(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158930
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20241031BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074570
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福山 恵
(72)【発明者】
【氏名】寺園 尊教
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】同じ時間に同じ設備が異なる工程に割り当てられていることを、自動的に特定すること。
【解決手段】表示制御部151は、スケジュールテーブル22の第1の列に、指定された製品に対応する工程を表示させ、第1の列と異なる第2の列の、第1の列に表示された工程と同じ行に、工程について指定された設備を表示させる。スケジュール計算部152は、指定された日時及び第2の列に表示された設備を基に、第1の列に表示された工程の開始日時と終了日時を計算する。表示制御部151は、スケジュール計算部152によって計算された開始日時及び終了日時に基づき、日時のそれぞれに対応するスケジュールテーブル22の列の、第1の列に表示された工程と同じ行のセルの表示態様を変化させる。重複設備特定部153は、スケジュールテーブル22の1つの日時に対応する列に、設備が共通する複数の工程が対応付けられていることを特定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示制御部と、
スケジュール計算部と、
第2の表示制御部と、
重複設備特定部と、を有し、
前記第1の表示制御部は、テーブルの第1の列に、指定された製品に対応する工程を表示させ、前記第1の列と異なる第2の列の、前記第1の列に表示された工程と同じ行に、前記工程について指定された設備を表示させ、
前記スケジュール計算部は、
指定された日時及び前記第2の列に表示された設備を基に、前記第1の列に表示された工程の開始日時と終了日時を計算し、
前記第2の表示制御部は、
前記スケジュール計算部によって計算された開始日時及び終了日時に基づき、日時のそれぞれに対応する前記テーブルの列の、前記第1の列に表示された工程と同じ行のセルの表示態様を変化させ、
前記重複設備特定部は、
前記テーブルの1つの日時に対応する列に、設備が共通する複数の工程が対応付けられていることを特定する、
情報提供装置。
【請求項2】
前記第1の表示制御部は、前記第1の列に表示された工程と同じ行に、前記工程に対応付けられた設備のうち、あらかじめ設定された優先度が最も高い設備を表示させる請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記第2の表示制御部は、前記第1の列に表示された工程の開始日時又は終了日時が修正された場合、前記第1の列に表示された工程に対応する行を前記テーブルに追加し、修正後の開始日時及び終了日時に基づき、日時のそれぞれに対応する前記テーブルの列の、追加した行のセルの表示態様を変化させる請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記第2の表示制御部は、前記第1の列に表示された工程の開始日時及び終了日時の実績が入力された場合、前記第1の列に表示された工程に対応する行を前記テーブルに追加し、実績の開始日時及び終了日時に基づき、日時のそれぞれに対応する前記テーブルの列の、追加した行のセルの表示態様を変化させる請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記第2の表示制御部は、前記実績に基づく工程の終了日時が、あらかじめ設定された納期を超えている場合、アラートを表示させる請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記スケジュール計算部は、あらかじめ設定された工程間の時間間隔、設備の稼働が不可能な日時に基づき、前記第1の列に表示された工程の開始日時と終了日時を計算する請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項7】
テーブルの第1の列に、指定された製品に対応する工程を表示させ、前記第1の列と異なる第2の列の、前記第1の列に表示された工程と同じ行に、前記工程について指定された設備を表示させ、
指定された日時及び前記第2の列に表示された設備を基に、前記第1の列に表示された工程の開始日時と終了日時を計算し、
計算した開始日時及び終了日時に基づき、日時のそれぞれに対応する前記テーブルの列の、前記第1の列に表示された工程と同じ行のセルの表示態様を変化させ、
前記テーブルの1つの日時に対応する列に、設備が共通する複数の工程が対応付けられていることを特定する
処理をコンピュータが実行する情報提供方法。
【請求項8】
テーブルの第1の列に、指定された製品に対応する工程を表示させ、前記第1の列と異なる第2の列の、前記第1の列に表示された工程と同じ行に、前記工程について指定された設備を表示させ、
指定された日時及び前記第2の列に表示された設備を基に、前記第1の列に表示された工程の開始日時と終了日時を計算し、
計算した開始日時及び終了日時に基づき、日時のそれぞれに対応する前記テーブルの列の、前記第1の列に表示された工程と同じ行のセルの表示態様を変化させ、
前記テーブルの1つの日時に対応する列に、設備が共通する複数の工程が対応付けられていることを特定する
処理をコンピュータに実行させる情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表計算ソフトを利用して、作業工程の設備、作業スケジュール及び進捗状況等をシート上に表示する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、予期せぬ装置の停止などによってあらかじめ定めた作業スケジュールを変更しなくてはならない場合がある。そのような場合には、予定していた時間を超えて装置を稼働する必要が生じるため、次に加工する予定であった他の製品を加工することができなくなる事態が発生することがある。従来の技術では、同じ時間に同じ設備が異なる工程に割り当てられていることを、把握することが難しいという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
態様の1つに係る情報提供装置は、テーブルの第1の列に、指定された製品に対応する工程を表示させ、前記第1の列と異なる第2の列の、前記第1の列に表示された工程と同じ行に、前記工程について指定された設備を表示させる第1の表示制御部と、指定された日時及び前記第2の列に表示された設備を基に、前記第1の列に表示された工程の開始日時と終了日時を計算するスケジュール計算部と、前記スケジュール計算部によって計算された開始日時及び終了日時に基づき、日時のそれぞれに対応する前記テーブルの列の、前記第1の列に表示された工程と同じ行のセルの表示態様を変化させる第2の表示制御部と、前記テーブルの1つの日時に対応する列に、設備が共通する複数の工程が対応付けられていることを特定する重複設備特定部と、を有する。
【0006】
態様の1つに係る情報提供方法は、テーブルの第1の列に、指定された製品に対応する工程を表示させ、前記第1の列と異なる第2の列の、前記第1の列に表示された工程と同じ行に、前記工程について指定された設備を表示させ、指定された日時及び前記第2の列に表示された設備を基に、前記第1の列に表示された工程の開始日時と終了日時を計算し、計算した開始日時及び終了日時に基づき、日時のそれぞれに対応する前記テーブルの列の、前記第1の列に表示された工程と同じ行のセルの表示態様を変化させ、前記テーブルの1つの日時に対応する列に、設備が共通する複数の工程が対応付けられていることを特定する処理をコンピュータが実行する。
【0007】
態様の1つに係る情報提供プログラムは、テーブルの第1の列に、指定された製品に対応する工程を表示させ、前記第1の列と異なる第2の列の、前記第1の列に表示された工程と同じ行に、前記工程について指定された設備を表示させ、指定された日時及び前記第2の列に表示された設備を基に、前記第1の列に表示された工程の開始日時と終了日時を計算し、計算した開始日時及び終了日時に基づき、日時のそれぞれに対応する前記テーブルの列の、前記第1の列に表示された工程と同じ行のセルの表示態様を変化させ、前記テーブルの1つの日時に対応する列に、設備が共通する複数の工程が対応付けられていることを特定する処理をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報提供装置の構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、スケジュールシート20の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、製品追加処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、月追加処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、スケジュール計算処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、重複特定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラム等を実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下の説明において、同様の構成要素について同一の符号を付すことがある。さらに、重複する説明は省略することがある。
【0010】
図1を用いて、情報提供装置の構成を説明する。
図1は、実施形態に係る情報提供装置の構成の一例を示す図である。
【0011】
情報提供装置10は、製品が製造されるスケジュールに関する情報を提供する。製品は、1つ以上の工程により製造される。各工程では、設備が材料に対して所定の加工を行う。また、工程ごとの加工に要する時間は、加工方法及び設備の種類によって決まる。
【0012】
例えば、情報提供装置10は、列が時間に対応し、行が工程に対応するテーブルを用いて、スケジュールを可視化して表示する。なお、情報提供装置10は、サーバ及びパーソナルコンピュータ等の情報処理装置が表計算ソフトを実行することにより実現される。その際、表計算ソフトには、情報提供装置10としての機能を実現するためのアドオンが実装されてもよい。
【0013】
図1に示すように、情報提供装置10は、通信部11、入力部12、出力部13、記憶部14及び制御部15を有する。
【0014】
通信部11は、有線ネットワーク又は無線ネットワークにより、他の装置との間でデータの通信を行うためのインタフェースである。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Controller)である。
【0015】
入力部12は、データの入力を受け付けるためのインタフェースである。例えば、入力部12は、マウス及びキーボード等の入力装置と接続される。
【0016】
出力部13は、データを出力するためのインタフェースである。例えば、出力部13は、ディスプレイ及びスピーカ等の出力装置と接続される。本実施形態では、出力部13は、ディスプレイ等に対し画面を出力する。
【0017】
記憶部14は、プログラム及びデータを記憶できる。記憶部14は、制御部15の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。記憶部14は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non-transitory)な記憶媒体を含んでよい。記憶部14は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。
【0018】
記憶部14は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。記憶部14は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
【0019】
記憶部14は、テンプレート情報141、製品DB142、設備DB143及び実績DB144を記憶する。なお、DBは、1つ以上のテーブルを含んでよい。
【0020】
テンプレート情報141は、後述するスケジュールシート20のテンプレートである。テンプレート情報141を基に生成されるスケジュールシート20に対し、製造される製品、使用される設備及び日程等が入力される。スケジュールシート20の詳細については後述する。
【0021】
製品DB142は、製品ごとの工程を記憶する。製品DB142は、各製品に対応する製品マスタを含む。
【0022】
図2は、製品マスタの一例を示す図である。
図2に示す製品マスタ1421は、「KC1」という名称の製品の工程、及び工程ごとの加工時間、及び設備を示す。
【0023】
「工程名」列は、工程を識別するための情報を示す。
図2には、製品「KC1」を製造するために、「工程1」、「工程2」、「工程3」、「工程4」、「工程5」、「工程6」、「工程7」、「厚み仕上げ」、「ラップ・測定」、「工程8」、「工程9」、「面取り」という工程が必要であることが示されている。
【0024】
「時間(A装置)」列及び「時間(B装置)」列は、設備の種別(A装置、B装置)ごとの各工程に必要な時間を示す。なお、設備は、「A装置」又は「B装置」のいずれかの種別に分類されるものとする。なお、時間の単位は、日である。
【0025】
「優先順位=1」から「優先順位=11」までの列は、各優先順位が設定された設備を示している。
【0026】
例えば、
図2には、「工程1」に必要な時間が、設備の種別が「A装置」及び「B装置」のいずれであっても「3日」であることが示されている。また、
図2には、「工程1」が、「A76」、「A77」、「A140」等の設備によって行われることが示されている。
【0027】
例えば、
図2には、「工程3」に必要な時間が、設備の種別が「A装置」であれば「9日」であり、設備の種別が「B装置」であれば「7日」であることが示されている。また、
図2には、「工程3」が、「B1」、「A76」、「A77」等の設備によって行われることが示されている。
【0028】
図3は、製品マスタの一例を示す図である。
図3に示す製品マスタ1422は、「KC2」という名称の製品の工程、及び工程ごとの加工時間、及び設備を示す。
【0029】
製品マスタ1422の各列が示す情報は、製品マスタ1421の各列が示す情報と同様である。
【0030】
例えば、
図3には、「工程1」に必要な時間が、設備の種別が「A装置」及び「B装置」のいずれであっても「4日」であることが示されている。また、
図3には、「工程1」が、「A76」、「A77」、「A140」等の設備によって行われることが示されている。
【0031】
例えば、
図3には、「工程3」に必要な時間が、設備の種別が「A装置」であれば「9日」であり、設備の種別が「B装置」であれば「7.5日」であることが示されている。また、
図3には、「工程3」が、「B1」、「A76」、「A77」等の設備によって行われることが示されている。
【0032】
設備DB143は、設備ごとの種別を記憶する。設備DB143は、設備マスタ1431を含む。
【0033】
図4は、設備マスタの一例を示す図である。
図4に示すように、設備マスタ1431には、設備ごとの種別が示される。例えば、
図4には、設備「A77」の種別が「A装置」であることが示されている。
【0034】
実績DB144は、スケジュールシート20に表示された各工程の開始日時及び終了日時を記憶する。スケジュールシート20に表示された各工程の開始日時及び終了日時は、実際の工程の進行等に合わせて、手動又は自動で修正される場合がある。例えば、初期の終了日時より工程が遅れた場合、当該終了日時は修正されるとともに、当該工程の後に続く工程の開始日時及び終了日時が修正され得る。実績DB144は、開始日時及び終了日時の修正が行われた場合、修正前及び修正後の両方の開始日時及び終了日時を記憶する。また、実績DB144は、開始日時及び終了日時の実績を記憶する。
【0035】
図1に戻り、制御部15は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System-on-a-Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、及びコプロセッサを含むが、これらに限定されない。制御部15は、情報提供装置10の動作を統括的に制御して各種の機能を実現できる。
【0036】
具体的には、制御部15は、記憶部14に記憶されている情報を必要に応じて参照しつつ、記憶部14に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行できる。そして、制御部15は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現できる。
【0037】
制御部15は、表示制御部151、スケジュール計算部152及び重複設備特定部153を含む。
【0038】
表示制御部151は、出力部13を介してディスプレイ等に画面を表示させる。また、表示制御部151は、スケジュールシート20の表示を制御する。なお、表示制御部151は、第1の表示制御部及び第2の表示制御部として機能する。
【0039】
図5は、スケジュールシート20の一例を示す図である。まず、表示制御部151は、テンプレート情報141に基づきスケジュールシート20を表示させる。そして、入力又は処理の結果に応じて、スケジュールシート20の表示態様を変化させる。
【0040】
図5に示すように、スケジュールシート20には、製品追加ボタン211、製品入力領域212、製造数入力領域213、月追加ボタン214、日数入力領域215、スケジュールテーブル22、消去ボタン221、重複設備ボタン231が表示されていてもよい。第1の表示制御部及び第2の表示制御部として機能する表示制御部151は、スケジュールテーブル22の表示を制御する。
【0041】
スケジュール計算部152は、スケジュールシート20に入力された情報、及び設備DB143に基づき、工程の開始日時及び終了日時を計算する。
【0042】
重複設備特定部153は、スケジュールテーブル22において、同じ日時に同じ設備が割り当てられていることを特定する。なお、各設備を同時に複数の工程で用いることはできないという制約があるものとする。
【0043】
図6から
図9を用いて、表示制御部151、スケジュール計算部152及び重複設備特定部153の処理を詳細に説明する。
【0044】
図6は、製品追加処理の流れを示すフローチャートである。
図5の製品入力領域212及び製造数入力領域213が入力された状態で、製品追加ボタン211が押下されると、表示制御部151は製品追加処理を開始する。
【0045】
製品入力領域212は、製品DB142に製品マスタに登録済みの製品のリストを、いずれか1つを選択可能に表示するドロップダウンリストである。製造数入力領域213は、数値を入力可能なテキストボックスである。
【0046】
図6に示すように、表示制御部151は、製品の指定及び製品を追加する操作(製品追加ボタン211の押下)を受け付ける(ステップS101)。表示制御部151は、製品入力領域212及び製造数入力領域213の入力値を読み取ることで、製品の指定を受け付ける。
【0047】
次に、表示制御部151は、製品DB142を参照し、指定された製品に応じた工程を取得する(ステップS102)。表示制御部151は、取得した工程に対応する行をスケジュールシート20に追加する(ステップS103)。
【0048】
例えば、表示制御部151は、
図5のスケジュールテーブル22の1行目から13行目に、製品「KC2」に対応する工程である「工程1」、「工程2-1」、「工程2-2」、「工程3」、「工程4」、「工程5」、「工程6」、「厚み仕上げ」、「ラップ・測定」、「工程7」、「工程8」、「工程9」、「面取り」の行を追加し、表示させる。このように、表示制御部151は、スケジュールテーブル22の第1の列に、指定された製品に対応する工程を表示させる。
【0049】
また、消去ボタン221が押下された場合、表示制御部151は、対応する製品の工程の行を消去する。
【0050】
図7は、月追加処理の流れを示すフローチャートである。
図5の日数入力領域215が入力された状態で月追加ボタン214が押下されると、表示制御部151は、月追加処理を開始する。
【0051】
日数入力領域215は、月単位で追加される日時の日数の候補である「28日」、「30日」、「31日」を、いずれか1つを選択可能に表示させるドロップダウンリストである。
【0052】
図7に示すように、表示制御部151は、日数の指定及び月を追加する操作(月追加ボタン214の押下)を受け付ける(ステップS201)。表示制御部151は、日数入力領域215の入力値を読み取ることで、日数の指定を受け付ける。
【0053】
次に、表示制御部151は、指定された日数に応じた列をスケジュールシートに追加する(ステップS202)。例えば、表示制御部151は、
図5のスケジュールテーブル22の「5月」に含まれる列であって、1日から31日に対応する列を追加し、表示させる。
【0054】
図8は、スケジュール計算処理の流れを示すフローチャートである。まず、表示制御部151は、工程に対応する設備及び開始日時の入力を受ける(ステップS301)。例えば、表示制御部151は、
図5のスケジュールテーブル22の「設備」列及び「開始日時」列の入力を受け付ける。なお、表示制御部151は、各製品の最初の工程についてのみ開始日時を受け付けてもよい。
【0055】
次に、スケジュール計算部152は、設備DB143から設備に対応する加工日数を取得し(ステップS302)、各工程の開始日時及び終了日時を計算する(ステップS303)。
【0056】
表示制御部151は、工程に対応する行の、開始日時から終了日時までの範囲に設備を表示させるとともに(ステップS304)、計算した終了日時を表示させる(ステップS305)。
【0057】
スケジュールテーブル22の「KC2 #255」に対応する行を例としてスケジュール計算処理を説明する。まず、表示制御部151は、指定された設備を「設備」列に表示させる。例えば、表示制御部151は、「工程1」と同じ行の異なる列に設備である「A177」を表示させる。そして、表示制御部151は、「終了日時」列に、計算結果の「22/4/15」を表示させる。
【0058】
スケジュール計算部152は、設備DB143を参照し、各設備の種別が「A装置」であるか「B装置」であるかを特定した上で、製品DB142から加工時間を取得する。スケジュール計算部152は、取得した加工時間を開始日時に加えることで、終了日時を得る。
【0059】
さらに、スケジュール計算部152は、終了日時を次の工程の開始日時として同様の計算を行う。また、各工程に停止日数が定められている場合、スケジュール計算部152は、前の工程の終了日時に停止日数を加えた日時を次の工程の開始日時とする。
【0060】
このように、表示制御部151は、工程が表示される第1の列と異なる第2の列の、第1の列に表示された工程と同じ行に、工程について指定された設備を表示させる。また、スケジュール計算部152は、指定された日時及び第2の列に表示された設備を基に、第1の列に表示された工程の開始日時と終了日時を計算する。
【0061】
さらに、表示制御部151は、スケジュール計算部152によって計算された開始日時及び終了日時に基づき、日時のそれぞれに対応するスケジュールテーブル22の列の、第1の列に表示された工程と同じ行のセルの表示態様を変化させる。
【0062】
例えば、表示制御部151は、「工程1」が示される行の、開始日時「22/4/12」から終了日時「22/4/15」に対応する日時の列の表示態様を変化させる。例えば、表示制御部151は、対応するセルに設備名である「A177」を示した上で、当該セルを設備に対応する色及びパターンで塗りつぶす。
【0063】
図9は、重複特定処理の流れを示すフローチャートである。重複設備ボタン231が押下されると、重複設備特定部153は、重複特定処理を開始する(ステップS401)。重複設備ボタン231の押下は、重複設備を特定するための操作の一例である。なお、重複特定処理は、重複設備ボタン231を押さずとも、入力がなされるごとに自動的に行われるように設定されていてもよい。
【0064】
重複設備特定部153は、同一の日時で、異なる工程に同一の設備が対応付けられているセルを特定する(ステップS402)。すなわち、重複設備特定部153は、スケジュールテーブル22の1つの日時に対応する列に、設備が共通する複数の工程が対応付けられていることを特定する。
【0065】
例えば、
図5の「4月22日(金)」に対応する列には、「B8」という設備に対応する行が複数(2つ)存在する。重複設備特定部153は、このようなセルが存在することを特定する。
【0066】
また、表示制御部151は、重複設備特定部153によって特定されたセル自体、行、又は列を特定するための情報(例えば、行番号)を所定の領域に表示させる(ステップS403)。
【0067】
これまで説明してきたように、情報提供装置10は、表示制御部151、スケジュール計算部152及び重複設備特定部153を有する。表示制御部151は、スケジュールテーブル22の第1の列に、指定された製品に対応する工程を表示させ、第1の列と異なる第2の列の、第1の列に表示された工程と同じ行に、工程について指定された設備を表示させる。スケジュール計算部152は、指定された日時及び第2の列に表示された設備を基に、第1の列に表示された工程の開始日時と終了日時を計算する。表示制御部151は、スケジュール計算部152によって計算された開始日時及び終了日時に基づき、日時のそれぞれに対応するスケジュールテーブル22の列の、第1の列に表示された工程と同じ行のセルの表示態様を変化させる。重複設備特定部153は、スケジュールテーブル22の1つの日時に対応する列に、設備が共通する複数の工程が対応付けられていることを特定する。
【0068】
これにより、情報提供装置10は、同じ時間に同じ設備が異なる工程に割り当てられていることを、自動的に特定することができる。
【0069】
(他の実施形態)
表示制御部151は、第1の列に表示された工程と同じ行に、工程に対応付けられた設備のうち、あらかじめ設定された優先度が最も高い設備を表示させてもよい。この場合、表示制御部151は、製品追加処理において、「工程」列に表示された工程の設備のうち、最も優先度が高い設備を「設備」列に表示させる。
【0070】
また、表示制御部151は、重複設備特定部153によって重複が特定されないように設備を表示させてもよい。この場合、表示制御部151は、同じ日時で重複しない設備のうち、最も優先度が高い設備を表示させる。このとき、表示制御部151は、例えばスケジュールシートにスケジュールが変更になったことを示す表示を行ってもよい。また、表示制御部151は、ユーザが有する携帯端末等にその旨を連絡してもよい(例えば、スケジュールが変更になったことを通知する画面を携帯端末に表示)。
【0071】
また、表示制御部151は、第1の列に表示された工程の開始日時又は終了日時が修正された場合、行第1の列に表示された工程に対応する行をスケジュールテーブル22に追加し、修正後の開始日時及び終了日時に基づき、日時のそれぞれに対応するスケジュールテーブル22の列の、追加した行のセルの表示態様を変化させる。
【0072】
また、表示制御部151は、第1の列に表示された工程の開始日時及び終了日時の実績が入力された場合、行第1の列に表示された工程に対応する行をスケジュールテーブル22に追加し、実績の開始日時及び終了日時に基づき、日時のそれぞれに対応するスケジュールテーブル22の列の、追加した行のセルの表示態様を変化させる。
【0073】
このように、表示制御部151は、実績DBに記憶された修正後の開始日時及び終了日時、ならびに開始日時及び終了日時を、それぞれ専用の行に表示させる。これにより、各工程の開始日時及び終了日時の初期設定、修正後の状態及び実績を並列に表示させることで、ユーザが状況を把握しやすくなる。
【0074】
また、表示制御部151は、実績に基づく工程の終了日時が、あらかじめ設定された納期を超えている場合、アラートを表示させる。表示制御部151は、スケジュール計算部152による終了日時の計算が行われた時点、終了日時が修正された時点、又は終了日時の実績が入力された時点で、終了日時が納期を超えているか否かを判定し、超えている場合、メッセージ等によりアラートを表示する。
【0075】
スケジュール計算部152は、あらかじめ設定された工程間の時間間隔、設備の稼働が不可能な日時に基づき、第1の列に表示された工程の開始日時と終了日時を計算する。これにより、設備の入れ替え時間、人による操作時間を考慮したスケジュールの設定が可能になる。
【0076】
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。
【符号の説明】
【0077】
10 情報提供装置
11 通信部
12 入力部
13 出力部
14 記憶部
15 制御部
20 スケジュールシート
22 スケジュールテーブル
141 テンプレート情報
142 製品DB
143 設備DB
144 実績DB
151 表示制御部
152 スケジュール計算部
153 重複設備特定部
211 製品追加ボタン
212 製品入力領域
213 製造数入力領域
214 月追加ボタン
215 日数入力領域
221 消去ボタン
231 重複設備ボタン
1421、1422 製品マスタ
1431 設備マスタ