(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158915
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】給電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20241031BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20241031BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241031BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20241031BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20241031BHJP
B60L 53/35 20190101ALI20241031BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/10
H02J7/00 301D
H02J7/00 301B
B60L50/60
B60L53/12
B60L53/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074543
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】栗田 峰生
(72)【発明者】
【氏名】林 純輝
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503BB02
5G503BB03
5G503CA10
5G503DA04
5G503FA03
5G503FA06
5G503GB08
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC26
5H125BC22
5H125DD02
5H125FF15
(57)【要約】
【課題】2つのコネクタのそれぞれが備えるコア同士の対向方向に沿う軸心回りの相対位置を調整しやすい技術を実現する。
【解決手段】第1コア13は、一対の第1対向部14を備え、第2コア23は、接続状態で、一対の第1対向部14にそれぞれ対向する一対の第2対向部24を備える。第1対向部14と第2対向部24とが対向する方向を対向方向Zとし、対向方向Zに直交する方向を直交方向X,Yとして、移動装置は、第1コネクタと第2コネクタとを、対向方向Z及び直交方向X,Yに相対的に移動させる相対移動機構とは別に、第1コア13と第2コア23とのいずれか一方である対象コアを、対向方向Zに沿う回転軸心A回りに回転させるコア回転機構を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタと、第2コネクタと、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを相対的に移動させて、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの接続と分離とを行う移動装置と、を備えた給電システムであって、
前記第1コネクタは、磁性体で構成された第1コアと、前記第1コアに巻回された第1コイルと、を備え、
前記第2コネクタは、磁性体で構成された第2コアと、前記第2コアに巻回された第2コイルと、を備え、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとは、互いに接続された接続状態で、前記第1コアと前記第2コアとが磁気回路を形成すると共に、前記第1コイルと前記第2コイルとが磁気結合するように構成され、
前記第1コアは、一対の第1対向部を備え、
前記第2コアは、前記接続状態で、一対の前記第1対向部にそれぞれ対向する一対の第2対向部を備え、
前記第1対向部と前記第2対向部とが対向する方向を対向方向とし、前記対向方向に直交する方向を直交方向として、
前記移動装置は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを、前記対向方向及び前記直交方向に相対的に移動させる相対移動機構とは別に、前記第1コアと前記第2コアとのいずれか一方である対象コアを、前記対向方向に沿う回転軸心回りに回転させるコア回転機構を備える、給電システム。
【請求項2】
前記移動装置は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの位置関係を検出する位置関係検出システムを備え、
前記位置関係検出システムは、前記第1コイルに電流を供給する電流供給部と、前記第2コネクタに設けられ、前記第1コアから出る磁束の密度及び方向を検出する磁気センサと、を備える、請求項1に記載の給電システム。
【請求項3】
前記移動装置を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記相対移動機構により前記第1コネクタと前記第2コネクタとの相対位置を調整する第1調整制御と、前記コア回転機構により前記第1コアと前記第2コアとの前記回転軸心回りの相対位置を調整する第2調整制御と、を実行し、
前記制御装置は、前記第1調整制御及び前記第2調整制御の少なくとも一方を、前記磁気センサの検出結果に基づき実行する、請求項2に記載の給電システム。
【請求項4】
前記位置関係検出システムは、前記第1コイルと前記第2コイルとの磁気結合の程度に応じて変化する指標を検出する指標センサを備え、
前記制御装置は、前記磁気センサの検出結果に基づき前記第1調整制御を実行した後、前記指標センサの検出結果に基づき前記第2調整制御を実行する、請求項3に記載の給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1コネクタと、第2コネクタと、第1コネクタと第2コネクタとの接続と分離とを行う移動装置と、を備えた給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような給電システムの一例が、特開2012-85472号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1に開示されている給電システムは、1次コイル(23)を有する給電部(21)側のコネクタと、2次コイル(13)を有する受電部(12)側のコネクタとを備えており、給電部(21)側のコネクタを移動させることで、これら2つのコネクタの接続と分離とを行うように構成されている。2つのコネクタが接続された状態で、1次コイル(23)から2次コイル(13)に電磁誘導により電力が伝送される。
【0003】
特許文献1では、給電部(21)側のコネクタと受電部(12)側のコネクタとのそれぞれの中心がずれた場合に送電効率が低下することを課題としている。このような課題を解決するために、特許文献1の給電システムでは、凸部(25)を給電部(21)側のコネクタに設けると共に、凸部(25)に嵌合する形状の凹部(15)を受電部(12)側のコネクタに設けている。これにより、給電部(21)側のコネクタを移動させて給電部(21)側のコネクタと受電部(12)側のコネクタとを接続する場合に、これら2つのコネクタのそれぞれの中心がずれていたとしても、凸部(25)を凹部(15)に嵌合させることで、これら2つのコネクタのそれぞれの中心を合わせることが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、2つのコネクタが接続された状態でこれらが対向する方向を「対向方向」として、コネクタが備えるコアの構造によっては、2つのコネクタの間での送電効率を高く確保するために、2つのコネクタのそれぞれが備えるコア同士の対向方向に沿う軸心回りの相対位置(相対角度)を適切に調整する必要がある。しかしながら、特許文献1にはこの点についての記載はない。
【0006】
そこで、2つのコネクタのそれぞれが備えるコア同士の対向方向に沿う軸心回りの相対位置を調整しやすい技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る給電システムは、第1コネクタと、第2コネクタと、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを相対的に移動させて、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの接続と分離とを行う移動装置と、を備えた給電システムであって、前記第1コネクタは、磁性体で構成された第1コアと、前記第1コアに巻回された第1コイルと、を備え、前記第2コネクタは、磁性体で構成された第2コアと、前記第2コアに巻回された第2コイルと、を備え、前記第1コネクタと前記第2コネクタとは、互いに接続された接続状態で、前記第1コアと前記第2コアとが磁気回路を形成すると共に、前記第1コイルと前記第2コイルとが磁気結合するように構成され、前記第1コアは、一対の第1対向部を備え、前記第2コアは、前記接続状態で、一対の前記第1対向部にそれぞれ対向する一対の第2対向部を備え、前記第1対向部と前記第2対向部とが対向する方向を対向方向とし、前記対向方向に直交する方向を直交方向として、前記移動装置は、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを、前記対向方向及び前記直交方向に相対的に移動させる相対移動機構とは別に、前記第1コアと前記第2コアとのいずれか一方である対象コアを、前記対向方向に沿う回転軸心回りに回転させるコア回転機構を備える。
【0008】
本構成によれば、第1コアと第2コアとの対向方向に沿う軸心回りの相対位置(相対角度)が、一対の第1対向部が一対の第2対向部にそれぞれ適切に対向する適正位置からずれている場合であっても、コア回転機構により対象コアを対向方向に沿う回転軸心回りに回転させることで、上記の相対位置が適正位置に近づくように調整することができる。そして、本構成によれば、このような調整を行うためのコア回転機構が相対移動機構とは別に設けられるため、例えば相対移動機構により第1コネクタと第2コネクタとの相対位置を合わせた後の微調整をコア回転機構を用いて行うことができる等、第1コアと第2コアとの対向方向に沿う軸心回りの相対位置を調整しやすい。
【0009】
給電システムの更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】実施形態に係る第1トランス部及び第2トランス部を簡略化して示す斜視図
【
図5】実施形態に係る第1調整制御及び第2調整制御の実行後の状態を示す図
【
図6】対象コアの支持部の一例を簡略化して示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
給電システムの実施形態について、図面を参照して説明する。本開示に係る給電システムが適用されるシステムはこれに限定されないが、ここでは、本開示に係る給電システムを、
図1に例示するような車両用給電システムに適用した場合を例として説明する。
【0012】
図1に示す例では、給電システム100は、車両8に搭載された蓄電装置9に電力を供給するように構成されている。
図1は、蓄電装置9を充電するための充電ステーションにおいて車両8が停止している状態を表している。車両8は、電気自動車等の電動車両とされ、蓄電装置9の電力を用いて走行する。詳細は省略するが、車両8には、蓄電装置9から電力の供給を受けて動作する回転電機(電動モータ)が、車輪の駆動力源として搭載されている。蓄電装置9は、外部から再充電可能な電源(具体的には、直流電源)であり、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等のバッテリや、キャパシタ等を、蓄電装置9として用いることができる。
【0013】
図1に示すように、給電システム100は、第1コネクタ1、第2コネクタ2、及び移動装置3を備えている。第1コネクタ1及び第2コネクタ2の一方は、電源4に接続される送電側コネクタとされ、第1コネクタ1及び第2コネクタ2の他方は、蓄電装置9(ここでは、車両8に搭載された蓄電装置9)に接続される受電側コネクタとされる。送電側コネクタには電源4の電力が供給され、受電側コネクタは蓄電装置9に電力を供給する。本実施形態では、第2コネクタ2が送電側コネクタであり、第1コネクタ1が受電側コネクタである。
図7に示すように、本実施形態では、電源4の電力は、電力会社の電力系統5(商用電力系統)から供給される電力である。これに限らず、電源4の電力は、車両8の外部に設けられた蓄電装置から供給される電力や、車両8の外部に設けられた発電機(例えば、太陽光発電機)から供給される電力等であってもよい。
【0014】
移動装置3は、第1コネクタ1と第2コネクタ2とを相対的に移動させて、第1コネクタ1と第2コネクタ2との接続と分離(言い換えれば、接続の解除)とを行う。移動装置3は、第1コネクタ1及び第2コネクタ2の少なくとも一方を移動させるように構成される。本実施形態では、移動装置3は、送電側コネクタ(ここでは、第2コネクタ2)を移動させるように構成されている。なお、ここでの「接続」は、後述する第1コイル12と第2コイル22とが磁気的或いは電磁的に結合することを意味し、第1コネクタ1と第2コネクタ2とが接続された接続状態で、第1コネクタ1と第2コネクタ2とは、機械的に連結されていても連結されていなくてもよい。また、第1コネクタ1と第2コネクタ2とが接続された接続状態で、第1コネクタ1と第2コネクタ2とは、接触していても離間していてもよい。
【0015】
図1に示す例では、受電側コネクタ(ここでは、第1コネクタ1)は、車両8の側面に設けられている。そして、電源4が設けられた充電スタンドが、送電側コネクタ(ここでは、第2コネクタ2)を移動させる移動装置3を備えている。なお、受電側コネクタは、車両8の側面以外の場所に設けられてもよい。例えば、受電側コネクタが車両8の底面に設けられ、送電側コネクタが地表に設けられる構成とすることができる。
【0016】
図2に示すように、第1コネクタ1は、第1コイル12及び第1コア13を備え、第2コネクタ2は、第2コイル22及び第2コア23を備えている。第1コイル12及び第1コア13は、第1トランス部11を構成し、第2コイル22及び第2コア23は、第2トランス部21を構成している。
図7に示すように、第1トランス部11は、第1コネクタ1が備える第1ケース10に収容され、第2トランス部21は、第2コネクタ2が備える第2ケース20に収容されている。
図2等では第1ケース10や第2ケース20の図示を省略している。
【0017】
第1コア13は磁性体で構成され、第1コイル12は第1コア13に巻回されている。第2コア23は磁性体で構成され、第2コイル22は第2コア23に巻回されている。送電側コネクタが備える送電側コイル(ここでは、第2コイル22)は、電源4に電気的に接続されており、当該コイルには電源4の電力が供給される。受電側コネクタが備える受電側コイル(ここでは、第1コイル12)は、蓄電装置9に電気的に接続されており、当該コイルは蓄電装置9に電力を供給する。
【0018】
第1コネクタ1と第2コネクタ2とは、互いに接続された接続状態で、第1コア13と第2コア23とが磁気回路を形成すると共に、第1コイル12と第2コイル22とが磁気結合するように構成されている。すなわち、接続状態で、第1トランス部11と第2トランス部21とが磁気的に結合してトランスを構成する。従って、接続状態で送電側コイル(ここでは、第2コイル22)に交流電力を供給することで、送電側コイルから受電側コイル(ここでは、第1コイル12)に非接触で電力を伝送することができる。非接触による電力の伝送方式は、例えば、電磁誘導方式とされ、或いは磁界共鳴方式とされる。
【0019】
本実施形態では、
図7に簡略化して示すように、送電側コネクタ(ここでは、第2コネクタ2)は、電源4から供給される電力を周波数変換して送電側コイル(ここでは、第2コイル22)に交流電力を供給する周波数変換回路26を備えている。本実施形態では、電源4は、電力系統5から供給される交流電力を交流直流変換部6により直流電力に変換して送電側コネクタに供給する。そのため、周波数変換回路26は、電源4から供給される直流電力を交流電力に周波数変換して送電側コイルに供給する。なお、交流直流変換部6が、交流電力を直流電力に変換すると共に昇圧して送電側コネクタに供給する構成としてもよい。電源4から送電側コネクタに交流電力が供給される構成とすることもでき、この場合には、周波数変換回路26は、電源4から供給される交流電力を別の周波数の交流電力に周波数変換して送電側コイルに供給する。
【0020】
本実施形態では、周波数変換回路26は、スイッチング素子を用いて構成されている。周波数変換回路26は、例えば、スイッチング素子がブリッジ接続されたフルブリッジ回路(具体的には、単層フルブリッジ回路)を備える。そして、送電側コネクタ(ここでは、第2コネクタ2)は、第2制御回路28と、第2制御回路28からの指令に応じて周波数変換回路26を構成するスイッチング素子の駆動信号(ゲート信号等のスイッチング信号)を生成する第2駆動回路27と、を備えている。詳細は省略するが、第2コネクタ2(
図7に示す例では、周波数変換回路26)には第2センサ25が設けられており、第2制御回路28は、第2センサ25の検出情報に基づき周波数変換回路26を制御する。第2センサ25は、例えば、電流センサ及び電圧センサの少なくとも一方を含む。
【0021】
本実施形態では、
図7に簡略化して示すように、受電側コネクタ(ここでは、第1コネクタ1)は、受電側コイル(ここでは、第1コイル12)を流れる交流電流を直流電流に変換して蓄電装置9に供給する交流直流変換回路16を備えている。本実施形態では、交流直流変換回路16は、スイッチング素子を用いて構成されている。交流直流変換回路16は、例えば、スイッチング素子がブリッジ接続されたフルブリッジ回路(具体的には、単層フルブリッジ回路)を備える。そして、受電側コネクタは、第1制御回路18と、第1制御回路18からの指令に応じて交流直流変換回路16を構成するスイッチング素子の駆動信号(ゲート信号等のスイッチング信号)を生成する第1駆動回路17と、を備えている。詳細は省略するが、第1コネクタ1(
図7に示す例では、交流直流変換回路16)には第1センサ15が設けられており、第1制御回路18は、第1センサ15の検出情報に基づき交流直流変換回路16を制御する。第1センサ15は、例えば、電流センサ及び電圧センサの少なくとも一方を含む。
【0022】
交流直流変換回路16がフルブリッジ回路を備える場合、電源4の電力を送電側コイル(ここでは、第2コイル22)から受電側コイル(ここでは、第1コイル12)に非接触で伝送することに加えて、蓄電装置9の電力を受電側コイルから送電側コイルに非接触で伝送することができる。なお、交流直流変換回路16は、受電側コイルを流れる交流電流を直流電流に変換する機能を少なくとも有していればよく、例えば、交流直流変換回路16が、フルブリッジ回路に代えてハーフブリッジ回路又はダイオード整流回路を備える構成としてもよい。
【0023】
第1コネクタ1と第2コネクタ2とを接続する際には、移動装置3は、第1トランス部11と第2トランス部21とが対向するように(
図5参照)、第1コネクタ1及び第2コネクタ2を配置する。具体的には、
図2に示すように、第1コア13は、一対の第1対向部14を備え、第2コア23は、一対の第2対向部24を備えている。一対の第1対向部14は互いに離間して配置され、一対の第2対向部24は互いに離間して配置されている。第1コネクタ1と第2コネクタ2とを接続する際には、移動装置3は、一対の第1対向部14が一対の第2対向部24にそれぞれ対向するように(
図5参照)、第1コネクタ1及び第2コネクタ2を配置する。このように、第2コア23は、第1コネクタ1と第2コネクタ2とが互いに接続された接続状態で一対の第1対向部14にそれぞれ対向する一対の第2対向部24を備えている。
【0024】
ここで、接続状態で第1対向部14と第2対向部24とが対向する方向を対向方向Zとし、対向方向Zに直交する方向を直交方向とする。そして、複数存在する直交方向のうちの互いに直交する2つの方向を、第1直交方向X及び第2直交方向Yとする。第1直交方向X及び第2直交方向Yは、互いに直交する任意の2つの直交方向に設定することができるが、
図2~
図6に示す例では、対向方向Zに直交する面に沿って一対の第1対向部14が並ぶ方向を、第1直交方向Xとしている。本実施形態では、第1直交方向X及び第2直交方向Yのそれぞれが「直交方向」に相当する。
【0025】
一対の対向部を備える構造であれば第1コア13及び第2コア23としてあらゆる構造のコアを採用することができるが、本実施形態では、
図2に示すように、第1コア13及び第2コア23は、一対の側部(脚部)と、これら一対の側部の端部同士を接続する中間部(胴部)と、を備えるU型コア(言い換えれば、C型コア)である。第1コア13が備える一対の側部のそれぞれの先端部が、第1対向部14を構成し、第2コア23が備える一対の側部のそれぞれの先端部が、第2対向部24を構成している。図示の例では、第1コア13の中間部に第1コイル12が巻回され、第2コア23の中間部に第2コイル22が巻回されている。このような構成とは異なり、第1コア13の一対の側部のそれぞれに第1コイル12が巻回され、第2コア23の一対の側部のそれぞれに第2コイル22が巻回される構成とすることもできる。
【0026】
第1コア13及び第2コア23として同じ形状のコアを採用することもできるが、本実施形態では、
図2に示すように、第1コア13及び第2コア23は、互いに異なる形状のコアである。具体的には、第1対向部14における第2対向部24と対向する面を、第1対向面とし、第2対向部24における第1対向部14と対向する面を、第2対向面として、第1対向面の面積と第2対向面の面積とが互いに異なっている。図示の例では、第2対向部24は、第2コア23の一対の側部のそれぞれの先端部を基端部(中間部との接続部)側の部分に対して直交方向X,Yに拡張して形成されている。これにより、第1対向面の面積よりも第2対向面の面積が大きくなっている。また、図示の例では、第1対向面は、四角形状の平面とされ、第2対向面は、半円状の平面とされている。
【0027】
図1に簡略化して示すように、移動装置3は、相対移動機構30を備えていると共に、相対移動機構30とは別にコア回転機構31を備えている。後述するように、これらの相対移動機構30及びコア回転機構31により、第1コネクタ1と第2コネクタ2との相対位置(第1コア13と第2コア23との対向方向Zに沿う軸心回りの相対位置を含む)を適切に調整することができる。そのため、第1コネクタ1と第2コネクタ2とを嵌合させる場合のように第1コネクタ1の外面や第2コネクタ2の外面に凹凸形状を設ける必要はなく、第1コネクタ1や第2コネクタ2が設けられる製品(例えば、車両8)の意匠への影響を小さく抑えることが可能となっている。
【0028】
相対移動機構30は、第1コネクタ1と第2コネクタ2とを、対向方向Z及び直交方向に相対的に移動させる機構である。ここで、「対向方向Z及び直交方向に相対的に移動させる」とは、対向方向Zにおける相対位置及び直交方向における相対位置を変更可能であることを意味し、対向方向Zにおける相対位置と直交方向における相対位置とが同時に変化するように第1コネクタ1と第2コネクタ2とを相対的に移動させてもよい。例えば、相対移動機構30は、第1コネクタ1と第2コネクタ2とを、対向方向Z及び直交方向の双方に対して傾斜する方向に相対的に移動させることで、これら2つのコネクタ1,2を対向方向Z及び直交方向に相対的に移動させてもよい。本実施形態では、相対移動機構30は、送電側コネクタ(ここでは、第2コネクタ2)を移動させることで、第1コネクタ1と第2コネクタ2とを相対的に移動させる。相対移動機構30は、例えば、先端部にコネクタ(ここでは、第2コネクタ2)が連結されたロボットアームを用いて構成される。
【0029】
相対移動機構30が、第1コネクタ1と第2コネクタ2とを、対向方向Z及び2つの直交方向(例えば、第1直交方向X及び第2直交方向Y)に相対的に移動させることが可能な構成とすることができる。この場合、相対移動機構30は、第1コネクタ1と第2コネクタ2とを、いずれの方向にも相対的に移動させることができる。また、相対移動機構30が、第1コネクタ1と第2コネクタ2とを、対向方向Z及び1つの直交方向に相対的に移動させることが可能な構成とすることもできる。この場合、相対移動機構30は、第1コネクタ1と第2コネクタ2とを、対向方向Z及び当該1つの直交方向を含む面内で相対的に移動させることができる。
【0030】
コア回転機構31は、第1コア13と第2コア23とのいずれか一方である対象コアを、対向方向Zに沿う回転軸心A回りに回転させる機構である。ここで、回転軸心Aを周回する方向を周方向Cとする(
図2参照)。対象コアの回転に伴い、対象コアに巻回されたコイルも回転する。本実施形態では、コア回転機構31は、第2コア23を回転軸心A回りに回転させるように構成されている。すなわち、本実施形態では、第2コア23が「対象コア」に相当する。
【0031】
本実施形態では、コア回転機構31は、対象コアを、対象コアが収容されたケース(ここでは、第2ケース20)に対して回転軸心A回りに回転させるように構成されている。コア回転機構31は、例えば、対象コアが収容されるケースに固定される固定部と、当該固定部に対して回転軸心A回りに回転可能に支持されて対象コアを支持する支持部と、を備える。このような構成とは異なり、コア回転機構31が、対象コアが収容されたケースごと(言い換えれば、対象コアを備えるコネクタごと)回転軸心A回りに回転させることで、対象コアを回転軸心A回りに回転させる構成とすることもできる。
【0032】
このように移動装置3が相対移動機構30とは別にコア回転機構31を備えるため、第1コア13と第2コア23との対向方向Zに沿う軸心回りの相対位置(相対角度、周方向Cの相対位置)の調整を、コア回転機構31により行うことができる。なお、相対移動機構30によって第1コア13と第2コア23との対向方向Zに沿う軸心回りの相対位置を少なくともある程度調整できる場合もあり、この調整を行うために、相対移動機構30が第1コネクタ1と第2コネクタ2とを回転軸心A回りに相対回転させることが可能な構成とすることも考えられる。この場合、例えば、相対移動機構30によって第1コア13と第2コア23との対向方向Zに沿う軸心回りの相対位置の調整を行った後、当該相対位置の微調整をコア回転機構31により行う構成とすることができる。
【0033】
本実施形態では、移動装置3は、第1コネクタ1と第2コネクタ2との位置関係を検出する位置関係検出システム7を備えている。
図3に模式的に示すように、位置関係検出システム7は、第1コイル12に電流を供給する電流供給部70と、第2コネクタ2に設けられ、第1コア13から出る磁束の密度及び方向を検出する磁気センサ71と、を備える。
【0034】
このような本実施形態の給電システム100によれば、第1コイル12に電流を供給することにより第1コア13から出る磁束の密度及び方向を、磁気センサ71により検出することができる。第1コア13から出る磁束の密度及び方向は、第1コア13に対する相対位置に応じて変化するため、第1コア13を備える第1コネクタ1と磁気センサ71が設けられた第2コネクタ2との相対位置を、磁気センサ71の検出結果に基づき取得することができる。従って、本実施形態の給電システム100によれば、第1コア13と第2コア23との相対位置等の第1コネクタ1と第2コネクタ2との相対位置を、磁気センサ71の検出結果に基づき調整することができる。
【0035】
本実施形態では、第1コネクタ1が電流供給部70を備えている。電流供給部70は、例えば、蓄電装置9から電力の供給を受けて第1コイル12に電流を供給するように構成される。この場合、第1コネクタ1が備える交流直流変換回路16が、電流供給部70として機能する回路(すなわち、第1コイル12に電流を供給する回路)を備える構成とすることができる。電流供給部70は、第1コイル12に直流電流を流すように構成され、或いは、第1コイル12に交流電流(例えば、低周波の交流電流)を流すように構成される。
図3では、第1コア13から出る磁束の密度及び方向を、一点鎖線の矢印の太さ及び向きで模式的に示している。
【0036】
磁気センサ71は、第2コネクタ2におけるいずれかの部位に設けられる。
図2及び
図3に示す例では、第2コア23(具体的には、一対の第2対向部24の間)に磁気センサ71が設けられている。磁気センサ71として、磁束の密度及び方向を検出可能なあらゆるセンサを用いることができ、例えば、ホールセンサ(例えば、複数のホール素子を備えるホールセンサ)を用いることができる。
【0037】
図1に簡略化して示すように、本実施形態では、給電システム100は、移動装置3を制御する制御装置40を備えている。制御装置40は、相対移動機構30により第1コネクタ1と第2コネクタ2との相対位置を調整する第1調整制御と、コア回転機構31により第1コア13と第2コア23との回転軸心A回りの相対位置を調整する第2調整制御と、を実行する。そして、制御装置40は、第1調整制御及び第2調整制御の少なくとも一方を、磁気センサ71の検出結果に基づき実行する。
【0038】
このような本実施形態の給電システム100によれば、第1調整制御と第2調整制御とを実行することで、第1コネクタ1と第2コネクタ2とを適切に接続することができる。そして、本実施形態の給電システム100によれば、第1コイル12と第2コイル22との磁気結合を利用せずに第1コネクタ1と第2コネクタ2との相対位置を検出できる磁気センサ71の検出結果に基づき、第1調整制御及び第2調整制御の少なくとも一方を実行することができる。従って、第1コネクタ1と第2コネクタ2とを接続する場合に、例えば、第1コイル12と第2コイル22との磁気結合では第1コネクタ1と第2コネクタ2との相対位置を適切に検出できない程度に第1コネクタ1と第2コネクタ2とが離間している状態から、第1調整制御及び第2調整制御の少なくとも一方を磁気センサ71の検出結果に基づき実行することができる等、第1コネクタ1と第2コネクタ2との接続作業を適切に行いやすい。
【0039】
制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置を中核部材として備えると共に、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の当該演算処理装置が参照可能な記憶装置を備えている。そして、ROM等の記憶装置に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、制御装置40の各機能が実現される。制御装置40が備える演算処理装置は、各プログラムを実行するコンピュータとして動作する。制御装置40は、相対移動機構30を動作させるアクチュエータ(例えば、電動モータ)を制御して、第1調整制御を実行する。また、制御装置40は、コア回転機構31を動作させるアクチュエータ(例えば、電動モータ)を制御して、第2調整制御を実行する。
【0040】
本実施形態では、制御装置40は、第1コネクタ1と第2コネクタ2との相対位置が粗調整された状態で、第1調整制御及び第2調整制御を開始する。この粗調整は、例えば、第1コネクタ1と第2コネクタ2との位置関係をカメラで画像認識することにより行われる。また、この粗調整は、受電側コネクタ(ここでは、第1コネクタ1)が設けられた車両8の停止位置の調整により行われ、或いは、移動装置3が備える相対移動機構30により行われる。
【0041】
本実施形態では、位置関係検出システム7は、第1コイル12と第2コイル22との磁気結合の程度に応じて変化する指標を検出する指標センサを備え、制御装置40は、磁気センサ71の検出結果に基づき第1調整制御を実行した後、当該指標センサの検出結果に基づき第2調整制御を実行する。
【0042】
このような本実施形態の給電システム100によれば、第1調整制御により第1コネクタ1と第2コネクタ2との相対位置を調整した後、第2調整制御により第1コア13と第2コア23との対向方向Zに沿う軸心回りの相対位置を調整することができる。そして、本実施形態の給電システム100によれば、第1コア13と第2コア23との対向方向Zに沿う軸心回りの相対位置の調整を、磁気センサ71の検出結果に比べて第1コイル12と第2コイル22との間の送電効率に直接的に影響しやすい指標に基づき行うことができるため、第1コア13と第2コア23との対向方向Zに沿う軸心回りの相対位置を適切に調整しやすい。
【0043】
なお、本実施形態の第2調整制御では、対象コア(ここでは、第2コア23)を回転させるだけでよい。そのため、第2調整制御を実行するために必要なアクチュエータは、対象コアを回転させる1つのアクチュエータのみでよく、これにより、コストの低減や装置サイズの小型化を図ることが可能となっている。
【0044】
図3は、磁気センサ71の検出結果に基づく第1調整制御の説明図である。第1調整制御では、電流供給部70により第1コイル12に電流を流している状態で、磁気センサ71により検出される磁束の密度及び方向に基づき、相対移動機構30により第1コネクタ1と第2コネクタ2との相対位置を調整する。ここで、第1コイル12と第2コイル22との間での送電効率が最大となるように(言い換えれば、第1コイル12と第2コイル22との磁気結合の程度が最大となるように)第1コネクタ1と第2コネクタ2とが配置された状態(例えば、
図5に示す状態)を、理想状態とする。第1調整制御では、磁気センサ71により検出される磁束の密度が理想状態での磁束の密度に近づき、且つ、磁気センサ71により検出される磁束の方向が理想状態での磁束の方向に近づくように、相対移動機構30により第1コネクタ1と第2コネクタ2との相対位置を調整する。
【0045】
図4は、第2調整制御の説明図である。第2調整制御では、第1コア13と第2コア23との対向方向Zに沿う軸心回りの相対位置が、一対の第1対向部14が一対の第2対向部24にそれぞれ適切に対向する適正位置に近づくように、コア回転機構31により対象コア(ここでは、第2コア23)を回転軸心A回りに回転させる。適正位置は、上述した理想状態(
図5参照)における第1コア13と第2コア23との対向方向Zに沿う軸心回りの相対位置とされる。
図4の左側の図は、第2調整制御の実行前の状態を示し、
図4の右側の図は、第2調整制御の実行後の状態を示している。
【0046】
本実施形態では、第2調整制御は、第1コイル12と第2コイル22との磁気結合の程度に応じて変化する指標(以下、「磁気結合指標」という)を検出する指標センサの検出結果に基づき実行される。そのため、第2調整制御では、第1コイル12と第2コイル22との磁気結合の程度が最大となる場合の磁気結合指標の値に、指標センサの検出結果が近づくように、コア回転機構31により第1コア13と第2コア23との回転軸心A回りの相対位置を調整する。指標センサの検出結果が、第1コイル12と第2コイル22との磁気結合の程度が最大となる場合の磁気結合指標の値と一致する位置が、上記の適正位置となる。
【0047】
例えば、第2コイル22を交流で励磁(例えば、位置合わせ用に弱く励磁)した場合の第1センサ15の検出結果に基づき、第2調整制御が実行される構成とすることができる。この場合、第1センサ15が「指標センサ」に相当する。第1センサ15は、例えば、第1コイル12を流れる電流を検出する電流センサ、交流直流変換回路16による整流後の電流を検出する電流センサ、或いは、第1コイル12に生じる電圧を検出する電圧センサとされる。この場合、第1センサ15による検出値が最大となる位置が、上記の適正位置となる。
【0048】
なお、第1コイル12を交流で励磁(例えば、位置合わせ用に弱く励磁)した場合の第2センサ25の検出結果に基づき、第2調整制御が実行される構成とすることもできる。この場合、第2センサ25が「指標センサ」に相当する。第2センサ25は、例えば、第2コイル22を流れる電流を検出する電流センサ、周波数変換回路26による整流後の電流を検出する電流センサ、或いは、第2コイル22に生じる電圧を検出する電圧センサとされる。この場合、第2センサ25による検出値が最大となる位置が、上記の適正位置となる。
【0049】
ここで、対向方向Zに沿う方向視(以下、「対向方向視」という)で一対の第1対向部14及びこれらの間の隙間がなす図形(
図4に示すように、ここでは長方形状の図形)の重心を、「第1重心」とする。また、対向方向視で一対の第2対向部24及びこれらの間の隙間がなす図形(
図4に示すように、ここでは円形状の図形)の重心を、「第2重心」とする。上述した理想状態(
図5参照)では、対向方向視で第1重心と第2重心とが一致し、
図4では、これら2つの重心はいずれも対向方向視で回転軸心Aと重なっている。コア回転機構31による調整によって第1コア13と第2コア23との相対的な配置状態を理想状態に近づけることを可能とするためには、相対移動機構30による調整によって対向方向視での第1重心と第2重心とのずれを小さく抑える必要があるが、状況によっては、相対移動機構30による調整によって対向方向視での第1重心と第2重心とのずれを小さく抑えることが困難となる。
【0050】
上記の点に鑑みて、対象コア(ここでは、第2コア23)を支持する支持部Sとして、
図6に例示するような構造を採用すると好適である。この支持部Sは、対象コアと一体的に回転する第1支持部S1と、コア回転機構31によって回転される第2支持部S2と、を備えている。そして、第1支持部S1と第2支持部S2とは、回転軸心Aに直交する径方向Rの相対移動が許容される状態で、回転軸心A回りに一体的に回転するように連結されている。図示の例では、第1支持部S1に設けられて径方向Rに延びる凹部S1aに、第2支持部S2に設けられて径方向Rに延びる凸部S2aが係合している。例えばこのような支持部Sを用いることで、第1調整制御では対向方向視での第1重心と第2重心とのずれを小さく抑えることができなかった場合であっても、第2調整制御において対象コアをコア回転機構31に対して径方向Rに移動させて、対向方向視での第1重心と第2重心とのずれを小さく抑えることができる。コア回転機構31に対する対象コアの径方向Rの移動は、例えば、第1対向部14と第2対向部24との間の空間における磁束線が短くなる方向に対象コアに作用する力を利用して行うことができる。なお、第2支持部S2に対して第1支持部S1を径方向Rに移動させるアクチュエータを設け、当該アクチュエータによって対象コアをコア回転機構31に対して径方向Rに移動させてもよい。
【0051】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、制御装置40が、磁気センサ71の検出結果に基づき第1調整制御を実行した後、指標センサの検出結果に基づき第2調整制御を実行する構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、制御装置40が、磁気センサ71の検出結果に基づき第1調整制御を実行した後、磁気センサ71の検出結果に基づき第2調整制御を実行する構成とし、或いは、制御装置40が、磁気センサ71の検出結果に基づき第1調整制御及び第2調整制御を並行して実行する構成とすることもできる。このように、第1調整制御及び第2調整制御は、いずれか一方の実行後に他方を実行しても、双方を並行して実行してもよい。
【0052】
(2)上記の実施形態では、制御装置40が、第1調整制御及び第2調整制御の少なくとも一方を、磁気センサ71の検出結果に基づき実行する構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、位置関係検出システム7が磁気センサ71を備えず、制御装置40が、第1調整制御及び第2調整制御の双方を、磁気センサ71の検出結果に基づかずに実行する構成とすることもできる。この場合、例えば、制御装置40が、第1調整制御及び第2調整制御の少なくとも一方を、指標センサの検出結果に基づき実行する構成とすることができる。
【0053】
(3)上記の実施形態では、コア回転機構31が第2コア23を回転軸心A回りに回転させる構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、コア回転機構31が第1コア13を回転軸心A回りに回転させる構成とすることもできる。この場合、第1コア13が「対象コア」に相当する。また、上記の実施形態とは異なり、移動装置3が、対象コアを回転させるコア回転機構31とは別に、第1コア13と第2コア23とのうちの対象コアでない方である非対象コアを、回転軸心A回りに回転させる回転機構を備える構成とすることもできる。この場合、第2調整制御において、第1コア13と第2コア23との双方を回転軸心A回りに回転させて、第1コア13と第2コア23との回転軸心A回りの相対位置を調整することができる。
【0054】
(4)上記の実施形態では、第2コネクタ2が送電側コネクタであり、第1コネクタ1が受電側コネクタである構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第1コネクタ1が送電側コネクタであり、第2コネクタ2が受電側コネクタである構成とすることもできる。この場合、上記の実施形態とは異なり、第1コイル12に電流を供給する電流供給部70は、例えば、電源4から電力の供給を受けて第1コイル12に電流を流すように構成される。
【0055】
(5)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1:第1コネクタ、2:第2コネクタ、3:移動装置、7:位置関係検出システム、12:第1コイル、13:第1コア、14:第1対向部、15:第1センサ(指標センサ)、22:第2コイル、23:第2コア(対象コア)、24:第2対向部、25:第2センサ(指標センサ)、30:相対移動機構、31:コア回転機構、40:制御装置、70:電流供給部、71:磁気センサ、100:給電システム、A:回転軸心、X:第1直交方向(直交方向)、Y:第2直交方向(直交方向)、Z:対向方向