(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158897
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20241031BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20241031BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241031BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241031BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02F1/1335 505
F21S2/00 482
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074518
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 智徳
(72)【発明者】
【氏名】箕浦 潔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 修
【テーマコード(参考)】
2H291
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H291FA02Y
2H291FA08Y
2H291FA14Y
2H291GA19
2H291GA21
2H291HA15
2H291LA23
2H391AA03
2H391AB04
2H391AB14
2H391AB21
2H391AB34
2H391AC13
2H391AC25
2H391CB02
2H391CB13
2H391CB32
2H391EA02
3K244AA01
3K244BA01
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA13
3K244DA24
3K244GA01
3K244GA02
(57)【要約】
【課題】表示品位の向上を図る。
【解決手段】表示装置10は、青色の波長領域に含まれる第1波長λ1が主発光波長とされる第1発光素子25と、青色の波長領域に含まれて第1波長λ1よりも長波長の第2波長λ2が主発光波長とされる第2発光素子26と、第1発光素子25及び第2発光素子26に対して出光側に配される第1カラーフィルタ22αであって、青色の波長領域の光である青色光を選択的に透過し、透過スペクトルのピーク波長が、青色の波長領域に含まれる第3波長λ3とされる第1カラーフィルタ22αと、第1発光素子25及び第2発光素子26に対して出光側に配される第2カラーフィルタ22βであって、青色光を選択的に透過し、透過スペクトルのピーク波長が、青色の波長領域に含まれて第3波長λ3よりも長波長の第4波長λ4とされる第2カラーフィルタ22βと、を備える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
青色の波長領域に含まれる第1波長が主発光波長とされる第1発光素子と、
前記青色の波長領域に含まれて前記第1波長よりも長波長の第2波長が主発光波長とされる第2発光素子と、
前記第1発光素子及び前記第2発光素子に対して出光側に配される第1カラーフィルタであって、前記青色の波長領域の光である青色光を選択的に透過し、透過スペクトルのピーク波長が、前記青色の波長領域に含まれる第3波長とされる第1カラーフィルタと、
前記第1発光素子及び前記第2発光素子に対して出光側に配される第2カラーフィルタであって、前記青色光を選択的に透過し、透過スペクトルのピーク波長が、前記青色の波長領域に含まれて前記第3波長よりも長波長の第4波長とされる第2カラーフィルタと、を備える表示装置。
【請求項2】
前記第1カラーフィルタ及び前記第2カラーフィルタの面積の和に占める前記第1カラーフィルタの面積の比率を第1面積比率とし、前記第1カラーフィルタ及び前記第2カラーフィルタの前記透過スペクトルのピーク強度の和に占める前記第1カラーフィルタの前記ピーク強度の比率を第1ピーク強度比率としたとき、
前記第1カラーフィルタは、前記第1面積比率または前記第1ピーク強度比率が、12%~68%の範囲とされる請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1カラーフィルタは、前記第1面積比率または前記第1ピーク強度比率が、20%~60%の範囲とされる請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1カラーフィルタは、前記第1面積比率または前記第1ピーク強度比率が、30%~50%の範囲とされる請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
光を照射する照明装置と、
前記照明装置からの光を利用して画像を表示する表示パネルと、を備え、
前記照明装置は、前記第1発光素子及び前記第2発光素子に加えて、前記第1発光素子及び前記第2発光素子に対して出光側に配されて前記青色の波長領域の光である青色光を、緑色の波長領域から赤色の波長領域までに含まれる光に波長変換する波長変換部を有し、
前記表示パネルは、前記第1カラーフィルタ及び前記第2カラーフィルタに加えて、前記緑色の波長領域の光である緑色光を選択的に透過する第3カラーフィルタと、前記赤色の波長領域の光である赤色光を選択的に透過する第4カラーフィルタと、を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルは、表示単位である画素を構成する画素電極を複数有しており、
複数の前記画素電極には、前記第1カラーフィルタ及び前記第2カラーフィルタと重畳して配される第1画素電極と、前記第3カラーフィルタと重畳して配される第2画素電極と、前記第4カラーフィルタと重畳して配される第3画素電極と、が含まれ、
前記第1カラーフィルタは、前記第1画素電極の一部と重畳して配され、
前記第2カラーフィルタは、前記第1カラーフィルタに隣接する位置にて前記第1画素電極のうちの残りの部分と重畳して配される請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、表示単位である画素を構成する画素電極を複数有しており、
複数の前記画素電極には、前記第1カラーフィルタと重畳して配される第4画素電極と、前記第2カラーフィルタと重畳して配される第5画素電極と、前記第3カラーフィルタと重畳して配される第6画素電極と、前記第4カラーフィルタと重畳して配される第7画素電極と、が含まれる請求項5記載の表示装置。
【請求項8】
前記第4画素電極及び前記第5画素電極は、面積が同じとされており、
前記第1カラーフィルタ及び前記第2カラーフィルタは、面積が同じとされて膜厚と含有する顔料または染料の濃度との少なくとも一方が異なる請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1カラーフィルタ及び前記第2カラーフィルタは、面積が異なる請求項7記載の表示装置。
【請求項10】
前記照明装置は、光源を備え、
前記光源は、前記第1発光素子及び前記第2発光素子と、前記第1発光素子及び前記第2発光素子を収容する収容部と、前記収容部内に充填されて前記第1発光素子及び前記第2発光素子を封止する封止部と、を有する請求項5記載の表示装置。
【請求項11】
前記波長変換部は、前記封止部に含有される蛍光体からなる請求項10記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1発光素子は、前記第1波長が420nm~450nmの範囲とされ、
前記第2発光素子は、前記第2波長が450nm~480nmの範囲とされる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置の一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1には、表示装置としてバックライト付きディスプレイが開示されている。特許文献1に記載されたバックライト付きディスプレイは、全体的なパワーを有するスペクトルパワー分布(SPD:spectral power distribution)、および全体的なパワーの少なくとも25%の青色SPDパワーを有する440~490nmの青色範囲を有する高概日刺激バックライトスペクトルを発するように構成されたバックライトと、少なくとも3つのサブピクセルを形成する少なくとも1つの第1のフィルタ、第2のフィルタ、および第3のフィルタを含む少なくとも3つのフィルタを含むピクセルアレイであって、バックライトがピクセルアレイに対して光を照射するように構成された、ピクセルアレイと、を備え、ディスプレイ光は、少なくとも85%のsRGBカバー率を有する色域を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2022/0404667号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載されたバックライト付きディスプレイでは、バックライトが、主発光波長の異なる紫色LEDとロングブルーLEDとを有している。例えば、紫色LEDの発光量とロングブルーLEDの発光量とを調整することで、サーカディアンリズムに適合した光を利用した画像の表示が可能となる。しかしながら、紫色LEDの発光量とロングブルーLEDの発光量とが変動すると、それに起因して表示画像における白色に係る色度も変動し得る。このため、例えば画像が表示される時間帯によって表示画像の色味が変動することになり、表示品位が芳しくない、という問題があった。
【0005】
本明細書に記載の技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、表示品位の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本明細書に記載の技術に関わる表示装置は、青色の波長領域に含まれる第1波長が主発光波長とされる第1発光素子と、前記青色の波長領域に含まれて前記第1波長よりも長波長の第2波長が主発光波長とされる第2発光素子と、前記第1発光素子及び前記第2発光素子に対して出光側に配される第1カラーフィルタであって、前記青色の波長領域の光である青色光を選択的に透過し、透過スペクトルのピーク波長が、前記青色の波長領域に含まれる第3波長とされる第1カラーフィルタと、前記第1発光素子及び前記第2発光素子に対して出光側に配される第2カラーフィルタであって、前記青色光を選択的に透過し、透過スペクトルのピーク波長が、前記青色の波長領域に含まれて前記第3波長よりも長波長の第4波長とされる第2カラーフィルタと、を備える。
【0007】
(2)また、上記表示装置は、上記(1)に加え、前記第1カラーフィルタ及び前記第2カラーフィルタの面積の和に占める前記第1カラーフィルタの面積の比率を第1面積比率とし、前記第1カラーフィルタ及び前記第2カラーフィルタの前記透過スペクトルのピーク強度の和に占める前記第1カラーフィルタの前記ピーク強度の比率を第1ピーク強度比率としたとき、前記第1カラーフィルタは、前記第1面積比率または前記第1ピーク強度比率が、12%~68%の範囲とされてもよい。
【0008】
(3)また、上記表示装置は、上記(2)に加え、前記第1カラーフィルタは、前記第1面積比率または前記第1ピーク強度比率が、20%~60%の範囲とされてもよい。
【0009】
(4)また、上記表示装置は、上記(3)に加え、前記第1カラーフィルタは、前記第1面積比率または前記第1ピーク強度比率が、30%~50%の範囲とされてもよい。
【0010】
(5)また、上記表示装置は、上記(1)から上記(4)のいずれかに加え、光を照射する照明装置と、前記照明装置からの光を利用して画像を表示する表示パネルと、を備え、前記照明装置は、前記第1発光素子及び前記第2発光素子に加えて、前記第1発光素子及び前記第2発光素子に対して出光側に配されて前記青色の波長領域の光である青色光を、緑色の波長領域から赤色の波長領域までに含まれる光に波長変換する波長変換部を有し、前記表示パネルは、前記第1カラーフィルタ及び前記第2カラーフィルタに加えて、前記緑色の波長領域の光である緑色光を選択的に透過する第3カラーフィルタと、前記赤色の波長領域の光である赤色光を選択的に透過する第4カラーフィルタと、を有してもよい。
【0011】
(6)また、上記は表示装置、上記(5)に加え、前記表示パネルは、表示単位である画素を構成する画素電極を複数有しており、複数の前記画素電極には、前記第1カラーフィルタ及び前記第2カラーフィルタと重畳して配される第1画素電極と、前記第3カラーフィルタと重畳して配される第2画素電極と、前記第4カラーフィルタと重畳して配される第3画素電極と、が含まれ、前記第1カラーフィルタは、前記第1画素電極の一部と重畳して配され、前記第2カラーフィルタは、前記第1カラーフィルタに隣接する位置にて前記第1画素電極のうちの残りの部分と重畳して配されてもよい。
【0012】
(7)また、上記表示装置は、上記(5)に加え、前記表示パネルは、表示単位である画素を構成する画素電極を複数有しており、複数の前記画素電極には、前記第1カラーフィルタと重畳して配される第4画素電極と、前記第2カラーフィルタと重畳して配される第5画素電極と、前記第3カラーフィルタと重畳して配される第6画素電極と、前記第4カラーフィルタと重畳して配される第7画素電極と、が含まれてもよい。
【0013】
(8)また、上記表示装置は、上記(7)に加え、前記第4画素電極及び前記第5画素電極は、面積が同じとされており、前記第1カラーフィルタ及び前記第2カラーフィルタは、面積が同じとされて膜厚と含有する顔料または染料の濃度との少なくとも一方が異なってもよい。
【0014】
(9)また、上記表示装置は、上記(7)に加え、前記第1カラーフィルタ及び前記第2カラーフィルタは、面積が異なってもよい。
【0015】
(10)また、上記表示装置は、上記(5)から上記(9)のいずれかに加え、前記照明装置は、光源を備え、前記光源は、前記第1発光素子及び前記第2発光素子と、前記第1発光素子及び前記第2発光素子を収容する収容部と、前記収容部内に充填されて前記第1発光素子及び前記第2発光素子を封止する封止部と、を有してもよい。
【0016】
(11)また、上記表示装置は、上記(10)に加え、前記波長変換部は、前記封止部に含有される蛍光体からなってもよい。
【0017】
(12)また、上記表示装置は、上記(1)から上記(11)のいずれかに加え、前記第1発光素子は、前記第1波長が420nm~450nmの範囲とされ、前記第2発光素子は、前記第2波長が450nm~480nmの範囲とされてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本明細書に記載の技術によれば、表示品位の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態1に係る液晶表示装置の概略的な側面図
【
図2】実施形態1に係る液晶表示装置を構成する液晶パネル及びバックライト装置を示す断面図
【
図3】実施形態1に係る液晶パネルの表示領域における断面図
【
図4】実施形態1に係るバックライト装置に備わるLEDの断面図
【
図5】実施形態1に係る第1LED素子を点灯し、第2LED素子を非点灯とした場合のLEDの発光スペクトルを示すグラフ
【
図6】実施形態1に係る第1LED素子の発光量と、第2LED素子の発光量と、を同じにした場合のLEDの発光スペクトルを示すグラフ
【
図7】実施形態1に係る第2LED素子を点灯し、第1LED素子を非点灯とした場合のLEDの発光スペクトルを示すグラフ
【
図8】実施形態1に係る第1色度、第2色度及び第3色度を表すCIE1931色度図
【
図9】実施形態1に係る液晶パネルに備わる対向基板の平面図
【
図10】実施形態1に係る液晶パネルにおける
図9のx-x線断面図
【
図11】実施形態1に係る各カラーフィルタの透過スペクトルを示すグラフ
【
図12】実施形態1に係る検証実験1の実験結果を表すグラフ
【
図14】実施形態2に係る液晶パネルにおける
図13のxiv-xiv線断面図
【
図15】実施形態2に係る液晶パネルにおける
図13のxv-xv線断面図
【
図16】実施形態2に係る各カラーフィルタの透過スペクトルを示すグラフ
【
図17】実施形態2に係る検証実験2の実験結果を表すグラフ
【
図19】実施形態3に係る液晶パネルにおける
図18のxix-xix線断面図
【
図20】実施形態3に係る検証実験3の実験結果を表すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
実施形態1を
図1から
図12によって説明する。本実施形態では、液晶表示装置(表示装置)10について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、
図1から
図4、及び
図10に示す上側を表側とし、同図下側を裏側とする。
【0021】
液晶表示装置10は、
図1に示すように、画像を表示する液晶パネル(表示パネル)11と、液晶パネル11の裏側(背面側)に配されて液晶パネル11に表示のための光を照射するバックライト装置(照明装置)12と、を備える。液晶パネル11及びバックライト装置12は、表裏に重ねられた状態で所定の保持部材によって保持されている。
【0022】
液晶パネル11は、
図2に示すように、バックライト装置12に対して表側(出光側)に配されている。液晶パネル11は、互いに貼り合わせられる一対の基板11A,11Bと、一対の基板11A,11B間に封入された液晶層11C(
図3を参照)と、を有する。一対の基板11A,11Bのうち表側(正面側)が対向基板11Aとされ、裏側(背面側)がアレイ基板11Bとされる。なお、対向基板11A及びアレイ基板11Bの各内面には、それぞれ配向膜が設けられている。また、対向基板11A及びアレイ基板11Bの各外面には、それぞれ偏光板11D,11Eが取り付けられている。
【0023】
液晶パネル11は、
図2に示すように、主面の中央側部分が、画像が表示される表示領域AAされ、表示領域AAを取り囲む外周側部分が、画像が表示されない非表示領域NAAとされる。アレイ基板11Bは、対向基板11Aよりも大型となっていてその一部が対向基板11Aに対して側方に突き出す突き出し部11B1となっている。突き出し部11B1は、対向基板11Aにより覆われずに露出している。突き出し部11B1は、全域が非表示領域NAAであり、各種信号を供給するためのドライバ13及びフレキシブル基板14が実装されている。
【0024】
バックライト装置12は、
図2に示すように、いわゆる直下型とされ、光を出射する主面(出光主面)が液晶パネル11の裏側の主面と対向している。バックライト装置12の出光主面のうち、液晶パネル11の表示領域AAに対して平面に視て重畳する中央側部分が光を出射する出光領域とされる。バックライト装置12の出光主面のうち、液晶パネル11の非表示領域NAAに対して平面に視て重畳する外周側部分が光を出射することが殆どない非出光領域とされる。バックライト装置12は、光源であるLED(Light Emitting Diode)15と、複数のLED15が設けられたLED基板(光源基板)16と、LED15から発せられた光に光学作用を付与する光学部材17と、を少なくとも備える。
【0025】
LED15は、
図2に示すように、LED基板16上に表面実装されている。LED15は、光を発する発光面15Aが、LED基板16側とは反対側(表側、光学部材17側)を向いた、いわゆる頂面発光型とされている。LED15は、その光軸がZ軸方向と一致している。ここで言う「光軸」とは、LED15における発光光のうち、発光強度が最も高い(ピークとなる)光の進行方向と一致する軸のことである。本実施形態では、LED15として、全体として白色を呈する白色光を発する白色LEDが用いられる。LED15の詳しい構成に関しては、後に改めて説明する。
【0026】
LED基板16は、
図2に示すように、液晶パネル11の主面に並行する主面を有する板状またはフィルム状をなしている。LED基板16の一対の主面のうちの表側を向いた主面には、複数のLED15が表面実装されており、ここが実装面となっている。LED15は、LED基板16の表側の主面内においてX軸方向及びY軸方向についてそれぞれ間隔を空けた位置に複数ずつ並んで配列されている。複数のLED15の配列は、マトリックス状配列でもよいが、千鳥状配列でもよい。
【0027】
光学部材17は、
図2に示すように、液晶パネル11及びLED基板16の各主面に並行する主面を有する板状またはシート状をなしている。光学部材17は、LED15に対してZ軸方向について表側に間隔を空けた位置に配される。光学部材17は、LED15から発せられた光に所定の光学作用を付与しつつ液晶パネル11に向けて出射させる機能を有する。光学部材17は、
図2では3枚が相互に積層して配されている。3枚の光学部材17には、拡散板、プリズムシート、拡散シート等が含まれる。拡散板及び拡散シートは、入射した光を拡散させて出射する機能を有する。プリズムシートは、入射した光を集光して出射する機能を有する。
【0028】
次に、液晶パネル11の表示領域AAにおける概略的な断面構成について
図3を用いて説明する。アレイ基板11Bの表示領域AAの内面側には、
図3に示すように、画素回路部18、共通電極19及び画素電極20等が設けられる。画素回路部18は、画素PXを駆動するための回路素子(TFT等)や配線(ゲート配線及びソース配線等)を含む。共通電極19は、全ての画素電極20と重畳するよう、アレイ基板11Bの主面内のほぼ全域にわたってベタ状に形成されている。共通電極19には、画素回路部18によって共通電位(基準電位)とされる共通電位信号が供給されている。画素電極20は、画素PXを構成しており、複数がアレイ基板11Bの主面内において行列状に並んで配されている。複数の画素電極20は、面積(平面に視た大きさ)が全てほぼ等しい。共通電極19及び画素電極20は、いずれもITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極材料からなる。画素電極20は、画素回路部18に含まれるTFTに接続されており、TFTのスイッチング動作に基づいて所定の電位(ソース配線に供給される画像信号に基づく電位)に充電されるようになっている。画素電極20は、共通電極19に対して絶縁膜24を介して上層側(液晶層11C側)に配されている。画素電極20には、複数のスリット20Sが開口形成されている。画素電極20が充電されると、画素電極20と共通電極19との間には電位差が生じる。すると、画素電極20におけるスリット20Sの開口縁と共通電極19との間には、アレイ基板11Bの主面に沿う成分に加えて、アレイ基板11Bの主面に対する法線方向の成分を含むフリンジ電界(斜め電界)が生じる。従って、このフリンジ電界を利用することで液晶層11Cに含まれる液晶分子の配向状態を制御することができ、この液晶分子の配向状態に基づいて所定の表示がなされる。つまり、本実施形態に係る液晶パネル11は、動作モードがFFS(Fringe Field Switching)モードとされている。
【0029】
対向基板11Aの表示領域AAの内面側には、
図3に示すように、遮光部(ブラックマトリクス)21、カラーフィルタ22及びオーバーコート膜23等が設けられる。カラーフィルタ22は、アレイ基板11Bの画素電極20と重畳して配され、赤色(R),緑色(G),青色(B)の3色を呈する。カラーフィルタ22は、呈する色に応じた顔料を含有しており、その顔料によって非呈色光を吸収することで呈色光(特定の色の光)を選択的に透過する。互いに対向するカラーフィルタ22と画素電極20とが、表示単位である画素PXを構成する。画素PXには、青色を呈する青色画素(第1画素)BPXと、緑色を呈する緑色画素(第2画素)GPXと、赤色を呈する赤色画素(第3画素)RPXと、が含まれる。液晶パネル11は、これら3色の画素GPX,BPX,RPXによって所定の階調のカラー表示が可能とされる。遮光部21は、隣り合うカラーフィルタ22間を仕切るよう格子状をなしており、各カラーフィルタ22(各画素電極20)と重畳する位置に開口部21Aを有している。光は、遮光部21によって遮られるものの、開口部21Aを透過することができる。開口部21Aは、対向基板11Aの主面内においてX軸方向及びY軸方向について間隔を空けて複数が行列状に並んで配されている。複数の開口部21Aは、面積(平面に視た大きさ)が全てほぼ等しい。遮光部21は、各画素PXを取り囲むよう配されることで、画素PX間の混色防止等に機能する。オーバーコート膜23は、対向基板11Aのほぼ全域にわたってベタ状に配され、対向基板11Aの内面を平坦化するのに機能する。なお、両基板11A,11Bの最内面には、液晶層11Cに含まれる液晶分子を配向させるための配向膜がそれぞれ設けられている。
【0030】
続いて、LED15の詳しい構成について
図4を用いて説明する。LED15は、
図4に示すように、2つのLED素子(発光素子)25,26と、2つのLED素子25,26を収容する収容部27と、収容部27内に充填されて2つのLED素子25,26を封止する封止部28と、を有する。収容部27は、表側に向けて開口した略有底筒型をなしている。封止部28は、光の透過性に優れた樹脂材料(例えば、エポキシ樹脂材料、シリコーン樹脂材料等)からなる。封止部28は、収容部27内に充填されることで、収容部27の開口部分を塞ぐとともに発光面15Aを構成する。
【0031】
2つのLED素子25,26には、
図4に示すように、第1LED素子(第1発光素子)25及び第2LED素子(第2発光素子)26が含まれる。第1LED素子25及び第2LED素子26は、いずれも青色の波長領域(約400nm~約500nm)の青色光を単色発光する青色LED素子とされる。第1LED素子25及び第2LED素子26は、主発光波長が異なっている。詳しくは、第1LED素子25は、青色の波長領域に含まれる第1波長λ1が主発光波長とされるのに対し、第2LED素子26は、青色の波長領域に含まれて第1波長λ1よりも長波長の第2波長λ2が主発光波長とされる。第1LED素子25の主発光波長である第1波長λ1は、例えば440nmとされる。第2LED素子26の主発光波長である第2波長λ2は、例えば470nmとされる。第1波長λ1と第2波長λ2との差は、例えば30nmである。
【0032】
LED15は、
図4に示すように、各LED素子25,26から発せられた青色光の一部を波長変換する波長変換部29を有する。具体的には、波長変換部29は、封止部28に含有される蛍光体30からなる。蛍光体30は、封止部28内において所定の分布濃度でもって分散配合されている。蛍光体30には、青色光を緑色の波長領域(約500nm~約570nm)の緑色光に波長変換する緑色蛍光体と、青色光を赤色の波長領域(約600nm~約780nm)の赤色光に波長変換する赤色蛍光体と、が含まれる。緑色蛍光体としては、例えばサイアロン系蛍光体が用いられる。サイアロン系蛍光体には、付活剤として希土類元素(例えばTb,Yg,Agなど)が用いられる。サイアロン系蛍光体としては、例えばβ-SiAlONが用いられる。β-SiAlONは、β型窒化ケイ素結晶にアルミニウムと酸素とが固溶した一般式Si
6-zAl
zO
zN
8-z(zは固溶量を示す)または(Si,Al)
6(O,N)
8により表される物質である。β-SiAlONには、付活剤として例えば希土類元素の一種であるEu(ユーロピウム)が用いられている。赤色蛍光体としては、例えば複フッ化物蛍光体が用いられる。複フッ化物蛍光体は、一般式A
2MF
6(MはSi、Ti、Zr、Hf、Ge及びSnから選ばれる1種以上、AはLi、Na、K、Rb及びCsから選ばれる1種以上)により表される。複フッ化物蛍光体としては、例えば付活剤としてマンガンを用いたケイフッ化カリウム(K
2SiF
6:Mn)が用いられている。
【0033】
上記のような構成とされるLED15には、外部のLED制御回路(光源制御回路)が接続されており、LED制御回路によってLED15への給電と、LED15の駆動の制御と、がなされる。LED制御回路は、LED15に備わる第1LED素子25及び第2LED素子26に対して個別に給電するとともにそれぞれの発光量を個別に制御することができる。LED制御回路は、第1LED素子25及び第2LED素子26の各発光量を制御するにあたり、例えばPWM(Pulse Width Modulation)調光等を行う。具体的には、LED制御回路は、第1LED素子25及び第2LED素子26のそれぞれにパルス信号を供給し、第1LED素子25及び第2LED素子26のそれぞれにおける点灯期間と消灯期間(非点灯期間)との時間比率(デューティ比)を調整することで単位時間当たりの各発光量を個別に制御する。
【0034】
ここで、人間は、体内時計と呼ばれる計時機構に基づいて生体機能に関する周期現象を制御しており、周期現象の一つとしてサーカディアン(概日)リズムが知られている。このサーカディアンリズムは、体温、ホルモン分泌、睡眠・覚醒等の生体を維持する上で重要な機能に関するリズムである。このうちの睡眠・覚醒のリズムには、メラトニンの分泌量が深く関係しており、覚醒時にはメラトニン分泌量は抑えられている。このメラトニンの分泌量は、光による網膜への刺激が影響しており、光のうちの青色の波長領域に属する青色光の波長に依存する傾向にある。具体的には、網膜が470nm近傍の青色光によって刺激されると、メラトニンの分泌が最も抑制される傾向にある。従って、例えば、夜間に網膜が470nm近傍の青色光によって強く刺激されてメラトニンの生成が阻害されると、睡眠・覚醒のリズムに乱れが生じ易くなり、睡眠障害等の体調不良を発症するおそれがある。
【0035】
その点、上記したLED制御回路によれば、例えば一日のうちの時間帯(例えば、朝、昼、夜、深夜等)や時刻に応じて第1LED素子25及び第2LED素子26の各発光量や発光量の比率を適宜に調整することが可能となる。具体的には、例えば、朝においては、LED制御回路によって第1LED素子25を消灯し、第2LED素子26を点灯させることで、液晶表示装置10を使用する人においてメラトニンの分泌を抑制し、覚醒を促すことができる。一方、例えば、夜や深夜においては、LED制御回路によって第1LED素子25を点灯させ、第2LED素子26を消灯することで、液晶表示装置10を使用する人においてメラトニンの分泌が阻害されるのを抑制し、就寝を促すことができる。このように、本実施形態に係る液晶表示装置10によれば、人間のサーカディアンリズムに適合した光を液晶パネル11に照射し、その光を利用した画像を液晶パネル11に表示することが可能となる。これにより、液晶表示装置10を使用する人の体内時計が乱され難くなり、睡眠障害等の体調不良を発症し難くなる。
【0036】
次に、LED15の発光スペクトルの具体例を
図5から
図7に示す。
図5から
図7における横軸が光の波長(単位は「nm」)とされ、縦軸が相対発光強度(無単位)とされる。
図5は、第1LED素子25を点灯し、第2LED素子26を非点灯とした場合のLED15の発光スペクトルである。
図5において、第1LED素子25は、点灯期間が100%とされるとともに消灯期間が0%とされるのに対し、第2LED素子26は、点灯期間が0%とされるとともに消灯期間が100%とされる。
図6は、第1LED素子25の発光量と、第2LED素子26の発光量と、を同じにした場合のLED15の発光スペクトルである。
図6において、第1LED素子25は、点灯期間が50%とされるとともに消灯期間が50%とされるのに対し、第2LED素子26は、点灯期間が50%とされるとともに消灯期間が50%とされる。
図7は、第2LED素子26を点灯し、第1LED素子25を非点灯とした場合のLED15の発光スペクトルである。
図7において、第1LED素子25は、点灯期間が0%とされるとともに消灯期間が100%とされるのに対し、第2LED素子26は、点灯期間が100%とされるとともに消灯期間が0%とされる。
【0037】
図5によれば、第1LED素子25のみを点灯させると、青色の波長領域においてピーク波長が440nmとされ、相対発光強度のピーク強度が0.5程度とされる青色光が発せられる。
図6によれば、第1LED素子25及び第2LED素子26を共に点灯させると、青色の波長領域においてピーク波長が440nm及び470nmの2つとされ、相対発光強度のピーク強度が0.25程度ずつとされる青色光が発せられる。
図7によれば、第2LED素子26のみを点灯させると、青色の波長領域において主発光波長が470nmとされ、相対発光強度のピーク強度が0.5程度とされる青色光が発せられる。
図5から
図7に示されるように、LED制御回路によって第1LED素子25及び第2LED素子26の各発光量等を適宜に調整することで、青色光に係る発光スペクトルを制御することができる。
【0038】
上記したようにLED制御回路によって第1LED素子25及び第2LED素子26の各発光量等を調整した場合、LED15の出射光に係る色度が変動し得る。この白色に係る色度の変動に関して、
図8を用いて説明する。
図8は、CIE(Commission Internationale de l'Eclairage:国際照明委員会)1931色度図である。
図8の横軸のx軸及び縦軸のy軸がそれぞれ色度座標値であるx値及びy値を示す。
図8には、第1LED素子25のみを点灯させた場合のLED15の出射光の色度である第1色度C1と、第2LED素子26のみを点灯させた場合のLED15の出射光の色度である第2色度C2と、D65光源の出射光の色度である第3色度C3と、が図示されている。また、
図8には、第1LED素子25のみを点灯させた場合における液晶パネル11の表示画像に係る色度領域が実線にて図示され、sRGB規格に係るsRGB色度領域が破線にて図示されている。sRGB規格とは、国際標準化団体の国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)が1998年に制定した標準規格である。
【0039】
図8によれば、第2色度C2は、第1色度C1に比べると、x値が小さく、y値が大きい。LED15の出射光の色度は、第1LED素子25及び第2LED素子26の発光量の比率に応じて、第1色度C1と第2色度C2とを結んだ直線上を移動する。具体的には、LED15の出射光の色度は、第1LED素子25の発光量に対する第2LED素子26の発光量の比率を大きくすると、上記直線上を第2色度C2に近づくよう移動し、逆に第1LED素子25の発光量に対する第2LED素子26の発光量の比率を小さくすると、上記した直線上を第1色度C1に近づくよう移動する。また、第1色度C1と第2色度C2との中間位置に第3色度C3が存在している。このように、第1LED素子25及び第2LED素子26の発光量の比率に応じてLED15の出射光の色度が変動すると、液晶パネル11に表示される画像の色味も変動するため、表示品位が悪化する、という問題があった。
【0040】
そこで、本実施形態に係る液晶パネル11は、
図9及び
図10に示すように、カラーフィルタ22として、青色の波長領域の光である青色光を選択的に透過する2種類のカラーフィルタ22α,22βを備える。この2種類のカラーフィルタ22α,22βには、透過スペクトルのピーク波長が、青色の波長領域に含まれる第3波長λ3とされる第1カラーフィルタ22αと、透過スペクトルのピーク波長が、青色の波長領域に含まれて第3波長λ3よりも長波長の第4波長λ4とされる第2カラーフィルタ22βと、が含まれる。第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βは、含有する顔料が互いに異なっている。また、カラーフィルタ22には、第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βに加えて、緑色の波長領域の光である緑色光を選択的に透過する第3カラーフィルタ22γと、赤色の波長領域の光である赤色光を選択的に透過する第4カラーフィルタ22δと、が含まれる。
図9では、区別のため、各カラーフィルタ22α,22β,22γ,22δを異なる網掛け状にして図示している。なお、以下では、カラーフィルタ22を区別する場合には、第1カラーフィルタの符号に添え字「α」を、第2カラーフィルタの符号に添え字「β」を、第3カラーフィルタの符号に添え字「γ」を、第4カラーフィルタの符号に添え字「δ」を付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0041】
上記した第1カラーフィルタ22αは、透過スペクトルのピーク波長が青色の波長領域に含まれる第3波長λ3とされ、第2カラーフィルタ22βは、透過スペクトルのピーク波長が青色の波長領域に含まれる第4波長λ4とされる。第4波長λ4は、第3波長λ3よりも長波長であるから、第1LED素子25の発光量と第2LED素子26の発光量とが変動した場合でも、表示画像における白色に係る色度に生じ得る色度シフト量が低減される。これにより、表示品位の向上が図られる。
【0042】
第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βは、
図9に示すように、1つの開口部21A内にて、Y軸方向に沿って並んだ状態で互いに隣接して配されている。従って、第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βの各面積(平面に視た大きさ)は、1つの開口部21Aの面積よりも小さい。このような構成の第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βは、例えば既知のフォトリソグラフィ法によって対向基板11Aに設けられている。開口部21Aの面積を100%としたとき、第1カラーフィルタ22αの面積比率は、例えば40%程度とされ、第2カラーフィルタ22βの面積比率は、例えば60%とされる。第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βは、X軸方向についての寸法が同じとされていることから、Y軸方向についての寸法が互いに異なっている。このような第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βは、Y軸方向に沿って複数ずつ並んで配されている。これに対し、第3カラーフィルタ22γは、1つの開口部21A内に配され、その面積は、1つの開口部21Aの面積と等しい。第3カラーフィルタ22γは、Y軸方向に沿って複数が並んで配されている。第4カラーフィルタ22δは、1つの開口部21A内に配され、その面積は、1つの開口部21Aの面積と等しい。第4カラーフィルタ22δは、Y軸方向に沿って複数が並んで配されている。互いに異なる色を呈する第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βと、第3カラーフィルタ22γと、第4カラーフィルタ22δと、は、遮光部21のうちのY軸方向に沿って延在する部分を挟んでX軸方向について隣り合うよう並んで配される。なお、第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βをフォトリソグラフィ法によって設ける場合は、第3カラーフィルタ22γ及び第4カラーフィルタ22δもフォトリソグラフィ法によって対向基板11Aに設けられている。
【0043】
液晶パネル11に備わる複数の画素電極20には、
図3及び
図10に示すように、第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βと重畳して配される第1画素電極20αと、第3カラーフィルタ22γと重畳して配される第2画素電極20βと、第4カラーフィルタ22δと重畳して配される第3画素電極20γと、が含まれる。なお、以下では、画素電極20を区別する場合には、第1画素電極の符号に添え字「α」を、第2画素電極の符号に添え字「β」を、第3画素電極の符号に添え字「γ」を付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。第1カラーフィルタ22αは、第1画素電極20αの一部と重畳して配される。これに対し、第2カラーフィルタ22βは、第1カラーフィルタ22αに隣接する位置にて第1画素電極20αのうちの残りの部分と重畳して配される。第3カラーフィルタ22γは、第2画素電極20βのほぼ全域と重畳して配される。第4カラーフィルタ22δは、第3画素電極20γのほぼ全域と重畳して配される。互いに重畳する第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βと第1画素電極20αとが、青色を呈する1つの青色画素BPXを構成する。互いに重畳する第3カラーフィルタ22γと第2画素電極20βとが、緑色を呈する1つの緑色画素GPXを構成する。互いに重畳する第4カラーフィルタ22δと第3画素電極20γとが、赤色を呈する1つの赤色画素RPXを構成する。このようにすれば、1つの青色画素BPXを表示する青色光が、第1カラーフィルタ22αの透過光と第2カラーフィルタ22βの透過光とによって構成される。仮に第1カラーフィルタ22αがある画素電極のほぼ全域と重畳し、第2カラーフィルタ22βがある画素電極のほぼ全域と重畳するよう配される場合に比べると、第1カラーフィルタ22αの透過光と第2カラーフィルタ22βの透過光とが分離し難くなる。これにより、第1LED素子25の発光量と第2LED素子26の発光量とが変動するのに起因する色味の変化がより知覚され難くなる。
【0044】
続いて、第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βの透過スペクトルについて
図11を参照して説明する。
図11は、各カラーフィルタ22α,22β,22γ,22δの透過スペクトルを表しており、その横軸が波長(単位は「nm」)を、縦軸が光の透過率(単位は「%」)を、それぞれ示している。
図11によれば、第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βは、スペクトル形状が互いに近似しているものの、第2カラーフィルタ22βの透過スペクトルが、第1カラーフィルタ22αの透過スペクトルに対して長波長側にシフトしている点で相違する。第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βは、各透過スペクトルの各ピーク波長の光の各ピーク強度がほぼ同じとされており、そうなるよう膜厚や含有する顔料の濃度が調整されている。第1カラーフィルタ22αは、透過スペクトルのピーク波長である第3波長λ3が478nm程度とされる。第2カラーフィルタ22βは、透過スペクトルのピーク波長である第4波長λ4が488nm程度とされる。つまり、第2カラーフィルタ22βの透過スペクトルは、第1カラーフィルタ22αの透過スペクトルに対して長波長側に10nm程度シフトしている。また、第3カラーフィルタ22γは、透過スペクトルのピーク波長が、545nm程度とされる。第4カラーフィルタ22δは、透過スペクトルのピーク波長が、620nm程度とされる。
【0045】
次に、第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βの各面積を変更した場合、表示画像における白色に係る色度がどのように変動するかを検証する検証実験1を行った。検証実験1では、第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βの面積の和に占める第1カラーフィルタ22αの面積の比率を第1面積比率とし、第1面積比率を0%から100%に至るまで変更し、表示画像における白色に係る色度に生じる色度シフト量を得た。詳しくは、検証実験1では、第1面積比率を、0%、10%、20%、30%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、100%とした。なお、第1面積比率が0%の場合は、第2カラーフィルタ22βのみが形成されていて第1カラーフィルタ22αが非形成であることを意味し、逆に第1面積比率が100%の場合は、第1カラーフィルタ22αのみが形成されていて第2カラーフィルタ22βが非形成であることを意味する。上記した「色度シフト量」とは、第1LED素子25を点灯させて第2LED素子26を消灯した状態で液晶パネル11に白色画像を表示した場合の白色画像に係る色度と、第2LED素子26を点灯させて第1LED素子25を消灯した状態で液晶パネル11に白色画像を表示した場合の白色画像に係る色度と、をCIE1931色度図上にプロットし、これらの2つの色度の間の距離のことである。なお、LED15の封止部28に含有される蛍光体30は、第1LED素子25を点灯させて第2LED素子26を消灯した状態で液晶パネル11に白色画像を表示した場合の白色画像に係る色度が、D65光源の色度である(0.31271,0.32902)と一致するよう調整されている。また、「白色画像」とは、液晶パネル11に備わる全ての画素PXの階調を最大値としたときの画像である。実験結果は、
図12に示す通りである。
図12は、横軸を第1面積比率(単位は「%」)とし、縦軸を色度シフト量(無単位)としたグラフである。
【0046】
図12によれば、第1面積比率が12%に満たない場合や68%を超えた場合には、色度シフト量が0.0325を超えてしまうため、表示画像に生じる色味の変動が知覚され易くなる。また、第1面積比率に対する色度シフト量の変化率が高いため、例えば製造誤差によって第1面積比率に変動が生じた場合に、色度シフト量の変化が大きくなり、それによって表示画像に生じる色味の変動が知覚され易くなるおそれがある。その点、第1面積比率が12%~68%の範囲であれば、色度シフト量が0.0325以下に抑制されるので、表示画像に生じる色味の変動が知覚され難くなる。また、第1面積比率に対する色度シフト量の変化率も十分に低いので、製造誤差によって第1面積比率に変動が生じた場合でも、色度シフト量の変化が小さく済む。これにより、表示画像に生じる色味の変動が知覚され難くなる。
【0047】
図12によれば、第1面積比率が20%に満たない場合や60%を超えた場合には、色度シフト量が0.0323を超える。その点、第1面積比率が20%~60%の範囲であれば、色度シフト量が0.0323以下に抑制されるので、表示画像に生じる色味の変動がより知覚され難くなる。また、第1面積比率に対する色度シフト量の変化率もより低くなるので、製造誤差によって第1面積比率に変動が生じた場合でも、色度シフト量の変化がより小さく済む。これにより、表示画像に生じる色味の変動がより知覚され難い。
【0048】
図12によれば、第1面積比率が30%に満たない場合や50%を超えた場合には、色度シフト量が0.0321を超える。その点、第1面積比率が30%~50%の範囲であれば、色度シフト量が0.0321以下に抑制されるので、表示画像に生じる色味の変動がさらに知覚され難くなる。また、第1面積比率に対する色度シフト量の変化率もさらに低くなって色度シフト量の変化が殆ど横ばいとなるので、製造誤差によって第1面積比率に変動が生じた場合でも、色度シフト量の変化がさらに小さく済む。これにより、表示画像に生じる色味の変動がさらに知覚され難い。特に、第1面積比率が40%~45%の範囲であれば、色度シフト量が0.0320と最小化されるので、最も好ましい、と言える。
【0049】
以上説明したように本実施形態の液晶表示装置(表示装置)10は、青色の波長領域に含まれる第1波長λ1が主発光波長とされる第1LED素子(第1発光素子)25と、青色の波長領域に含まれて第1波長λ1よりも長波長の第2波長λ2が主発光波長とされる第2LED素子(第2発光素子)26と、第1LED素子25及び第2LED素子26に対して出光側に配される第1カラーフィルタ22αであって、青色の波長領域の光である青色光を選択的に透過し、透過スペクトルのピーク波長が、青色の波長領域に含まれる第3波長λ3とされる第1カラーフィルタ22αと、第1LED素子25及び第2LED素子26に対して出光側に配される第2カラーフィルタ22βであって、青色光を選択的に透過し、透過スペクトルのピーク波長が、青色の波長領域に含まれて第3波長λ3よりも長波長の第4波長λ4とされる第2カラーフィルタ22βと、を備える。
【0050】
第1LED素子25は、青色の波長領域に含まれる第1波長λ1を主発光波長とした青色光を発し、第2LED素子26は、青色の波長領域に含まれる第2波長λ2を主発光波長とした青色光を発する。第2波長λ2は、第1波長λ1よりも長波長であるから、第1LED素子25の発光量と第2LED素子26の発光量とを適宜に調整することで、サーカディアンリズムに適合した光を利用した画像の表示が可能となる。ここで、第1LED素子25の発光量と第2LED素子26の発光量とが変動すると、表示画像における白色に係る色度も変動し得る。
【0051】
そこで、第1LED素子25及び第2LED素子26に対して出光側には、いずれも青色光を選択的に透過する第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βが配されている。第1カラーフィルタ22αは、透過スペクトルのピーク波長が青色の波長領域に含まれる第3波長λ3とされ、第2カラーフィルタ22βは、透過スペクトルのピーク波長が青色の波長領域に含まれる第4波長λ4とされる。第4波長λ4は、第3波長λ3よりも長波長であるから、第1LED素子25の発光量と第2LED素子26の発光量とが変動した場合でも、表示画像における白色に係る色度に生じ得る色度シフト量が低減される。これにより、表示品位の向上が図られる。
【0052】
また、第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βの面積の和に占める第1カラーフィルタ22αの面積の比率を第1面積比率としたとき、第1カラーフィルタ22αは、第1面積比率が、12%~68%の範囲とされる。仮に上記した第1面積比率が12%に満たない場合や68%を超えた場合には、表示画像における白色に係る色度に生じる色度シフト量が0.0325を超えてしまい、表示画像に生じる色味の変動が知覚され易くなる。また、第1面積比率に対する色度シフト量の変化率が高くなる問題も生じる。その点、上記した第1面積比率を12%~68%の範囲とすれば、色度シフト量を0.0325以下に抑制することができるので、表示画像に生じる色味の変動が知覚され難くなる。また、第1面積比率に対する色度シフト量の変化率を十分に低くすることができる。これにより、表示品位を向上させることができる。
【0053】
また、第1カラーフィルタ22αは、第1面積比率が、20%~60%の範囲とされる。仮に上記した第1面積比率が20%に満たない場合や60%を超えた場合に比べると、色度シフト量を0.0323以下に抑制することができるので、表示画像に生じる色味の変動がより知覚され難くなる。また、第1面積比率に対する色度シフト量の変化率をより低くすることができる。これにより、表示品位をより向上させることができる。
【0054】
また、第1カラーフィルタ22αは、第1面積比率が、30%~50%の範囲とされる。仮に上記した第1面積比率が30%に満たない場合や50%を超えた場合に比べると、色度シフト量を0.0321以下に抑制することができるので、表示画像に生じる色味の変動がさらに知覚され難くなる。また、第1面積比率に対する色度シフト量の変化率をさらに低くすることができる。これにより、表示品位をさらに向上させることができる。
【0055】
また、光を照射するバックライト装置(照明装置)12と、バックライト装置12からの光を利用して画像を表示する液晶パネル(表示パネル)11と、を備え、バックライト装置12は、第1LED素子25及び第2LED素子26に加えて、第1LED素子25及び第2LED素子26に対して出光側に配されて青色の波長領域の光である青色光を、緑色の波長領域から赤色の波長領域までに含まれる光に波長変換する波長変換部29を有し、液晶パネル11は、第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βに加えて、緑色の波長領域の光である緑色光を選択的に透過する第3カラーフィルタ22γと、赤色の波長領域の光である赤色光を選択的に透過する第4カラーフィルタ22δと、を有する。第1LED素子25及び第2LED素子26から発せられた青色光は、一部が波長変換部29によって緑色の波長領域から赤色の波長領域までに含まれる光に波長変換される。バックライト装置12から液晶パネル11に照射された光は、第1カラーフィルタ22α、第2カラーフィルタ22β、第3カラーフィルタ22γ及び第4カラーフィルタ22δによってそれぞれフィルタリングされる。その結果、第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βを青色光が選択的に透過し、第3カラーフィルタ22γを緑色光が選択的に透過し、第4カラーフィルタ22δを赤色光が選択的に透過する。
【0056】
また、液晶パネル11は、表示単位である画素PXを構成する画素電極20を複数有しており、複数の画素電極20には、第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βと重畳して配される第1画素電極20αと、第3カラーフィルタ22γと重畳して配される第2画素電極20βと、第4カラーフィルタ22δと重畳して配される第3画素電極20γと、が含まれ、第1カラーフィルタ22αは、第1画素電極20αの一部と重畳して配され、第2カラーフィルタ22βは、第1カラーフィルタ22αに隣接する位置にて第1画素電極20αのうちの残りの部分と重畳して配される。互いに重畳する第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βと第1画素電極20αとが青色を呈する青色画素BPXを構成する。互いに重畳する第3カラーフィルタ22γと第2画素電極20βとが緑色を呈する緑色画素GPXを構成する。互いに重畳する第4カラーフィルタ22δと第3画素電極20γとが赤色を呈する赤色画素RPXを構成する。このようにすれば、1つの青色画素BPXを表示する青色光が、第1カラーフィルタ22αの透過光と第2カラーフィルタ22βの透過光とによって構成される。仮に2つの青色画素のうちの一方の青色画素を表示する青色光が第1カラーフィルタ22αの透過光のみによって構成され、他方の青色画素を表示する青色光が第2カラーフィルタ22βの透過光のみによって構成される場合に比べると、第1LED素子25の発光量と第2LED素子26の発光量とが変動するのに起因する色味の変化がより知覚され難くなる。
【0057】
また、バックライト装置12は、LED(光源)15を備え、LED15は、第1LED素子25及び第2LED素子26と、第1LED素子25及び第2LED素子26を収容する収容部27と、収容部27内に充填されて第1LED素子25及び第2LED素子26を封止する封止部28と、を有する。収容部27に収容された第1LED素子25及び第2LED素子26は、収容部27内に充填される封止部28によって封止される。1つのLED15が第1LED素子25及び第2LED素子26を有しているから、仮に第1LED素子25を有するLEDと、第2LED素子26を有するLEDと、を用いた場合に比べると、バックライト装置12から液晶パネル11に照射される光に含まれる青色光は、第1波長λ1を主発光波長とした青色光と、第2波長λ2を主発光波長とした青色光と、が十分に混ざり合ったものとなる。これにより、一層の表示品位の向上が図られる。
【0058】
また、波長変換部29は、封止部28に含有される蛍光体30からなる。第1LED素子25及び第2LED素子26から発せられた青色光は、一部が、封止部28に含有される蛍光体30によって緑色の波長領域から赤色の波長領域までに含まれる光に波長変換される。
【0059】
また、第1LED素子20は、第1波長λ1が420nm~450nmの範囲とされ、第2LED素子21は、第2波長λ2が450nm~480nmの範囲とされる。このように、第1波長λ1が420nm以上とされているので、仮に、第1波長を420nmよりも短波長とした場合に比べると、第1LED素子20から発せられる光に高エネルギー紫外線(HEV:High Energy Violet light)が含まれないから、網膜細胞等への悪影響を抑制することができる。第1波長λ1が420nm~450nmの範囲とされ、第2波長λ2が450nm~480nmの範囲とされているので、第1LED素子20を非発光とし、第2LED素子21を発光させれば、メラトニンの分泌を好適に抑制することができる。一方、第2LED素子21を非発光とし、第1LED素子20を発光させれば、メラトニンの分泌が阻害され難くなる。従って、例えば一日のうちの朝は、第1LED素子20を非発光として第2LED素子21を発光させ、夜は、第2LED素子21を非発光として第1LED素子20を発光させることで、人間のサーカディアンリズムに適合した光が得られる。
【0060】
<実施形態2>
実施形態2を
図13から
図17によって説明する。この実施形態2では、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βの構成等を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0061】
本実施形態に係る第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βは、
図13に示すように、それぞれ別の開口部121A内に配されている。詳しくは、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βは、遮光部121のうちのX軸方向に沿って延在する部分を挟んでY軸方向について隣り合うよう配されている。第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βは、Y軸方向について1つずつ交互に繰り返し並ぶよう配されている。従って、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βの各設置数は、第3カラーフィルタ122γ及び第4カラーフィルタ122δの各設置数の半分程度とされる。第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βの各面積(平面に視た大きさ)は、互いに等しく、第3カラーフィルタ122γ及び第4カラーフィルタ122δの各面積とも等しい。
図13では、区別のため、各カラーフィルタ122α,122β,122γ,122δを異なる網掛け状にして図示している。
【0062】
第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βは、
図14に示すように、それぞれ別の画素電極120に対して重畳するよう配されている。複数の画素電極120のうち、第1カラーフィルタ122αと重畳する画素電極120を「第4画素電極120δ」とし、第2カラーフィルタ122βと重畳する画素電極120を「第5画素電極120ε」とする。また、
図15に示すように、複数の画素電極120のうち、第3カラーフィルタ122γと重畳する画素電極120を「第6画素電極120ζ」とし、第4カラーフィルタ122δと重畳する画素電極120を「第7画素電極120η」とする。なお、以下では、画素電極120を区別する場合には、第4画素電極の符号に添え字「δ」を、第5画素電極の符号に添え字「ε」を、第6画素電極の符号に添え字「ζ」を、第7画素電極の符号に添え字「η」を付し、区別せずに総称する場合には、符号に添え字を付さないものとする。
【0063】
本実施形態では、
図14に示すように、互いに重畳する第1カラーフィルタ122αと第4画素電極120δとが青色を呈する第1青色画素(青色画素)BPX1を構成する。互いに重畳する第2カラーフィルタ122βと第5画素電極120εとが、第1カラーフィルタ122α及び第4画素電極120δによって構成される第1青色画素BPX1とは別の第2青色画素(青色画素)BPX2を構成する。また、
図15に示すように、互いに重畳する第3カラーフィルタ122γと第6画素電極120ζとが緑色を呈する緑色画素GPXを構成する。互いに重畳する第4カラーフィルタ122δと第7画素電極120ηとが赤色を呈する赤色画素RPXを構成する。このようにすれば、上記した実施形態1のように1つの画素電極20に対して第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βが重畳する配置とした場合に比べると、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βの個々の面積が大きくなる。これにより、製造に際して第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βを容易に設けることができる。
【0064】
そして、本実施形態に係る第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βは、面積が互いに同じとされ、膜厚と含有する顔料の濃度との少なくとも一方が異なるよう構成される。このように、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βにおける膜厚と顔料の濃度との少なくとも一方を調整することで、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βにおける各透過スペクトルの各ピーク波長の光の各ピーク強度を調整することができる。このように、各ピーク強度が調整されることで、第1LED素子25の発光量と第2LED素子26の発光量との変動に起因して生じ得る色度シフト量を好適に低減させることができる(
図4を参照)。また、第4画素電極120δ及び第5画素電極120εが同じ大きさとされることで、各画素電極120δ,120εの周囲に存在するゲート配線やソース配線等との間に生じる寄生容量が同等になる。これにより、各画素電極120δ,120εの電圧保持率等が同等になり、表示品位を高く保つ上で好適となる。
【0065】
続いて、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βの透過スペクトルについて
図16を参照して説明する。
図16は、各カラーフィルタ122α,122β,122γ,122δの透過スペクトルを表しており、その横軸が波長(単位は「nm」)を、縦軸が光の透過率(単位は「%」)を、それぞれ示している。
図16によれば、第2カラーフィルタ122βは、第1カラーフィルタ122αに比べると、透過スペクトルのピーク波長の光のピーク強度が半分程度にまで低くなっている。具体的には、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βの各ピーク強度の和を100%としたとき、第1カラーフィルタ122αの透過スペクトルのピーク波長の光のピーク強度比率は、例えば40%程度とされ、第2カラーフィルタ22β透過スペクトルのピーク波長の光のピーク強度比率は、例えば60%とされる。第1カラーフィルタ122αは、透過スペクトルのピーク波長である第3波長λ3が478nm程度とされる。第2カラーフィルタ122βは、透過スペクトルのピーク波長である第4波長λ4が488nm程度とされる。つまり、第2カラーフィルタ122βの透過スペクトルは、第1カラーフィルタ122αの透過スペクトルに対して長波長側に10nm程度シフトしている。また、第3カラーフィルタ122γ及び第4カラーフィルタ122δの透過スペクトルは、実施形態1で説明した
図11と同様である。
【0066】
次に、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βの各透過スペクトルにおける各ピーク強度を変更した場合、表示画像における白色に係る色度がどのように変動するかを検証する検証実験2を行った。検証実験2では、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βの各透過スペクトルにおける各ピーク強度の和に占める第1カラーフィルタ22αの透過スペクトルにおけるピーク強度の比率を第1ピーク強度比率とし、第1ピーク強度比率を0%から100%に至るまで変更し、表示画像における白色に係る色度に生じる色度シフト量を得た。詳しくは、検証実験2では、第1ピーク強度比率を、0%、10%、20%、30%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、100%とした。なお、第1ピーク強度比率が0%の場合は、第2カラーフィルタ122βのみが形成されていて第1カラーフィルタ122αが非形成であることを意味し、逆に第1ピーク強度比率が100%の場合は、第1カラーフィルタ122αのみが形成されていて第2カラーフィルタ122βが非形成であることを意味する。上記した「色度シフト量」は、上記した実施形態1の検証実験1にて説明した通りである。実験結果は、
図17に示す通りである。
図17は、横軸を第1ピーク強度比率(単位は「%」)とし、縦軸を色度シフト量(無単位)としたグラフである。
【0067】
図17によれば、第1ピーク強度比率が12%に満たない場合や68%を超えた場合には、色度シフト量が0.0325を超えてしまうため、表示画像に生じる色味の変動が知覚され易くなる。また、第1ピーク強度比率に対する色度シフト量の変化率が高いため、例えば製造誤差によって第1ピーク強度比率に変動が生じた場合に、色度シフト量の変化が大きくなり、それによって表示画像に生じる色味の変動が知覚され易くなるおそれがある。その点、第1ピーク強度比率が12%~68%の範囲であれば、色度シフト量が0.0325以下に抑制されるので、表示画像に生じる色味の変動が知覚され難くなる。また、第1ピーク強度比率に対する色度シフト量の変化率も十分に低いので、製造誤差によって第1ピーク強度比率に変動が生じた場合でも、色度シフト量の変化が小さく済む。これにより、表示画像に生じる色味の変動が知覚され難くなる。
【0068】
図17によれば、第1ピーク強度比率が20%に満たない場合や60%を超えた場合には、色度シフト量が0.0323を超える。その点、第1ピーク強度比率が20%~60%の範囲であれば、色度シフト量が0.0323以下に抑制されるので、表示画像に生じる色味の変動がより知覚され難くなる。また、第1ピーク強度比率に対する色度シフト量の変化率もより低くなるので、製造誤差によって第1ピーク強度比率に変動が生じた場合でも、色度シフト量の変化がより小さく済む。これにより、表示画像に生じる色味の変動がより知覚され難い。
【0069】
図17によれば、第1ピーク強度比率が30%に満たない場合や50%を超えた場合には、色度シフト量が0.0321を超える。その点、第1ピーク強度比率が30%~50%の範囲であれば、色度シフト量が0.0321以下に抑制されるので、表示画像に生じる色味の変動がさらに知覚され難くなる。また、第1ピーク強度比率に対する色度シフト量の変化率もさらに低くなって色度シフト量の変化が殆ど横ばいとなるので、製造誤差によって第1ピーク強度比率に変動が生じた場合でも、色度シフト量の変化がさらに小さく済む。これにより、表示画像に生じる色味の変動がさらに知覚され難い。特に、第1ピーク強度比率が40%~45%の範囲であれば、色度シフト量が0.0320と最小化されるので、最も好ましい、と言える。
【0070】
以上説明したように本実施形態によれば、液晶パネル111は、表示単位である画素PXを構成する画素電極120を複数有しており、複数の画素電極120には、第1カラーフィルタ122αと重畳して配される第4画素電極120δと、第2カラーフィルタ122βと重畳して配される第5画素電極120εと、第3カラーフィルタ122γと重畳して配される第6画素電極120ζと、第4カラーフィルタ122δと重畳して配される第7画素電極120ηと、が含まれる。互いに重畳する第1カラーフィルタ122αと第4画素電極120δとが青色を呈する第1青色画素(青色画素)BPX1を構成する。互いに重畳する第2カラーフィルタ122βと第5画素電極120εとが、第1カラーフィルタ122α及び第4画素電極120δによって構成される第1青色画素BPX1とは別の第2青色画素(青色画素)BPX2を構成する。互いに重畳する第3カラーフィルタ122γと第6画素電極120ζとが緑色を呈する緑色画素GPXを構成する。互いに重畳する第4カラーフィルタ122δと第7画素電極120ηとが赤色を呈する赤色画素RPXを構成する。このようにすれば、仮に1つの画素電極に対して第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βが重畳する配置とした場合に比べると、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βの個々の面積が大きくなる。これにより、製造に際して第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βを容易に設けることができる。
【0071】
また、第4画素電極120δ及び第5画素電極120εは、面積が同じとされており、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βは、面積が同じとされて膜厚と含有する顔料または染料の濃度との少なくとも一方が異なる。第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βにおける膜厚と顔料または染料の濃度との少なくとも一方を調整することで、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βにおける各透過スペクトルの各ピーク波長の光の各ピーク強度を調整することができる。このように、各ピーク強度が調整されることで、第1LED素子25の発光量と第2LED素子26の発光量との変動に起因して生じ得る色度シフト量を好適に低減させることができる。また、第4画素電極120δ及び第5画素電極120εが同じ大きさとされることで、各画素電極120δ,120εの周囲に配線が存在する場合にその配線との間に生じる寄生容量が同等になる。これにより、各画素電極120δ,120εの電圧保持率等が同等になり、表示品位を高く保つ上で好適となる。
【0072】
また、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βの透過スペクトルのピーク強度の和に占める第1カラーフィルタ122αのピーク強度の比率を第1ピーク強度比率としたとき、第1カラーフィルタ122αは、第1ピーク強度比率が、12%~68%の範囲とされる。仮に上記した第1ピーク強度比率が12%に満たない場合や68%を超えた場合には、表示画像における白色に係る色度に生じる色度シフト量が0.0325を超えてしまい、表示画像に生じる色味の変動が知覚され易くなる。また、第1ピーク強度比率に対する色度シフト量の変化率が高くなる問題も生じる。その点、上記した第1ピーク強度比率を12%~68%の範囲とすれば、色度シフト量を0.0325以下に抑制することができるので、表示画像に生じる色味の変動が知覚され難くなる。また、第1ピーク強度比率に対する色度シフト量の変化率を十分に低くすることができる。これにより、表示品位を向上させることができる。
【0073】
また、第1カラーフィルタ122αは、第1ピーク強度比率が、20%~60%の範囲とされる。仮に上記した第1ピーク強度比率が20%に満たない場合や60%を超えた場合に比べると、色度シフト量を0.0323以下に抑制することができるので、表示画像に生じる色味の変動がより知覚され難くなる。また、第1ピーク強度比率に対する色度シフト量の変化率をより低くすることができる。これにより、表示品位をより向上させることができる。
【0074】
また、第1カラーフィルタ122αは、第1ピーク強度比率が、30%~50%の範囲とされる。仮に上記した第1ピーク強度比率が30%に満たない場合や50%を超えた場合に比べると、色度シフト量を0.0321以下に抑制することができるので、表示画像に生じる色味の変動がさらに知覚され難くなる。また、第1ピーク強度比率に対する色度シフト量の変化率をさらに低くすることができる。これにより、表示品位をさらに向上させることができる。
【0075】
<実施形態3>
実施形態3を
図18から
図20によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態2から第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βの構成等を変更した場合を示す。なお、上記した実施形態1,2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0076】
本実施形態に係る第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βは、
図18及び
図19に示すように、それぞれ別の開口部221A内に配される点で上記した実施形態2と同様であるものの、面積が互いに異なるよう構成されている点で実施形態2とは相違する。具体的には、第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βの面積の和を100%としたとき、第1カラーフィルタ222αの面積比率は、例えば40%程度とされ、第2カラーフィルタ222βの面積比率は、例えば60%とされる。第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βは、X軸方向についての寸法が同じとされていることから、Y軸方向についての寸法が互いに異なっている。第1カラーフィルタ222αと重畳する第4画素電極220δは、第2カラーフィルタ222βと重畳する第5画素電極220εとは、面積及びY軸方向についての寸法が異なっている。複数ずつの第3カラーフィルタ222γ及び第4カラーフィルタ222δのうち、第1カラーフィルタ222αと同じ行に位置する第3カラーフィルタ222γ及び第4カラーフィルタ222δは、それぞれの面積及びY軸方向についての寸法が、第1カラーフィルタ222αの面積及びY軸方向についての寸法とそれぞれ同じとされる。同様に、複数ずつの第3カラーフィルタ222γ及び第4カラーフィルタ222δのうち、第2カラーフィルタ222βと同じ行に位置する第3カラーフィルタ222γ及び第4カラーフィルタ222δは、それぞれの面積及びY軸方向についての寸法が、第2カラーフィルタ222βの面積及びY軸方向についての寸法とそれぞれ同じとされる。なお、
図18では、区別のため、各カラーフィルタ222α,222β,222γ,222δを異なる網掛け状にして図示している。
【0077】
本実施形態によれば、第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βにおける面積を調整することで、第1LED素子25の発光量と第2LED素子26の発光量との変動に起因して生じ得る色度シフト量を好適に低減させることができる。また、第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βにおける膜厚や含有される顔料の濃度に関しては、同一とされる。これにより、製造が容易になる。また、本実施形態に係る第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βにおける各透過スペクトルは、上記した実施形態1に記載した第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βにおける各透過スペクトルとほぼ同じである(
図11を参照)。第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βは、各透過スペクトルの各ピーク波長の光の各ピーク強度がほぼ同じとされており、そうなるよう膜厚や含有する顔料の濃度が調整されている。
【0078】
次に、第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βの各面積を変更した場合、表示画像における白色に係る色度がどのように変動するかを検証する検証実験3を行った。検証実験3では、第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βの面積の和に占める第1カラーフィルタ222αの面積の比率を第1面積比率とし、第1面積比率を0%から100%に至るまで変更し、表示画像における白色に係る色度に生じる色度シフト量を得た。詳しくは、検証実験3では、第1面積比率を、0%、10%、20%、30%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、100%とした。なお、第1面積比率が0%の場合は、第2カラーフィルタ222βのみが形成されていて第1カラーフィルタ222αが非形成であることを意味し、逆に第1面積比率が100%の場合は、第1カラーフィルタ222αのみが形成されていて第2カラーフィルタ222βが非形成であることを意味する。上記した「色度シフト量」は、上記した実施形態1の検証実験1にて説明した通りである。実験結果は、
図20に示す通りである。
図20は、横軸を第1面積比率(単位は「%」)とし、縦軸を色度シフト量(無単位)としたグラフである。
【0079】
図20によれば、第1面積比率が12%に満たない場合や68%を超えた場合には、色度シフト量が0.0325を超えてしまうため、表示画像に生じる色味の変動が知覚され易くなる。また、第1面積比率に対する色度シフト量の変化率が高いため、例えば製造誤差によって第1面積比率に変動が生じた場合に、色度シフト量の変化が大きくなり、それによって表示画像に生じる色味の変動が知覚され易くなるおそれがある。その点、第1面積比率が12%~68%の範囲であれば、色度シフト量が0.0325以下に抑制されるので、表示画像に生じる色味の変動が知覚され難くなる。また、第1面積比率に対する色度シフト量の変化率も十分に低いので、製造誤差によって第1面積比率に変動が生じた場合でも、色度シフト量の変化が小さく済む。これにより、表示画像に生じる色味の変動が知覚され難くなる。
【0080】
図20によれば、第1面積比率が20%に満たない場合や60%を超えた場合には、色度シフト量が0.0323を超える。その点、第1面積比率が20%~60%の範囲であれば、色度シフト量が0.0323以下に抑制されるので、表示画像に生じる色味の変動がより知覚され難くなる。また、第1面積比率に対する色度シフト量の変化率もより低くなるので、製造誤差によって第1面積比率に変動が生じた場合でも、色度シフト量の変化がより小さく済む。これにより、表示画像に生じる色味の変動がより知覚され難い。
【0081】
図20によれば、第1面積比率が30%に満たない場合や50%を超えた場合には、色度シフト量が0.0321を超える。その点、第1面積比率が30%~50%の範囲であれば、色度シフト量が0.0321以下に抑制されるので、表示画像に生じる色味の変動がさらに知覚され難くなる。また、第1面積比率に対する色度シフト量の変化率もさらに低くなって色度シフト量の変化が殆ど横ばいとなるので、製造誤差によって第1面積比率に変動が生じた場合でも、色度シフト量の変化がさらに小さく済む。これにより、表示画像に生じる色味の変動がさらに知覚され難い。特に、第1面積比率が40%~45%の範囲であれば、色度シフト量が0.0320と最小化されるので、最も好ましい、と言える。
【0082】
以上説明したように本実施形態によれば、第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βは、面積が異なる。第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βにおける面積を調整することで、第1LED素子25の発光量と第2LED素子26の発光量との変動に起因して生じ得る色度シフト量を好適に低減させることができる。また、第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βにおける膜厚や含有される顔料または染料の濃度に関しては、共通化することが可能になるので、製造が容易になる。
【0083】
<他の実施形態>
本明細書が開示する技術は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
【0084】
(1)実施形態1,3に記載した構成において、第1カラーフィルタ22α,222α及び第2カラーフィルタ22β,222βにおける具体的な第1面積比率は、適宜に変更可能である。第1カラーフィルタ22α,222αにおける第1面積比率は、好ましくは12%~68%の範囲で適宜に変更することが可能であり、例えば45%や50%であってもよく、51%以上であってもよい。
【0085】
(2)実施形態2に記載した構成において、第1カラーフィルタ122α及び第2カラーフィルタ122βにおける具体的な第1ピーク強度比率は、適宜に変更可能である。第1カラーフィルタ122αにおける第1ピーク強度比率は、好ましくは12%~68%の範囲で適宜に変更することが可能であり、例えば45%や50%であってもよく、51%以上であってもよい。
【0086】
(3)実施形態1の変形例として、例えば、第1カラーフィルタ22αの平面形状を枠状とし、第2カラーフィルタ22βの平面形状を方形とし、第2カラーフィルタ22βが第1カラーフィルタ22αによって囲まれるように配置することも可能である。逆に、第2カラーフィルタ22βの平面形状を枠状とし、第1カラーフィルタ22αの平面形状を方形とし、第1カラーフィルタ22αが第2カラーフィルタ22βによって囲まれるように配置することも可能である。また、第1カラーフィルタ22α及び第2カラーフィルタ22βの具体的な平面形状や開口部内での配置は、適宜に変更可能である。
【0087】
(4)実施形態2,3の変形例として、例えば、第1カラーフィルタ122α,222α及び第2カラーフィルタ122β,222βがY軸方向について複数ずつ交互に繰り返し並ぶよう配列されてもよい。
【0088】
(5)実施形態3の変形例として、例えば、第1カラーフィルタ222α及び第2カラーフィルタ222βにおける個々の面積を同じにし、第1カラーフィルタ222αの設置数と、第2カラーフィルタ222βの設置数と、を異ならせることも可能である。つまり、第1カラーフィルタ222αの総面積と、第2カラーフィルタ222βの総面積と、が異なっていれば、実施形態3と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0089】
(6)第1波長λ1及び第2波長λ2の具体的な数値は、上記以外にも適宜に変更可能である。第1波長λ1は、例えば、420nm~450nmの範囲から適宜に選択することが可能である。第2波長λ2は、例えば、450nm~480nmの範囲から適宜に選択することが可能である。これら以外にも、第1波長λ1及び第2波長λ2の数値を適宜に変更することができる。
【0090】
(7)LED15の発光スペクトルに係るスペクトル形状は、図示以外にも適宜に変更可能である。
【0091】
(8)第3波長λ3及び第4波長λ4の具体的な数値は、上記以外にも適宜に変更可能である。第3波長λ3と第4波長λ4との差に係る数値も、10nmや20nm以外の数値(例えば5nm等)であってもよい。
【0092】
(9)各カラーフィルタ22の透過スペクトルに係るスペクトル形状は、図示以外にも適宜に変更可能である。
【0093】
(10)LED15として、第2LED素子26を有さずに第1LED素子25を有する第1LEDと、第1LED素子25を有さずに第2LED素子26を有する第2LEDと、をバックライト装置12に設けてもよい。
【0094】
(11)封止部28に含まれる蛍光体30には、緑色蛍光体及び赤色蛍光体に代えて黄色蛍光体が含まれてもよい。黄色蛍光体は、青色光を波長変換して、黄色の波長領域(約580nm~約600nm)の光である黄色光を発する。また、蛍光体30には、緑色蛍光体、赤色蛍光体及び黄色蛍光体が全て含まれてもよい。
【0095】
(12)LED15の封止材28は、蛍光体30を含有しなくてもよい。その場合は、例えば、光学部材の1つとして蛍光体30を含有する波長変換シートを、「波長変換部」として用いればよい。
【0096】
(13)遮光部21は、Y軸方向に沿って延在するストライプ状をなしてもよい。その場合、第1カラーフィルタ22α,122α,222α及び第2カラーフィルタ22β,122β,222βは、Y軸方向について交互に並ぶ形で互いに連なるとともに、全体としてY軸方向に沿って延在するストライプ状をなす。また、第3カラーフィルタ22γ,122γ,222γ及び第4カラーフィルタ22δ,122δ,222δは、それぞれY軸方向に沿って延在するストライプ状をなす。
【0097】
(14)カラーフィルタ22は、顔料に限らず、染料を含んでもよい。
【0098】
(15)カラーフィルタ22には、黄色光を選択的に透過する黄色カラーフィルタや全可視光線を透過する白色(透明)カラーフィルタが含まれてもよい。
【0099】
(16)バックライト装置12は、直下型以外にもエッジライト型であってもよい。
【0100】
(17)光源として、LED15以外にも、有機EL(Electro Luminescence)等を用いてもよい。
【0101】
(18)光学部材17の枚数、種類、積層順等は、適宜に変更可能である。
【0102】
(19)液晶パネル11,111において、カラーフィルタがアレイ基板11Bに設けられてもよい。
【0103】
(20)液晶パネル11,111は、透過型以外にも半透過型であってもよい。
【0104】
(21)液晶パネル11,111の表示モードは、VAモード、IPSモード等でもよい。
【0105】
(22)液晶パネル11,111以外の表示パネル(有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等)を備える表示装置でもよい。表示パネルを有機EL表示パネルとした場合、有機EL表示パネルには、例えば、白色光を発する白色OLED(Organic Light Emitting Diode)と、白色OLEDからの白色光をフィルタリングする3色のカラーフィルタと、を設ければよい。そして、白色OLEDには、主発光波長が異なる第1発光素子及び第2発光素子を含ませるとともに、カラーフィルタには、透過スペクトルが異なる第1カラーフィルタ及び第2カラーフィルタを含ませればよい。
【符号の説明】
【0106】
10…液晶表示装置(表示装置)、11,111…液晶パネル(表示パネル)、12…バックライト装置(照明装置)、15…LED(光源)、20,120…画素電極、20α…第1画素電極、20β…第2画素電極、20γ…第3画素電極、22α,122α,222α…第1カラーフィルタ、22β,122β,222β…第2カラーフィルタ、22γ,122γ,222γ…第3カラーフィルタ、22δ,122δ,222δ…第4カラーフィルタ、25…第1LED素子(第1発光素子)、26…第2LED素子(第2発光素子)、27…収容部、28…封止部、29…波長変換部、30…蛍光体、120δ,220δ…第4画素電極、120ε,220ε…第5画素電極、120ζ…第6画素電極、120η…第7画素電極、PX…画素、λ1…第1波長、λ2…第2波長、λ3…第3波長、λ4…第4波長