(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024158947
(43)【公開日】2024-11-08
(54)【発明の名称】配管システム
(51)【国際特許分類】
E04D 13/08 20060101AFI20241031BHJP
E04D 13/068 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
E04D13/08 301B
E04D13/068 503
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074600
(22)【出願日】2023-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(72)【発明者】
【氏名】橋本 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】西本 舞
(57)【要約】
【課題】主管と枝管との合流部による排水性能の低下の低減を可能にし、かつ、枝管からの排水の安定化を可能にする配管システムを提供する。
【解決手段】配管システムは、第1軒樋の第1落とし口に接続される主管と、第2軒樋の第2落とし口に接続される枝管と、を備える。主管は、第1落とし口に接続される第1竪樋と、第1竪樋の下流側にあって、第1竪樋より管径が大きい部位を含む第2竪樋と、第1竪樋と第2竪樋との間にあり、枝管の下流側の端部が接続される合流部と、第1竪樋以下の管径を有し、合流部の下流側の端部と第2竪樋の上流側の端部とを接続する接続管と、を含む。主管は、合流部の下流側の端部より下方に、大気圧に開放される開放部位を有する。合流部の下流側の端部から開放部位までの鉛直方向における距離をd[mm]とすると、0≦d≦500を満たす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軒樋の第1落とし口に接続される主管と、
第2軒樋の第2落とし口に接続される枝管と、
を備え、
前記主管は、
前記第1落とし口に接続される第1竪樋と、
前記第1竪樋の下流側にあって、前記第1竪樋より管径が大きい部位を含む第2竪樋と、
前記第1竪樋と前記第2竪樋との間にあり、前記枝管の下流側の端部が接続される合流部と、
前記第1竪樋以下の管径を有し、前記合流部の下流側の端部と前記第2竪樋の上流側の端部とを接続する接続管と、
を含み、
前記主管は、前記合流部の下流側の端部より下方に、大気圧に開放される開放部位を有し、
前記合流部の下流側の端部から前記開放部位までの鉛直方向における距離をd[mm]とすると、
0≦d≦500を満たす、
配管システム。
【請求項2】
d≦200を満たす、
請求項1の配管システム。
【請求項3】
前記第1落とし口から前記開放部位までの鉛直方向における距離をh[mm]とすると、
h≧3000を満たす、
請求項1の配管システム。
【請求項4】
0.05≦d/h≦0.15を満たす、
請求項1の配管システム。
【請求項5】
前記第2竪樋は、
前記第1竪樋より管径が大きい縦管と、
前記接続管を前記縦管に接続するインクリーザと、
を含み、
前記開放部位は、前記接続管と前記インクリーザとの接続部分である、
請求項1の配管システム。
【請求項6】
前記第2竪樋は、前記第1竪樋より管径が大きい縦管を含み、
前記接続管の下流側の端部は、前記縦管内に配置され、
前記開放部位は、前記接続管の下流側の端部である、
請求項1の配管システム。
【請求項7】
前記第1落とし口からの第1排水経路の最大許容流量をQ1max、
前記第1排水経路の流量をQ1、
前記第2落とし口からの第2排水経路の流量をQ2とすると、
Q1max≧Q1+Q2を満たす、
請求項1の配管システム。
【請求項8】
前記枝管は、前記合流部に向かって下降する呼び樋を含み、
前記呼び樋の勾配は、1/1000以上である、
請求項1の配管システム。
【請求項9】
前記第2軒樋は、前記第1軒樋より下方にあり、
前記第1竪樋は、前記第2軒樋とは流路的に分離した状態で前記第2軒樋の底壁の開口を通過する、
請求項1の配管システム。
【請求項10】
前記第1落とし口に配置されるドレンを更に備える、
請求項1の配管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、雨水排水配管構造を開示する。特許文献1に開示された雨水排水配管構造は、上層階に配置されたサイフォン式排水部材と、サイフォン式排水部材から流入する雨水を上層階から階下に向かって流下する本管と、本管の高さ方向における途中に位置される合流部に接続され、合流部に外部から排水を流入させる枝管と、を備える。本管は、上方側に配置される第1縦配管と、第1縦配管の下方側に配置され第1縦配管よりも大きな流路面積を有する養生管と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された雨水排水配管構造では、合流部において枝管からの排水が合流できず、排水が枝管を逆流し、場合によっては、オーバーフローが生じる場合があった。
【0005】
本開示は、主管と枝管の合流部による排水性能の低下の低減を可能にし、かつ、枝管からの排水の安定化を可能にする配管システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかる配管システムは、第1軒樋の第1落とし口に接続される主管と、第2軒樋の第2落とし口に接続される枝管と、を備え、主管は、第1落とし口に接続される第1竪樋と、第1竪樋の下流側にあって、第1竪樋より管径が大きい部位を含む第2竪樋と、第1竪樋と第2竪樋との間にあり、枝管の下流側の端部が接続される合流部と、第1竪樋以下の管径を有し、合流部の下流側の端部と第2竪樋の上流側の端部とを接続する接続管と、を含む。主管は、合流部の下流側の端部より下方に、大気圧に開放される開放部位を有する。合流部の下流側の端部から開放部位までの鉛直方向における距離をd[mm]とすると、0≦d≦500を満たす。
【発明の効果】
【0007】
本開示の態様は、主管と枝管との合流部による排水性能の低下の低減を可能にし、かつ、枝管からの排水の安定化を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】第1例の配管システムの排水性能の評価の結果のグラフ
【
図3】第2例の配管システムの排水性能の評価の結果のグラフ
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1.実施の形態]
以下、場合によって図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。ただし、以下の実施の形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容(例えば、各構成要素の形状、寸法、配置等)に限定する趣旨ではない。上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。以下の実施の形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、各要素の寸法比率は図面に図示された比率に限られるものではない。
【0010】
なお、以下の説明において、複数ある構成要素を互いに区別する必要がある場合には、「第1」、「第2」等の接頭辞を構成要素の名称に付すが、構成要素に付した符号により互いに区別可能である場合には、文章の読みやすさを考慮して、「第1」、「第2」等の接頭辞を省略する場合がある。
【0011】
[1.1 実施の形態1]
[1.1.1 構成]
図1は、実施の形態1にかかる配管システム1の概略図である。配管システム1は、例えば、複数の屋根を有する建物用の雨樋システム(排水システム)を構成する。配管システム1は、建物の複数の屋根からの雨水を受けて、地面20のます部21に流す。ます部21に集められた雨水は、ます部21から埋設管22を通って雨水管に流れ出る。建物は、例えば、店舗、オフィス、工場、ビル、学校、福祉施設又は病院等の非住宅施設、及び戸建住宅、集合住宅、又は戸建住宅若しくは集合住宅の各住戸等の住宅施設の建物である。非住宅施設には、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、百貨店、ホテル、旅館、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅及び空港等も含む。建物の複数の屋根、庇(小屋根)及び大屋根を含み得る。
【0012】
配管システム1は、第1軒樋31と、第2軒樋32と、主管4と、枝管5と、貫通管6と、ドレン71,72と、を備える。
【0013】
第1軒樋31は、例えば、建物の大屋根からの雨水を受ける。第1軒樋31は、建物の大屋根の下に設置される。第1軒樋31は、長尺の桶状である。第1軒樋31は、底壁31aを有し、底壁31aに第1落とし口31bがある。第1落とし口31bには、主管4が接続される。
【0014】
ドレン71は、第1軒樋31の第1落とし口31bに配置される。ドレン71は、サイフォン現象の発生を促進するために用いられる。ドレン71は、第1落とし口31bでの渦の発生及び空気の巻き込みを低減する。ドレン71は、ドレン71がない場合に比べれば、サイフォン現象を発生させやすい構造を有する。ドレン71には、主管4が接続される。ドレン71は、サイフォン現象の発生に寄与するが、サイフォン現象の発生には、ドレン71だけではなく、主管4の構造も関係し得ることは周知の事実である。
【0015】
第2軒樋32は、例えば、建物の庇からの雨水を受ける。第2軒樋32は、建物の庇の下に設置される。第2軒樋32は、長尺の桶状である。第2軒樋32は、底壁32aを有し、底壁32aに第2落とし口32bがある。第2落とし口32bには、枝管5に接続される。
【0016】
ドレン72は、第2軒樋32の第2落とし口32bに配置される。ドレン72は、サイフォン現象の発生を促進するために用いられる。ドレン72は、第2落とし口32bでの渦の発生及び空気の巻き込みを低減する。ドレン72は、ドレン72がない場合に比べれば、サイフォン現象を発生させやすい構造を有する。ドレン72は、サイフォン現象の発生に寄与するが、サイフォン現象の発生には、ドレン72だけではなく、枝管5の構造も関係し得ることは周知の事実である。なお、第2軒樋32の第2落とし口32bには、第1落とし口31bとは異なり、ドレン72が配置されていなくてもよい。あるいは、第2落とし口32bには、一般的にサイフォン現象の発生に寄与しないと考えられる構造のドレン等が配置されてよい。
【0017】
第2軒樋32は、第1軒樋31の下方にある。より詳細には、第2軒樋32は、鉛直方向において、少なくとも一部において第1軒樋31と重なっている。第2軒樋32は、鉛直方向において第1軒樋31の第1落とし口31bと重なる部分に、開口32cを有する。開口32cは、第2軒樋32の底壁32aを貫通する貫通孔である。
【0018】
貫通管6は、第2軒樋32の底壁32aの開口32cを貫通するように配置される。貫通管6は、開口32cの周囲を全周に亘って覆うとともに、第2軒樋32の底壁32aにおける開口32cの縁部に取り付けられる。貫通管6は、上壁部6aと、下壁部6bと、を有する。上壁部6aは、第2軒樋32の底壁32aより上方に延びる。下壁部6bは、第2軒樋32の底壁32aより下方に延びる。上壁部6a及び下壁部6bは、第2軒樋32内の雨水が開口32cを介して外部に漏れる可能性を低減する。本実施の形態において、上壁部6a及び下壁部6bは、直管状であり、貫通管6の管軸に直交する断面は円形状である。
【0019】
主管4は、第1軒樋31の第1落とし口31bからサイフォン現象により雨水を排水するために設置される。主管4は、第1落とし口31bからの雨水を垂直に流す。主管4の上流側の端部4aは、第1落とし口31bに接続される。主管4の下流側の端部4bは、ます部21に挿入される。
【0020】
主管4は、第1竪樋41と、第2竪樋42と、合流部43と、接続管44と、カバー45と、を備える。
【0021】
第1竪樋41は、第1軒樋31の第1落とし口31bに接続される。第1竪樋41は、第1軒樋31の第1落とし口31bから下方に延びる。第1竪樋41は、上流側の端部41aと下流側の端部41bとを有する。上流側の端部41aは、第1竪樋41において第1落とし口31bに接続される端部(
図1での上端部)である。第1竪樋41の上流側の端部41aは、ドレン71に接続されて第1軒樋31の第1落とし口31bに接続される。下流側の端部41bは、第2竪樋42より下方に位置する。
【0022】
第1竪樋41は、第2軒樋32とは流路的に分離した状態で第2軒樋32の底壁32aの開口32cを通過する。ここで、「第1竪樋41は、第2軒樋32とは流路的に分離した状態で第2軒樋32の底壁32aの開口32cを通過する」とは、第2軒樋32から第1竪樋41への流体の流入が生じないように、第1竪樋41が第2軒樋32の底壁32aの開口32cを通過することをいう。
【0023】
第1竪樋41は、直管状である。第1竪樋41の管軸に直交する断面は円形状である。第1竪樋41は、径(内径及び外径)が、貫通管7より小さい。第1竪樋41は、建物の壁面に、第1竪樋41の管軸(中心軸)の方向が上下方向(鉛直方向)に一致するように固定される。第1竪樋41の上流側の端部41aが、主管4の上流側の端部4aである。
【0024】
第2竪樋42は、第1竪樋41の下流側にある。第2竪樋42は、上流側の端部42aと下流側の端部42bとを有する。上流側の端部42aは、第1竪樋41の下流側の端部41bの下方に位置する。上流側の端部42aは、第1竪樋41の下流側の端部41bと流路的に接続される。つまり、上流側の端部42aは、鉛直方向において、第1竪樋41の下流側の端部41bに対向する。下流側の端部42bは、第2竪樋42において、ます部21に挿入される端部(
図1の下端部)である。第2竪樋42の下流側の端部42bが、主管4の下流側の端部4bである。
【0025】
合流部43は、主管4の途中部分に枝管5を接続する。合流部43は、第1竪樋41と第2竪樋42との間にある。合流部43は、第1竪樋41の下流側の端部41bに接続される上流側の端部43aと、第2竪樋42の上流側の端部42aに接続される下流側の端部43bと、分岐口43cとを備える。合流部43は、例えば、T字状である。合流部43は、いわゆるT字管(チーズ管)である。
【0026】
接続管44は、合流部43の下流側の端部43bと第2竪樋42の上流側の端部42aとを接続する。接続管44は、上流側の端部44aと下流側の端部44bとを有する。上流側の端部44aは、合流部43の下流側の端部43bに接続される。接続管44は、直管状である。接続管44の管軸に直交する断面は円形状である。接続管44は、第1竪樋41以下の管径を有する。本実施の形態では、接続管44は、管径(内径及び外径)が、第1竪樋41と等しい。
【0027】
第2竪樋42は、縦管421と、インクリーザ422と、を含む。
【0028】
縦管421は、第2竪樋42において第1竪樋41より管径が大きい部位である。縦管421は、上流側の端部421aと下流側の端部421bとを有する。縦管421は、直管状である。縦管421の管軸に直交する断面は円形状である。本実施の形態において、縦管421は、管径(内径及び外径)が、第1竪樋41及び接続管44より大きい。縦管421は、建物の壁面に、縦管421の管軸の方向が上下方向(鉛直方向)に一致するように固定される。縦管421の下流側の端部421bが、第2竪樋42の下流側の端部42bである。
【0029】
インクリーザ422は、接続管44と縦管421とを接続する。接続管44の径(内径及び外径)は、縦管421の径(内径及び外径)より小さい。インクリーザ422の上流側の端部は、接続管44の下流側の端部44bに接続されるように接続管44の径(内径及び外径)に対応する形状を有する。インクリーザ422の下流側の端部は、縦管421の上流側の端部421aに接続されるように縦管421の径(内径及び外径)に対応する形状を有する。本実施の形態において、インクリーザ422の上流側の端部が、第2竪樋42の上流側の端部42aである。
【0030】
主管4において、第1竪樋41の材料、縦管421の材料、インクリーザ422の材料、合流部43の材料、及び、接続管44の材料は、例えば、硬質ポリ塩化ビニルである。第1竪樋41、縦管421、及び、接続管44の寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格に沿って設定されてよい。一例として、第1竪樋41、縦管421、及び、接続管44は、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格におけるVU又はVPの硬質ポリ塩化ビニル管において呼び径65以上の管材であってよく、呼び径75、100又は125の管材であってよい。本実施の形態において、縦管421は、管径(内径及び外径)が、第1竪樋41及び接続管44より大きい。第1竪樋41及び接続管44が呼び径75の管材であれば、縦管421は1サイズ大きい呼び径100の管材であってよい。合流部43の寸法は、塩化ビニル管・継手協会規格の「屋外排水設備用硬質塩化ビニル継手(VU継手)」に沿って設定されてよい。
【0031】
枝管5は、第2軒樋32の第2落とし口32bからの雨水を合流部43から主管4に流入させるために設置される。枝管5は、第2軒樋32の第2落とし口32bからの雨水を主管4を経由して、ます部21に流す。枝管5は、上流側の端部5aと下流側の端部5bとを有する。上流側の端部5aは、枝管5において第2落とし口32bに接続される端部(
図1での上端部)である。下流側の端部5bは、枝管5において、合流部43に接続される端部(
図1での左端部)である。
【0032】
枝管5は、縦管51と、呼び樋52と、エルボ53と、を備える。
【0033】
縦管51は、枝管5の上流側の部分である。縦管51は、直管状である。縦管51の管軸に直交する断面は円形状である。縦管51は、縦管51の管軸の方向が上下方向(鉛直方向)に一致するように配置される。枝管5の上流側の端部5aは、縦管51の上端部である。
【0034】
呼び樋52は、枝管5の下流側の部分である。呼び樋52は、直管状である。呼び樋52の管軸に直交する断面は円形状である。呼び樋52は、合流部43に向かって下降する。呼び樋52の勾配は、1/1000以上である。呼び樋52の第1端部(
図1の右端部)はエルボ53を介して縦管51に接続され、呼び樋52の第2端部(
図1の左端部)は主管4に接続される。枝管5の下流側の端部5bは、呼び樋52の第2端部である。
【0035】
縦管51の材料及び呼び樋52の材料は、硬質ポリ塩化ビニルである。縦管51及び呼び樋52の寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格に沿って設定されてよい。
【0036】
エルボ53は、縦管51と呼び樋52とを接続する。エルボ53は、縦管51の下端部に接続される第1受け口53aと、呼び樋52の第1端部に接続される第2受け口53bとを備える。エルボ53は、L字状である。エルボ53の材料は、例えば、硬質ポリ塩化ビニルである。エルボ53の寸法は、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手」の規格に沿って設定されてよい。例えば、エルボ53は、JIS K 6739で規定される90°曲がりエルボ(所謂、DL)である。
【0037】
以上述べたように、配管システム1は、第1落とし口31bからの排水のための主管4と、第2落とし口32bからの排水のための枝管5とを備える。枝管5は、主管4の合流部43に接続されている。配管システム1において、第1落とし口31bからの第1排水経路は、主管4の第1竪樋41、合流部43、接続管44、及び第2竪樋42により規定される。第2落とし口32bからの第2排水経路は、枝管5と、主管4の合流部43、接続管44及び第2竪樋42とにより規定される。つまり、第2排水経路は、第1排水経路の一部を利用している。
【0038】
サイフォン現象の発生の一要因としては、鉛直方向からみた水面の上端と下端の位置エネルギの差がある。位置エネルギの差が大きいほど、サイフォン現象における流速の向上により、流量が増大すると考えられる。
【0039】
次に、配管システム1においてサイフォン現象による排水性能の向上を考慮する。サイフォン現象による排水性能の向上を考慮するにあたっては、第1排水経路及び第2排水経路の各々において満水状態になり得る領域の鉛直方向での長さを考慮する。なお、満水状態は、厳密な意味で使用されておらず、満水状態と同等とみなせる程度に水で満たされた状態(満水状態に近い状態)、又は、実際にサイフォン現象が発生する程度に水で満たされた状態も含む。
【0040】
第1排水経路において満水状態になり得る領域の鉛直方向での長さが長いほど、第1落とし口31bでの負圧が増加し、サイフォン現象による吸引力を増加させることができ得る。第1排水経路においてサイフォン現象による吸引力が増加すると、主管4においてサイフォン現象による作用を安定的に促進させることができ得る。第1排水経路において満水状態になり得る領域の鉛直方向での長さは、第1落とし口31bから開放部位4cまでの鉛直方向における距離h[mm]である。一例として、配管システム1では、h≧3000を満たすことが好ましい。開放部位4cは、主管4において、合流部43の下流側の端部43bから下方で大気圧に開放される部位である。主管4では、第2竪樋42の縦管421の管径が、第1竪樋41及び接続管44の管径より大きい。接続管44は、インクリーザ422を介して、縦管421に接続されている。そのため、主管4は、接続管44とインクリーザ422との接続部分において、大気圧に開放される。したがって、接続管44とインクリーザ422との接続部分が、開放部位4cとなる。本実施の形態では、インクリーザ422の上端の位置を、接続管44とインクリーザ422との接続部分の位置とする。
【0041】
第2排水経路において満水状態になり得る領域の鉛直方向での長さが長いほど、第2落とし口32bでの負圧が増加し、サイフォン現象による吸引力を増加させることができ得る。第2排水経路においてサイフォン現象による吸引力が増加すると、枝管5においてサイフォン現象による作用を安定的に促進させることができ得る。第2排水経路において満水状態になり得る領域の鉛直方向での長さは、第2落とし口32bから開放部位4cまでの鉛直方向における距離である。
【0042】
第1排水経路と第2排水経路とは、合流部43により合流する。第1排水経路から見れば、合流部43においては、枝管5から空気が流入する可能性があり、枝管5からの空気の流入は、第1排水経路でのサイフォン現象の発生を不安定にし、配管システム1の排水性能の低下の一因になり得る。第2排水経路から見れば、合流部43においては、第1竪樋41から空気が流入する可能性があり、第1竪樋41からの空気の流入は、第2排水経路でのサイフォン現象の発生を不安定にし、配管システム1の排水性能の低下の一因になり得る。
【0043】
発明者(ら)は、第1排水経路の流量及び第2排水経路の流量を変えて、合流部43の位置の異なる配管システム1の排水性能を評価したところ、合流部43が開放部位4cに近いほうが好ましいという知見を得た。より詳細には、合流部43の下流側の端部43bから開放部位4cまでの鉛直方向における距離をd[mm]とすると、0≦d≦500を満たすことが好ましい。特に、d≦200を満たすことが好ましい。加えて、0.05≦d/h≦0.15を満たすことがより好ましい。主管4では、開放部位4cは、接続管44の下流側の端部44bである。したがって、配管システム1Aでは、dは、合流部43の下流側の端部43bから接続管44とインクリーザ422との接続部分までの鉛直方向における距離である。この距離は、接続管44において合流部43及びインクリーザ422から露出する部位の、鉛直方向における長さに等しい。
【0044】
この点について、
図2及び
図3を参照して説明する。
図2は、第1例の配管システム1の排水性能の評価の結果のグラフであり、
図3は、第2例の配管システム1の排水性能の評価の結果のグラフである。第1例の配管システム1は、0≦d≦500を満たし、第2例の配管システム1は、0≦d≦500を満たしていない。
【0045】
図2及び
図3において、横軸は、第1排水経路の流量Q1[l/s]を示し、縦軸は、第2排水経路の流量Q2[l/s]を示す。
【0046】
図2及び
図3において、直線L1より左側の範囲は、Q1+Q2≦Q1maxを満たす範囲である。Q1max[l/s]は、第1排水経路の最大許容流量を表す。配管システム1は、Q1+Q2≦Q1maxを満たすことが好ましい。直線L2より右側の範囲は、Q1≧Q1minを満たす範囲である。Q1min[l/s]は、第1排水経路においてサイフォン現象が発生しているときの流量の最小値を表す。直線L3より下側の範囲は、Q2≦Q2maxを満たす範囲である。Q2max[l/s]は、第2排水経路の最大許容流量を表す。一例として、Q1max=21.5、Q1min=7、Q2max=6である。配管システム1は、直線L1、L2及びL3で囲まれる範囲で運用されることが好ましい。
【0047】
第1例及び第2例のいずれの場合でも、Q1が大きく、Q2が小さいほど、合流部43において枝管5からの雨水が主管4に合流しやすい。特に、第1例の場合、
図2の領域S1において、合流が容易に起き、領域S2においても合流が可能であった。一方、第2例の場合、
図3において領域S3において、合流が容易に起き、領域S4においても合流が可能であるものの、Q1が小さく、Q2が大きい領域S5では、枝管5において逆流が生じることがあった。
【0048】
このような相違は、以下の理由によると考えられる。第2例では、枝管5から主管4への雨水の吸い込みは、合流部43での負圧に依存していると考えられる。つまり、第2例では、合流部43でサイフォン現象が継続していることが前提となっており、合流部43での負圧は、第1排水経路において満水状態になり得る領域における合流部43の位置、Q1の大きさに依存する。そのため、合流部43での負圧は、小さくなったり、場合によっては正圧となったりする場合がある。これは、第2排水経路での排水を阻害し、場合によっては雨水が枝管5を逆流し、その結果、第2軒樋32からのオーバーフローを引き起こすことがある。このように、第2例では、枝管5から主管4への合流が、合流部43での負圧の大きさに依存するため、不安定である。
【0049】
一方、第1例では、合流部43と開放部位4cが近いため、枝管5からの雨水は、合流部43から排水されやすいことが確認された。つまり、0≦d≦500を満たせばよいから、第1排水経路において満水状態になり得る領域の鉛直方向での長さ(第1落とし口31bから開放部位4cまでの鉛直方向における距離h)、及び、合流部43の地面からの高さに依存せずに、枝管5からの排水の安定化が可能である。さらに、枝管5から主管4への合流の、合流部43での負圧への依存度が低く、Q1が小さく、Q2が大きくなったような場合でも、枝管5からの排水の安定化が可能である。また、合流部43と開放部位4cが近いため、合流部43での空気の流入の影響が小さくなっており、主管4と枝管5との合流部43による排水性能の低下が低減されやすい。加えて、合流部43の下流側の端部43bから開放部位4cまでの鉛直方向における距離dが0≦d≦500を満たせばよいから、dの設定にあたっては、第1排水経路において満水状態になり得る領域の鉛直方向での長さ(第1落とし口31bから開放部位4cまでの鉛直方向における距離h)、及び、合流部43の地面からの高さによる制約を受けなくて済む。
【0050】
以上から、配管システム1において、0≦d≦500を満たすことが好ましい。さらに、d≦200を満たすことがより好ましい。加えて、0.05≦d/h≦0.15を満たすことがより好ましい。
【0051】
[1.1.2 効果等]
以上述べた配管システム1は、第1軒樋31の第1落とし口31bに接続される主管4と、第2軒樋32の第2落とし口32bに接続される枝管5と、を備え、主管4は、第1落とし口31bに接続される第1竪樋41と、第1竪樋41の下流側にあって、第1竪樋41より管径が大きい部位を含む第2竪樋42と、第1竪樋41と第2竪樋42との間にあり、枝管5の下流側の端部5bが接続される合流部43と、第1竪樋41以下の管径を有し、合流部43の下流側の端部43bと第2竪樋42の上流側の端部42aとを接続する接続管44と、を含み、主管4は、合流部43の下流側の端部43bより下方に、大気圧に開放される開放部位4cを有し、合流部43の下流側の端部43bから開放部位4cまでの鉛直方向における距離をd[mm]とすると、0≦d≦500を満たす。この構成は、主管4と枝管5との合流部43による排水性能の低下の低減を可能にし、かつ、枝管5からの排水の安定化を可能にする。
【0052】
配管システム1において、d≦200を満たす。この構成は、主管4と枝管5との合流部43による排水性能の低下の低減を可能にし、かつ、枝管5からの排水の安定化を可能にする。
【0053】
配管システム1において、鉛直方向における第1落とし口31bと第2竪樋42の上流側の端部42aとの間の距離をh[mm]とすると、h≧3000を満たす。この構成は、サイフォン現象の発生の促進を可能にする。
【0054】
配管システム1において、0.05≦d/h≦0.15を満たす。この構成は、主管4と枝管5との合流部43による排水性能の低下の低減を可能にし、かつ、枝管5からの排水の安定化を可能にする。
【0055】
配管システム1において、第2竪樋42は、第1竪樋41より管径が大きい縦管421と、接続管44を縦管421に接続するインクリーザ422と、を含み、開放部位4cは、接続管44とインクリーザ422との接続部分である。この構成は、主管4と枝管5との合流部43による排水性能の低下の低減を可能にし、かつ、枝管5からの排水の安定化を可能にする。
【0056】
配管システム1において、第1落とし口31bからの第1排水経路の最大許容流量をQ1max、第1排水経路の流量をQ1、第2落とし口からの第2排水経路の流量をQ2とすると、Q1max≧Q1+Q2を満たす。この構成は、第1排水経路及び第2排水経路での排水の安定化を可能にする。
【0057】
配管システム1において、枝管5は、合流部43に向かって下降する呼び樋52を含み、呼び樋52の勾配は、1/1000以上である。この構成は、枝管5からの排水の促進を可能にする。
【0058】
配管システム1において、第2軒樋32は、第1軒樋31より下方にあり、第1竪樋41は、第2軒樋32とは流路的に分離した状態で第2軒樋32の底壁32aの開口32cを通過する。この構成は、配管システム1の省スペース化を可能にする。
【0059】
配管システム1は、第1落とし口31bに配置されるドレン71を更に備える。この構成は、サイフォン現象の発生の促進を可能にする。
【0060】
[1.2 実施の形態2]
[1.2.1 構成]
図4は、実施の形態2にかかる配管システム1Aの説明図である。配管システム1Aは、第1軒樋31と、第2軒樋32と、主管4Aと、枝管5と、貫通管6と、ドレン71,72と、を備える。
【0061】
主管4Aは、第1竪樋41と、第2竪樋42Aと、合流部43と、接続管44と、カバー45と、を備える。
【0062】
第2竪樋42Aは、第2竪樋42と同様に縦管421を含が、第2竪樋42とは異なりインクリーザ422を含んでない。
【0063】
主管4Aでは、接続管44の下流側の端部44bは、縦管421内に配置される。つまり、接続管44は、下流側の端部44bが縦管421の上流側の端部421aから縦管421内に挿入されるようにして、合流部43に接続される。
【0064】
主管4Aでは、開放部位4cは、接続管44の下流側の端部44bである。したがって、配管システム1Aでは、dは、合流部43の下流側の端部43bから接続管44の下流側の端部44bまでの鉛直方向における距離である。そして、配管システム1Aにおいても、0≦d≦500を満たすことが好ましい。
【0065】
[1.2.2 効果等]
以上述べた配管システム1Aにおいて、第2竪樋42Aは、第1竪樋41より管径が大きい縦管421を含む。接続管44の下流側の端部44bは、縦管421内に配置される。開放部位4cは、接続管44の下流側の端部44bである。この構成は、主管4Aと枝管5との合流部43による排水性能の低下の低減を可能にし、かつ、枝管5からの排水の安定化を可能にする。
【0066】
[2.変形例]
本開示の実施の形態は、上記実施の形態に限定されない。上記実施の形態は、本開示の課題を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施の形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0067】
なお、以下では、上記の実施の形態1,2のいずれにおいても適用可能であっても、実施の形態1において用いた符号に言及するが、これは、単に記載を簡略化するためであって、実施の形態2への適用を排除する趣旨ではない。
【0068】
一変形例において、主管4の材料及び枝管5の材料の少なくとも一つは、必ずしも硬質ポリ塩化ビニルでなくてもよい。主管4の材料及び枝管5の材料は、配管システム1に求められる要件にしたがって決定されてよく、例えば、ポリエチレン等の合成樹脂であってもよいし、合成樹脂ではなく、金属であってもよい。
【0069】
一変形例において、第1竪樋41は、1又は複数の直管状の配管部材により構成されてもよく、さらに、エルボ、ソケット等の接続継手を含んでもよい。
【0070】
一変形例において、主管4及び枝管5の寸法等は、必ずしもJIS K 6741で規定に沿って設定されなくてもよい。
【0071】
一変形例において、配管システム1は、必ずしも第1軒樋31又は第2軒樋32を備えていなくてもよい。例えば、建物がバルコニーのような落とし口を備える構造を有する場合には、主管4又は枝管5が建物の落とし口に接続されてよい。
【0072】
一変形例において、配管システム1は、複数の第2落とし口32bに対応してよい。配管システム1では、複数の枝管5が主管4の1以上の合流部43に接続されてよい。
【0073】
一変形例において、主管4は、上記の実施の形態と異なる構成を有してよい。例えば、主管4の第1竪樋41は、単一の管材ではなく、複数の管材で構成されてよい。例えば、第1竪樋41は、直管状の管材に加えて、呼び樋、エルボ、ソケット等のその他の配管部材を含み得る。主管4において、第1竪樋41の数、第2竪樋42の数及び合流部43の数も特に限定されない。
【0074】
一変形例において、枝管5は、上記の実施の形態と異なる構成を有してよい。枝管5は、ソケット等のその他の配管部材を有し得る。枝管5において、縦管51の数、呼び樋52の数、エルボ53の数も特に限定されない。なお、エルボ53は、JIS K 6739で規定される45°エルボであってもよい。
【0075】
一変形例において、ドレン71,72は、必ずしも、サイフォン現象促進用のドレンでなくてもよい。ドレン71,72は省略されてもよい。
【0076】
一変形例において、配管システム1は、雨樋システムに限定されない。配管システムの例としては、上水道又は下水道のための配管システム、工場等の施設内において目的の流体を搬送数ための配管システムが挙げられる。つまり、配管システムで搬送する流体は、雨水に限定されない。
【0077】
[3.態様]
上記実施の形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。
【0078】
[態様1]
第1軒樋の第1落とし口に接続される主管と、
第2軒樋の第2落とし口に接続される枝管と、
を備え、
前記主管は、
前記第1落とし口に接続される第1竪樋と、
前記第1竪樋の下流側にあって、前記第1竪樋より管径が大きい部位を含む第2竪樋と、
前記第1竪樋と前記第2竪樋との間にあり、前記枝管の下流側の端部が接続される合流部と、
第1竪樋以下の管径を有し、前記合流部の下流側の端部と前記第2竪樋の上流側の端部とを接続する接続管と、
を含み、
前記主管は、前記合流部の下流側の端部より下方に、大気圧に開放される開放部位を有し、
前記合流部の下流側の端部から前記開放部位までの鉛直方向における距離をd[mm]とすると、
0≦d≦500を満たす、
配管システム。
【0079】
[態様2]
d≦200を満たす、
態様1の配管システム。
【0080】
[態様3]
鉛直方向における前記第1落とし口と前記第2竪樋の上流側の端部との間の距離をh[mm]とすると、
h≧3000を満たす、
態様1又は2の配管システム。
【0081】
[態様4]
0.05≦d/h≦0.15を満たす、
態様3の配管システム。
【0082】
[態様5]
前記第2竪樋は、
前記第1竪樋より管径が大きい縦管と、
前記接続管を前記縦管に接続するインクリーザと、
を含み、
前記開放部位は、前記接続管と前記インクリーザとの接続部分である、
態様1~4のいずれか一つの配管システム。
【0083】
[態様6]
前記第2竪樋は、前記第1竪樋より管径が大きい縦管を含み、
前記接続管の下流側の端部は、前記縦管内に配置され、
前記開放部位は、前記接続管の下流側の端部である、
態様1~4のいずれか一つの配管システム。
【0084】
[態様7]
前記第1落とし口からの第1排水経路の最大許容流量をQ1max、
前記第1排水経路の流量をQ1、
前記第2落とし口からの第2排水経路の流量をQ2とすると、
Q1max≧Q1+Q2を満たす、
態様1~6のいずれか一つの配管システム。
【0085】
[態様8]
前記枝管は、前記合流部に向かって下降する呼び樋を含み、
前記呼び樋の勾配は、1/1000以上である、
態様1~7のいずれか一つの配管システム。
【0086】
[態様9]
前記第2軒樋は、前記第1軒樋より下方にあり、
前記第1竪樋は、前記第2軒樋とは流路的に分離した状態で前記第2軒樋の底壁の開口を通過する、
態様1~8のいずれか一つの配管システム。
【0087】
[態様10]
前記第1落とし口に配置されるドレンを更に備える、
態様1~9のいずれか一つの配管システム。
【0088】
態様2~10は、任意の要素であり、必須ではない。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本開示は、配管システムに適用可能である。具体的には、主管と枝管とを備える配管システムに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0090】
1,1A 配管システム
31 第1軒樋
31b 第1落とし口
32 第2軒樋
32a 底壁
32b 第2落とし口
32c 開口
4,4A 主管
4c 開放部位
41 第1竪樋
42,42A 第2竪樋
42a 上流側の端部
421 縦管
422 インクリーザ
43 合流部
43b 下流側の端部
44 接続管
44b 下流側の端部
5 枝管
52 呼び樋
71 ドレン