(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158893
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/02 20060101AFI20241031BHJP
A47L 9/04 20060101ALI20241031BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A47L9/02 D
A47L9/04 A
A47L9/28 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074513
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】関根 加津典
【テーマコード(参考)】
3B057
3B061
【Fターム(参考)】
3B057DE02
3B057DE06
3B061AA18
3B061AD03
3B061AD05
3B061AE02
3B061AE11
(57)【要約】
【課題】床面へのワックス掛けの作業効率を従来よりも向上させることができる電気掃除機を提供する。
【解決手段】電気掃除機は、筐体と、前記筐体の下面に設けられ、床面に存在する塵埃を吸い込む吸込口と、前記筐体に設けられ、ワックスを貯留するタンクと、前記筐体に設けられ、前記タンクに貯留されている前記ワックスを排出する排出部と、前記筐体の前記下面に回転自在に設けられ、前記排出部から排出された前記ワックスを回転して前記床面に塗布するブラシと、前記ブラシを回転駆動させるブラシ駆動部と、前記筐体の前記下面に設けられ、空気を吹き出して前記床面に塗布された前記ワックスを乾燥させる送風口と、を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の下面に設けられ、床面に存在する塵埃を吸い込む吸込口と、
前記筐体に設けられ、ワックスを貯留するタンクと、
前記筐体に設けられ、前記タンクに貯留されている前記ワックスを排出する排出部と、
前記筐体の前記下面に回転自在に設けられ、前記排出部から排出された前記ワックスを回転して前記床面に塗布するブラシと、
前記ブラシを回転駆動させるブラシ駆動部と、
前記筐体の前記下面に設けられ、空気を吹き出して前記床面に塗布された前記ワックスを乾燥させる送風口と、
を備えている電気掃除機。
【請求項2】
前記送風口から吹き出される前記空気を加熱するヒータを備えている
請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記筐体に回転自在に設けられた車輪と、該車輪を回転させる車輪駆動モータとを有し、前記筐体を移動させる移動部を備えている
請求項1又は請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記排出部は、前記タンクに貯留されている前記ワックスを前記床面に排出する構成であり、
前記ブラシは、前記床面に排出された前記ワックスを前記床面に塗り広げて、前記床面に前記ワックスを塗布する構成である
請求項3に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記筐体は往復動自在であり、
往路において前記ワックスを前記床面に塗布し、復路において前記ワックスを乾燥させる構成であり、
往復動を繰り返しながら前記ワックスの塗布と乾燥とを繰り返す構成である
請求項4に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記排出部は、前記タンクに貯留されている前記ワックスを前記ブラシに排出する構成であり、
前記ブラシは、該ブラシに排出された前記ワックスを前記床面に塗り広げて、前記床面に前記ワックスを塗布する構成である
請求項3に記載の電気掃除機。
【請求項7】
前記筐体は往復動自在であり、
往路において前記ワックスを前記床面に塗布し、復路において前記ワックスを乾燥させる構成であり、
往復動を繰り返しながら前記ワックスの塗布と乾燥とを繰り返す構成である
請求項6に記載の電気掃除機。
【請求項8】
前記筐体は往復動自在であり、
往路及び復路において前記ワックスを前記床面に塗布する構成である
請求項6に記載の電気掃除機。
【請求項9】
掃除モード及びワックス塗布モードを備え、
前記ワックス塗布モードにおいて、前記ワックスを前記床面に塗布する構成である
請求項3に記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、床面へのワックス掛け作業に利用できる電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
フローリング等の床面には、定期的にワックス掛けが行われる。このため、従来の電気掃除機には、床面へのワックス掛け作業の負荷の低減を図ったものが提案されている(特許文献1参照)。具体的には、特許文献1に記載の電気掃除機は、床面に存在する塵埃を掃除する際に使用される吸込口ヘッドと、ワックス掛けに用いるフローリングクリーナーヘッドとを、掃除機本体に接続できる構成となっている。このフローリングクリーナーヘッドは、掃除機本体の吸引力によって回転する円盤状のモップを備えている。そして、特許文献1に記載の電気掃除機は、掃除機本体の吸引力によって回転した円盤状のモップによって、床面に供給されたワックスを塗り広げ、床面にワックスを塗布する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電気掃除機を用いて床面にワックス掛けを行う際、フローリングクリーナーヘッドのモップによって塗布されるワックスは、作業者によって床面に供給する必要があった。また、特許文献1に記載の電気掃除機を用いて床面にワックス掛けを行う際、床面に塗布されたワックスは、自然乾燥させる必要があった。このため、床面へのワックス掛け作業に利用できる従来の電気掃除機は、依然として、ワックス掛けの作業効率が悪いという課題があった。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためのものであり、床面へのワックス掛けの作業効率を従来よりも向上させることができる電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る電気掃除機は、筐体と、前記筐体の下面に設けられ、床面に存在する塵埃を吸い込む吸込口と、前記筐体に設けられ、ワックスを貯留するタンクと、前記筐体に設けられ、前記タンクに貯留されている前記ワックスを排出する排出部と、前記筐体の前記下面に回転自在に設けられ、前記排出部から排出された前記ワックスを回転して前記床面に塗布するブラシと、前記ブラシを回転駆動させるブラシ駆動部と、前記筐体の前記下面に設けられ、空気を吹き出して前記床面に塗布された前記ワックスを乾燥させる送風口と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る電気掃除機においては、床面に塗布されるワックスは、タンクから排出部によって自動的に排出される。また、本開示に係る電気掃除機は、床面に塗布されたワックスを、送風口から吹き出された空気で乾燥させることができる。このため、本開示に係る電気掃除機は、床面へのワックス掛けの作業効率を従来よりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る電気掃除機を示す平面図である。
【
図2】実施の形態1に係る電気掃除機を示す下面図である。
【
図3】実施の形態1に係る電気掃除機の内部を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係る電気掃除機の内部を示す図である。
【
図5】実施の形態1に係る電気掃除機の制御装置を示す図である。
【
図6】実施の形態1に係る電気掃除機の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図7】実施の形態2に係る電気掃除機の内部を示す図である。
【
図8】実施の形態3に係る電気掃除機を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電気掃除機を示す平面図である。
図2は、実施の形態1に係る電気掃除機を示す下面図である。
図3及び
図4は、実施の形態1に係る電気掃除機の内部を示す図である。なお、
図3は、本実施の形態1に係る電気掃除機1の内部を、
図1に示す矢印A方向に観察した図となっている。また、
図4は、本実施の形態1に係る電気掃除機1の内部を、
図1に示す矢印B方向に観察した図となっている。また、
図1~
図3に示す白抜き矢印は、電気掃除機1の筐体10の前進方向Fと、筐体10の後退方向Rとを示している。すなわち、
図1~
図3では、紙面左側が筐体10の前側となり、紙面右側が筐体10の後ろ側となっている。
【0010】
電気掃除機1は、筐体10を備えている。また、本実施の形態1に係る電気掃除機1は、自走できるロボット掃除機となっている。このため、電気掃除機1は、筐体10を移動させる移動部70を備えている。この移動部70は、筐体10に回転自在に設けられた車輪71と、該車輪71を回転させる車輪駆動モータ72とを備えている。このため、車輪駆動モータ72によって車輪71が回転させられると、筐体10は、前進方向F又は後退方向Rに動くこととなる。なお、本実施の形態1では、移動部70は、車輪71と車輪駆動モータ72との組を一対備えている。また、一対の車輪71と車輪駆動モータ72との組は、筐体10の後方において、左右方向に並んで配置されている。また、筐体10の前方は、筐体10に回転自在に設けられた前輪73で支持されている。すなわち、移動部70が一対の車輪71と車輪駆動モータ72との組を備えることにより、各車輪71が同じ方向に同じ角速度で回転した場合、筐体10は、前進方向F又は後退方向Rに直進することができる。また、各車輪71が同じ方向に異なる角速度で回転した場合、筐体10は、前進方向F又は後退方向Rに曲がりながら進むことができる。また、各車輪71が異なる方向に回転した場合、筐体10は、旋回することができる。
【0011】
上述の筐体10は、吸込口12と、ブラシ40と、ブラシ駆動部50と、タンク20と、排出部30と、送風口15とを備えている。
【0012】
吸込口12は、筐体10の下面11に設けられている。電気掃除機1が床面100を掃除する際、床面100に存在する塵埃は、吸込口12に吸い込まれる。本実施の形態1では、次のような構成により、床面100に存在する塵埃は、吸込口12に吸い込まれる。
【0013】
筐体10には、ブロアモータ60が設けられている。このブロアモータ60の吸引口は、吸引風路61によって、吸込口12と接続されている。また、ブロアモータ60の排気口は、第1排気風路62によって、筐体10に設けられたごみ貯蓄部64と接続されている。このため、ブロアモータ60が駆動することにより、床面100に存在する塵埃は、吸込口12に吸い込まれる。また、吸込口12に吸い込まれた塵埃は、吸込口12から吸い込まれた空気と共に、吸引風路61、ブロアモータ60及び第1排気風路62を通って、ごみ貯蓄部64に流入する。ごみ貯蓄部64に流入した塵埃及び空気は、図示せぬフィルタ等で分離される。そして、分離された塵埃は、ごみ貯蓄部64に溜められる。なお、ごみ貯蓄部64において塵埃と分離された空気は、図示せぬ排気口から、ごみ貯蓄部64及び筐体10の外部へ排出される。
【0014】
ブラシ40は、例えば円筒形状をしており、筐体10の下面11に回転自在に設けられている。本実施の形態1では、ブラシ40は、吸込口12に設けられている。ブラシ駆動部50は、ブラシ40を回転駆動させるものである。本実施の形態1では、ブラシ駆動部50は、次のように構成されている。
【0015】
ブラシ駆動部50は、ブラシ駆動モータ51、プーリ52、プーリ53、及びベルト55を備えている。ブラシ駆動モータ51は、ブラシ40の駆動源である。プーリ52は、ブラシ駆動モータ51の出力軸に取り付けられている。プーリ53は、ブラシ40の回転軸41の一端に取り付けられており、筐体10に回転自在に支持されている。なお、ブラシ40の回転軸41の他端には、ローラ54が取り付けられている。このローラ54は、筐体10に対してブラシ40が回転自在となるように、筐体10に支持されている。ベルト55は、環形状をしており、ブラシ駆動モータ51の出力軸に取り付けられたプーリ52と、ブラシ40の回転軸41に取り付けられたプーリ53とに掛けられている。このため、ブラシ駆動モータ51が駆動することにより、プーリ52、ベルト55及びプーリ53によって、ブラシ駆動モータ51の出力軸の回転がブラシ40に伝達される。これにより、ブラシ40が回転する。
【0016】
ブラシ40は、電気掃除機1が床面100を掃除する際、回転駆動する。これにより、床面100に存在する塵埃は、吸込口12に吸い込まれやすくなる。なお、ブラシ40の毛は、床面100に接触する長さ、又は床面100に若干干渉する長さであることが好ましい。このようなブラシ40の長さは、床面100の材質が木材硬質床面であるフローリングである場合、特に有効である。
【0017】
また、本実施の形態1では、床面100にワックスを塗布する際にも、ブラシ40は、回転して、ワックスを床面100に塗り広げる。このため、ブラシ40は、ワックスが付着して汚れやすいので、ブラシ40を洗浄するために、筐体10から着脱可能であることが好ましい。例えば、本実施の形態1では、筐体10の下面11におけるプーリ53と対向する位置に、プーリ53を支持しているカバー13が設けられている。また、筐体10の下面11におけるローラ54と対向する位置に、ローラ54を支持しているカバー14が設けられている。本実施の形態1では、カバー13及びカバー14を取り外し、プーリ53からベルト55を外すことにより、ブラシ40を筐体10から取り外すことが可能となっている。
【0018】
なお、ブラシ40の毛が硬い場合、ブラシ40を前輪73の代わりとして用いることができる。このような場合、前輪73は不要となる。また、ブラシ40は、吸込口12以外の箇所に設けられていてもよい。この際、吸込口12に、ブラシ40とは異なるブラシを設けてもよい。
【0019】
タンク20は、筐体10に設けられ、床面100に塗布するワックスを貯留するものである。一般に市販されている床用ワックスは、液状のものが多い。このため、本実施の形態1に係る電気掃除機1は、液状のワックスをタンク20に供給しやすい構成となっている。具体的には、タンク20の注入口21は、筐体10の上面に設けられている。このため、注入口21を開くことにより、タンク20を筐体10から取り外すことなく、また筐体10を持ち上げることもなく、タンク20へワックスを供給することができる。
【0020】
排出部30は、筐体10に設けられ、タンク20に貯留されているワックスをタンク20外へ排出するものである。本実施の形態1では、排出部30は、次のように構成されている。
【0021】
排出部30は、ポンプ31、吸入配管32、及び送液管33を備えている。ポンプ31の吸入口は、吸入配管32によって、タンク20と接続されている。また、ポンプ31の吐出口には、送液管33の一端が接続されている。このため、ポンプ31が駆動することにより、タンク20に貯留されているワックスは、吸入配管32及びポンプ31を通って、送液管33へ送られる。また、送液管33へ送られたワックスは、送液管33のポンプ31と接続された端部とは反対側の端部の開口部である排出口34から排出される。そして、排出部30の排出口34から排出されたワックスが、ブラシ40の回転によって、床面100に塗布される。
【0022】
なお、本実施の形態1では、送液管33のポンプ31と接続された端部とは反対側の端部は、4つに分岐している。すなわち、本実施の形態1に係る排出部30は、4つの排出口34を備えている。また、これらの排出口34は、例えば、ブラシ40の回転軸41と並行に並べられている。しかしながら、排出部30の排出口34の数は、一例である。排出部30の排出口34の数は、1つであってもよいし、4つ以外の複数であってもよい。
【0023】
ここで、本実施の形態1では、排出部30の排出口34は、床面100に向かって開口している。すなわち、本実施の形態1に係る排出部30は、タンク20に貯留されているワックスを床面100に排出する構成となっている。また、ブラシ40は、床面100に排出されたワックスを床面100に塗り広げて、床面100にワックスを塗布する構成となっている。
【0024】
送風口15は、筐体10の下面11に設けられている。送風口15は、空気を吹き出して、床面100に塗布されたワックスを乾燥させる。送風口15は、例えば、ブラシ40の回転軸41と並行に延びている。また、送風口15の回転軸41方向の長さは、例えば、ブラシ40の長さよりも若干長くなっている。本実施の形態1では、次のような構成により、送風口15から空気が吹き出される。
【0025】
送風口15は、第2排気風路63によって、ブロアモータ60の排気口と接続されている。また、電気掃除機1は、ブロアモータ60の排気口の連通先を第1排気風路62又は第2排気風路63に切り替えるダンパー66を備えている。このため、ブロアモータ60が駆動し、ブロアモータ60の排気口と第2排気風路63とが連通する状態にダンパー66が切り替わることにより、ブロアモータ60の排気が、送風口15から吹き出される。
【0026】
なお、送風口15から空気が吹き出される空気の温度が高い方が、床面100に塗布されたワックスの乾燥が早くなる。このため、電気掃除機1は、送風口15から吹き出される空気を加熱するヒータを備えていることが好ましい。したがって、本実施の形態1に係る電気掃除機1は、第2排気風路63に、送風口15から吹き出される空気を加熱するヒータ65を備えている。なお、電気掃除機1は、送風口15から吹き出される空気の供給源として、ファン等、ブロアモータ60とは異なる供給源を備えていてもよい。
【0027】
図2等に示すように、上述した排出部30の排出口34、送風口15及びブラシ40は、筐体10の前方から後方へ向かって、排出部30の排出口34、送風口15及びブラシ40の順に並んでいる。
【0028】
また、電気掃除機1は、充電池2、操作ボタン3及び制御装置80を備えている。充電池2は、ポンプ31、ブラシ駆動モータ51、ブロアモータ60、ヒータ65、ダンパー66、車輪駆動モータ72、及び制御装置80等に電力を供給するものである。操作ボタン3は、制御装置80に対して、規定の運転モードでの運転の指示、及び運転の停止の指示を入力するものである。各指示は、例えば、操作ボタン3を押す回数、及び操作ボタン3を押している時間等によって入力される。
【0029】
制御装置80は、操作ボタン3によって入力された運転モードに応じて、電気掃除機1を動作させるものである。具体的には、制御装置80は、運転モードに応じて、ポンプ31の駆動及び停止を制御する。また、制御装置80は、運転モードに応じて、ブラシ駆動モータ51の駆動及び停止を制御する。換言すると、制御装置80は、運転モードに応じて、ブラシ40の駆動及び停止を制御する。なお、制御装置80は、筐体10の移動方向に応じて、ブラシ駆動モータ51の出力軸の回転方向を制御してもよい。すなわち、制御装置80は、筐体10の移動方向に応じて、ブラシ40の回転方向を制御してもよい。また、制御装置80は、運転モードに応じて、ブロアモータ60の駆動及び停止を制御する。また、制御装置80は、運転モードに応じて、ヒータ65へ通電するか否かを制御する。また、制御装置80は、運転モードに応じて、ダンパー66を制御し、ブロアモータ60の排気口と連通する排気風路を切り替える。また、制御装置80は、運転モードに応じて、各車輪駆動モータ72の駆動及び停止を制御する。また、制御装置80は、運転モードに応じて、各車輪駆動モータ72の駆動時、各車輪駆動モータ72の出力軸の回転方向及び角速度を制御する。すなわち、制御装置80は、運転モードに応じて、各車輪71の回転方向及び角速度を制御する。本実施の形態1では、制御装置80は、次のように構成されている。
【0030】
図5は、実施の形態1に係る電気掃除機の制御装置を示す図である。
制御装置80は、専用のハードウェア、又はメモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)で構成されている。なお、CPUは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はプロセッサともいう。
【0031】
制御装置80が専用のハードウェアである場合、制御装置80は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。制御装置80が実現する各機能部のそれぞれを、個別のハードウェアで実現してもよいし、各機能部を一つのハードウェアで実現してもよい。
【0032】
制御装置80がCPUの場合、制御装置80が実行する各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。CPUは、メモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置80の各機能を実現する。ここで、メモリは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、又はEEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。
【0033】
なお、制御装置80の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
【0034】
制御装置80は、機能部として、操作ボタン3によって入力された指示を受信する受信部81を備えている。なお、受信部81は、外部の通信機器からの指示を受信する構成であってもよい。また、受信部81は、操作ボタン3によって入力された指示及び外部の通信機器からの指示の双方を受信する構成であってもよい。外部の通信機器とは、例えば、スマートフォン及びリモートコントローラー等である。
【0035】
また、制御装置80は、機能部として、規定の運転モードを実行する動作部を備えている。本実施の形態1に係る電気掃除機は、運転モードとして掃除モード及びワックス塗布モードを備えている。掃除モードは、床面100を掃除する運転モードである。ワックス塗布モードは、床面100にワックスを塗布し、床面100に塗布されたワックスを乾燥させる運転モードである。このため、本実施の形態1に係る制御装置80は、運転モードを実行する動作部として、掃除モードを実行する掃除モード動作部82と、ワックス塗布モードを実行するワックス塗布モード動作部83とを備えている。なお、ワックス塗布モードを、床面100にワックスを塗布するだけの運転モードとしてもよい。そして、床面100に塗布されたワックスを乾燥させる運転モードは、乾燥モードとして、ワックス塗布モードとは別の運転モードとしてもよい。この場合、制御装置80は、運転モードを実行する動作部として、掃除モード動作部82、ワックス塗布モード動作部83及び乾燥モード動作部を備えることとなる。
【0036】
掃除モード動作部82は、排出部30のポンプ31を停止状態とする。また、掃除モード動作部82は、ブラシ駆動モータ51を駆動させ、ブラシ40を回転させる。また、掃除モード動作部82は、ブロアモータ60を駆動させる。また、掃除モード動作部82は、ヒータ65を通電されていない状態とする。また、掃除モード動作部82は、ダンパー66を制御し、ブロアモータ60の排気口と第1排気風路62とが連通する状態にする。また、掃除モード動作部82は、各車輪駆動モータ72の回転方向及び角速度を制御し、筐体10を移動させる。これにより、電気掃除機1は、部屋の床面100上を移動しながら、床面100に存在する塵埃を吸込口12から吸引し、床面100の掃除を行う。なお、掃除モード動作部82は、部屋の床面100全体を掃除し終わったと判断した場合、充電台に帰巣動作を行う。また、掃除モード動作部82は、床面100の掃除の途中において充電池2の残容量が規定値以下になったと判断した場合も、充電台に帰巣動作を行う。そして、充電池2の充電が完了後、掃除モード動作部82は、床面100の掃除を再開する。
【0037】
この際、制御装置80は、部屋の間取り、部屋内に存在する筐体10の進行を妨げる障害物の位置、及び筐体10の位置等を検出する。そして、制御装置80は、同じ箇所ばかり筐体10が通過しないように制御し、部屋の床面100全体を均一に掃除する。なお、部屋の間取り、部屋内に存在する筐体の進行を妨げる障害物の位置、及び筐体の位置等を検出する方法として、種々の方法が公知のロボット掃除機において提案されている。部屋の間取り、部屋内に存在する筐体10の進行を妨げる障害物の位置、及び筐体10の位置等を検出する方法は、特に限定されず、種々の公知の方法を用いることができる。例えば、制御装置80は、筐体10に設けられた距離を検出するセンサ及びカメラ等を用いて、部屋の間取り、部屋内に存在する筐体10の進行を妨げる障害物の位置、及び筐体10の位置等を検出することができる。
【0038】
また、制御装置80は、部屋の床面100を掃除する際、床面100の材質を検出し、ブロアモータ60の回転数を制御してもよい。換言すると、制御装置80は、部屋の床面100を掃除する際、床面100の材質を検出し、ブロアモータ60の吸引力を制御してもよい。なお、床面の材質を検出する方法として、種々の方法が公知のロボット掃除機において提案されている。床面100の材質を検出する方法は、特に限定されず、種々の公知の方法を用いることができる。本実施の形態1では、制御装置80は、床面100との距離に基づいて床面100の材質を検出する床面センサ4を用いて、床面100の材質を検出している。
【0039】
部屋の床面100にワックスを塗布する際、ワックス塗布モード動作部83は、排出部30のポンプ31を駆動状態とする。すなわち、ワックス塗布モード動作部83は、排出部30からタンク20に貯留されているワックスを排出させる。また、ワックス塗布モード動作部83は、ブラシ駆動モータ51を駆動させ、ブラシ40を回転させる。また、ワックス塗布モード動作部83は、ブロアモータ60を停止させる。また、ワックス塗布モード動作部83は、ヒータ65を通電されていない状態とする。また、ワックス塗布モード動作部83は、各車輪駆動モータ72の回転方向及び角速度を制御し、筐体10を移動させる。これにより、電気掃除機1は、部屋の床面100上を移動しながら、床面100にワックスを塗布することができる。
【0040】
部屋の床面100に塗布されたワックスを乾燥させる際、ワックス塗布モード動作部83は、排出部30のポンプ31を停止状態とする。また、ワックス塗布モード動作部83は、ブロアモータ60を駆動させる。また、ワックス塗布モード動作部83は、ヒータ65を通電している状態とする。また、ワックス塗布モード動作部83は、ダンパー66を制御し、ブロアモータ60の排気口と第2排気風路63とが連通する状態にする。また、ワックス塗布モード動作部83は、各車輪駆動モータ72の回転方向及び角速度を制御し、筐体10を移動させる。これにより、電気掃除機1は、部屋の床面100上を移動しながら、送風口15から空気を床面100に吹き出し、床面100に塗布されたワックスを乾燥させる。なお、部屋の床面100に塗布されたワックスを乾燥させる際、ワックス塗布モード動作部83は、ブラシ駆動モータ51を駆動させてもよいし、ブラシ駆動モータ51を停止させてもよい。
【0041】
ワックス塗布モード動作部83は、部屋の床面100全体へのワックスの塗布及びワックスの乾燥が終了したと判断した場合、充電台に帰巣動作を行う。また、ワックス塗布モード動作部83は、ワックス塗布モードの動作途中において充電池2の残容量が規定値以下になったと判断した場合も、充電台に帰巣動作を行う。そして、充電池2の充電が完了後、ワックス塗布モード動作部83は、ワックス塗布モードの動作を再開する。なお、ワックス塗布モードでの電気掃除機1の詳細な動作は、後述する。
【0042】
図6は、実施の形態1に係る電気掃除機の動作を説明するためのフローチャートである。
制御装置80の受信部81が電気掃除機1の運転の指示を受信すると、制御装置80は、ステップS1において
図6に示す制御を開始する。ステップS1の後のステップS2において、制御装置80は、運転モードとして掃除モードが選択されているか否かを判断する。運転モードとして掃除モードが選択されている場合、制御装置80は、ステップS3に進む。一方、運転モードとして掃除モードが選択されていない場合、制御装置80は、ステップS5に進む。
【0043】
ステップS3において、制御装置80の掃除モード動作部82は、筐体10を移動させながら、部屋の床面100に存在する塵埃を吸込口12から吸引し、床面100の掃除を行う。そして、掃除モード動作部82は、部屋の床面100全体を掃除し終わったと判断した場合、ステップS4に進む。ステップS4において、制御装置80は、運転モードとしてワックス塗布モードが選択されているか否かを判断する。運転モードとしてワックス塗布モードが選択されていない場合、制御装置80は、ステップS6において
図6に示す制御を終了し、充電台に帰巣動作を行う。一方、運転モードとしてワックス塗布モードが選択されている場合、制御装置80は、ステップS5に進む。
【0044】
ステップS5は、ワックス塗布モードを実行するステップである。ステップS5においてワックス塗布モード動作部83は、ステップS51~ステップS54の動作を実行する。
【0045】
具体的には、ステップS51において、ワックス塗布モード動作部83は、ワックス塗布条件を検出する。詳しくは、ワックス塗布モード動作部83は、排出部30のポンプ31を停止状態として、部屋内で筐体10を移動させる。そして、ワックス塗布モード動作部83は、掃除モードのときと同様に、部屋の間取り、部屋内に存在する筐体10の進行を妨げる障害物の位置、及び筐体10の位置等を検出する。また、ワックス塗布モード動作部83は、部屋の床面100の材質を検出し、床面100のうちのワックスを塗布する領域を検出する。以下、床面100のうちのワックスを塗布する領域を、ワックス塗布領域と称する。また、ワックス塗布モード動作部83は、これらの情報に基づき、床面100のワックス塗布領域全体にワックスを塗布するための筐体10の移動経路を決定する。
【0046】
なお、筐体の移動経路を決定する方法として、種々の方法が公知のロボット掃除機において提案されている。筐体10の移動経路を決定する方法は、特に限定されず、種々の公知の方法を用いることができる。また、通常、床面100へのワックスの塗布は、床面100を掃除した後に行われる。このため、ステップS51の動作は、ステップS3の動作中に、掃除モード動作部82によって行われてもよい。
【0047】
ステップS51の後のステップS52は、部屋の床面100にワックスを塗布するステップである。ステップS52において、ワックス塗布モード動作部83は、上述の移動経路に沿って筐体10を移動させながら、排出部30の排出口34から床面100へワックスを排出し、ブラシ40を回転させてこのワックスを均一に塗り広げ、床面100にワックスを塗布する。ここで、上述のように、排出部30の排出口34は、筐体10において、ブラシ40の前方に配置されている。このため、ワックス塗布モード動作部83は、上述の移動経路に沿って、前進方向Fに筐体10を移動させて、床面100にワックスを塗布していく。
【0048】
なお、排出部30の排出口34は、筐体10において、ブラシ40の後方に配置されていてもよい。この場合、電気掃除機1は、後退方向Rに移動しながら、床面100にワックスを塗布していくこととなる。しかしながら、ロボット掃除機は、筐体の後方に筐体を移動させる移動部及びごみ貯蓄部が配置される。このため、排出口34を筐体10の後端付近に配置することは、難しい。すなわち、部屋の壁近傍において、ワックスを塗布できない領域が大きくなる。一方、排出口34を筐体10の前端付近に配置することは、排出口34を筐体10の後端付近に配置することに比べて、容易である。このため、電気掃除機1は、排出部30の排出口34をブラシ40の前方に配置し、前進方向Fに移動しながら床面100にワックスを塗布していくことが好ましい。これにより、部屋の壁近傍において、ワックスを塗布できない領域を抑制できる。
【0049】
本実施の形態1に係る電気掃除機1は、ワックス塗布領域の一部にワックスを塗布した段階でステップS53に進み、床面100に塗布されたワックスを乾燥させる。なお、ワックス塗布領域の全域にワックスを塗布した後にステップS53に進み、床面100に塗布されたワックスを乾燥させてもよい。
【0050】
ステップS53は、上述のように、床面100に塗布されたワックスを乾燥させるステップである。上述のように、送風口15は、筐体10において、ブラシ40の前方に配置されている。このため、本実施の形態1に係る電気掃除機1は、後退方向Rで進みながら、床面100に塗布されたワックスを乾燥させる構成となっている。したがって、ステップS53において、ワックス塗布モード動作部83は、ステップS52でワックスが塗布された経路をなぞるように後退方向Rに筐体10を移動させて、送風口15から空気を床面100に吹き出させ、床面100に塗布されたワックスを乾燥させる。
【0051】
ワックス塗布モード動作部83は、ワックス塗布領域の全域にワックスが塗布され、該ワックスを乾燥させるまで、ステップS54を介して、ステップS52及びステップS53を繰り返す。換言すると、筐体10は、往復動自在となっている。また、電気掃除機1は、往路においてワックスを床面100に塗布し、復路においてワックスを乾燥させる構成となっている。そして、電気掃除機1は、往復動を繰り返しながらワックスの塗布と乾燥とを繰り返す構成となっている。電気掃除機1をこのように構成することにより、例えば、次のような効果を得ることができる。
【0052】
例えば、ワックス塗布モードの途中で、制御装置80の受信部81に、電気掃除機1の運転を停止させる指示が入力されることが考えられる。このような場合、電気掃除機1がワックス塗布領域の全域にワックスを塗布した後に該ワックスを乾燥させる構成になっていると、床面100に乾燥されていないワックスが残る箇所が発生する。一方、電気掃除機1が往復動を繰り返しながら床面100にワックスの塗布と乾燥とを繰り返す構成となっている場合、床面100に乾燥されていないワックスが残ることを抑制できる。したがって、電気掃除機1が往復動を繰り返しながらワックスの塗布と乾燥とを繰り返す構成となっている場合、電気掃除機1の利便性が向上する。
【0053】
ワックス塗布モード動作部83は、ステップS52及びステップS53を繰り返し、ワックス塗布領域の全域にワックスが塗布されたと判断すると、ステップS54からステップS6に進む。そして、制御装置80は、ステップS6において
図6に示す制御を終了し、充電台に帰巣動作を行う。
【0054】
以上、本実施の形態1に係る電気掃除機1は、筐体10と、筐体10の下面11に設けられ、床面100に存在する塵埃を吸い込む吸込口12と、筐体10に設けられ、ワックスを貯留するタンク20と、筐体10に設けられ、タンク20に貯留されているワックスを排出する排出部30と、筐体10の下面11に回転自在に設けられ、排出部30から排出されたワックスを回転して床面に塗布するブラシ40と、ブラシ40を回転駆動させるブラシ駆動部50と、筐体10の下面11に設けられ、空気を吹き出して床面100に塗布されたワックスを乾燥させる送風口15と、を備えている。
【0055】
本実施の形態1に係る電気掃除機1においては、床面100に塗布されるワックスは、タンク20から排出部30によって自動的に排出される。このため、本実施の形態1に係る電気掃除機1は、床面100へのワックス掛けの作業効率を従来よりも向上させることができる。ここで、床面100に塗布されたワックスを自然乾燥させる場合、ワックスの種類によって異なるものの、塗布後15分から1時間程度の乾燥時間を設ける必要がある。この乾燥時間が、床面100へのワックス掛けの作業効率を低下させる一因となっている。一方、本実施の形態1に係る電気掃除機1は、床面100に塗布されたワックスを、送風口15から吹き出された空気で乾燥させることができる。すなわち、本実施の形態1に係る電気掃除機1は、床面100に塗布されたワックスの乾燥時間を短縮することができる。この点においても、本実施の形態1に係る電気掃除機1は、床面100へのワックス掛けの作業効率を従来よりも向上させることができる。
【0056】
実施の形態2.
排出部30の排出口34から排出されるワックスの排出先は、床面100に限定されない。例えば、排出部30は、本実施の形態2のように構成されていてもよい。なお、本実施の形態2において特に言及しない事項については、実施の形態1と同様とする。また、本実施の形態2では、実施の形態1で示した構成と同様の機能を果たす構成には、実施の形態1と同じ符号を付すこととする。
【0057】
図7は、実施の形態2に係る電気掃除機の内部を示す図である。なお、
図7は、本実施の形態2に係る電気掃除機1の内部を、
図1に示す矢印B方向に観察した図となっている。
本実施の形態2では、排出部30の排出口34は、ブラシ40の上方に配置されている。すなわち、本実施の形態2に係る排出部30は、タンク20に貯留されているワックスをブラシ40に排出する構成となっている。また、ブラシ40は、該ブラシ40に排出されたワックスを床面100に塗り広げて、床面100にワックスを塗布する構成となっている。このため、ブラシ40の毛の素材は、ワックスを含侵させやすい材料であることが好ましい。ワックスを含侵させやすい材料とは、例えば、モップに用いられるような綿等である。また、ワックスを含侵させやすい材料とは、例えば、直径の小さな繊維である。
【0058】
本実施の形態2のように排出部30を構成することにより、床面100に排出されたワックスをブラシ40で塗り広げていく場合と比べ、床面100により均一にワックスを塗布することができる。
【0059】
本実施の形態2に係る電気掃除機1は、例えば、実施の形態1で示した電気掃除機1と同じ動作を実行する構成となっている。具体的には、筐体10は、往復動自在となっている。また、電気掃除機1は、往路においてワックスを床面100に塗布し、復路においてワックスを乾燥させる構成となっている。そして、電気掃除機1は、往復動を繰り返しながらワックスの塗布と乾燥とを繰り返す構成となっている。本実施の形態2に係る電気掃除機1においても、このように構成することにより、実施の形態1で示した電気掃除機1と同様に、電気掃除機1の利便性が向上する。
【0060】
また、本実施の形態2に係る電気掃除機1は、次のように動作する構成であってもよい。例えば、床面100にワックス掛けを行う際、ワックス塗布領域の全域に一度でワックスを塗布した方が、使用者にとって都合が良い状況も想定される。このような場合、本実施の形態2に係る電気掃除機1は、ブラシ40に排出されたワックスを床面100に塗り広げるので、前進方向F及び後退方向Rの双方で、床面100にワックスを塗布することができる。換言すると、本実施の形態2に係る電気掃除機1は、筐体10が往復動自在であり、往路及び復路においてワックスを床面100に塗布する構成であってもよい。このような動作で床面100にワックスを塗布することにより、床面100にワックスを塗布する時間を短縮できる。
【0061】
実施の形態3.
実施の形態1及び実施の形態2で示した電気掃除機1は、ロボット掃除機となっていた。これに限らず、電気掃除機1は、キャニスター型掃除機及びスティック型掃除機等、ロボット掃除機以外の掃除機であってもよい。以下では、一例として、キャニスター型掃除機として構成した電気掃除機1を紹介する。なお、本実施の形態3において特に言及しない事項については、実施の形態1又は実施の形態2と同様とする。また、本実施の形態3では、実施の形態1又は実施の形態2で示した構成と同様の機能を果たす構成には、実施の形態1と又は実施の形態2と同じ符号を付すこととする。
【0062】
図8は、実施の形態3に係る電気掃除機を示す縦断面図である。
本実施の形態3に係る電気掃除機1は、ブロアモータ60、第1排気風路62及びごみ貯蓄部64が設けられた掃除機本体95を備えている。また、電気掃除機1は、掃除機本体95に一端が接続された例えば蛇腹状のホース94を備えている。また、電気掃除機1は、ホース94の他端に一端が接続された延長管92を備えている。この延長管92には使用者が握るグリップ93が設けられており、操作ボタン3は例えばグリップ93に設けられている。また、電気掃除機1は、延長管92の他端に接続された吸込口ヘッド91を備えている。
【0063】
また、本実施の形態3では、吸込口12、ブラシ40、及び送風口15は、吸込口ヘッド91の下面に設けられている。また、タンク20及び排出部30は、吸込口ヘッド91に設けられている。このため、吸引風路61及び第2排気風路63は、吸込口ヘッド91、延長管92、ホース94及び掃除機本体95に設けられている。すなわち、本実施の形態3に係る電気掃除機1は、吸込口ヘッド91が筐体10となっている。なお、キャニスター型掃除機である電気掃除機1は、使用者によって吸込口ヘッド91が動かされるので、ロボット掃除機とは異なり、自走する必要がない。このため、本実施の形態3に係る電気掃除機1は、移動部70を備えていない。
【0064】
本実施の形態3に係る電気掃除機1は、例えば、次のように動作する。例えば、電気掃除機1は、掃除モード、床面100にワックスを塗布するだけのワックス塗布モード、及び床面100に塗布されたワックスを乾燥させる乾燥モードを備えている。使用者が操作ボタン3によってワックス塗布モードでの運転を指示すると、制御装置80は、排出部30の排出口34からワックスを排出し、ブラシ40を回転させる。このとき、使用者が吸込口ヘッド91を移動させることにより、吸込口ヘッド91が通過した床面100部分にワックスが塗布される。その後、使用者は、操作ボタン3によって乾燥モードでの運転を指示する。この指示を受信した制御装置80は、送風口15から空気を床面100に吹き出させる。そして、使用者は、吸込口ヘッド91を移動させ、床面100に塗布されたワックスを乾燥させる。
【0065】
このように、電気掃除機1は、ロボット掃除機以外の掃除機であっても、床面100へのワックス掛けの作業効率を従来よりも向上させることができる。
【0066】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変更及び置換を加えることができる。
【0067】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
筐体と、
前記筐体の下面に設けられ、床面に存在する塵埃を吸い込む吸込口と、
前記筐体に設けられ、ワックスを貯留するタンクと、
前記筐体に設けられ、前記タンクに貯留されている前記ワックスを排出する排出部と、
前記筐体の前記下面に回転自在に設けられ、前記排出部から排出された前記ワックスを回転して前記床面に塗布するブラシと、
前記ブラシを回転駆動させるブラシ駆動部と、
前記筐体の前記下面に設けられ、空気を吹き出して前記床面に塗布された前記ワックスを乾燥させる送風口と、
を備えている電気掃除機。
(付記2)
前記送風口から吹き出される前記空気を加熱するヒータを備えている
付記1に記載の電気掃除機。
(付記3)
前記筐体に回転自在に設けられた車輪と、該車輪を回転させる車輪駆動モータとを有し、前記筐体を移動させる移動部を備えている
付記1又は付記2に記載の電気掃除機。
(付記4)
前記排出部は、前記タンクに貯留されている前記ワックスを前記床面に排出する構成であり、
前記ブラシは、前記床面に排出された前記ワックスを前記床面に塗り広げて、前記床面にワックスを塗布する構成である
付記3に記載の電気掃除機。
(付記5)
前記筐体は往復動自在であり、
往路において前記ワックスを前記床面に塗布し、復路において前記ワックスを乾燥させる構成であり、
往復動を繰り返しながら前記ワックスの塗布と乾燥とを繰り返す構成である
付記4に記載の電気掃除機。
(付記6)
前記排出部は、前記タンクに貯留されている前記ワックスを前記ブラシに排出する構成であり、
前記ブラシは、該ブラシに排出された前記ワックスを前記床面に塗り広げて、前記床面にワックスを塗布する構成である
付記3に記載の電気掃除機。
(付記7)
前記筐体は往復動自在であり、
往路において前記ワックスを前記床面に塗布し、復路において前記ワックスを乾燥させる構成であり、
往復動を繰り返しながら前記ワックスの塗布と乾燥とを繰り返す構成である
付記6に記載の電気掃除機。
(付記8)
前記筐体は往復動自在であり、
往路及び復路において前記ワックスを前記床面に塗布する構成である
付記6に記載の電気掃除機。
(付記9)
掃除モード及びワックス塗布モードを備え、
前記ワックス塗布モードにおいて、前記ワックスを前記床面に塗布する構成である
付記3~付記8のいずれか1つに記載の電気掃除機。
【符号の説明】
【0068】
1 電気掃除機、2 充電池、3 操作ボタン、4 床面センサ、10 筐体、11 下面、12 吸込口、13 カバー、14 カバー、15 送風口、20 タンク、21 注入口、30 排出部、31 ポンプ、32 吸入配管、33 送液管、34 排出口、40 ブラシ、41 回転軸、50 ブラシ駆動部、51 ブラシ駆動モータ、52 プーリ、53 プーリ、54 ローラ、55 ベルト、60 ブロアモータ、61 吸引風路、62 第1排気風路、63 第2排気風路、64 ごみ貯蓄部、65 ヒータ、66 ダンパー、70 移動部、71 車輪、72 車輪駆動モータ、73 前輪、80 制御装置、81 受信部、82 掃除モード動作部、83 ワックス塗布モード動作部、91 吸込口ヘッド、92 延長管、93 グリップ、94 ホース、95 掃除機本体、100 床面。