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特開2024-158896本人確認情報取得装置、プログラム、及び本人確認情報取得方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158896
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】本人確認情報取得装置、プログラム、及び本人確認情報取得方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20241031BHJP
   G06F 16/632 20190101ALI20241031BHJP
【FI】
G06Q20/40
G06F16/632
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074517
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】501032951
【氏名又は名称】株式会社クローバー・ネットワーク・コム
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】世利 彰規
(72)【発明者】
【氏名】小関 順
【テーマコード(参考)】
5B175
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5B175GB05
5L020AA73
5L055AA73
(57)【要約】
【課題】無駄な本人確認処理の発生を抑える。
【解決手段】本開示は、ユーザのユーザ端末3に接続され、ユーザの本人確認を行うための一又は複数の本人確認情報をユーザ端末3から取得する本人確認情報取得装置10であって、ユーザの本人確認書類の画像データである本人確認書類画像データを本人確認情報としてユーザ端末3から受信する受信部111と、受信部111が受信した本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否かを判定する判定部13と、本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像ではないと判定部13が判定した場合、エラー内容を認識可能な再撮影依頼を含むデータをユーザ端末3に送信する送信部112と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのユーザ端末に接続され、前記ユーザの本人確認を行うための一又は複数の本人確認情報を前記ユーザ端末から取得する本人確認情報取得装置であって、
前記ユーザの本人確認書類の画像データである本人確認書類画像データを前記本人確認情報として前記ユーザ端末から受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否かを判定する判定部と、
前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像ではないと前記判定部が判定した場合、エラー内容を認識可能な再撮影依頼を含むデータを前記ユーザ端末に送信する送信部と、を備える
ことを特徴とする本人確認情報取得装置。
【請求項2】
前記判定部による前記判定は、前記本人確認書類画像データの白飛び、黒潰れ、及び不鮮明さの少なくとも1つに基づいて行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の本人確認情報取得装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記ユーザの容貌の撮影データである容貌撮影データを前記本人確認情報として前記ユーザ端末から受信する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の本人確認情報取得装置。
【請求項4】
前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であると前記判定部が判定した場合に、前記本人確認書類画像データに含まれる本人確認書類記載情報をOCR処理によって抽出する本人確認書類記載情報抽出部を備え、
前記送信部は、前記本人確認書類記載情報抽出部が抽出した前記本人確認書類記載情報を前記ユーザ端末に送信し、
前記受信部は、前記ユーザ端末側で確認されて訂正された又は訂正されなかった確認後の確認済み本人確認書類記載情報を前記本人確認情報として前記ユーザ端末から受信する
ことを特徴とする請求項3に記載の本人確認情報取得装置。
【請求項5】
前記本人確認情報取得装置は、本人確認を行う確認者端末に接続され、
前記送信部は、前記ユーザ端末から受信した前記本人確認情報を前記確認者端末に送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の本人確認情報取得装置。
【請求項6】
ユーザの本人確認を行うための一又は複数の本人確認情報をユーザ端末から取得するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記ユーザの本人確認書類の画像データである本人確認書類画像データを前記本人確認情報として前記ユーザ端末から受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信した前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否かを判定する判定手段と、
前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像ではないと前記判定手段によって判定された場合、エラー内容を認識可能な再撮影依頼を含むデータを前記ユーザ端末に送信する送信手段と、して機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
ユーザの本人確認を行うための一又は複数の本人確認情報をユーザ端末から取得する本人確認情報取得方法であって、
前記ユーザの本人確認書類の画像データである本人確認書類画像データを前記本人確認情報として前記ユーザ端末から受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否かを判定する判定ステップと、
前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像ではないと前記判定ステップにおいて判定された場合、エラー内容を認識可能な再撮影依頼を含むデータを前記ユーザ端末に送信する送信ステップと、を含む
ことを特徴とする本人確認情報取得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、本人確認情報取得装置、プログラム、及び本人確認情報取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関等で預金口座を開設する等の取引を開始する場合、その申込者について本人であることの確認(以下、「本人確認」という。)が必要である。
【0003】
従来は、申込者本人が、実際に金融機関へ向かい、当該金融機関の窓口で申し込むことが多かった。この場合、申込者は、申込者情報(氏名、住所、生年月日等)を申込書類に記入し、当該申込書類と写真付きの身分証明書(例えば、運転免許証等)とを金融機関の窓口に提出して口座開設を申し込む。申し込みを受けた金融機関側は、申込者の容貌と身分証明書に貼付されている顔写真を比較し、さらに申込書類に記載の申込者情報と身分証明書に記載の情報(氏名、住所、生年月日等)とを比較して本人確認を行う。
【0004】
しかし、申込者本人が、実際の金融機関の窓口で本人確認を行い、口座開設を申し込む方法では、申込者・金融機関のいずれにおいても時間的・物理的負担が大きい。このため、近年では、オンライン上で本人確認を完結可能なeKYC(electronic Know Your Customer)による本人確認を行い、口座開設を申し込む方法が多く利用されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、一般的なeKYCを用いたクレジットカード申込処理システムが開示されている。このクレジットカード申込システムは、サーバに対してユーザ端末が申込リクエストを発行し、サーバがそのリクエストを処理することによって構成される。申込者(ユーザ)は、ユーザ端末を用いてサーバへアクセスし、申込フォームを取得する。ユーザは、例えば運転免許証などの本人確認書類の画像を撮影し、その画像データを申込フォーム上で選択してサーバへ送信する。サーバは、その本人確認書類画像を用いて、申込リクエストを発行したのがユーザ本人であることを確認する。例えば、運転免許証の顔写真とユーザ本人の顔を同じ画像内に撮影し、サーバは、両者が一致するか否かによって、リクエスト発行者がユーザ本人であることを確認する。サーバは、本人確認ができた旨をユーザ端末に対して返信するとともに、個人情報を入力するためのフォームを送信する。ユーザは、個人情報を入力し、サーバは、その個人情報を用いて新規申込を審査する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-116848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のクレジットカード申込処理システムでは、ユーザは、運転免許証などの本人確認書類とユーザの容貌とを撮影してサーバへ送信する。サーバは、本人確認書類を撮影した画像(以下、「本人確認書類画像」という。)に含まれるユーザの顔写真と、ユーザが撮影したユーザの容貌の写真とを比較する処理(以下、「本人確認処理」という。)を行うことによって、申込者がユーザ本人であるか否か(当該ユーザが当該本人確認書類記載の者であるか否か)を確認する。この場合、本人確認の基礎となる本人確認書類画像が不鮮明である場合には、サーバは、正確な本人確認を行うことができず、ユーザにエラーを返して、本人確認書類画像の再撮影を求めることになる。
【0008】
このように、特許文献1に記載のクレジットカード申込処理システムでは、本人確認処理の後に本人確認書類画像(本人確認書類画像データ)のエラーを認識することになるので、エラー画像(エラーが含まれる本人確認書類画像データ)に基づいた無駄な本人確認処理が発生してしまう可能性がある。
【0009】
そこで、本開示は、無駄な本人確認処理の発生を抑えることが可能な本人確認情報取得装置、プログラム、及び本人確認情報取得方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、ユーザのユーザ端末に接続され、前記ユーザの本人確認を行うための一又は複数の本人確認情報を前記ユーザ端末から取得する本人確認情報取得装置であって、前記ユーザの本人確認書類の画像データである本人確認書類画像データを前記本人確認情報として前記ユーザ端末から受信する受信部と、前記受信部が受信した前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否かを判定する判定部と、前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像ではないと前記判定部が判定した場合、エラー内容を認識可能な再撮影依頼を含むデータを前記ユーザ端末に送信する送信部と、を備える。
【0011】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の本人確認情報取得装置であって、前記判定部による前記判定は、前記本人確認書類画像データの白飛び、黒潰れ、及び不鮮明さの少なくとも1つに基づいて行われる。
【0012】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様又は上記第2の態様の本人確認情報取得装置であって、前記受信部は、前記ユーザの容貌の撮影データである容貌撮影データを前記本人確認情報として前記ユーザ端末から受信する。
【0013】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様の本人確認情報取得装置であって、前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であると前記判定部が判定した場合に、前記本人確認書類画像データに含まれる前記本人確認書類に記載されている情報をOCR処理によって抽出する本人確認書類記載情報抽出部を備え、前記送信部は、前記本人確認書類記載情報抽出部が抽出した前記本人確認書類記載情報を前記ユーザ端末に送信し、前記受信部は、前記ユーザ端末側で確認されて訂正された又は訂正されなかった確認後の確認済み本人確認書類記載情報を前記本人確認情報として前記ユーザ端末から受信する。
【0014】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様の本人確認情報取得装置であって、前記本人確認情報取得装置は、本人確認を行う確認者端末に接続され、前記送信部は、前記ユーザ端末から受信した前記本人確認情報を前記確認者端末に送信する。
【0015】
本発明の第6の態様は、ユーザの本人確認を行うための一又は複数の本人確認情報をユーザ端末から取得するためのプログラムであって、コンピュータを、前記ユーザの本人確認書類の画像データである本人確認書類画像データを前記本人確認情報として前記ユーザ端末から受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否かを判定する判定手段と、前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像ではないと前記判定手段によって判定された場合、エラー内容を認識可能な再撮影依頼を含むデータを前記ユーザ端末に送信する送信手段と、して機能させる。
【0016】
本発明の第7の態様は、ユーザの本人確認を行うための一又は複数の本人確認情報をユーザ端末から取得する本人確認情報取得方法であって、前記ユーザの本人確認書類の画像データである本人確認書類画像データを前記本人確認情報として前記ユーザ端末から受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信した前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否かを判定する判定ステップと、前記本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像ではないと前記判定ステップにおいて判定された場合、エラー内容を認識可能な再撮影依頼を含むデータを前記ユーザ端末に送信する送信ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、無駄な本人確認処理の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る本人確認情報取得装置を含む本人確認情報取得システムのブロック図である。
図2】本人確認情報取得装置が実行する処理のフローチャートである。
図3】ユーザ端末を主としたフローチャートである。
図4】口座開設開始の画面の説明図である。
図5】本人確認書類の選択画面の説明図である。
図6】本人確認書類の撮影画面の説明図である。
図7】再撮影メッセージの表示画面の説明図である。
図8】ユーザの容貌の撮影画面の説明図である。
図9】本人確認書類記載情報確認画面の説明図である。
図10】本人確認情報取得システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0020】
本開示に係る本人確認情報取得装置は、ネットワークを介して本人確認を行うために必要な一又は複数の情報(以下、「本人確認情報」という。)を取得するための装置である。本人確認情報取得装置は、本人確認を行う確認者側が、本人確認される側であるユーザの本人確認をオンライン上で行う際に、一又は複数の本人確認情報をユーザ側から取得するために使用される。例えば、本人確認情報取得装置は、本人確認を行うクレジットカード会社や銀行等の確認者側が、クレジットカードや銀行等の口座を開設しようとするユーザの本人確認をオンライン上で行うために使用される。すなわち、ユーザは、確認者側のサービス等を利用するユーザを意味する。確認者側では、本人確認情報取得装置を介してユーザ側から取得した本人確認情報に基づいて、本人確認を行う。なお、確認者は、クレジットカード会社や銀行に限定されるものではなく、また、ユーザは、クレジットカードや銀行等の口座を開設しようとする者に限定されるものではない。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る本人確認情報取得装置を含む本人確認情報取得システムのブロック図である。
【0022】
図1に示すように、本人確認情報取得システムは、本人確認情報取得装置10と、ネットワーク1(インターネット、ローカルエリアネットワークを含む。以下同じ。)を通じて本人確認情報取得装置10に接続される確認者側の確認者端末2と、ネットワーク1を通じて本人確認情報取得装置10に接続されるユーザ側のユーザ端末3とを備える。すなわち、本実施形態に係る本人確認情報取得装置10は、ネットワーク1を通じて確認者端末2及びユーザ端末3に接続される。なお、図1には、1つの確認者端末2及び1つのユーザ端末3を図示しているが、これに限定されるものではなく、本人確認情報取得装置10は、複数の確認者端末2に接続されてもよく、また、複数のユーザ端末3に接続されてもよい。
【0023】
本人確認情報取得装置10は、本人確認情報をユーザ端末3からネットワーク1を通じて取得する(以下、単に「取得する」という。)。本実施形態の本人確認情報取得装置10は、本人確認情報をユーザ端末3から取得した後、確認者端末2へネットワーク1を通じて送信する(以下、単に「送信する」という。)。なお、本実施形態では、本人確認情報取得装置10は、ユーザ端末3から取得した本人確認情報を確認者端末2へ送信するが、これに限定されるものではない。例えば、本人確認情報取得装置10を確認者が所有する場合や、本人確認情報取得装置10と確認者端末2とが一体である場合には、本人確認情報取得装置10は、ユーザ端末3から取得した本人確認情報を確認者端末2へ送信してもよいし、或いは送信しなくてもよい。
【0024】
本人確認情報は、ユーザの本人確認書類の画像データである本人確認書類画像データを含む。本実施形態では、本人確認情報は、本人確認書類画像データに加え、ユーザの容貌を撮影した画像データである容貌撮影データ、及び本人確認書類記載情報を含む。本人確認書類は、顔写真つきの公的な身分証明書(例えば、運転免許証やマイナンバーカード等)であることが好ましい。なお、本開示において、「画像データ」とは、静止画像のデータを意味する。また、ユーザの容貌撮影データは、画像データに限定されるものではなく、ユーザの顔を含む動画データであってもよい。また、本人確認書類記載情報は、特定の個人を識別することが可能な個人情報であって、氏名、住所、生年月日等を含む。
【0025】
本実施形態の確認者端末2は、本人確認情報取得装置10から受信したユーザの本人確認情報に基づいて本人確認処理を行う。例えば、確認者端末2は、一般的な顔認証技術を用いて、本人確認書類画像データに含まれる顔画像と、ユーザの容貌撮影データに含まれる顔画像とを比較して、本人確認処理を行う。各データからの顔画像の抽出は、例えば、画像データや動画データの入力に対して顔画像を出力するように予め機械学習された学習モデルを用いて実行されてもよい。この場合、当該学習モデルに画像データや動画データを入力することによって顔画像が抽出される。確認者端末2は、上記本人確認処理に加えて、本人確認書類画像データに含まれる本人確認書類記載情報と、ユーザが入力した当該ユーザの情報とを比較して本人確認処理を行ってもよい。なお、本人確認処理は、コンピュータ(確認者端末2等)による処理に限定されるものではなく、例えば、本人確認情報取得装置10から受信したユーザの本人確認情報に基づいて、確認者が目視で本人確認処理を行ってもよい。
【0026】
(確認者端末)
確認者端末2は、例えばパーソナルコンピュータによって構成され、確認者(例えばクレジットカード会社や銀行等の企業)によって所有される。確認者端末2は、通信部21、記憶部22、表示部23、入力部24、制御部25等を備える。なお、確認者端末2は、上記の構成に限定されるものではなく、他の構成を備えていてもよい。
【0027】
通信部21は、ネットワーク1を介した外部との通信を実行する。
【0028】
記憶部22は、例えばハードディスクやメモリ等によって構成され、各種のデータ(プログラムを含む)を記憶する。
【0029】
表示部23は、例えばディスプレイ装置によって構成され、様々な情報を表示可能である。
【0030】
入力部24は、マウス、キーボード等によって構成され、所定の情報の入力を受け付ける。
【0031】
制御部25は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等によって構成され、所定のプログラムを実行することで端末(確認者端末2)の全体を制御する。
【0032】
(ユーザ端末)
ユーザ端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等によって構成され、ユーザによって所有される。ユーザ端末3は、通信部31、記憶部32、表示部33、撮影部36、入力部34、制御部35等を備える。なお、ユーザ端末3は、上記の構成に限定されるものではなく、他の構成を備えていてもよい。
【0033】
撮影部36は、アウトカメラやインカメラによって構成され、写真(静止画像)及び動画を撮影可能である。
【0034】
なお、ユーザ端末3の通信部31、記憶部32、表示部33、入力部34、及び制御部35の構成は、確認者端末2の通信部21、記憶部22、表示部23、入力部24、及び制御部25と略同様の構成であるため、その説明を省略する。
【0035】
(本人確認情報取得装置)
本人確認情報取得装置10は、ユーザ端末3から一又は複数の本人確認情報を取得するための装置であって、通信部11と、記憶部12と、判定部13とを備える。本実施形態の本人確認情報取得装置10は、通信部11、記憶部12、及び判定部13に加えて、本人確認書類記載情報抽出部14を更に備える。本人確認情報取得装置10は、図示しないCPUを備え、CPUは、各種プログラムを実行することによって、判定部13、及び本人確認書類記載情報抽出部14として機能する。なお、CPUの機能の一部を抽出して、抽出した機能を他の情報処理装置に設け、複数の情報処理装置を用いて各処理を実行してもよい。また、本人確認情報取得装置10は、確認者及びユーザの双方と異なる第三者(例えば、本人確認情報取得サービスを提供する者等)に所有されてもよいし、或いは確認者に所有されてもよい。
【0036】
通信部11は、受信部111と送信部112とを含み、ネットワーク1を介した外部装置(本実施形態では確認者端末2及びユーザ端末3)との通信を実行する。
【0037】
受信部111は、外部装置からの各種データを、ネットワーク1を介して受信する機能を有し、ユーザの本人確認書類画像データを本人確認情報としてユーザ端末3から受信する。また、本実施形態では、受信部111は、本人確認書類画像データに加え、ユーザの容貌撮影データ、及び後述する確認済み本人確認書類記載情報を、本人確認情報の1つとしてユーザ端末3から受信する。
【0038】
記憶部12は、例えばハードディスクやメモリ等によって構成され、受信部111がユーザ端末3から受信した本人確認書類画像データを記憶する。また、本実施形態では、記憶部12は、ユーザ端末3から受信したユーザの容貌撮影データ、本人確認書類画像データから抽出された本人確認書類記載情報、及びユーザ端末3から受信した後述する確認済み本人確認書類記載情報を記憶する。
【0039】
判定部13は、記憶部12に記憶された本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否かを、本人確認を行うことなく判定する。「本人確認に使用可能な画像」とは、確認者(確認者端末2)側で行う本人確認処理に適切な画像であって、本人確認書類画像データに含まれる顔画像(顔写真)が、他の明確な顔写真と比較して同一人物の顔であるか否かを判定することができる画像を意味する。本人確認に使用可能な画像であるか否かの判定基準は、確認者(確認者端末2)側で行う本人確認処理の内容に応じて異なってもよい。また、「本人確認を行うことなく判定する」とは、本人確認に使用可能な画像であるか否かの判定を本人確認処理(上記比較処理)の結果によって判別することを除く意味であり、本人確認処理を行うよりも前の本人確認書類画像データの取得段階で、本人確認に使用可能な画像であるか否か判定することを意味する。判定部13による上記判定は、本人確認書類画像データの白飛び、黒潰れ、及び不鮮明さの少なくとも1つに基づいて行われることが好ましい。
【0040】
なお、「白飛び」とは、被写体を撮影する際に被写体の表面に光が当たり過ぎて、撮影画像中の一部又は全部の領域が白で塗りつぶされた状態、或いは明るさの違いを判別することが困難なほどに白っぽくなる現象をいう。また、「黒潰れ」とは、被写体を撮影する際に被写体の表面に当たる光が少なく、撮影画像中の一部又は全部の領域が黒で塗りつぶされた状態、或いは明るさの違いを判別することが困難なほどに黒っぽくなる現象をいう。また、「不鮮明」とは、例えば、被写体を撮影する際に被写体に焦点が合っていなかったり(「ピンボケ」になっていたり)、被写体を撮影する際にカメラを持つ手が動いたり(「手ブレ」が生じたり)することによって、撮影画像中の被写体がぼやけている状態を意味する。
【0041】
上記判定を白飛び又は黒潰れに基づいて行う方法としては、例えば、本人確認書類画像データを所定の閾値を用いて2値化し、2値化された本人確認書類画像データの所定の位置(例えば、運転免許証の識別番号が記載されている箇所等)の画素の明るさと予め設定された閾値との比較による方法が挙げられる。上記所定の位置の画素の明るさが上限の閾値以上である場合には、光が映りこんで白飛びが発生しているとみなしてエラーと判定してもよく、また、上記所定の位置の画素の明るさが下限の閾値以下である場合には、黒潰れが発生しているとみなしてエラーと判定してもよい。なお、上記判定を白飛び又は黒潰れに基づいて行う方法は、上記に限定されるものではなく、画像のハイライトを検出するために一般的に使用される様々な方法を使用することができる。
【0042】
上記判定を不鮮明さ(ピンボケや手ブレ)に基づいて行う方法としては、撮影画像の画素値から不鮮明さに関する評価値を算出し、当該評価値と予め設定された閾値との比較による方法が挙げられる。上記評価値が閾値よりも低い場合に不鮮明である(ピンボケや手ブレが発生している)とみなしてエラーと判定してもよい。なお、上記判定を不鮮明さに基づいて行う方法は、上記に限定されるものではなく、画像のピンボケや手ブレを検出するために一般的に使用される様々な方法を使用することができる。
【0043】
本人確認書類記載情報抽出部14は、本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であると判定部13が判定した場合に、本人確認書類画像データに含まれる本人確認書類記載情報をOCR(Optical Character Recognition)処理によって文字データとして抽出する。本人確認書類記載情報抽出部14で抽出された本人確認書類記載情報は、記憶部12に記憶される。
【0044】
送信部112は、データを外部装置へネットワーク1を介して送信する機能を有する。送信部112は、本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像ではないと判定部13が判定した場合に、そのエラー内容を認識可能な再撮影依頼を含むデータ(以下、「再撮影依頼データ」という。)をユーザ端末3に送信する。再撮影依頼データは、エラー内容が、白飛び、黒潰れ、不鮮明(被写体がぼやけている)のいずれかであるかを明確に理解できる態様で、本人確認書類の再撮影をユーザ側へ依頼する再撮影依頼を、ユーザ端末3の表示部33に表示するためのデータである。
【0045】
エラー内容が白飛び又は黒潰れであることを認識可能とする再撮影依頼の表示としては、例えば、「周囲の光が本人確認書類に反射しています。光の反射が多い場所(照明の真下)を避けて撮影してください。また、フラッシュライトを使用している場合は、ライトをオフにして撮影してください。」、「本人確認書類が暗く、不鮮明であるので、もう少し明るい場所で撮影してください。」等のメッセージの表示が挙げられる。この際に、「尚、撮影面が光を反射しない角度に傾けると撮影に適した状態になりますが、その場合傾けすぎないよう注意してください。」等のアドバイスを付加してもよい。
【0046】
また、エラー内容が不鮮明であることを認識可能とする再撮影依頼の表示としては、例えば、「本人確認書類にピントが合っていません。画面内の本人確認書類にピントをあわせて撮影してください。」、「手ブレが発生しています。撮影時に手を動かさないように撮影してください。」等のメッセージの表示が挙げられる。この際に、「背景にピントが合ってしまうことがあるので、机などに置いて撮影してください。」、「レンズの汚れを拭き取ってから撮影してください。」等のアドバイスを付加してもよい。
【0047】
また、本実施形態の送信部112は、本人確認書類記載情報抽出部14で抽出されて記憶部12に記憶される本人確認書類記載情報をユーザ端末3に送信する。例えば、送信部112は、ユーザ端末3の表示部33に表示されるテキストボックスb(本人確認書類記載情報を入力するための入力欄。図10参照。)に、本人確認書類記載情報を訂正可能な状態で予め表示する態様で、ユーザ端末3に送信してもよい。また、本実施形態の送信部112は、記憶部12に記憶された本人確認書類画像データ、ユーザの容貌撮影データ、及び後述する確認済み本人確認書類記載情報を確認者端末2に送信する。
【0048】
次に、本人確認情報取得装置10が実行する処理について説明する。図2は、本人確認情報取得装置が実行する処理のフローチャートである。
【0049】
図2に示すように、本人確認情報取得装置10は、ユーザ端末3からのアクセスがあると、ユーザ端末3の撮影部36による本人確認書類の撮影を求める(ステップS11)。本人確認書類の撮影の一例としては、本人確認書類の表面、裏面、及び厚みの3つの静止画像の撮影が挙げられる。本実施形態では、先ず本人確認書類の表面の撮影を求める(ステップS11)。ここで撮影する本人確認書類の静止画像は、本人確認書類画像データとなる。
【0050】
次に、本人確認情報取得装置10の受信部111は、ステップS11で撮影された本人確認書類画像データをユーザ端末3から受信(取得)し、記憶部12に記憶する(ステップS12)。
【0051】
次に、本人確認情報取得装置10の判定部13は、記憶部12に記憶された本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否かを判定する(ステップS13)。本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像ではないと判定部13が判定した場合(ステップS13:NO)、ステップS11に戻り、送信部112は、そのエラー内容を認識可能な再撮影依頼データをユーザ端末3に送信し、本人確認書類の再撮影を求める。そして、ステップS13において、本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であると判定部13に判定されるまで、ステップS11~ステップS13が繰り返し実行される。
【0052】
ステップS13において、本人確認書類の表面の本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であると判定部13が判定した場合(ステップS13:YES)、本人確認書類の裏面の本人確認書類画像データ、本人確認書類の側面の本人確認書類画像データ、及びユーザの容貌撮影データをユーザ端末3から取得する(ステップS14)。本人確認書類の裏面の本人確認書類画像データは、ステップS11~ステップS13と同様の処理でユーザ端末3から取得することが好ましい。本人確認書類の側面の本人確認書類画像データは、本人確認書類の厚みが分かるように撮影されることが好ましく、ステップS11及びステップS12と同様の処理で取得できる。ユーザの容貌撮影データは、顔の正面からの静止画像の顔撮影データであってもよいし、顔の複数方向(正面、左右の斜め前方、上下の斜め前方など)からの静止画像の複数の容貌撮影データであってもよく、ステップS11及びステップS12と同様の処理で取得できる。或いは、ユーザの容貌撮影データは、顔の動画データであってもよく、この場合、本人確認情報取得装置10は、公知の顔抽出技術を用いて顔の動画データから顔画像を抽出してもよい。
【0053】
なお、本実施形態では、本人確認書類の表面の本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であると判定部13が判定した後に、本人確認書類の裏面及び側面の本人確認書類画像データと、ユーザの容貌撮影データとを取得したが、これに限定されるものではない。例えば、判定部13による判定を行う前に、全ての本人確認書類画像データ及び容貌撮影データを取得し、その後、本人確認書類の表面及び裏面の本人確認書類画像データについて判定部13による判定を行ってもよい。
【0054】
次に、本人確認情報取得装置10の本人確認書類記載情報抽出部14は、本人確認書類の表面及び裏面の本人確認書類画像データに含まれる本人確認書類記載情報をOCR処理によって文字データとして抽出し、記憶部12に記憶する(ステップS15)。
【0055】
次に、本人確認情報取得装置10の送信部112は、ステップS15で記憶部12に記憶された本人確認書類記載情報をユーザ端末3に送信する(ステップS16)。具体的には、送信部112は、本人確認書類記載情報をユーザ端末3の表示部33に表示するためのデータをユーザ端末3に送信する。本実施形態では、送信部112は、ステップS15で記憶部12に記憶された本人確認書類記載情報を、ユーザ端末3の表示部33に表示される本人確認書類記載情報入力用のテキストボックスb(図10参照)内に表示するためのデータをユーザ端末3に送信する。
【0056】
次に、本人確認情報取得装置10の受信部111は、ユーザ端末3の表示部33上でテキストボックスbに入力された本人確認書類記載情報を受信する(ステップS17)。当該本人確認書類記載情報は、ステップS16において送信した本人確認書類記載情報が、ユーザ端末3側で確認されて間違っていたために訂正された本人確認書類記載情報、又はユーザ端末3側で確認されて正しかったために訂正されなかった本人確認書類記載情報である。すなわち、ステップS17で受信部111が受信する本人確認書類記載情報は、ユーザ側で成否が確認された正しい本人確認書類記載情報(以下、「確認済み本人確認書類記載情報」という。)である。確認済み本人確認書類記載情報は、記憶部12に記憶される。
【0057】
次に、本人確認情報取得装置10の送信部112は、記憶部12に記憶される本人確認書類画像データ、ユーザの容貌撮影データ、及び確認済み本人確認書類記載情報を、確認者端末2へ送信する(ステップS18)。ステップS18におけるこれらのデータの送信は、本人確認情報取得装置10側から能動的に確認者端末2へ送信してもよいし、或いは、確認者端末2からの送信依頼を受けた後、受動的に(例えばダウンロード等によって)確認者端末2へ送信してもよい。
【0058】
次に、本実施形態に係る本人確認情報取得装置10を使用する場合のユーザ端末3側の処理の一例について説明する。
【0059】
図3は、ユーザ端末を主としたフローチャートである。図4は、口座開設開始の画面の説明図である。図5は、本人確認書類の選択画面の説明図である。図6は、本人確認書類の撮影画面の説明図である。図7は、再撮影メッセージの表示画面の説明図である。図8は、ユーザの容貌の撮影画面の説明図である。図9は、本人確認書類記載情報確認画面の説明図である。なお、図3の二点鎖線内の処理(ステップS23~ステップS28)は、本人確認情報取得装置10が実行する処理である。また、図4図9のユーザ端末3の表示部33の表示は一例であり、これに限定されるものではない。
【0060】
先ず、ユーザがユーザ端末3を使用して銀行口座開設等を申し込む際には、本人確認書類取得に関する各種説明(撮影依頼を含む)がユーザ端末3の表示部33(携帯端末の画面)に表示される(ステップS21)。
【0061】
例えば、図4に示すように、ユーザ端末3の表示部33には、本人確認書類取得に関する各種説明M1や「口座開設申込みボタン」B1等が表示される。「口座開設申込みボタン」B1をタップすると、図5に示すように、ユーザ端末3の表示部33には、本人確認書類の撮影を促すメッセージM1や、撮影する本人確認書類を選択する複数の本人確認書類選択ボタンB2等が表示される。ユーザが、ユーザ端末3の表示部33に表示される本人確認書類選択ボタンB2(図5参照)をタップすると、ユーザ端末3の撮影部36(カメラ)が起動する。
【0062】
ユーザは、ユーザ端末3の表示部33に表示される撮影依頼に従って、ユーザ端末3の撮影部36(カメラ)を使用して本人確認書類の表面(免許証オモテ面)を撮影し、本人確認情報取得装置10(サーバ)へアップロードする(ステップS22)。
【0063】
例えば、図6に示すように、ユーザ端末3の表示部33に表示される枠内に運転免許証の外枠を合わせるようにして、運転免許証の表面を撮影する。運転免許証の表面を撮影すると、ユーザ端末3の通信部31は、撮影した本人確認書類画像データを撮影後に自動的に、或いはユーザの操作に応じて、本人確認情報取得装置10へアップロード(送信)する。
【0064】
ユーザ端末3から本人確認情報取得装置10へアップロードされた本人確認書類画像データは、本人確認情報取得装置10の判定部13によって不鮮明さの判定(ピンボケ判定)が行われる(ステップS23)。判定部13による判定が、エラー判定(不鮮明であり本人確認に使用可能な画像ではない判定)である場合(ステップS24:YES)、エラー内容を認識可能なメッセージ(図3では「書類にピントが合っていません」)を含む再撮影依頼データが本人確認情報取得装置10からユーザ端末3へ送信される(ステップS25)。再撮影依頼データを受信したユーザ端末3の表示部33には、エラー内容を認識可能な上記メッセージが表示される。ユーザは、ステップS24でエラー判定が出なくなるまで(ステップS24:NOになるまで)、ステップS22~ステップS25を繰り返す。
【0065】
ステップS24でエラー判定が出ない場合(ステップS24:NO)、本人確認書類画像データは、判定部13によって白飛び又は黒潰れの判定(ハイライト判定)が行われる(ステップS26)。判定部13による判定が、エラー判定(白飛び又は黒潰れが発生しており本人確認に使用可能な画像ではない判定)である場合(ステップS27:YES)、エラー内容を認識可能なメッセージ(図3では「周囲の光が書類に反射しています」)を含む再撮影依頼データが本人確認情報取得装置10からユーザ端末3へ送信される(ステップS28)。再撮影依頼データを受信したユーザ端末3の表示部33には、エラー内容を認識可能な上記メッセージが表示される。例えば、図7に示すように、ユーザ端末3の表示部33には、エラー内容を認識可能なメッセージM3及び再撮影ボタンB3が表示される。ユーザは、ステップS27でエラー判定が出なくなるまで(ステップS24:NOになるまで)、ステップS22~ステップS28を繰り返す。
【0066】
ステップS27でエラー判定が出ない場合(ステップS27:NO)、ユーザは、ユーザ端末3の表示部33に表示される撮影依頼に沿って、ユーザ端末3の撮影部36を使用して、本人確認書類の側面(免許証の厚み)を撮影し、本人確認情報取得装置10へアップロードする(ステップS29)。
【0067】
次に、ユーザは、ユーザ端末3の表示部33に表示される撮影依頼に従って、ユーザ端末3の撮影部36を使用して、本人確認書類の裏面(免許証ウラ面)を撮影し、本人確認情報取得装置10へアップロードする(ステップS30)。本人確認書類の裏面の撮影については、上述した本人確認書類の表面の撮影と同様に、判定部13による不鮮明さ、白飛び、黒潰れの判定が、エラー判定が出なくなるまで行われる。
【0068】
次に、ユーザは、ユーザ端末3の表示部33に表示される撮影依頼に従って、ユーザ端末3の撮影部36を使用して、ユーザの容貌を撮影し、本人確認情報取得装置10へアップロードする(ステップS31)。更に、ユーザは、ユーザ端末3の表示部33に表示される撮影依頼に従って顔の向きを変え、ユーザ端末3の撮影部36を使用して、異なる向きからユーザの容貌を撮影し、本人確認情報取得装置10へアップロードする(ステップS32)。例えば、図8に示すように、ユーザは、顔又はユーザ端末3を動かして、複数の方向からユーザの容貌を撮影する。なお、図8に示す一点鎖線矢印は、撮影中に顔を上下左右に動かすことを表している。
【0069】
次に、ユーザは、本人確認書類記載情報を入力し、本人確認情報取得装置10へアップロードする(ステップS33)。例えば、図9に示すように、ユーザ端末3の表示部33には、本人確認書類記載情報を入力するためのテキストボックスbや本人確認書類画像データ等が表示される。ユーザは、テキストボックスbに本人確認書類記載情報を入力し、本人確認情報取得装置10へアップロードする。なお、本人確認書類画像データからOCR処理によって抽出した本人確認書類記載情報がテキストボックスbに予め入力されている場合には、ユーザによる本人確認書類記載情報の入力は、テキストボックスbに予め入力されている本人確認書類記載情報を確認し、修正する態様であってもよい。
【0070】
最後に、ユーザ端末3の表示部33には、終了画面が表示され(ステップS34)、ユーザ端末3側の処理が終了する。
【0071】
次に、本実施形態に係る本人確認情報取得装置10を含む本人確認情報取得システム全体の処理の流れの一例を説明する。図10は、本人確認情報取得システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0072】
本実施形態では、ユーザが、ユーザ端末3にインストールされているインターネットブラウザを使用して、クレジットカード会社や銀行等の確認者側が管理するウェブサイトにアクセスして口座開設を行う場合の本人確認情報取得システムの処理の流れについて説明する。
【0073】
図10に示すように、クレジットカード会社や銀行等の口座開設を行う場合、ユーザは、先ず、ユーザ端末3にインストールされているインターネットブラウザを使用して、クレジットカード会社や銀行等が管理するウェブサイトにアクセスし、口座開設の手続を開始する(ステップS41)。例えば、ユーザは、ユーザ端末3の表示部33に表示される上記ウェブサイト上の「口座開設申込みボタン」B1(図4参照)をタップすることによって、口座開設の手続を開始する。
【0074】
口座開設の手続が開始されると、ユーザ端末3は、本人確認情報取得装置10に接続される(ステップS42)。
【0075】
ユーザ端末3に接続された本人確認情報取得装置10は、本人確認情報を取得する手続を行うためのデータ(例えばHTTPデータ)をユーザ端末3へ送信する(ステップS43)。本人確認情報を取得する手続を行うためのデータは、本人確認書類の撮影及びユーザの容貌の撮影依頼を含む。例えば、図5に示すように、本人確認情報(本人確認書類画像データ)を取得する手続を行うための上記データは、本人確認書類の撮影を促すメッセージM1や、複数の本人確認書類選択ボタンB2等をユーザ端末3の表示部33に表示するデータであってもよい。
【0076】
ユーザは、ユーザ端末3の表示部33に表示される撮影依頼中の撮影指示に従って本人確認書類の画像の撮影を行う(ステップS44)。なお、ユーザの容貌撮影データの取得手続は、本人確認書類画像データの取得手続と同時並行的に行ってもよいし、本人確認書類画像データの取得後に行ってもよい。
【0077】
ユーザ端末3の通信部31は、撮影した本人確認書類画像データ及びユーザの容貌撮影データを撮影後に自動的に、或いはユーザの操作に応じて、本人確認情報取得装置10へ送信する(ステップS45)。
【0078】
本人確認情報取得装置10は、ユーザ端末3から受信した本人確認書類画像データ及びユーザの容貌撮影データを記憶部12に記憶し、判定部13は、記憶部12に記憶された本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否かを、本人確認処理を行うことなく判定する(ステップS46)。
【0079】
判定部13が、本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像ではないと判定した場合、送信部112は、そのエラー内容を認識可能な再撮影依頼データ(図7参照)をユーザ端末3に送信する(ステップS47)。
【0080】
再撮影依頼データをユーザ端末3で受けたユーザは、表示部33に表示されるエラー内容を認識し、再撮影依頼中の撮影指示に従って、エラーにならないように本人確認書類の再撮影を行う(ステップS48)。
【0081】
ユーザ端末3の通信部31は、再撮影した本人確認書類画像データを撮影後に自動的に、或いはユーザの操作に応じて、本人確認情報取得装置10へ送信する(ステップS49)。
【0082】
本人確認情報取得装置10は、再撮影された本人確認書類画像データを受信すると、ステップS46へ移行し、上記判定を再度実行する。このステップS46~ステップS49は、本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であると判定部13が判定するまで、繰り返して実行される。なお、これらの処理は、本人確認書類の裏面の撮影の際にも実行される。
【0083】
ステップS46において、判定部13が、本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であると判定した場合、本人確認書類記載情報抽出部14は、本人確認書類画像データに含まれる本人確認書類記載情報をOCR処理によって文字データとして抽出する(ステップS50)。本人確認書類記載情報抽出部14で抽出された本人確認書類記載情報は、記憶部12に記憶される。
【0084】
本人確認情報取得装置10の送信部112は、本人確認書類記載情報抽出部14で抽出された本人確認書類記載情報をユーザ端末3に送信する(ステップS51)。例えば、図9に示すように、送信部112は、ユーザ端末3の表示部33に表示されるテキストボックスbに本人確認書類記載情報を訂正可能な状態で予め表示する態様で送信する。
【0085】
ユーザは、ユーザ端末3の表示部33に表示されるテキストボックスb内の本人確認書類記載情報を確認し、正しい本人確認書類記載情報を訂正することなくそのままにしておき、間違っている本人確認書類記載情報を、訂正入力する(ステップS52)。
【0086】
ユーザ端末3の表示部33のテキストボックスbに入力されている訂正された或いは訂正されなかった確認済み本人確認書類記載情報は、ユーザの操作に応じて、ユーザ端末3から本人確認情報取得装置10へ送信される(ステップS53)。
【0087】
本人確認情報取得装置10は、ユーザ端末3から受信した確認済み本人確認書類記載情報を記憶部12に記憶し、送信部112は、記憶部12に記憶された本人確認書類画像データ、ユーザの容貌撮影データ、及び確認済み本人確認書類記載情報を確認者端末2へ送信する(ステップS54)。
【0088】
確認者端末2は、受信した本人確認書類画像データ、ユーザの容貌撮影データ、及び確認済み本人確認書類記載情報を記憶部12に記憶し、本人確認処理を実行する(ステップS55)。例えば、確認者端末2は、本人確認書類画像データに含まれる顔画像と、ユーザの容貌撮影データに含まれる顔画像とを比較して、本人確認処理を行う。
【0089】
上記のように構成された本人確認情報取得装置10では、判定部13は、ユーザ端末3から受信した本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否かを判定する。このように、確認者が本人確認処理を行うよりも前の本人確認書類画像データの取得段階で、当該本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否か判定するので、無駄な本人確認処理の発生を抑えることができる。
【0090】
また、送信部112は、本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像ではないと判定部13が判定した場合、エラー内容を認識可能な再撮影依頼データをユーザ端末3に送信する。このように、ユーザ端末3に送信される再撮影依頼データは、エラー内容を認識可能であるので、再撮影を求められたユーザは、具体的なエラーの内容(例えば、ピンボケ、白飛び等)を認識することができ、再撮影する際に、撮影場所を前回の撮影場所から変更したり、或いは手ブレ等を起こさないように気をつけたりするなどして、同じ内容のエラーの発生を防止することができる。このため、複数回のエラーの発生を抑えることができ、再撮影の繰り返しを防止することができる。
【0091】
また、判定部13による判定を、本人確認書類画像データの白飛び、黒潰れ、及び不鮮明さの少なくとも1つに基づいて行うことによって、発生し易いエラー(白飛び、黒潰れ、及び不鮮明(ピンボケ、手ブレ)によるエラー)を、本人確認処理を行うよりも前に発見することができる。
【0092】
また、受信部111は、ユーザの容貌撮影データを本人確認情報としてユーザ端末3から受信する。このため、本人確認に必要な本人確認書類画像データ及びユーザの容貌撮影データの双方を本人確認情報取得装置10によって取得することができる。
【0093】
また、本人確認書類記載情報抽出部14は、本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であると判定部13が判定した場合に、本人確認書類画像データに含まれる本人確認書類記載情報をOCR処理によって文字データとして抽出し、送信部112は、抽出された本人確認書類記載情報をユーザ端末3に送信する。このため、ユーザ側では、本人確認情報取得装置10から受信した本人確認書類記載情報の確認及び訂正を行えばよいので、全ての本人確認書類記載情報を入力する場合とは異なり、ユーザによる本人確認書類記載情報を入力する手間を抑えることができる。
【0094】
また、一般に、OCR処理時にエラーが発生した場合、その具体的なエラーの内容(例えば、白飛び、黒潰れ、及び不鮮明(ピンボケ、手ブレ)等)を認識することができない。本実施形態では、本人確認に使用可能な画像であると判定部13が判定した本人確認書類画像データを基にしてOCR処理を実行するので、上記エラーの発生を防止することができる。このため、OCR処理時に文字データの抽出ができないというエラー(内容を認識できないエラー)の発生を抑えることができる。
【0095】
また、受信部111は、ユーザ端末3側で確認された確認済み本人確認書類記載情報を本人確認情報としてユーザ端末3から受信する。このため、ユーザ端末3側で確認された正確な本人確認書類記載情報(確認済み本人確認書類記載情報)を取得することができる。
【0096】
また、送信部112は、ユーザ端末3から受信した本人確認書類画像データ、ユーザの容貌撮影データ、及び確認済み本人確認書類記載情報を確認者端末2に送信する。このため、確認者端末2は、本人確認に使用可能な本人確認書類画像データ、ユーザの容貌の撮影データ、及び確認済み本人確認書類記載情報を、本人確認情報取得装置10を介してユーザ端末3から取得することができる。
【0097】
なお、本実施形態では、本人確認情報取得装置10は、確認者端末2に接続され、ユーザ端末3から受信した本人確認書類画像データ、ユーザの容貌撮影データ、及び確認済み本人確認書類記載情報を確認者端末2に送信したが、これに限定されるものではない。例えば、本人確認情報取得装置10を確認者が所有する場合や、確認者端末2が本人確認情報取得装置10としても機能する場合(確認者端末2が本人確認情報取得装置10の機能を有する場合)等には、本人確認情報取得装置10は、ユーザ端末3から受信した本人確認書類画像データ、ユーザの容貌撮影データ、及び確認済み本人確認書類記載情報を確認者端末2に送信しなくてもよい。
【0098】
また、本実施形態では、本人確認書類記載情報抽出部14は、本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であると判定部13が判定した場合に、本人確認書類画像データに含まれる本人確認書類記載情報をOCR処理によって文字データとして抽出したが、本人確認書類画像データから本人確認書類記載情報を抽出しなくてもよい。例えば、本人確認情報取得装置10は、本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であると判定部13が判定した場合に、OCR処理(S50)を行うことなくステップS51に進んでもよいし、或いは、図10に破線矢印で示すように、ユーザ端末3から受信した本人確認書類画像データ、或いは本人確認書類画像データ及びユーザの容貌撮影データを確認者端末2に送信してもよい(S56)。すなわち、本人確認情報取得装置10は、本人確認書類記載情報抽出部14を備えなくてもよい。
【0099】
また、本実施形態では、本人確認書類画像データを取得し、OCR処理を実行する前に、判定部13による上記判定を行ったが、これに限定されるものではなく、OCR処理を実行した後に、判定部13による上記判定を行ってもよい。
【0100】
また、本実施形態では、本人確認情報取得装置10は、ユーザの容貌撮影データをユーザ端末3から受信し、確認者端末2へ送信したが、これに限定されるものではなく、少なくとも本人確認書類画像データをユーザ端末3から受信し、判定部13による判定を実行して、本人確認に使用可能な本人確認書類画像データを取得すればよい。確認者は、本人確認情報取得装置10で取得した本人確認書類画像データと、本人確認情報取得装置10とは異なる他の方法で取得したユーザの容貌撮影データとを比較して、本人確認を実行してもよい。
【0101】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、ユーザの本人確認を行うための一又は複数の本人確認情報をユーザ端末3から取得するためのプログラムであって、コンピュータ(本人確認情報取得装置10)を、ユーザの本人確認書類画像データを本人確認情報としてユーザ端末3から受信する受信手段と、受信手段によって受信した本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否かを判定する判定手段と、本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像ではないと判定手段によって判定された場合、エラー内容を認識可能な再撮影依頼データをユーザ端末3に送信する送信手段と、して機能させる。
【0102】
上記構成のプログラムによれば、上記本人確認情報取得装置10と同様に、無駄な本人確認処理の発生を抑えることができる。また、再撮影の繰り返しを防止することができる。
【0103】
なお、本開示に係るプログラムは、上記本人確認情報取得システム(図10参照)に含まれる他の処理を実行する手段を含んでもよい。
【0104】
本発明の一実施形態に係る本人確認情報取得方法は、ユーザの本人確認を行うための一又は複数の本人確認情報をユーザ端末3から取得する本人確認情報取得方法であって、ユーザの本人確認書類画像データを本人確認情報としてユーザ端末3から受信する受信ステップ(S45)と、受信ステップにおいて受信した本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像であるか否かを判定する判定ステップ(S46)と、本人確認書類画像データが本人確認に使用可能な画像ではないと判定ステップにおいて判定された場合、エラー内容を認識可能な再撮影依頼データをユーザ端末3に送信する送信ステップ(S47)と、を含む。
【0105】
上記構成の本人確認情報取得方法によれば、上記本人確認情報取得装置10と同様に、無駄な本人確認処理の発生を抑えることができる。また、再撮影の繰り返しを防止することができる。
【0106】
なお、本開示に係る本人確認情報取得方法は、上記本人確認情報取得システム(図10参照)に含まれる他のステップを含んでもよい。
【0107】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0108】
2:確認者端末
3:ユーザ端末
10:本人確認情報取得装置
11:通信部
111:受信部
112:送信部
13:判定部
14:本人確認書類記載情報抽出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10