントローラ22は表示する。すなわち、頭表示領域80と頭周囲表示領域80aとは、同色で、その温度差に応じて前記設定温度の色の濃淡よりも濃い濃淡差をつけて提示される。
【0078】
このように頭周囲表示領域80aの色の方が、頭表示領域80の色よりも濃淡が濃いため、乗員Gはこれらの色表示により、頭の周囲は温度が低いことが視覚的、かつ、直感的に知ることができる。
【0079】
胸用調整部75と胸表示領域81、腿用調整部76と腿表示領域82、及び足用調整部77と足表示領域83との色表示関係も、上記頭用調整部74と頭表示領域80との色表示関係と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1)本実施形態の携帯端末20は、乗員Gの頭、胸、腿及び足(所定部位)における設定温度を設定する調整部74~77(温度設定操作部)を有する。また、携帯端末20のコントローラ22は、前記設定温度に基づく操作信号を、生成する操作信号生成部としている。また、携帯端末20は、前記操作信号を、空調装置50(車載温調機器)の(制御装置)に対して出力する通信モジュール29(出力部)を有する。また、通信モジュール29は、前記対象者の所定部位の表面温度を推定する乗員部位温度センサ60(温度推定部)の推定結果を入力する入力部としている。携帯端末20は、ディスプレイ26(表示部)を備える。前記ディスプレイ26は、乗員Gの所定部位を示す所定部位画像領域としての表示領域80~83、及び周囲画像領域としての周囲表示領域80a~83aに、設定温度と、前記推定結果に基づく温度をそれぞれ色表示で提示する。
【0081】
この結果、対象者の所定部位における設定温度と、推定温度の対比が色表示により実現されることにより、設定温度、推定温度の対比が、視覚的に、かつ直感的に知ることができる。
【0082】
(2)本実施形態では、前記ディスプレイ26(表示部)は、前記推定結果に基づく温度と、前記設定温度とが異なる温度となる場合、前記推定結果に基づく温度に係る色表示は、その温度差に応じて濃淡差をつけて提示する。または、異なる色表示で提示する
この結果、乗員Gはこれらの色表示により、頭の周囲は温度が低いこと、或いは高いことが視覚的、かつ、直感的に知ることができる。
【0083】
(3)本実施形態では、ディスプレイ26(表示部)は、推定結果に基づく温度T2(周囲温度)と、設定温度T1とが同じ温度となる場合には、濃淡差がない同色で表示する。この結果、乗員は、所定部位の周囲温度が設定温度とが同一であることを、視覚的、かつ、直感的に知ることができる。
【0084】
(4)本実施形態では、ディスプレイ26の表示領域(所定部位画像領域)80~83を設定温度を色表示で提示する表示領域とするとともに、周囲表示領域(周囲画像領域)80a~83aを推定結果に基づく温度を色表示する表示領域とした。
【0085】
この結果、設定温度の表示と、周囲温度の表示を隣接して行うことができるため、両者の温度関係を視覚的、かつ、直感的に知ることができる。
一般に、自己と他のものを比較する場合、自己側を基準(内側)にして、他を外側においた方が、直感的に対比しやすく、理解しやすいものとなる。
【0086】
従って、乗員が操作により設定した設定温度を、人形のアイコン73の所定部位(頭等)に設定温度(基準)の色表示を行い、外側(周囲)に推定結果の温度を色表示した方が、直感的に、設定温度に対して推定温度の大小関係の把握がしやすいものとなる。
【0087】
(5)本実施形態の出力部及び入力部は、通信手段としての通信モジュール29にて構成し、持ち運び可能にしている。この結果、携帯端末20を持ち運びすることができる。
(6)本実施形態では、設定温度は、乗員Gの頭、胸、腿、足(所定部位)毎に対応させて設定される。そして、表示領域(所定部位画像領域)80~83は、ディスプレイ26(表示部)が表示する人形画像において、前記所定部位と対応させている。このため、乗員Gは所定部位毎の表示領域(所定部位画像領域)80~83の色表示により、所定部位毎に視覚的、かつ、直感的にその設定温度を知ることができる。
【0088】
<第1実施形態の変形例>
アイコン73を、図5(b)のようにディスプレイ26により表示してもよい。
すなわち、同図に示すように、所定部位毎の表示領域(所定部位画像領域)80~83は、シート側表示領域80b~83bと、反シート側表示領域80c~83cとなるように分割されている。そして、シート側表示領域80b~83bは、コントローラ22により第1実施形態の表示領域80~83と同様に設定温度を色表示するようにする。また、反シート側表示領域80c~83cは、第1実施形態の周囲表示領域80a~83aと同様にコントローラ22により推定結果に基づく温度をそれぞれ色表示で提示する。
【0089】
空調装置50は、一般に人の頭等の所定部位に対して、前方、或いは横側方から風を当てることが多い。このため、この変形例では、人が前記推定結果に基づく温度を感ずる反シート側表示領域80c~83cに推定結果に基づく温度をそれぞれ色表示する。
【0090】
これにより、設定温度をシート側表示領域80b~83bに設定温度(基準)の色表示を行うとともに、反シート側表示領域80c~83cに推定結果に基づく温度をそれぞれ色表示した方が、直感的に、乗員Gは推定結果の温度を確認しやすくなる。従って、設定温度に対して推定温度の大小関係の把握がしやすいものとなる。
【0091】
また、図示はしないが、第1実施形態において、周囲表示領域80a~83aを、人側表示領域と、反人側表示領域となるようにそれぞれ2分割してもよい。
この場合、人側表示領域は、コントローラ22により第1実施形態の所定部位毎の表示領域(所定部位画像領域)80~83と同様に設定温度を色表示するようにする。また、反人側表示領域は、コントローラ22により推定結果に基づく温度をそれぞれ色表示で提示する。
【0092】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態を、図6及び図7を参照して説明する。
本実施形態では、設定画面71の当初は図6に示すように、メニュー表題領域72、人形のアイコン73及びセットボタン78が表示されるようにしている。そして、人形のアイコン73の所定部位毎の表示領域(所定部位画像領域)80~83のうち、所定部位の温度調整を望む場合、その望むところの1つまたは2つ以上をタッチ操作する。
【0093】
すると、コントローラ22は、タッチ操作された調整部を設定画面71に表示するところが、第1実施形態と異なっている。
図7は、例示として頭表示領域80がタッチ操作されると、頭用調整部74がコントローラ22により表示されたところが、示されている。なお、タッチ操作される所定部位の表示領域80~83は、1つに限定するものではなく、2つ以上の所定部位の表示領域がタッチ操作されれば、その2つ以上の調整部が表示される。
【0094】
このように希望するところのみの調整部が表示されることによりその温度調整ができるため、間違って希望していない他の所定部位の調整を行うことがなくなる利点があるとともに画面の表示を減らし操作性を向上できる。
【0095】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態を、図8を参照して説明する。
本実施形態の車載機器制御システム10は、第1実施形態の構成に、ヒータ部110が付加されているところが第1実施形態と異なっている。
【0096】
ヒータ部110は、図3に示す2列目シート54において、座部、及びシートバックにそれぞれヒータ部110が内蔵されている。ヒータ部110は、エアコンECU40により、オンオフ制御されるようにしている。
【0097】
そして、腿用調整部76、或いは胸用調整部75の操作によりコントローラ22がヒータ部110に対するオン制御の制御情報を含む操作信号を作成するとする。この操作信号が携帯端末20からMM機器30を介してエアコンECU40に送信されると、エアコンECU40は、座部、またはシートバックのヒータ部110に対して前記制御情報に基づいて、オン制御する。この場合、ヒータ部110は、空調装置50とともに車載温調機器に相当する。また、エアコンECU40は車載温調機器の制御装置に相当する。
【0098】
上述した各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0099】
・前記実施形態では、乗員Gの頭、胸、腿及び足の4つの部位を所定部位としたが、これらのいずれか1つを所定部位としたり、或いは2つの部位の組み合わせを、または3つの部位の組み合わせを所定部位としてもよい。
【0100】
・乗員部位温度センサは前記実施形態では赤外線センサあるいは赤外線カメラとした。しかし、乗員部位温度センサは、輝度や色・赤外線強度などで温度を測定する非接触式のセンサあるいはカメラのほかに熱起電力や電気抵抗・磁気の変化を利用する接触式のセンサであってもよく、乗員の温度を推定可能であれば特に限定されるものではない。
【0101】
・第1実施形態のディスプレイ26において、表示領域(所定部位画像領域)80~83を推定結果に基づく温度を色表示する表示領域とするとともに、周囲表示領域(周囲画像領域)80a~83aを、設定温度を色表示で提示する表示領域にしてもよい。
【0102】
・第1実施形態で、人形のアイコン73をシートに着座した姿勢としたが、この姿勢に限定されない。人形のアイコンを他の姿勢、例えば、立ち姿の人形のアイコンとしてもよい。さらに、図示しないが人形アイコンを2つ隣接させて表示してもよい。この場合、一方のアイコンに推定結果に基づく温度を色表示する表示領域(所定部位画像領域)80~83を割り当て、他方のアイコンに設定温度を色表示する周囲表示領域(周囲画像領域)80a~83aを割り当て表示すればよい。
【符号の説明】
【0103】
10…車載機器制御システム
20…携帯端末(車載温調機器操作装置)
22…コントローラ(操作信号生成部)
23…ROM
24…RAM
25…ストレージ
26…ディスプレイ(表示部)
27…操作部
29…通信モジュール(通信手段、出力部、入力部)
30…MM機器
32…通信部
34…MM機器システムコントロール部
36…通信インターフェイス
40…エアコンECU(車載温調機器の制御装置)
50…空調装置(車載温調機器)
51…ダクト
52…ノズル
54…2列目シート
60…乗員部位温度センサ(温度推定部)
62…検出部
64…推定部
71…設定画面
72…メニュー表題領域
73…人形のアイコン
74…頭用調整部(温度設定操作部)
75…胸用調整部(温度設定操作部)
76…腿用調整部(温度設定操作部)
77…足用調整部(温度設定操作部)
78…セットボタン
80…頭表示領域
80a…周囲表示領域(周囲画像領域)
80b…シート側表示領域
80c…反シート側表示領域
81…胸表示領域
81a…周囲表示領域(周囲画像領域)
81b…シート側表示領域
81c…反シート側表示領域
82…腿表示領域
82a…周囲表示領域(周囲画像領域)
82b…シート側表示領域
82c…反シート側表示領域
83…足表示領域
83a…周囲表示領域(周囲画像領域)
83b…シート側表示領域
83c…反シート側表示領域
100…シートECU(車載温調機器の制御装置)
110…ヒータ部(車載温調機器)
a…スライダーバー
b…ツマミ
c…設定値表示領域
G…乗員
Ga…頭
Gb…胸
Gc…腿
Gd…足
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8