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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158875
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
F24F7/06 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074476
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】垣内 資正
(72)【発明者】
【氏名】山東 伸二
(72)【発明者】
【氏名】平野 健太
【テーマコード(参考)】
3L058
【Fターム(参考)】
3L058BJ06
3L058BK02
(57)【要約】
【課題】使用後であっても分離が容易なフィルタセットを有するレンジフードを提供するものである。
【解決手段】レンジフード(100)は、フィルタセット(50)を備える。フィルタセットは、第1フィルタ部材(51)と、第1フィルタ部材に取り付けられている第2フィルタ部材(53)とを有する。第1フィルタ部材は、第1側壁(51a)を有する。第2フィルタ部材は、第2側壁(53a)を有する。第1側壁は、凸部(54ac)が設けられている第1側壁部(51aa,51ab)を有する。第2側壁は、第1側壁部に対向しており、かつ凸部が挿入される開口部(53ac)が設けられている第2側壁部(53aa,53ab)を有する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタセットを備え、
前記フィルタセットは、第1フィルタ部材と、前記第1フィルタ部材に取り付けられている第2フィルタ部材とを有し、
前記第1フィルタ部材は、第1側壁を有し、
前記第2フィルタ部材は、第2側壁を有し、
前記第1側壁は、凸部が設けられている第1側壁部を有し、
前記第2側壁は、前記第1側壁部に対向しており、かつ前記凸部が挿入される開口部が設けられている第2側壁部を有する、レンジフード。
【請求項2】
前記第1フィルタ部材は、底壁を有し、
前記第2フィルタ部材は、前記底壁と対向している上壁を有し、
前記底壁には、複数の第1通風穴が設けられており、
前記上壁には、第2通風穴と、複数の第3通風穴とが設けられており、
前記複数の第1通風穴は、平面視において前記底壁の中央部の周囲に配置されており、
前記第2通風穴は、前記中央部と対向しており、
前記複数の第3通風穴の各々は、平面視において前記複数の第1通風穴の各々と重ならないように前記第2通風穴の周囲に配置されている、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項3】
前記第2フィルタ部材は、上壁を有し、
前記上壁には、複数の第4通風穴を有する、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項4】
前記フィルタセットは、第3フィルタ部材をさらに備え、
前記第1フィルタ部材は、底壁を有し、
前記第3フィルタ部材は、前記底壁と対向している上壁を有し、
前記底壁には、複数の第1通風穴が設けられており、
前記上壁には、第2通風穴と、複数の第3通風穴とが設けられており、
前記複数の第1通風穴は、平面視において前記底壁の中央部の周囲に配置されており、
前記第2通風穴は、前記中央部と対向しており、
前記複数の第3通風穴の各々は、平面視において前記複数の第1通風穴の各々と重ならないように前記第2通風穴の周囲に配置されている、請求項3に記載のレンジフード。
【請求項5】
前記第1側壁部には、貫通穴が設けられており、
前記フィルタセットは、第1部材と、第2部材とをさらに有し、
前記第1部材は、基部と、軸部とを有し、
前記基部は、第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを有し、
前記第1面には、前記凸部が設けられており、
前記軸部は、前記第2面から延在しており、
前記第1部材は、前記第2面が前記第1側壁部の内壁面と接触し、かつ前記軸部が前記第1側壁部の外壁面から突出するように前記貫通穴に挿入されており、
前記第2部材は、前記基部との間で前記第1側壁部を挟み込むように前記軸部に取り付けられている、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のレンジフード。
【請求項6】
前記軸部は、前記第2部材から抜去不能に構成されている、請求項5に記載のレンジフード。
【請求項7】
前記凸部の頂面は、曲面で構成されている、請求項5に記載のレンジフード。
【請求項8】
前記第2フィルタ部材の表面には、樹脂コーティングが施されている、請求項5に記載のレンジフード。
【請求項9】
前記第1側壁部の上端には、切り欠き部が設けられている、請求項1に記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば非特許文献1には、レンジフードが記載されている。非特許文献1に記載のレンジフードは、フィルタセットを有している。フィルタセットは、第1部材と、第2部材とを有している。第1部材には、第1通風穴が形成されている。第2部材には、第2通風穴が形成されている。第1部材及び第2部材は、重ねて配置されている。油煙は、第1通風穴からフィルタセットの内部に入り、第2通風穴からフィルタセットの外部に出る。この際に、油煙中の油が、第2部材の内壁面で補足される。第1部材及び第2部材は、ラッチにより、互いに固定されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】パナソニック株式会社、「取扱説明書 レンジフード シロッコファンタイプ」第14頁、2015年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1に記載のレンジフードでは、使用中にラッチの機構の内部に油煙が入り込み、ラッチが固着されてしまうことがある。ラッチが固着されてしまうと、フィルタセットを分解して清掃することが困難となる。本発明は、使用後であっても分離が容易なフィルタセットを有するレンジフードを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のレンジフードは、フィルタセットを備える。フィルタセットは、第1フィルタ部材と、第1フィルタ部材に取り付けられている第2フィルタ部材とを有する。第1フィルタ部材は、第1側壁を有する。第2フィルタ部材は、第2側壁を有する。第1側壁は、凸部が設けられている第1側壁部を有する。第2側壁は、第1側壁部に対向しており、かつ凸部が挿入される開口部が設けられている第2側壁部を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のレンジフードによると、使用後であってもフィルタセットを容易に分離することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】レンジフード100の斜視図である。
図2】レンジフード100の分解斜視図である。
図3】レンジフード100の底面図である。
図4】フィルタセット50の分解斜視図である。
図5】フィルタ部材51の平面図である。
図6】フィルタ部材53の図示を省略したフィルタセット50の平面図である。
図7】第1部材54及び第2部材55の分解斜視図である。
図8】第2部材55の正面図である。
図9】フィルタ部材53のフィルタ部材51への取り付け方法を示す第1断面図である。
図10】フィルタ部材53のフィルタ部材51への取り付け方法を示す第2断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。実施形態に係るレンジフードを、レンジフード100とする。
【0009】
(レンジフード100の構成)
以下に、レンジフード100の構成を説明する。
【0010】
図1は、レンジフード100の斜視図である。図2は、レンジフード100の分解斜視図である。図3は、レンジフード100の底面図である。なお、図3では、整流板40及びフィルタセット50の図示が省略されている。図1図2及び図3に示されているように、レンジフード100は、本体ケース10と、フード部30と、整流板40と、フィルタセット50とを有している。
【0011】
本体ケース10は、側板11と、天板12と、底板13とを有している。天板12は、側板11の上端に連なっている。天板12には、貫通穴12aが形成されている。なお、貫通穴12aは天板12を厚さ方向に沿って貫通している。底板13は、側板11の下端に連なっている。天板12及び底板13は、間隔を空けて対向している。側板11、天板12及び底板13により、本体ケース10の内部空間が画されている。
【0012】
底板13には、凹部13aが形成されている。底板13は、凹部13aにおいて、本体ケース10の内部空間に向かって凹んでいる。底板13には、貫通穴13bが形成されている。貫通穴13bは、底板13を厚さ方向に沿って貫通している。貫通穴13bは、本体ケース10の内部空間と連通している。貫通穴13bは、凹部13aの底面にある。本体ケース10は、オイルトレイ14を有している。
【0013】
オイルトレイ14は、環状の油溜まり部14aと、油溜まり部14aに取り囲まれている貫通穴14bとを有している。オイルトレイ14は、油溜まり部14aが貫通穴13bの開口縁に位置するように底板13に取り付けられている。本体ケース10の内部空間にある油は、貫通穴13bの開口縁から油溜まり部14aへと滴下され、油溜まり部14aに溜まる。油溜まり部14aの底部には、貫通穴14cが形成されている。油溜まり部14aに溜まった油は、貫通穴14cからフィルタセット50に向かって滴下され、後述する底壁51bの中央部に溜まる。
【0014】
図示されていないが、本体ケース10の内部空間には、ファン20が配置されている。ファン20は、例えば、シロッコファンである。ファン20は、モータ21(図示せず)の回転軸に取り付けられている。モータ21が回転軸を駆動することにより、ファン20は、本体ケース10の内部空間において回転される。
【0015】
フード部30は、上面30aと、下面30bとを有している。フード部30は、上面30aにおいて本体ケース10に取り付けられている。より具体的には、フード部30は、上面30aにおいて側板11の下端に取り付けられている。下面30bは、上面30aの反対面である。
【0016】
下面30bには、凹部30cが形成されている。下面30bは、凹部30cにおいて上面30a側へと凹んでいる。凹部30cの底面を、底面30dとする。底面30dには、貫通穴30eが形成されている。貫通穴30eは、下面30bから上面30aに向かう方向に沿って、フード部30を貫通している。すなわち、貫通穴30eは、本体ケース10の内部空間と連通している。貫通穴30eは、貫通穴13bと重なる位置にある。貫通穴13bの開口縁は、貫通穴30eの開口縁の内側にある。整流板40は、底面30dと間隔を空けて対向するようにフード部30に取り付けられている。
【0017】
図2に示されているように、フィルタセット50は、底板13に配置されている。フィルタセット50は、凹部13aの内部に配置されている。図4は、フィルタセット50の分解斜視図である。図4に示されているように、フィルタセット50は、フィルタ部材51と、フィルタ部材52と、フィルタ部材53とを有している。なお、平面視におけるフィルタセット50の長手方向を第1方向DR1とし、平面視において第1方向DR1に直交する方向を第2方向DR2とする。
【0018】
フィルタ部材51は、側壁51aと、底壁51bとを有している。底壁51bは、側壁51aの下端に連なっている。図5は、フィルタ部材51の平面図である。図5に示されているように、底壁51bには、複数の通風穴51baが形成されている。通風穴51baは、底壁51bを厚さ方向に貫通している。複数の通風穴51baは、平面視において底壁51bの中央部の周囲に配置されている。
【0019】
側壁51aは、側壁部51aaと、側壁部51abとを有している。側壁部51aa及び側壁部51abは、例えば、第2方向DR2において間隔を空けて対向している。側壁部51aa及び側壁部51abには、複数の貫通穴51ac(図7図9及び図10を参照)が形成されている。例えば、2つの貫通穴51acが側壁部51aaに形成されており、2つの貫通穴51acが側壁部51abに形成されている。貫通穴51acは、側壁部51aa(側壁部51ab)を厚さ方向に貫通している。側壁部51aaの上端及び側壁部51abの上端には、切り欠き51adが形成されている。切り欠き51adは、例えば、隣り合う2つの貫通穴51acの間に配置されている。
【0020】
図4に示されているように、フィルタ部材52は、側壁52aと、上壁52bとを有している。上壁52bは、側壁52aの上端に連なっている。フィルタ部材52は、側壁52aが側壁51aと間隔を空けて対向するとともに、上壁52bが底壁51bと間隔を空けて対向するように配置されている。図6は、フィルタ部材53の図示を省略したフィルタセット50の平面図である。図6に示されているように、上壁52bには、通風穴52baと、複数の通風穴52bbとが形成されている。通風穴52ba及び通風穴52bbは、上壁52bを厚さ方向に貫通している。
【0021】
通風穴52baは、平面視において、上壁52bの中央部に配置されている。通風穴52baは、底壁51bの中央部と間隔を空けて対向している。通風穴52baの周囲にある上壁52bの部分は、通風穴52baの開口縁に近づくにつれて底壁51bとの距離が小さくなるように傾斜している。複数の通風穴52bbは、通風穴52baの周囲に配置されている。複数の通風穴52baの各々は、平面視において、複数の通風穴51baのいずれとも重ならないように配置されている。
【0022】
図4に示されているように、フィルタ部材53は、側壁53aと、上壁53bとを有している。上壁53bは、側壁53aの上端に連なっている。フィルタ部材53は、側壁53aが側壁51aと側壁52aとの間に挿入されるとともに、上壁53bが上壁52b上に位置するように配置されている。側壁53aは、側壁部53aaと、側壁部53abとを有している。側壁部53aa及び側壁部53abは、それぞれ、側壁部51aa及び側壁部51abと対向している。
【0023】
側壁部53aa及び側壁部53abには、複数の開口部53acが形成されている。例えば、側壁部53aaには2つの開口部53acが形成されており、側壁部53abには2つの開口部53acが形成されている。開口部53acは、側壁部53aa(側壁部53ab)を厚さ方向に貫通している。開口部53acは、貫通穴51acと対向するように配置されている。上壁53bには、複数の通風穴53baが形成されている。通風穴53baは、上壁53bを厚さ方向に貫通している。通風穴53baの開口面積は、通風穴52bbの開口面積よりも小さい。
【0024】
フィルタセット50は、例えば、第1部材54と、第2部材55とを有している。図7は、第1部材54及び第2部材55の分解斜視図である。図7には、側壁51a(側壁部51aa、側壁部51ab)が模式的に示されている。図8は、第2部材55の正面図である。図7及び図8に示されているように、第1部材54は、基部54aと、軸部54bとを有している。第2部材55は、傘部55aと、軸部55bとを有している。
【0025】
基部54aは、第1面54aaと第2面54abとを有している。第2面54abは、第1面54aaの反対面である。軸部54bは、第2面54abの法線方向に沿って第2面54abから延在している。軸部54bは、第1部分54baと、第2部分54bbとを有している。第1部分54baは、軸部54bの先端側(第2面54abとは反対側)の端部である。第2部分54bbは、第1部分54baと第2面54abとを接続している。軸部54bは、第1部分54baと第2部分54bbとの境界部分において、括れている。第1面54aaには、凸部54acが形成されている。凸部54acは、周囲よりも隆起している。凸部54acの頂面は、例えば、曲面で構成されている。凸部54acの頂面は、好ましくは、部分球面状である。
【0026】
第2部材55には、第1面55cと第2面55dとを有している。第2面55dは、第1面55cの反対面である。傘部55a及び軸部55bは、それぞれ、第1面55c側及び第2面55d側にある。傘部55aの外径は、軸部55bの外径よりも大きい。第2部材55には、貫通穴55eが形成されている。貫通穴55eは、第1面55cから第2面55dに向かう方向に第2部材55を貫通している。第2部材55には、複数の溝55fが形成されている。第1面55c側から見た際、複数の溝55fは、貫通穴55eから第2部材55の外周面に達するように放射状に延在している。溝55fは、第1面55cから第2面55dに向かって延在している。
【0027】
軸部54bは、第2面54abが側壁部51aa(側壁部51ab)の内壁面に接触するように貫通穴51acに挿入されている。軸部54bは、第2面55d側から貫通穴55eに挿入されている。これにより、凸部54acが側壁部51aa(側壁部51ab)の内壁面に設けられることになる。軸部54bが貫通穴55eに挿入された状態で、軸部55bは貫通穴51acに挿入されており、傘部55aが側壁部51aa(側壁部51ab)の外壁面に接触している。これにより、側壁部51aa(側壁部51ab)が、第1部材54(基部54a)と第2部材55(傘部55a)とにより挟み込まれている。
【0028】
第1部分54baの外径は、第1面55c側における貫通穴55eの開口径よりも大きくなっている。そのため、軸部54bは、一旦貫通穴55eに挿入された後において、第2部材55から抜去不能になっている。なお、複数の溝55fが形成されていることにより軸部54bを貫通穴55eに挿入する際に第2部材55が変形して貫通穴55eが拡径されるため、軸部54bの貫通穴55eへの挿入が容易となる。
【0029】
図9は、フィルタ部材53のフィルタ部材51への取り付け方法を示す第1断面図である。図10は、フィルタ部材53のフィルタ部材51への取り付け方法を示す第2断面図である。図9及び図10に示されているように、フィルタ部材53は、凸部54acが側壁部53aa(側壁部53ab)の外壁面と摺動しながら押し込まれることにより、凸部54acが開口部53acに挿入される。これにより、フィルタ部材53がフィルタ部材51に取り付けられることになる。フィルタ部材53を取り外す際には、切り欠き51adから側壁部51aa(側壁部51ab)が内側に押し込まれる。これにより、フィルタ部材53が撓み、凸部54acと開口部53acとの係合が解除され、フィルタ部材53をフィルタ部材51から引き抜くことができる。
【0030】
フィルタ部材51の構成材料及びフィルタ部材52の構成材料は、例えば、樹脂材料である。フィルタ部材53の構成材料は、例えば、金属材料である。フィルタ部材51の表面、フィルタ部材52の表面及びフィルタ部材53の表面は、好ましくは、樹脂材料でコーティングされている。これらの表面をコーティングしている樹脂材料は、例えばフッ素樹脂である。第1部材54及び第2部材55の構成材料は、例えば、樹脂材料である。
【0031】
(レンジフード100の動作)
以下に、レンジフード100の動作を説明する。
【0032】
本体ケース10の内部空間においてファン20が回転されると、鍋等の加熱調理器具において発生した油煙が、底面30dと整流板40との間、貫通穴13b、フィルタセット50及び貫通穴14bを通って、本体ケース10の内部空間に吸引される。本体ケース10の内部空間へと吸引された油煙は、天板12に形成されている貫通穴12aに接続されているダクト(図示せず)を通って、室外に排出される。
【0033】
上記の油煙がフィルタセット50を通る際、上記の油煙は、通風穴51baからフィルタセット50の内部に入る。通風穴52ba及び通風穴52bbは平面視において通風穴51baと重なっていないため、フィルタセット50の内部に入った上記の油煙は、上壁52bと接触し、通風穴52baへと向かうものと通風穴52bbへと向かうものとに分かれる。この際に、上記の油煙中の油が上壁52bの内壁面に付着するため、上壁52bの内壁面に付着した上記の油は、通風穴52baの開口縁から底壁51bの中央部へと滴下され、そこに溜まる。すなわち、フィルタ部材51及びフィルタ部材52は、ラビリンス構造のフィルタとして機能する。通風穴52ba及び通風穴52bbを通った上記の油煙は、さらに通風穴53baを通る。通風穴53baの開口面積は通風穴52bbの開口面積よりも小さいため、上記の油煙に含まれている油のうちの粒子の小さいものは、フィルタ部材53に付着する。このようにして、フィルタセット50により、本体ケース10の内部空間に入る油の量が減少される。
【0034】
(変形例)
上記においては、フィルタセット50がフィルタ部材52を有する例について説明したが、フィルタセット50は、フィルタ部材52を有していなくてもよい。また、上記においては、フィルタセット50がフィルタ部材53を有する例について説明したが、フィルタセット50は、フィルタ部材53を有していなくてもよい。この場合、側壁部51aa(側壁部51ab)に対向する側壁52aの部分に開口部が形成されるとともに、当該開口部に凸部54acが挿入されることにより、フィルタ部材52がフィルタ部材51に取り付けられることになる。
【0035】
(レンジフード100の効果)
以下に、レンジフード100の効果を説明する。
【0036】
レンジフード100では、凸部54acと開口部53acとの係合により、フィルタ部材53がフィルタ部材51に取り付けられており、ラッチのような機構を要しない。そのため、油煙に含まれている油によりフィルタ部材53をフィルタ部材51から取り外せなくなる事態の発生を抑制可能である。また、レンジフード100では、第1部材54及び第2部材55で構成される凸部54acを用いてフィルタ部材53のフィルタ部材51への取り付けが実現されるため、ラッチのような機構を用いてフィルタ部材53のフィルタ部材51への取り付けを実現する場合と比較して、製造コストが低減される。
【0037】
レンジフード100では、凸部54acの頂面が曲面で構成されているため、当該曲面により、フィルタ部材53をフィルタ部材51に向かって押し込む際に(つまり、フィルタ部材53をフィルタ部材51に取り付ける際に)凸部54acが開口部53acに挿入されるように誘い込むことが可能である。また、凸部54acの頂面が曲面で構成されている結果、フィルタ部材53をフィルタ部材51に取り付ける際に凸部54acがフィルタ部材53と摺動してもフィルタ部材53の表面にあるコーティングを剥離させにくい。
【0038】
(付記)
本実施形態に含まれる構成を、以下に付記する。
【0039】
<付記1>
フィルタセットを備え、
前記フィルタセットは、第1フィルタ部材と、前記第1フィルタ部材に取り付けられている第2フィルタ部材とを有し、
前記第1フィルタ部材は、第1側壁を有し、
前記第2フィルタ部材は、第2側壁を有し、
前記第1側壁は、凸部が設けられている第1側壁部を有し、
前記第2側壁は、前記第1側壁部に対向しており、かつ前記凸部が挿入される開口部が設けられている第2側壁部を有する、レンジフード。
【0040】
<付記2>
前記第1フィルタ部材は、底壁を有し、
前記第2フィルタ部材は、前記底壁と対向している上壁を有し、
前記底壁には、複数の第1通風穴が設けられており、
前記上壁には、第2通風穴と、複数の第3通風穴とが設けられており、
前記複数の第1通風穴は、平面視において前記底壁の中央部の周囲に配置されており、
前記第2通風穴は、前記中央部と対向しており、
前記複数の第3通風穴の各々は、平面視において前記複数の第1通風穴の各々と重ならないように前記第2通風穴の周囲に配置されている、付記1に記載のレンジフード。
【0041】
<付記3>
前記第2フィルタ部材は、上壁を有し、
前記上壁には、複数の第4通風穴を有する、付記1に記載のレンジフード。
【0042】
<付記4>
前記フィルタセットは、第3フィルタ部材をさらに備え、
前記第1フィルタ部材は、底壁を有し、
前記第3フィルタ部材は、前記底壁と対向している上壁を有し、
前記底壁には、複数の第1通風穴が設けられており、
前記上壁には、第2通風穴と、複数の第3通風穴とが設けられており、
前記複数の第1通風穴は、平面視において前記底壁の中央部の周囲に配置されており、
前記第2通風穴は、前記中央部と対向しており、
前記複数の第3通風穴の各々は、平面視において前記複数の第1通風穴の各々と重ならないように前記第2通風穴の周囲に配置されている、付記3に記載のレンジフード。
【0043】
<付記5>
前記第1側壁部には、貫通穴が設けられており、
前記フィルタセットは、第1部材と、第2部材とをさらに有し、
前記第1部材は、基部と、軸部とを有し、
前記基部は、第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを有し、
前記第1面には、前記凸部が設けられており、
前記軸部は、前記第2面から延在しており、
前記第1部材は、前記第2面が前記第1側壁部の内壁面と接触し、かつ前記軸部が前記第1側壁部の外壁面から突出するように前記貫通穴に挿入されており、
前記第2部材は、前記基部との間で前記第1側壁部を挟み込むように前記軸部に取り付けられている、付記1~付記4のいずれか1項に記載のレンジフード。
【0044】
<付記6>
前記軸部は、前記第2部材から抜去不能に構成されている、付記5に記載のレンジフード。
【0045】
<付記7>
前記凸部の頂面は、曲面で構成されている、付記1から付記6のいずれか1項に記載のレンジフード。
【0046】
<付記8>
前記第2フィルタ部材の表面には、樹脂コーティングが施されている、付記1から付記7のいずれか1項に記載のレンジフード。
【0047】
<付記9>
前記第1側壁部の上端には、切り欠き部が設けられている、付記1から付記8のいずれか1項に記載のレンジフード。
【0048】
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上記の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上記の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0049】
10 本体ケース、11 側板、12 天板、12a 貫通穴、13 底板、13a 凹部、13b 貫通穴、14 オイルトレイ、14a 油溜まり部、14b,14c 貫通穴、20 ファン、21 モータ、30 フード部、30a 上面、30b 下面、30c 凹部、30d 底面、30e 貫通穴、40 整流板、50 フィルタセット、51 フィルタ部材、51a 側壁、51aa,51ab 側壁部、51ac 貫通穴、51ad 切り欠き、51b 底壁、51ba 通風穴、52 フィルタ部材、52a 側壁、52b 上壁、52ba,52bb 通風穴、53 フィルタ部材、53a 側壁、53aa,53ab 側壁部、53ac 開口部、53b 上壁、53ba 通風穴、54 第1部材、54a 基部、54aa 第1面、54ab 第2面、54ac 凸部、54b 軸部、54ba 第1部分、54bb 第2部分、55 第2部材、55a 傘部、55b 軸部、55c 第1面、55d 第2面、55e 貫通穴、55f 溝、100 レンジフード、DR1 第1方向、DR2 第2方向。
図1
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図9
図10