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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158877
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】清掃具
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/24 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A47L13/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074478
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】506036884
【氏名又は名称】プラマイゼロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】久芳 広輔
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074AA07
3B074AA08
3B074AB01
3B074EE01
(57)【要約】
【課題】柄部のみの操作で、清掃シートの取り付け、取り外しが可能であり、衝撃等で清掃シートが外れない清掃具を提供する。
【解決手段】床面に不織布等から成る清掃シートを置き、その清掃シートの上に本体部3を載置する。そして、柄部1を本体部3に対して直交した状態で、柄部1を下方に押圧して両側の挟持部9を開かせる。柄部1を下方に押圧して弾性体9eによる引き寄せ弾性力に抗して歯車板7を回動させることで、曲線噛合部7dと直線噛合部9dとの噛合状態を変化させて、挟持部9を底板部4に対して離間した状態にする。その後に柄部1の押圧を解除すると、両側の挟持部9の間隙が狭まることで、基体9aと底板部4及び蓋部5の側面との間に、清掃シートの一部が挟持される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄部と、該柄部の下端に取り付けられた押圧部を介して前記柄部と連結する本体部とから成り、底面に清掃シートを挟持する清掃具であって、
前記押圧部は、前記柄部と回動自在に連結する回動部と、該回動部を回動自在に内部に固定し、複数の当接部を下端に備えた円筒部とから成り、
前記本体部は、底板部と、該底板部の上側を覆う蓋部と、該蓋部の中央に連続し、前記押圧部を上下方向に摺動可能に収納する収納筒部と、前記底板部及び前記蓋部間に収納される回動板部及び両側に移動する一対の挟持部とから成り、
前記回動板部の中央には、円周に沿って設けられ、前記複数の当接部とそれぞれ当接する複数の被当接部が配置され、
前記回動板部の外側には、前記一対の挟持部に設けた被係合部と係合する複数の係合部が設けられていることを特徴とする清掃具。
【請求項2】
前記柄部を前記本体部に対して直交した状態で、前記押圧部を下方に押圧することにより、前記当接部が前記被当接部を押し下げて前記回動板部を回動させ、前記係合部及び前記被係合部を介して、前記一対の挟持部を外側に移動させることを特徴とする請求項1に記載の清掃具。
【請求項3】
前記本体部の底面側に前記清掃シートを配置し、前記押圧部を押圧して前記一対の挟持部を外側に移動させた後に、前記押圧部の押圧を解除することで、前記一対の挟持部と、前記底板部及び前記蓋部との間に前記清掃シートの一部を挟持して、前記本体部の底面側に前記清掃シートを固定することを特徴とする請求項2に記載の清掃具。
【請求項4】
前記当接部は、前記円筒部の円周に沿って下方に突出し斜辺を有する押圧三角壁であり、
前記被当接部は、前記回動板部の中央から円周に沿って上方に突出し、前記押圧三角壁の斜辺と当接する斜辺を有する受三角壁であることを特徴とする請求項3に記載の清掃具。
【請求項5】
前記当接部は、前記円筒部の円周上に設けた、突部又は傾斜状の傾斜孔であり、
前記被当接部は、前記回動板部の中央に設けた中央円筒部に設けられ、前記突部又は前記傾斜孔と摺動可能に係合する傾斜状の傾斜孔又は突部であることを特徴とする請求項3に記載の清掃具。
【請求項6】
前記回動板部は、円盤状の歯車板であり、
前記係合部は、前記歯車板の外周に設けた曲線噛合部であり、
前記被係合部は、前記曲線噛合部と噛合する直線状の直線噛合部であることを特徴とする請求項4又は5に記載の清掃具。
【請求項7】
前記係合部は、前記回動板部の外側に設けた、摺動端又は直線摺動孔であり、
前記挟持部の内方に延在するアームの先端に設けられた前記被係合部は、前記摺動端又は前記直線摺動孔と係合する、前記挟持部の長手方向と平行する直線摺動孔又は摺動端であることを特徴とする請求項4又は5に記載の清掃具。
【請求項8】
前記押圧部と前記本体部の間には、前記押圧部を上方に押し上げる弾性力を有する弾性体を配置したことを特徴とする請求項1に記載の清掃具。
【請求項9】
前記一対の挟持部には、前記挟持部同士を引き寄せる弾性体を配置したことを特徴とする請求項8に記載の清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃シートの簡便な取り付け、取り外しが可能な清掃具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
清掃用の不織布や雑巾等の清掃シートを底面に取り付けるモップ状の清掃具は広く使用されている。特許文献1には、下部本体上を閉止する蓋をタッチすると蓋が開き、再び蓋を押すと閉止する構造のワンタッチ方式の清掃具が開示されている。蓋が開くと、スプリングの圧縮力により外部挟み部材が外側に離れ、内部挟み部材と外部挟み部材との間に挟まれていた清掃シートは開放される。
【0003】
このようにして、特許文献1の清掃具は、汚れた清掃シートを適宜に交換することが可能であり、汚れた清掃シートには手を触れずに、そのまま廃棄することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-344638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の清掃具では、上方からの蓋への軽い衝撃等で簡易に蓋が開いてしまい、清掃シートが外れてしまうという問題がある。また、清掃シートの取り付け、取り外しの際に指等が蓋に触れると、蓋に付着した埃等の汚れが指に転着し、不衛生であるという問題もある。
【0006】
本発明の目的は、上述の課題を解決し、柄部の操作のみで清掃シートの取り付け、取り外しが可能であって、衝撃等で清掃シートが容易に外れることがない清掃具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る清掃具は、柄部と、該柄部の下端に取り付けられた押圧部を介して前記柄部と連結する本体部とから成り、底面に清掃シートを挟持する清掃具であって、前記押圧部は、前記柄部と回動自在に連結する回動部と、該回動部を回動自在に内部に固定し、複数の当接部を下端に備えた円筒部とから成り、前記本体部は、底板部と、該底板部の上側を覆う蓋部と、該蓋部の中央に連続し、前記押圧部を上下方向に摺動可能に収納する収納筒部と、前記底板部及び前記蓋部間に収納される回動板部及び両側に移動する一対の挟持部とから成り、前記回動板部の中央には、円周に沿って設けられ、前記複数の当接部とそれぞれ当接する複数の被当接部が配置され、前記回動板部の外側には、前記一対の挟持部に設けた被係合部と係合する複数の係合部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る清掃具によれば、柄部を本体部に対して直交にした状態で、柄部の下方への押圧及び押圧の解除により、簡便に清掃シートの取り付け、取り外しが可能である。更に、柄部の操作のみで、本体部を触れることなく清掃シートの取り付け、取り外しが可能であるため、衛生上の問題も生じない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の清掃具の斜視図である。
図2】柄部を下方に押圧した状態の清掃具の斜視図である。
図3】清掃具の分解斜視図である。
図4】押圧三角壁、受三角壁の斜辺同士の摺動状態の説明図である。
図5】蓋部を省略した清掃具の斜視図である。
図6】蓋部を省略し、柄部を押圧した状態の清掃具の斜視図である。
図7】清掃具の断面斜視図である。
図8】柄部を押圧した状態の清掃具の断面斜視図である。
図9】実施例2の清掃具の分解斜視図である。
図10】蓋部を省略した本体部の斜視図である。
図11】蓋部を省略し、柄部を押圧した状態の本体部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例0011】
図1は実施例1の清掃具の斜視図、図2は柄部を下方に押圧した状態の清掃具の斜視図、図3は清掃具の分解斜視図である。この清掃具は、棒状体である柄部1と、この柄部1の下端1aに取り付けられた押圧部2を介して柄部1と直交して連結する矩形状の本体部3とから構成されている。
【0012】
柄部1の上端には図示しない把持部が取り付けられており、この把持部を手で握って床面等の掃除を行う。また、柄部1の長さは、例えば1.2m程度であり、本体部3の大きさは、例えば長手方向10cm、短手方向5cm、厚み1cm程度である。なお、本体部3の大きさは、清掃用途に応じて、適宜のサイズの本体部3を使用することが可能である。
【0013】
押圧部2は、柄部1の下端1aと連結する回動部2aと、この回動部2aを長手方向の両側から軸支する円筒部2bとから構成されている。
【0014】
柄部1と連結した回動部2aは、本体部3の短手方向を向く図示しない第1の軸部と、この第1の軸部と直交する下側の円筒部2bによる第2の軸部との回動によって、本体部3に対する柄部1の方向を自在に可変させることができる。
【0015】
第2の軸部を介して回動部2aを軸支する円筒部2bは、外側面に上下方向に平行する複数の案内条2cと、内設する、例えばばね体から成る図7図8に示す弾性体2dにより水平方向の外側に押圧される押圧片2eと、下端周囲から下方に向けて突出する一対の押圧三角壁2fとを有している。
【0016】
向かい合うように配置された一対の押圧三角壁2fは、図4に示すように斜辺2gを有し、下方に頂点を有する三角形状とされており、この押圧三角壁2fの頂点が押圧部2の最下端に位置している。
【0017】
本体部3は、長板状の底板部4と、この底板部4の上面を覆う蓋部5と、蓋部5の中央孔に嵌合し、押圧部2を上下に摺動可能に収納する円筒状の収納筒部6と、円板状の歯車板7と、底板部4上にあって歯車板7を載置する台座部8と、蓋部5の両側に配置され幅方向つまり短手方向にそれぞれ移動可能な一対の挟持部9とから構成されている。そして、底板部4及び蓋部5間に、回動板部である歯車板7、台座部8及び一対の挟持部9が収納されている。
【0018】
底板部4には、中央長手方向に間隔をおいて立設された一対の挿入軸4aが設けられており、蓋部5の中心部には、円形の中央孔5aが設けられている。この中央孔5aに収納筒部6が嵌合するようにされている。
【0019】
収納筒部6は、略円筒体とされ、内壁に上下方向に設けられた複数の主溝部6aと、同様に内壁に上下方向に設けられ、上方が閉塞され下方にのみ形成された複数の副溝部6bと、主溝部6aの中央部に形成された突部6cとを有している。
【0020】
円盤状の歯車板7は、所定角度内を回動可能とされており、中央に設けられた円孔7aと、この円孔7aの外周に沿って上方に突出する一対の受三角壁7bと、円孔7aを取り囲むように、円弧状に湾曲して設けられた一対の回動孔7cと、これらの回動孔7cの外側である外周の2個所に設けられ、両側の挟持部9の直線噛合部と噛合する複数の歯部を有する曲線噛合部7dとから構成されている。
【0021】
向かい合うように配置された一対の受三角壁7bは、押圧三角壁2fと同様に三角形状とされ、図4に示すように、斜辺7eを有し、押圧三角壁2fの斜辺2gと、受三角壁7bの斜辺7eとが接している。なお、押圧三角壁2f及び受三角壁7bは、一対としているが、3個以上であってもよい。
【0022】
平板状の台座部8は、長手方向に配置された一対の挿入孔8aと、中央個所に立設されたばね支持部8bとを有し、このばね支持部8bにスプリング体から成る弾性体8cが挿入可能とされている。この弾性体8cはばね支持部8bに挿入することにより外れることなく固定されると共に、押圧部2を反発力によって上方に押し上げることになる。
【0023】
また、台座部8の2個の挿入孔8aに、底板部4の挿入軸4aがそれぞれ挿入され、更に挿入軸4aの先端が歯車板7に設けた2つの回動孔7cに挿入可能とされている。
【0024】
挟持部9は、本体部3の長手方向に沿った直線状の基体9aと、この基体9aと直交する方向の短手方向に向けて平行して延在し、蓋部5の凹溝5bに嵌入する一対の案内杆9bと、これらの案内杆9bの先端同士に掛け渡された連結部9cと、基部を連結部9cに固定し、案内杆9bと平行して内方に更に延在する直線噛合部9dとを有している。直線噛合部9dは、鋸刃状に多数の歯部が形成され、歯車板7の一方の曲線噛合部7dと噛合する。
【0025】
両側の挟持部9の案内杆9b同士間には、両側の挟持部9同士を引き寄せる一対の引っ張りコイルばね等から成る弾性体9eが配置されている。弾性体9eの両端には、案内杆9bの裏面に設けた図示しない突起に掛止するためのリング部9fが設けられている。
【0026】
この清掃具を組み立てるには、先ず底板部4上に台座部8、歯車板7を重ねた状態で、底板部4の挿入軸4aを挿入孔8a、回動孔7cにそれぞれ挿入する。更には、歯車板7の曲線噛合部7dと、挟持部9の直線噛合部9dとを噛合した状態にして、両側の案内杆9bの裏面の突起に弾性体9eの両端のリング部9fをそれぞれ掛止する。
【0027】
図5図6は、図1図2に対して蓋部5の図示を省略した状態の本体部3の斜視図である。図5は、底板部4、歯車板7、台座部8及び挟持部9を組み立てて、弾性体9eを取り付けた状態を示している。図6は、柄部1を下方に押圧して弾性体9eによる引き寄せ弾性力に抗して歯車板7を回動させることで、曲線噛合部7dと直線噛合部9dとの噛合状態を変化させて、挟持部9を底板部4に対して離間した状態を示している。
【0028】
図6に示すように、弾性体9eは両側に移動した挟持部9によって引き延ばされている。そして、柄部1の下方への押圧を止めて、歯車板7への回動力が解除されると、図6図2の状態から、挟持部9同士の間隔が狭まる図5図1の状態に復元する。
【0029】
底板部4、歯車板7、台座部8及び挟持部9を組み立てた後に、底板部4上に蓋部5を取り付け、更に柄部1の下端1aに固定した押圧部2を、蓋部5の中央孔5aに連結されている収納筒部6内に挿入する。
【0030】
図7図8は、本体部3に対して長手方向中央を断面とした清掃具の断面斜視図である。押圧部2を収納筒部6に押し込む際に、収納筒部6の内壁に設けた主溝部6aに対して、押圧部2内に内設した弾性体2dにより水平方向に押圧片2eを押し込むことで押圧片2eは外れることなく、主溝部6a内を上下方向に摺動可能となる。
【0031】
併せて、収納筒部6の内壁に設けた複数の副溝部6bのそれぞれに、押圧部2の案内条2cが嵌合される。案内条2cが上端が閉塞された副溝部6b内に嵌合されることで、押圧部2は上方側に外れることはない。
【0032】
更に、主溝部6a内の略中央の突部6cが上下に摺動可能な押圧部2を押圧する際には、図7に示すように一旦は突部6cに押圧片2eが引っ掛かる。そして、更に力を加えて、柄部1を下方に押し込むときにのみ、図8に示すように弾性体2dが収縮し、押圧片2eが突部6cを乗り越えて下方に移動する。
【0033】
また、図8に示すように、押圧部2が収納筒部6の下方に移動すると、押圧部2と底板部4の間には、弾性体8cによって柄部1を上方に押し戻す弾性力が作用しており、柄部1に対する下方への押圧力を解除すると、押圧片2eが再び突部6cを乗り越えて上方に移動し、図7に示す状態に復元する。
【0034】
このような機構の採用により、柄部1に対して或る程度の力を入れて柄部1を下方に押し下げない限り、押圧部2が収納筒部6内の下端まで移動することはない。従って、後述する清掃シートを本体部3に取り付けた際に、柄部1に対する多少の衝撃等があったとしても本体部3から清掃シートが外れることはない。
【0035】
図4は、押圧部2の下端に設けられた押圧三角壁2fと、押圧三角壁2fと接する歯車板7に設けられた受三角壁7bとの摺動状態の説明図である。図4(a)は押圧部2を下方に押圧する前の状態、図4(b)は押圧部2を押圧した状態を示している。
【0036】
柄部1を押圧する前の状態を示す図1図5図7の状態では、図4(a)に示すように、押圧三角壁2f及び受三角壁7bの斜辺2g及び斜辺7eは、それぞれの頂点付近同士が接している。そして、柄部1により押圧部2を下方に押圧して、押圧片2eが突部6cを乗り越えた図2図6図8の状態では、図4(b)に示すように、押圧三角壁2fは縦矢印に示すように下降し、この動きに追従して受三角壁7bは横矢印に示すように、水平方向に移動して、歯車板7が回動する。
【0037】
歯車板7の回動に併せて、曲線噛合部7d、直線噛合部9dを介して、図2図6図8に示すように一対の挟持部9は、案内杆9bによる蓋部5の凹溝5b内に沿って、底板部4及び蓋部5から離間して外側に移動する。なお、歯車板7の回動範囲は回動孔7cの長さによって制限される。
【0038】
また、柄部1への押圧を解除すると、弾性体8c及び一対の弾性体9eの弾性力によって、一対の挟持部9は図1図5図7に示す状態に復元し、押圧三角壁2f、受三角壁7b同士も、図4(a)に示す状態に戻る。
【0039】
清掃具を使用するには、先ず床面に不織布等から成る清掃シートを置き、その清掃シートの上に本体部3を載置する。そして、柄部1を本体部3に対して直交した状態で、柄部1を下方に押圧して図2に示すように両側の挟持部9を開かせる。その後に柄部1の押圧を解除すると、図1に示すように両側の挟持部9の間隙が狭まることで、基体9aと底板部4及び蓋部5の側面との間に、清掃シートの一部が挟持される。
【0040】
このように、清掃シートの一部が挟持されることで、本体部3の底面側に清掃シートが固定され、床面等を清掃シートによって摺擦することが可能となる。そして、この摺擦による清掃が終了すると、柄部1を下方に押圧して、埃、ゴミ等が付着した清掃シートの挟持を解除して取り外す。なお、この解除作業をゴミ袋内で行えば、不衛生な清掃シートに手を全く触れることなく、処分することができる。
【実施例0041】
図9図11は実施例2を示し、実施例1と同じ符号は同じ部材を示している。
【0042】
図9は実施例2の清掃具の分解斜視図である。実施例1の清掃具と同様に、床面の清掃シートの上に本体部3を載置し、柄部1を本体部3に対して直交した状態で、押圧部2を一旦下方に押圧し、続いてこの押圧を解除することで、両側の挟持部9の基体9aと、底板部4及び蓋部5の側面との間に、清掃シートの一部が挟持される構造とされている。
【0043】
実施例2においては、実施例1の歯車板7の代りに矩形状の回動板10が回動板部として用いられ、押圧部2の円筒部2bの外周の短手方向には、一対の摺動端2hが外側に突出され、更に挟持部9の直線噛合部9dの代りに直線摺動孔9hが設けられている。
【0044】
回動板10では、中央に設けた中央円筒部10aの周囲両側に、押圧部2の摺動端2hが挿入される一対の傾斜孔10bが傾斜した状態に形成されている。また、回動板10の表面の一対の対角上に、摺動軸10cが上方に突出され、中央円筒部10aの周囲の回動板10の表面には、実施例1の回動孔7cと同様の一対の円弧状の回動孔10dが形成されている。
【0045】
挟持部9の案内杆9bの先端同士を掛け渡す連結部9cの片側には、短手方向に延在するアーム9gが設けられている。このアーム9gの先端には、挟持部9の長手方向と平行し、かつ連結部9cと平行する長孔状の直線摺動孔9hが形成されており、回動板10に設けた摺動軸10cの何れか一方がそれぞれ摺動自在に挿入されている。なお、摺動軸10c及び直線摺動孔9hは、回動板10及び一対のアーム9gの先端に設けているが、逆に配置してもよい。
【0046】
清掃具を組み立てた際に、摺動端2hを傾斜孔10bに摺動可能に係合すると、弾性体8cによる反発力によって、傾斜孔10bの上端に摺動端2hが位置する。
【0047】
そして、柄部1を下方向に押圧すると、この動きに追従して傾斜孔10bに挿入された摺動端2hが傾斜孔10bの下端に移動して、回動板10を時計回りに回動させることになる。なお、摺動端2h及び傾斜孔10bは、押圧部2及び回動板10に設けているが、逆に配置してもよい。
【0048】
このように、実施例1の押圧三角壁2f及び実施例2の摺動端2hである当接部と、実施例1の受三角壁7b及び実施例2の傾斜孔10bである被当接部との構造を採用することで、下方向の押圧力を回動方向に変換することができる。
【0049】
図10は蓋部5を省略し、柄部1を押圧する前の本体部3の状態を示す斜視図、図11は蓋部5を省略し、柄部1を押圧した後の本体部3の状態を示す斜視図である。清掃具を組み立てた際に、摺動軸10cは直線摺動孔9h内に摺動可能に係合している。柄部1の押圧により回動板10の時計周りの回動に追従して摺動軸10cも回動して、挟持部9は直線摺動孔9hを介して底板部4及び蓋部5から離間して外側に摺動する。
【0050】
更に、実施例1の曲線噛合部7d及び実施例2の摺動軸10cである係合部と、実施例1の直線噛合部9d及び実施例2の直線摺動孔9hである被係合部との構造を採用することで、回動板部の回動に合わせて、一対の挟持部9を底板部4及び蓋部5から外側に移動させることができる。
【0051】
このように、本発明に係る清掃具によれば、柄部1を本体部3に対して直交にした状態で、所定の押圧力による押圧部2の押圧及び押圧の解除により、簡便に清掃シートの取り付け、取り外しが可能である。更に、柄部の操作のみで、本体部3を触れることなく清掃シートの取り付け、取り外しが可能であるため、衛生上の問題も生じない。
【符号の説明】
【0052】
1 柄部
1a 下端
2 押圧部
2a 回動部
2d,8c,9e 弾性体
2e 押圧片
2f 押圧三角壁
2g 斜辺
2h 摺動端
3 本体部
4 底板部
5 蓋部
6 収納筒部
7 歯車板
7a 円孔
7b 受三角壁
7c 回動孔
7d 曲線噛合部
7e 斜辺
9 挟持部
9d 直線噛合部
9f リング部
9g アーム
9h 直線摺動孔
10 回動板
10a 中央円筒部
10b 傾斜孔
10c 摺動軸
10d 回動孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11