(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158891
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 33/10 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B65D33/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074511
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 愛子
(72)【発明者】
【氏名】山本 久貴
(72)【発明者】
【氏名】北野 寛治
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB25
3E064BA17
3E064BA27
3E064BA36
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC18
3E064EA12
3E064EA23
3E064FA04
3E064GA04
3E064HJ01
3E064HM01
3E064HN65
3E064HS04
(57)【要約】
【課題】容器に詰め替えを容易にかつ確実に実行可能な包装袋を提供する。
【解決手段】包装袋100は、シール部3の上下中間部に設けられて、把持部4が配置される幅広シール部34、を有する。把持部4の切り込み部6は、上下に延びる主切り込み線61と、主切り込み線61の上端から外縁に向かって延びる上延伸線621と、上延伸線621の端部から下方向に延び、端部624が収容部1に向かって延びる上湾曲線622と、主切り込み線61の下端から外縁に向かって延びる下延伸線631と、下延伸線の外縁側の端部から上方向に延び、端部633が収容部1に向かって延びる下湾曲線632と、を有する。未接着部7が、上湾曲線622と外縁との間及び下湾曲線632と外縁との間に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後に重ねた前面シート及び後面シートの辺縁部同士を熱溶着して形成されたシール部と、
前記前面シートと前記後面シートとの間に上下及び左右に拡がる収容部と、
前記シール部の上部に配置されて前記収容部内に収容された収容物を取り出し可能な取出口と、
前記シール部の前記収容部の左右いずれか一方に隣接配置される第1側方シール部の上下方向中央部に形成される把持部と、を有し、
前記把持部は、
上下に延びる第1折り線で前方又は後方に折り曲げることで前後に使用者の手指を挿入可能な把持孔を形成するフラップ部と、
前記前面シートと前記後面シートとが接着されない未接着部と、を有し、
前記フラップ部の境界には、前面側から見て、
上下に延びる主切り込み線と、
前記主切り込み線の上端から外縁に向かって延びる上延伸線と、
前記上延伸線の外縁側の端部から下方向に延びて外縁側に向かって凸状に湾曲した曲線状の上湾曲線と、
前記主切り込み線の下端から前記外縁に向かって延びる下延伸線と、
前記下延伸線の外縁側の端部から上方向に延びて外縁側に向かって凸状に湾曲した曲線状での下湾曲線と、が形成され、
前記第1折り線は、前記上湾曲線及び下湾曲線と接触する線であり、前記上湾曲線の端部及び前記下湾曲線の端部は、前記第1折り線よりも前記収容部に接近した位置に配置され、
前記未接着部が、前記上湾曲線と前記外縁との間及び前記下湾曲線と前記外縁との間に配置される包装袋。
【請求項2】
前記上延伸線は、上方に凸の曲線状であり、前記下延伸線は下方に凸の曲線状である請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記未接着部は、
前記上湾曲線と前記外縁との間に配置される第1未接着部と、
前記下湾曲線と前記外縁との間に配置される第2未接着部と、を有する請求項1に記載の包装袋。
【請求項4】
前記把持部は、前記上延伸線の上方に配置されて、前記前面シートと前記後面シートとが接着されない上未接着部を有する請求項1に記載の包装袋。
【請求項5】
前記把持部は、前記フラップ部に形成された中間未接着部を有し、
前記中間未接着部は、前記フラップ部の境界と一定以上の間隔をあけて形成された上下に延びる形状である請求項1に記載の包装袋。
【請求項6】
二つ折りにして前記前面シート及び前記後面シートの下部同士の間に配置されて、前記前面シートと重なる部分の外縁部同士及び前記後面シートと重なる部分の外縁部同士をそれぞれと熱接着される底面シートを有する請求項1に記載の包装袋。
【請求項7】
前記取出口は、前記収容部の左右方向他方側の上角部と接続するように配置される請求項1に記載の包装袋。
【請求項8】
前記把持部は、前記上延伸線よりも上方に前記収容部に向かって凸に形成され、上下に延びる第2折り線で折り曲げ可能な上フラップ部を有し、
前記未接着部は、前記上フラップ部と前記外縁との間にも配置される請求項1に記載の包装袋。
【請求項9】
前記把持部は、前記下延伸線よりも下方に前記収容部に向かって凸に形成され、上下に延びる第3折り線で折り曲げ可能な下フラップ部を有し、
前記未接着部は、前記下フラップ部と前記外縁との間にも配置される請求項1に記載の包装袋。
【請求項10】
前記上延伸線の延伸方向の中間部に形成され、下方に凸に湾曲した下凸曲線を有する請求項1に記載の包装袋。
【請求項11】
前記前面シート及び前記後面シートの少なくとも一方の少なくとも左右方向他方側の下部にすべり止め部を有する請求項1から請求項10のいずれかに記載の包装袋。
【請求項12】
前記すべり止め部は、前記シール部に配されて、前後方向に押し出された形状である請求項11に記載の包装袋。
【請求項13】
前記すべり止め部は、前記前面シート及び前記後面シートの少なくとも一方に形成されて前記前面シート及び前記後面シートの他の部分よりも静止摩擦係数が高く形成されている請求項11に記載の包装袋。
【請求項14】
前記すべり止め部は、前記前面シート及び前記後面シートの表面に塗料を塗布して構成する請求項13に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に液体を収納する包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
液体洗剤、柔軟剤などの液体の収容物は、専用注出容器、例えば、プラスチックボトルが使用されている。これらの注出容器の多くは、収容物が無くなった段階で、繰り返し使用することができるようになっている。つまり、収容物が充填された詰め替え用パウチが別途流通しており、詰め替え用パウチを開封して、詰め替え用パウチに収容されている収容物を専用抽出容器に詰め替える。これにより、専用抽出容器を使いまわすことが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の構成では、詰め替え用パウチを上下反転させてねじを取り付ける構成であり、詰め替え用パウチから、専用抽出容器に詰め替える操作が難しい。
【0005】
そこで本発明は、別途用意されている容器に詰め替えを容易にかつ確実に実行可能な包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の包装袋は、前後に重ねた前面シート及び後面シートの辺縁部同士を熱溶着して形成されたシール部と、前記前面シートと前記後面シートとの間に上下及び左右に拡がる収容部と、前記シール部の上部に配置されて前記収容部内に収容された収容物を取り出し可能な取出口と、前記シール部の前記収容部の左右いずれか一方に隣接配置される第1側方シール部の上下方向中央部に形成される把持部と、を有する。前記把持部は、上下に延びる第1折り線で前方又は後方に折り曲げることで前後に使用者の手指を挿入可能な把持孔を形成するフラップ部と、前記前面シートと前記後面シートとが接着されない未接着部と、を有する。前記フラップ部の境界には、前面側から見て、上下に延びる主切り込み線と、前記主切り込み線の上端から外縁に向かって延びる上延伸線と、前記上延伸線の外縁側の端部から下方向に延びて外縁側に向かって凸状に湾曲した曲線状の上湾曲線と、前記主切り込み線の下端から前記外縁に向かって延びる下延伸線と、前記下延伸線の外縁側の端部から上方向に延びて外縁側に向かって凸状に湾曲した曲線状での下湾曲線と、が形成される。前記第1折り線は、前記上湾曲線及び下湾曲線と接触する線であり、前記上湾曲線の端部及び前記下湾曲線の端部は、前記第1折り線よりも前記収容部に接近した位置に配置される。前記未接着部が、前記上湾曲線と前記外縁との間及び前記下湾曲線と前記外縁との間に配置される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の包装袋によると、別途用意されている容器に詰め替えを容易にかつ確実に実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】
図2に示す包装袋のIII-III線で切断した断面図である。
【
図4】積層フィルムの層構成を示す概略断面図である。
【
図5】包装袋の把持部が形成された幅広シール部を拡大した正面図である。
【
図6】包装袋を持ち上げるためにフラップ部を折り曲げた状態を示す正面図である。
【
図7】把持部を把持した状態で持ち上げられた包装袋の正面図である。
【
図8】把持部を把持した状態で容器に収容物を詰め替えている状態を示す正面図である。
【
図9】第1変形例の包装袋の把持部を拡大した正面図である。
【
図10】第2変形例の包装袋の他の例の把持部を拡大した正面図である。
【
図11】第3変形例の包装袋の他の例の把持部を拡大した正面図である。
【
図12】第4変形例の包装袋の他の例の把持部を拡大した正面図である。
【
図13】第5変形例の包装袋の他の例の把持部を拡大した正面図である。
【
図15】包装袋に設けられたすべり止め部を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本書では、重力方向を基準に上下を定義する。さらに説明すると、包装袋100の取出口2が設けられる側を上側又は上方とし、その反対側を下側又は下方とする。また、包装袋100の厚み方向を前後方向とし、厚み方向の一方側を「前面」と定義する。そして、厚み方向の他方側を「後面」と定義する。さらに、上下方向及び前後方向と直交する方向を「横方向」又は「左右方向」とする。また、以下に示す各図面において、各部のサイズ又はそれらの比は、実際の包装袋とは異なる場合がある。
【0010】
図1は、本実施形態の包装袋100の概略斜視図である。
図2は、本実施形態の包装袋100の正面図である。
図3は、
図2に示す包装袋100のIII-III線で切断した断面図である。
【0011】
図1~
図3に示すように、包装袋100は、収容部1と、取出口2とを有する。包装袋100は、いずれも後述する熱接着層51を有する積層フィルムで形成された、前面シート11と、後面シート12と、底面シート13とを有する。なお、便宜上、包装袋100の収容部1の前後に配置される積層フィルムの一方を前面シート11、他方を後面シート12としているが、両者に区別はなく入れ替えても同じである。
【0012】
包装袋100は、各シートの熱接着層51同士を熱接着(ヒートシール)して形成される。ここで、熱接着は、熱接着層51同士を加熱及び加圧して接着する接着方法であり、製袋時に、製品としての性状及び機能を損なわない範囲の温度で加熱される。なお、積層フィルムの詳細については後述する。
【0013】
収容部1は、前面シート11と、後面シート12と、底面シート13に囲まれた空間であり収容物Sを収納する。収容部1に収納される収容物Sは、シャンプー、リンス、ボディーソープ、液体洗剤等、液体である。包装袋100は、別途用意されている容器に詰め替えるための収容物Sを提供する容器である。
【0014】
包装袋100では、底面シート13が、水平な折り線で下方に二つ折りされて、互いに熱接着層51が対向するように配置された前面シート11の下端部と後面シート12の下端部との間に挟み込まれる。そして、前面シート11と後面シート12の側縁部及び上縁部同士、前面シート11と底面シート13の重なる部分の外縁部同士、及び、後面シート12と底面シート13の重なる部分の外縁部同士がそれぞれ熱接着され、シール部3が形成される。このように各シートを熱接着することで、自立可能な底ガセット形式の包装袋100が形成される。
【0015】
なお、シール部3の前面シート11及び後面シート12の左右方向の外縁部を熱接着して形成された部分を第1側方シール部311及び第2側方シール部312とし、上端の外縁部を熱接着して形成された部分を上シール部32とする場合がある。また、前面シート11と底面シート13及び後面シート12と底面シート13とを熱接着して形成された部分を底シール部33と称する場合がある。
【0016】
前面シート11及び後面シート12には、
図2において左上の角に当たる箇所に隅切り部14が形成される。隅切り部14の外縁部は、構成樹脂製のスパウトを挟むように配置されており、隅切り部14の外縁部を熱接着することで、スパウトが前面シート11及び後面シート12に固定される。これにより、包装袋100には、収容部1の上部と接続されて収容部1の内部に収容された収容物Sを外部に取り出すための取出口2が形成される。
【0017】
取出口2は、本体部21と、キャップ22とを有する。取出口2の本体部21は、外部に突出しているとともに、貫通孔23を有する。本体部21は、貫通孔23を介して収容物を外部に取出可能なように配置される。キャップ22は、本体部21に着脱可能に配置されている。なお、キャップ22として、ねじ式のものを挙げることができるが、それに限定されず、本体部21を開閉可能な構成を広く採用することができる。また、収容物Sの全量を一度に取り出す場合、又は、揮発しにくく開口状態でも問題ない収容物Sの場合、本体部21の先端を取り除くことで、取出口2が開口する構成であってもよい。
【0018】
また、第1側方シール部311の包装袋100上下方向の中央部には、第1側方シール部311の上部よりも左右方向の幅が広い幅広シール部34が形成されている。さらに説明すると、包装袋100の上下方向の中心線Ctが、幅広シール部34の上下方向の中間部と重なるように配置される。幅広シール部34は、上方が左右方向に幅が広くなる形状を有する。幅広シール部34には、後述するように、フラップ部6と、未接着部7とを有する把持部4が形成される。幅広シール部34及び把持部4の詳細な説明については、後述する。
【0019】
ここで、前面シート11、後面シート12及び底面シート13を構成する積層フィルム50の詳細について図面を参照して説明する。
図4は、積層フィルム50の層構成を示す概略断面図である。
図4に示すように、積層フィルム50は熱接着層51の外面側に外被層52が設けられた構成を有する。積層フィルム50の詳細な構成については、後述する。
【0020】
<幅広シール部34及び把持部4>
包装袋100は、容器に詰め替えるための収容物Sが収容される。そのため、ある程度の量の収容物Sが収容可能な容量(例えば、1000ml程度以上)のものが多い。例えば、液状の収容物Sが1000ml収容している場合、包装袋100は、約1kgの重量がある。包装袋100では、容器の開口に取出口2から取り出した収容物Sを注ぐことで詰め替えを行うため、包装袋100を傾ける必要がある。このような詰め替えの動作を容易に行うため、本実施形態にかかる包装袋100では、使用者が把持できる把持部4を備えている。
【0021】
ここで、幅広シール部34に形成された把持部4について図面を参照して説明する。
図5は、包装袋100の把持部4が形成された幅広シール部34を拡大した正面図である。なお、
図5において、未接着部7は、破線で示す。
【0022】
図2、
図5等に示すように、幅広シール部34の収容部1と隣り合う部分は、収容部1に向かって凸になるように湾曲した曲線状に形成されている。幅広シール部34の左右方向の幅は、上部及び下部が細く、上下方向の中央に向かうにつれて広くなるような形状である。つまり、幅広シール部34は上下方向の中央部の左右方向の幅が最も広くなるように形成されている。なお、幅広シール部34は、収容部1と隣り合う部分が曲線状であるが、これに限定されず、前面視において、長方形状等のような多角形状であってもいい。
【0023】
フラップ部6は、フラップ部6に近接して設定されている第1折り線64に沿って前後のどちらかに折り曲げ可能に形成される。フラップ部6を折り曲げることで、幅広シール部34に前後に貫通した孔形状の把持孔41が形成される(後述する
図6、
図7等参照)。
【0024】
切り込み線60は、前後に貫通する切断線であり、フラップ部6の境界の一部と重なるように形成されている。さらに説明すると、フラップ部6は、切り込み線60と第1折り線64とに囲まれている。
【0025】
切り込み線60は、主切り込み線61と、上延伸線621と、上湾曲線622と、下延伸線631と、下湾曲線632と、を有する。主切り込み線61は、上下に延び、上部が下部に対して外縁から離れるように形成されている。
図2、
図5等に示すように、主切り込み線61は、上下に延び、上下方向の中間部分を中心線Ctが交差するように、配置されている。正面視において主切り込み線61は、凸状の曲線である。なお、主切り込み線61の正面視の形状は、例えば、円弧、楕円弧、トロコイド曲線等を挙げることができるが、これに限定されず、上下方向の中間部が収容部1に近づく凸状の曲線形状を広く採用することができる。また、主切り込み線61は、直線状であってもよい。
【0026】
上延伸線621は、主切り込み線61の上端から幅広シール部34の左右方向の外縁(
図2、
図5における右側の外縁)に向かって延びる。上延伸線621と主切り込み線61とが接続する接続部分は、滑らかに、例えば、微分可能な曲線となるように形成されている。このように形成されていることで、把持孔41に手指を挿入して包装袋100を持ち上げたとき、主切り込み線61と上延伸線621の接続部分に応力が集中しにくく、亀裂が発生しにくい。
【0027】
上延伸線621は上方に凸の曲線状である。上湾曲線622は上延伸線621の幅広シール部34の外縁側の端部と連続して形成される。上延伸線621と上湾曲線622とが接続する接続部分は、正面視において、滑らかに、例えば、微分可能な曲線となるように形成されている。接続部分がこのように形成されていることで、フラップ部6を折り曲げて、把持孔41に手指を挿入して包装袋100を持ち上げたときに、接続部分に応力が集中しにくく、亀裂が発生しにくい。なお、上延伸線621は、上方に凸の曲線状であるが、これに限定されず、応力が集中しにくい形状であれば、直線状であってもよいし、その他の形状であってもよい。
【0028】
上湾曲線622の正面視の形状は、例えば、円弧、楕円弧、トロコイド曲線等を挙げることができるが、これに限定されず、上下方向の中間部が収容部1に近づく凸状の曲線形状を広く採用することができる。なお、本実施形態では、上湾曲線622は、円弧状であり、
図2、
図5等に示すように、一旦、上延伸線621よりも上方を通って外縁部に近接しつつ下方に延びる。
【0029】
下延伸線631は、主切り込み線61の下端から幅広シール部34の外縁(
図2、
図5に示す右側の外縁)に向かって延びる。下延伸線631と主切り込み線61とが接続する接続部分は、滑らかに、例えば、微分可能な曲線となるように形成されている。このように形成されていることで、主切り込み線61と下延伸線631の接続部分で応力が集中しにくく、亀裂が発生しにくい。なお、下延伸線631は、下方に凸の曲線状であるが、これに限定されず、応力が集中しにくい形状であれば、直線状であってもよい。また、これら以外の形状であってもよい。
【0030】
下湾曲線632は、下延伸線631の幅広シール部34の外縁側の端部と連続して形成される。上延伸線621と上湾曲線622とが接続する接続部分は、滑らかに、例えば、微分可能な曲線となるように形成されている。接続部分がこのように形成されることで、フラップ部6を折り曲げて、把持孔41に手指を挿入して包装袋100を持ち上げたときに、下延伸線631と下湾曲線632の接続部分で応力が集中しにくく、亀裂が発生しにくい。
【0031】
下湾曲線632の正面視の形状は、例えば、円弧、楕円弧、トロコイド曲線等を挙げることができるが、これに限定されず、上下方向の中間部が収容部1に近づく凸状の曲線形状を広く採用することができる。なお、本実施形態において下湾曲線632は、円弧状である。
【0032】
図5に示すように、フラップ部6は、上湾曲線622及び下湾曲線632と接触する第1折り線64で折り曲げることができる。本実施形態の包装袋100では、第1折り線64は、上湾曲線622の外縁側及び下湾曲線632の外縁側と接する共通した接線である。しかしながら、第1折り線64は上湾曲線622及び下湾曲線632の両方に接する接線としているが、これに限定されず、第1折り線64と、上湾曲線622及び下湾曲線632の少なくとも一方と交差してもよい。なお、
図5に示すように、下延伸線631の左右方向長さは、上延伸線621の左右方向の長さよりも短い構成であるが、これに限定されず、同じ長さになるように構成されてもよい。
【0033】
上湾曲線622の上延伸線621と連続する側と反対側の端部623は、第1折り線64よりも左側、すなわち、収容部1に近接して形成されている。また、下湾曲線632の下延伸線631と連続する側と反対側の端部633は、第1折り線64よりも左側、すなわち、収容部に近づくように形成されている。上湾曲線622の端部623及び下湾曲線632の端部633をこのような形状とすることで、第1折り線64でフラップ部6を折り曲げたとき、端部623及び端部633に応力が集中しにくい。これにより、応力の集中により端部623及び端部633に亀裂が発生しても、その亀裂の伸展が抑制される。なお、端部623及び端部633が包装袋100の内側、つまり、収容部1に向かって延びるように形成されることで、亀裂の発生を抑制する効果を高めることができる。端部623及び端部633の形状による効果の詳細については、後述する。
【0034】
また、第1折り線64は、上側に向かうにつれて、内側、換言すると、収容部1側に近接するように傾いて延びる。詳細は後述するが、把持孔41に手指を挿入して、包装袋100を持ち上げるとき、第1折り線64が手指Fgに支持されて持ち上げられる(
図7、
図8参照)。第1折り線64が傾いて形成されていることで、持ち上げた後、包装袋100を傾けやすい。
【0035】
未接着部7は、前面シート11と後面シート12と、が熱接着されていない構造を有する。未接着部7では、熱溶着時に発生する場合がある前面シート11と後面シート12の伸び等による変位のずれを吸収する。そのため、熱溶着によるしわ、折れ等が発生しにくい。
【0036】
未接着部7は、幅広シール部34のフラップ部6よりも外縁側(
図2.
図5において右側)に形成される。未接着部7は、上下に延びる構成であり、少なくとも、上湾曲線622及び下湾曲線632の外縁側に隣接して形成されている。なお、本実施形態の包装袋100では、未接着部7の上下方向の長さは、フラップ部6の上下方向の長さよりも長く形成されており、1つの未接着部7が上湾曲線622及び下湾曲線632のそれぞれと隣り合うように形成されている。
【0037】
<包装袋100の収容物Sの詰め替え手順>
包装袋100は、上述した構成を有する。次に、包装袋100に収容されている収容物Sを詰め替え用の容器Tsに詰め替えるときの手順について図面を参照して説明する。
図6は、包装袋100を持ち上げるためにフラップ部6を折り曲げた状態を示す正面図である。
図7は、把持部4を把持した状態で持ち上げられた包装袋100の正面図である。
図8は、把持部4を把持した状態で容器Tsに収容物Sを詰め替えている状態を示す正面図である。
【0038】
包装袋100では、フラップ部6が、第1折り線64で折り曲げられることで把持孔41が形成される。本実施形態の包装袋100では、
図6等に示すように、フラップ部6は前方に折り曲げられる。なお、包装袋100を形成したとき、切り込み線60は、全長に渡って連続して前後に貫通した構成であってもよいし、一部に貫通していない部分を有し、把持孔41を形成するときに破断させることができるような構成であってもよい。
【0039】
包装袋100において、フラップ部6を折り曲げて把持孔41が形成される。
図6に示すように、フラップ部6を折り曲げたとき、上湾曲線622の第1折り線64よりも収容部1側の部分は、厚み方向にずれない。そのため、フラップ部6を折り曲げたときに、上湾曲線の端部623に応力が集中しにくい。同様に、下湾曲線632の第1折り線64よりも収容部1側の部分は、厚み方向にずれず、端部633に応力が集中しにくい。
【0040】
そして、使用者は、自らの手指Fgを把持孔41に挿入することが可能であり、手指Fgを把持孔41に挿入し、手指Fgを把持孔41の第1折り線64で折り曲げた折り曲げ部分に引っ掛けることで、包装袋100を把持することが可能となる(
図7、
図8参照)。
【0041】
フラップ部6を第1折り線64で折り曲げることで、第1折り線64の折り曲げ部分は、湾曲した形状となる。そのため、包装袋100を持ち上げるときに使用者の手指Fgと接触する面積が把持孔41を切り抜きで形成して切断端部が鋭利になる場合に比べて、大きくなる。これにより、使用者は、把持部4を把持して包装袋100を持ち上げるときに、手指に不快感を覚えにくい。
【0042】
また、上延伸線621が上方に凸に形成されているため、把持孔41の上側の辺は、上方に凹に形成される。そのため、把持孔41に手指を挿入したときに、把持孔41の上側の辺と人差し指とが接触する長さが長かくなる、換言すると、人差し指と把持孔41の上部が接触する面積が大きくなる。これにより、人差し指の負担が小さくなり、使用者は、把持部4を把持して包装袋100を持ち上げるときに、人差し指に不快感を覚えにくい。
【0043】
また、使用者が手指Fgで把持孔41を把持して包装袋100を持ち上げる場合、第1折り線64に手指Fgからの力が作用する。上述のとおり、第1折り線64は、上湾曲線622及び下湾曲線632の曲線部と接する接線であるため、第1折り線64と、上湾曲線622及び下湾曲線632との接続部分に応力が集中しにくい。そのため、包装袋100を持ち上げるときに接続部分に応力集中による亀裂が発生しにくい。
【0044】
また、フラップ部6を折り曲げたときに、上湾曲線622及び下湾曲線632の第1折り線64よりも収容部1に近い部分は、フラップ部6と面一になるように配置される。そのため、第1折り線64に手指からの力が作用しても、上湾曲線622の端部623及び下湾曲線632の端部633に応力が集中しにくい。これにより、端部623及び端部633で亀裂が発生することを抑制できる。
【0045】
使用者が、収容物Sを包装袋100から容器Tsの内部に移し替えるとき、包装袋100を傾けて取出口2を下方に向けて取出口2から取り出された収容物Sを、容器Tsの上部に開口する開口部Ts1から内部に注入する(
図8参照)。把持孔41が包装袋100の上下方向の中央部分に配置される構成である。そのため、把持孔41を手指Fgで把持して収容物Sを取り出すときに、包装袋100をバランスよく支持できる。そのため、使用者が包装袋100を支持しやすく、使用者の利便性が高くなる。
【0046】
把持孔41を手指Fgで把持した状態で包装袋100を回転させたとき、第1折り線64には外縁に向かう力(以下、外向きの力と称する)が手指Fgから作用する。また、包装袋100を回転させる方向に移動させるとき、使用者の手指Fgからの力が作用する第1折り線64には、単純に持ち上げるときよりも大きな力が作用する場合がある。この場合、第1折り線64と上湾曲線622又は下湾曲線632との接続部分に単純に持ち上げるときよりも大きな応力が集中することがあり、亀裂が発生する可能性がある。亀裂を発生させようとする応力は、亀裂の先端に集中しやすく、その応力の集中によって亀裂は進展する。
【0047】
例えば、上湾曲線622と第1折り線342との接続部分に亀裂が発生した場合、その亀裂は、幅広シール部34の外縁に向かって延びるように進展する。そして、亀裂が外縁に向かって進展したとき、その亀裂は、未接着部7に当接する。進展した亀裂が、未接着部7に到達した場合、未接着部7では、前面シート11と後面シート12とが離間しているため、亀裂の先端に作用する応力は、前面シート11と後面シート12に分散される。そのため、亀裂のそれ以上の進展が抑制される。なお、上湾曲線622の別の場所から亀裂が発生する場合もあり、この場合も外縁に近い部分から外縁に向かって亀裂が進展するが、亀裂が未接着部7に到達することで亀裂の伸展が抑制される。これにより、上湾曲線622で発生する亀裂の伸展による把持孔41の破断が抑制され、把持部4での把持ができなくなることを抑制できる。
【0048】
なお、亀裂は、外縁に向かって進展するが、その向きは、外縁に向かうとともに上方に向かう場合がある。そのような亀裂が進展しても未接着部7に到達するように、未接着部7の上端は、上湾曲線622の上端よりも上方に配置されるように構成されることが好ましい。
【0049】
また、把持孔41に手指Fgを挿入して包装袋100を持ち上げるとき、下湾曲線632と第1折り線64との接続部分でも応力が集中しやすい。下湾曲線632で亀裂が発生し、その亀裂が外縁に向かって進展した場合でも、亀裂は未接着部7に到達して進展が止まる。このように、未接着部7を有することで、下湾曲線632で発生する亀裂の進展による把持孔41の破断が抑制され、把持部4での把持ができなくなることを抑制できる。
【0050】
なお、亀裂は、外縁に向かって進展するが、包装袋100を回転するときの角度によっては、亀裂は、外縁に向かうとともに下方に向かうこともある。そのような亀裂が進展しても未接着部7に到達するように、未接着部7の上端は、下湾曲線632の下端よりも下方に配置されるように構成されることが好ましい。
【0051】
また、未接着部7は、上湾曲線622の上端よりも上方から、下湾曲線632の下端よりも下方に上下に繋がった構成を有している。そのため、包装袋100を回転するときの角度によっては、上湾曲線622から外縁に向かうとともに下方に向かって進展する亀裂も未接着部7に到達する。また、包装袋100を持ち上げたときに、下湾曲線632から外縁に向かうとともに上方に向かって進展する亀裂も未接着部7に到達する。以上のことより、把持部4が以上示した構成を有することで、把持孔41からの亀裂の発生が抑制される。さらに、包装袋100の運搬、詰め替え等の操作により亀裂が発生しても未接着部7を超えて亀裂が進展することを抑制できる。
【0052】
以上示したように、把持部4が、フラップ部6と、未接着部7とを備えることで、把持孔41を把持して包装袋100を持ち上げたときに、把持孔41が破断することを抑制できる。これにより、包装袋100の移動、収容物Sの詰め替え等の操作を長期間安定してかつ容易に実行することが可能である。
【0053】
また、把持孔41は、フラップ部6を第1折り線64で折り曲げられて形成されるため、第1折り線64で折り曲げられた湾曲線に使用者の手指Fgが接触する。そのため、使用者の手指Fgが接触する部分が鋭利になりにくく、使用者が不快感を覚えにくい。また、把持孔41では、上延伸線621が上方に凸の曲線で形成されるため、使用者の手指Fgの人差し指との接触面積を大きくできる。これにより、手指Fgの人差し指の負担を減らすことができ、このことからも、使用者が不快感を覚えにくい。
【0054】
また、幅広シール部34が第1側方シール部311の上下方向の中央部に配置され、主切り込み線61が中心線Ctと交差するように、フラップ部6が形成されている。このように構成することで、使用者が手指Fgで把持孔41を手指で支持し、収容物Sを取り出すために包装袋100を傾けたときに、包装袋100をバランスよく支持することができる。このように、把持孔41を上述したような構成とすることで、収容物Sを取り出すときに、使用者が、包装袋100を支持しやすい。これにより、包装袋100によって、使用者の利便性が高くなる。
【0055】
さらに、未接着部7を幅広シール部34に形成することで、幅広シール部34の熱接着時の前面シート11及び後面シート12の変形差によるしわを抑制できる。これにより、幅広シール部34において美麗な印刷が可能であり、包装袋100の意匠性を高めることができる。
【0056】
<第1変形例>
第1変形例の包装袋100aについて図面を参照して説明する。
図9は、第1変形例の包装袋100aの把持部4aを拡大した正面図である。
図9に示す包装袋100aのように、未接着部7aが、上湾曲線622と隣接する第1未接着部71と、下湾曲線632と隣接する第2未接着部72とを有する構成であってもよい。なお、包装袋100aの未接着部7a以外の部分は、包装袋100と同じ構成であり、詳細な説明を省略する。
【0057】
このような、未接着部7aを有する包装袋100aであっても、使用者が不快感を覚えにくい。また、把持孔41が破断しにくいので、包装袋100の移動、収容物Sの詰め替え等の操作を長期間安定してかつ容易に実行することが可能である。
【0058】
<第2変形例>
第2変形例の包装袋100bについて図面を参照して説明する。
図10は、第2変形例の包装袋100bの把持部4bを拡大した正面図である。
図10に示す包装袋100bは、上未接着部73及び中間未接着部74を有する点で、
図9に示す包装袋100aと異なる。包装袋100bの包装袋100aと実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに同じ部分の詳細な説明は省略する。
【0059】
図10に示すように包装袋100bの把持部4bは、上未接着部73と、中間未接着部74とを有する。上未接着部73及び中間未接着部74は、幅広シール部34において、前面シート11と後面シート12とが熱接着しないことで形成される。上未接着部73は、上延伸線621の上方に配置されている。上未接着部73は、上延伸線621から一定の隙間を開けて配置されている。
【0060】
把持孔41に使用者の手指Fgを挿入して、包装袋100bを持ち上げるとき、把持孔41の上端部に人差し指から上方にかかる力が作用される。包装袋100bを持ち上げるときに把持孔41に作用する力で、上延伸線621に亀裂が作用した場合、亀裂は上方に伸展する。亀裂が上方に伸展しても亀裂が上未接着部73に到達し、それ以上の亀裂の伸展が抑制される。これにより、把持孔41の破断を抑制することが可能である。
【0061】
また、包装袋100bが持ち上げられて上延伸線621に人差し指からの力を受けたとき、上未接着部73は接着されている部分に比べて変形しやすい。つまり、人差し指からの力は上未接着部73の変形によって分散されるため、手指Fgの人差し指の負担は低減されるため、使用者が不快感を覚えにくい。
【0062】
また、中間未接着部74は、主切り込み線61に沿って上下に延びて形成される。切り込み線60は、包装袋100bの製造工程において、幅広シール部34を形成した後に、形成される。
【0063】
この場合、幅広シール部34のフラップ部6が形成される中央部分には、熱溶着時に前面シート11及び後面シート12の変位のずれが集中しやすく、しわ、折れ等が発生しやすい。そこで、包装袋100bでは、変位のずれが集中しやすい幅広シール部34の中央部分に形成されるフラップ部6に中間未接着部74を形成することで、熱溶着における幅広シール部34のしわの発生を抑制している。これにより、前面シート11及び後面シート12の印刷が変形しにくく、美麗に印刷された図柄を有する包装袋100bを提供することができる。
【0064】
<第3変形例>
第3変形例の包装袋100cについて図面を参照して説明する。
図11は、第3変形例の包装袋100cの把持部4cを拡大した正面図である。包装袋100cは、把持部4cが、
図9に示す包装袋100aの把持部4aと異なる。さらに説明すると、把持部4aが、上フラップ部65及び中間未接着部74を有する点で、把持部4aと異なる。これ以外の点において、包装袋100cは、包装袋100aと同じ構成を有する。そのため、包装袋100cの包装袋100aと実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。なお、中間未接着部74は、
図10に示す包装袋100bの把持部4bの中間未接着部74と同様の構成であるため、同じ符号を付すとともに詳細なセル名は省略する。
【0065】
図11に示すように、包装袋100cは、包装袋100a、100bと同様に幅広シール部34を有する。そして、包装袋100cの幅広シール部34には、把持部4cが形成される。
図11に示すように把持部4cは、上延伸線621の上方に、上延伸線621から離れて形成された上フラップ部65を有する。上フラップ部65は、切り込み線650と、第2折り線654とに囲まれて形成される。
【0066】
上フラップ部65は、切り込み線650で幅広シール部34から切り離されているとともに第2折り線654を介して連結されており、第2折り線654で折り曲げ可能である。上フラップ部65を第2折り線654が折り曲げられることで把持孔42が形成される。
【0067】
切り込み線650は、前後に貫通した切断線であり、切り込み線650は、主切り込み線651と、一対の湾曲線652と、を有する。主切り込み線651は、収容部1に向かって凸に形成されており、本変形例では、上下に並んで形成された直線状部と、直線状部の収容部1側の端部同士を連結する曲線状部とを有する。
【0068】
曲線状部は、収容部1に向かって、換言すると、包装袋100cの中央に向かって凸に湾曲する。曲線状部は、上下に延びる形状であり、上下方向の中間部が最も収容部1に近接する曲線状である。曲線状部の正面視の形状は、例えば、円弧、楕円弧、トロコイド曲線等を挙げることができるが、これに限定されず、上下方向の中間部が収容部1に近づく凸状の曲線形状を広く採用することができる。
【0069】
なお、主切り込み線651は、一対の直線状部を曲線状部でつないだ形状となっているが、これに限定されず、直線状部が曲線状に形成されていてもよい。主切り込み線651が収容部1に向かって凸に形成されている構成を広く採用することができる。
【0070】
一対の湾曲線652の一方は主切り込み線651の上側の端部から上方に、他方は主切り込み線651の下側の端部から下方に延伸する。つまり、湾曲線652は、主切り込み線651の端部から外側に向かって遠心する。湾曲線652と、主切り込み線651とは、滑らかに、例えば、微分可能な状態で接続する。
図11において延伸部642は直線状であるが、これに限定されず、曲線状であってもよい。
【0071】
一対の湾曲線652は、外縁に向かって凸の曲線状である。第2折り線654は、一対の湾曲線652のそれぞれと接触し上下に延びる。なお、本変形例において、第2折り線654は一対の湾曲線652の両方に接する共通の接線であるが、これに限定されず、少なくとも一方の湾曲線652と交差するように形成されてもよい。
【0072】
一対の湾曲線652の端部653は、第2折り線654よりも収容部1側に配置される。このように、端部653を第2折り線654よりも収容部1側に配置することで、上フラップ部65を第2折り線654で折り曲げたときに、湾曲線652の第2折り線654よりも収容部1側に配置された部分は、厚み方向にずれにくい。その為、端部に応力が集中しにくく、亀裂が発生しにくい。
【0073】
下フラップ部66を折り曲げて形成した把持孔42には手指Fgの人差し指が、残りの指(中指、薬指、小指)と独立して挿入される。包装袋100cを持ち上げる、詰め替える等の操作を行うときに、手指Fgから把持部4cに作用する力が分散される。そして、把持孔42に作用する力は把持孔41に作用する力よりも小さい場合が多い。そのため、下フラップ部66において湾曲線652が主切り込み線651の外側に延伸する構成であっても亀裂の発生を抑制し、亀裂が発生したとしても亀裂の伸展が抑制される。なお、本変形例の包装袋100cでは、湾曲線652が主切り込み線651の外側に延伸しているが、少なくとも一方が内側に延伸するように形成されてもよい。
【0074】
以上示したように、本変形例の包装袋100cでは、把持孔42が使用者の人差し指で把持され、把持孔41が残りの中指、薬指、小指で把持される。
【0075】
包装袋100cでは、包装袋100cの重量の多くは、把持孔41を把持した中指、薬指、小指で支持される。そして、把持孔42を把持した人差し指は、包装袋100cの姿勢を調整する。例えば、包装袋100cを傾けるとき、人差し指で把持孔42を把持する構成とすることで、取出口2の位置を調整しやすい。そのため、包装袋100cから容器Tsに収容物Sを詰め替えるため、包装袋100cを傾けるときにも、包装袋100cを安定して支持することが可能である。
【0076】
湾曲線652の端部653が第2折り線654よりも収容部1側に形成されていることで、把持孔42を人差し指で把持したときに、端部653に応力が集中しにくく、亀裂が発生しにくい。また、
図11に示すとおり、上フラップ部65の外縁側と隣接する位置に到達するように、第1未接着部71が配置されてもよい。つまり、第1未接着部71は、フラップ部6の上湾曲線622及び下フラップ部66の外縁側に配置される。このように構成することで、切り込み線650から亀裂が発生した場合でも、その亀裂の伸展を第1未接着部71で抑制できる。なお、上フラップ部65の上方に上未接着部73が形成されてもよい。
【0077】
<第4変形例>
第4変形例の包装袋100dについて図面を参照して説明する。
図12は、第4変形例の包装袋100dの把持部4dを拡大した正面図である。
図12に示すように、把持部4dは、把持部4cの上フラップ部65を省くとともに、下延伸線631の下方に下フラップ部66が配置されている。把持部4dのこれ以外の点は、把持部4cと同じ構成であり、実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、詳細な説明は省略する。なお、下フラップ部66は、大きさ及び位置が異なるが、概略形状は、上フラップ部65と同じである。そのため、下フラップ部66の各部は、上フラップ部65との対応について説明し、詳細な説明は省略する。
【0078】
図12に示すように、包装袋100dは、幅広シール部34を有する。そして、包装袋100dの幅広シール部34には、把持部4dが形成される。
図12に示すように把持部4dは、下延伸線631の下方に、下延伸線631から離れて形成された下フラップ部66を有する。下フラップ部66は、切り込み線660と、第3折り線664とに囲まれて形成される。
【0079】
下フラップ部66は、切り込み線660で幅広シール部34から切り離されているとともに第3折り線664を介して連結されており、第3折り線664で折り曲げ可能である。下フラップ部66を第3折り線664が折り曲げられることで把持孔43が形成される。
【0080】
切り込み線660は、前後に貫通した切断線であり、切り込み線660は、主切り込み線661と、一対の湾曲線662と、を有する。主切り込み線661は、上フラップ部65の主切り込み線651と対応する。湾曲線662は湾曲線652と対応する。端部663は端部653と対応する。そして、第3折り線664は、第2折り線654に対応する。下フラップ部66の外縁側にも到達するように、第2未接着部72が形成されている。つまり、第2未接着部72は、下湾曲線632及び下フラップ部66の外縁側に配置される。
【0081】
下フラップ部66を折り曲げて形成される把持孔43には、使用者の小指が挿入され、小指で把持される。このような、把持孔43を形成可能な下フラップ部66を有することで、使用者は、小指を使って包装袋100dの姿勢を調整することができる。
【0082】
包装袋100dの姿勢は、収容物Sの残量、傾けるときの角度等によって、人差し指で調整しやすい場合もあり、小指で調整しやすい場合もある。そのため、把持部4dは、上フラップ部65及び下フラップ部66の両方を有し、使用者の都合に合わせて、使用できるようにしてもよい。
【0083】
<第5変形例>
第5変形例の包装袋100eについて図面を参照して説明する。
図13は、第5変形例の包装袋100eの把持部4eを拡大した正面図である。
図13に示すように、第5変形例の包装袋100eは、把持部4eのフラップ部6eの形状が
図10に示す包装袋100bと異なる。
図13に示す包装袋100eのその他の部分は、包装袋100bと同じ構成を有する。そのため、実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに同じ部分の詳細な説明は省略する。
【0084】
図13に示すように、フラップ部6eの境界に形成される切り込み線60eは、下凸曲線624を有する。下凸曲線624は、上延伸線621eの左右方向の中間部に配される。下凸曲線624は上延伸線621eと滑らかに接続される。フラップ部6eの上辺は、下凸曲線624によって凹部が形成される。
【0085】
換言すると、把持孔41eの上辺には、把持孔41eの中央に向かって突出する凸部44が形成される。凸部44は、上延伸線621eに接触するように形成された折り線45で折り曲げ可能に形成されている。把持孔41eに手指Fgが挿入されるとき、凸部44は折り線45で折り曲げられる。凸部44を折り線45で折り曲げることで、折り線45は湾曲した形状となる。これにより、使用者が把持孔41eに手指Fgを挿入して包装袋100eを把持して持ち上げるとき、人差し指と接触する面積が大きくなる。そのため、人差し指の負担が低減される。なお、凸部44の少なくとも下凸曲線624と折り線45とで囲まれる部分は、前面シート11と後面シート12とが熱接着されないように構成されてもよい。このように構成することで、人差し指に作用する応力が分散され、人差し指の負担をさらに低減できる。
【0086】
<第6変形例>
第6変形例の包装袋100fについて図面を参照して説明する。
図14は、第6変形例の包装袋100fの正面図である。
図15は、包装袋100fに設けられたすべり止め部8を拡大した断面図である。第6変形例にかかる包装袋100fは、すべり止め部8を備える点で包装袋100と異なるが、それ以外の点では、
図1等に示す包装袋100と同じ構成を有する。そのため、包装袋100fの包装袋100と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
【0087】
通常、包装袋100fは、1000ml程度以上の容量の収容物Sを収容しているため、重くそして大きい。持ち上げたり、移動させたりといった動作は、片手でも可能な場合(使用者)が多いが、詰め替え操作のために、取出口2が下に向くように包装袋100bを回転させる場合、片手での操作は難しくなる。そこで、多くの使用者は、両手で包装袋100fを支持し、包装袋100fを回転させて、取出口2を容器Tsの開口部Ts1に近接させる詰め替え操作を行う。
【0088】
図7、8等に示すように、包装袋100fでは、正面視において右上部に把持孔41が形成されており、使用者は一方の手(
図7、
図8では右手HdR)の手指Fgを把持孔41に挿入して、把持部4を把持する。そして、使用者が包装袋100を安定して支持し、包装袋100を回転させる場合、使用者は他方の手(
図8では、左手HdL)で正面視において包装袋100の中心を挟んで反対側、つまり、正面視において左下部を支持する。安定して詰め替え操作のために回転させるため、包装袋100fには、使用者の他方の手が滑るのを抑制するすべり止め部8が設けられている。
【0089】
ここですべり止め部8について説明する。
図14に示すように、すべり止め部8は、第2側方シール部312に形成される。第2側方シール部312の左右方向及び上下方向において、把持部4、すなわち、幅広シール部34と反対側の部分に配置される。なお、すべり止め部8は、使用者が保持するときに、滑りを抑制できる位置であればよく、第2側方シール部312に限定されない。例えば、底シール部33であってもよいし、前面シート11又は後面シート12の中央部分に形成されてもよい。
【0090】
図15に示すように、すべり止め部8は、シール部3を前後方向の一方から他方に突出した凸部81と、凸部81と前後に重なる凹部82と、を有する、いわゆる、エンボスである。このような形状は、例えば、一方側から凸形状の金型、他方側から凹形状の金型を配置し、凸形状が凹形状に嵌るように、金型を重ねて、シール部3を塑性変形させることで形成することができる。これ以外にも、凸形状の金型を加熱しつつ一方側から押し当てることでも形成することが可能である。なお、本実施形態では、手指Fgの指先が接触する側、つまり、後面側に凸部81が突出する構成となっている。しかしながら、これに限定されず、前面側に凸部が突出する構成であってもよいし、前面側及び後面側それぞれに、凸部81が突出する構成であってもよい。
【0091】
このような、シール部3に前後方向に凸形状又は凹形状となるようなすべり止め部8を形成することで、使用者の手指Fgと包装袋100fとが接触する面積が大きくなる。これにより、すべり止め部8の近傍では、包装袋100fと手指Fgとの摩擦力が大きくなりすべり止めとしての役割を果たす。また、凸部81又は凹部82を有することで、すべり止め部8が無いときに比べて、手指Fgに引っ掛かる部分が形成されている。このことからも、使用者は把持部4を把持するのと反対側の手で、包装袋100fの把持部4と反対側を支持しやすく、詰め替え操作を実行しやすい。
【0092】
すべり止め部8を有することで、上述のとおり、摩擦力が増加するとともに、引っ掛かりによる支持が可能になる。そのため、すべり止め部8を有する場合、すべり止め部8が無い場合に比べて、使用者の把持部4を把持する側と反対側の手による包装袋100fの表面を支持する力が少なくて済む。そのため、使用者の詰め替え操作時の労力を低減することができ、使用者の利便性を向上できる、又は、使用者が不快感を覚えるのを抑制することができる。
【0093】
<第7変形例>
第7変形例の包装袋100gについて図面を参照して説明する。
図16は、第7変形例の包装袋100gの正面図である。第7変形例にかかる包装袋100gは、すべり止め部8gを備える点で
図1等に示す包装袋100と異なるが、それ以外の点では、包装袋100と同じ構成を有する。そのため、包装袋100gの包装袋100と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
【0094】
図16に示すように、包装袋100gの内、前面シート11の下部の外面側に、摩擦力を高める塗料、ここでは、グリップニスを塗布した、すべり止め部8gを有する。包装袋100cでは、グリップニスを塗布して、すべり止め部8gを構成する構成であるため、簡単な加工ですべり止め部8gを形成することが可能である。
【0095】
なお、本変形例では、前面シート11の下部にすべり止め部8gを形成する構成としているが、これに限定されない。例えば、前面シート11及び後面シート12の把持部4と上下方向及び左右方向において反対となる位置に摩擦力を高める塗料を塗布してもよい。
【0096】
また、摩擦力を高める塗料として、グリップニスを挙げているが、これに限定されず、塗布された部分よりも手指との摩擦力を高めることができる塗料を広く採用することができる。
【0097】
このように、把持部4を把持する手と反対側の手と、その手が接触する部分との摩擦力が高くなるので、使用者が安定して詰め替え操作を行うことができる。また、支持するときの使用者が包装袋100gを支持する力が少なくても済むため、使用者の労力を低減することで、使用者の利便性を向上できる、又は、使用者が不快感を覚えるのを抑制できる。
【0098】
<その他の変形例>
図17は、さらに他の例の包装袋100hの正面図である。
図17に示すように、本発明に係る包装袋100hとして、前面シート11と後面シート12の4つの辺縁部を熱接着してシール部3を有する、いわゆる、平パウチであってもよい。
【0099】
図18は、さらに他の例の包装袋100iの正面図である。
図18に示す包装袋100iは、取出口2iの位置が取出口2と異なる点で包装袋100と異なる。それ以外の点について包装袋100iは、包装袋100と実質的に同じ構成を有する。包装袋100iにおいて、包装袋100と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに同じ部分の詳細な説明を省略する。
図18に示す包装袋100iのように、取出口2iが収容部1の上部の左右方向の中間部分に設けられていてもよい。
【0100】
図19は、さらに他の例の包装袋100jの正面図である。
図19に示す包装袋100jは、取出口2jの形状が取出口2と異なる点で包装袋100と異なる。それ以外の点について包装袋100jは、包装袋100と実質的に同じ構成を有する。包装袋100jにおいて包装袋100と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに同じ部分の詳細な説明を省略する。
図19に示す包装袋100jの取出口2jは、外縁部に形成された切り込み25jで形成された切り裂き開始部を有し、切り裂き開始部で切断して端部を取り除くことで取出口2jが形成される構成であってもよい。例えば、開封後、包装袋100jの内部に収容されている収容物Sの全量を一度に容器Tsに収容するような構成の場合、切り裂きにより開口する取出口2fを有する包装袋100jを採用することで、包装袋100jを構成する樹脂の量を減らすことができる。
【0101】
<積層フィルム50の構成>
上述したとおり、本発明にかかる包装袋では、把持部の形状を工夫することで、把持部から亀裂が発生することを抑制し、さらに、亀裂が発生したとしても亀裂の伸展を抑制することが可能となっている。そのため、本発明にかかる包装袋では、従来、使用が困難であった薄い材料を使用可能となり、樹脂の使用量を抑えて環境負荷を低減することが可能となっている。また、従来、リサイクルに有利であることが知られているが、強度に問題があり使用できなかった材料を使用することも可能となる。このことからも、環境負荷の低減が可能な構成となっている。
【0102】
ここで、上述のような薄い材料、リサイクルに有利な材料を用いた積層フィルムの構成例について説明する。
【0103】
<リサイクルに有利な積層フィルム>
リサイクルに有利な積層フィルムとして、1種類の樹脂で構成されるモノマテリアル構成の積層フィルムを挙げることができる。以下に、モノマテリアル構成の積層フィルムの一例を挙げる。なお、以下に示す構成は、一例であり、ここで挙げた構成に限定されない。
【0104】
<第1の構成>
第1の構成のモノマテリアル仕様の積層フィルムは、厚み120μm~200μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE:Linear Low Density Polyethylene)で構成される熱接着層51と、20μm~40μmの縦方向一軸延伸ポリエチレン(MDOPE:Machine Direction Orientated Polyethylene)で構成される外被層52とが、接着剤及びインキを介して積層されている。
【0105】
<第2の構成>
第2の構成のモノマテリアル仕様の積層フィルムは、厚み120μm~200μmのバリアシーラントで構成される熱接着層と、20μm~40μmの縦方向一軸延伸ポリエチレン(MDOPE)で構成される外被層52が、接着剤及び印刷層を介して積層されている。
【0106】
<第3の構成>
第3の構成のモノマテリアル仕様の積層フィルムは、厚み120μm~200μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)で構成される熱接着層51と、20μm~40μmのバリアコート縦方向一軸延伸ポリエチレン(MDOPE)で構成される外被層52とが、印刷層を介して積層されている。
【0107】
上述したモノマテリアル構成の積層フィルムにおいて、縦方向一軸延伸ポリエチレン(MDOPE)に代えて、二軸延伸ポリエチレン(BOPE:Biaxially Orientated Polyethylene)を用いることも可能である。
【0108】
以上示した、モノマテリアル仕様の積層フィルムを用いることで、熱接着層51と外被層52とを同系の材料(モノマテリアル)で構成することができるため、各材料に分解しなくてもよくリサイクルが容易である。また、把持部の形状で亀裂の発生及び伸展が抑制されるため、強度を高めるための樹脂材料を用いることなく、把持部に亀裂の発生を抑制できる。
【0109】
<薄い積層フィルム>
また、把持部の形状を工夫することで、従来用いられている積層フィルムよりも強度が低い、換言すると、亀裂が発生しやすい、薄い積層フィルムを用いることが可能である。以下に、薄い積層フィルムの一例を挙げる。なお、以下は一例であり、ここで挙げた構成に限定されない。なお、積層フィルムの積層数毎に説明する。
【0110】
<4層構成の積層フィルム>
<第1構成>
第1構成の積層フィルムは、厚み100μm~180μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)で構成される熱接着層51と、外面側から12μm~25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、12μmのアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート(VMPET)フィルム、15μm~25μmの二軸延伸ナイロン(ONY)フィルムが接着剤を介して積層された外被層52が接着剤を介して積層される。なお、ポリエチレンテレフタレートフィルムとアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートとの間に商品名等の図柄を形成する印刷層が配される。
【0111】
<第2構成>
第2構成の積層フィルムは、厚み100μm~180μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)で構成される熱接着層51と、外面側から12μm~25μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(VMPET)フィルム、12μm~25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、15μm~25μmの二軸延伸ナイロン(ONY)フィルムが接着剤を介して積層された外被層52が接着剤を介して積層される。なお、透明蒸着ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートフィルムとの間に商品名等の図柄を形成する印刷層が配される。
【0112】
<第3構成>
第3構成の積層フィルムは、厚み100μm~180μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)で構成される熱接着層51と、外面側から15μm~25μmの二軸延伸ナイロン(ONY)フィルム、12μm~25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、15μm~25μmの二軸延伸ナイロン(ONY)フィルムが接着剤を介して積層された外被層52が接着剤を介して積層される。なお、二軸延伸ナイロンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムとの間に商品名等の図柄を形成する印刷層が配される。
【0113】
<3層構成の積層フィルム>
<第1構成>
第1構成の積層フィルムは、厚み100μm~180μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)で構成される熱接着層51と、外面側から12μm~25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、15μm~25μmの二軸延伸ナイロン(ONY)フィルムが接着剤を介して積層された外被層52が接着剤を介して積層される。なお、ポリエチレンテレフタレートフィルムと二軸延伸ナイロンフィルムとの間に商品名等の図柄を形成する印刷層が配される。
【0114】
<第2構成>
第2構成の積層フィルムは、厚み100μm~180μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)で構成される熱接着層51と、外面側から12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(VMPET)フィルム、15μm~25μmの二軸延伸ナイロン(ONY)フィルムが接着剤を介して積層された外被層52が接着剤を介して積層される。なお、透明蒸着ポリエチレンフィルムと二軸延伸ナイロンフィルムとの間に商品名等の図柄を形成する印刷層が配される。
【0115】
<第3構成>
第3構成の積層フィルムは、厚み100μm~180μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)で構成される熱接着層51と、外面側から15μm~25μmの二軸延伸ナイロン(ONY)フィルム、15μm~25μmのバリア二軸延伸ナイロン(ONY)フィルムが接着剤を介して積層された外被層52が接着剤を介して積層される。なお、二軸延伸ナイロンフィルムとバリア二軸延伸ナイロンフィルムとの間に商品名等の図柄を形成する印刷層が配される。
【0116】
<第4構成>
第4構成の積層フィルムは、厚み100μm~180μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)で構成される熱接着層51と、外面側から15μm~25μmの二軸延伸ナイロン(ONY)フィルム、12μm~25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが接着剤を介して積層された外被層52が接着剤を介して積層される。なお、二軸延伸ナイロンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムとの間に商品名等の図柄を形成する印刷層が配される。
【0117】
<第5構成>
第5構成の積層フィルムは、厚み100μm~180μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)で構成される熱接着層51と、外面側から15μm~25μmの二軸延伸ナイロン(ONY)フィルム、12μmのアルミ蒸着レンテレフタレート(VMPET)フィルムが接着剤を介して積層された外被層52が接着剤を介して積層される。なお、二軸延伸ナイロンフィルムとアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムとの間に商品名等の図柄を形成する印刷層が配される。
【0118】
<2層構成の積層フィルム>
2層構成の積層フィルムは、厚み100μm~180μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)で構成される熱接着層51と、15μm~25μmの二軸延伸ナイロン(ONY)フィルムで構成された外被層52が印刷層及び接着剤を介して積層される。
【0119】
なお、本発明は上述した構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる構成にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0120】
<まとめ>
本発明の包装袋は、以下の構成を有する。
【0121】
(1)前後に重ねた前面シート及び後面シートの辺縁部同士を熱溶着して形成されたシール部と、
前記前面シートと前記後面シートとの間に上下及び左右に拡がる収容部と、
前記シール部の上部に配置されて前記収容部内に収容された収容物を取り出し可能な取出口と、
前記シール部の前記収容部の左右いずれか一方に隣接配置される第1側方シール部の上下方向中央部に形成される把持部と、を有し、
前記把持部は、
上下に延びる第1折り線で前方又は後方に折り曲げることで前後に使用者の手指を挿入可能な把持孔を形成するフラップ部と、
前記前面シートと前記後面シートとが接着されない未接着部と、を有し、
前記フラップ部の境界には、前面側から見て、
上下に延びる主切り込み線と、
前記主切り込み線の上端から外縁に向かって延びる上延伸線と、
前記上延伸線の外縁側の端部から下方向に延びて外縁側に向かって凸状に湾曲した曲線状の上湾曲線と、
前記主切り込み線の下端から前記外縁に向かって延びる下延伸線と、
前記下延伸線の外縁側の端部から上方向に延びて外縁側に向かって凸状に湾曲した曲線状での下湾曲線と、が形成され、
前記第1折り線は、前記上湾曲線及び下湾曲線と接触する線であり、前記上湾曲線の端部及び前記下湾曲線の端部は、前記第1折り線よりも前記収容部に接近した位置に配置され、
前記未接着部が、前記上湾曲線と前記外縁との間及び前記下湾曲線と前記外縁との間に配置される包装袋。
【0122】
(2)前記上延伸線は、上方に凸の曲線状であり、前記下延伸線は下方に凸の曲線状である(1)に記載の包装袋。
【0123】
(3)前記未接着部は、
前記上湾曲線と前記外縁との間に配置される第1未接着部と、
前記下湾曲線と前記外縁との間に配置される第2未接着部と、を有する(1)又は(2)に記載の包装袋。
【0124】
(4)前記把持部は、前記上延伸線の上方に配置されて、前記前面シートと前記後面シートとが接着されない上未接着部を有する(1)から(3)のいずれかに記載の包装袋。
【0125】
(5)前記把持部は、前記フラップ部に形成された中間未接着部を有し、
前記中間未接着部は、前記フラップ部の境界と一定以上の間隔をあけて形成された上下に延びる形状である(1)から(4)のいずれかに記載の包装袋。
【0126】
(6)二つ折りにして前記前面シート及び前記後面シートの下部同士の間に配置されて、前記前面シートと重なる部分の外縁部同士及び前記後面シートと重なる部分の外縁部同士をそれぞれと熱接着される底面シートを有する請求項(1)から(5)のいずれかに記載の包装袋。
【0127】
(7)前記取出口は、前記収容部の左右方向他方側の上角部と接続するように配置された(1)から(6)のいずれかに記載の包装袋。
【0128】
(8)前記把持部は、前記上延伸線よりも上方に前記収容部に向かって凸に形成され、上下に延びる第2折り線で折り曲げ可能な上フラップ部を有し、
前記未接着部は、前記上フラップ部と前記外縁との間にも配置される(1)から(7)のいずれかに記載の包装袋。
【0129】
(9)前記把持部は、前記下延伸線よりも下方に前記収容部に向かって凸に形成され、上下に延びる第3折り線で折り曲げ可能な下フラップ部を有し、
前記未接着部は、前記下フラップ部と前記外縁との間にも配置される(1)から(8)のいずれかに記載の包装袋。
【0130】
(10)前記上延伸線の延伸方向の中間部に形成され、下方に凸に湾曲した下凸曲線を有する(1)から(9)のいずれかに記載の包装袋。
【0131】
(11)
前記前面シート及び前記後面シートの少なくとも一方の少なくとも左右方向他方側の下部にすべり止め部を有する(1)から(10)のいずれかに記載の包装袋。
【0132】
(12)前記すべり止め部は、前記シール部に配されて、前後方向に押し出された形状である(11)に記載の包装袋。
【0133】
(13)前記すべり止め部は、前記前面シート及び前記後面シートの少なくとも一方に形成されて前記前面シート及び前記後面シートの他の部分よりも静止摩擦係数が高く形成されている(11)に記載の包装袋。
【0134】
(14)前記すべり止め部は、前記前面シート及び前記後面シートの表面に塗料を塗布して構成する(13)に記載の包装袋。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明の包装袋は、例えば、シャンプー、リンス、トリートメント、ボディーソープ、液体洗剤、柔軟剤等の収容物を別途用いられる容器に詰め替えることができる包装袋に利用することができる。
【符号の説明】
【0136】
100、100a、100b、100c、100d、100e、100f 包装袋
1 収容部
11 前面シート
12 後面シート
13 底面シート
14 隅切り部
2 取出口
21 本体部
22 キャップ
23 貫通孔
3 シール部
31 胴シール部
32 上シール部
33 底シール部
34 幅広シール部
340 凸部
341 半包囲部
342 第1折り線
343 半包囲部
344 第2折り線
345 半包囲部
4、4a 把持部
41 把持孔
42 小把持孔
43 小把持孔
50 積層フィルム
51 熱接着層
52 外被層
6、6a 切り込み部
61 主切り込み線
621 上延伸線
622 上湾曲線
623 接触部
624 端部
631 下延伸線
632 下湾曲線
633 端部
64 離間切り込み線
641 曲線部
642 延伸部
643 湾曲部
65 離間切り込み線
651 曲線部
652 延伸部
653 湾曲部
7 未接着部
701 未接着部
702 未接着部
703 未接着部
71、71a 上未接着部
72 中間未接着部
8、8c すべり止め部
81 凸部
82 凹部
S 収容物
Ts 容器
Ts1 開口部