(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158879
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】家畜管理システム、家畜管理方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20241031BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074486
(22)【出願日】2023-04-28
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度、「国立研究開発法人科学技術振興機構」、「研究成果展開事業 共創の場形成支援(センター・オブ・イノベーション(COI) プログラム)」、「『サイレントボイスとの共感』地球インクルーシブセンシング研究拠点」、「若手連携研究ファンド」、「連携研究「スマート畜産実践の知識移転を支援するIoT/AI デバイス活用手法開発と農家の行動変容を促す制度設計」」、委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京科学大学
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】大橋 匠
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 浩之
(72)【発明者】
【氏名】西條 美紀
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】畜産動物の育成を効果的に支援する技術を提供する。
【解決手段】家畜管理システム12は、複数の畜産動物それぞれの育成における第1イベントの日付を記憶する。家畜管理システム12は、ユーザにより予め定められた期間であって、第1イベントが生じてから、第1イベントに関連する第2イベントが生じるまでの期間を記憶する。家畜管理システム12は、上記複数の畜産動物のうち、第1イベントの日付と、第2イベントが生じるまでの期間とに基づいて所定の条件を満たす畜産動物に関する情報をユーザ装置10に提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の畜産動物それぞれの育成における第1イベントの日付を記憶する育成情報記憶部と、
ユーザにより予め定められた期間であって、前記第1イベントが生じてから、前記第1イベントに関連する第2イベントが生じるまでの期間を記憶する期間記憶部と、
前記複数の畜産動物のうち、前記第1イベントの日付と、前記第2イベントが生じるまでの期間とに基づいて所定の条件を満たす畜産動物に関する情報を前記ユーザに提供する情報提供部と、
を備える家畜管理システム。
【請求項2】
前記育成情報記憶部は、各畜産動物の育成フェーズをさらに記憶し、
前記条件は、前記育成フェーズに応じて異なる。
請求項1に記載の家畜管理システム。
【請求項3】
前記第1イベントは、第1のタイミングで前記畜産動物が発情したことであり、
前記第2イベントは、前記第1のタイミングに続く第2のタイミングで前記畜産動物が発情したことである、
請求項1に記載の家畜管理システム。
【請求項4】
前記第1イベントは、前記畜産動物が発情したことであり、
前記第2イベントは、前記畜産動物の妊娠を鑑定することである、
請求項1に記載の家畜管理システム。
【請求項5】
前記情報提供部は、前記ユーザにより指定された畜産動物について、その育成フェーズに応じて予定されたイベントまでの期間を表示する画面のデータを前記ユーザに提供する、
請求項1から4のいずれかに記載の家畜管理システム。
【請求項6】
育成フェーズが種付済の畜産動物に関する前記画面は、前記予定されたイベントとして複数回の発情確認が終了するまでの期間を示す線と、その線に沿って現在の日付の位置を示すオブジェクトとを含み、前記期間を示す線は、前記複数回の発情確認の位置が近傍になるように渦巻状に配置される、
請求項5に記載の家畜管理システム。
【請求項7】
前記画面には、前記ユーザにより指定された畜産動物の育成フェーズに応じて、異なるイベントの情報を登録するための異なるオブジェクトが配置される、
請求項5に記載の家畜管理システム。
【請求項8】
複数の畜産動物それぞれの育成における第1イベントの日付を記録するステップと、
ユーザにより予め定められた期間であって、前記第1イベントが生じてから、前記第1イベントに関連する第2イベントが生じるまでの期間を記録するステップと、
前記複数の畜産動物のうち、前記第1イベントの日付と、前記第2イベントが生じるまでの期間とに基づいて所定の条件を満たす畜産動物に関する情報を前記ユーザに提供するステップと、
をコンピュータが実行する家畜管理方法。
【請求項9】
複数の畜産動物それぞれの育成における第1イベントの日付を記憶する育成情報記憶部と、ユーザにより予め定められた期間であって、前記第1イベントが生じてから、前記第1イベントに関連する第2イベントが生じるまでの期間を記憶する期間記憶部とにアクセス可能なコンピュータに、
前記複数の畜産動物のうち、前記第1イベントの日付と、前記第2イベントが生じるまでの期間とに基づいて所定の条件を満たす畜産動物に関する情報を前記ユーザに提供する機能を実現させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ処理技術に関し、特に家畜管理システム、家畜管理方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
時系列に沿って、畜産動物に関して実施した活動およびコメントを入力および出力することができるウェブサイトであって、かつ、畜産動物の頭数の推移やその内訳等を出力できるウェブサイトを実現する畜産動物管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の畜産動物管理システムでは、ユーザ自身で重要な情報を取捨選択する必要がある。本発明は、このような状況に鑑みなされたものであり、1つの目的は、畜産動物の育成を一層効果的に支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の家畜管理システムは、複数の畜産動物それぞれの育成における第1イベントの日付を記憶する育成情報記憶部と、ユーザにより予め定められた期間であって、第1イベントが生じてから、第1イベントに関連する第2イベントが生じるまでの期間を記憶する期間記憶部と、複数の畜産動物のうち、第1イベントの日付と、第2イベントが生じるまでの期間とに基づいて所定の条件を満たす畜産動物に関する情報をユーザに提供する情報提供部とを備える。
【0006】
本発明の別の態様は、家畜管理方法である。この方法は、複数の畜産動物それぞれの育成における第1イベントの日付を記録するステップと、ユーザにより予め定められた期間であって、第1イベントが生じてから、第1イベントに関連する第2イベントが生じるまでの期間を記録するステップと、複数の畜産動物のうち、第1イベントの日付と、第2イベントが生じるまでの期間とに基づいて所定の条件を満たす畜産動物に関する情報をユーザに提供するステップとをコンピュータが実行する。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、装置、プログラム、プログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、畜産動物の育成を効果的に支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例の家畜管理システムの構成を示す図である。
【
図2】家畜管理システムが備える機能ブロックを示すブロック図である。
【
図3】畜産動物管理アプリケーションのトップ画面の例を示す図である。
【
図4】今日の牧場画面の表示に関する処理のフローを示す図である。
【
図7】母牛詳細画面の表示に関する処理のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示における装置または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがコンピュータプログラムを実行することによって、本開示における装置または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、コンピュータプログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、コンピュータプログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC、LSI等)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的な記録媒体に記録される。コンピュータプログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。また、本明細書または請求項中に「第1」、「第2」等の用語が用いられる場合には、特に言及がない限り、いかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。
【0011】
実施例の家畜管理システムの概要を説明する。実施例の家畜管理システムは、管理対象の複数の畜産動物それぞれの育成における第1イベントの日付と、第1イベントが生じてから、第1イベントに関連する第2イベントが生じるまでの標準的な期間とを記憶する。実施例の家畜管理システムは、管理対象の複数の畜産動物の中から、各畜産動物の第1イベントの日付と上記標準的な期間とに基づいて所定の条件を満たす畜産動物を特定し、特定した畜産動物に関する情報をユーザに提供する。これにより、畜産動物の育成を支援するための最適化された情報をユーザに提供でき、畜産動物の育成を効果的に支援できる。実施例では、家畜管理システムにより管理される畜産動物を母牛とする。
【0012】
実施例の家畜管理システムの詳細を説明する。
図1は、実施例の家畜管理システム12の構成を示す。家畜管理システム12は、畜産農家による畜産動物の管理および育成を支援するサービスを提供する情報処理システムである。家畜管理システム12は、ウェブサーバ14とDB(データベース)サーバ16とを備える。
【0013】
DBサーバ16は、畜産動物に関する各種情報を記憶する情報処理装置である。ウェブサーバ14は、複数のユーザ装置10に対して、畜産動物の管理を支援するための情報を生成し、この情報を含むウェブコンテンツ(以下「畜産動物管理アプリケーション」とも呼ぶ。)を複数のユーザ装置10に提供する情報処理装置である。ウェブサーバ14は、LAN・WAN・インターネット等を含む通信網18を介して複数のユーザ装置10と通信する。ウェブサーバ14は、アプリケーションサーバの機能を含んでもよい。
【0014】
複数のユーザ装置10は、第1のユーザにより操作されるユーザ装置10aと、第2のユーザにより操作されるユーザ装置10bを含む。例えば、第1のユーザは、第1の畜産農家であってもよく、第2のユーザは、第1の畜産農家とは異なる第2の畜産農家であってもよい。複数のユーザ装置10のそれぞれは、PC、タブレット端末またはスマートフォンであってもよい。
【0015】
なお、家畜管理システム12は、様々な物理構成が可能である。例えば、家畜管理システム12は、1台のコンピュータにより実現されてもよく、複数台のコンピュータにより実現されてもよい。家畜管理システム12が1台のコンピュータにより実現される場合、ウェブサーバ14とDBサーバ16のそれぞれは、OS(Operating System)上のプロセスとして実現されてもよい。また、家畜管理システム12が複数台のコンピュータにより実現される場合、一部のコンピュータがウェブサーバ14として機能し、他の一部のコンピュータがDBサーバ16として機能してもよい。
【0016】
図2は、家畜管理システム12が備える機能ブロックを示すブロック図である。本明細書のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPU・メモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。これらの機能ブロックがハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0017】
家畜管理システム12は、データ処理部20、記憶部22、通信部24を備える。データ処理部20は、畜産動物の管理を支援するための各種情報処理を実行する。記憶部22は、データ処理部20により参照または更新されるデータを記憶する。通信部24は、所定の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。データ処理部20は、通信部24を介して、複数のユーザ装置10とデータを送受信する。
【0018】
なお、
図2の各機能ブロックは、
図1のウェブサーバ14とDBサーバ16に分散して実装される。例えば、記憶部22内の機能ブロックは、主にDBサーバ16に実装されてもよい。また、データ処理部20の機能ブロックは、主にウェブサーバ14に実装されてもよい。
【0019】
記憶部22は、個体情報記憶部30、育成情報記憶部32、標準日数記憶部34を含む。個体情報記憶部30は、個体情報記憶部30は、管理対象の複数の畜産動物(母牛)のそれぞれに関する個体情報を記憶する。個体情報は、母牛の名前、愛称、個体識別番号、生年月日、血統を含む。
【0020】
育成情報記憶部32は、管理対象の複数の母牛のそれぞれに関する育成情報を記憶する。育成情報は、発情確認日、発情兆候、出産日、出産結果、妊娠鑑定日、鑑定結果、イベント履歴、種付け日、使用した種、育成フェーズを含む。発情確認日、出産日、妊娠鑑定日、種付け日は、母牛の育成におけるイベントの日付と言え、イベントが生じた日付とも言える。母牛の育成フェーズは、「空胎」、「種付済」、「妊娠中」を含む。
【0021】
標準日数記憶部34は、母牛の育成中のイベントに関する標準的な期間(実施例では標準的な日数)に関する情報である標準日数情報を記憶する。標準日数は、母牛の育成における第1イベント(例えば先の発情確認)が生じてから、第1イベントに関連する第2イベント(例えば次の発情確認)が生じるまでの標準的な期間とも言える。
【0022】
標準日数情報は、発情周期、妊娠鑑定日数、出産日数を含む。発情周期は、先の発情日(発情確認日)から次の発情日(発情確認日)までの標準的な日数である。例えば、発情周期は21日である。妊娠鑑定日数は、種付け日から妊娠鑑定を行うまでの標準的な日数である。例えば、妊娠鑑定日数は60日である。出産日数は、種付け日から出産までの標準的な日数である。ユーザは、これらの標準日数を、これまでの畜産の経験をもとに決定し、家畜管理システム12に登録する。
【0023】
データ処理部20は、要求受付部40、情報取得部42、判定部44、管理画面生成部46、管理画面提供部48、標準日数更新部50、育成情報更新部52を含む。これら複数の機能ブロックの機能は、コンピュータプログラム(ここでは「家畜管理プログラム」とも呼ぶ。)に実装されてもよく、家畜管理プログラムは、非一時的な記録媒体に格納されてもよい。家畜管理プログラムは、記録媒体またはネットワークを介して、家畜管理システム12を構成するコンピュータのストレージにインストールされてもよい。家畜管理システム12を構成するコンピュータのプロセッサ(CPU等)は、家畜管理プログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、上記複数の機能ブロックの機能を発揮してもよい。
【0024】
要求受付部40は、ユーザ装置10から送信された、畜産動物管理アプリケーションに関する各種要求を受け付ける。
【0025】
情報取得部42は、ユーザ装置10からの要求に応じて、個体情報記憶部30から個体情報を取得し、育成情報記憶部32から育成情報を取得し、標準日数記憶部34から標準日数情報を取得する。
【0026】
判定部44は、畜産動物管理アプリケーションにおける判定処理を実行する。実施例では、判定部44は、畜産動物管理アプリケーションの画面(以下「畜産動物管理画面」とも呼ぶ。)の中の、今日の牧場画面で表示させる母牛(以下「通知対象母牛」とも呼ぶ。)を判定する。判定部44は、管理対象の複数の母牛のうち、第1イベントの日付と、その第1イベントに関連する第2イベントが生じるまでの期間(実施例では標準日数)に基づいて所定の条件を満たす母牛を通知対象母牛として特定する。
【0027】
管理画面生成部46は、畜産動物管理画面のデータを生成する。例えば、管理画面生成部46は、判定部44により特定された通知対象母牛の情報を含む、今日の牧場画面のデータを生成する。
【0028】
管理画面提供部48は、畜産動物管理画面に関する情報をユーザ装置10へ送信する。実施例では、管理画面生成部46により生成された畜産動物管理画面のデータをユーザ装置10へ送信する。
【0029】
実施例では、家畜管理システム12は、畜産動物管理画面のウェブページをユーザ装置10へ提供し、ユーザ装置10のウェブブラウザは、畜産動物管理画面のウェブページをディスプレイに表示する。畜産動物管理画面は、ユーザ装置10のウェブブラウザが、AJax(Asynchronous JavaScript XML、「JavaScript」は登録商標)等の公知の非同期通信を用いて、表示すべきデータを家畜管理システム12から逐次取得するように実装されてもよい。
【0030】
変形例として、家畜管理システム12は、畜産動物管理画面に表示させる情報のみをユーザ装置10へ送信してもよい。この場合、ユーザ装置10にインストールされたアプリケーションが、家畜管理システム12から送信された情報を設定した畜産動物管理画面を生成して、ディスプレイに表示させてもよい。
【0031】
標準日数更新部50は、ユーザ装置10からの要求に応じて、標準日数記憶部34に記憶された標準日数を更新する。標準日数更新部50は、ユーザ装置10から送信された標準日数の更新要求が受け付けられた場合、その要求で指定された更新後の標準日数を、標準日数記憶部34の標準日数に反映させる。
【0032】
育成情報更新部52は、ユーザ装置10からの要求に応じて、育成情報記憶部32に記憶された育成情報を更新する。育成情報更新部52は、ユーザ装置10から送信された育成情報の更新要求が受け付けられた場合、その要求で指定された更新後の育成情報の値を、育成情報記憶部32の育成情報に反映させる。
【0033】
以上の構成による家畜管理システム12の動作を説明する。
図3は、ユーザ装置10で表示される畜産動物管理アプリケーションのトップ画面100の例を示す。トップ画面100は、標準日数設定ボタン102、今日の牧場ボタン104、母牛管理ボタン106を含む。
【0034】
図3のトップ画面100で標準日数設定ボタン102が選択されると、ユーザ装置10は、標準日数設定画面を家畜管理システム12へ要求し、家畜管理システム12の管理画面提供部48は、標準日数設定画面をユーザ装置10へ送信する。ユーザは、発情周期、妊娠鑑定日数、出産日数等の標準日数を標準日数設定画面に入力する。ユーザ装置10は、標準日数設定画面に入力された標準日数を家畜管理システム12へ送信する。家畜管理システム12の標準日数更新部50は、ユーザ装置10から送信された標準日数の値を標準日数記憶部34の標準日数に反映させる。
【0035】
次に、畜産動物管理アプリケーションの今日の牧場画面の表示を説明する。
図4は、今日の牧場画面の表示に関する処理のフローを示す。
図3のトップ画面100で今日の牧場ボタン104が選択されると、ユーザ装置10は、今日の牧場画面を要求するデータを家畜管理システム12へ送信する(S10)。
【0036】
ウェブサーバ14(要求受付部40)は、ユーザ装置10から送信された、今日の牧場画面の要求を受け付ける。ウェブサーバ14(情報取得部42)は、ユーザにより事前に登録された母牛の育成に関する標準日数をDBサーバ16(標準日数記憶部34)に要求する(S11)。DBサーバ16(標準日数記憶部34)は、予め記憶された母牛の育成に関する標準日数をウェブサーバ14(情報取得部42)へ送信する(S12)。
【0037】
S13~S17の処理は、管理対象の母牛ごとに繰り返し実行される。S13~S17の処理対象となる母牛を「確認対象母牛」と呼ぶ。ウェブサーバ14(情報取得部42)は、ユーザにより事前に登録された確認対象母牛の育成情報をDBサーバ16(育成情報記憶部32)に要求する(S13)。DBサーバ16(育成情報記憶部32)は、予め記憶された確認対象母牛の育成情報をウェブサーバ14(情報取得部42)へ送信する(S14)。
【0038】
ウェブサーバ14(判定部44)は、確認対象母牛の育成情報に含まれる第1イベントの日付と、第1イベントから関連する第2イベントまでの標準日数とに基づいて、確認対象母牛が所定の通知条件を満たすか否かを判定する(S15)。S15での判定に適用される通知条件は、確認対象母牛の育成情報に含まれる育成フェーズに応じて異なる。以下に示す通知条件は一例であり、開発者の知見や、家畜管理システム12を用いた実験により適切な条件が決定されてよい。
【0039】
例えば、確認対象母牛の育成フェーズが空胎の場合、第1イベントは、確認対象母牛が第1のタイミングで発情したことである。第2イベントは、第1のタイミングに続く第2のタイミング(例えば21日後)で確認対象母牛が発情することである。確認対象母牛の育成フェーズが空胎の場合の通知条件は、最も新しい発情確認日から発情周期の標準日数(例えば21日)が経過する時点と、現在日時との差が24時間以下になった場合に満たされる。言い換えれば、ここでの通知条件は、確認対象母牛の発情有無を確認するべきタイミングまで24時間以下になった場合に満たされる。
【0040】
ウェブサーバ14(判定部44)は、確認対象母牛の育成フェーズが空胎の場合、当該育成フェーズの通知条件が満たされたと判定すると(S15のY)、確認対象母牛を、発情確認に関する通知対象母牛として選択する(S16)。育成フェーズ空胎の通知条件が満たされなければ(S15のN)、確認対象母牛を発情確認に関する通知対象母牛として選択しない。
【0041】
次に、確認対象母牛の育成フェーズが種付済の場合、2つの通知条件の充足有無を判定する。2つの通知条件は、再発確認(すなわち種付け後の発情確認)に関する通知条件と、妊娠鑑定に関する通知条件である。再発に関する通知条件における第1イベントは、確認対象母牛が第1のタイミングで発情したことである。第2イベントは、第1のタイミングに続く第2のタイミング(例えば21日後)で確認対象母牛が発情することである。再発に関する通知条件は、最も新しい発情確認日から発情周期の標準日数(例えば21日)が経過する時点と、現在日時との差が24時間以下になった場合に満たされる。
【0042】
一方、妊娠鑑定に関する通知条件における第1イベントは、確認対象母牛が発情したことである。第2イベントは、確認対象母牛の妊娠を鑑定することである。妊娠鑑定に関する通知条件は、最も新しい発情確認日から妊娠鑑定日数の標準日数(例えば60日)が経過する時点と、現在日時との差が48時間以下になった場合に満たされる。
【0043】
確認対象母牛の育成フェーズが種付済の場合、ウェブサーバ14(判定部44)は、再発確認に関する通知条件が満たされたか否かと、妊娠鑑定に関する通知条件が満たされたか否かの両方を判定する。再発確認に関する通知条件が満たされたと判定すると(S15のY)、ウェブサーバ14(判定部44)は、確認対象母牛を再発確認に関する通知対象母牛として選択する(S16)。再発確認に関する通知条件が満たされなければ(S15のN)、確認対象母牛を再発確認に関する通知対象母牛として選択しない。
【0044】
また、妊娠鑑定に関する通知条件が満たされたと判定すると(S15のY)、ウェブサーバ14(判定部44)は、確認対象母牛を妊娠鑑定に関する通知対象母牛として選択する(S16)。妊娠鑑定に関する通知条件が満たされなければ(S15のN)、確認対象母牛を妊娠鑑定に関する通知対象母牛として選択しない。ウェブサーバ14(判定部44)は、育成フェーズ種付済の確認対象母牛を、再発確認に関する通知対象母牛と、妊娠鑑定に関する通知対象母牛の一方または両方として選択し得る。
【0045】
通知条件の充足有無を未確認の母牛が残っていれば(S17のN)、S13に戻り、新たな確認対象母牛の育成情報を取得する。全母牛を確認済であれば(S17のY)、S18に進む。ウェブサーバ14(管理画面生成部46)は、発情確認に関する通知対象母牛、再発確認に関する通知対象母牛、妊娠鑑定に関する通知対象母牛それぞれの個体情報と育成情報を含む今日の牧場画面のデータを生成する(S18)。ウェブサーバ14(管理画面提供部48)は、今日の牧場画面のデータをユーザ装置10へ送信する(S19)。ユーザ装置10は、今日の牧場画面をディスプレイに表示させる(S20)。
【0046】
なお、
図4では、ユーザ装置10からの要求を契機として、家畜管理システム12からユーザ装置10へ今日の牧場画面のデータを提供した。変形例として、ウェブサーバ14(管理画面提供部48)は、ユーザもしくはシステムにより予め定められたタイミングに至った場合、自律的に今日の牧場画面のデータを生成して、ユーザ装置10へ提供してもよい。すなわち、ウェブサーバ14(管理画面提供部48)は、予め定められたタイミングで、今日の牧場画面をユーザ装置10へプッシュ通知してもよい。
【0047】
図5は、今日の牧場画面の例を示す。今日の牧場画面110は、複数の母牛カード112を含む。複数の母牛カード112は、発情確認に関して通知対象となった母牛の情報を示すものと、再発確認に関して通知対象となった母牛の情報を示すものとを含む。なお、
図5には不図示だが、今日の牧場画面110には、妊娠鑑定に関して通知対象となった母牛の情報を示す母牛カード112を含みうる。
【0048】
母牛カード112は、母牛の名前、育成フェーズ、育成情報114および残日数116を含む。育成情報114の発情確認予定日には、育成情報に記録された最も新しい発情確認日に、発情周期の標準日数(例えば21日)を加算した日付が設定される。育成情報114には、育成情報に記録された他の情報項目がさらに設定されてもよい。
【0049】
発情確認の母牛カード112における残日数116には、発情確認予定日と現在日時との差が設定される。再発確認の母牛カード112における残日数116には、育成情報に記録された最も新しい発情確認日に、発情周期の標準日数(例えば21日)を加算した日付と、現在日時との差が設定される。妊娠鑑定の母牛カード112における残日数116には、育成情報に記録された最も新しい発情確認日に、標準日数として定められた妊娠鑑定日数(例えば60日)を加算した日付と現在日時との差が設定される。
【0050】
次に、畜産動物管理アプリケーションの母牛管理画面の表示を説明する。母牛管理画面は、管理対象の複数の母牛の情報を育成フェーズごとに一覧表示する画面である。
【0051】
図3のトップ画面100で母牛管理ボタン106が選択されると、ユーザ装置10は、母牛管理画面を要求するデータを家畜管理システム12へ送信する。以降、ウェブサーバ14とDBサーバ16は、
図4に示したS11~S14、S17~S19の処理を実行する。S18において、ウェブサーバ14(管理画面生成部46)は、管理対象の複数の母牛の情報を設定した母牛管理画面のデータを生成する。ユーザ装置10は、家畜管理システム12から提供された母牛管理画面をディスプレイに表示させる。
【0052】
図6は、母牛管理画面の例を示す。母牛管理画面120は、育成フェーズ選択エリア122を含む。育成フェーズ選択エリア122は、複数の選択肢として母牛の複数の育成フェーズを含む。具体的には、育成フェーズ選択エリア122は、複数の選択肢として「全母牛」「空胎」「種付済」「妊娠中」を含む。母牛管理画面120は、育成フェーズ選択エリア122にて全母牛が選択された場合、母牛の育成フェーズにかかわらず、管理対象の全ての母牛に関する複数の母牛カード112を表示するよう構成される。
【0053】
母牛管理画面120は、育成フェーズ選択エリア122にて空胎が選択された場合、育成フェーズが空胎の1頭以上の母牛に関する1つ以上の母牛カード112を表示するよう構成される。また、母牛管理画面120は、育成フェーズ選択エリア122にて種付済が選択された場合、育成フェーズが種付済の1頭以上の母牛に関する1つ以上の母牛カード112を表示するよう構成される。また、母牛管理画面120は、育成フェーズ選択エリア122にて妊娠中が選択された場合、育成フェーズが妊娠中の1頭以上の母牛に関する1つ以上の母牛カード112を表示するよう構成される。
【0054】
次に、畜産動物管理アプリケーションの母牛詳細画面の表示を説明する。
図7は、母牛詳細画面の表示に関する処理のフローを示す。今日の牧場画面110または母牛管理画面120で特定の母牛カード112が選択されると、ユーザ装置10は、選択された母牛カード112が示す母牛に関する詳細情報を要求するデータを家畜管理システム12へ送信する(S30)。
【0055】
ウェブサーバ14(要求受付部40)は、ユーザ装置10から送信された、詳細情報表示対象の母牛の識別情報(例えば個体識別番号)の指定を含む、母牛詳細画面の要求を受ける。詳細情報を表示する対象の母牛を以下「詳細表示母牛」とも呼ぶ。ウェブサーバ14(情報取得部42)は、ユーザにより事前に登録された詳細表示母牛の育成情報をDBサーバ16(育成情報記憶部32)に要求する(S31)。DBサーバ16(育成情報記憶部32)は、予め記憶された詳細表示母牛の育成情報をウェブサーバ14(情報取得部42)へ送信する(S32)。
【0056】
ウェブサーバ14(情報取得部42)は、ユーザにより事前に登録された母牛の育成に関する標準日数をDBサーバ16(標準日数記憶部34)に要求する(S33)。DBサーバ16(標準日数記憶部34)は、予め記憶された母牛の育成に関する標準日数をウェブサーバ14(情報取得部42)へ送信する(S34)。
【0057】
ウェブサーバ14(管理画面生成部46)は、DBサーバ16から取得した、標準日数と、詳細表示母牛の育成情報とに基づいて、母牛詳細画面のデータを生成する(S35)。ウェブサーバ14(管理画面生成部46)は、ユーザにより指定された詳細表示母牛の育成フェーズに応じて、その詳細表示母牛に関して予定されたイベントまでの期間を表示する母牛詳細画面のデータを生成する。
【0058】
ウェブサーバ14(管理画面生成部46)は、標準日数と、詳細表示母牛の育成情報とに基づいて、詳細表示母牛の次のイベント予定日までの残り期間が所定の閾値以下か否かを判定する。詳細表示母牛の次のイベント予定日までの残り期間が上記閾値以下の場合(S36のY)、次のイベントが近づいている旨のアラート情報(注意書き)を母牛詳細画面に付加する(S37)。アラート情報は、例えば「発情確認日が近づいています」または「妊娠鑑定日が近づいています」であってもよい。詳細表示母牛の次のイベント予定日までの残り期間が上記閾値より長ければ(S36のN)、S37の処理をスキップする。
【0059】
ウェブサーバ14(管理画面提供部48)は、母牛詳細画面のデータをユーザ装置10へ送信する(S38)。ユーザ装置10は、母牛詳細画面をディスプレイに表示させる(S39)。
【0060】
図8は、母牛詳細画面の例を示す。
図8の母牛詳細画面130は、育成フェーズが空胎の母牛に関する詳細情報を示している。次回イベント予定日131は、育成情報に記録された最も新しい発情確認日に、発情周期の標準日数を加算した日付である発情確認予定日を示す。残日数132は、発情確認予定日と現在日時との差を示す。
【0061】
ウェブサーバ14(管理画面生成部46)は、スケジュール線133と現在日インジケータ134を母牛詳細画面130に配置する。育成フェーズが空胎の場合のスケジュール線133は、最後の発情確認日から次回の発情確認予定日(次回イベント予定日131)までの期間(例えば21日間)を示す線である。スケジュール線133は、環状に配置される。また、スケジュール線133では、最後の発情確認日と、次回の発情確認予定日(次回イベント予定日131)とが時計盤の12時の位置(
図8の黒丸の位置)に配置される。
【0062】
現在日インジケータ134は、スケジュール線133に沿って現在の日付の位置を示すオブジェクトである。現在の日付が発情確認予定日(次回イベント予定日131)に近づくにつれて、現在日インジケータ134は、スケジュール線133の上を時計回りに進んでいく。
【0063】
図9も、母牛詳細画面の例を示す。
図9の母牛詳細画面130は、育成フェーズが種付済の母牛に関する詳細情報を示している。次回イベント予定日131は、育成情報に記録された最も新しい発情確認日に、発情周期の標準日数を加算した日付である再発確認予定日を示す。残日数132は、再発確認予定日と現在日時との差を示す。
【0064】
育成フェーズが種付済の場合のスケジュール線133は、種付け後の予定されたイベントとして、複数回の発情確認(再発確認)が終了するまでの期間を示す。スケジュール線133は、渦巻き状に配置され、かつ、複数回の発情確認の位置が近傍になるように構成される。実施例では、種付け後に2回の発情確認が行われる。
図9のスケジュール線133は、種付け後1回目の発情確認予定日(例えば最も新しい発情確認日から21日後)と、2回目の発情確認予定日(例えば最も新しい発情確認日から42日後)とが、時計盤の12時の位置(
図9の黒丸の位置)になるように構成される。なお、種付け後の発情確認は、畜産農家での実施状況に応じて1回でもよく、3回以上でもよい。
【0065】
現在日インジケータ134は、日付の進行とともに、スケジュール線133の内側から外側に、時計回りに進んでいく。これにより、種付け後の複数回(実施例では2回)の発情確認のそれぞれを行うべきタイミングをユーザに分かり易く提示できる。
【0066】
なお、
図8および
図9の母牛詳細画面130では、残日数132が1日となっている。
図7のS36、S37に関連して説明したように、
図8および
図9の母牛詳細画面130には、詳細表示母牛の次のイベントが近づいていることを示すアラート情報(不図示)がさらに配置されてもよい。
【0067】
図10も、母牛詳細画面の例を示す。
図10の母牛詳細画面130は、育成フェーズが妊娠中の母牛に関する詳細情報を示している。次回イベント予定日131は、育成情報に記録された種付け日に、出産日数の標準日数を加算した日付である出産予定日を示す。残日数132は、出産予定日と現在日時との差を示す。
【0068】
育成フェーズが妊娠中の場合のスケジュール線133は、妊娠中の予定されたイベントとして、出産までの期間を示し、具体的には、種付け日から出産予定日(次回イベント予定日131)までの期間を示す線である。スケジュール線133は、環状に配置される。また、スケジュール線133は、種付け日と出産予定日(次回イベント予定日131)とが時計盤の12時の位置(
図10の黒丸の位置)に配置される。現在日インジケータ134は、現在の日付が出産予定日(次回イベント予定日131)に近づくにつれて、スケジュール線133の上を時計回りに進んでいく。
【0069】
図7に戻り、ユーザ装置10から家畜管理システム12へのイベントの情報の登録に関する動作を説明する。イベントの情報は、発情確認イベントの結果に関する情報を含み、種付けイベントの結果に関する情報を含み、妊娠鑑定の結果に関する情報を含む。
【0070】
詳細表示母牛に関するイベント情報を登録するための所定の操作が母牛詳細画面130に入力されると、ユーザ装置10は、母牛詳細画面130(後述のモーダルウィンドウ)に入力された詳細表示母牛に関するイベント情報をウェブサーバ14(家畜管理システム12)へ送信する(S40)。
【0071】
ウェブサーバ14(育成情報更新部52)は、ユーザ装置10から送信されたイベント情報をDBサーバ16(育成情報記憶部32)へ送信する(S41)。DBサーバ16(育成情報記憶部32)は、ウェブサーバ14から送信されたイベント情報を、詳細表示母牛の育成情報に反映させる(S42)。
【0072】
母牛詳細画面130には、ユーザにより指定された詳細表示母牛の育成フェーズに応じて、異なるイベントの情報を登録するための異なるオブジェクトが配置される。
図8に示すように、育成フェーズが空胎の母牛に関する母牛詳細画面130には、発情確認ボタン136と種付けボタン138とが配置される。
【0073】
母牛詳細画面130は、発情確認ボタン136が選択された場合、発情確認イベントの情報を登録するためのモーダルウィンドウを表示するよう構成される。発情確認イベントの情報は、発情確認日時と確認された発情兆候を含む。このモーダルウィンドウに登録操作が入力されると、ユーザ装置10は、
図7のS40の処理として、発情確認日時と発情兆候を含むイベント情報の登録要求をウェブサーバ14へ送信する。
【0074】
また、母牛詳細画面130は、種付けボタン138が選択された場合、種付けイベントの情報を登録するためのモーダルウィンドウを表示するよう構成される。種付けイベントの情報は、種付け日時と使用した種の情報を含む。このモーダルウィンドウに登録操作が入力されると、ユーザ装置10は、
図7のS40の処理として、種付け日時と使用した種の情報を含むイベント情報の登録要求をウェブサーバ14へ送信する。
【0075】
図9に示すように、育成フェーズが種付済の母牛に関する母牛詳細画面130には、発情確認ボタン136と妊娠鑑定ボタン140が配置される。発情確認ボタン136が選択された場合の動作は、説明済であるため省略する。母牛詳細画面130は、妊娠鑑定ボタン140が選択された場合、妊娠鑑定イベントの情報を登録するためのモーダルウィンドウを表示するよう構成される。妊娠鑑定イベントの情報は、妊娠鑑定の日時と結果(例えば陽性または陰性)の情報を含む。このモーダルウィンドウに登録操作が入力されると、ユーザ装置10は、
図7のS40の処理として、妊娠鑑定の日時と結果の情報を含むイベント情報の登録要求をウェブサーバ14へ送信する。
【0076】
図10に示すように、育成フェーズが妊娠中の母牛に関する母牛詳細画面130には、出産結果ボタン142が配置される。母牛詳細画面130は、出産結果ボタン142が選択された場合、出産イベントの情報を登録するためのモーダルウィンドウを表示するよう構成される。出産イベントの情報は、出産の日時と結果(例えば出産、流産、死産のいずれか)の情報を含む。このモーダルウィンドウに登録操作が入力されると、ユーザ装置10は、
図7のS40の処理として、出産の日時と結果の情報を含むイベント情報の登録要求をウェブサーバ14へ送信する。
【0077】
実施例の家畜管理システム12によると、畜産動物(例えば母牛)の育成フェーズごとに、注目すべき畜産動物の情報をユーザに提供でき、畜産動物の育成と管理を効果的に支援できる。また、家畜管理システム12によると、母牛詳細画面130をユーザに提供することにより、ユーザにより指定された畜産動物の育成フェーズに応じた次のイベントまでの期間を分かり易く提示できる。
【0078】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0079】
変形例を説明する。実施例では家畜管理システム12による管理対象の畜産動物を母牛としたが、実施例に記載の技術思想は、母牛以外の畜産動物の管理および育成支援にも適用できる。家畜管理システム12での管理対象は、母牛に代えて、または母牛とともに他の畜産動物を含んでもよい。
【0080】
例えば、家畜管理システムによる管理対象は、母牛および子牛を含んでもよい。子牛の育成フェーズは、登録待ち、授乳中、セリ待ちを含んでもよい。登録待ちは、個体識別番号の登録前までのフェーズである。セリ待ちは、授乳期間の終了後(母牛と離れた後)、セリで売却されるまでのフェーズである。家畜管理システム12は、子牛の育成情報として、出生日とワクチン接種日を含む育成情報を記憶してもよい。また、家畜管理システム12は、子牛に関する標準日数として、ワクチンの接種タイミング(例えば出生後接種までの日数)を記憶してもよい。家畜管理システム12は、子牛に関する情報を含む今日の牧場画面、子牛管理画面、子牛詳細画面をユーザ装置10へ提供してもよい。
【0081】
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【0082】
上述した実施例及び変形例に記載の技術思想は、以下のように表現することもできる。
[技術1]
複数の畜産動物それぞれの育成における第1イベントの日付を記憶する育成情報記憶部と、
ユーザにより予め定められた期間であって、前記第1イベントが生じてから、前記第1イベントに関連する第2イベントが生じるまでの期間を記憶する期間記憶部と、
前記複数の畜産動物のうち、前記第1イベントの日付と、前記第2イベントが生じるまでの期間とに基づいて所定の条件を満たす畜産動物に関する情報を前記ユーザに提供する情報提供部と、
を備える家畜管理システム。
この家畜管理システムによると、育成に関して注目すべき畜産動物の情報をユーザ(例えば畜産農家)に提供でき、畜産動物の育成と管理を支援できる。
[技術2]
前記育成情報記憶部は、各畜産動物の育成フェーズをさらに記憶し、
前記条件は、前記育成フェーズに応じて異なる。
技術1に記載の家畜管理システム。
この家畜管理システムによると、育成フェーズごとに注目すべき畜産動物の情報をユーザに提供でき、畜産動物の育成と管理を支援できる。
[技術3]
前記第1イベントは、第1のタイミングで前記畜産動物が発情したことであり、
前記第2イベントは、前記第1のタイミングに続く第2のタイミングで前記畜産動物が発情したことである、
技術1または2に記載の家畜管理システム。
この家畜管理システムによると、畜産動物の発情有無を適切なタイミングで確認できるようにユーザを支援できる。
[技術4]
前記第1イベントは、前記畜産動物が発情したことであり、
前記第2イベントは、前記畜産動物の妊娠を鑑定することである、
技術1または2に記載の家畜管理システム。
この家畜管理システムによると、畜産動物の妊娠鑑定を適切なタイミングで確認できるようにユーザを支援できる。
[技術5]
前記情報提供部は、前記ユーザにより指定された畜産動物について、その育成フェーズに応じて予定されたイベントまでの期間を表示する画面のデータを前記ユーザに提供する、
技術1から4のいずれかに記載の家畜管理システム。
この家畜管理システムによると、ユーザにより指定された畜産動物の育成フェーズに応じた次のイベントまでの期間を分かり易く提示できる。
[技術6]
育成フェーズが種付済の畜産動物に関する前記画面は、前記予定されたイベントとして複数回の発情確認が終了するまでの期間を示す線と、その線に沿って現在の日付の位置を示すオブジェクトとを含み、前記期間を示す線は、前記複数回の発情確認の位置が近傍になるように渦巻状に配置される、
技術5に記載の家畜管理システム。
この家畜管理システムによると、複数回の発情確認のそれぞれを行うべきタイミングをユーザに分かり易く提示できる。
[技術7]
前記画面には、前記ユーザにより指定された畜産動物の育成フェーズに応じて、異なるイベントの情報を登録するための異なるオブジェクトが配置される、
技術5または6に記載の家畜管理システム。
この家畜管理システムによると、育成フェーズに応じたイベント情報のオブジェクトを配置した、使いやすいユーザインタフェースを提供できる。
[技術8]
複数の畜産動物それぞれの育成における第1イベントの日付を記録するステップと、
ユーザにより予め定められた期間であって、前記第1イベントが生じてから、前記第1イベントに関連する第2イベントが生じるまでの期間を記録するステップと、
前記複数の畜産動物のうち、前記第1イベントの日付と、前記第2イベントが生じるまでの期間とに基づいて所定の条件を満たす畜産動物に関する情報を前記ユーザに提供するステップと、
をコンピュータが実行する家畜管理方法。
この家畜管理方法によると、育成に関して注目すべき畜産動物の情報をユーザ(例えば畜産農家)に提供でき、畜産動物の育成と管理を支援できる。
[技術9]
複数の畜産動物それぞれの育成における第1イベントの日付を記憶する育成情報記憶部と、ユーザにより予め定められた期間であって、前記第1イベントが生じてから、前記第1イベントに関連する第2イベントが生じるまでの期間を記憶する期間記憶部とにアクセス可能なコンピュータに、
前記複数の畜産動物のうち、前記第1イベントの日付と、前記第2イベントが生じるまでの期間とに基づいて所定の条件を満たす畜産動物に関する情報を前記ユーザに提供する機能を実現させるためのコンピュータプログラム。
このコンピュータプログラムによると、育成に関して注目すべき畜産動物の情報をユーザ(例えば畜産農家)に提供でき、畜産動物の育成と管理を支援するコンピュータを実現できる。
【符号の説明】
【0083】
10 ユーザ装置、12 家畜管理システム、 14 ウェブサーバ、 16 DBサーバ、 32 育成情報記憶部、 34 標準日数記憶部、 46 管理画面生成部、 48 管理画面提供部。