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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158912
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/27 20180101AFI20241031BHJP
F21S 43/241 20180101ALI20241031BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20241031BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20241031BHJP
F21S 43/40 20180101ALI20241031BHJP
F21S 43/31 20180101ALI20241031BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20241031BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20241031BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20241031BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20241031BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20241031BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20241031BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241031BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20241031BHJP
【ＦＩ】
F21S43/27
F21S43/241
F21S43/237
F21S43/245
F21S43/40
F21S43/31
F21V8/00 320
F21V8/00 360
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:55
F21W103:00
F21W103:35
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023074537
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西畑 孝司
(72)【発明者】
【氏名】望月 嶺
(72)【発明者】
【氏名】平田 大良
(72)【発明者】
【氏名】松岡 幸利
(72)【発明者】
【氏名】中村 翔
【テーマコード（参考）】
3K244
【Ｆターム（参考）】
3K244AA05
3K244BA08
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA02
3K244EA06
3K244EA08
3K244EA10
(57)【要約】
【課題】均一な視認性を確保することができる車両用灯具を提供する。
【解決手段】光源と、導光体と、リフレクタと、を有し、
前記導光体は、長手方向の端部に形成され前記光源からの光を入射させる１以上の入射面と、前記入射面から入射した光を長手方向において２方向に導光させ、その後合流させるように環状に形成され、灯具前方に光を出射する導光部と、前記導光部から前記環状の外側に突出して形成された板状の取付け部と、を有し、
前記取付け部は、前記導光部から突出する主壁部と、該主壁部の側面に、前記導光部からの光を該主壁部に導く拡張部とを備えている、車両用灯具とする。
【選択図】図８
【解決手段】光源と、導光体と、リフレクタと、を有し、
前記導光体は、長手方向の端部に形成され前記光源からの光を入射させる１以上の入射面と、前記入射面から入射した光を長手方向において２方向に導光させ、その後合流させるように環状に形成され、灯具前方に光を出射する導光部と、前記導光部から前記環状の外側に突出して形成された板状の取付け部と、を有し、
前記取付け部は、前記導光部から突出する主壁部と、該主壁部の側面に、前記導光部からの光を該主壁部に導く拡張部とを備えている、車両用灯具とする。
【選択図】図８
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、導光体と、リフレクタと、を有し、
前記導光体は、長手方向の端部に形成され前記光源からの光を入射させる１以上の入射面と、前記入射面から入射した光を長手方向において２方向に導光させ、その後合流させるように環状に形成され、灯具前方に光を出射する導光部と、前記導光部から前記環状の外側に突出して形成された板状の取付け部と、を有し、
前記取付け部は、前記導光部から突出する主壁部と、該主壁部の側面に、前記導光部からの光を該主壁部に導く拡張部とを備えている、車両用灯具。
前記導光体は、長手方向の端部に形成され前記光源からの光を入射させる１以上の入射面と、前記入射面から入射した光を長手方向において２方向に導光させ、その後合流させるように環状に形成され、灯具前方に光を出射する導光部と、前記導光部から前記環状の外側に突出して形成された板状の取付け部と、を有し、
前記取付け部は、前記導光部から突出する主壁部と、該主壁部の側面に、前記導光部からの光を該主壁部に導く拡張部とを備えている、車両用灯具。
【請求項2】
前記拡張部は、前記導光部の外面において前記主壁部から離間する箇所から漸次該主壁部の突出方向に向けて接近するように形成された外殻線の内側に形成されている、請求項１に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記拡張部は、前記導光部の外面において前記主壁部から離間する箇所に接線を設定し、前記接線の内側に形成されている、請求項１又は２に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記拡張部は、前記導光部の外面において前記主壁部から離間した２箇所の位置を起点として、前記主壁部方向へ向けて漸次幅寸法が狭まる外殻線の内側に設けられている、請求項１又は２に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記リフレクタは、前記導光体を配置する溝を有し、
前記溝の内壁面は、前記導光部の表面に対して沿うように形成され、かつ前記拡張部の近傍において、前記拡張部の側面に対して漸次離間するように形成されている、請求項１又は２に記載の車両用灯具。
前記溝の内壁面は、前記導光部の表面に対して沿うように形成され、かつ前記拡張部の近傍において、前記拡張部の側面に対して漸次離間するように形成されている、請求項１又は２に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記取付け部は、前記導光体を前記光を出射する方向と対向する側から見たときに、前記光源が設けられる側と対向する位置に設けられている、請求項１又は２に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記取付け部には取付け孔が形成されており、前記導光体は、前記取付け孔内に挿入する固定具により前記リフレクタに固定されている、請求項１又は２に記載の車両用灯具。
【請求項8】
前記導光体は、前記光源から入射した光を導き、導かれた光を２方向へ分岐させて前記導光部へ導く入射部を備え、該入射部の端部に前記入射面が設けられており、
前記リフレクタは、前記導光体を配置する溝を有し、
前記溝の一部に位置決め孔が形成され、前記導光体の前記入射部が前記位置決め孔内に挿入されている、請求項１又は２に記載の車両用灯具。
前記リフレクタは、前記導光体を配置する溝を有し、
前記溝の一部に位置決め孔が形成され、前記導光体の前記入射部が前記位置決め孔内に挿入されている、請求項１又は２に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯具として、光源と、光源からの光を長手方向端部の入射面から入射させて周面の出射面から出射させることによって発光する導光体と、リフレクタとを備えたものがある（例えば、特許文献１）。導光体は、長手方向の片側又は両側の端面が入射面とされ、正面が出射面とされ、背面がカット面とされており、入射面から入射した光を長手方向に導光させつつ背面に形成されたカット面において光を反射させ、その反射光を正面に形成された出射面から出射させることによって発光する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２０１８－１８１４７７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構造を有する導光体をリフレクタに取り付ける際の取付構造として、導光体の一部に、ネジ孔等を設けることができる板状の取付け部を導光体から突出させて設ける構造を採用することができる。しかしながら、板状の取付け部を導光体から突出させて設けると、取付け部の立ち上がりの角部において出射光が点光してしまい（局所的に光ってしまい）、均一な視認性を確保することが難しい。特に、取付け部付近に２方向から光が導光される構造においては、取付け部の立ち上がりの両角部がそれぞれ点光してしまうので、均一な視認性を確保することがより一層困難となる。
【0005】
本開示は、均一な視認性を確保することができる車両用灯具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る車両用灯具は、光源と、導光体と、リフレクタと、を有し、前記導光体は、長手方向の端部に形成され前記光源からの光を入射させる１以上の入射面と、前記入射面から入射した光を長手方向において２方向に導光させ、その後合流させるように環状に形成され、灯具前方に光を出射する導光部と、前記導光部から前記環状の外側に突出して形成された板状の取付け部と、を有し、前記取付け部は、前記導光部から突出する主壁部と、該主壁部の側面に、前記導光部からの光を該主壁部に導く拡張部とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、均一な視認性を確保することができる車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本開示の一実施形態として示した車両用灯具の平面図である。
【図3】本開示の一実施形態として示した車両用灯具の分解斜視図である。
【図4】本開示の一実施形態の車両用灯具を構成する導光体の平面図である。
【図7】本開示の一実施形態として示した車両用灯具の要部の拡大図である。
【図8】本開示の一実施形態として示した車両用灯具の平面図である。
【図14】本開示の別の実施形態の車両用灯具を構成する導光体の平面図である。
【図15】本開示の別の実施形態の車両用灯具を構成する導光体の平面図である。
【図16】本開示の別の実施形態の車両用灯具を構成する導光体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る車両用灯具の実施形態の一例を図面に基づいて詳細に説明する。本開示の範囲はここで説明する一実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができる。本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。本明細書において、前、後、上、下、左、右とは、車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。
【0010】
（車両用灯具）
図１～３は、本開示の一実施形態として示した車両用灯具１０を示す図である。車両用灯具１０は、光源１と、導光体２と、リフレクタ３と、を有している。車両用灯具１０においては、インナーレンズ４、カバー５、６がさらに設けられている。
車両用灯具１０は、ヘッドランプに搭載されるクリアランスランプ、ターンシグナルランプ、デイタイムランニングランプ等として使用されるものであるが、テールランプ、ストップランプとして使用することもできる。
図１～３は、本開示の一実施形態として示した車両用灯具１０を示す図である。車両用灯具１０は、光源１と、導光体２と、リフレクタ３と、を有している。車両用灯具１０においては、インナーレンズ４、カバー５、６がさらに設けられている。
車両用灯具１０は、ヘッドランプに搭載されるクリアランスランプ、ターンシグナルランプ、デイタイムランニングランプ等として使用されるものであるが、テールランプ、ストップランプとして使用することもできる。
【0011】
（光源）
光源１は、例えばＬＥＤ等の半導体型光源、レーザ光源等が用いられる。光源１は、光を出射する発光面を有する。光源１は、後述する導光体２の入射面ａに発光面が対向するように配置されている。光源１は、図示しない基板に支持されている。
光源１は、例えばＬＥＤ等の半導体型光源、レーザ光源等が用いられる。光源１は、光を出射する発光面を有する。光源１は、後述する導光体２の入射面ａに発光面が対向するように配置されている。光源１は、図示しない基板に支持されている。
【0012】
（導光体）
図４～６は、本開示の一実施形態として示した導光体２を示す図である。導光体２は、いわゆるライトガイドであり、本実施形態においては、断面略円形の棒状の導光材料により形成されたものであって、平面視において略環状となるように形成された導光部２０と、この導光部２０における内面の環状の輪を貫く軸線Ｌ方向に延在し、その一端が導光部２０に連結され、その他端に入射面ａが形成された入射部２２と、導光部２０の外面ｅの一部に環状の輪の外側に突出するように設けられた取付け部２３とを備えている。
図４～６は、本開示の一実施形態として示した導光体２を示す図である。導光体２は、いわゆるライトガイドであり、本実施形態においては、断面略円形の棒状の導光材料により形成されたものであって、平面視において略環状となるように形成された導光部２０と、この導光部２０における内面の環状の輪を貫く軸線Ｌ方向に延在し、その一端が導光部２０に連結され、その他端に入射面ａが形成された入射部２２と、導光部２０の外面ｅの一部に環状の輪の外側に突出するように設けられた取付け部２３とを備えている。
【0013】
図６に示すように、導光部２０は、その背面に多数のカットにより形成されたプリズム部ｃを有しており、入射面ａから入射した光を導光しつつプリズム部ｃで反射させて出射面を構成する前面ｄから環状の輪を貫く軸線Ｌ方向（車両用灯具前方）に向けて光を出射する。図６において、プリズム部ｃは、導光部２０の環形状の略全長に亘って設けられている。
【0014】
入射部２２は、光源１から入射した光を導き、導かれた光を２方向へ分岐させて導光部へ導くように構成されている。図５に示す入射部２２は、入射面ａから２つに分岐し入射面ａから導入した光を導光部２０の一方及び他方に導くように構成されている。
【0015】
取付け部２３は、導光部２０の外面ｅの一部から、導光部２０の輪の外方へ平面視で突出して形成され、後述するリフレクタ３に取り付けられる部分である。取付け部２３は、導光部２０の外面ｅの一部から突出する主壁部２３Ａと、該主壁部２３Ａの側面に設けられ、導光部２０の前記一部の近傍からの光を主壁部２３Ａに導く拡張部２３ａ、２３ｂとを備えている。
【0016】
拡張部２３ａ、２３ｂは、導光部２０の外面ｅにおいて、主壁部２３Ａから離間する箇所から漸次該主壁部２３Ａの突出方向に向けて接近するように形成された外殻線の内側に形成されている。拡張部２３ａ、２３ｂは、導光部２０の外面ｅにおいて主壁部２３Ａから離間した２箇所の位置を起点として、主壁部２３Ａ方向へ向けて漸次幅寸法が狭まる外殻線の内側に設けられている。図７に示すように、拡張部２３ａ、２３ｂは、導光部２０の外面ｅにおいて主壁部２３Ａから離間する箇所Ｔ１、Ｔ２に接線Ｌ１、Ｌ２を設定し、該接線Ｌ１、Ｌ２の内側に形成されている。
【0017】
取付け部２３の形成方法について図７を示して説明する。図７は、本開示の一実施形態として示した車両用灯具１０の要部の拡大図である。まず、導光部２０の外面ｅにおいて取付け部２３を取り付ける箇所に接線Ｌ０を設定し、さらに接線Ｌ０に直交する軸線Ｌ３を設定する。軸線Ｌ３は、導光部２０の輪の中心を通っている。導光部２０の外面ｅから軸線Ｌ３に対してほぼ同一幅の幅寸法を持って導光部２０の輪の外方に突出させて主壁部２３Ａを設定する。
次いで、導光部２０の外面ｅにおいて、外面ｅと接線Ｌ０との交点Ｔ０から離れた箇所Ｔ１、Ｔ２に接線Ｌ１、Ｌ２をそれぞれ設定する。接線Ｌ１、Ｌ２は、主壁部２３Ａと交わるように設定される。上記において設定された主壁部２３Ａと、導光体２の外面ｅと、接線Ｌ１又はＬ２とに囲まれた領域に、拡張部２３ａ、２３ｂを形成する。こうして、主壁部２３Ａと拡張部２３ａ、２３ｂとを有する取付け部２３を形成することができる。
次いで、導光部２０の外面ｅにおいて、外面ｅと接線Ｌ０との交点Ｔ０から離れた箇所Ｔ１、Ｔ２に接線Ｌ１、Ｌ２をそれぞれ設定する。接線Ｌ１、Ｌ２は、主壁部２３Ａと交わるように設定される。上記において設定された主壁部２３Ａと、導光体２の外面ｅと、接線Ｌ１又はＬ２とに囲まれた領域に、拡張部２３ａ、２３ｂを形成する。こうして、主壁部２３Ａと拡張部２３ａ、２３ｂとを有する取付け部２３を形成することができる。
【0018】
図２、４に示すように、取付け部２３には、取付け孔２４が形成されており、導光体２は、該取付け孔２４内に挿入するネジＮ（固定具）によりリフレクタ３に固定されている。図４に示すように、取付け部２３は、リフレクタ３に設けられる被取り付け箇所に平行となる面Ｓを有しており、該面Ｓにリフレクタ３に取り付けられるための取付け孔２４を有している。取付け部２３は、その前面側に配置されるインナーレンズ４とともに固定具によりリフレクタ３に固定されている。この場合、図３に示すように、リフレクタ３には、固定具を固定するための被取付け孔Ｈが形成されている。
【0019】
図２に示すように、取付け部２３の前面側には、カバー６が設けられており、取付け部２３は、この車両用灯具１０の前面側からは目視することができないように構成されている。
【0020】
図２において、取付け部２３は、導光部２０の外面から水平方向外方に突出してその途中で斜め上方へ立ち上がり、さらに立ち上がった先端から水平方向外方へ延在するように設けられている。
【0021】
図４～６おいて、取付け部２３は、導光体２を、光を出射する方向と対向する側から見たときに、光源１が設けられる側と対向する位置に設けられている。
導光体２は、導光性を有するアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明樹脂で形成されている。
導光体２は、導光性を有するアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明樹脂で形成されている。
【0022】
（リフレクタ）
図７、８に示すように、リフレクタ３は、導光体２の背面側に、導光体２の全体を配置可能に設けられている。リフレクタ３は、平面視が略環状に形成され、導光体２の取付け部２３に対向する箇所に被取付け部２５を有している。図１０に示すように、リフレクタ３は、導光体２の導光部２０が有するプリズム部ｃと対向して設けられている。
図７、８に示すように、リフレクタ３は、導光体２の背面側に、導光体２の全体を配置可能に設けられている。リフレクタ３は、平面視が略環状に形成され、導光体２の取付け部２３に対向する箇所に被取付け部２５を有している。図１０に示すように、リフレクタ３は、導光体２の導光部２０が有するプリズム部ｃと対向して設けられている。
【0023】
リフレクタ３は、導光体２を配置する溝ｇを有している。溝ｇの内壁面は、導光部２０と対向する領域においては、導光部２０の表面に対して沿うように形成され、かつ前記拡張部２３ａ、２３ｂと対向する領域においては、前記拡張部２３ａ、２３ｂの近傍３０ａｗ、３０ｂｗにおいて、前記拡張部２３ａ、２３ｂの側面２３ａｗ、２３ｂｗに対して漸次離間するように形成されている。
【0024】
溝ｇの内壁は、導光部２０に対向する領域においては、導光部２０の外表面の全周に沿って形成されており、拡張部２３ａ、２３ｂの側面２３ａｗ、２３ｂｗの近傍３０ａｗ、３０ｂｗにおいては、平面視が、拡張部２３ａ、２３ｂを設定する接線Ｌ１、Ｌ２の傾きとは異なる傾きとなるように形成されている。
【0025】
図９に示すように、導光体２の取付け部２３の両側面は、車両搭載時の前方から後方へ向けて（図９の上方から下方へ向けて）幅が漸次広がる傾斜面になっている。また、リフレクタ３の、取付け部２３の両側面に対向する溝ｇの内面は、車両搭載時の後方から前方へ向けて（図９の下方から上方へ向けて）漸次広がる傾斜面、又は垂直面に形成されている。
【0026】
図１２に示すように、車両用灯具１０を平面視したときに、取付け部２３における拡張部２３ａ、２３ｂの側面は、導光部２０の接線Ｌ１、Ｌ２上に設けられているが、これら接線Ｌ１、Ｌ２が交差する角度は、α１である。また、リフレクタ３の取付け部２３が配置される溝ｇの内壁において、前記拡張部２３ａ、２３ｂの側面２３ａｗ、２３ｂｗの近傍３０ａｗ、３０ｂｗは、２つの交差する直線Ｌ４、Ｌ５に沿って設けられており、これら直線Ｌ４、Ｌ５が交差する角度は、α２である。ここで、α１＞α２に形成されている。
【0027】
図３に示すように、リフレクタ３において、導光体２の入射部２２に対応する箇所には、入射部２２を挿入可能な位置決め孔ｈが形成されている。リフレクタ３は、光を透過しない材料で形成されている。
【0028】
（インナーレンズ）
インナーレンズ４は、導光部２０を覆うように設けられる部材であって、光を拡散可能な透明部材で構成されている。図１、２に示すインナーレンズ４は、平面視が略環状に形成されており、断面が凹状に形成されている。インナーレンズ４は、導光体２の取付け部２３に対向する箇所に、導光体２とともにリフレクタ３に取り付けられるレンズ取付け部２６を有している。
インナーレンズ４は、導光部２０を覆うように設けられる部材であって、光を拡散可能な透明部材で構成されている。図１、２に示すインナーレンズ４は、平面視が略環状に形成されており、断面が凹状に形成されている。インナーレンズ４は、導光体２の取付け部２３に対向する箇所に、導光体２とともにリフレクタ３に取り付けられるレンズ取付け部２６を有している。
【0029】
（カバー）
カバー５は、導光体２の輪の内側に設けられる部材であって、車両用灯具１０の意匠上の部材である。カバー６は、導光体２の輪の外側に設けられる部材であって、特に前述したように、導光体２の取付け部２３の前面側を覆い、取付け部２３付近の点光を外部から遮断する部材である。
カバー５は、導光体２の輪の内側に設けられる部材であって、車両用灯具１０の意匠上の部材である。カバー６は、導光体２の輪の外側に設けられる部材であって、特に前述したように、導光体２の取付け部２３の前面側を覆い、取付け部２３付近の点光を外部から遮断する部材である。
【0030】
（組み立て方法）
車両用灯具１０の組み立て方法について説明する。図３に示すように、定位置に固定されたリフレクタ３に対し、導光体２を対向させて配置し、この導光体２の入射部２２をリフレクタの位置決め孔ｈに挿入する。さらに、導光体２の取付け部２３をリフレクタの被取付け部２５上に配置する。
車両用灯具１０の組み立て方法について説明する。図３に示すように、定位置に固定されたリフレクタ３に対し、導光体２を対向させて配置し、この導光体２の入射部２２をリフレクタの位置決め孔ｈに挿入する。さらに、導光体２の取付け部２３をリフレクタの被取付け部２５上に配置する。
【0031】
次いで、導光体２の上方にインナーレンズ４を配置し、このインナーレンズ４を導光体２の上方に重ねた状態で位置させる。そして、インナーレンズ４のレンズ取付け部２６に形成された取付け孔内にネジを挿入し、さらにこのネジを導光体２の取付け部２３の取付け孔２４に挿入し、ネジをリフレクタ３の被取付け部２５の取付け孔Ｈに螺着緊締する。その後、カバー５をインナーレンズ４の前面に装着し、カバー６を取付け部２３を覆うように装着して組み立てを完了する。
【0032】
次に、上記のように構成された車両用灯具１０の作用について説明する。
まず、車両用灯具１０において、電源を投入すると、光源１が発光する。光源１からの光は、導光体２の入射面ａから入射部２２内に導入され、２方向に分岐して導光部２０の一方及び他方に進行する。これらの光は、導光部２０内を通って取付け部２３付近で合流する。ここで、導光部２０内に導入された光は、図１１に示すように、導光部２０の背面に設けられたプリズム部によって反射拡散され、導光部２０の全面に設けられた出射面（前面ｄ）から前方へ出射する。また、一部の光は導光部２０からリフレクタ３方向に漏れるが、漏れた光はリフレクタ３によって反射されて同様に出射面から前方へ出射する。これらの出射した光は、インナーレンズ４によって拡散され前方へ照射される。これによって、車両の前方からこの車両用灯具１０の発光を視認することができるようになる。
まず、車両用灯具１０において、電源を投入すると、光源１が発光する。光源１からの光は、導光体２の入射面ａから入射部２２内に導入され、２方向に分岐して導光部２０の一方及び他方に進行する。これらの光は、導光部２０内を通って取付け部２３付近で合流する。ここで、導光部２０内に導入された光は、図１１に示すように、導光部２０の背面に設けられたプリズム部によって反射拡散され、導光部２０の全面に設けられた出射面（前面ｄ）から前方へ出射する。また、一部の光は導光部２０からリフレクタ３方向に漏れるが、漏れた光はリフレクタ３によって反射されて同様に出射面から前方へ出射する。これらの出射した光は、インナーレンズ４によって拡散され前方へ照射される。これによって、車両の前方からこの車両用灯具１０の発光を視認することができるようになる。
【0033】
一方、上記の車両用灯具１０の点灯状態において、この車両用灯具１０においては、この種車両用灯具について問題となる点光の問題が発生しない。
すなわち、上記の車両用灯具１０において、導光部２０内に導かれた光は、取付け部２３付近において合流するが、この際、導光部２０内の光は取付け部２３近傍に達すると、図１２に示すように、取付け部２３における拡張部２３ａ、２３ｂ内に導かれ、拡張部２３ａ、２３ｂから主壁部２３Ａに導入されて主壁部２３Ａの先端方向へ導かれる一方、その一部が拡張部２３ａ、２３ｂから外方へ出射される。
すなわち、上記の車両用灯具１０において、導光部２０内に導かれた光は、取付け部２３付近において合流するが、この際、導光部２０内の光は取付け部２３近傍に達すると、図１２に示すように、取付け部２３における拡張部２３ａ、２３ｂ内に導かれ、拡張部２３ａ、２３ｂから主壁部２３Ａに導入されて主壁部２３Ａの先端方向へ導かれる一方、その一部が拡張部２３ａ、２３ｂから外方へ出射される。
【0034】
この場合、図１３に示すように、拡張部２３ａ、２３ｂが存在しない場合には、主壁部２３Ａが導光部２０に接合される主壁部２３Ａの根本の側面Ｐ１ａ、Ｐ１ｂにおいて点光が生じることとなるが、この実施形態に示すように、拡張部２３ａ、２３ｂを設けた場合、導光部２０からの光が拡張部２３ａ、２３ｂを通って主壁部２３Ａ内に導かれるため、点光部分がＰ２ａ、Ｐ２ｂのように主壁部２３Ａの先端方向へ移動し、主壁部２３Ａの根元部分での点光が抑えられることになる。
一方、導光体２の取付け部２３付近は、その前面側がカバー６で覆われているため、上記車両用灯具１０における点光は外部から視認することができない。
一方、導光体２の取付け部２３付近は、その前面側がカバー６で覆われているため、上記車両用灯具１０における点光は外部から視認することができない。
【0035】
さらに、図７、９、１２に示すように、リフレクタ３の溝ｇの内壁は、拡張部２３ａ、２３ｂの近傍３０ａｗ、３０ｂｗにおいては、拡張部２３ａ、２３ｂとは離間するように形成されているので、光が導光部２０から拡張部２３ａ、２３ｂに導かれ、リフレクタ３側に出射した場合であっても、リフレクタ３の内壁３０ａｗ、３０ｂｗによって下方に反射され、灯具前方に出射することがなく、点光がより生じにくい構成となっている。
【0036】
上記のように、この実施形態における車両用灯具１０は、この種一般的な車両用灯具において生じる点光の問題を生じることなく本来の光の照射を的確に行うことができ、均一な視認性を確保することができる。
【0037】
上記の実施の形態においては、図４～６に示すように、導光部２０が平面視において略正円形状のものについて説明したが、この導光体２の形状は、例えば、図１４～１６に示すように、一方向に長い楕円形状としてもよい。またさらに、図１４に示すように、取付け部を楕円形状の曲率が大となる両端方向へ長尺に延びる形状としてもよい。
【0038】
上記の実施の形態においては、図７に示すように、拡張部２３ａ、２３ｂの側面を接線Ｌ１、Ｌ２上に形成したが、図１５、１６に点線で示すように外側へ膨らむ湾曲形状としてもよく、また、内側へ凹む湾曲形状としてもよい。さらに、図１５、１６に点線で示すように、拡張部２３ａ、２３ｂの側面が、主壁部２３Ａの先端まで至る形状としてもよい。
【0039】
また、拡張部２３ａ、２３ｂは、主壁部２３Ａの両側面に設けられているが、片側側面にのみ設けられていてもよい。この場合、主壁部２３Ａの拡張部が設けられていない側面と導光部２０とが交わる箇所はカバー６に覆われるように設けられることが好ましい。
また、導光体２の取付け部２３に設けられる取付け孔は、図７における軸線Ｌ３上に設けられてもよい。
また、導光体２の取付け部２３に設けられる取付け孔は、図７における軸線Ｌ３上に設けられてもよい。
【0040】
上記の実施の形態においては、入射面は１つの面で構成されているが、２以上の入射面で構成することができる。２つの入射面を有する場合、両者は互いに接していてもよく、離れていてもよい。この場合において、第１の入射面は導光部２０の第１の方向へ光を導き、第２の入射面は導光部２０の第２の方向へ光を導くように構成することができる。
【0041】
本開示の各態様をまとめると以下のとおりである。
［１］光源と、導光体と、リフレクタと、を有し、
前記導光体は、長手方向の端部に形成され前記光源からの光を入射させる１以上の入射面と、前記入射面から入射した光を長手方向において２方向に導光させ、その後合流させるように環状に形成され、灯具前方に光を出射する導光部と、前記導光部から前記環状の外側に突出して形成された板状の取付け部と、を有し、
前記取付け部は、前記導光部から突出する主壁部と、該主壁部の側面に、前記導光部からの光を該主壁部に導く拡張部とを備えている、車両用灯具。
［２］前記拡張部は、前記導光部の外面において前記主壁部から離間する箇所から漸次該主壁部の突出方向に向けて接近するように形成された外殻線の内側に形成されている、［１］に記載の車両用灯具。
［３］前記拡張部は、前記導光部の外面において前記主壁部から離間する箇所に接線を設定し、前記接線の内側に形成されている、［１］又は［２］に記載の車両用灯具。
［４］前記拡張部は、前記導光部の外面において前記主壁部から離間した２箇所の位置を起点として、前記主壁部方向へ向けて漸次幅寸法が狭まる外殻線の内側に設けられている、［１］から［３］のいずれかに記載の車両用灯具。
［５］前記リフレクタは、前記導光体を配置する溝を有し、
前記溝の内壁面は、前記導光部の表面に対して沿うように形成され、かつ前記拡張部の近傍において、前記拡張部の側面に対して漸次離間するように形成されている、［１］から［４］のいずれかに記載の車両用灯具。
［６］前記取付け部は、前記導光体を前記光を出射する方向と対向する側から見たときに、前記光源が設けられる側と対向する位置に設けられている、［１］から［５］のいずれかに記載の車両用灯具。
［７］前記取付け部には取付け孔が形成されており、前記導光体は、前記取付け孔内に挿入する固定具により前記リフレクタに固定されている、［１］から［６］のいずれかに記載の車両用灯具。
［８］前記導光体は、前記光源から入射した光を導き、導かれた光を２方向へ分岐させて前記導光部へ導く入射部を備え、該入射部の端部に前記入射面が設けられており、前記リフレクタは、前記導光体を配置する溝を有し、前記溝の一部に位置決め孔が形成され、前記導光体の前記入射部が前記位置決め孔内に挿入されている、［１］から［７］のいずれかに記載の車両用灯具。
［１］光源と、導光体と、リフレクタと、を有し、
前記導光体は、長手方向の端部に形成され前記光源からの光を入射させる１以上の入射面と、前記入射面から入射した光を長手方向において２方向に導光させ、その後合流させるように環状に形成され、灯具前方に光を出射する導光部と、前記導光部から前記環状の外側に突出して形成された板状の取付け部と、を有し、
前記取付け部は、前記導光部から突出する主壁部と、該主壁部の側面に、前記導光部からの光を該主壁部に導く拡張部とを備えている、車両用灯具。
［２］前記拡張部は、前記導光部の外面において前記主壁部から離間する箇所から漸次該主壁部の突出方向に向けて接近するように形成された外殻線の内側に形成されている、［１］に記載の車両用灯具。
［３］前記拡張部は、前記導光部の外面において前記主壁部から離間する箇所に接線を設定し、前記接線の内側に形成されている、［１］又は［２］に記載の車両用灯具。
［４］前記拡張部は、前記導光部の外面において前記主壁部から離間した２箇所の位置を起点として、前記主壁部方向へ向けて漸次幅寸法が狭まる外殻線の内側に設けられている、［１］から［３］のいずれかに記載の車両用灯具。
［５］前記リフレクタは、前記導光体を配置する溝を有し、
前記溝の内壁面は、前記導光部の表面に対して沿うように形成され、かつ前記拡張部の近傍において、前記拡張部の側面に対して漸次離間するように形成されている、［１］から［４］のいずれかに記載の車両用灯具。
［６］前記取付け部は、前記導光体を前記光を出射する方向と対向する側から見たときに、前記光源が設けられる側と対向する位置に設けられている、［１］から［５］のいずれかに記載の車両用灯具。
［７］前記取付け部には取付け孔が形成されており、前記導光体は、前記取付け孔内に挿入する固定具により前記リフレクタに固定されている、［１］から［６］のいずれかに記載の車両用灯具。
［８］前記導光体は、前記光源から入射した光を導き、導かれた光を２方向へ分岐させて前記導光部へ導く入射部を備え、該入射部の端部に前記入射面が設けられており、前記リフレクタは、前記導光体を配置する溝を有し、前記溝の一部に位置決め孔が形成され、前記導光体の前記入射部が前記位置決め孔内に挿入されている、［１］から［７］のいずれかに記載の車両用灯具。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本実施形態の車両用灯具は、均一な視認性を確保することができるため、種々の車両に搭載可能な車両用灯具として産業上の利用可能性を有している。
【符号の説明】
【0043】
１０ 車両用灯具
１ 光源
２ 導光体
３ リフレクタ
４ インナーレンズ
５、６ カバー
２０ 導光部
２２ 入射部
２３ 取付け部
２３ａ、２３ｂ 拡張部
２３Ａ 主壁部
ａ 入射面
１ 光源
２ 導光体
３ リフレクタ
４ インナーレンズ
５、６ カバー
２０ 導光部
２２ 入射部
２３ 取付け部
２３ａ、２３ｂ 拡張部
２３Ａ 主壁部
ａ 入射面
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
