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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158847
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】栓体
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/16 20060101AFI20241031BHJP
   B65D 39/08 20060101ALI20241031BHJP
   A47J 41/02 20060101ALI20241031BHJP
   A47J 41/00 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B65D51/16 310
B65D39/08
A47J41/02 104A
A47J41/00 304A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074417
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】古和 達也
【テーマコード(参考)】
3E084
4B002
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA22
3E084AB01
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084CB04
3E084DA01
3E084DB12
3E084DB17
3E084DB18
3E084EA03
3E084FA09
3E084FB02
3E084FB03
3E084GA04
3E084GB04
3E084HA05
3E084HB04
3E084HC03
3E084HD02
3E084KA04
3E084KB01
3E084LD01
4B002AA02
4B002BA08
4B002BA13
4B002CA23
4B002CA32
4B002CA50
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、圧力開放弁を備えた栓体において、従来の栓体に比べて洗浄時に収容空間に水を流入させやすくすることである。
【解決手段】本発明に係る栓体120は、移動可能である弁体124aを有する圧力開放弁124と、天壁部121bを有する蓋体121と、前記蓋体と共に前記圧力開放弁を収容する収容空間SPを形成すると共に、第1孔HL1、および、前記蓋体の側の反対側に位置し前記弁体により開閉される第2孔HMが形成されている空間形成壁部122と、を備え、前記蓋体は、前記天壁部の外端から前記空間形成壁部の側に延びると共に前記空間形成壁部との間に隙間を形成するように前記空間形成壁部の外側に位置する側壁部121aを有し、前記第1孔は、前記側壁部に対向するように少なくとも2つ形成されており、前記収容空間を前記隙間に連通させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能である弁体を有する圧力開放弁と、
天壁部を有する蓋体と、
前記蓋体と共に前記圧力開放弁を収容する収容空間を形成すると共に、第1孔、および、前記蓋体の側の反対側に位置し前記弁体により開閉される第2孔が形成されている空間形成壁部と、を備え、
前記蓋体は、前記天壁部の外端から前記空間形成壁部の側に延びると共に前記空間形成壁部との間に隙間を形成するように前記空間形成壁部の外側に位置する側壁部を有し、
前記第1孔は、前記側壁部に対向するように少なくとも2つ形成されており、前記収容空間を前記隙間に連通させる
栓体。
【請求項2】
前記蓋体の前記空間形成壁部の側の反対側に配置され、平面視において前記蓋体の第1側から前記蓋体の前記第1側の反対側に延びる姿勢安定部をさらに備え、
前記第1孔は、平面視において前記姿勢安定部の延び方向と直交する第1方向、および、前記第1方向の反対方向に少なくとも位置する
請求項1に記載の栓体。
【請求項3】
前記第1方向に位置する前記第1孔の幅は、前記第1方向の反対方向に位置する前記第1孔の幅と異なる
請求項2に記載の栓体。
【請求項4】
前記収容空間を、前記蓋体の側の空間と、前記蓋体の側の反対側の空間とに仕切り、前記蓋体の側の空間を前記蓋体の側の反対側の空間に連通させる第3孔が形成される仕切り部をさらに備え、
前記第1孔は、前記蓋体の側の空間を前記隙間に連通させ、
前記仕切り部は、前記第3孔から前記第1孔の側に向かうに従って前記蓋体の側の反対側に傾斜している
請求項1から3のいずれか1項に記載の栓体。
【請求項5】
前記姿勢安定部によって倒立状態が保たれている時に前記第1孔から真上に延びる仮想線を引いた場合、前記蓋体および前記空間形成壁部と当たらない前記仮想線が存在する
請求項2または3に記載の栓体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栓体に関する。
【背景技術】
【0002】
過去に「容器口部に嵌着する開口部を有する中栓と、容器口部を密封するオーバーキャップとからなる口栓体において、前記オーバーキャップが上方側面に複数個の排気孔を設け、内側中央部にバネ部材と中央に挿入孔を有する可動弁を設け、該可動弁の中央の挿入孔に通気溝を形成したシャフト栓を挿入したことを特徴とするガス排気用口栓体」が提案されている(例えば、実開平06-047160号公報等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平06-047160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のようなガス排気用口栓体では、中栓およびオーバーキャップによって1つの収容空間が形成される。この収容空間には、ガス排気用口栓体が容器に装着された状態で容器内部の圧力が高まった場合に容器内部の圧力を開放する可動弁が収容される。そして、容器に装着された状態で可動弁が働くと、容器内部の気体が、収容空間に流入し後、口栓体の側壁部に形成される排気孔を通じて排気される。なお、容器から取り外されたガス排気用口栓体において、この排気孔は、収容空間に水を流入させて収容空間を洗浄するための流入孔としての役目も担う。しかし、上述のようなガス排気用口栓体では、収容空間に水を流入させるためには、排気孔(流入孔)に向けてできるだけ正確に水を流す必要があり、例えば食洗器に入れられた場合等において、収容空間に水を十分に流入させることができないおそれがあった。
【0005】
本発明の課題は、圧力開放弁を備えた栓体において、従来の栓体に比べて洗浄時に収容空間に水を流入させやすくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る栓体は、
移動可能である弁体を有する圧力開放弁と、
天壁部を有する蓋体と、
前記蓋体と共に前記圧力開放弁を収容する収容空間を形成すると共に、第1孔、および、前記蓋体の側の反対側に位置し前記弁体により開閉される第2孔が形成されている空間形成壁部と、を備え、
前記蓋体は、前記天壁部の外端から前記空間形成壁部の側に延びると共に前記空間形成壁部との間に隙間を形成するように前記空間形成壁部の外側に位置する側壁部を有し、
前記第1孔は、前記側壁部に対向するように少なくとも2つ形成されており、前記収容空間を前記隙間に連通させる。
【0007】
上記構成によれば、従来の栓体とは異なり、蓋体の天壁部の内面および蓋体の側壁部の内面に向けて流された水の一部を、第1孔を通じて収容空間に流入させることができる。このため、この栓体では、従来の栓体に比べて収容空間に水を流入させやすくすることができる。なお、この栓体が容器に装着されると共に容器の内部の圧力が高まった時、弁体により第2孔が開放されると、第2孔によって容器の内部と収容空間とが連通される。そして、容器の内部の気体が第2孔を通じて収容空間に流入した後で第1孔から排気されることで、容器の内部の圧力が戻される。
【0008】
本発明に係る栓体では、
前記蓋体の前記空間形成壁部の側の反対側に配置され、平面視において前記蓋体の第1側から前記蓋体の前記第1側の反対側に延びる姿勢安定部をさらに備え、
前記第1孔は、平面視において前記姿勢安定部の延び方向と直交する第1方向、および、前記第1方向の反対方向に少なくとも位置すると好適である。
【0009】
上記構成によれば、姿勢安定部によって倒立状態が保たれている時、1つの第1孔を下側に位置させることができる。このため、この栓体では、姿勢安定部によって倒立状態が保たれている時、収容空間に流入した水を収容空間の外側に効率的に排出することができる。
【0010】
本発明に係る栓体では、
前記第1方向に位置する前記第1孔の幅は、前記第1方向の反対方向に位置する前記第1孔の幅と異なると好適である。
【0011】
上記構成によれば、空間形成壁部が規定の向きとは異なる向きにされて栓体が組立てられることをできるだけ防止することができる。
【0012】
本発明に係る栓体では、
前記収容空間を、前記蓋体の側の空間と、前記蓋体の側の反対側の空間とに仕切り、前記蓋体の側の空間を前記蓋体の側の反対側の空間に連通させる第3孔が形成される仕切り部がさらに備えられ、
前記第1孔は、前記蓋体の側の空間を前記隙間に連通させ、
前記仕切り部は、前記第3孔から前記第1孔の側に向かうに従って前記蓋体の側の反対側に傾斜していると好適である。
【0013】
上記構成によれば、収容空間における蓋体の側の空間を水で洗浄した後において、水が蓋体の側の空間に残ることをできるだけ防止することができる。
【0014】
本発明に係る栓体では、
前記姿勢安定部によって倒立状態が保たれている時に前記第1孔から真上に延びる仮想線を引いた場合、前記蓋体および前記空間形成壁部と当たらない前記仮想線が存在すると好適である。
【0015】
上記構成によれば、姿勢安定部によって倒立状態が保たれている時、真上に蓋体および空間形成壁部が位置していない第1孔から効率的に収容空間に水を流入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る飲料容器を真空二重容器の筒軸および栓体の軸を含むと共に前後方向に沿う面で切ったときの断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る飲み口形成部および栓体を栓体の軸を含むと共に前後方向に沿う面で切ったときの断面図である。なお、本図では、圧力開放弁が働いていない状態が示されている。
図3】本発明の実施形態に係る飲み口形成部および栓体を栓体の軸を含むと共に前後方向に沿う面で切ったときの断面図である。なお、本図では、圧力開放弁が働いている状態が示されている。
図4】本発明の実施形態に係る飲み口形成部、栓体の外装体および栓体の第2パッキンを栓体の軸を含むと共に前後方向に沿う面で切ったときの上方斜視断面図である。なお、本図では、栓体の栓本体は、この面を右方向に平行移動させた面で切られ、栓体の仕切り部は切られていない。
図5】本発明の実施形態に係る飲み口形成部、栓体の外装体および栓体の第2パッキンを栓体の軸を含むと共に前後方向に沿う面で切ったときの下方斜視断面図である。なお、本図では、栓体の栓本体は、この面を右方向に平行移動させた面で切られ、栓体の仕切り部は切られていない。
図6】本発明の実施形態に係る栓体を栓体の軸を含むと共に前後方向に沿う面で切ったときの断面図である。なお、本図では、外装体の取っ手部の上壁部の前縁部が水平面に接すると共に外装体の天壁部の前端が水平面に接するように栓体が倒立している状態が示されている。
図7】本発明の実施形態に係る栓体を栓体の軸を含むと共に前後方向に沿う面で切ったときの断面図である。なお、本図では、外装体の取っ手部の上壁部の後縁部が水平面に接すると共に外装体の天壁部の後端が水平面に接するように栓体が倒立している状態が示されている。
図8】本発明の実施形態に係る栓体の栓本体および仕切り部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<本発明の実施形態に係る飲料容器の構成>
本発明の実施形態に係る飲料容器1は、図1図5に示されるように、主に、真空二重容器10、飲み口形成部110および栓体120等から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。なお、栓体120が装着された飲み口形成部110が、真空二重容器10に装着されることによって、この飲料容器1が組み立てられている。
【0018】
1.真空二重容器
真空二重容器10は、ステンレス鋼等の金属製の容器であって、図1に示されるように、上方に開口しており、主に、有底の内筒11および有底の外筒12から形成されている。具体的には、内筒11と外筒12との間に断熱空間が形成されるように内筒11の内筒側壁部11Aの上端部と外筒12の外筒側壁部12Aの上端部とが接合された後、断熱空間が真空状態とされることにより真空二重容器10が形成される。なお、真空二重容器10の筒軸AXは、平面視における内筒11の内筒側壁部11Aの中心(または外筒12の外筒側壁部12Aの中心)から上下方向に延びる仮想線である(図1参照)。
【0019】
内筒11は、図1に示されるように、主に、内筒側壁部11Aおよび内筒底壁部11B等から形成されている。内筒側壁部11Aは、略円筒形状を呈している(図1参照)。内筒底壁部11Bは、図1に示されるように、内筒側壁部11Aの下端から内方(真空二重容器10の筒軸AX側)に延びており、中央部が上側に向かって略半球状に盛り上がっている。
【0020】
外筒12は、図1に示されるように、主に、外筒側壁部12A、外筒底壁部12Bおよび雄ネジ部12C等から形成されている。外筒側壁部12Aは、略円筒形状を呈している(図1参照)。外筒底壁部12Bは、略円盤形状を呈しており、図1に示されるように、外筒側壁部12Aの下端に接合されている。雄ネジ部12Cは、図1に示されるように、外筒側壁部12Aの上端部の外周面に形成されている。この雄ネジ部12Cは、飲み口形成部110が真空二重容器10に装着される時に飲み口形成部110の外側円筒壁部111の雌ネジ部111dと螺合することができる(図1参照)。
【0021】
2.飲み口形成部
飲み口形成部110は、図1図5に示されるように、主に、外側円筒壁部111、内側円筒壁部112および第1パッキンPK1等から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0022】
(1-1)外側円筒壁部
外側円筒壁部111は、図2図5に示されるように、主に、外側壁部111a、上壁部111b、内側壁部111c、雌ネジ部111dおよび被係止部(図示せず)等から形成されている。外側壁部111aは、図2図5に示されるように、略円筒形状を呈している。また、外側壁部111aは、飲み口形成部110が真空二重容器10に装着されている時、真空二重容器10の上端部の外側に位置する(図1参照)。上壁部111bは、図2図5に示されるように、外側壁部111aの上端から内方に延びている。内側壁部111cは、図2図5に示されるように、略円筒形状を呈しており、上壁部111bの内端から下方に延びている。また、内側壁部111cは、飲み口形成部110が真空二重容器10に装着されている時、真空二重容器10の上端部の内側に位置する(図1参照)。雌ネジ部111dは、図2図5に示されるように、外側壁部111aの内周面に形成されている。雌ネジ部111dは、上述の通り、飲み口形成部110が真空二重容器10に装着される時に真空二重容器10の外筒12の雄ネジ部12Cと螺合することができる。被係止部には、内側円筒壁部112の係止部が係止される。これにより、外側円筒壁部111に内側円筒壁部112が取り付けられる。
【0023】
(1-2)内側円筒壁部
内側円筒壁部112は、図1に示されるように、飲み口形成部110が真空二重容器10に装着されているときに真空二重容器10の内筒11の内側に配置される。また、内側円筒壁部112は、図2図5に示されるように、主に、側壁部112a、雌ネジ部112b、第1延壁部112c、第2延壁部112d、第3延壁部112eおよび係止部(図示せず)等から形成されている。側壁部112aは、図2図5に示されるように、略円筒形状を呈している。また、真空二重容器10に飲み口形成部110が装着されて飲み口形成部110に栓体120が装着されていない時、側壁部112aの内部は真空二重容器10の内筒11の内部と連通し、側壁部112aは飲み口部として機能する。雌ネジ部112bは、図2図5に示されるように、側壁部112aの上下方向中間部の内周面に形成されている。雌ネジ部112bは、図2図5に示されるように、栓体120の栓本体122の雄ネジ部122hと螺合することができる。第1延壁部112cは、図2図5に示されるように、側壁部112aの下端部における第2延壁部112dおよび第3延壁部112eより上側の部分から外方に延びている。第2延壁部112dは、図2図5に示されるように、側壁部112aの下端から外方に延びている。図2図5に示されるように、第1延壁部112cと第2延壁部112dとの間には第1パッキンPK1の上部が嵌め込まれ、第1パッキンPK1の上部と下部との間には第2延壁部112dが嵌め込まれる。このようにして、内側円筒壁部112に第1パッキンPK1が取り付けられる。第3延壁部112eは、図2図5に示されるように、側壁部112aの下端部における第1延壁部112cより下側且つ第2延壁部112dより上側の部分から内方に延びている。なお、図2図5に示されるように、飲み口形成部110に栓体120が装着されている時、第3延壁部112eには第2パッキンPK2が当接する。係止部は、上述の通り、外側円筒壁部111の被係止部に係止される。
【0024】
(1-3)第1パッキン
第1パッキンPK1は、ゴムやエラストマー等の弾性材料から形成されており、図2図5に示されるように略円環形状を呈している。また、第1パッキンPK1は、上述の通り、内側円筒壁部112に取り付けられる。また、第1パッキンPK1は、図1に示されるように、飲み口形成部110が真空二重容器10に装着されているとき、内側円筒壁部112と真空二重容器10の内筒11との間の隙間を塞ぐ役目を担っている。
【0025】
3.栓体
栓体120は、図1図5に示されるように、飲み口形成部110に装着されている時に飲み口形成部110の内側円筒壁部112の側壁部112aの上側開口を閉塞するものであって、主に、外装体121、栓本体122、仕切り部123、圧力開放弁124および第2パッキンPK2等から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。なお、栓体120の軸AZは、平面視における外装体121、栓本体122、仕切り部123、第2パッキンPK2の中心から上下方向に延びる仮想線である(図1図5参照)。また、栓体120の軸AZは、栓体120装着済みの飲み口形成部110が真空二重容器10に装着されているときに真空二重容器10の筒軸AXと一致する(図1参照)。
【0026】
(3-1)外装体
外装体121は、図2図5に示されるように、主に、側壁部121a、天壁部121bおよび取っ手部121c等から形成されている。側壁部121aは、図2図5に示されるように、略円筒形状を呈しており、飲み口形成部110に栓体120が装着されている時に飲み口形成部110の外側円筒壁部111の外側壁部111aの直上に位置する。また、図2図5に示されるように、側壁部121aは、栓本体122との間に隙間を形成するように栓本体122の外側に位置している。天壁部121bは、図2図5に示されるように、側壁部121aの上端から内方に延びており、略円盤形状を呈している。取っ手部121cは、使用者に把持されたり飲料容器1をフック等に掛けたりするために使用される部位であって、図2図5に示されるように、略逆凹字形状を呈している。取っ手部121cの左壁部LWは、図2図5に示されるように、天壁部121bの左端から上方に向かうに従って後方に傾斜するように上方に延びている。取っ手部121cの右壁部は、天壁部121bの右端から上方に向かうに従って後方に傾斜するように上方に延びている。取っ手部121cの上壁部UWは、図2図5に示されるように、取っ手部121cの左壁部LWの上端および右壁部の上端を繋いでおり、左右方向に延びている。また、取っ手部121cは、栓体120の倒立状態における姿勢を安定させる役目も担っている。具体的には、図6に示されるように、取っ手部121cの上壁部UWの前縁部が水平面SFに接すると共におよび天壁部121bの前端が水平面SFに接するように栓体120が倒立している姿勢が、取っ手部121cにより安定化される。また、図7に示されるように、取っ手部121cの上壁部UWの後縁部が水平面SFに接すると共におよび天壁部121bの後端が水平面SFに接するように栓体120が倒立している姿勢が、取っ手部121cにより安定化される。
【0027】
(3-2)栓本体
栓本体122は、図2図5に示されるように、栓体120が飲み口形成部110に装着されている時に飲み口形成部110の内側円筒壁部112の側壁部112aの内部に嵌め込まれる。また、栓本体122は、図2図5図8に示されるように、主に、上側壁部122a、補強リブ122b、下側壁部122c、底壁部122d、パッキン取付部122e、ビス受け部122f、収容部122gおよび雄ネジ部122h等から形成されている。上側壁部122aは、図2図5図8に示されるように、略円筒形状を呈している。なお、上側壁部122aの上端が、外装体121の天壁部121bの下面に接合されることで、外装体121および栓本体122が一体化される。また、図2図4図8に示されるように、上側壁部122aの前端部および後端部には連通孔HLが形成されている。すなわち、連通孔HLは、図8に示されるように外装体121の取っ手部121cの上壁部UWの延び方向である左右方向と平面視で直交する前後方向に延びる線上に位置すると共に、外装体121の側壁部121aに対向している。なお、連通孔HLは、図2図5に示されるように、補強リブ122bによって、下連通孔HL1および下連通孔HL1の上側に位置する上連通孔HL2に仕切られる。また、図8に示されるように、上側壁部122aの前端部に形成される上連通孔HL2の横幅は、上側壁部122aの後端部に形成される上連通孔HL2の横幅よりも大きくなるように設計される。なお、上側壁部122aの前端部に形成される上連通孔HL2および下連通孔HL1はそれぞれ同じ横幅であり、上側壁部122aの後端部に形成される上連通孔HL2および下連通孔HL1はそれぞれ同じ横幅である。このため、上側壁部122aの前端部に形成される下連通孔HL1の横幅も、上側壁部122aの後端部に形成される下連通孔HL1の横幅よりも大きくなるように設計される。補強リブ122bは、図2図5図8に示されるように、連通孔HLの左縁から右縁に延びており、上側壁部122aの連通孔HL付近の強度を高める役目を担っている。下側壁部122cは、図2図5に示されるように、略円筒形状を呈しており、上側壁部122aの下端から下方に延びている。底壁部122dは、図2図5に示されるように、下側壁部122cの下端から内方に延びている。また、図2図3および図5に示されるように、底壁部122dの後部の左右方向中央部(すなわち、栓体120の軸AZとは重ならない位置)には連通孔HMが形成されている。連通孔HMは、図2および図3に示されるように、圧力開放弁124の弁体124aによって開閉される。パッキン取付部122eは、図2図5に示されるように、略円筒形状を呈しており、底壁部122dの底面の下側に形成される。図2図5に示されるように、パッキン取付部122eには第2パッキンPK2が取り付けられる。ビス受け部122fは、図2図5に示されるように、略円筒形状を呈しており、底壁部122dの前部から上方に延びている。図2図4に示されるように、仕切り部123が栓本体122の内部に配置されている状態で、ビスSCが、仕切り部123の基体部123aのビス受け孔HOを通じてビス受け部122fの内部に螺入されることで、仕切り部123が栓本体122に取り付けられる。収容部122gは、図2図5に示されるように、略円筒形状を呈しており、底壁部122dの後部から上方に延びている。図2および図3に示されるように、収容部122gの内部には圧力開放弁124が収容される。雄ネジ部122hは、図2図5に示されるように、下側壁部122cの外周面に形成されている。なお、雄ネジ部122hの下連通孔HL1の下側に位置する部分は、図4および図5に示されるように、上下方向に沿って切り欠かれている。これにより、図4および図5に示されるように、下側壁部122cの外周面のうち下連通孔HL1の下側に位置する面には上下方向に延びる溝GRが形成されることになる。また、雄ネジ部122hは、上述の通り、飲み口形成部110の内側円筒壁部112の雌ネジ部112bと螺合することができる。
【0028】
(3-3)仕切り部
仕切り部123は、図2図5図8に示されるように、主に、基体部123aおよび支持部123b等から形成されている。基体部123aは、図2図5図8に示されるように、略円盤形状を呈している。なお、図2図5に示されるように、基体部123aの底面には、仕切り部123と栓本体122との間を塞ぐためのパッキンPK3が取り付けられている。また、図2図3および図8に示されるように、基体部123aの後部には連通孔HN(後述)が形成され、基体部123aの前部にはビス受け孔HOが形成される。上述の通り、仕切り部123が栓本体122の内部に配置されている状態で、ビスSCが、ビス受け孔HOを通じて栓本体122のビス受け部122fの内部に螺入されることで、仕切り部123が栓本体122に取り付けられる。また、図2図4に示されるように、基体部123aの前部の上面は、前側に向かうに従って下側に傾斜しており、基体部123aの後部の上面は、後側に向かうに従って下側に傾斜している。基体部123aの前部の上面と基体部123aの底面とがなす角度、および、基体部123aの後部の上面と基体部123aの底面とがなす角度は、例えば、約5度である。支持部123bは、圧力開放弁124の弁体124aおよびコイルバネ124bを支持する部位であって、図2図4図8に示されるように、基体部123aの連通孔HNの左縁から上方に延びる左壁部、基体部123aの連通孔HNの右縁から上方に延びる右壁部、および、この左壁部の上端部とこの右壁部の上端部とを繋ぐ上壁部から形成されている。図2および図3に示されるように、支持部123bの上壁部の底面には圧力開放弁124のコイルバネ124bの上端が取り付ける。また、図2図4図8に示されるように、支持部123bの上壁部には挿通孔HPが形成されており、圧力開放弁124の弁体124aの棒部VB1の上端部がこの挿通孔HPを通る。
【0029】
なお、仕切り部123が、栓本体122の内部に配置されて栓本体122に取り付けられている状態で、外装体121および栓本体122が一体化されることで、図2および図3に示されるように、栓本体122の上側壁部122a、下側壁部122c、底壁部122dおよび外装体121の天壁部121bによって空間SPが形成される。そして、この空間SPは、仕切り部123によって、下側空間SP1と、下側空間SP1の上側に位置する上側空間SP2とに仕切られる。下側空間SP1および上側空間SP2は、真空二重容器10の内筒11の内部から外部への伝熱を遮断する断熱空間として機能する。なお、仕切り部123の基体部123aの連通孔HNは、図2および図3に示されるように、下側空間SP1と上側空間SP2とを連通させている。また、栓本体122の底壁部122dの連通孔HMは、栓体120装着済みの飲み口形成部110が真空二重容器10に装着されると共に真空二重容器10の内部の圧力が所定以上に上昇している時に、下側空間SP1と真空二重容器10の内部とを連通させている(図3参照)。また、栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1および上連通孔HL2は、図2図5に示されるように、上側空間SP2と栓本体122の外部とを連通させている。なお、図2および図3に示されるように、飲み口形成部110に栓体120が装着されている時、仕切り部123の基体部123aの連通孔HNおよび栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1は、飲み口形成部110の内側円筒壁部112の側壁部112aの上端より低い位置にある。
【0030】
(3-4)圧力開放弁
圧力開放弁124は、真空二重容器10の内部の圧力が所定以上に上昇した場合に真空二重容器10の内部の気体を排気する弁である。また、圧力開放弁124は、図2および図3に示されるように、空間SPにおいて栓本体122の収容部122gの内部に収容されている。すなわち、圧力開放弁124は、図2図3および図5に示されるように、栓体120の軸AZの周囲(栓体120装着済みの飲み口形成部110が真空二重容器10に装着されているときには真空二重容器10の筒軸AXの周囲)に配置される。また、圧力開放弁124は、図2および図3に示されるように、主に、弁体124a、コイルバネ124bおよび第4パッキンPK4等から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0031】
(3-4-1)弁体
弁体124aは、図2図3および図5に示されるように、主に、棒部VB1および鍔部VB2等から形成されている。棒部VB1は、図2図3および図5に示されるように、上下方向に延びる略円柱形状の棒部材である。なお、棒部VB1における鍔部VB2より上側の部分は、図2および図3に示されるようにコイルバネ124bの内側に挿通され、棒部VB1の上端部は、上述の通り仕切り部123の挿通孔HPに挿通される。また、棒部VB1の下端部は、図2図3および図5に示されるように、栓本体122の連通孔HMに挿通されている。棒部VB1の下端部は、図2に示されるように、圧力開放弁124が働いていない時、栓本体122の底壁部122dから突出している。また、棒部VB1の下端部と栓本体122の連通孔HMとの間には僅かに隙間が形成される。鍔部VB2は、図2に示されるように、棒部VB1の下部から外方に延びている。また、図2に示されるように、鍔部VB2の上面にコイルバネ124bの下端が取り付けられることで、弁体124aがコイルバネ124bにより下方に付勢される。なお、鍔部VB2と栓本体122の収容部122gの内周面との間には僅かに隙間が形成される。
【0032】
(3-4-2)付勢部材
コイルバネ124bは、弁体124aを下方に付勢するための部材である。上述の通り、コイルバネ124bの上端は、仕切り部123の支持部123bの上壁部の底面に取り付けられ、コイルバネ124bの下端は、弁体124aの鍔部VB2の上面に取り付けられる。
【0033】
(3-4-3)第4パッキン
第4パッキンPK4は、ゴムやエラストマー等の弾性材料から形成される円環状の部材である(図2参照)。また、弁体124aの棒部VB1の下端部が第4パッキンPK4の中央開口を通るようにして、第4パッキンPK4が弁体124aの鍔部VB2の下面に取り付けられる(図2参照)。そして、第4パッキンPK4は、図2に示されるように、圧力開放弁124が働いていない場合、栓本体122の底壁部122dの上面に当接し、弁体124aと共に栓本体122の連通孔HMを閉塞する。
【0034】
(3-5)第2パッキン
第2パッキンPK2は、ゴムやエラストマー等の弾性材料から形成されており、図2図5に示されるように略円環形状を呈している。また、第2パッキンPK2は、上述の通り、栓本体122のパッキン取付部122eに取り付けられる。また、第2パッキンPK2は、図1図5に示されるように、栓体120が飲み口形成部110に装着されているとき、飲み口形成部110の内側円筒壁部112と栓本体122との間の隙間を塞ぐ役目を担っている。
【0035】
<飲料容器の使用方法>
まず、真空二重容器10の内部(より詳細には、真空二重容器10の内筒11の内部)に所望の飲料(および氷等)を注ぎ入れる。次に、真空二重容器10の外筒12の雄ネジ部12Cに飲み口形成部110の外側円筒壁部111の雌ネジ部111dを螺合させることで、真空二重容器10に飲み口形成部110を装着する。次に、飲み口形成部110の内側円筒壁部112の雌ネジ部112bに栓体120の栓本体122の雄ネジ部122hを螺合させることで、飲み口形成部110に栓体120を装着する。このようにして、図1に示される飲料容器1が完成される。または、飲み口形成部110に栓体120を装着させてから、栓体120が装着された飲み口形成部110を真空二重容器10に装着させ、飲料容器1を完成させる。そして、使用者は、真空二重容器10内の飲料を飲む場合、飲み口形成部110の内側円筒壁部112の雌ネジ部112bと栓体120の栓本体122の雄ネジ部122hとの螺合状態を解除し、飲み口形成部110から栓体120を取り外す。そして、使用者は、真空二重容器10を把持すると共に飲料容器1を持ち上げて、飲み口形成部110の内側円筒壁部112の側壁部112aを口まで持っていき、真空二重容器10内の飲料を飲む。そして使用者は、真空二重容器10内の飲料を飲み終えたら、飲み口形成部110の内側円筒壁部112の雌ネジ部112bに栓体120の栓本体122の雄ネジ部122hを螺合させ、飲み口形成部110に栓体120を再び装着する。
【0036】
<圧力開放弁の動作態様について>
次に、真空二重容器10内の飲料が発泡性の飲料水(例えば、炭酸飲料や酒類等)であり、栓体120装着済みの飲み口形成部110が真空二重容器10に装着されている時に、真空二重容器10の内部の圧力が高くなった場合の栓体120の圧力開放弁124の動作態様について説明する。なお、例えば、真空二重容器10内の飲料水に溶けた物質(例えば、二酸化炭素等)が気化した場合に、真空二重容器10の内部の圧力が高くなる。真空二重容器10の内部の圧力が高くなると、図3に示されるように、栓体120の圧力開放弁124の弁体124aおよび第4パッキンPK4がコイルバネ124bの付勢力に逆らって上方に移動し、栓体120の栓本体122の底壁部122dの連通孔HMが開放される。そして、真空二重容器10内の気体は、栓体120の栓本体122の底壁部122dの連通孔HMを通じて下側空間SP1(より詳細には、栓体120の栓本体122の収容部122gの内部)に流入する。そして、気体は、栓体120の仕切り部123の基体部123aの連通孔HNを通じて上側空間SP2に流入した後、栓体120の栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1および上連通孔HL2を通じて栓本体122の外部に排気される。そして、真空二重容器10の内部の圧力が元に戻っていくと、栓体120の圧力開放弁124の弁体124aおよび第4パッキンPK4が、図2に示されるように、コイルバネ124bにより下方に付勢され、栓体120の栓本体122の底壁部122dの連通孔HMが再び閉塞される。なお、上述の通りに真空二重容器10内の気体が排気されるとき、泡や飲料等も栓体120の栓本体122の底壁部122dの連通孔HMを通ることがある。しかし、泡や飲料等は、栓体120の栓本体122の収容部122gの内部にてトラップされる。栓体120の栓本体122の収容部122gの内部にてトラップされなかった泡や飲料等は、栓体120の仕切り部123の基体部123aの連通孔HNを通じて上側空間SP2に流入すると、栓体120の仕切り部123の基体部123aの傾斜によって栓体120の栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1に導かれる。そして、泡や飲料等は、栓体120の栓本体122の下側壁部122cの溝GRに沿って下側に流れていき、飲み口形成部110の内側円筒壁部112の側壁部112a、栓体120の栓本体122の下側壁部122cおよび栓体120の第2パッキンPK2により形成される貯留部に溜められる。そして、貯留部に溜められた泡や飲料等は、飲み口形成部110から栓体120が取り外された時に真空二重容器10の内部に戻される。
【0037】
<栓体の洗浄方法について>
次に、栓体120の洗浄方法について説明する。まず、飲み口形成部110に栓体120が装着されている場合、飲み口形成部110から栓体120を取り外す。そして、栓体120を例えば図6または図7に示される姿勢にし、上側に位置する栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1(図6では上側壁部122aの後端部に形成される下連通孔HL1、図7では上側壁部122aの前端部に形成される下連通孔HL1)の真上から水を流す(図6および図7の破線矢印参照)。なお、図6に示される姿勢において、上側壁部122aの後端部に形成される下連通孔HL1の真上には外装体121および栓本体122が位置しておらず、図7に示される姿勢において、上側壁部122aの前端部に形成される下連通孔HL1の下縁部の真上には外装体121および栓本体122が位置していない。そして、水は、上側に位置する栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1を通じて上側空間SP2に流入する。なお、水の勢いや量等によっては、水は、上側に位置する栓本体122の上側壁部122aの上連通孔HL2を通じても上側空間SP2に流入する。その後、水は、下側に位置する栓本体122の上側壁部122aの上連通孔HL2(および、水の勢いや量等によっては下側に位置する栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1)を通じて上側空間SP2から流出する。なお、水の勢いや量等によっては、上側空間SP2に流入した水は、仕切り部123の基体部123aの連通孔HNを通じて栓本体122の収容部122gの内部に流入する。このように水が流れることで、栓体120が洗浄されて栓体120を衛生的に保つことができる。なお、正立状態や倒立状態(例えば図6および図7参照)にした栓体120を食洗器に入れ、食洗器で栓体120を洗浄することも可能である。
【0038】
<本発明の実施形態に係る飲料容器の栓体の特徴>
(1)
本発明の実施形態に係る栓体120では、外装体121の側壁部121aと栓本体122との間には隙間が形成される。また、栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1は、外装体121の側壁部121aに対向するように形成され、上側空間SP2を外装体121の側壁部121aと栓本体122との間の隙間に連通させる。このため、この栓体120では、従来の栓体とは異なり、栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1に向けて直接流された水に加えて、外装体121の側壁部121aの内周面および外装体121の天壁部121bの底面に向けて流された水の一部を、栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1を通じて上側空間SP2に流入させることができる。したがって、この栓体120では、従来の栓体に比べて上側空間SP2に水を流入させやすくすることができる。
【0039】
(2)
本発明の実施形態に係る栓体120では、栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1は、外装体121の取っ手部121cの上壁部UWの延び方向である左右方向と平面視で直交する前後方向に延びる線上に位置する。このため、この栓体120では、倒立状態において、1つの第1孔を下側に位置させることができる。したがって、この栓体120では、倒立状態において、上側空間SP2に流入した水を効率的に上側空間SP2の外側に排出することができる。
【0040】
(3)
本発明の実施形態に係る栓体120では、栓本体122の上側壁部122aの前端部に形成される下連通孔HL1の横幅は、栓本体122の上側壁部122aの後端部に形成される下連通孔HL1の横幅よりも大きくなるように設計されている。このため、仕切り部123を栓本体122に取り付けると共に外装体121および栓本体122を一体化して栓体120を組立てる時に、栓本体122を規定の向きにすることができる。
【0041】
(4)
本発明の実施形態に係る栓体120では、仕切り部123の基体部123aの前部の上面は、前側に向かうに従って下側に傾斜しており、仕切り部123の基体部123aの後部の上面は、後側に向かうに従って下側に傾斜している。このため、この栓体120では、上側空間SP2を水で洗浄した後において、水が上側空間SP2に残ることをできるだけ防止することができる。
【0042】
(5)
本発明の実施形態に係る栓体120では、外装体121の取っ手部121cの上壁部UWの前縁部が水平面SFに接すると共に外装体121の天壁部121bの前端が水平面SFに接するように倒立している状態において、上側に位置する栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1の真上には外装体121および栓本体122が位置していない。また、外装体121の取っ手部121cの上壁部UWの後縁部が水平面SFに接すると共に外装体121の天壁部121bの後端が水平面SFに接するように倒立している状態において、上側に位置する栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1の下縁部の真上には外装体121および栓本体122が位置していない。このため、この栓体120では、倒立状態において上側に位置する栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1から効率的に上側空間SP2に水を流入させることができる。
【0043】
<変形例>
(A)
先の実施形態に係る飲料容器1では、栓体120の栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1は、栓体120の外装体121の取っ手部121cの上壁部UWの延び方向と平面視で直交する前後方向に延びる線上に位置していた。しかし、栓体120の栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1は、栓体120の外装体121の取っ手部121cの上壁部UWの延び方向と平面視で直交する前後方向に延びる線上に位置していなくてもよい。例えば、栓体120の栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1は、栓体120の外装体121の取っ手部121cの上壁部UWの延び方向と平面視で斜めに交わる線上に位置してもよい。
【0044】
(B)
先の実施形態に係る飲料容器1では、栓体120の栓本体122の上側壁部122aの前端部に形成される下連通孔HL1の横幅は、栓体120の栓本体122の上側壁部122aの後端部に形成される下連通孔HL1の横幅よりも大きくなるように設計されていた。しかし、栓体120の栓本体122の上側壁部122aの前端部に形成される下連通孔HL1の横幅が、栓体120の栓本体122の上側壁部122aの後端部に形成される下連通孔HL1の横幅よりも小さくなるように設計されてもよいし、栓体120の栓本体122の上側壁部122aの後端部に形成される下連通孔HL1の横幅と同じになるように設計されてもよい。
【0045】
(C)
先の実施形態に係る飲料容器1では、栓体120の仕切り部123の基体部123aの前部の上面は、前側に向かうに従って下側に傾斜しており、栓体120の仕切り部123の基体部123aの後部の上面は、後側に向かうに従って下側に傾斜していた。しかし、栓体120の基体部123aの前部の上面は、傾斜していなくてもよいし、前側に向かうに従って上側に傾斜してもよい。また、栓体120の基体部123aの後部の上面は、傾斜していなくてもよいし、後側に向かうに従って上側に傾斜してもよい。
【0046】
(D)
先の実施形態に係る飲料容器1では、外装体121の取っ手部121cの上壁部UWの前縁部が水平面SFに接すると共に外装体121の天壁部121bの前端が水平面SFに接するように倒立している状態において、上側に位置する栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1の真上には外装体121および栓本体122が位置していなかった。また、外装体121の取っ手部121cの上壁部UWの後縁部が水平面SFに接すると共に外装体121の天壁部121bの後端が水平面SFに接するように倒立している状態において、上側に位置する栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1の下縁部の真上には外装体121および栓本体122が位置していなかった。しかし、これらのような倒立状態である場合に、上側に位置する栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1の真上に外装体121または栓本体122が位置してもよい。
【0047】
(E)
先の実施形態に係る飲料容器1では、圧力開放弁124の弁体124aの棒部VB1の上端部が仕切り部123の支持部123bの上壁部の挿通孔HPを通り、圧力開放弁124のコイルバネ124bの上端が仕切り部123の支持部123bの上壁部の底面に取り付けられることで、圧力開放弁124が仕切り部123の支持部123bに支持されていた。しかし、圧力開放弁124は、仕切り部123の支持部123bに支持されなくてもよい。例えば、圧力開放弁124は、外装体121に支持されてもよい。かかる場合、例えば、仕切り部123の支持部123bが形成されないようにし、圧力開放弁124のコイルバネ124bの上端が外装体121の天壁部121bの底面に取り付けられてもよい。また、外装体121の天壁部121bに挿通孔が形成され、この挿通孔に圧力開放弁124の弁体124aの棒部VB1の上端部が通されてもよい。
【0048】
(F)
先の実施形態に係る飲料容器1では、仕切り部123の基体部123aには、下側空間SP1と上側空間SP2とを連通させる連通孔HNが形成されていた。しかし、仕切り部123の基体部123aにこのような連通孔HNが形成されなくてもよい。かかる場合、栓本体122の底壁部122dの連通孔HMを通じて栓本体122の収容部122gの内部に流入した気体や内容物を栓本体122の外部に排出するために、例えば、栓本体122の下側壁部122cおよび収容部122gを貫く貫通孔が形成されるとよい。
【0049】
(G)
先の実施形態に係る飲料容器1では、飲み口形成部110に栓体120が装着されている時、栓体120の仕切り部123の基体部123aの連通孔HNおよび栓体120の栓本体122の上側壁部122aの下連通孔HL1は、飲み口形成部110の内側円筒壁部112の側壁部112aの上端より低い位置にあった。しかし、この連通孔HNおよびこの下連通孔HL1は、飲み口形成部110の内側円筒壁部112の側壁部112aの上端と同じ高さ位置にあってもよいし、飲み口形成部110の内側円筒壁部112の側壁部112aの上端より高い位置にあってもよい。
【0050】
(H)
先の実施形態に係る飲料容器1では、栓体120の栓本体122の下側壁部122cの外周面のうち下連通孔HL1の下側に位置する面には上下方向に延びる溝GRが形成されていた。しかし、このような溝GRは形成されなくてもよい。また、溝GRは、上下方向に延びるのではなく斜め方向に延びていてもよい。
【0051】
(I)
先の実施形態に係る飲料容器1では、圧力開放弁124は、栓本体122の収容部122gの内部に収容されることで、真空二重容器10の筒軸AXの周囲に配置されていた。しかし、栓本体122の収容部122gが真空二重容器10の筒軸AXの線上に形成されるようにし、圧力開放弁124が、このような収容部122gの内部に収容されることで、真空二重容器10の筒軸AXの線上に配置されてもよい。
【0052】
(J)
先の実施形態に係る飲料容器1では、容器として真空二重容器10が採用されていたが、容器は特に限定されず、例えば単壁の容器であってもよい。
【0053】
(K)
先の実施形態に係る飲料容器1では、真空二重容器10に飲み口形成部110が装着されている時に、飲み口形成部110の内側円筒壁部112の側壁部112aが飲み口部として機能していた。しかし、真空二重容器10の内筒11の内筒側壁部11Aの上端部および外筒12の外筒側壁部12Aの上端部を飲み口部として機能させてもよい。かかる場合、例えば、真空二重容器10に飲み口形成部110が装着されずに、真空二重容器10の内筒11の内筒側壁部11Aの上側開口を栓体120が直接閉塞することができるように栓体120の栓本体122の径方向寸法が大きくされるか真空二重容器10の内筒11の径方向寸法が小さくされた上で、真空二重容器10に栓体120が直接装着されるとよい。なお、かかる場合、栓体120の外装体121の側壁部121aの内周面に、真空二重容器10の外筒12の雄ネジ部12Cと螺合することができる雌ネジ部が形成されてもよい。
【0054】
(L)
先の実施形態に係る飲料容器1では、栓体120の栓本体122の上側壁部122aの前端部および後端部に連通孔HLが形成されていた。しかし、連通孔HLは、2つではなく3つ以上形成されてもよい。例えば、栓体120の栓本体122の上側壁部122aの右端部および左端部にも連通孔HLが形成されてもよい。かかる場合、上側空間SP2における通気性をできるだけ向上させることができる。
【0055】
なお、上記変形例は、単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
【符号の説明】
【0056】
120 :栓体
121 :外装体(蓋体)
121a :側壁部
121b :天壁部
121c :取っ手部(姿勢安定部)
122 :栓本体(空間形成壁部)
123 :仕切り部
124 :圧力開放弁
124a :弁体
HL1 :下連通孔(第1孔)
HM :連通孔(第2孔)
HN :連通孔(第3孔)
SP :空間(収容空間)
SP1 :下側空間(蓋体の側の反対側の空間)
SP2 :上側空間(蓋体の側の空間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8